(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110180
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】充電コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
H01R13/52 D
H01R13/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014600
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健也
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE11
5E087FF07
5E087LL04
5E087LL17
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】充電コネクタにおける信号線に対する防水、防塵構造であって、充電コネクタの組付が容易な防水、防塵構造を提供することを目的とする。
【解決手段】充電コネクタは、充電コネクタ10は、信号線36と、リテーナ40と、第1カバー50と、第2カバー60と、を備える。リテーナ40は信号線36の周囲を覆う筒部42を含み、第1カバー50の第1本体部51及び第2カバー60の第2本体部61が筒部42に収まる。第1本体部51の第1貫通孔52は、第1通過領域53と第1連通領域54とを有する。第2本体部61の第2貫通孔62は、第2通過領域63と第2連通領域64とを有する。第1通過領域53と第2通過領域63とを信号線36が通る。第1連通領域54と第2連通領域64とが、信号線36の挿通方向から見て互いに排他的な位置にある。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されると共に外部充電コネクタと接続される充電コネクタであって、
キャビティが形成されたハウジングと、
前記キャビティに収まる信号端子と、
前記信号端子に接続された信号線と、
前記信号端子を押える端子押え部と、前記信号線の周囲を囲う筒部とを含み、前記ハウジングの後部に取付けられるリテーナと、
前記筒部に嵌ると共に前記信号線が通る第1貫通孔が形成された第1本体部を含む第1カバーと、
前記第1本体部と異なる位置において前記筒部に嵌ると共に前記信号線が通る第2貫通孔が形成された第2本体部を含む第2カバーと、
を備え、
前記第1貫通孔は、前記信号線が通る第1通過領域と、前記第1通過領域の側方において前記第1通過領域と連通する第1連通領域とを有し、
前記第2貫通孔は、前記信号線が通る第2通過領域と、前記第2通過領域の側方において前記第2通過領域と連通する第2連通領域とを有し、
前記第1連通領域と前記第2連通領域とが、前記信号線の挿通方向から見て互いに排他的な位置にある、充電コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の充電コネクタであって、
前記筒部が複数の前記信号線の周囲を覆い、
複数の前記信号線が、前記第1カバーと前記第2カバーとを貫通する、充電コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の充電コネクタであって、
前記第1本体部には複数の前記信号線に対応する複数の前記第1貫通孔が形成されると共に、前記第2本体部には前記第2貫通孔が1つ形成され、
複数の前記第1貫通孔の前記第1連通領域がそれぞれ前記第1本体部の外縁に向けて延び、
1つの前記第2貫通孔が、複数の前記第2通過領域と、複数の前記第2通過領域を連通させる1つの前記第2連通領域とを有する、充電コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載の充電コネクタであって、
複数の前記第1連通領域のそれぞれは前記第1本体部の外縁に達すると共に前記信号線を側方から通せる大きさを有し、
前記第2連通領域は前記信号端子を通せる大きさを有する、充電コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記第1本体部と前記第2本体部との一方には前記第1本体部と前記第2本体部との他方に向けて突出する突起が設けられている、充電コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記筒部の内面には係止受部が形成され、
前記第1カバー及び前記第2カバーのうち前記筒部の開口側に位置する方は前記係止受部に係止する係止部を含む、充電コネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記第1本体部及び前記第2本体部の外周には前記第1連通領域及び前記第2連通領域とは別に排水溝が形成されている、充電コネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記信号端子は導体板が折曲げられて形成されたプレス端子である、充電コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、インレット後部を覆って、インレット後部における防水、防塵を行うグロメットを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のグロメットは、電源線及び信号線を含めてインレット後部全体をまとめて覆っているため、組付に手間がかかりし得る。
