特開 2024-110220 タイヤ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024110220

(43)【公開日】2024-08-15

(54)【発明の名称】タイヤ

(51)【国際特許分類】

   B60C 11/03 20060101AFI20240807BHJP

   B60C 11/13 20060101ALI20240807BHJP

【ＦＩ】

B60C11/03 300A

B60C11/13 C

B60C11/13 B

【審査請求】未請求

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023014679

(22)【出願日】2023-02-02

(71)【出願人】

【識別番号】000006714

【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】出羽 浩樹

【テーマコード（参考）】

3D131

【Ｆターム（参考）】

3D131BB03

3D131BC12

3D131BC19

3D131BC20

3D131BC33

3D131EB11X

3D131EB27V

3D131EB28V

3D131EB33V

3D131EB35X

3D131EB42V

3D131EB42X

3D131EB43V

3D131EB43X

3D131EB44V

3D131EB44X

3D131EB47V

3D131EB48V

3D131EB82V

3D131EB86V

3D131EB91V

3D131EB94V

3D131EC15V

3D131EC15X

(57)【要約】

【課題】耐摩耗性能とウェット性能を両立すること。
【解決手段】空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる２本の周方向主溝２１と、２本の周方向主溝２１で区画されたセンター陸部３１において、２本の周方向主溝２１にそれぞれ端４１ａが開口しタイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度で傾斜しタイヤ周方向に複数並んで設けられたセンターラグ溝４１と、センター陸部３１が各センターラグ溝４１によって区画されたセンターブロック３１１において、タイヤ周方向で隣接するセンターラグ溝４１にそれぞれ端５１ａが開口し途中に２箇所の屈曲部５１ｂを有するセンター細溝５１と、を含み、センター細溝５１のタイヤ幅方向の寸法Ｗと、センターラグ溝４１を間に隣接する各センターブロック３１１に設けられた各センター細溝５１の１本のセンターラグ溝４１に開口する相互の端５１ａのタイヤ幅方向の距離Ｗ１とが、Ｗ１≦Ｗ／２の関係を満たす。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

タイヤ周方向に延びる少なくとも２本の周方向主溝と、
前記２本の前記周方向主溝によって区画されたセンター陸部において、前記２本の前記周方向主溝にそれぞれ端が開口して設けられてタイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度θ１で傾斜しタイヤ周方向に複数並んで設けられたセンターラグ溝と、
前記センター陸部が各前記センターラグ溝によって区画されたセンターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口して設けられて途中に２箇所以上の屈曲部を有するセンター細溝と、
を含み、
前記センター細溝のタイヤ幅方向の寸法Ｗと、前記センターラグ溝を間に隣接する前記センターブロックに設けられた各前記センター細溝の１本の前記センターラグ溝に開口する相互の端のタイヤ幅方向の距離Ｗ１とが、Ｗ１≦Ｗ／２の関係を満たす、タイヤ。

【請求項2】

前記センターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝をさらに含み、
前記センター傾斜溝は、前記センター陸部において、前記センターラグ溝の一部を伴ってタイヤ周方向に連続してジグザグ形状を有するセンター周方向溝を構成する、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項3】

前記センターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝をさらに含み、
前記センター細溝は、前記屈曲部から端までの端部におけるタイヤ周方向に対する角度θ３と、前記センター傾斜溝の傾斜の角度θ２との差が、０［°］以上２０［°］以下の関係を満たす、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項4】

前記センターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝をさらに含み、
前記センター傾斜溝により構成された前記センターラグ溝の中間部の最大溝深さＤ１と、前記センターラグ溝の端部の最大溝深さＤ２と、前記センター傾斜溝の最大溝深さＤ３と、最大溝深さＤとが、Ｄ２≦Ｄ、Ｄ２≦Ｄ１、Ｄ２≦Ｄ３、０．６０≦Ｄ２／Ｄ≦０．８０の関係を満たす、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項5】

前記センターラグ溝は、中間部のタイヤ幅方向に対する角度θ４の範囲内で各端部が円弧状に設けられる、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項6】

前記センターブロックは、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝によって分割されたセンター分割ブロックを含み、
当該センター分割ブロックは、鋭角部のトレッド面に面取が設けられる、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項7】

最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝をさらに含み、
前記ショルダーラグ溝は、前記一端が、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に開口する前記センターラグ溝の端のタイヤ幅方向の対向位置から外れてタイヤ周方向に交互に配置される、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項8】

最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝をさらに含み、
前記ショルダーラグ溝は、底上部を有し、当該底上部の最小溝深さＤ４と、最大溝深さＤとが、０．４０≦Ｄ４／Ｄ≦０．６０の関係を満たす、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項9】

