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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110225
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】精算装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240807BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240807BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240807BHJP
【FI】
G07G1/00 311E
G07G1/12 331D
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014686
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 裕人
(72)【発明者】
【氏名】白幡 真秀
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142CA17
3E142EA04
3E142FA08
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA16
3E142GA35
3E142GA41
3E142KA08
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】コード決済に係る適切な取引を支援すること。
【解決手段】POS端末装置20は、顧客の操作に基づいて精算を行う。POS端末装置20は、取得部301と、実行部302とを備える。取得部301は、顧客が所持する端末装置に表示される複数の決済用コードを読み取り可能な読取部から、決済処理が可能な一の決済用コードを取得する。実行部302は、取得部301によって取得された前記一の決済用コードに基づいて決済処理を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作に基づいて精算を行う精算装置であって、
顧客が所持する端末装置に表示される複数の決済用コードを読み取り可能な読取部から、決済処理が可能な一の決済用コードを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記一の決済用コードに基づいて決済処理を実行する実行手段と、
を備えることを特徴とする精算装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記読取部によって読み取られた複数の種別のコードに基づく処理をそれぞれ実行可能であり、
前記一の決済用コードが含まれる特定の種別を有効に設定する設定手段と、
前記特定の種別ではない他の決済用コードの取得を制限する制限手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の精算装置。
【請求項3】
前記実行手段は、前記一の決済用コードに基づく決済処理と、前記一の決済用コードとは異なる他の決済用コードに基づく決済処理とをそれぞれ実行可能であり、
前記取得手段によって前記一の決済用コードが取得された場合、前記他の決済用コードの取得を制限する制限手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の精算装置。
【請求項4】
前記実行手段は、前記一の決済用コードとは異なる他の決済用コードに基づく決済処理を実行せず、
前記読取部によって前記一の決済用コードが読み取られる前に、前記他の決済用コードが読み取られた場合、前記一の決済用コードの取得を待機させる待機手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の精算装置。
【請求項5】
前記制限手段は、前記他の決済用コードを読み取った場合であっても通知音を出力しない、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の精算装置。
【請求項6】
前記取得手段によって前記一の決済用コードが取得されることに応じて、当該取得に係る通知音を出力させる通知手段を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の精算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗等では、決済種別として、現金やクレジットカードのほかにも、コード決済が利用されつつある(例えば、特許文献1参照。)。コード決済では、例えば、決済端末等の精算装置が、顧客が所持する携帯端末に表示される決済用コードを読み取ることによって、決済が行われる。携帯端末には、1次元決済用コードおよび2次元決済用コードといった複数の決済用コードが表示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-91764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、1次元決済用コードでのみで決済を行える精算装置において、2次元決済用コードが読み取ることによってスキャン音が鳴ってしまうと、顧客は決済が完了したものと誤認識してしまい、未決済のまま退店してしまうおそれがあった。また、1次元決済用コードおよび2次元決済用コードの両方で決済を行うことが可能な精算装置において、2つの決済用コードがそれぞれ読み取られることによってスキャン音が2回鳴ってしまうと、顧客は2回決済が行われたものと誤認識してしまうおそれがあった。このため、従来技術では、コード決済に係る適切な取引を行うことができない、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、コード決済に係る適切な取引を支援することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である精算装置は、顧客の操作に基づいて精算を行う精算装置であって、顧客が所持する端末装置に表示される複数の決済用コードを読み取り可能な読取部から、決済処理が可能な一の決済用コードを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記一の決済用コードに基づいて決済処理を実行する実行手段と、を備えることを特徴とする精算装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るコード決済システム1のネットワーク構成の一例を示す図である。
図2】POS端末装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。
図3】POS端末装置20の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。
図6】変形例1に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。
図7】変形例2に係るPOS端末装置20の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図8】変形例2に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。
図9】変形例3に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るコード決済システム1のネットワーク構成の一例を示す図である。コード決済システム1は、種々の店舗に導入される。種々の店舗は、例えば、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、飲食店、各種用品店などである。図1に示すように、コード決済システム1は、ストアコントローラ10と、POS端末装置20と、顧客端末装置30と、コード決済サーバ40とを備える。
【0009】
各装置は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのネットワーク50を介して、有線または無線により接続されている。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0010】
ストアコントローラ10は、取引に必要な各種情報を記憶する。各種情報は、商品マスタを含む。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。また、商品マスタは、計量が必要な商品(計量対象商品)の商品識別情報、商品名、計量対象商品の単価などを含む。また、ストアコントローラ0は、商品マスタのほかにも、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの各種の情報を記憶する。また、ストアコントローラ10は、顧客の会員情報を記憶してもよい。
【0011】
