(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110192
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】画像処理装置およびラベル印刷システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240807BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240807BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 378
G06F3/12 343
G06F3/12 304
H04N1/00 127B
H04N1/387 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014628
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕之
【テーマコード(参考)】
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA31
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC34
5C062AC58
5C062AC66
5C076AA02
5C076BA06
5C076CA10
5C076CA12
(57)【要約】
【課題】 簡単にラベルデータを取得できる画像処理装置およびラベル印刷システムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、画像処理装置は、第1のインターフェースと第2のインターフェースと第3のインターフェースとプロセッサとを有する。第1のインターフェースは、サーバと通信する。第2のインターフェースは、ラベルを印刷するプリンタと通信する。第3のインターフェースは、ラベル画像を含む画像を取得する。プロセッサは、第3のインターフェースにより取得する画像から切り出したラベル画像に基づくラベルデータの生成をサーバに依頼し、サーバから取得するラベルデータをプリンタへ送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信する第1のインターフェースと、
ラベルを印刷するプリンタと通信する第2のインターフェースと、
ラベル画像を含む画像を取得する第3のインターフェースと、
前記第3のインターフェースにより取得する画像から切り出したラベル画像に基づくラベルデータの生成を前記サーバに依頼し、前記サーバから取得するラベルデータを前記プリンタへ送信するプロセッサと、
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、さらに、前記ラベル画像においてマーキング画像を検出した場合、前記マーキング画像が示すマーキング領域を示す情報を前記サーバへ送信する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記ラベル画像において保護情報の表示領域を特定し、前記保護情報の表示領域をマスクした前記ラベル画像を前記サーバへ送信する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記サーバから取得するラベルデータのうち前記プリンタの印刷能力の範囲内となるラベルデータを前記プリンタに送信する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置とサーバとを有するラベル印刷システムであって、
前記画像処理装置は、
前記サーバと通信する第1のインターフェースと、
ラベルを印刷するプリンタと通信する第2のインターフェースと、
ラベル画像を含む画像を取得する第3のインターフェースと、
前記第3のインターフェースにより取得する画像から切り出したラベル画像に基づくラベルデータの生成を前記サーバに依頼し、前記サーバから取得するラベルデータを前記プリンタへ送信するプロセッサと、を有し、
前記サーバは、
前記画像処理装置と通信する第4のインターフェースと、
前記画像処理装置から取得するラベル画像に基づいてラベルデータを生成し、生成したラベルデータを前記画像処理装置へ送信する第2のプロセッサと、を有する、
ラベル印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置およびラベル印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品などに添付するラベルは、コンピュータ(PC)などで動作する専用のアプリケーションプログラム(ラベル編集ツール)を用いて作成される。例えば、ユーザは、PCで動作するラベル編集ツールを用いて線や文字などを配置し、バーコードの印字領域などを指定したラベルをデザインする。
【0003】
PCは、ラベル編集ツールによってユーザがデザインしたラベルを印刷用のデータ(ラベルデータ)に変換し、ラベルデータをバーコードプリンタへ供給する。これにより、バーコードプリンタは、ユーザが作成したラベルを印刷することができる。しかしながら、新たなラベルは、ラベル編集ツールを用いてデザインを作成する必要がある。このため、新たなラベルをバーコードプリンタで印刷するのは、ユーザにとって多くの手間が掛かるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した課題を解決するために、簡単にラベルデータを取得できる画像処理装置およびラベル印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、画像処理装置は、第1のインターフェースと第2のインターフェースと第3のインターフェースとプロセッサとを有する。第1のインターフェースは、サーバと通信する。第2のインターフェースは、ラベルを印刷するプリンタと通信する。第3のインターフェースは、ラベル画像を含む画像を取得する。