最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝と、
前記ショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられて各前記ショルダーラグ溝のタイヤ周方向の間に配置されたショルダー細溝と、
をさらに含む、請求項１に記載のタイヤ。

【請求項10】

最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝と、
前記ショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられて各前記ショルダーラグ溝のタイヤ周方向の間に配置されたショルダー細溝と、
をさらに含み、
前記ショルダー細溝は、前記一端が、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に開口する前記センターラグ溝の端の開口幅のタイヤ幅方向の範囲内に配置される、請求項１に記載のタイヤ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、タイヤに関する。

【背景技術】

【0002】

例えば、特許文献１には、耐ヒールアンドトウ摩耗性能およびトラクション性能を向上することのできる空気入りタイヤが記載されている。また、特許文献２には、発熱耐久性及び排水性を更に向上させたタイヤを提供するタイヤが記載されている。また、特許文献３には、すぐれた耐摩耗性能およびウェット性能を十分に確保しつつ、リブパターンに固有の、リバーウェアその他の偏摩耗の発生を有効に防止するとともに、サイプ端へのサイプ底クラックの発生を十分に防止できる空気入りタイヤが記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第７０３５５５０号公報

【特許文献2】特許第５２５４７６０号公報

【特許文献3】特許第５５２９６８３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ここで、高荷重条件で使用される環境下では、摩耗が早いため、耐摩耗性能が求められる。一般に、タイヤ幅方向に沿う横溝を主体的に含むブロックパターンは、タイヤ周方向でのブロック剛性が低下し、耐摩耗性能が悪化する傾向にある。その一方で、ブロック剛性の向上のため、接地面積を広くし接地圧を低下させることが耐摩耗性能を確保するのに有効であるが、溝が少ないと排水性能（ウェット性能）の悪化が懸念となる。

【0005】

この発明は、耐摩耗性能とウェット性能を両立することのできるタイヤを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るタイヤは、タイヤ周方向に延びる少なくとも２本の周方向主溝と、前記２本の前記周方向主溝によって区画されたセンター陸部において、前記２本の前記周方向主溝にそれぞれ端が開口して設けられてタイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度θ１で傾斜しタイヤ周方向に複数並んで設けられたセンターラグ溝と、前記センター陸部が各前記センターラグ溝によって区画されたセンターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口して設けられて途中に２箇所以上の屈曲部を有するセンター細溝と、を含み、前記センター細溝のタイヤ幅方向の寸法Ｗと、前記センターラグ溝を間に隣接する前記センターブロックに設けられた各前記センター細溝の１本の前記センターラグ溝に開口する相互の端のタイヤ幅方向の距離Ｗ１とが、Ｗ１≦Ｗ／２の関係を満たす。

【発明の効果】

【0007】

この発明によれば、耐摩耗性能とウェット性能を両立できる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】図１は、実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。

【図2】図２は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。

【図3】図３は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの部分拡大平面図である。

【図4】図４は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの部分拡大平面図である。

【図5】図５は、図２におけるＡ－Ａ、Ｂ－Ｂ、Ｃ－Ｃ、Ｄ－Ｄ各断面図である。

【図6】図６は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの部分拡大平面図である。

【図7】図７は、図２におけるＥ－Ｅ断面図である。

【図8】図８は、実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。

【図9】図９は、実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。

【0010】

以下の説明において、タイヤ径方向とは、実施形態の空気入りタイヤ１の回転軸であるタイヤ回転軸（図示省略）と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面（タイヤ赤道線）ＣＬに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面ＣＬから離れる側をいう。タイヤ赤道面ＣＬとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ１のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面ＣＬは、空気入りタイヤ１のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面ＣＬ上にあって空気入りタイヤ１のタイヤ周方向に沿う線をいう。また、タイヤ子午線方向の断面（子午断面図）とは、タイヤ回転軸を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。

【0011】

図１では、実施形態の空気入りタイヤ１の子午断面であって、タイヤ径方向のタイヤ回転軸の片側領域の断面を示している。本実施形態では、一例として、トラック、バスなどの重荷重車両に装着される重荷重用空気入りラジアルタイヤについて説明する。本実施形態の空気入りタイヤ１は、特に、重荷重車両の駆動車軸に装着されるタイヤに適している。

【0012】

実施形態の空気入りタイヤ１は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、図１に示すように、一対のビードコア１１，１１と、一対のビードフィラー１２，１２と、カーカス層１３と、ベルト層１４と、トレッドゴム１５と、一対のサイドウォールゴム１６，１６と、一対のリムクッションゴム１７，１７とを備える。