POS端末装置20は、精算装置の一例である。POS端末装置20は、店舗内に配置され、顧客の操作に基づいて精算を行うキャッシュレジスタ装置である。本実施形態では、POS端末装置20は、登録部と、精算部とを備える。登録部は、商品を登録する登録処理を実行する。登録処理では、顧客が購入する商品の登録情報が生成される。精算部は、登録処理において生成された登録情報に基づく精算を行う精算処理を実行する。なお、POS端末装置20は、少なくとも精算を行う機能を備えていればよく、すなわち、登録部を備えていなくてもよい。また、図1において、POS端末装置20の台数は、複数台を示しているが、1台であってもよい。
【0012】
POS端末装置20は、動作モードの切り替えが可能である。ここでいう動作モードは、店員登録モードと、フルセルフモードと、会計専用モードである。以下に、各動作モードについて補足する。
店員登録モードは、店員が商品を登録し、対面精算またはセルフ精算を行う動作モードである。対面精算は、自装置において顧客が店員と対面して、顧客の操作に基づいて行われる精算である。なお、対面精算は、顧客自身で精算を行うことに代えて又は加えて、店員が顧客から現金等を受け取り、店員が行う精算としてもよい。
【0013】
セルフ精算は、他のPOS端末装置20で顧客の操作に基づいて行われる精算である。他のPOS端末装置20で精算を行う場合、POS端末装置20は、他のPOS端末装置20で精算を行うための登録情報を出力する。登録情報の出力態様は、他のPOS端末装置20への送信であるが、これに限らず、紙面等の媒体へのコードによる出力してもよい。なお、他のPOS端末装置20は、精算専用の装置としてもよい。
【0014】
フルセルフモードは、自装置で顧客が商品を登録(セルフ登録)し、自装置でセルフ精算を行う動作モードである。
会計専用モードは、登録装置(例えば、他のPOS端末装置20)で登録された商品の登録情報を取得して、セルフ精算を行うモードである。会計専用モードにおける登録情報の取得の態様は、例えば、他のPOS端末装置20からの受信である。ただし、当該取得の態様は、コード化された登録情報の読み取りとしてもよい。当該コード化された登録情報は、例えば、紙媒体や携帯端末等に表示される。会計専用モードにおいて、POS端末装置20は、登録装置から受信した登録情報に基づいて、顧客の操作に基づくセルフ精算を行う。なお、登録装置は、他のPOS端末装置20に限らず、可搬型の装置(顧客が店内を移動して商品を登録する端末)でもよい。また、登録装置に商品を登録させるオペレータは、店員としてもよいし、顧客としてもよい。
【0015】
可搬型の装置について補足すると、例えば、可搬型の装置には、所定のアプリ(アプリケーションソフトウェア)がインストールされている。可搬型の装置は、顧客が店内を移動しながら商品のバーコードをスキャンすることにより、商品の登録を可能にする。可搬型の装置は、店舗から顧客に貸し出す貸出端末(例えば、スマートフォンや専用の端末)でもよいし、顧客が所有する端末(例えば、スマートフォン)でもよい。
【0016】
顧客端末装置30は、顧客が所持する可搬型の端末装置である。顧客端末装置30は、例えば、スマートフォンである。顧客端末装置30は、コード決済に係る所定の決済アプリ(アプリケーションソフトウェア)がインストールされている。顧客端末装置30は、顧客の操作に基づいて、決済アプリを起動するとともに、コード決済に係る決済用コード100(100a、100b)を表示することが可能である。決済用コード100は、1次元決済用コード100aと、2次元決済用コード100bとを含む。1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bは、それぞれ、顧客識別情報(顧客ID)を含む。
【0017】
POS端末装置20は、顧客端末装置30に表示された決済用コード100を読み取ることが可能である。POS端末装置20は、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのうちいずれか一方に基づいて、コード決済を行う。具体的には、POS端末装置20は、いずれか一方の決済用コード100に基づいて、コード決済サーバ40へ決済に係る問合せを行い、決済を完了させる。
【0018】
コード決済サーバ40は、コード決済に係る情報を管理するサーバ装置である。コード決済に係る情報は、例えば、顧客名、顧客識別情報、チャージ残額、取引履歴を含む。
【0019】
ここで、コード決済に係る手順の一例について、図1に示すステップ番号(S)を参照して、以下(1)~(10)を説明する。
(1)ステップS1:顧客端末装置30は、決済アプリを起動して、コード決済サーバ40に対して、決済用コード100の表示に係る要求を行う。当該要求には、顧客識別情報が含まれる。
(2)ステップS2:コード決済サーバ40は、決済用コード100の当該要求を受信すると、顧客識別情報に紐づくチャージ残額を特定し、決済用コード100の表示に係る情報を送信する。
(3)ステップS3:顧客端末装置30は、コード決済サーバ40から当該情報を受信すると、ディスプレイに決済用コード100(100a、100b)および残額を表示する。
(4)ステップS4:POS端末装置20は、顧客からの提示により、顧客端末装置30に表示される1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのうちいずれか一方を読み取る。
(5)ステップS5:POS端末装置20は、読み取った決済用コード100が示すコード情報と、決済金額(支払金額)の情報とを含む決済要求をコード決済サーバ40へ送信する。
【0020】
(6)ステップS6:コード決済サーバ40は、POS端末装置20から決済要求を受信すると、決済用コード100に基づいて顧客(利用者)を識別し、当該顧客の残額から、店舗に対し、決済金額を支払うための決済を行う。
(7)ステップS7:コード決済サーバ40は、決済を行うと、決済結果を顧客端末装置30へ送信する。
(8)ステップS8:顧客端末装置30は、コード決済サーバ40から受信した決済結果に基づく通知を行う。当該通知は、決済結果が決済の完了を示す結果である場合には、その旨の通知や決済後の残額を含む。また、当該通知は、決済結果が決済を完了できなかった結果を示す場合には、その旨の通知を含む。
(9)ステップS9:また、コード決済サーバ40は、決済を行うと、顧客端末装置30のほかにも、決済結果をPOS端末装置20へ送信する。
(10)ステップS10:POS端末装置20は、コード決済サーバ40から受信した決済結果に基づく通知を行う。当該通知は、決済が完了した旨の通知、または、決済が完了できなかった旨の通知を含む。
このようにして、コード決済が行われる。
【0021】
なお、コード決済における顧客の支払方法には、例えば、以下の3態様(前払い、即時払い、後払い)がある。
前払い:事前に決済アプリにチャージをして、その残高から支払う態様。チャージ方法としては、所定の入金装置から現金を入金する方法や、決済アプリに銀行口座やクレジットカードを事前登録している場合には、銀行口座やクレジットカードからチャージする方法が挙げられる。
即時払い:事前に引き落とし先として登録した銀行口座からリアルタイムで支払いが行われる態様。なお、即時払いでは、銀行口座に残高がなければ決済ができない。
後払い:決済アプリにクレジットカードを事前登録しておくことで、毎月のクレジットカードの利用金額とまとめて支払い金額が請求される態様。
【0022】
なお、コード決済システム1は、店舗内に取引状況管理装置を備えてもよい。取引状況管理装置は、POS端末装置20の処理状況等を表示したり、POS端末装置20を制御したりする。取引状況管理装置には、店員が配置され、店員によるPOS端末装置20の監視を行うようにしてもよい。
【0023】
(POS端末装置20の構成例)
次に、図2を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図2は、POS端末装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。なお、図2では省略しているが、POS端末装置20の両側または一方の側に、買い物かごを載置するカウンタが置かれる。
【0024】
POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216と、サインポール220とを備える。これらは、バス(不図示)を介して相互に通信可能である。
【0025】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る精算処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、各種プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0026】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。また、この情報は、登録した商品を示す登録情報や、精算において生成した精算情報を含む。
【0027】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する各種プログラムを記憶してもよい。また、ハードディスク204は、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0028】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。例えば、客側表示部205は、決済種別に対応する決済種別選択ボタンを表示し、当該ボタンが押下されることによって、決済種別の選択を受け付ける。