プロセッサは、第3のインターフェースにより取得する画像から切り出したラベル画像に基づくラベルデータの生成をサーバに依頼し、サーバから取得するラベルデータをプリンタへ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機を含むラベル印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機の外観構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機における制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るラベル印刷システムにおけるバーコードプリンタの構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るラベル印刷システムにおけるサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るラベル印刷システムが作成するラベルのフォーマットの例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るラベル印刷システムが作成するラベルのラベルデータの例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るラベル印刷システムが作成するラベルの例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るラベル印刷システムが作成するラベルのラベルデータの例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機の原稿台上に複数の印刷済みラベルを配置した例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機がスキャン画像から切り出した複数のラベル画像の例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るラベル印刷システムのサーバがデジタル複合機から取得する複数のラベル画像の例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係るラベル印刷システムのサーバが複数のラベル画像に基づいて生成するラベルデータの例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係るラベル印刷システムの動作例を説明するためのシーケンスである。
【
図15】
図15は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機(MFP、Multi-Functional Peripheral)2を含むラベル印刷システム1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機(MFP)2を含むラベル印刷システム1の構成例を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、ラベル印刷システム1は、デジタル複合機2、バーコードプリンタ(プリンタ)6、サーバ7を有する。デジタル複合機2は、シリアルにバーコードプリンタ6と接続する。また、デジタル複合機2は、ローカルエリアネットワークを介してバーコードプリンタ6と接続する構成としても良い。デジタル複合機2は、ネットワーク8を介してサーバ7と通信する。
【0009】
デジタル複合機2は、画像を読み取るスキャナ12(
図2参照)を有する。デジタル複合機2は、スキャナ12により読み取った画像(スキャン画像)を取得する。また、デジタル複合機2は、画像処理部を含むシステム制御部15(
図3参照)を有する。デジタル複合機2は、システム制御部15によってスキャナが読み取ったスキャン画像に対して画像処理を実行する。
【0010】
本実施形態において、デジタル複合機2は、スキャナによりラベルを含む画像を読み取り、スキャン画像からラベルの読取画像を抽出する。デジタル複合機2は、スキャン画像から抽出したラベルの読取画像をサーバ7へ送信する。デジタル複合機2は、ラベルの読取画像からサーバ7が生成した当該ラベルを印刷するための印刷データであるラベルデータを取得する。デジタル複合機2は、サーバ7から取得するラベルデータをバーコードプリンタ6へ供給する。
【0011】
バーコードプリンタ6は、ラベルとして使用する媒体にラベルとしての画像を印刷する。
図1に示す構成例において、バーコードプリンタ6は、デジタル複合機2と通信するものとする。例えば、バーコードプリンタ6は、ラベルを印刷するための印刷データであるラベルデータをデジタル複合機2から取得する。バーコードプリンタ6は、個々のラベルに印刷すべきテキスト情報、シンボル画像、および、バーコードなどの個々のラベルとして必要な情報を取得する。バーコードプリンタ6は、個々のラベルに必要な情報をラベルデータに付加してラベルとしての画像を媒体に印刷する。
【0012】
サーバ7は、デジタル複合機2と通信する構成を備えるコンピュータである。サーバ7は、デジタル複合機2からラベルの読取画像(ラベル画像)を取得する。サーバ7は、デジタル複合機2から取得するラベル画像に対してラベルとしてのフォーマットなどを解析する。サーバ7は、ラベル画像に対する解析結果に基づいてラベルのフォーマットを示す情報を含むラベルデータを生成する。サーバ7は、ラベル画像から生成したラベルデータをデジタル複合機2へ送信する。
【0013】
なお、実施形態に係る画像処理装置としてのデジタル複合機2は、後述するサーバ7が備える構成の一部又は全部を含むものであっても良い。例えば、ラベル印刷システム1は、サーバ7を含むデジタル複合機2とバーコードプリンタ6で構成しても良い。また、実施形態に係る画像処理装置としてのデジタル複合機2は、後述するバーコードプリンタ6が備える構成の一部又は全部を含むものであっても良い。例えば、ラベル印刷システム1は、バーコードプリンタ6を含むデジタル複合機2とサーバ7とで構成しても良い。また、ラベル印刷システム1は、サーバ7およびバーコードプリンタ6を含むデジタル複合機2単体で構成しても良い。
【0014】
次に、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機2の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機2の外観構成例を示す斜視図である。
【0015】
図2に示すように、デジタル複合機2は、スキャナ12、プリンタ13、および、操作パネル14を有する。
スキャナ12は、デジタル複合機2の本体上部に設置する。スキャナ12は、原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置(画像入力装置)である。スキャナ12は、原稿を載置するガラスなどの無色透明な部材で形成された原稿台22を有する。また、スキャナ12は、原稿台22上にセットされた原稿の画像を読み取る。スキャナ12は、原稿台22上の原稿の画像を原稿台22のガラスを介して画像読取部21により読み取る。なお、スキャナ12は、画像を取得できるものであれば良く、カメラなどで構成しても良い。
【0016】
プリンタ13は、用紙に画像を形成する。プリンタ13は、給紙カセットから取り出す用紙に画像を形成する画像形成部31を有する。画像形成部31は、どのような画像形成方式であっても良い。例えば、画像形成部31は、電子写真方式である場合、感光体ドラムなどの像担持体上に現像剤像を形成し、現像剤像を用紙に転写する。また、画像形成部31は、インクジェット方式である場合、インクジェットヘッドが吐出するインクによって用紙に画像を形成する。
【0017】