【0013】

一対のビードコア１１，１１は、スチールからなる１本あるいは複数本のビードワイヤを環状かつ多重に巻き廻して成り、ビード部に埋設されてタイヤ幅方向両側のビード部のコアを構成する。

【0014】

一対のビードフィラー１２，１２は、ローアーフィラー１２１およびアッパーフィラー１２２から成り、一対のビードコア１１，１１のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。

【0015】

カーカス層１３は、１枚のカーカスプライからなる単層構造あるいは複数枚のカーカスプライを積層してなる多層構造を有する。カーカス層１３は、両ビードコア１１，１１間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層１３は、その両端部が、ビードコア１１およびビードフィラー１２を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層１３は、そのカーカスプライが、スチールからなる複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、ラジアルタイヤであれば絶対値で８０［°］以上９０［°］以下、バイアスタイヤであれば３０［°］以上４５［°］以下のコード角度（タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される。）を有する。

【0016】

ベルト層１４は、複数のベルトプライ１４１～１４４を積層して成り、カーカス層１３の外周に掛け廻されて配置される。これらのベルトプライ１４１～１４４は、高角度ベルト１４１と、一対の交差ベルト１４２，１４３と、ベルトカバー１４４と含む。高角度ベルト１４１は、スチールから成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で４５［°］以上７０［°］以下のコード角度（タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される。）を有する。一対の交差ベルト１４２，１４３は、スチールから成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で１０［°］以上５５［°］以下のコード角度を有する。また、一対の交差ベルト１４２、１４３は、相互に異符号のコード角度を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される（いわゆるクロスプライ構造を有する）。ベルトカバー１４４は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトカバーコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で１０［°］以上５５［°］以下のコード角度を有する。

【0017】

トレッドゴム１５は、カーカス層１３およびベルト層１４のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤ１のトレッド部を構成する。トレッドゴム１５は、トレッド部において、走行時に路面と接触する外周表面に、トレッド面（トレッド踏面）を構成する。

【0018】

一対のサイドウォールゴム１６，１６は、カーカス層１３のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されてタイヤ幅方向両側のサイドウォール部を構成する。

【0019】

一対のリムクッションゴム１７，１７は、各ビードコア１１，１１およびカーカス層１３の巻き返し部のタイヤ径方向内側からタイヤ幅方向外側に延在して、ビード部のリム嵌合面を構成する。

【0020】

実施形態の空気入りタイヤ１は、図２に示すように、少なくとも２本の周方向主溝２１と、少なくとも３列の陸部３１，３２と、をトレッド部の表面であるトレッド面に備える。

【0021】

周方向主溝２１は、実施形態では２本設けられる。周方向主溝２１は、タイヤ全周に亘って直線状に連続的に延在する環状構造を有する。

【0022】

ここで、周方向主溝２１は、ＪＡＴＭＡに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝として定義される。周方向主溝２１は、一般に、１０［ｍｍ］以上２０［ｍｍ］以下の溝幅、および１５［ｍｍ］以上２５［ｍｍ］以下の溝深さを有する。

【0023】

溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面における溝開口部の対向する溝壁間の距離の最大値として測定される。また、溝幅は、溝開口部に切欠部あるいは面取部を有する構成では、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向に平行な断面においてトレッド踏面の延長線と溝壁の延長線との交点を端点として測定される。

【0024】

溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝深さは、部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して測定される。

【0025】

規定リムとは、ＪＡＴＭＡに規定される「標準リム」、ＴＲＡに規定される「Design Rim」、あるいはＥＴＲＴＯに規定される「MEASURING RIM」をいう。また、規定内圧とは、ＪＡＴＭＡに規定される「最高空気圧」、ＴＲＡに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはＥＴＲＴＯに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、ＪＡＴＭＡに規定される「最大負荷能力」、ＴＲＡに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはＥＴＲＴＯに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。

【0026】

陸部３１，３２は、実施形態では、少なくとも１列のセンター陸部３１、および一対のショルダー陸部３２，３２から構成される。これらの陸部３１，３２は、周方向主溝２１，２１に区画されてなり、タイヤ全周に亘って延在するリブ状に形成され、環状の踏面を構成する。ショルダー陸部３２，３２は、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１，２１のタイヤ幅方向外側に区画された陸部である。ショルダー陸部３２，３２は、タイヤ赤道面ＣＬを境界とするタイヤ幅方向両外側の領域に配置される。センター陸部３１は、一対のショルダー陸部３２，３２の間にある陸部である。センター陸部３１は、２本の周方向主溝２１，２１によって区画される。周方向主溝２１が３本以上となる場合、センター陸部３１は、２列以上となる。