【0005】
そこで、充電コネクタにおける信号線に対する防水、防塵構造であって、充電コネクタの組付が容易な防水、防塵構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の充電コネクタは、車両に搭載されると共に外部充電コネクタと接続される充電コネクタであって、キャビティが形成されたハウジングと、前記キャビティに収まる信号端子と、前記信号端子に接続された信号線と、前記信号端子を押える端子押え部と、前記信号線の周囲を囲う筒部とを含み、前記ハウジングの後部に取付けられるリテーナと、前記筒部に嵌ると共に前記信号線が通る第1貫通孔が形成された第1本体部を含む第1カバーと、前記第1本体部と異なる位置において前記筒部に嵌ると共に前記信号線が通る第2貫通孔が形成された第2本体部を含む第2カバーと、を備え、前記第1貫通孔は、前記信号線が通る第1通過領域と、前記第1通過領域の側方において前記第1通過領域と連通する第1連通領域とを有し、前記第2貫通孔は、前記信号線が通る第2通過領域と、前記第2通過領域の側方において前記第2通過領域と連通する第2連通領域とを有し、前記第1連通領域と前記第2連通領域とが、前記信号線の挿通方向から見て互いに排他的な位置にある、充電コネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、充電コネクタにおける信号線に対する防水、防塵構造であって、充電コネクタの組付が容易な防水、防塵構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態1にかかる充電コネクタを示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は実施形態1にかかる充電コネクタを示す概略分解斜視図である。
【
図3】
図3は実施形態1にかかる充電コネクタを示す概略背面図である。
【
図4】
図4は
図3のIV-IV線に沿った断面を含む一部を拡大した斜視図である。
【
図5】
図5は
図3のV-V線に沿って切断した部分の一部を拡大した断面図である。
【
図9】
図9は第1カバー及び第2カバーが組み合わさった状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の充電コネクタは、次の通りである。
【0011】
(1)車両に搭載されると共に外部充電コネクタと接続される充電コネクタであって、キャビティが形成されたハウジングと、前記キャビティに収まる信号端子と、前記信号端子に接続された信号線と、前記信号端子を押える端子押え部と、前記信号線の周囲を囲う筒部とを含み、前記ハウジングの後部に取付けられるリテーナと、前記筒部に嵌ると共に前記信号線が通る第1貫通孔が形成された第1本体部を含む第1カバーと、前記第1本体部と異なる位置において前記筒部に嵌ると共に前記信号線が通る第2貫通孔が形成された第2本体部を含む第2カバーと、を備え、前記第1貫通孔は、前記信号線が通る第1通過領域と、前記第1通過領域の側方において前記第1通過領域と連通する第1連通領域とを有し、前記第2貫通孔は、前記信号線が通る第2通過領域と、前記第2通過領域の側方において前記第2通過領域と連通する第2連通領域とを有し、前記第1連通領域と前記第2連通領域とが、前記信号線の挿通方向から見て互いに排他的な位置にある、充電コネクタである。
【0012】
(1)の充電コネクタによると、第1カバー及び第2カバーには第1連通領域及び第2連通領域が形成されているため、信号線を第1貫通孔及び第2貫通孔に通す作業が容易となる。これにより、信号線、第1カバー及び第2カバーの組付が容易となる。また、第1連通領域と第2連通領域とが、信号線の挿通方向から見て互いに排他的な位置にあるため、第1カバー又は第2カバーを通じて筒部内に入った水、塵等が信号端子まで達しにくくなり、信号線に対して必要な防水、防塵性能を満たすことができる。これらより、充電コネクタにおける信号線に対する防水、防塵構造であって、充電コネクタの組付容易な防水、防塵構造を提供できる。
【0013】
(2)(1)の充電コネクタにおいて、前記筒部が複数の前記信号線の周囲を覆い、複数の前記信号線が、前記第1カバーと前記第2カバーとを貫通してもよい。これにより、複数の信号線にかかる領域を第1カバー及び第2カバーを用いてまとめて防水、防塵できる。
【0014】
(3)(2)の充電コネクタにおいて、前記第1本体部には複数の前記信号線に対応する複数の前記第1貫通孔が形成されると共に、前記第2本体部には前記第2貫通孔が1つ形成され、複数の前記第1貫通孔の前記第1連通領域がそれぞれ前記第1本体部の外縁に向けて延び、1つの前記第2貫通孔が、複数の前記第2通過領域と、複数の前記第2通過領域を連通させる1つの前記第2連通領域とを有してもよい。これにより、第1連通領域と第2連通領域とが、筒部の径方向に分かれて設けられることにより、信号線の挿通方向から見て互いに排他的な位置となる。
