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特開2024-110227生産監視システム、生産監視方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110227
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】生産監視システム、生産監視方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240807BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240807BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20240807BHJP
   G06Q 10/063 20230101ALI20240807BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
G05B23/02 Z
G06Q10/063
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014693
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】井口 淳平
(72)【発明者】
【氏名】遠山 健司
(72)【発明者】
【氏名】小河 洋平
【テーマコード(参考)】
3C100
3C223
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA56
3C100AA62
3C100BB02
3C100BB03
3C100BB12
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB27
3C100CC03
3C223AA11
3C223BA03
3C223EB01
3C223FF15
3C223FF16
3C223FF17
3C223FF33
3C223GG01
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC03
5L049DD03
5L050CC03
5L050DD03
(57)【要約】
【課題】生産設備において発生する異常についてより詳細な情報を分析することが可能な生産監視システム、生産監視方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムであって、前記エッジサーバは、生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得部と、取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析部と、前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携部と、を備え、前記クラウドサーバは、前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御部と、を備える、生産監視システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムであって、
前記エッジサーバは、
生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得部と、
取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析部と、
前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携部と、
を備え、
前記クラウドサーバは、
前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御部と、
を備える、
生産監視システム。
【請求項2】
前記クラウドサーバは、
前記第1の分析結果に基づき、前記クラウドサーバから出力される前記出力情報の内容と、前記出力情報の出力先を決定する出力先決定部、
をさらに備え、
前記第1の出力制御部は、決定された前記出力情報を決定された前記出力先へ出力する、
請求項1に記載の生産監視システム。
【請求項3】
前記出力先決定部は、前記第1の分析結果より前記生産設備の生産状態に異常が生じていると判定される場合、ユーザに対して前記生産設備の生産状態について改善が必要であることを通知する通知情報を前記出力情報の内容として決定し、前記ユーザのユーザ端末を前記出力先として決定する、
請求項2に記載の生産監視システム。
【請求項4】
前記生産監視システムは、
前記生産設備における生産のトラブルにつながる要因を分析する第2の分析部、
をさらに備え、
前記出力先決定部は、前記第1の分析結果より前記生産設備の生産状態に異常が生じていないと判定される場合、前記第1の分析結果を前記出力情報の内容として決定し、前記第2の分析部を備える装置を前記出力先として決定する、
請求項2又は請求項3に記載の生産監視システム。
【請求項5】
前記生産監視システムは、
前記第2の分析部による分析結果の出力を制御する第2の出力制御部、
をさらに備え、
前記第2の分析部は、前記第1の出力制御部によって出力される複数の前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備における生産のトラブルにつながる要因を分析し、
前記第2の出力制御部は、前記第2の分析部による第2の分析結果をユーザのユーザ端末へ出力する、
請求項4に記載の生産監視システム。
【請求項6】
前記第1の分析部は、データ分類が異なる複数の前記生産情報を組み合わせた分析により、前記生産設備における生産情報を分析する、
請求項1に記載の生産監視システム。
【請求項7】
前記第1の分析部は、データ分類が同一である複数の前記生産情報の各々を所定の閾値と比較した結果を組み合わせた分析により、前記生産設備における生産状態を分析する、
請求項1又は請求項6に記載の生産監視システム。
【請求項8】
エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムにおける生産監視方法であって、