【0027】

なお、一対のショルダー陸部３２，３２は、そのトレッド面のタイヤ幅方向外側の端部に接地端Ｔを有する。そして、各接地端Ｔのタイヤ幅方向における直線距離をトレッド部の展開幅ＴＷという。

【0028】

実施形態の空気入りタイヤ１は、上述した形態を基本構成として、トレッド部のトレッド面にトレッドパターンが設けられる。以下、トレッドパターンの詳細について説明する。

【0029】

センター陸部３１は、図２に示すように、センターラグ溝４１と、センター傾斜溝４２と、センター細溝５１と、が設けられる。

【0030】

センターラグ溝４１は、センター陸部３１を区画する２つの周方向主溝２１，２１にそれぞれ端４１ａ，４１ａが開口して設けられる。センターラグ溝４１は、周方向主溝２１と同様の測定条件において、溝幅が３［ｍｍ］以上１３［ｍｍ］以下で、溝深さが１０［ｍｍ］以上２０［ｍｍ］以下に形成される。センターラグ溝４１は、タイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度θ１で傾斜し、タイヤ周方向に複数並んで設けられる。このセンターラグ溝４１は、センター陸部３１をタイヤ周方向で複数に分割することで、タイヤ周方向に複数並ぶセンターブロック３１１を区画する。

【0031】

センター傾斜溝４２は、各センターブロック３１１において、タイヤ周方向で隣接するセンターラグ溝４１，４１にそれぞれ端４２ａ，４２ａが開口して設けられる。センター傾斜溝４２は、周方向主溝２１と同様の測定条件において、溝幅が３［ｍｍ］以上１３［ｍｍ］以下で、溝深さが１５［ｍｍ］以上２５［ｍｍ］以下に形成される。センター傾斜溝４２は、タイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜して設けられる。センター傾斜溝４２は、１つのセンターブロック３１１に１本設けられる。実施形態の空気入りタイヤ１では、周方向主溝２１が２本で、センター陸部３１（センターブロック３１１）が１列設けられており、このセンター陸部３１（センターブロック３１１）は、タイヤ赤道面ＣＬ上に設けられる。この場合、センター傾斜溝４２は、タイヤ赤道面ＣＬに交差するようにタイヤ赤道面ＣＬを跨いで設けられる。センター傾斜溝４２は、１つのセンターブロック３１１をタイヤ幅方向で２分割することで、タイヤ幅方向に並ぶセンター分割ブロック３１２を区画する。また、１本のセンターラグ溝４１に開口する２本のセンター傾斜溝４２は、センターラグ溝４１において、センター傾斜溝４２の端４２ａから周方向主溝２１に開口する部分である２つの端部４１ｂ，４１ｂと、各センター傾斜溝４２の端４２ａの間の中間部４１ｃと、を構成する。このセンター傾斜溝４２は、１列のセンター陸部３１において、センターラグ溝４１の一部（中間部４１ｃ）を伴ってタイヤ周方向に連続してジグザグ形状を有するセンター周方向溝４２’を構成する。

【0032】

センター細溝５１は、各センターブロック３１１において、タイヤ周方向で隣接する各センターラグ溝４１，４１にそれぞれ端５１ａ，５１ａが開口して設けられる。センター傾斜溝４２は、周方向主溝２１と同様の測定条件において、溝幅が０．５［ｍｍ］以上３．０［ｍｍ］以下で、溝深さが１．０［ｍｍ］以上４．０［ｍｍ］以下に形成される。センター細溝５１は、端５１ａ，５１ａの途中に２箇所以上の屈曲部５１ｂ，５１ｂを有する。本実施形態の空気入りタイヤ１では、２箇所の屈曲部５１ｂ，５１ｂを有する。これにより、センター細溝５１は、最も端５１ａ寄りの屈曲部５１ｂから端５１ａに延びてセンターラグ溝４１に開口する部分である２つの端部５１ｃ，５１ｃと、最も端５１ａ寄りの２つの屈曲部５１ｂを結ぶ１つの中間部５１ｄと、を含む。端部５１ｃ，５１ｃは、直線状または円弧状に形成される。屈曲部５１ｂが２つの場合、中間部５１ｄは、直線状または円弧状に形成される。実施形態の空気入りタイヤ１では、上述したように、センター傾斜溝４２によってセンターブロック３１１が２つのセンター分割ブロック３１２に区画されている。そして、センター細溝５１は、各センター分割ブロック３１２に１本設けられる。