【0015】
(4)(3)の充電コネクタにおいて、複数の前記第1連通領域のそれぞれは前記第1本体部の外縁に達すると共に前記信号線を側方から通せる大きさを有し、前記第2連通領域は前記信号端子を通せる大きさを有してもよい。これにより、信号線と信号端子とを接続して端子付き電線とした後で、第1カバー及び第2カバーに信号線を通すことができる。これにより、第1カバー及び第2カバーに信号線を通した状態で信号端子の接続作業をする必要がなくなり、充電コネクタの製造が容易となる。
【0016】
(5)(1)から(4)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記第1本体部と前記第2本体部との一方には前記第1本体部と前記第2本体部との他方に向けて突出する突起が設けられていてもよい。これにより、第1本体部及び第2本体部が突起によって互いに離れることによって第1本体部及び第2本体部の間に空間ができる。ここで、第1カバー又は第2カバーの孔を通じて筒部内へ多少の水が入ることは許容される。この場合でも、第1本体部と第2本体部との間の空間に、筒部内に浸入した水を一旦ためることができ、水が第1カバー及び第2カバーよりも信号端子側に行きにくい。
【0017】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記筒部の内面には係止受部が形成され、前記第1カバー及び前記第2カバーのうち前記筒部の開口側に位置する方は前記係止受部に係止する係止部を含む。これにより、係止部と係止受部との係止構造によって筒部からの第1カバー及び第2カバーの抜けを抑制できる。
【0018】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記第1本体部及び前記第2本体部の外周には前記第1連通領域及び前記第2連通領域とは別に排水溝が形成されていてもよい。これにより、ハウジングの嵌合面におけるキャビティの開口からの水を排水しやすい。
【0019】
(8)(1)から(7)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記信号端子は導体板が折曲げられて形成されたプレス端子であってもよい。プレス端子の場合、真円に近く、かつ、周方向に途切れていない円周面を作りにくいため、円周面にゴム栓を被せる防水、防塵構造を採用しにくい。このようなプレス端子の場合でも、第1カバー及び第2カバーによって、信号端子の防水、防塵を測ることができる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる充電コネクタについて説明する。
図1は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す概略斜視図である。
図2は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す概略分解斜視図である。
図3は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す概略背面図である。
図4は
図3のIV-IV線に沿った断面を含む一部を拡大した斜視図である。
図5は
図3のV-V線に沿って切断した部分の一部を拡大した断面図である。
【0022】
充電コネクタ10は車両に搭載される。充電コネクタ10は外部充電コネクタ80(
図5参照)と接続される。外部充電コネクタ80は外部ハウジング81と外部信号端子82とを備える。本開示において、充電コネクタ10の前後に関し、外部充電コネクタ80と接続される側(
図5の紙面上側)を前とし、その反対側(
図5の紙面下側)を後ろとする。
【0023】
充電コネクタ10はハウジング20と信号端子31と信号線36とリテーナ40と第1カバー50と第2カバー60とを備える。充電コネクタ10は電源端子及び電源線を備える。電源端子及び電源線については図示が省略されている。電源端子及び電源線は
図3に示す仮想円Cの辺りに配置される。
【0024】
ハウジング20はハウジング本体21とフランジ23とを含む。ハウジング本体21にキャビティ22が形成されている。キャビティ22に信号端子31等の端子が収容されることによって、ハウジング本体21は、端子を保持する。ハウジング本体21は外部ハウジング81と嵌合する形状に形成される。充電コネクタ10と外部充電コネクタ80との接続時に、ハウジング本体21と外部ハウジング81とが嵌合することによって、信号端子31等の端子と、外部信号端子82等の外部端子との接続をガイドする。端子の数及び配列は、通常、充電コネクタ10の規格などによって定められる。ここでは、充電コネクタ10が2つの電源端子と、8つの信号端子31とを備える例が説明される。キャビティ22の数及び配列は、端子の数及び配列に応じて適宜設定される。
【0025】
2つの電源端子は、
図3の左右方向に並ぶ。それぞれ4つの信号端子31を含む2組の信号端子群が、
図3の上下方向における2つの電源端子に対して上下に分かれて配置される。2組の信号端子群は、それぞれ