前記エッジサーバの取得部が、生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得過程と、
前記エッジサーバの第1の分析部が、取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析過程と、
前記エッジサーバの連携部が、前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携過程と、
前記クラウドサーバの第1の出力制御部が、前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御過程と、
を含む生産監視方法。
【請求項9】
コンピュータを、
エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムとして機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得手段と、
取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析手段と、
前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携手段と、
前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産監視システム、生産監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生産現場では、生産中に取得されたデータに基づく生産の監視が行われている。例えば、生産設備が正常に稼働していることを示す閾値の範囲を予め設定しておき、稼働中の生産設備について取得されたデータが当該閾値の範囲外である場合に、生産設備の稼働状態が異常であることを示す警報や通知などが行われている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、複数ある生産設備の各々から生産設備の状態を示すデータを取得し、取得されたデータごとに分析を行い、各分析結果から各生産装置に異常があるか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/094511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生産現場において、生産中に取得されたデータごとに閾値と比較する分析では、異常発生の有無を検出することはできても、他の情報を検出することまではできなかった。このため、ユーザは、異常が発生したことを知ることはできても、発生した異常に対してどのように対応すればよいか分からない場合や、他の不具合を見落とす場合などがあった。よって、生産現場において、生産中に取得されたデータから異常発生の有無を検出するだけでなく、異常の発生についてより詳細な情報を分析してユーザへ通知できることが望ましい。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、生産設備において発生する異常についてより詳細な情報を分析することが可能な生産監視システム、生産監視方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る生産監視システムは、エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムであって、前記エッジサーバは、生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得部と、取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析部と、前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携部と、を備え、前記クラウドサーバは、前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る生産監視方法は、エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムにおける生産監視方法であって、前記エッジサーバの取得部が、生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得過程と、前記エッジサーバの第1の分析部が、取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析過程と、前記エッジサーバの連携部が、前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携過程と、前記クラウドサーバの第1の出力制御部が、前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、エッジサーバとクラウドサーバとを備える生産監視システムとして機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、生産設備における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得手段と、取得された複数の前記生産情報に基づき、前記生産設備における生産状態を分析する第1の分析手段と、前記生産状態の第1の分析結果を前記クラウドサーバへ連携する連携手段と、前記エッジサーバから連携される前記第1の分析結果に基づき、前記生産設備の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する第1の出力制御手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生産設備において発生する異常についてより詳細な情報を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る生産監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係るエッジサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るクラウドサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る分析サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る内部システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】本実施形態に係る分析結果の連携に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】本実施形態に係る出力先決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係る外部システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.