【0033】

ショルダー陸部３２は、図２に示すように、ショルダーラグ溝４３と、ショルダー細溝５２と、が設けられる。

【0034】

ショルダーラグ溝４３は、ショルダー陸部３２において、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１に一端４３ａが開口し他端４３ｂがトレッド展開幅ＴＷの外側に開口して設けられる。ショルダーラグ溝４３は、周方向主溝２１と同様の測定条件において、溝幅が３［ｍｍ］以上１３［ｍｍ］以下で、溝深さが１５［ｍｍ］以上２５［ｍｍ］以下に形成される。ショルダーラグ溝４３は、屈曲部を有さず他の溝と連通せずにタイヤ周方向に複数並んで配置される。このショルダーラグ溝４３は、ショルダー陸部３２をタイヤ周方向で複数に分割することで、タイヤ周方向に複数並ぶショルダーブロック３２１を区画する。

【0035】

ショルダー細溝５２は、ショルダー陸部３２において、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１に一端５２ａが開口し他端５２ｂがトレッド展開幅ＴＷの外側に開口して設けられる。ショルダーラグ溝４３は、周方向主溝２１と同様の測定条件において、溝幅が０．５［ｍｍ］以上３．０［ｍｍ］以下で、溝深さが１．０［ｍｍ］以上４．０［ｍｍ］以下に形成される。ショルダー細溝５２、屈曲部を有さず他の溝と連通せず、各ショルダーラグ溝４３のタイヤ周方向の間に１本配置される。従って、ショルダー細溝５２は、ショルダーラグ溝４３で区画される各ショルダーブロック３２１において１本配置される。

【0036】

上述した本実施形態の空気入りタイヤ１は、その特徴として、タイヤ周方向に延びる少なくとも２本の周方向主溝２１，２１と、２本の周方向主溝２１，２１によって区画されたセンター陸部３１において、２本の周方向主溝２１，２１にそれぞれ端４１ａ，４１ａが開口して設けられてタイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度θ１で傾斜しタイヤ周方向に複数並んで設けられたセンターラグ溝４１と、センター陸部３１が各センターラグ溝４１によって区画されたセンターブロック３１１において、タイヤ周方向で隣接する各センターラグ溝４１，４１にそれぞれ端５１ａ，５１ａが開口して設けられて途中に２箇所以上の屈曲部５１ｂ，５１ｂを有するセンター細溝５１と、を含む。そして、本実施形態の空気入りタイヤ１は、図３に示すように、センター細溝５１のタイヤ幅方向の寸法Ｗと、センターラグ溝４１を間に隣接する各センターブロック３１１，３１１に設けられた各センター細溝５１，５１の１本のセンターラグ溝４１に開口する相互の端５１ａ，５１ａのタイヤ幅方向の距離Ｗ１とが、Ｗ１≦Ｗ／２の関係を満たす。

【0037】

この空気入りタイヤ１によれば、センター陸部３１において、センターラグ溝４１で区画されたセンターブロック３１１内にセンター細溝５１を設けることで、ブロック内の接地圧を緩和し耐ヒールアンドトウ摩耗を向上させる。また、この空気入りタイヤ１によれば、タイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度θ１で傾斜するセンターラグ溝４１と、屈曲部５１ｂを含んだセンター細溝５１の配置により、耐ヒールアンドトウ摩耗（耐摩耗性能）とウェットトラクション性能（ウェット性能）をバランスよく向上させることができる。また、この空気入りタイヤ１によれば、センター細溝５１がセンターラグ溝４１よりも溝幅が狭いためブロックの剛性の低下を防ぐことができる。この結果、本実施形態の空気入りタイヤ１は、耐摩耗性能とウェット性能を両立できる。なお、本実施形態の空気入りタイヤ１は、タイヤ赤道面ＣＬに対するセンターラグ溝４１の角度θ１を４０［°］以上６０［°］以下とすることが好ましく、耐摩耗性能とウェット性能を両立する効果が顕著に得られる。

【0038】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、図２に示すように、センターブロック３１１において、タイヤ周方向で隣接する各センターラグ溝４１，４１にそれぞれ端４２ａ，４２ａが開口しタイヤ赤道面ＣＬを跨いで設けられてタイヤ周方向（タイヤ赤道面ＣＬ）に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝４２をさらに含み、センター傾斜溝４２は、センター陸部３１において、センターラグ溝４１の一部（中間部４１ｃ）を伴ってタイヤ周方向に連続してジグザグ形状を有するセンター周方向溝４２’を構成する。