【0029】
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。客側スキャナ部206が読取可能なコードは、1次元コードおよび2次元コードを含む。1次元コードおよび2次元コードは、コード決済に係る決済用コード100(図1)や、商品に付されている商品コードを含む。客側スキャナ部206は、コードに光を照射し、その反射光を取得することにより、コードに含まれる黒部分および白部分をデジタル信号に置換してコード情報を取り出すことが可能である。
【0030】
カード決済部208は、各種カードや携帯端末等の各種媒体に記憶される情報に基づいて決済を行う。各種カードは、クレジットカード、電子マネー等のプリペイドカード、ポイントカードを含む。電子マネーは、交通系ICカードや携帯端末などのチャージ媒体にチャージされる。チャージ媒体へのチャージは、所定のチャージ用端末における現金の入金によって行われてもよいし、媒体とクレジットカードとが対応付けられている場合にはクレジットカードからの入金によって行われてもよい。
【0031】
釣銭機209は、現金による決済機構である。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。具体的には、釣銭機209は、紙幣や硬貨の投入口と排出口とを有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
【0032】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210は、商品に対応するプリセットキーを表示し、当該プリセットキーが店員に操作されることによって、商品の登録を受け付ける。
【0033】
キー操作部211は、店員側に設けられ、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)を備える。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部211は、商品に対応する登録ボタンを備え、当該登録ボタンが店員に操作されることによって、商品の登録を受け付ける。
【0034】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。店員側スキャナ部212が読取可能なコードは、1次元コードおよび2次元コードを含む。1次元コードおよび2次元コードは、コード決済に係る決済用コード100(図1)や、商品に付されている商品コードや、店員の名札に付された店員コードを含む。店員側スキャナ部212は、コードに光を照射し、その反射光を取得することにより、コードに含まれる黒部分および白部分をデジタル信号に置換してコード情報を取り出すことが可能である。
【0035】
POS端末装置20は、客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212によって読み取られたコードが示すコード情報に基づく処理を行う。POS端末装置20は、コード情報における所定の桁が示すフラグ等の値や、読み取られた桁数等をチェックすることにより、読み取ったコードの種類(決済用コード100、商品コード、店員コード等)を判別する。POS端末装置20は、読み取られたコードが決済用コード100であると判別すると、当該コードに基づいて決済処理を行う。また、POS端末装置20は、読み取られたコードが商品コードであると判別すると、商品登録処理を行う。また、POS端末装置20は、読み取られたコードが店員コードであると判別すると、ログイン処理を行う。
【0036】
印刷部213は、各種媒体(レシート、領収書等)を印刷して出力する。印刷部213は、回転自在な機構を有し、媒体発行口が店員側から客側に向くように、また、客側から店員側に向くように構成されている。
音声出力部214は、音を出力する。例えば、音声出力部214は、各種コードをスキャンした際の読取り音(スキャン音)や、音声ガイダンスや、警告音などを出力する。これらの音は、商品の登録や精算に係るものである。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ10、コード決済サーバ40など)と情報を送受信するインターフェースである。
【0037】
カメラ216は、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、顧客による登録操作や精算操作を撮像する。
【0038】
サインポール220は、例えば、LED(light emitting diode)であり、所定の点灯態様で点灯可能である。点灯態様は、色の態様や、点滅態様を含む。サインポール220は、点灯態様によって各種報知を行うことが可能である。各種報知は、例えば、使用中である旨の報知や、店員を呼び出す旨の報知や、顧客による不正行為があった旨の報知などを含む。
【0039】
(POS端末装置20の機能的構成)
本実施形態において、POS端末装置20は、顧客の操作に基づいて精算を行うことが可能である。具体的には、POS端末装置20は、顧客の操作によって顧客端末装置30に表示される決済用コード100(100a、100b)に基づいて精算を行うことが可能である。また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bの両方で決済を行うことが可能である。
【0040】
このため、2つの決済用コード100がそれぞれ読み取られることによってスキャン音が2回鳴ってしまうと、顧客は2回の決済が行われたものと誤認識してしまうおそれがある。これにより、コード決済に係る適切な取引を行うことができないおそれがある。
そこで、本実施形態では、コード決済に係る適切な取引を支援するようにしている。以下、本実施形態に係るPOS端末装置20の機能的構成について説明する。
【0041】
(POS端末装置20の機能的構成について)
図3は、POS端末装置20の機能的構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、POS端末装置20は、取得部301と、実行部302と、設定部303と、制限部304と、通知部305との各機能部を備える。各機能部は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が本実施形態に係る精算処理プログラムを実行することにより、各機能部を実現する。
【0042】
本実施形態において、POS端末装置20は、読取部として、客側スキャナ部206および店員側スキャナ部212を備える。読取部は、1次元コードおよび2次元コードを含む複数の種別のコードを読み取ることが可能である。具体的には、読取部は、顧客端末装置30に表示される複数の決済用コード100(100a、100b)のほか、商品に付された商品コード、会員カード等に付された会員コード、店員の名札に付された店員コード等の各種コードを読み取り可能である。各種コードは、コード(決済用コード100、商品コード等)をそれぞれ識別するコード情報を含む。コード情報は、コード種別を示す情報を含む。コード種別は、1次元コード、または2次元コードである。
【0043】
読取部に決済用コード100を読み取らせる操作者は、例えば、顧客である。具体的には、顧客は、顧客端末装置30に表示させた決済用コード100を客側スキャナ部206に読み取らせる。なお、対面精算の場合、店員が決済用コード100を店員側スキャナ部212に読み取らせてもよい。具体的には、店員は、顧客から提示された決済用コード100を店員側スキャナ部212に読み取らせてもよい。
【0044】
取得部301は、客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212によって読み取られた各種コードを取得する。各種コードは、決済処理が可能な決済用コード100(100a、100b)を含む。取得部301は、一の取引に係る決済(精算)において、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのうち、一の決済用コード100を取得する。言い換えれば、取得部301は、一の取引に係る決済において、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bの両方を取得しない。
【0045】
また、取得部301は、一の決済用コード100を取得すると、以降に、再び読取部によって一の決済用コード100が読み取られたとしても、一の決済用コード100を再び取得しない。すなわち、取得部301は、一の取引において、一の決済用コード100を一回だけ取得する。なお、図4の説明においては、説明の便宜上、取得部301によって取得される一の決済用コード100を1次元決済用コード100aとして説明する。
【0046】
実行部302は、取得部301によって取得された複数の種別のコードの各種コードに基づいて各種処理を実行する。各種処理は、具体的には、商品コードに基づく商品登録処理や、会員コードに基づく会員顧客への特典付与に係る処理や、店員コードに基づく店員のログイン処理などを含む。
【0047】
特に、本実施形態において、実行部302は、取得部301によって取得された1次元決済用コード100aに基づいて決済処理を実行する。決済処理は、決済に係る処理であり、具体的には、上記(6)の処理、すなわち、1次元決済用コード100aに基づく決済要求をコード決済サーバ40へ送信する処理を含む。また、決済処理は、上記(10)の処理、すなわち、コード決済サーバ40から受信した決済結果に基づく通知を行う処理を含む。