生産監視システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る生産監視システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る生産監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す生産監視システム1は、生産拠点における生産を監視するためのシステムである。生産拠点は、例えば、所定の製品を生産(製造)する工場FCである。工場FCの分野は特に限定されず、例えば、印刷、製紙、機械、自動車、化学、鉄鋼、建築、食品、製薬、家電等の分野が挙げられる。また、工場FCにて監視される生産工程も特に限定されず、例えば、部品や原材料が納入される入荷工程、部品や原材料を加工する加工工程、加工した部品を組み立てる組立工程、組み立てた製品を検査する検査工程、検査後の製品を出荷する出荷工程等がそれぞれ監視される。各工程は、生産対象に応じてさらに詳細な工程に分けられ得る。
【0014】
図1に示すように、生産監視システム1は、内部システム2と外部システム3とを備える。内部システム2は、生産監視システム1の一部であり、工場FC内に構築されたクローズドネットワークNW1(閉域網)の内部に構築されたシステムである。本実施形態に係るクローズドネットワークNW1は、例えばファイアウォールなどの制限によって、限られたユーザのみが利用可能な広域通信網である。外部システム3は、生産監視システム1の一部であり、クローズドネットワークNW1の外部に構築されたシステムである。生産監視システム1では、クローズドネットワークNW1の内部と外部とを連携可能とすることで、クローズドネットワークNW1の外部から工場FCにおける生産を監視することを可能とする。
【0015】
図1に示すように、生産監視システム1の一部である内部システム2は、生産設備10と、制御装置20と、統括制御装置30と、エッジサーバ40と、ゲートウェイ装置50とを備える。また、図1に示すように、生産監視システム1の一部である外部システム3は、クラウドサーバ60と、分析サーバ70と、ユーザ端末80とを備える。
ゲートウェイ装置50は、ネットワークNW2を介して、クラウドサーバ60と通信可能に接続されている。
【0016】
(1)生産設備10
生産設備10は、製品の生産に用いられる設備である。生産設備10は、例えば、製品の組み立てや加工を行う生産装置、製品にラベルを貼り付けるラベラ、製品を搬送する搬送コンベア、検査装置などである。生産設備10は、工場FCにおいて、それぞれ製品を生産する所定の工程に対応して設置される。
なお、工場FCに設けられる生産設備10の数は特に限定されず、任意の数N(Nは自然数)の生産設備10-1~10-Nが工場FCに設けられてよい。また、工場FCにて生産設備10が設けられる位置は、特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0017】
生産設備10は、制御装置20と通信可能に接続される。生産設備10は、制御装置20との通信において、各種情報を送受信する。例えば、生産設備10は、生産設備10における生産に関する情報(以下、「生産情報」とも称される)を制御装置20へ送信し、生産設備10に対する制御指示を示す情報(以下、「制御情報」とも称される)を制御装置20から受信する。
生産情報には、例えば、生産設備10の稼働に関する所定の情報と製品の生産に関する所定の情報などが含まれる。稼働に関する所定の情報は、例えば、生産設備10の稼働のための設定値を示す情報(以下、「設定情報」とも称される)である。また、製品の生産に関する所定の情報は、例えば、生産設備における製品の生産計画を示す情報(以下、「生産計画情報」とも称される)や生産設備における生産実績を示す情報(以下、「生産実績情報」とも称される)である。
【0018】
(2)制御装置20
制御装置20は、生産設備10の稼働を制御する端末である。制御装置20は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)などのコンピュータ装置である。制御装置20は、工場FCに設けられている各生産設備10に対応するように設置される。
なお、工場FCに設けられる制御装置20の数は特に限定されず、任意の数M(Mは自然数)の制御装置20-1~20-Mが工場FCに設けられてよい。例えば。制御装置20は、1つの生産設備10に対して1つの制御装置20が設けられてもよいし、複数の生産設備10に対して1つの制御装置20が設けられてもよい。また、工場FCにて制御装置20が設けられる位置は、特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0019】
制御装置20は、対応する生産設備10と通信可能に接続される。制御装置20は、生産設備10との通信において、各種情報を送受信する。例えば、制御装置20は、生産情報を生産設備10から受信し、制御情報を生産設備10へ送信する。
また、制御装置20は、所定のPLC間ネットワークにより統括制御装置30と通信可能に接続される。制御装置20は、統括制御装置30との通信において、各種情報を送受信する。例えば、制御装置20は、生産情報を統括制御装置30へ送信し、制御情報を統括制御装置30から受信する。
【0020】
(3)統括制御装置30
統括制御装置30は、制御装置20に対するマスタの制御装置として機能する端末である。統括制御装置30は、制御装置20がPLCである場合には同様にPLCである。