図3の左右方向における2つの電源端子の間に配置される。各組の信号端子群において、4つの信号端子31は、正方形の4つの角に対応する位置に設けられる。ハウジング本体21には端子の数に応じて10のキャビティ22が、端子の配列に応じた位置に形成される。
【0026】
フランジ23はハウジング本体21の前側においてハウジング本体21の外周から外側に突出する。フランジ23に車両への固定部24が設けられる。ここでは、固定部24として締結孔が形成され、車体のパネルなどにボルト締結される。もっとも固定部24としては特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
【0027】
8つの信号端子31は8つの信号端子31用のキャビティ22にそれぞれ収まる。各信号端子31は端子接続部32と電線接続部33とスタビライザ35とを含む。信号端子31の長手方向一端に端子接続部32が設けられ、他端に電線接続部33が設けられる。スタビライザ35は端子接続部32と電線接続部33との間に設けられる。信号端子31の長手方向がキャビティ22への信号端子31の挿入方向であり、充電コネクタ10と外部充電コネクタ80との接続方向である。ここでは信号端子31は導体板が折曲げられて形成されたプレス端子である。
【0028】
端子接続部32は外部信号端子82と接続される部分である。ここでは端子接続部32は導体板が筒状に曲げられたメス端子構造を有している。端子接続部32の先端には外部信号端子82のオス端子構造が挿入される開口が形成されている。
【0029】
電線接続部33は信号線36と接続される部分である。ここでは電線接続部33は圧着片34を有する。圧着片34が信号線36に圧着されて電線接続部33が信号線36と接続されている。なお、
図2の圧着片34は信号線36に圧着される前の状態を示している。
【0030】
スタビライザ35はハウジング20及びリテーナ40によって前後方向に挟まれることによってハウジング20及びリテーナ40に対して前後方向に位置決めされる。スタビライザ35の先端は端子接続部32及び電線接続部33よりも外周側に突出する。ハウジング本体21におけるキャビティ22の内面には、スタビライザ35を収容する部分と、端子接続部32を収容する部分との間に段差が生じている。当該段差のうち後ろを向く面がスタビライザ35の前端面を押える。リテーナ40のうち前を向く面がスタビライザ35の後端面を押える。
【0031】
8つの信号端子31それぞれに信号線36が接続されている。信号線36は導体芯線37と導体芯線37の周囲を覆う絶縁被覆層38とを含む絶縁電線である。導体芯線37が圧着片34に圧着される。ここでは信号線36は電源線よりも細い。信号線36は曲げ容易である。
【0032】
リテーナ40はハウジング20の後部に取付けられる。リテーナ40は端子押え部41と筒部42とを含む。端子押え部41は信号端子31を押える。筒部42は信号線36の周囲を囲う。ここではリテーナ40はリテーナ本体44を含む。リテーナ本体44には挿通孔45が形成されている。端子付き電線30が挿通孔45を通っている。複数のキャビティ22と同じ数の挿通孔45が、複数のキャビティ22と同じ配列で設けられる。端子押え部41は、リテーナ本体44から前側に突出する。端子押え部41の前端面が、信号端子31のスタビライザ35の後端面を押える。端子押え部41の先端部は、キャビティ22に挿入される。端子押え部41は横断面がC字状又はU字状などに形成される。筒部42はリテーナ本体44から後ろ側に突出する。筒部42は円筒状に形成される。
【0033】
第1カバー50は第1本体部51を含む。第1本体部51は筒部42に嵌る。第1本体部51は円柱状に形成されている。第1本体部51の直径は筒部42の直径と同程度である。第1本体部51には第1貫通孔52が形成されている。第1貫通孔52を信号線36が通る。第1カバー50は、例えば、樹脂製の射出成形品である。第1カバー50は、例えば、信号線36の絶縁被覆層38よりも硬い。
【0034】
第2カバー60は第2本体部61を含む。第2本体部61は第1本体部51と異なる位置において筒部42に嵌る。ここでは筒部42の前側に第1本体部51が嵌り、筒部42の開口側に第2本体部61が嵌る。第2本体部61の直径は筒部42の直径と同程度である。第2本体部61には第2貫通孔62が形成されている。第2貫通孔62を信号線36が通る。第2カバー60は、例えば、樹脂製の射出成形品である。第2カバー60は、例えば、信号線36の絶縁被覆層38よりも硬い。
【0035】
ここではリテーナ40に2つの筒部42が設けられる。2つの筒部42それぞれが、4つの信号線36の周囲を覆う。2つの筒部42それぞれに1つの第1カバー50と1つの第2カバー60とが設けられる。4つの信号線36が、1つの第1カバー50と1つの第2カバー60とを貫通する。つまりここでは、4つの信号線36、1つの筒部42、1つの第1カバー50及び1つの第2カバー60が4つ1組の信号線36にかかる防水、防塵構造をなしており、充電コネクタ10には当該信号線36にかかる防水、防塵構造が2組設けられる。上下2組の信号線36にかかる防水、防塵構造は同じ構造を有している。
【0036】