【0048】
(決済が有効なコード種別の設定について)
本実施形態において、コード決済において、POS端末装置20は、設定部303による予めの設定に基づいて、2次元決済用コード100bの取得を制限するようにしている。具体的に説明すると、設定部303は、コード決済を行うことが可能な特定のコード種別を有効に設定する。特定のコード種別は、決済処理が有効な一の決済用コード100(1次元決済用コード100a)が含まれる種別(1次元コード)である。なお、一の決済用コード100を2次元決済用コード100bとする場合、設定部303は、特定のコード種別として2次元コードを有効に設定すればよい。当該設定は、予め店員によって予め設定されるようにすればよい。
【0049】
制限部304は、コード決済において、設定部303によって有効に設定されている特定のコード種別(1次元コード)ではない他の決済用コード(2次元決済用コード100b)の取得を制限する。決済用コード100の取得を制限するとは、例えば、2次元決済用コード100bを取得部301に取得させずに、破棄することである。なお、制限部304は、2次元決済用コード100bを、取得部301に取得させないようにすることに限らず、取得部301に取得させ、取得させた後に破棄するようにしてもよい。当該制限は、コード識別情報(コード種別を示す情報)に基づいて行われる。
【0050】
当該制限を行うことにより、コード決済において2次元決済用コード100bの取得が制限されている場合、読取部によって2次元決済用コード100bが読み取られたとしても、取得部301によって2次元決済用コード100bが取得されないため、実行部302によって決済処理が実行されない。なお、制限部304は、コード決済において、1次元決済用コード100aについても、1回目の取得については制限せず、複数回の取得を制限する。
【0051】
制限部304によって当該制限が行われるタイミングは、精算時である。精算時とは、具体的には、決済種別の選択においてコード決済が選択されてから、制限終了タイミングとなるまでの期間である。制限終了タイミングは、例えば、コード決済が完了するタイミングであり、より具体的には、例えば、レシートの発行タイミングである。また、制限終了タイミングは、1次元決済用コード100aが読み取られずに一定の待機時間(例えば30秒)が経過したタイミングを含む。制限部304は、制限終了タイミングとなるまで、特定のコード種別(1次元コード)ではないコード(2次元コード)の取得を制限する。
【0052】
一方で、制限部304は、当該期間を除いた期間(精算時以外)では、当該制限を行わない。これにより、精算時以外において、実行部302は、取得部301によって取得された各種コード(1次元コードおよび2次元コード)に基づく各種処理を行うことが可能である。
【0053】
なお、制限部304は、精算時以外において、読取部によって1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのいずれかが読み取られたとしても、読み取られた決済用コード100の取得を制限してもよい。これにより、精算時以外において、決済処理を行わないようにすることができる。また、制限部304は、精算時において、読取部によって決済用コード100以外のコード(例えば、商品コード等)が読み取られた場合に、当該コードの取得を制限してもよい。これにより、精算時に決済処理以外の処理(例えば商品登録処理)が行われないようにすることができる。
【0054】
(スキャン音について)
通知部305は、取得部301による各種コードの取得に基づく通知音を出力させる。具体的には、通知部305は、スキャン音(通知音)を音声出力部214に出力させる。また、通知部305は、音声出力部214に代えて又は加えて、客側スキャナ部206および店員側スキャナ部212がそれぞれ備えるスピーカーから、スキャン音を出力させることも可能である。スキャン音は、取得部301によって各種コードが取得されることに応じて出力される音であり、例えば、「ピッ」という音である。なお、通知部305は、スキャン音に代えて又は加えて、客側表示部205および店員側表示部210に通知画面を表示するための情報を出力してもよい。
【0055】
特に、本実施形態において、通知部305は、取得部301によって一の決済用コード100が取得されることに応じて、決済用コード100の取得に係るスキャン音を出力させる。具体的には、取得部301によって一の決済用コード100(1次元決済用コード100a)が取得された場合に、スキャン音を出力させる。
【0056】
一方で、制限部304は、他の決済用コード100(2次元決済用コード100b)を読み取った場合であってもスキャン音の出力を制限する。なお、一の決済用コード100が取得された後は、読取部によって一の決済用コード100が読み取られたとしても、一の決済用コード100が再度取得されないため、スキャン音の出力は制限される。スキャン音の出力の制限とは、スキャン音を出力しないことであるが、これに限らず、音量を小さくすることとしてもよい。
【0057】
これにより、通知部305は、精算時に決済用コード100が取得されることに応じてスキャン音を出力させることができる。また、通知部305は、コード決済において、読取部によって他の決済用コードが読み取られたとしても、また、読取部によって再び一の決済用コード100が読み取られたとしても、スキャン音を出力させないようにすることができる。
【0058】
(実施形態に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例)
図4および図5は、実施形態に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4では、決済結果を受信する前までの処理について説明し、図5では、決済結果を受信した後の処理について説明する。
【0059】
図4において、POS端末装置20は、精算の開始時に表示される決済種別選択画面において、決済種別としてコード決済が選択されたか否かを判断する(ステップS401)。なお、決済種別選択画面において選択可能な決済種別は、例えば、コード決済、現金、クレジットカード、電子マネーといった各種の決済種別を含む。また、決済種別の選択では、各決済種別に係るブランドの選択についても受け付ける。ブランドは、例えば、コード決済であれば、コード決済を提供する会社ごとのブランドであり、例えば、「○○ペイ」、「○×Pay」、「○●払い」といったブランドである。
【0060】
POS端末装置20は、ブランドの選択を含むコード決済の選択が行われるまで待機する(ステップS401:NO)。コード決済が選択されると(ステップS401:YES)、POS端末装置20は、制限部304によるコード取得制限を開始する(ステップS402)。コード取得制限は、具体的には、設定部303によって有効に設定されている特定のコード種別(例えば、1次元コード)ではないコード(例えば、2次元コード)の取得を制限することである。
【0061】
そして、POS端末装置20は、読取部(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)が決済用コード100をスキャンしたか否か(読み取ったか否か)を判断する(ステップS403)。決済用コード100をスキャンした場合(ステップS403:YES)、POS端末装置20は、スキャンした決済用コード100が設定部303によって有効に設定されている特定のコード種別(例えば、1次元コード)であるか否かを判断する(ステップS404)。
【0062】
スキャンした決済用コード100が有効に設定されている特定のコード種別(例えば、1次元コード)である場合、すなわち、スキャンした決済用コード100が1次元決済用コード100aである場合(ステップS404:YES)、スキャン音制限フラグがONであるか否かを判断する(ステップS405)。なお、本フローチャートにおいて初めて実行されるステップS405の処理では、スキャン音制限フラグはOFFになっている。
【0063】
本フローチャートにおいて初めてステップS405の処理が実行される場合、すなわち、スキャン音制限フラグがONではない(OFFである)場合(ステップS405:NO)、POS端末装置20は、スキャン音を出力させるとともに(ステップS406)、スキャン音制限フラグをONにセットする(ステップS407)。これにより、本フローチャートに係る次回以降の処理では、スキャン音制限フラグがONにセットされていることから、スキャン音が出力されない(ステップS406の処理は行われない)ことになる。
【0064】
ステップS407の処理の後、POS端末装置20は、ステップS403においてスキャンした決済用コード100のコード情報を取得する(ステップS408)。なお、ステップS406~S408に示す各処理の順序は、いずれの順であってもよい。
【0065】
そして、POS端末装置20は、決済処理を行う(ステップS409)。決済処理において、POS端末装置20は、ステップS408において取得したコード情報と、決済金額の情報とを含む決済要求をコード決済サーバ40へ送信する。次に、POS端末装置20は、コード決済サーバ40から決済結果を受信したか否かを判断する(ステップS410)。コード決済サーバ40から決済結果を受信していない場合(ステップS410:NO)、POS端末装置20は、ステップS403の処理に移行する。