なお、工場FCにて統括制御装置30が設けられる位置と数は、特に限定されず、任意の位置と数であってよい。
【0021】
統括制御装置30は、制御装置20のそれぞれと所定のPLC間ネットワークにより通信可能に接続される。統括制御装置30は、制御装置20との通信において、各種情報を送受信する。例えば、統括制御装置30は、生産情報を制御装置20から受信し、制御情報を制御装置20へ送信する。
また、統括制御装置30は、エッジサーバ40と通信可能に接続される。統括制御装置30は、エッジサーバ40との通信において、各種情報を送受信する。例えば、統括制御装置30は、生産情報をエッジサーバ40へ送信する。
また、統括制御装置30は、ゲートウェイ装置50と通信可能に接続される。統括制御装置30は、ゲートウェイ装置50との通信において、各種情報を送受信する。例えば、統括制御装置30は、生産情報をゲートウェイ装置50へ送信する。
【0022】
(4)エッジサーバ40
エッジサーバ40は、クローズドネットワークNW1の内部に設けられるサーバであり、生産情報に基づき生産設備における生産状態を分析するサーバである。エッジサーバ40は、1つ又は複数のサーバで構成される。
【0023】
エッジサーバ40は、統括制御装置30と通信可能に接続される。エッジサーバ40は、統括制御装置30との通信において、各種情報を送受信する。例えば、エッジサーバ40は、生産情報を統括制御装置30から受信する。
また、エッジサーバ40は、ゲートウェイ装置50と通信可能に接続される。エッジサーバ40は、ゲートウェイ装置50との通信において、各種情報を送受信する。例えば、エッジサーバ40は、生産情報と、当該生産情報に基づく生産状態の分析結果(第1の分析結果)をゲートウェイ装置50へ送信する。
【0024】
(5)ゲートウェイ装置50
ゲートウェイ装置50は、クローズドネットワークNW1の内部と外部との通信を中継する装置である。ゲートウェイ装置50は、クローズドネットワークNW1の内部にて内部システム2に含まれる装置から受信した情報を、クローズドネットワークNW1の外部にある外部システム3に含まれる装置へ送信する。
【0025】
ゲートウェイ装置50は、クローズドネットワークNW1内にて、内部システム2の統括制御装置30と通信可能に接続されている。ゲートウェイ装置50は、統括制御装置30との通信において、各種情報を送受信する。例えば、ゲートウェイ装置50は、生産情報を統括制御装置30から受信する。
また、ゲートウェイ装置50は、クローズドネットワークNW1内にて、内部システム2のエッジサーバ40と通信可能に接続されている。ゲートウェイ装置50は、エッジサーバ40との通信において、各種情報を送受信する。例えば、ゲートウェイ装置50は、生産情報と生産状態の分析結果をエッジサーバ40から受信する。
また、ゲートウェイ装置50は、ネットワークNW2を介して、外部システム3のクラウドサーバ60と通信可能に接続されている。ゲートウェイ装置50は、クラウドサーバ60との通信において、各種情報を送受信する。例えば、ゲートウェイ装置50は、生産情報又は生産状態の分析結果をクラウドサーバ60へ送信する。
【0026】
(6)クラウドサーバ60
クラウドサーバ60は、クローズドネットワークNW1の外部に設けられるサーバであり、クローズドネットワークNW1の内部から連携されるデータを管理するサーバである。クラウドサーバ60は、1つ又は複数のサーバで構成される。
【0027】
クラウドサーバ60は、ゲートウェイ装置50と通信可能に接続されている。クラウドサーバ60は、ゲートウェイ装置50との通信において、各種情報を送受信する。例えば、クラウドサーバ60は、生産情報又は生産状態の分析結果をゲートウェイ装置50から受信する。
また、クラウドサーバ60は、分析サーバ70と通信可能に接続されている。クラウドサーバ60は、分析サーバ70との通信において、各種情報を送受信する。例えば、クラウドサーバ60は、生産情報又は分析結果を分析サーバ70へ送信する。
また、クラウドサーバ60は、ユーザ端末80と通信可能に接続されている。クラウドサーバ60は、ユーザ端末80との通信において、各種情報を送受信する。例えば、クラウドサーバ60は、ユーザに対して生産設備10の生産状態について改善が必要であることを通知する情報(以下、「通知情報」とも称される)をユーザ端末80へ送信する。
【0028】
なお、クラウドサーバ60が分析サーバ70へ送信する生産情報又は分析結果と、クラウドサーバ60がユーザ端末80へ送信する通知情報は、出力情報の一例である。出力情報は、生産設備10の生産状態に関する情報を示す情報である。出力情報は、エッジサーバ40からゲートウェイ装置50を介してクラウドサーバ60へ連携される分析結果に基づき、クラウドサーバ60から他の装置へ出力される。
【0029】
(7)分析サーバ70
分析サーバ70は、クローズドネットワークNW1の外部に設けられるサーバであり、クラウドサーバ60から受信する情報に基づく分析を行うサーバである。分析サーバ70は、1つ又は複数のサーバで構成される。
【0030】
分析サーバ70は、クラウドサーバ60と通信可能に接続されている。分析サーバ70は、クラウドサーバ60との通信において、各種情報を送受信する。例えば、分析サーバ70は、生産情報又は分析結果をクラウドサーバ60から受信する。
また、分析サーバ70は、ユーザ端末80と通信可能接続されている。分析サーバ70は、ユーザ端末80との通信において、各種情報を送受信する。例えば、分析サーバ70は、クラウドサーバ60から受信した情報に基づく分析結果(第2の分析結果)をユーザ端末80へ送信する。分析サーバ70がクラウドサーバ60へ送信する分析結果は、例えばクラウドサーバ60から受信した生産情報又は分析結果に基づき分析した、生産設備における生産のトラブルにつながる要因を示す分析結果である。
【0031】
(8)ユーザ端末80
ユーザ端末80は、ユーザが有する端末である。ユーザは、例えば、作業者や管理者などである。作業者及び管理者は、生産現場にいるユーザであってもよいし、生産現場から遠隔地にいるユーザであってもよい。ユーザ端末80は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などのスマートデバイス、PC(Personal Computer)などである。
【0032】