【0039】

この空気入りタイヤ１によれば、隣接するセンターラグ溝４１，４１をつなぐセンター傾斜溝４２を設けることにより、耐ヒールアンドトウ摩耗を維持でき、かつ排水性が向上する。また、この空気入りタイヤ１によれば、ジグザグ形状を有するセンター周方向溝４２’を構成することで、センターブロック３１１が千鳥配置のセンター分割ブロック３１２を有するため、ブロック剛性が向上する。この結果、本実施形態の空気入りタイヤ１は、耐摩耗性能とウェット性能を両立する効果が顕著に得られる。なお、本実施形態の空気入りタイヤ１は、センター傾斜溝４２のタイヤ周方向に対する角度θ２を１０［°］以上２０［°］以下とすることが好ましく、耐摩耗性能とウェット性能を両立する効果がより顕著に得られる。

【0040】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、センター細溝５１は、図４に示すように、屈曲部５１ｂから端５１ａまでの端部５１ｃにおけるタイヤ周方向に対する角度θ３と、センター傾斜溝４２の傾斜の角度θ２との差が、０［°］以上２０［°］以下の関係を満たす。

【0041】

この空気入りタイヤ１によれば、センター細溝５１の端部５１ｃにおけるタイヤ周方向に対する角度θ３と、センター傾斜溝４２のタイヤ周方向に対する角度θ２とを同等にすることで、トレッドパターンのエッジ成分の方向が揃うため増加し、ウェットトラクション性能が向上する。

【0042】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、図５に示すように、センターラグ溝４１の中間部４１ｃの最大溝深さＤ１と、センターラグ溝４１の端部４１ｂの最大溝深さＤ２と、センター傾斜溝４２の最大溝深さＤ３と、空気入りタイヤ１の最大溝深さＤ（実施形態では周方向主溝２１の最大溝深さ）とが、Ｄ２≦Ｄ、Ｄ２≦Ｄ１、Ｄ２≦Ｄ３、０．６０≦Ｄ２／Ｄ≦０．８０の関係を満たす。

【0043】

この空気入りタイヤ１によれば、上記関係において、主にセンター陸部３１において、センターラグ溝４１のタイヤ幅方向の中央の中間部４１ｃを、タイヤ幅方向外側の端部４１ｂに対して溝深さを比較的浅く設定することで、ブロック剛性を維持し、耐ヒールアンドトウ摩耗の悪化を抑えた上で、特に摩耗中期以降のトラクション性能を確保することができる。

【0044】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、図６に示すように、センターラグ溝４１は、中間部４１ｃのタイヤ幅方向に対する角度θ４の範囲内で各端部４１ｂ、４１ｂが円弧状に設けられる。

【0045】

この空気入りタイヤ１によれば、センターラグ溝４１の中間部４１ｃの角度θ４の範囲内で端部４１ｂを設けることにより、中間部４１ｃと端部４１ｂとに角度差が生じ、かつ端部４１ｂを円弧状に湾曲して設けることにより、円滑な排水を促し、ウェットトラクション性能を向上させる。なお、中間部４１ｃの角度θ４に対し端部４１ｂの角度（中間部４１ｃ（センター傾斜溝４２の端４２ａが開口する位置）から端４１ａを直線で結ぶ角度）は、－６［°］以上―３［°］以下とすることが、円滑な排水を促し、ウェットトラクション性能を向上させるうえで好ましい。

【0046】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、センター分割ブロック３１２は、鋭角部のトレッド面に面取３１２ａが設けられる。

【0047】

この空気入りタイヤ１によれば、センター分割ブロック３１２の鋭角部に面取３１２ａを設けることで、センター分割ブロック３１２の鋭角部の接地圧が緩和され、耐ヒールアンドトウ摩耗の悪化を防ぐ。面取３１２ａは、鋭角部の接地圧の緩和と、過度な設置面積の低下を防ぐため、トレッド面において面取った幅を４［ｍｍ］以上８［ｍｍ］以下とすることが好ましい。

【0048】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、ショルダーラグ溝４３は、一端４３ａが、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１に開口するセンターラグ溝４１の端４１ａのタイヤ幅方向の対向位置から外れてタイヤ周方向に交互に配置される。

【0049】

この空気入りタイヤ１によれば、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１から展開幅ＴＷの外側に延びるショルダーラグ溝４３を配置することでウェットトラクション性能が向上する。また、この空気入りタイヤ１によれば、ショルダーラグ溝４３とセンターラグ溝４１の配置により、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１を間にセンターブロック３１１とショルダーブロック３２１とが千鳥配置されるため、相互のブロック剛性が向上し、耐偏摩耗性能の悪化を防ぐ。