【0066】
ステップS404において、スキャンした決済用コード100が2次元決済用コード100bである場合、すなわち、決済用コードが特定のコード種別ではない場合(ステップS404:NO)、または、ステップS405において、スキャン音制限フラグがONである場合(ステップS405:YES)、POS端末装置20は、ステップS403においてスキャンした決済用コード100のコード情報を破棄する(ステップS411)。さらに、POS端末装置20は、スキャン音の出力を制限し(ステップS412)、ステップS410に進む。
【0067】
ステップS403において、決済用コード100をスキャンしない場合(ステップS403:NO)、POS端末装置20は、1次元決済用コード100aが読み取られずに一定の待機時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS413)。待機時間が経過していない場合(ステップS413:NO)、POS端末装置20は、決済結果の受信待機中であるか否かを判断する(ステップS414)。決済結果の受信待機中ではない場合(ステップS414:NO)、POS端末装置20は、ステップS403に移行する。決済結果の受信待機中である場合(ステップS414:YES)、ステップS410に移行する。
【0068】
ステップS410において、コード決済サーバ40から決済結果を受信すると(ステップS410:YES)、POS端末装置20は、本フローチャートに係る一連の処理を終了する。また、ステップS413において、待機時間が経過した場合(ステップS413:YES)、すなわち、コード決済が完了していない場合、POS端末装置20は、客側表示部205および店員側表示部210にエラーを示す通知画面を表示するとともに(ステップS415)、制限部304によるコード取得制限を終了し(ステップS416)、一連の処理を終了する。コード取得制限の終了により、POS端末装置20は、精算時以外では、1次元コードおよび2次元コードの各コードに基づく各種処理をそれぞれ行うことが可能になる。
【0069】
図5において、POS端末装置20は、コード決済サーバ40から決済結果を受信するまで待機し(ステップS501:NO)、決済結果を受信すると(ステップS501:YES)、スキャン音制限フラグをOFFに戻す(ステップS502)。これにより、次回の決済処理(図4)の開始時には、スキャン音制限フラグがOFFにセットされるため、スキャン音の出力が可能になる。
【0070】
そして、POS端末装置20は、コード決済サーバ40から受信した決済結果が決済完了(決済OK)を示すか否かを判断する(ステップS503)。決済結果が決済完了(決済OK)を示さない場合(ステップS503:NO)、すなわち、チャージ残額が支払金額に満たない場合など、決済結果が決済不可を示す場合、POS端末装置20は、客側表示部205および店員側表示部210に決済不可を示す通知画面を表示し(ステップS504)、図4のステップS401に戻る。
【0071】
なお、この場合、ステップS401において、再度の決済種別の選択が行われる。再度の決済種別の選択において、例えば、別のブランドでコード決済を選択することも可能であるし、現金やクレジットカードなどの他の決済種別を選択することも可能である。あるいは、決済アプリにチャージするなどの措置を講じて、同じブランドでのコード決済を選択することも可能である。
【0072】
ステップS503において、決済結果が決済完了(決済OK)を示す場合(ステップS503:YES)、POS端末装置20は、決済完了処理を行う(ステップS505)。決済完了処理は、例えば、客側表示部205および店員側表示部210に決済完了画面を表示させる処理や、レシートを発行する処理や、決済OKを示す報知音を出力する処理を含む。そして、POS端末装置20は、制限部304によるコード取得制限を終了し(ステップS506)、一連の処理を終了する。コード取得制限の終了により、POS端末装置20は、精算時以外では、1次元コードおよび2次元コードの各コードに基づく各種処理をそれぞれ行うことが可能になる。
【0073】
なお、上述したフローチャートでは、スキャン音の出力は(ステップS406)、決済用コード100のスキャン(ステップS403)によって行われる例について説明したが、これに限らず、決済の完了(決済OK)の決済結果を受信することによって(ステップS503:YES)行われるようにしてもよい。言い換えれば、POS端末装置20は、決済結果が決済不可を示す場合には(ステップS503:NO)、スキャン音を出力しないようにしてもよい。
【0074】
なお、ステップS415およびステップS504における各通知の終了タイミングは、所定の操作を受け付けることや、一定時間の経過とすればよい。また、各通知に係る画面は、客側表示部205および店員側表示部210に表示されることとするが、セルフ精算の場合には、客側表示部205にのみ表示され、店員側表示部210に表示されないようにしてもよい。言い換えれば、対面精算の場合に、各通知に係る画面は、客側表示部205および店員側表示部210に表示されてもよい。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係るPOS端末装置20は、顧客端末装置30に表示される複数の決済用コード100を読み取り可能な読取部(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)から、一の決済用コード100を取得し、取得した一の決済用コード100に基づいて決済処理を実行する。これにより、一の決済用コード100の取得に応じた決済処理を行うことができるため、顧客が複数回の決済が行われたものと誤認識してしまうことを抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、コード決済に係る適切な取引を支援することができる。
【0076】
また、本実施形態では、複数の種別のコード(1次元コードおよび2次元コード)に基づく処理を行うことが可能なPOS端末装置20において、一の決済用コード100が含まれる特定のコード種別(例えば、1次元コード)を有効に設定し、特定のコード種別でコード(例えば、2次元コード)の取得を制限する。これにより、特定のコード種別(例えば、1次元コード)ではない決済用コード100(例えば、2次元決済用コード100b)に基づく決済処理を行わないようにすることができる。一方で、特定のコード種別(例えば、1次元コード)の決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)に基づく決済処理を行うことができる。
【0077】
また、本実施形態では、精算時に、特定のコード種別ではないコードの取得を制限し、精算時以外では、当該制限を行わない。よって、精算時以外において、POS端末装置20は、各コード種別(1次元コードおよび2次元コード)に基づく各種処理を行うことができる。
【0078】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、決済処理が可能な一の決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)を取得した場合、当該取得に係るスキャン音(通知音)を出力させる。一方で、POS端末装置20は、一の決済用コードとは異なる他の決済用コード100(2次元決済用コード100b)を読み取ったとしても、当該他の決済用コード100を取得しないようにするため、スキャン音を出力させない。これにより、コード決済において、2つの決済用コード100がそれぞれ読み取られたとしても、これに応じてスキャン音を複数回出力してしまうことを抑え、一の決済用コードの取得による一回だけのスキャン音を出力することができる。したがって、顧客が複数回の決済が行われたものと誤認識してしまうことを抑えることができる。よって、コード決済に係る適切な取引をより効率よく支援することができる。
【0079】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の各変形例、および上述した実施形態をそれぞれ組み合わせることも可能である。
【0080】
(変形例1)
まず、変形例1について説明する。上述した実施形態では、一の決済用コード100が含まれる特定のコード種別を有効に設定して、特定のコード種別ではないコードの取得を制限するPOS端末装置20について説明した。変形例1では、一方の決済用コード100を取得した後は、以降に読み取った他方の決済用コード100の取得を制限するPOS端末装置20について説明する。
【0081】
変形例1に係るPOS端末装置20は、設定部303を備えない。実行部302は、一の決済用コード100に基づく決済処理と、一の決済用コードとは異なる他の決済用コード100に基づく決済処理とをそれぞれ実行可能である。具体的には、実行部302は、1次元決済用コード100aに基づく決済処理と、2次元決済用コード100bに基づく決済処理とをそれぞれ実行可能である。
【0082】