操作パネル14は、ユーザインターフェースである。操作パネル14は、表示部(ディスプレイ)41、タッチパネル42、および、複数の操作ボタン43を有する。表示部41は、操作案内などを表示する。タッチパネル42は、表示部41の表示画面上に設ける。タッチパネル42は、表示部41の表示画面上においてユーザがタッチした部位を検知する。
【0018】
次に、実施形態に係るデジタル複合機2における制御系の構成について説明する。
図3は、実施形態に係るデジタル複合機2における制御系の構成例を説明するブロック図である。
デジタル複合機2は、スキャナ12、プリンタ13、操作パネル14、および、システム制御部15を有する。デジタル複合機2において、システム制御部15は、スキャナ12、プリンタ13、および、操作パネル14に接続する。
【0019】
図3に示す構成例において、システム制御部15は、プロセッサ50、メモリ51、画像メモリ52、画像処理部53、記憶装置54、通信インターフェース(I/F)55、外部インターフェース(I/F)56、インターフェース(I/F)57、58、59などを有する。
【0020】
プロセッサ(第1のプロセッサ)50は、各部の制御および情報処理などを実行する。プロセッサ50は、例えば、CPUである。プロセッサ50は、メモリ51あるいは記憶装置54に記憶するプログラムを実行する。プロセッサ50は、プログラムを実行することにより、各部へ動作指示を出力したり、各部から種々の情報を処理したりする。プロセッサ50は、インターフェース57、58、59を介して、スキャナ12、プリンタ13、および、操作パネル14に接続する。
【0021】
メモリ51は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、NVMなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。NVMは、書換え可能な不揮発性のメモリである。NVMは、プログラム、制御データ、および、設定情報などのデータなどを記憶する。
【0022】
画像メモリ52は、画像データを記憶する。例えば、画像メモリ52は、処理の対象とする画像データを展開するためのページメモリとして機能する。
記憶装置54は、プログラム、制御データ、および、設定情報などのデータを記憶する。記憶装置54は、書換え可能な不揮発性のメモリで構成する。例えば、記憶装置54は、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶装置で構成する。
【0023】
通信I/F(第1のインターフェース)55は、外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースである。例えば、通信I/F55は、ネットワーク8を介してサーバ7などの外部装置と通信するネットワークインターフェースである。
【0024】
外部I/F(第2のインターフェース)56は、外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、外部I/F56は、バーコードプリンタ6に接続する。また、外部I/F56は、有線で外部装置に接続するものであっても良いし、無線で外部装置に接続するものであっても良い。
【0025】
I/F(第3のインターフェース)57は、スキャナ12と接続するためのインターフェースである。例えば、プロセッサ50は、I/F57を介してスキャナ12が読み取った画像のデータを取得する。第3のインターフェースとしてのI/F57は、印刷済みのラベルの画像を含む入力画像としてのスキャン画像を取得するためのインターフェースである。第3のインターフェースとしてのI/F57は、ラベル画像を含む入力画像を取得するものであれば良い。例えば、第3のインターフェースとしてのI/F57は、外部装置としてのカメラが撮影したラベル画像を含む撮影画像を入力画像として取得するものでも良い。
【0026】
I/F58は、プリンタ13と接続するためのインターフェースである。I/F59は、操作パネル14と接続するためのインターエースである。例えば、プロセッサ50は、I/F59を介して表示部41に表示させるデータを操作パネル14へ供給する。また、プロセッサ50は、I/F59を介して操作パネル14におけるタッチパネル42又は操作ボタン43で入力された入力データを取得する。
【0027】
図3に示すように、スキャナ12は、制御部(スキャナ制御部)20および画像読取部(画像読取機構)21などを有する。
制御部20は、CPUなどのプロセッサ、各種のメモリおよびインターフェースにより構成する。制御部20は、プロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することによりスキャナ12の動作を制御する。制御部20は、システム制御部15においてI/F57を介してプロセッサ50に接続される。例えば、制御部20は、システム制御部15からの指示に応じてスキャナ12の動作を制御する。また、制御部20は、画像読取部21により読み取った画像のデータをシステム制御部15へ供給する。
【0028】
画像読取部21は、原稿台22上の画像を読み取る。画像読取部21は、例えば、照明、光学系、および、光電変換部などを有する。照明は、原稿台22へ光を照射する。光学系は、原稿台22上に載置された原稿面からの反射光を光電変換部へ導く。光電変換部は、原稿面からの光を電気信号に変換する。例えば、画像読取部21は、原稿台22上にセットされたラベルの画像を読み取り、ラベルの読取画像を含むスキャン画像を取得する。
【0029】
図3に示すように、プリンタ13は、制御部(プリンタ制御部)30および画像形成部31などを有する。
制御部30は、CPUなどのプロセッサ、各種のメモリおよびインターフェースにより構成する。制御部30は、プロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することによりプリンタ13の動作を制御する。制御部30は、システム制御部15においてI/F58を介してプロセッサ50に接続される。例えば、制御部30は、システム制御部15からの動作指示に応じて画像形成部31によるプリント処理を実行する。
【0030】
画像形成部31は、用紙などの媒体上に画像を形成する。画像形成部31は、特定の画像形成方式に限定されるものでない。例えば、画像形成部31は、電子写真方式の画像形成機構であっても良い。電子写真方式の画像形成部31は、搬送系、露光装置、感光体ドラム、現像装置、中間転写体、転写部および定着器などにより構成される。なお、画像形成部31は、ラベルとして使用する媒体にラベルデータに基づくラベルの画像を印刷するバーコードプリンタとして機能するものであっても良い。
【0031】
図3に示すように、操作パネル14は、制御部(パネル制御部)40、表示部(ディスプレイ)41、タッチパネル42および操作ボタン43などを有する。