筒部42の内面には係止受部43が形成されている。第1カバー50及び第2カバー60のうち筒部42の開口側に位置する方は係止部を含む。ここでは第2カバー60が筒部42の開口側に位置し、第2カバー60に係止部66が設けられている。係止部66は第2本体部61の外周に設けられる。係止部66は係止受部43に係止する。係止部66の形状と係止受部43の形状とは、互いに係止可能であれば特に限定されるものではなく適宜設定可能である。ここでは係止部66と係止受部43とのうち一方が係止凸部であり、他方が係止凹部である。ここでは係止部66が係止凸部であり、係止受部43が係止凹部である。係止凸部は第2本体部61の外周から外側に突出する。係止凹部は筒部42を径方向に貫通する孔である。係止凹部は筒部42を貫通していなくてもよい。
【0037】
<第1カバー50及び第2カバー60について>
第1カバー50及び第2カバー60について、
図6から
図9を参照しつつ、より具体的に説明する。
図6は第1カバー50を示す背面図である。
図7は第2カバー60を示す背面図である。
図8は第2カバー60を示す斜視図である。
図9は第1カバー50及び第2カバー60が組み合わさった状態を示す背面図である。
図6、
図7及び
図9は、信号線36の挿通方向から見た図である。
図8は第2カバー60を前方から見た図である。
【0038】
第1貫通孔52は、第1通過領域53と第1連通領域54とを有する。第1通過領域53を信号線36が通る。第1連通領域54は第1通過領域53の側方において第1通過領域53と連通する。第2貫通孔62は、第2通過領域63と第2連通領域64とを有する。第2通過領域63を信号線36が通る。第2連通領域64は、第2通過領域63の側方において第2通過領域63と連通する。
【0039】
図6に示すように、第1本体部51には4つの信号線36に対応する4つの第1貫通孔52が形成される。4つの第1貫通孔52のそれぞれが1つの第1通過領域53と1つの第1連通領域54とを有する。4つの第1通過領域53が正方形の角に対応する位置に形成される。正方形の中心は、第1本体部51の中心に対応する。各第1通過領域53は円形状である。各第1連通領域54が第1通過領域53から第1本体部51の外縁に向けて延びる。ここでは第1連通領域54の幅寸法は第1通過領域53の直径よりも小さい。各第1連通領域54は、第1本体部51の中心からの径方向に沿って外縁まで達する。第1本体部51の外縁には第1連通領域54の開口が形成される。4つの開口は第1本体部51の周方向に沿って等間隔で形成される。
【0040】
図7に示すように、第2本体部61には1つの第2貫通孔62が形成される。1つの第2貫通孔62を4つの信号線36が通る。1つの第2貫通孔62が、4つの第2通過領域63と、1つの第2連通領域64とを有する。1つの連通領域が4つの第2通過領域63を連通させる。4つの第2通過領域63が正方形の角に対応する位置に形成される。正方形の中心は、第2本体部61の中心に対応する。1つの第2連通領域64が、第2本体部61の中心に形成される。第2連通領域64は、4つの第2通過領域63との連結部分から第2本体部61の中心に向けて徐々に大きくなる。1つの第2貫通孔62は背面視においてX字状である。
【0041】
図9に示すように、第1連通領域54と第2連通領域64とが、信号線36の挿通方向から見て互いに排他的な位置にある。第1通過領域53と第2通過領域63とは信号線36の挿通方向から見て互いに一部が重なる位置にある。ここでは第1通過領域53と第2通過領域63とが重なる部分は信号線36と同程度の大きさとされている。第1通過領域53と第2通過領域63とが重なる部分は信号線36よりも小さくてもよい。第1通過領域53と第2通過領域63とは重なっていなくてもよい。
【0042】
図9に示すように、第2通過領域63は第1通過領域53よりも小さくてもよい。第1通過領域53の中心は、リテーナ40の挿通孔45の中心及びキャビティ22の中心と同じ位置にあってもよい。第2通過領域63の中心は、第1通過領域53の中心よりも筒部42の中心に近い位置にあってもよい。
図5に示すように、信号線36のうち第2本体部61と端子との間の部分が、筒部42の中心から径方向外側に曲がっていてもよい。
【0043】
第1連通領域54は信号線36を側方から通せる大きさを有する。
図6に示すように、ここでは第1連通領域54の幅寸法は、信号線36の直径よりもわずかに小さい。この場合でも、信号線36は、圧縮されることによって第1連通領域54を通過可能とされる。第1連通領域54の幅寸法は、信号線36の直径と同じかそれよりも大きくてもよい。信号線36は、圧縮されることなく、第1連通領域54を通過可能であってもよい。
【0044】
ここでは第1通過領域53は信号端子31を通せない大きさである。
図6に示すように第1通過領域53の直径は端子接続部32の直径と同程度である。また、端子の高さ方向において、スタビライザ35の先端は端子接続部32及び電線接続部33よりも上側に突出する。第1通過領域53に信号端子31を通そうとすると、スタビライザ35が第1通過領域53の周縁部に引っ掛かる。これにより、第1通過領域53に信号端子31を通すことが困難である。
【0045】
第2連通領域64は信号端子31を通せる大きさを有する。