変形例1に係る制限部304は、取得部301によって一の決済用コード100が取得された場合、他の決済用コード100の取得を制限する。具体的には、制限部304は、取得部301によって、先に1次元決済用コード100aが取得された場合、以降に2次元決済用コード100bの取得を制限する。あるいは、制限部304は、取得部301によって、先に2次元決済用コード100bが取得された場合、以降に1次元決済用コード100aの取得を制限する。なお、制限部304は、一の決済用コード100について、1回目の取得については制限せず、2回目以降の取得については制限する。
【0083】
(変形例1に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例)
図6は、変形例1に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示す処理と、図4に示した処理とで、同様の処理については同様のステップ番号を付し、説明を省略する。図6に示す処理では、図4に示したステップS402~S404、S416の処理を行わず、これに代えて、ステップS601~S603の処理を行う。
【0084】
図6において、POS端末装置20は、決済種別選択画面において、決済種別としてコード決済が選択されると(ステップS401:YES)、読取部(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)が決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)をスキャンしたか否かを判断する(ステップS601)。
【0085】
決済用コード100をスキャンしない場合(ステップS601:NO)、POS端末装置20は、ステップS413に進む。一方で、決済用コード100をスキャンした場合(ステップS601:YES)、POS端末装置20は、スキャンした決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)とは異なる他方の決済用コード100(例えば、2次元決済用コード100b)について、コード取得制限中であるか否かを判断する(ステップS602)。なお、本フローチャートにおいて初めて実行されるステップS602の処理では、他方の決済用コード100について、コード取得制限中とはなっていない。
【0086】
本フローチャートにおいて初めてステップS602の処理が実行される場合、すなわち、コード取得制限中ではない場合(ステップS602:NO)、POS端末装置20は、ステップS405の処理に進む。そして、ステップS405において、スキャン音制限フラグがONではない(OFFである)場合(ステップS405:NO)、すなわち、本フローチャートにおいて初めてステップS405の処理が実行される場合、POS端末装置20は、ステップS406~S408の処理に加えて、他方の決済用コード100(例えば、2次元決済用コード100b)について、コード取得制限を開始する(ステップS603)。
【0087】
これにより、本フローチャートに係る次回以降の処理では、他方の決済用コード100(2次元決済用コード100b)について、コード取得制限中となる。このため、本フローチャートに係る次回以降の処理において、他方の決済用コード100をスキャンしたとしても(ステップS601:YES)、コード取得制限中となる(ステップS602:YES)。これにより、スキャン音が出力されず(ステップS406の処理は行われず)、さらに、2次元決済用コード100bが示すコード情報については破棄されることになる(ステップS411)。
【0088】
以上説明したように、変形例1では、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bでそれぞれ決済処理を行うことが可能なPOS端末装置20において、一の決済用コード100を取得した場合、他の決済用コード100の取得を制限する。これにより、コード決済において、先に一の決済用コード100を取得した場合には、一の決済用コード100に基づく決済処理を行うことができる。また、以降に他の決済用コード100を読み取ったとしても、他の決済用コード100に基づく決済処理を行わないようにすることができる。また、精算時以外では、POS端末装置20は、各種類のコード(1次元コードおよび2次元コード)に基づく各種処理を行うことができる。
【0089】
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。上述した変形例1では、1次元決済用コード100aに基づく決済処理と、2次元決済用コード100bに基づく決済処理とをそれぞれ実行可能とするPOS端末装置20について説明した。変形例2では、1次元決済用コード100aに基づく決済処理と、2次元決済用コード100bに基づく決済処理とのうち、一方のみを実行可能とするPOS端末装置20について説明する。
【0090】
図7は、変形例2に係るPOS端末装置20の機能的構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、変形例2に係るPOS端末装置20は、実施形態に係るPOS端末装置20と比較して、設定部303および制限部304に代えて、待機部306を備える。待機部306は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が本実施形態に係る精算処理プログラムを実行することにより、待機部306の機能を実現する。
【0091】
変形例2において、実行部302は、一の決済用コード100とは異なる他の決済用コード100に基づく決済処理を実行しない。例えば、実行部302は、1次元決済用コード100aに基づく決済処理を実行し、2次元決済用コード100bに基づく決済処理を実行しない。あるいは、実行部302は、2次元決済用コード100bに基づく決済処理を実行し、1次元決済用コード100aに基づく決済処理を実行しない。いずれの決済処理を実行するか(または実行しないか)は、POS端末装置20の機種によって予め設定されている。なお、実行部302は、決済用コード100以外の各種コード(商品コードや会員コードなど)については、1次元コードおよび2次元コードのいずれでも、各種処理を実行可能としてもよい。
【0092】
待機部306は、読取部によって一の決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)が読み取られる前に、他の決済用コード100(例えば、2次元決済用コード100b)が読み取られた場合、一の決済用コード100の取得を待機させる。一の決済用コード100の取得を待機させるにあたり、待機部306は、読取部によって読み取られた他の決済用コード100のコード情報を破棄する。
【0093】
(変形例2に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例)
図8は、変形例2に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示す処理と、図4に示した処理とで、同様の処理については同様のステップ番号を付し、説明を省略する。図8に示す処理では、図4に示したステップS402~S405、S416の処理を行わず、これに代えて、ステップS801~S804の処理を行う。
【0094】
図8において、POS端末装置20は、決済種別選択画面において、決済種別としてコード決済が選択されると(ステップS401:YES)、読取部(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)が決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)をスキャンしたか否かを判断する(ステップS801)。
【0095】
決済用コード100をスキャンしない場合(ステップS801:NO)、POS端末装置20は、ステップS413に進む。一方で、決済用コード100をスキャンした場合(ステップS801:YES)、POS端末装置20は、スキャン音制限フラグがONであるか否かを判断する(ステップS802)。スキャン音制限フラグがONではない(OFFである)場合(ステップS802:NO)、すなわち、本フローチャートにおいて初めてステップS802の処理が実行される場合、POS端末装置20は、スキャンした決済用コード100が、決済処理が可能な決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)であるか否かを判断する(ステップS803)。
【0096】
スキャンした決済用コード100が、決済処理が可能な決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)ではない場合(ステップS803:NO)、例えば、スキャンした決済用コード100が2次元決済用コード100bである場合、POS端末装置20は、決済処理が可能な決済用コード100(1次元決済用コード100a)を待機するとともに(ステップS804)、スキャンした決済用コード100のコード情報を破棄する(ステップS411)。これにより、決済処理が不可能な決済用コード100(例えば、2次元決済用コード100b)がスキャンされたとしても、スキャン音が出力されず、また、決済処理も行われない。
【0097】
一方で、ステップS803において、スキャンした決済用コード100が、決済処理が可能な決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)である場合(ステップS803:YES)、POS端末装置20は、ステップS406~S409の処理を実行する。これにより、本フローチャートに係る次回以降の処理では、スキャン音制限フラグがONにセットされていることから(ステップS802:YES)、スキャン音が出力されない(ステップS406の処理は行われない)ことになる。