制御部40は、CPUなどのプロセッサ、各種のメモリおよびインターフェースにより構成する。制御部40は、プロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより操作パネル14の動作を制御する。制御部40は、システム制御部15におけるI/F59を介してプロセッサ50に接続される。例えば、制御部40は、システム制御部15からの指示に応じて表示部41に画像を表示する。また、制御部40は、ユーザがタッチパネル42又は操作ボタン43に入力した入力データをシステム制御部15へ通知する。
【0032】
表示部41は、制御部40からの動作指示に応じて表示内容が制御される。タッチパネル42は、表示部41の表示画面上に設けられ、表示画面上におけるタッチされた位置を検知する。例えば、制御部40は、操作案内と共にタッチパネル42で選択可能なアイコンを表示部41の表示画面に表示する。制御部40は、タッチパネル42が検知するタッチ位置に応じてユーザが入力する情報を判別する。操作ボタン43は、スタートキー、リセットキーなどのハードキーなどにより構成する。
【0033】
次に、実施形態に係るラベル印刷システム1におけるバーコードプリンタ6の構成について説明する。
図4は、実施形態に係るラベル印刷システム1のバーコードプリンタ6における制御系の構成例を説明するブロック図である。
バーコードプリンタ6は、プロセッサ61、システムメモリ62、記憶部63、外部インターフェース(I/F)64、プリンタ65、表示部66、および、操作部67などを有する。
【0034】
プロセッサ61は、各部の制御および情報処理などを実行する。プロセッサ61は、例えば、CPUである。プロセッサ61は、システムメモリ62あるいは記憶部63に記憶するプログラムを実行する。プロセッサ61は、プログラムを実行することにより、各部へ動作指示を出力したり、各部から種々の情報を処理したりする。
【0035】
システムメモリ62は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、NVMなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。NVMは、書換え可能な不揮発性のメモリである。NVMは、プログラム、制御データ、および、設定情報などのデータなどを記憶する。
【0036】
記憶部63は、書換え可能な不揮発性のメモリで構成する。例えば、記憶装置54は、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶装置で構成する。記憶部63は、例えば、画像データなどを記憶する。また、記憶部63は、プログラム、制御データ、設定情報などのデータを記憶するようにしても良い。
【0037】
外部I/F64は、外部装置を接続するためのインターフェースである。外部I/F66は、有線で外部装置に接続するものであっても良いし、無線で外部装置に接続するものであっても良い。
図1に示す構成例によれば、外部I/F64は、デジタル複合機2に接続するためのインターフェースである。
【0038】
プリンタ65は、ラベルとして用いる媒体にラベルの画像を印刷する。プリンタ65は、ラベルとして使用する所定の幅(ラベル幅)の媒体にラベルの画像を印刷する。プリンタ65は、印刷可能なラベルの幅が予め設定されている。プリンタ65が印刷可能なラベル幅の大きさを示す情報は、デジタル複合機2に通知される。
【0039】
表示部66は、液晶表示器などの表示装置で構成される。表示部66は、プロセッサ61からの動作指示に応じて表示内容が制御される。操作部67は、タッチパネルあるいは操作ボタンなどにより構成される。例えば、表示部66および操作部67は、タッチパネル付きの表示装置により構成される。例えば、プロセッサ61は、操作部67としてのタッチパネルで選択可能なアイコンを操作案内と共に表示部41の表示画面に表示する。これにより、プロセッサ61は、タッチパネルが検知するタッチ位置に応じた入力データを取得する。
【0040】
次に、実施形態に係るラベル印刷システム1におけるサーバ7の構成について説明する。
図5は、実施形態に係るラベル印刷システム1のサーバ7における制御系の構成例を説明するブロック図である。
サーバ7は、プロセッサ71、システムメモリ72、記憶部73、および、通信インターフェース(I/F)74などを有する。
【0041】
プロセッサ(第2のプロセッサ)71は、各部の制御および情報処理などを実行する。プロセッサ71は、例えば、CPUである。プロセッサ71は、システムメモリ72あるいは記憶部73に記憶するプログラムを実行する。プロセッサ71は、プログラムを実行することにより、各部へ動作指示を出力したり、各部から種々の情報を処理したりする。
【0042】
システムメモリ72は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、NVMなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。NVMは、書換え可能な不揮発性のメモリである。NVMは、プログラム、制御データ、および、設定情報などのデータなどを記憶する。
【0043】
記憶部73は、書換え可能な不揮発性のメモリで構成する。例えば、記憶部73は、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶装置で構成する。記憶部73は、例えば、画像データなどを記憶する。また、記憶部73は、プログラム、制御データ、設定情報などのデータを記憶するようにしても良い。例えば、記憶部73は、ラベルの読取画像を解析することにより、当該ラベルを印刷するためのラベルデータを生成するプログラムを記憶する。
【0044】
通信I/F(第4のインターフェース)74は、外部装置と通信するための通信インターフェースである。通信I/F74は、ネットワーク8を介して外部装置と通信するネットワークインターフェースを含む。通信I/F74は、有線で外部装置と通信するインターフェースを含んでも良いし、無線で外部装置と通信するインターフェースを含んでも良い。
図1に示す構成例によれば、通信I/F74は、デジタル複合機2に通信するためのインターフェースを含むものであれば良い。
【0045】
次に、実施形態に係るラベル印刷システム1におけるバーコードプリンタ6がラベルを印刷するためのラベルデータについて説明する。
図6は、複数の可変データの画像領域を有するラベルのフォーマットの例を示す図である。
図7は、
図6に示すフォーマットとなるラベルを印刷するためのラベルデータの例を示す図である。
【0046】
図6に示すラベルは、画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Ae、仕切線Oa、および、テキストOb、Oc、Odを配置したフォーマットを有する。画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Aeは、それぞれが可変データが印刷される領域である。仕切線Oaは、ラベルの画像領域を上下に分割する横方向に伸びる直線である。可変データの画像領域Aaは、ラベルの画像領域における仕切線Oaの上方に配置される。