図7に示すように、第2連通領域64は第2本体部61の中心部において、信号端子31よりも大きく形成されている。ここでは第2通過領域63は、信号線36は通せるが、信号端子31は通せない大きさである。例えば、第2通過領域63の直径は端子接続部32の直径よりも小さくてもよい。第2通過領域63の直径は信号線36の直径と同程度であってもよい。第2通過領域63の直径は信号線36の直径よりもわずかに小さく信号線36が第2通過領域63に圧入されて保持されていてもよい。第2通過領域63の直径は第1連通領域54の幅寸法と同程度であってもよい。
【0046】
充電コネクタ10において、1つの第2貫通孔62に、4つの端子付き電線30が通った状態とされる。1つの第2連通領域64は、複数の信号端子31を同時に通せない大きさを有する。4つの端子付き電線30は、順に第2連通領域64に通される。この際、
図7に示すように、先に信号端子31が通された端子付き電線30の信号線36が第2連通領域64から第2通過領域63に移されることによって、先に通された端子付き電線30が後から通される端子付き電線30の邪魔となることが抑制される。
【0047】
第1連通領域54が信号線36を側方から通せる大きさを有し、第2連通領域64が信号端子31を通せる大きさを有することによって、信号線36に信号端子31が接続されて端子付き電線30となった状態で、当該端子付き電線30を第1カバー50の第1貫通孔52及び第2カバー60の第2貫通孔62に通すことができる。
【0048】
リテーナ40の挿通孔45も、信号線36に信号端子31が接続されて端子付き電線30となった状態で当該端子付き電線30を通せることが可能であるとよい。例えば、挿通孔45は、第2カバー60の貫通孔のように端子を挿通可能に形成されるか、第1カバー50の貫通孔のように挿通孔45がリテーナ40の外縁まで達して電線を側方から挿入可能に形成されているとよい。
【0049】
第1本体部51の外周には第1連通領域54とは別に排水溝55が形成されている。ここでは、第1本体部51の外周に2つの排水溝55が設けられる。2つの排水溝55のうち一方の排水溝55は、
図6において紙面下側の第1連通領域54と紙面左側の第1連通領域54との間に設けられる。2つの排水溝55のうち他方の排水溝55は、
図6において紙面下側の第1連通領域54と紙面右側の第1連通領域54との間に設けられる。
【0050】
第2本体部61の外周には第2連通領域64とは別に排水溝65が形成されている。ここでは、第2本体部61の外周に1つの排水溝65が設けられる。排水溝65は、第2本体部61の外周のうち
図6における紙面下部に設けられる。排水溝55と排水溝65とは信号線36の挿通方向から見て互いに排他的な位置にある。
【0051】
ここでは排水溝55、65の幅寸法は、第1連通領域54の幅寸法よりも大きい。排水溝55、65の深さ寸法は、第1連通領域54の深さ寸法よと同じである。もっとも、排水溝55、65の大きさは特に限定されるものではなく適宜設定可能である。
【0052】
第1本体部51と第2本体部61との一方には第1本体部51と第2本体部61との他方に向けて突出する突起67が設けられている。
図7に示すように、ここでは突起67が第2本体部61に設けられている。突起67は、第2本体部61から第1本体部51に向けて突出する。突起67は第2本体部61のうち第2貫通孔62よりも外周側に設けられる。突起67は第2本体部61の外縁に設けられる。突起67の厚み寸法は、第2通過領域63のうち第2本体部61の外縁に最も近い部分と第2本体部61の外縁との間隔よりも小さい。突起67の厚み寸法は、排水溝55、65の深さ寸法と同程度である。突起67は排水溝55、65を避けて排水溝55、65よりも上側に設けられる。突起67の周方向の寸法は、特に限定されるものではなく適宜設定可能である。ここでは突起67は第2本体部61の周方向に沿って、2分の1周よりも長く形成されている。これにより、第1本体部51が突起67と接触したときに突起67と接触する部分よりも下側の部分が第2本体部61に接近するような傾きが生じにくくなる。またここでは突起67は第1本体部51の2つの排水溝55を塞がず、2つの排水溝55の間を延びるように、4分の3周よりも短く形成されている。
【0053】
第1本体部51及び第2本体部61のいずれか他方のうち突起67が当たる部分には突起67に対応する凹形状部が形成されていてもよい。これにより、突起67が凹形状部に嵌ることによって、第1カバー50及び第2カバー60の周方向の位置決めをしたり、相対回転を規制したりできる。
【0054】
図1に示す例では、信号線36は、第2カバー60から延び出た後もそのまま後方に向けて延びる。信号線36は、充電コネクタ10の第2カバー60から延び出た後に、曲がって側方又は下方に向けて延びてもよい。信号線36は、曲げ容易のため、曲げ半径を小さくできる。なお、充電コネクタ10の後部に電線の延び出る向きを規制する別のカバーが取付けられてもよい。かかるカバーは、例えば、リテーナ40の後部に取付けられてもよい。
【0055】
充電コネクタ10のハウジング20、端子付き電線30、リテーナ40、第1カバー50及び第2カバー60は、例えば、以下のように組付けることができる。
【0056】