【0098】
以上説明したように、変形例2では、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのいずれか一方で決済処理を行うことが可能なPOS端末装置20において、決済処理が不可能な決済用コード100を取得した場合、決済処理が可能な決済用コード100の取得を待機する。これにより、精算時に、決済処理が不可能な決済用コード100を読み取ったとしても、当該決済用コード100に基づく決済処理を行わないようにすることができる。一方で、精算時に、決済処理が可能な決済用コード100を読み取った場合に、決済処理を行うことができる。
【0099】
このため、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのいずれか一方で決済処理を行うことが可能なPOS端末装置20において、決済処理が不可能な決済用コード100が読み取ることによってスキャン音が鳴ってしまうことを抑えることができる。これにより、顧客は決済が完了したものと誤認識してしまうことを抑え、よって、未決済のまま退店してしまうことを抑えることができる。したがって、変形例2によれば、コード決済に係る適切な取引を支援することができる。
【0100】
(変形例3)
次に、変形例3について説明する。上述した実施形態では、取得部301によってコード情報が取得されることにより、コード情報の取得を制限する例について説明した。変形例3では、取得部301によってコード情報が取得されることにより、読取部によるコード情報の読み取りを制限する例について説明する。
【0101】
変形例3に係る制限部304は、取得部301によって、決済処理が可能な決済用コード100が取得された場合には、言い換えれば、スキャン音が出力された後には、読取部による決済用コード100の読み取りを制限する。読み取りの制限とは、例えば、コードリーダーの光源であるLED(発光ダイオード)の照射(点灯)を停止したり、読取部の電源をOFFにしたりすることである。
【0102】
(変形例3に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例)
図9は、変形例3に係るPOS端末装置20が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理と、図4に示した処理とで、同様の処理については同様のステップ番号を付し、説明を省略する。図9に示す処理では、図4に示したステップS405の処理を行わず、これに代えて、ステップS901、S902の処理を行う。
【0103】
図9において、POS端末装置20は、制限部304によるコード取得制限を開始すると(ステップS402)。スキャン音制限フラグがONであるか否かを判断する(ステップS901)。なお、スキャン音制限フラグは、本フローチャートに係る処理において、スキャン音が一度出力されるまではOFFになっている。
【0104】
スキャン音制限フラグがONではない(OFFである)場合(ステップS901:NO)、すなわち、未だスキャン音が出力されていない場合、ステップS403に進み、決済用コード100をスキャンしたか否かを判断する。
【0105】
決済用コード100をスキャンし(ステップS403:YES)、さらに、スキャンした決済用コード100が特定のコード種別(例えば、1次元コード)である場合、すなわち、スキャンした決済用コード100が1次元決済用コード100aである場合(ステップS404:YES)、POS端末装置20は、ステップS406~S408の処理を実行するとともに、読取部(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)による読み取りを制限する(ステップS902)。
【0106】
これにより、本フローチャートに係る次回以降の処理では、スキャン音制限フラグがONにセットされていることから、読取部による読み取り(ステップS902の処理)が行われず、また、スキャン音も出力されない(ステップS406も行われない)ことになる。具体的には、ステップS901において、スキャン音制限フラグがONである場合(ステップS901:YES)、POS端末装置20は、ステップS414の処理に進む。
【0107】
以上説明したように、変形例3では、決済用コード100の読み取りに基づくスキャン音の出力後において、読取部によるコード情報の読み取りを制限する。これにより、精算時に、決済用コード100を一度読み取ることにより、決済処理を行うことができる。また、読取部による読み取りを制限するため、具体的には、光源(LED)をOFFにすることができるため、顧客は、読取部が制限されていることを容易に認識することができる。したがって、顧客は、決済処理が行われたことを容易に認識することができる。よって、決済用コード100の読取操作を顧客に複数回行わせないようにすることができる。
【0108】
なお、変形例3に係る構成は、変形例1、2にも適用することができる。すなわち、変形例3に係る読取部によるコード情報の読み取りの制限は、変形例1に示した、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bでそれぞれ決済処理を行うことが可能なPOS端末装置20において行うことも可能であるし、変形例2に示した、1次元決済用コード100aに基づく決済処理と、2次元決済用コード100bに基づく決済処理とのうち、一方のみを実行可能とするPOS端末装置20において行うことも可能である。
【0109】
(変形例4)
次に、変形例4について説明する。上述した実施形態では、スキャン音の出力に係る制御が、POS端末装置20によって行われる例について説明した。変形例4では、スキャン音の出力に係る制御が、スキャナ装置によって行われる例について説明する。
【0110】
変形例4において、コード決済システム1は、実施形態の構成に加えて、スキャナ装置を備える。スキャナ装置は、POS端末装置20に内蔵されるもの(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)でもよいし、POS端末装置20に外付けされるものでもよい。スキャナ装置は、読取部、音声出力部(スピーカー)、通信部などの各機能部を備えるコンピュータ装置である。以下、変形例4に係るコード決済システム1が行うスキャン音の出力に係る処理手順(1)~(4)について説明する。
【0111】
(1)スキャナ装置は、コード決済において、決済用コード100を読み取ると、POS端末装置20へ当該決済用コード100が有効であるか否かを問合せる。当該問合せには、コード情報が含まれる。
(2)POS端末装置20は、スキャナ装置から受信したコード情報に基づいて、決済用コード100が有効であるか否かを判別し、判別結果をスキャナ装置へ送信する。
(3)スキャナ装置は、POS端末装置20から判別結果を受信する。判別結果が有効を示す場合、スキャナ装置は、スピーカーからスキャン音を出力する。スキャナ装置は、スキャン音を出力すると、当該取引において、以降に決済用コード100を読み取ったとしても、POS端末装置20に上記の問合せを行わない。これにより、スキャン音を複数回出力しないようにすることができる。なお、スキャナ装置は、スキャン音を出力すると、光源(LED)をOFFにし、読み取りを行わないようにしてもよい。
(4)一方で、判別結果が無効を示す場合、スキャナ装置は、スキャン音を出力せず、読取領域内にかざされる次のコードを待ち受ける。
【0112】
このようにしても、スキャナ装置は、精算時に決済用コード100を読み取ることにより、スキャナ装置がスキャン音を出力することができる。また、POS端末装置20は、当該決済用コード100に基づく決済処理を行うことができる。さらに、スキャナ装置は、当該取引において、以降にスキャナ装置が決済用コード100を読み取ったとしても、スキャン音を出力せず、また、POS端末装置20は、以降に読み取られた決済用コード100に基づく決済処理を行わないようにすることができる。また、スキャナ装置は、精算時以外において、各種類のコード(1次元コードおよび2次元コード)を読み取って、POS端末装置20にコード情報を送信することができる。これにより、POS端末装置20は、精算時以外において、コード情報に基づく各種処理を実行することができる。
【0113】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]精算装置
[技術分野]
本発明は、精算装置に関する。
[背景技術]