【0047】
テキストOb、Oc、Odは、「Name」、「Address」、「Phone」である。テキストOb、Oc、Odは、仕切線Oaの下方に並べて配置される。可変データの画像領域Ab、Ac、Adは、それぞれテキストOb、Oc、Odに対応する位置に配置される。可変データの画像領域Aeは、画像領域Ab、Ac、AdおよびテキストOb、Oc、Odの下方に配置される。
【0048】
図7に示すように、ラベルデータは、画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Ae、仕切線Oa、テキストOb、Oc、Odの配置(フォーマット)を定義する。また、ラベルデータは、画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Aeに印刷される可変データを格納するデータ領域Ba、Bb、Bc、Bd、Beを定義する。ラベルを印刷する場合、画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Aeに印刷する可変データが各データ領域Ba、Bb、Bc、Bd、Beにセットされる。
【0049】
また、
図7に示す例において、ラベルデータは、データ領域Ba、Bb、Bc、Bd、Beにどの入力デバイスから可変データを入力するかが定義されている。例えば、データ領域Baにセットする可変データとしての日付は、バーコードプリンタ6が取得する。データ領域Bbにセットする可変データとしての氏名(Name)の文字列は、オペレータがバーコードプリンタ6の操作部67を用いて入力する。データ領域Bcにセットする可変データとしての住所(Address)の文字列は、オペレータがバーコードプリンタ6の操作部67を用いて入力する。データ領域Bdにセットする可変データとしての電話番号(Phone)の文字列は、オペレータがバーコードプリンタ6の操作部67を用いて入力する。データ領域Beにセットする可変データとしてのバーコードは、バーコードプリンタ6が取得する。
【0050】
図8は、各可変データの画像領域に可変データを印刷したラベルの例を示す図である。
図9は、
図8に示すラベルを印刷するためのラベルデータの例を示す図である。
図8に示すラベルは、
図6に示す画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Aeに可変データとしての文字列又はバーコードが印刷されている。例えば、画像領域Aaには、「Date&Time」の文字(又は数字)列が印刷されている。画像領域Abには「Data01」、画像領域Acには「Data02」、画像領域Adには「Data03」が印刷されている。画像領域Aeには、バーコードが印刷されている。
【0051】
図9に示す例において、ラベルデータのデータ領域Ba、Bb、Bc、Bd、Beにはそれぞれのデータ(可変データ)がセットされている。データ領域Ba、Bb、Bc、Bdは、ラベルごとの可変データである文字又は数字からなる文字列のデータを格納する。データ領域Beは、ラベルごとの可変データであるバーコードを示すデータを格納する。
【0052】
ラベルの印刷を実行するバーコードプリンタ6は、データ領域Ba、Bb、Bc、Bd、Beにセットする可変データを取得する。バーコードプリンタ6は、各領域の可変データを取得すると、可変データを埋め込んだ形のラベルデータ(印刷データ)を生成する。
【0053】
例えば、バーコードプリンタ6は、ラベルを印刷する場合に日付を取得し、日付を示すデータをデータ領域Baにセットする。バーコードプリンタ6は、オペレータが操作部67を用いて入力する氏名(Name)を示す文字列をデータ領域Bbにセットする。バーコードプリンタ6は、オペレータが操作部67を用いて入力する住所(Address)を示す文字列をデータ領域Bcにセットする。バーコードプリンタ6は、オペレータが操作部67を用いて入力する電話番号(Phone)を示す文字列をデータ領域Bdにセットする。バーコードプリンタ6は、ラベルを印刷するバーコードを取得し、バーコードを示すデータをデータ領域Beにセットする。
【0054】
次に、実施形態に係るラベル印刷システム1のデジタル複合機2によるラベルの画像を含むスキャン画像(入力画像)に対する処理について説明する。
図10は、デジタル複合機2の原稿台22上に複数の印刷済みラベルを配置した例を示す図である。
デジタル複合機2は、印刷済みのラベルのラベルデータを取得する場合、印刷済みのラベルをスキャナ12によりスキャンする。印刷済みのラベルのラベルデータを取得する場合、オペレータは、印刷済みのラベルをデジタル複合機2の原稿台22上に配置する。印刷済みのラベルが複数存在する場合、オペレータは、ラベル同士が重ならないように、各ラベルを原稿台22上に配置する。ただし、複数の印刷済みのラベルは、向きを揃えて配置しなくても良く、ランダムに原稿台22上に配置して良い。
【0055】
デジタル複合機2は、オペレータのスキャン指示に応じて、原稿台22上に配置された印刷済みのラベルを含む画像をスキャナ12により読み取る。デジタル複合機2のシステム制御部15は、スキャナ12が読み取った印刷済みのラベルを含むスキャン画像(入力画像)を取得する。
【0056】
システム制御部15は、スキャン画像から個々のラベルの読取画像(ラベル画像)を切り出す。さらに、システム制御部15は、スキャン画像から切り出したラベル画像に対して傾き補正などの画像処理を施す。例えば、システム制御部15は、切り出した個々のラベル画像における天地(上下)を認識する。システム制御部15は、個々のラベル画像における天地の認識結果に基づいてラベル画像の傾きを補正する。
【0057】
図11は、デジタル複合機2がスキャン画像から切り出した複数のラベル画像の例を示す図である。
デジタル複合機2は、原稿台22にラベルが配置された状態でスキャンが指示されると、スキャナ12によりラベル画像を含むスキャン画像を取得する。この場合、スキャン画像は、任意の向きで配置されたラベル画像を含むものとなる。システム制御部15は、スキャン画像から個々のラベル画像を切り出し、切り出した個々のラベル画像に対して傾き補正などの画像処理を施す。
【0058】
例えば、
図10に示すように複数のラベルが配置された状態でスキャンが指示されると、スキャナ12は、複数のラベル画像を含む画像を読み取る。スキャナ12は、
図10に示すように任意の向きに並んだ複数のラベル画像を含むスキャン画像(入力画像)をシステム制御部15へ供給する。システム制御部15は、スキャナ12からの取得するスキャン画像において任意の向きで並ぶ個々のラベル画像91、92、93、94、95を切り出す。システム制御部15は、切り出した個々のラベル画像91、92、93、94、95の天地を認識し、天地の認識結果に基づいて傾きを補正する。これにより、システム制御部15は、