まず、端子付き電線30を、先端部から第2カバー60の第2貫通孔62及びリテーナ40の挿通孔45に通すと共に、当該先端部をハウジング20のキャビティ22に挿入する。次に、リテーナ40をハウジング20に向けて移動させて、ハウジング20の後部に取付ける。次に、第1カバー50の第1貫通孔52に信号線36のうち筒部42と第2カバー60との間の部分を挿入する。次に、第1カバー50をリテーナ40に向けて移動させて筒部42に嵌める。次に、第2カバー60をリテーナ40に向けて移動させて筒部42に嵌める。これにより、第1カバー50及び第2カバー60による信号線36に対する防水、防塵構造が完成する。なお、第1貫通孔52に信号線36を通す作業は、第2貫通孔62及び挿通孔45に端子付き電線30を通す際に併せて行われてもよい。
【0057】
<効果等>
以上のように構成された充電コネクタ10によると、第1カバー50及び第2カバー60には第1連通領域54及び第2連通領域64が形成されているため、信号線36を第1貫通孔52及び第2貫通孔62に通す作業が容易となる。これにより、信号線36、第1カバー50及び第2カバー60の組付が容易となる。また、第1連通領域54と第2連通領域64とが、信号線36の挿通方向から見て互いに排他的な位置にあるため、第1カバー50又は第2カバー60を通じて筒部42内に入った水、塵等が信号端子31まで達しにくくなり、信号線36に対して必要な防水、防塵性能を満たすことができる。これらより、充電コネクタ10における信号線36に対する防水、防塵構造であって、充電コネクタ10の組付容易な防水、防塵構造を提供できる。
【0058】
ここで、信号線36に対する防水、防塵構造における防水、防塵性能は、特に限定されるものではなく適宜設定可能である。かかる防水性能は、ここでは、端子へ一滴の水もかからないような完全な防水性能ではなく、一度に多量の水が端子に達することを抑制できるような防水性能である。またかかる防塵性能は、ここでは、端子へ一つの塵も付着しないような完全な防塵性能ではなく、端子に正常な導通を阻害する量の塵が付着することを抑制できるような防塵性能である。
【0059】
また、防水、防塵性能として、IP(International Protection)規格などが採用されてもよいし、特に規格等は定められていなくてもよい。上記IP(International Protection)規格などの規格が採用される場合、当該規格の中のいずれかの等級が、防水、防塵性能として適宜設定されてもよい。
【0060】
なお、電源線及び電源端子についても、防水、防塵構造が設けられるとよい。電源線及び電源端子の防水、防塵構造は、特に限定されるものではなく適宜設定可能であり、信号線36に対する上記防水、防塵構造と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0061】
また、第1カバー50及び第2カバー60は筒部42に嵌る大きさのため、第1カバー50及び第2カバー60による信号線36に対する防水、防塵構造の大型化を抑制できる。第1カバー50及び第2カバー60はリテーナ40よりも後部へ突出する部分を有していない。このため、リテーナ40の後端よりも前側に、第1カバー50及び第2カバー60による信号線36に対する防水、防塵構造を設けることができる。この場合、信号線36は、リテーナ40の後端よりも後方で如何なる向きにも延びることができ、充電コネクタ10からの信号線36が延びる向きの互いに異なる複数の車種等の信号線36に、第1カバー50及び第2カバー60による同じ防水、防塵構造を採用できる。
【0062】
また、筒部42が複数の信号線36の周囲を覆い、複数の信号線36が、第1カバー50と第2カバー60とを貫通する。これにより、複数の信号線36にかかる領域を第1カバー50及び第2カバー60を用いてまとめて防水、防塵できる。
【0063】
また、複数の第1貫通孔52の第1連通領域54がそれぞれ第1本体部51の外縁に向けて延び、1つの第2貫通孔62が、複数の第2通過領域63と、複数の第2通過領域63を連通させる1つの第2連通領域64とを有する。これにより、第1連通領域54と第2連通領域64とが、筒部42の径方向に分かれて設けられることにより、信号線36の挿通方向から見て互いに排他的な位置となる。
【0064】
また、複数の第1連通領域54のそれぞれは第1本体部51の外縁に達すると共に信号線36を側方から通せる大きさを有し、第2連通領域64は信号端子31を通せる大きさを有する。これにより、信号線36と信号端子31とを接続して端子付き電線30とした後で、第1カバー50及び第2カバー60に信号線36を通すことができる。これにより、第1カバー50及び第2カバー60に信号線36を通した状態で信号端子31の接続作業をする必要がなくなり、充電コネクタ10の製造が容易となる。
【0065】
また、第1本体部51と第2本体部61との一方には第1本体部51と第2本体部61との他方に向けて突出する突起67が設けられている。これにより、第1本体部51及び第2本体部61が突起67によって互いに離れることによって第1本体部51及び第2本体部61の間に空間ができる。ここで、第1カバー50又は第2カバー60の孔を通じて筒部42内へ多少の水が入ることは許容される。この場合でも、第1本体部51と第2本体部61との間の空間に、筒部42内に浸入した水を一旦ためることができ、水が第1カバー50及び第2カバー60よりも信号端子31側に行きにくい。