近年、店舗等では、決済種別として、現金やクレジットカードのほかにも、コード決済が利用されつつある(例えば、特許文献1参照。)。コード決済では、例えば、決済端末等の精算装置が、顧客が所持する携帯端末に表示される決済用コードを読み取ることによって、決済が行われる。携帯端末には、1次元決済用コードおよび2次元決済用コードといった複数の決済用コードが表示されるものがある。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-91764号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、例えば、1次元決済用コードでのみで決済を行える精算装置において、2次元決済用コードが読み取ることによってスキャン音が鳴ってしまうと、顧客は決済が完了したものと誤認識してしまい、未決済のまま退店してしまうおそれがあった。また、1次元決済用コードおよび2次元決済用コードの両方で決済を行うことが可能な精算装置において、2つの決済用コードがそれぞれ読み取られることによってスキャン音が2回鳴ってしまうと、顧客は2回決済が行われたものと誤認識してしまうおそれがあった。このため、従来技術では、コード決済に係る適切な取引を行うことができない、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、コード決済に係る適切な取引を支援することができる技術を提供することにある。
【0114】
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である精算装置は、顧客の操作に基づいて精算を行う精算装置であって、顧客が所持する端末装置に表示される複数の決済用コードを読み取り可能な読取部から、決済処理が可能な一の決済用コードを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記一の決済用コードに基づいて決済処理を実行する実行手段と、を備えることを特徴とする精算装置である。
上記構成によれば、一の決済用コード100の取得に応じた決済処理を行うことができるため、顧客が複数回の決済が行われたものと誤認識してしまうことを抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、コード決済に係る適切な取引を支援することができる。
【0115】
(2)上記(1)の構成において、前記実行手段は、前記読取部によって読み取られた複数の種別のコードに基づく処理をそれぞれ実行可能であり、前記一の決済用コードが含まれる特定の種別を有効に設定する設定手段と、前記特定の種別ではないコードの取得を制限する制限手段と、を備えてもよい。
上記構成によれば、特定のコード種別(例えば、1次元コード)を除く決済用コード100(例えば、2次元決済用コード100b)に基づく決済処理を行わないようにすることができる。一方で、特定のコード種別(例えば、1次元コード)の決済用コード100(例えば、1次元決済用コード100a)に基づく決済処理を行うことができる。また、本実施形態では、精算時に、特定のコード種別ではないコードの取得を制限し、精算時以外では、当該制限を行わない。よって、精算時以外において、POS端末装置20は、各コード種別(1次元コードおよび2次元コード)に基づく各種処理を行うことができる。
【0116】
(3)上記(1)の構成において、前記実行手段は、前記一の決済用コードに基づく決済処理と、前記一の決済用コードとは異なる他の決済用コードに基づく決済処理とをそれぞれ実行可能であり、前記取得手段によって前記一の決済用コードが取得された場合、前記他の決済用コードの取得を制限する制限手段を備えてもよい。
上記構成によれば、コード決済において、先に一の決済用コード100を取得した場合には、一の決済用コード100に基づく決済処理を行うことができる。また、以降に他の決済用コード100を読み取ったとしても、他の決済用コード100に基づく決済処理を行わないようにすることができる。また、精算時以外では、POS端末装置20は、各種類のコード(1次元コードおよび2次元コード)に基づく各種処理を行うことができる。
【0117】
(4)上記(1)の構成において、記実行手段は、前記一の決済用コードとは異なる他の決済用コードに基づく決済処理を実行せず、前記読取部によって前記一の決済用コードが読み取られる前に、前記他の決済用コードが読み取られた場合、前記一の決済用コードの取得を待機させる待機手段を備えてもよい。
上記構成によれば、精算時に、決済処理が不可能な決済用コード100を読み取ったとしても、当該決済用コード100に基づく決済処理を行わないようにすることができる。一方で、精算時に、決済処理が可能な決済用コード100を読み取った場合に、決済処理を行うことができる。これにより、1次元決済用コード100aおよび2次元決済用コード100bのいずれか一方で決済処理を行うことが可能なPOS端末装置20において、決済処理が不可能な決済用コード100が読み取ることによってスキャン音が鳴ってしまうことを抑えることができる。したがって、顧客は決済が完了したものと誤認識してしまうことを抑え、よって、未決済のまま退店してしまうことを抑えることができる。よって、変形例2によれば、コード決済に係る適切な取引を支援することができる。
【0118】
(5)上記(2)または(3)の構成において、前記制限手段は、前記他の決済用コードを読み取った場合であっても通知音を出力しないようにしてもよい。
上記構成によれば、POS端末装置20は、一の決済用コード(例えば、1次元決済用コード100a)の取得後に他の決済用コード100(2次元決済用コード100b)を読み取ったとしても、スキャン音を出力させないようにすることができる。これにより、決済用コード100が複数読み取られたとしても、スキャン音を複数回出力してしまうことを抑えることができる。したがって、顧客が複数回の決済が行われたものと誤認識してしまうことを抑えることができる。
【0119】
(6)上記(1)~(5)のいずれかの構成において、前記取得手段によって前記一の決済用コードが取得されることに応じて、当該取得に係る通知音を出力させる通知手段を備えてもよい。
上記構成によれば、これにより、コード決済において、2つの決済用コード100がそれぞれ読み取られたとしても、これに応じてスキャン音を複数回出力してしまうことを抑え、一の決済用コードの取得による一回だけのスキャン音を出力することができる。したがって、顧客が複数回の決済が行われたものと誤認識してしまうことを抑えることができる。よって、コード決済に係る適切な取引をより効率よく支援することができる。
【0120】
(7)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、客の操作に基づいて精算を行う精算装置のコンピュータを、顧客が所持する端末装置に表示される複数の決済用コードを読み取り可能な読取部から、決済処理が可能な一の決済用コードを取得する取得手段、前記取得手段によって取得された前記一の決済用コードに基づいて決済処理を実行する実行手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、一の決済用コード100の取得に応じた決済処理を行うことができるため、顧客が複数回の決済が行われたものと誤認識してしまうことを抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、コード決済に係る適切な取引を支援することができる。
【0121】
なお、上記において説明したPOS端末装置20における各機能(入出力、記憶、処理(判断を含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0122】
具体的には、上述した説明では、POS端末装置20が、取得部301と、実行部302と、設定部303と、制限部304と、通知部305と、待機部306との各機能部を備える構成について説明した。これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、外部のサーバ装置に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。
【0123】
具体的には、例えば、POS端末装置20に代えて、ストアコントローラ10や外部のサーバ装置が、顧客端末装置30に表示される複数の決済用コード100を読み取り可能な読取部(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)から、一の決済用コード100を取得し、取得した一の決済用コード100に基づいて決済処理を実行するようにしてもよい。
【0124】
上記に関連し、POS端末装置20は、商品の登録や精算に関しては、入出力のインターフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、POS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報、スキャン情報等)をクラウドサーバに送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0125】
なお、以上に説明したコード決済システム1およびPOS端末装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1…コード決済システム、10…ストアコントローラ、20…POS端末装置、30…顧客端末装置、40…コード決済サーバ、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…ハードディスク、205…客側表示部、206…客側スキャナ部、208…カード決済部、209…釣銭機、210…店員側表示部、211…キー操作部、212…店員側スキャナ部、215…通信部、216…カメラ、301…取得部、302…実行部、303…設定部、304…制限部、305…通知部、306…待機部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9