図11に示すような状態の5つのラベル画像91、92、93、94、95を取得する。
【0059】
システム制御部15は、スキャン画像から取得した個々のラベル画像に対するラベルデータの生成をサーバ7に依頼する。例えば、システム制御部15は、ラベルデータの生成依頼と共に、画像処理を施した個々のラベル画像91、92、93、94、95をサーバ7へ送信する。
【0060】
ここで、システム制御部15は、個々のラベル画像に対する画像処理として、特定の画像領域を検出する処理を実行しても良い。例えば、個々のラベル画像から検出する特定の画像領域としては、可変データの画像領域、又は、個人情報の表示領域などが想定される。可変データの画像領域は、ラベル画像からラベルデータを作成する場合に特定することが必要となる領域である。個人情報の表示領域は、個人情報を保護のために、ラベル画像においてマスクする領域(画像内容を認識不能とする領域)とすることが想定される。
【0061】
また、システム制御部15がラベル画像から特定の画像領域の検出方法としては、マーキングされた領域を検出する方法がある。
例えば、オペレータは、所定のマーカで可変データ領域をマーキングしたラベルを原稿台22に配置する。デジタル複合機2は、スキャナ12により特定の領域がマーキングされたラベルの画像を含むスキャン画像を取得する。システム制御部15は、スキャン画像から切り出す個々のラベル画像においてマーキング画像を検出する。システム制御部15は、個々のラベル画像と共にマーキングによって明示された領域(可変データ領域)を示す情報をサーバ7へ送信する。
【0062】
これにより、デジタル複合機2は、ラベル画像においてマーキングされた領域を示す情報をサーバ7へ提供することができる。この結果、サーバ7は、ラベル画像においてマーキングされた領域を明確に認識することができる。マーキングされた領域が可変データ領域である場合、サーバ7は、ラベル画像における可変データ領域を容易に特定することができる。
【0063】
また、オペレータは、サーバ7へ送信すべきでない個人情報などの保護情報の表示領域をマーキングしたラベルを原稿台22に配置するようにしても良い。デジタル複合機2は、スキャナ12により取得するスキャン画像から切り出す個々のラベル画像においてマーキング画像を検出する。保護情報をマーキングする運用とした場合、システム制御部15は、マーキングされた領域をマスク(表示内容を認識不能な状態に変換)したラベル画像をサーバ7へ送信するようにしても良い。これにより、デジタル複合機2は、個人情報などの保護すべき情報の表示領域をマスクした状態のラベル画像を外部装置であるサーバ7へ転送できる。この結果、ラベル画像における個人情報などの保護すべき情報がデジタル複合機2とサーバ7との通信経路上で漏洩するリスクを低減することができる。
【0064】
また、特定の画像領域の検出方法としては、特定の文字列の表示位置に対する位置関係から特定の文字列に関連する情報の表示領域を検出する方法もある。例えば、システム制御部15は、ラベル画像に対して文字認識を実行する。システム制御部15は、ラベル画像に対する文字認識の結果から特定の文字列を検出する。システム制御部15は、検出した特定の文字列に対応する位置の画像領域(例えば、文字列「氏名」、「住所」、「電話番号」に隣接する画像領域)を検出する。
【0065】
これにより、デジタル複合機2は、個人情報などの保護すべき情報の表示領域を文字認識によって検出することができる。この場合も、デジタル複合機2は、個人情報などの保護すべき情報の表示領域をマスクしたラベル画像を外部装置であるサーバ7へ転送できる。この結果、ラベル画像における個人情報などの保護すべき情報がデジタル複合機2とサーバ7との通信経路上で漏洩するリスクを低減することができる。
【0066】
次に、実施形態に係るラベル印刷システム1のサーバ7におけるラベル画像の分析およびラベルデータの生成処理の一例について説明する。
図12は、サーバ7がデジタル複合機2から取得する複数のラベル画像の例を示す図である。
図13は、
図12に示す複数のラベル画像に基づいて生成する1つのラベルデータの例を示す図である。
例えば、ユーザは、同一種類である複数の印刷済みラベルを原稿台22上に配置し、スキャン実行を指示する。スキャン実行が指示されると、デジタル複合機2は、原稿台22上の3つのラベルを含む画像をスキャナ12により読み取る。システム制御部15は、スキャナ12からスキャン画像を取得し、スキャン画像に含まれる3つのラベル画像を切り出す。システム制御部15は、切り出した個々のラベル画像に対して傾きなどの画像処理を施す。これにより、システム制御部15は、
図12に示す3つのラベル画像101、102、103を取得する。システム制御部15は、ラベルデータの生成依頼と共に、取得した3つのラベル画像101、102、103をサーバ7へ送信する。
【0067】
これに対して、サーバ7は、デジタル複合機2からラベルデータの生成依頼と3つのラベル画像101、102、103とを取得する。サーバ7は、取得した3つの複数のラベル画像を解析することにより、
図13に示すようなラベルデータを生成する。
【0068】
サーバ7は、3つのラベル画像101、102、103からそれぞれラベルを構成する要素を抽出する。サーバ7は、3つのラベル画像101、102、103において、画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Ae、仕切線Oa、テキストOb、Oc、Odを抽出する。また、サーバ7は、3つのラベル画像における画像領域Aa、Ab、Ac、Ad、Ae、仕切線Oa、テキストOb、Oc、Odの座標が一致することを特定する。サーバ7は、複数の要素の位置が一致することから3つのラベル画像が同一種類のラベル画像であると判定するようにしても良い。
【0069】
サーバ7は、座標が一致する各要素の画像内容を比較することにより、可変データの画像領域を特定する。
図12に示す例によれば、3つのラベル画像101、102、103は、画像領域Aa、Ab、Ac、Adにおける画像の内容が相違する。これにより、サーバ7は、画像領域Aa、Ab、Ac、Adが可変データの領域であることと特定する。
【0070】
例えば、サーバ7は、画像領域Aaに対する文字認識によって画像領域Aaに印刷される可変データが数字列で構成される日付のデータであると認識する。また、サーバ7は、テキストObと画像領域Abとに対する文字認識によって画像領域Abに印刷される可変データが「氏名」であると認識する。また、サーバ7は、テキストOcと画像領域Acとに対する文字認識によって画像領域Acに印刷される可変データが「住所」であると認識する。また、サーバ7は、テキストOdと画像領域Adとに対する文字認識によって画像領域Adに印刷される可変データが「電話番号」であると認識する。さらに、サーバ7は、画像領域Aeに対する画像認識によって画像領域Aeに印刷される可変データがバーコードであることを認識する。