【0066】
また、係止部66と係止受部43との係止構造によって、筒部42からの第1カバー50及び第2カバー60の抜けを抑制できる。具体的には、第2カバー60の係止部66と筒部42の内面の係止受部43が係止することによって、第2カバー60が筒部42の所定の位置に保持され、筒部42からの第2カバー60の抜けが抑制される。また、第1カバー50よりも筒部42の開口側に第2カバー60が位置するため、第2カバー60によって筒部42からの第1カバー50の抜けが抑制される。
【0067】
第1本体部51及び第2本体部61の外周には第1連通領域54及び第2連通領域64とは別に排水溝55、65が形成されている。これにより、ハウジング20の嵌合面におけるキャビティ22の開口からの水を排水しやすい。
【0068】
また、信号端子31は導体板が折曲げられて形成されたプレス端子である。プレス端子の場合、真円に近く、かつ、周方向に途切れていない円周面を作りにくいため、円周面にゴム栓を被せる防水、防塵構造を採用しにくい。このようなプレス端子の場合でも、第1カバー50及び第2カバー60によって、信号端子31の防水、防塵を測ることができる。
【0069】
[付記]
これまで、筒部42が複数の信号線36の周囲を覆い、複数の信号線36が、第1カバー50と第2カバー60とを貫通するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。筒部が1つの信号線36を覆うように構成され、1つの信号線36が1つの第1カバーと第2カバーとを貫通してもよい。この場合、筒部、第1カバー及び第2カバーが信号線36と同数設けられてもよい。
【0070】
またこれまで、4つの第1貫通孔52の第1連通領域54がそれぞれ第1本体部51の外縁に向けて延び、1つの第2貫通孔62が4つの第2通過領域63と1つの第2連通領域64とを有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第2貫通孔も第1貫通孔と同じく4つ設けられてもよい。この場合、4つの第1連通領域54と、4つの第2連通領域64とが互いに交差する向きに、それぞれの本体部の外縁に向けて延びてもよい。
【0071】
またこれまで、4つの第1連通領域54のそれぞれは第1本体部51の外縁に達すると共に信号線36を側方から通せる大きさを有し、第2連通領域64は信号端子31を通せる大きさを有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。第1貫通孔又は第2貫通孔は、信号線36及び信号端子31が端子付き電線30となった状態で通すことが困難であってもよい。この場合、第1貫通孔又は第2貫通孔に通された信号線36に信号端子31が接続されるとよい。
【0072】
またこれまで、第1本体部51又は第2本体部61に突起67が設けられているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1本体部と第2本体部とのいずれにも、突起が形成されていなくてもよい。
【0073】
またこれまで、筒部42の内面に係止受部43が形成され、第1カバー50又は第2カバー60が係止部66を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。筒部とカバーとが係止受部43及び係止部66による係止構造によらずに保持されていてもよい。
【0074】
またこれまで、第1本体部51及び第2本体部61の外周には第1連通領域54及び第2連通領域64とは別に排水溝55、65が形成されているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1本体部及び第2本体部の両方に排水溝が形成されていなくてもよい。また例えば、第1本体部及び第2本体部の一方に排水溝が形成されていなくてもよい。
【0075】
またこれまで、信号端子31がプレス端子であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。信号端子は円柱棒状の導体が切削されて形成された切削端子であってもよい。
【0076】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0077】
10 充電コネクタ
20 ハウジング
21 ハウジング本体
22 キャビティ
23 フランジ
24 固定部
30 端子付き電線
31 信号端子
32 端子接続部
33 電線接続部
34 圧着片
35 スタビライザ
36 信号線
37 導体芯線
38 絶縁被覆層
40 リテーナ
41 端子押え部
42 筒部
43 係止受部
44 リテーナ本体
45 挿通孔
50 第1カバー
51 第1本体部
52 第1貫通孔
53 第1通過領域
54 第1連通領域
55、65 排水溝
60 第2カバー
61 第2本体部
62 第2貫通孔
63 第2通過領域
64 第2連通領域
66 係止部
67 突起
80 外部充電コネクタ
81 外部ハウジング
82 外部信号端子