【0050】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、図７に示すように、ショルダーラグ溝４３は、底上部４３ｃを有し、当該底上部４３ｃの最小溝深さＤ４と、最大溝深さＤ（図５参照）とが、０．４０≦Ｄ４／Ｄ≦０．６０の関係を満たす。

【0051】

この空気入りタイヤ１によれば、底上部４３ｃの最小溝深さＤ４の規定によって、ウェットトラクション性を損ねることなく、ショルダーブロック３２１のタイヤ周方向の剛性が向上して耐ヒールアンドトウ摩耗が向上する。

【0052】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、図２に示すように、ショルダーブロック３２１に設けたショルダー細溝５２をさらに含む。

【0053】

この空気入りタイヤ１によれば、ショルダーブロック３２１にショルダー細溝５２を配置することで、ウェットトラクション性能を確保するとともに、ショルダーブロック３２１の接地圧の緩和によって耐編摩耗性を向上させる。また、ショルダー細溝５２は、ショルダーラグ溝４３よりも溝幅が狭いためショルダーブロック３２１の剛性の低下を防ぐことができる。

【0054】

また、実施形態の空気入りタイヤ１では、図２に示すように、ショルダー細溝５２は、一端５２ａが、最もタイヤ幅方向外側の周方向主溝２１に開口するセンターラグ溝４１の端４１ａの開口幅Ｗ２のタイヤ幅方向の範囲内に配置される。

【0055】

この空気入りタイヤ１によれば、センターラグ溝４１の端４１ａの開口幅Ｗ２内にショルダー細溝５２の一端５２ａの開口位置を配置することにより、排水性が向上され、ウェットトラクション性能を確保する。

【0056】

ところで、本実施形態では、上記のように、タイヤの一例として空気入りタイヤ１について説明した。この空気入りタイヤ１は、空気、窒素などの不活性ガス、およびその他の気体を充填することができる。しかし、本実施形態に記載された空気入りタイヤ１のトレッドパターンの構成は、他のタイヤに対しても、当業者自明の範囲内にて任意に適用できる。他のタイヤとしては、例えば、エアレスタイヤ、ソリッドタイヤなどが挙げられる。

【実施例0057】

図８および図９は、実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、従来例の空気入りタイヤと、比較例の空気入りタイヤと、実施形態に係る実施例の空気入りタイヤと、について行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、耐摩耗性能（耐ヒールアンドトウ摩耗性能）とウェット性能（ウェットトラクション性能）についての試験を行った。

【0058】

耐摩耗性能の評価試験は、タイヤサイズ１０．００Ｒ２０サイズの空気入りタイヤを重荷重車両における駆動車軸に装着し、４００００［ｋｍ］のロードテストを行った後の溝深さを測定し指数化した。この評価は、従来例を基準（１００）とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど摩耗が少なく、耐摩耗性能が高いことを示している。なお、耐摩耗性能は、指数が９９以上であれば、従来例に対して耐摩耗性能の低下が抑制されているものとする。

【0059】

ウェット性能の評価試験は、タイヤサイズ１０．００Ｒ２０サイズの空気入りタイヤを重荷重車両におけるステアリングの車軸に装着し、ＥＣＥ Ｒ１１７－０２（ＥＣＥ Ｒｅｇｕｌａｔｉｏｎ Ｎｏ．１１７ Ｒｅｖｉｓｉｏｎ ２）に準拠してウェット路面での制動テストを行い、ウェットグリップ制動性能を指数化した。この評価は、従来例を基準（１００）とした指数評価により行われ、その数値が大きいほどウェット路面での制動性能に優れ、ウェット性能が高いことを示している。

【0060】

従来例の空気入りタイヤは、２本の直線状の周方向主溝を有し、各周方向主溝で区画されるセンター陸部にセンターラグ溝が設けられている。

【0061】

実施例１から実施例２１の空気入りタイヤは、２本の直線状の周方向主溝を有し、各周方向主溝で区画されるセンター陸部にセンターラグ溝およびセンター細溝が設けられている。