【0071】
サーバ7は、上述したような3つのラベル画像101、102、103に対する分析結果に基づいて1つのラベルデータを生成する。例えば、サーバ7は、3つのラベル画像101、102、103から抽出した各要素の位置などを定義するラベルデータを生成する。また、サーバ7は、
図13に示すように、画像領域Aa、Ab、Ac、Adに印刷する可変データを格納するデータ領域Ba、Bb、Bc、Bdをラベルデータ中に定義する。さらに、サーバ7は、画像領域Aa、Ab、Ac、Adに格納する可変データを入力する入力デバイスを定義する情報をラベルデータに付加しても良い。
【0072】
次に、実施形態に係るラベル印刷システム1全体の動作について説明する。
図14は、実施形態に係るラベル印刷システム1の動作例を説明するためのシーケンスである。
まず、ユーザは、ラベルデータを生成したい印刷済みのラベルをデジタル複合機2の原稿台22に配置する(ACT11)。ユーザは、印刷済みのラベルを配置すると、操作パネル14の操作ボタン43又はタッチパネル42を用いてスキャン実行の指示を入力する(ACT12)。
【0073】
デジタル複合機2のシステム制御部15のプロセッサ50は、操作パネル14からスキャン実行の指示を取得する。プロセッサ50は、スキャン実行の指示が入力されると、スキャナ12によるスキャン処理を実行する(ACT13)。スキャナ12は、プロセッサ50からの指示に応じて原稿台22上のラベルを含む画像をスキャンし、スキャン画像をシステム制御部15へ供給する。システム制御部15のプロセッサ50は、I/F57を介してスキャナ12からスキャン画像を取得する。プロセッサ50は、I/F57により取得するスキャン画像(入力画像)を画像メモリ52又は記憶装置54に保存する(ACT14)。
【0074】
システム制御部15のプロセッサ50は、スキャン画像を保存すると、保存したスキャン画像に含まれるラベルの画像を個々に切り出す(ACT15)。プロセッサ50は、切り出した個々のラベル画像に対して天地を判定し、個々のラベル画像の傾きを補正する(ACT16)。さらに、プロセッサ50は、傾きを補正した個々のラベル画像に対して予め設定されている画像処理を実行する(ACT17)。
【0075】
例えば、プロセッサ50は、第1の画像処理例として、ラベル画像においてマーキングされた領域を可変データ領域として検出する処理を実行する。この場合、プロセッサ50は、個々のラベル画像からマーキング画像を検出し、マーキング画像が示す領域(マーキング領域)を可変データ領域として検出する。この場合、プロセッサ50は、可変データ領域とするマーキング領域を示す情報と当該ラベル画像に付加情報として付加する。
【0076】
また、プロセッサ50は、第2の画像処理例として、ラベル画像から個人情報等の保護情報を検出し、保護情報の表示領域をマスクするようにしても良い。例えば、プロセッサ50は、ラベル画像に対する文字認識結果によって保護情報および保護情報の表示領域を検出する。また、プロセッサ50は、個々のラベル画像からマーキング画像を検出し、マーキング画像が示す領域を保護情報の表示領域として検出するようにして良い。
【0077】
プロセッサ50は、ラベル画像における保護情報の表示領域を検出すると、保護情報が認識できない状態にするマスクする処理(マスク処理)を実行する。マスク処理は、保護情報が認識できない状態にする処理であれば良い。例えば、マスク処理としては、保護情報の表示領域を黒で塗りつぶしても良いし、網掛けしても良い。また、マスク処理としては、保護情報を抽象化したり保護情報を所定の情報に変換したりするようにしても良い。
【0078】
デジタル複合機2のプロセッサ50は、個々のラベル画像に画像処理を施すと、ラベルデータの生成をサーバ7に対して依頼する(ACT18)。プロセッサ50は、通信インターフェース55によりサーバ7と通信する。プロセッサ50は、サーバ7との通信が確立すると、ラベルデータの生成依頼と画像処理を施した個々のラベル画像とをサーバ7へ送信する。
【0079】
サーバ7は、通信インターフェース74によりラベルデータの生成依頼と個々のラベル画像とを取得する。サーバ7のプロセッサ71は、受信した個々のラベル画像を記憶部73に保存する。プロセッサ71は、個々のラベル画像を記憶部73に保存すると、個々のラベル画像を解析することによりラベルデータを生成する(ACT21)。
【0080】
例えば、プロセッサ71は、上述したように、個々のラベル画像から各要素を抽出し、他のラベル画像の要素と比較することでラベルデータを生成する。また、プロセッサ71は、記憶部73に保存している過去に受信したラベル画像と比較することによりラベルデータを生成しても良い。なお、ラベルデータの生成方法は、上述した例に限定されるものなく、個々のラベル画像からラベルデータが生成できるものであれば良い。
【0081】
サーバ7のプロセッサ71は、ラベル画像がラベルデータを生成すると、生成したラベルデータを記憶部73に保存する(ACT22)。また、サーバ7のプロセッサ71は、ラベル画像から生成したラベルデータをラベルデータの生成の依頼元であるデジタル複合機2へ送信する(ACT23)。
【0082】
デジタル複合機2は、通信インターフェース55によりサーバ7からラベルデータを取得する。デジタル複合機2のシステム制御部15のプロセッサ50は、サーバ7へラベルデータの生成依頼を送信した後、サーバ7からのラベルデータの受信待ちとなる。プロセッサ50は、依頼したラベルデータをサーバ7から受信すると、サーバ7からのラベルデータを記憶装置54に保存(格納)する(ACT24)。
【0083】
また、プロセッサ50は、サーバ7からラベルデータを取得すると、取得したラベルデータを外部I/F56を介してバーコードプリンタ6へ送信する(ACT25)。ここで、プロセッサ50は、サーバ7が取得したラベルデータが送信先のバーコードプリンタ6が印刷可能なラベルであることを確認するようにしても良い。例えば、プロセッサ50は、ラベルデータにより印刷されるラベルの幅サイズが印刷可能なラベルの幅サイズであるかを確認する。この場合、プロセッサ50は、ラベルの幅サイズが印刷可能なサイズでないラベルデータはバーコードプリンタ6へ送信しないようにしても良い。
【0084】
バーコードプリンタ6は、外部インターフェース64によりデジタル複合機2からのラベルデータを取得する。バーコードプリンタ6のプロセッサ61は、デジタル複合機2からラベルデータを受信すると、受信したラベルデータを記憶部63に保存(格納)する(ACT26)。これにより、バーコードプリンタ6は、オペレータの指示に応じて記憶部63に保存したラベルデータを読み出してラベルの印刷を実行することができる。
【0085】
以上のように、ラベル印刷システムは、画像処理装置を含むデジタル複合機、サーバ、および、バーコードプリンタを有する。デジタル複合機は、スキャン画像などの入力画像から印刷済みのラベル画像を切り出し、個々のラベル画像に対するラベルデータの生成をサーバに依頼する。サーバは、デジタル複合機からのラベル画像を解析することでラベル画像に対するラベルデータを生成し、生成したラベルデータをデジタル複合機へ送信する。デジタル複合機は、サーバが生成したラベルデータをバーコードプリンタ6へ供給する。
【0086】
これにより、実施形態に係るラベル印刷システムは、ラベル編集ツールをPCで動作させることなく、印刷済みラベルからラベルデータを取得できる。この結果、ラベル印刷システムは、ラベルデータの生成を省力化することができ、簡単にラベルデータを取得することができる。
【0087】
次に、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機2の動作について説明する。
図15は、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機2の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0088】
デジタル複合機2のシステム制御部15は、操作パネル14にスキャン実行の指示が入力される。システム制御部15のプロセッサ50は、スキャン実行の指示が入力されると、スキャナ12によるスキャンを実行をする(ACT111)。ここで、システム制御部15は、スキャナ12の代わりに他の画像読取装置又はカメラなどから印刷済みラベルの画像(ラベル画像)を含む画像を取得しても良い。
【0089】
システム制御部15のプロセッサ50は、I/F57を介してスキャナ12からスキャン画像を取得する。プロセッサ50は、I/F57により取得したスキャン画像(入力画像)を画像メモリ52に保存する。
【0090】
システム制御部15のプロセッサ50は、入力画像としてのスキャン画像から個々のラベル画像を切り出す処理を実行する(ACT112)。プロセッサ50は、切り出した個々のラベル画像に対して傾きを補正する(ACT113)。
【0091】
プロセッサ50は、傾きを補正した個々のラベル画像においてマーキング画像(マーカ)を検出する(ACT114)。プロセッサ50は、ラベル画像においてマーカを検出すると、検出したマーカが示すマーキング領域を特定する。プロセッサ50は、特定したマーキング領域を示す情報と当該ラベル画像に付加情報として付加する。ここで、プロセッサ50は、マーカが検出されない場合、又は、マーカを検出しない場合、ACT114の処理を省略する。
【0092】
また、プロセッサ50は、ラベル画像において個人情報等の保護情報(マスク情報)を検出する(ACT115)。プロセッサ50は、マスク情報を検出すると、ラベル画像におけるマスク情報の表示領域をマスクするマスク処理を実行する。ここで、プロセッサ50は、マスク情報が検出されない場合、又は、マスク情報を検出しない場合、ACT115の処理を省略する。
【0093】
デジタル複合機2のプロセッサ50は、個々のラベル画像に画像処理を施すと、個々のラベル画像と共にラベルデータの生成依頼をサーバ7へ送信する(ACT116)。プロセッサ50は、生成依頼をサーバ7へ送信した後、サーバ7からのラベルデータを受け付ける。すなわち、プロセッサ50は、サーバ7からラベルデータを取得するまで(ACT117、NO)、ラベルデータの受信待ちとなる。
【0094】
また、プロセッサ50は、サーバ7からラベルデータを取得すると(ACT117、YES)、サーバ7から取得したラベルデータを記憶装置54に格納する(ACT118)。
【0095】
また、プロセッサ50は、サーバ7からラベルデータを取得すると、ラベルデータの送信先とするバーコードプリンタ6の印刷能力(印刷可能なサイズなど)を特定する。例えば、プロセッサ50は、記憶装置54に保存したバーコードプリンタ6の印刷能力を読み出す。また、プロセッサ50は、ラベルデータの送信先とするバーコードプリンタ6に印刷能力を問い合わせても良い。
【0096】
プロセッサ50は、バーコードプリンタ6の印刷能力を特定すると、サーバ7から取得したラベルデータによるラベルの印刷が可能であるか否かを判定する(ACT119)。プロセッサ50は、バーコードプリンタ6がラベルデータによるラベルの印刷が不可である場合(ACT119、NO)、ラベルデータの送信を省略し、ACT121へ進む。また、プロセッサ50は、バーコードプリンタ6がラベルデータによるラベルの印刷が可能である場合(ACT119、YES)、ラベルデータをバーコードプリンタ6へ送信する(ACT120)。
【0097】
プロセッサ50は、バーコードプリンタ6へラベルデータを送信すると、依頼したラベルデータの取得処理が完了したか否かを判断する(ACT121)。プロセッサ50は、ラベルデータの取得処理が完了していない場合(ACT121、NO)、ACT117へ戻り、次のラベルデータに対する処理を実行する。また、ラベルデータの取得処理が完了した場合(ACT121、YES)、一連の処理を終了する。
【0098】
以上のように、実施形態に係る画像処理装置を含むデジタル複合機は、バーコードプリンタおよびサーバと通信する。デジタル複合機は、印刷済みラベルの画像を含むスキャン画像を入力し、スキャン画像から個々のラベル画像を切り出す。デジタル複合機は、スキャン画像から切り出した個々のラベル画像に傾き補正を含む画像処理を実行する。デジタル複合機は、ラベルデータの生成依頼と個々のラベル画像とをサーバへ送信する。デジタル複合機は、サーバから取得するラベルデータをバーコードプリンタへ供給する。これにより、デジタル複合機は、ラベル編集ツールなしで、印刷済みラベルを読み取った画像から生成したラベルデータをバーコードプリンタに提供できる。この結果、デジタル複合機を含むラベル印刷システムによれば、ラベルデータの作成を省力化することができる。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1…ラベル印刷システム、
2…デジタル複合機(画像処理装置)、
6…バーコードプリンタ(プリンタ)、
7…サーバ、
12…スキャナ、
13…プリンタ、
14…操作パネル、
15…システム制御部、
20…制御部、
21…画像読取部、
22…原稿台、
30…制御部、
31…画像形成部、
40…制御部、
41…表示部、
42…タッチパネル、
43…操作ボタン、
50…プロセッサ(第1のプロセッサ)、
51…メモリ、
53…画像処理部、
54…記憶装置、
55…通信インターフェース(第1のインターフェース)、
56…外部インターフェース(第2のインターフェース)、
57…インターフェース(第3のインターフェース)、
58…インターフェース、
59…インターフェース、
61…プロセッサ、
62…システムメモリ、
63…記憶部、
64…外部インターフェース、
71…プロセッサ(第2のプロセッサ)、
72…システムメモリ、
73…記憶部、
74…通信インターフェース(第4のインターフェース)。