【0062】

そして、試験結果に示すように、本実施例の空気入りタイヤは、従来例に対して耐摩耗性能およびウェット性能が改善されていることが分かる。

【0063】

本開示は、以下の発明を含む。
［発明１］
タイヤ周方向に延びる少なくとも２本の周方向主溝と、
前記２本の前記周方向主溝によって区画されたセンター陸部において、前記２本の前記周方向主溝にそれぞれ端が開口して設けられてタイヤ周方向に対して３０［°］以上７０［°］以下の角度θ１で傾斜しタイヤ周方向に複数並んで設けられたセンターラグ溝と、
前記センター陸部が各前記センターラグ溝によって区画されたセンターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口して設けられて途中に２箇所以上の屈曲部を有するセンター細溝と、
を含み、
前記センター細溝のタイヤ幅方向の寸法Ｗと、前記センターラグ溝を間に隣接する前記センターブロックに設けられた各前記センター細溝の１本の前記センターラグ溝に開口する相互の端のタイヤ幅方向の距離Ｗ１とが、Ｗ１≦Ｗ／２の関係を満たす、タイヤ。
［発明２］
前記センターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝をさらに含み、
前記センター傾斜溝は、前記センター陸部において、前記センターラグ溝の一部を伴ってタイヤ周方向に連続してジグザグ形状を有するセンター周方向溝を構成する、発明１に記載のタイヤ。
［発明３］
前記センターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝をさらに含み、
前記センター細溝は、前記屈曲部から端までの端部におけるタイヤ周方向に対する角度θ３と、前記センター傾斜溝の傾斜の角度θ２との差が、０［°］以上２０［°］以下の関係を満たす、発明１または２に記載のタイヤ。
［発明４］
前記センターブロックにおいて、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝をさらに含み、
前記センター傾斜溝により構成された前記センターラグ溝の中間部の最大溝深さＤ１と、前記センターラグ溝の端部の最大溝深さＤ２と、前記センター傾斜溝の最大溝深さＤ３と、最大溝深さＤとが、Ｄ２≦Ｄ、Ｄ２≦Ｄ１、Ｄ２≦Ｄ３、０．６０≦Ｄ２／Ｄ≦０．８０の関係を満たす、発明１から３のいずれか１つに記載のタイヤ。
［発明５］
前記センターラグ溝は、中間部のタイヤ幅方向に対する角度θ４の範囲内で各端部が円弧状に設けられる、発明１から４のいずれか１つに記載のタイヤ。
［発明６］
前記センターブロックは、タイヤ周方向で隣接する各前記センターラグ溝にそれぞれ端が開口しタイヤ赤道面を跨いで設けられてタイヤ周方向に対して５［°］以上３０［°］以下の角度θ２で傾斜するセンター傾斜溝によって分割されたセンター分割ブロックを含み、
当該センター分割ブロックは、鋭角部のトレッド面に面取が設けられる、発明１から５のいずれか１つに記載のタイヤ。
［発明７］
最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝をさらに含み、
前記ショルダーラグ溝は、前記一端が、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に開口する前記センターラグ溝の端のタイヤ幅方向の対向位置から外れてタイヤ周方向に交互に配置される、発明１から６のいずれか１つに記載のタイヤ。
［発明８］
最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝をさらに含み、
前記ショルダーラグ溝は、底上部を有し、当該底上部の最小溝深さＤ４と、最大溝深さＤとが、０．４０≦Ｄ４／Ｄ≦０．６０の関係を満たす、発明１から７のいずれか１つに記載のタイヤ。
［発明９］
最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝と、
前記ショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられて各前記ショルダーラグ溝のタイヤ周方向の間に配置されたショルダー細溝と、
をさらに含む、発明１から８のいずれか１つに記載のタイヤ。
［発明１０］
最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝で区画されたショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられてタイヤ周方向に複数並んで配置されたショルダーラグ溝と、
前記ショルダー陸部において、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に一端が開口し他端がトレッド展開幅の外側に開口して設けられて各前記ショルダーラグ溝のタイヤ周方向の間に配置されたショルダー細溝と、
をさらに含み、
前記ショルダー細溝は、前記一端が、最もタイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に開口する前記センターラグ溝の端の開口幅のタイヤ幅方向の範囲内に配置される、発明１から９のいずれか１つに記載のタイヤ。

【符号の説明】

【0064】

１ 空気入りタイヤ（タイヤ）
２１ 周方向主溝
３１ センター陸部
３１１ センターブロック
３１２ センター分割ブロック
３１２ａ 面取
３２ ショルダー陸部
３２１ ショルダーブロック
４１ センターラグ溝
４１ａ 端
４１ｂ 端部
４１ｃ 中間部
４２ センター傾斜溝
４２ａ 端
４２’ センター周方向溝
４３ ショルダーラグ溝
４３ａ 一端
４３ｂ 他端
４３ｃ 底上部
５１ センター細溝
５１ａ 端
５１ｂ 屈曲部
５１ｃ 端部
５１ｄ 中間部
５２ ショルダー細溝
５２ａ 一端
５２ｂ 他端

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】