ユーザ端末80は、クラウドサーバ60と通信可能に接続されている。ユーザ端末80は、クラウドサーバ60との通信において、各種情報を送受信する。例えば、ユーザ端末80は、出力情報として通知情報をクラウドサーバ60から受信する。
また、ユーザ端末80は、分析サーバ70と通信可能に接続されている。ユーザ端末80は、分析サーバ70との通信において、各種情報を送受信する。例えば、ユーザ端末80は、出力情報として分析結果を分析サーバ70から受信する。
【0033】
<2.エッジサーバの機能構成>
以上、本実施形態に係る生産監視システム1の構成について説明した。続いて、図2を参照して、本実施形態に係るエッジサーバ40の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係るエッジサーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、エッジサーバ40は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを備える。
【0034】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部410は、統括制御装置30とゲートウェイ装置50と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0035】
(2)記憶部420
記憶部420は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部420は、エッジサーバ40がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0036】
(3)制御部430
制御部430は、エッジサーバ40の動作全般を制御する機能を有する。制御部430は、例えば、エッジサーバ40がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように、制御部430は、取得部431と、分析部432(第1の分析部)と、連携部433とを備える。
【0037】
(3-1)取得部431
取得部431は、各種情報を取得する機能を有する。例えば、取得部431は、通信部410が統括制御装置30から受信した生産情報を取得する。
【0038】
(3-2)分析部432
分析部432は、生産設備10における生産状態を分析する機能を有する。例えば、分析部432は、取得部431によって取得された複数の生産情報に基づき、生産設備10における生産状態を分析する。分析部432による分析内容は、複数の生産情報のデータ分類の組み合わせによって異なる。データ分類は、例えば、アラートを示すデータ(データ分類1)、プロセス値を示すデータ(データ分類2)、共通データ(データ分類3)、上位入力データ(データ分類4)に分類される。
データ分類1のアラートを示すデータには、一例として、機能停止、検査異常、トラブル、センサ異常などを示すアラートがある。
データ分類2のプロセス値を示すデータには、一例として、稼働時間、排出数、リセットなどを示すデータがある。
データ分類3の共通データには、一例として、品種、運転状態、生産数などを示すデータがある。
データ分類4の上位入力データには、一例として、日時、稼働時間、稼働率、良品率、生産数などを示すデータがある。
【0039】
(データ分類が異なる場合)
分析部432は、データ分類が異なる複数の生産情報を組み合わせた分析により、生産設備10における生産情報を分析する。以下では、分析例として、具体的に分析例1から分析例8について説明する。なお、以下の各分析例におけるデータ分類1からデータ分類4の情報は、生産情報の一例である。
【0040】
(分析例1)
分析部432は、所定の時間(例えば直近10分間)において生産設備10の稼働が一時的に停止(チョコ停)した回数(データ分類3)と、生産設備10の稼働時間(データ分類4)とに基づき、チョコ停が多発しているか否かを検出する。一例として、分析部432は、直近10分間におけるチョコ停の回数と過去10分間におけるチョコ停の回数とを比較し、直近10分間におけるチョコ停の回数が所定の割合(例えば50%)以上増加している場合には、異常が発生していると分析する。
【0041】
(分析例2)
分析部432は、所定の時間(例えば1時間)における所定の品種(データ分類3)の生産数(データ分類4)に基づき、生産数が増減しているか否かを分析する。一例として、分析部432は、現在時刻から過去1時間におけるある品種の生産数と前日同時刻から過去1時間における同一品種の生産数とを比較し、現在の生産数が前日から所定の割合(例えば20%)以上減少している場合には、異常が発生していると分析する。本分析では、即ち、特定の品種の生産効率が低下しているか否かを検出し、改善することができる。
【0042】
(分析例3)
分析部432は、所定の稼働時間(データ分類4)における手検査による排除品の数量(データ分類2)に基づき、排除品の数量が増加傾向にあるか否かを分析する。一例として、分析部432は、現在時刻から過去1時間における排除品の数量と、前回確認時の排除品の数量(例えば過去1時間からさらに過去1時間における排除品の数量)とを比較し、現在の排除品の数量が前回確認時から所定の割合(例えば100%)以上増加している場合には、異常が発生していると分析する。本分析による分析結果は、排除品の数量の増加が生産設備10の異常によるものであるか否かの確認や、検品作業者が自身の成果を挙げるために意図的に排除品の数量を増やしているか否かの確認などに利用することができる。
【0043】
(分析例4)
分析部432は、トラブル発生時に作業者が開けたカバーの場所(データ分類1)と、カバーを開けた順序(データ分類1)と、再起動までの時間(データ分類2)とに基づき、作業者の作業が効率的であるか否かを分析する。一例として、分析部432は、ある作業者が対応して同一のトラブルについて、開けたカバーの場所、カバーを開けた順序、再起動までの時間を比較し、開けたカバーの場所が異なっている、又はカバーを開けた順序が異なっている、又は再起動までの時間にバラツキがある場合には、作業効率が悪いと分析する。本分析による分析結果は、トラブルに対する適切な処置の指導、作業者の作業効率の改善に利用することができる。
【0044】
(分析例5)
分析部432は、前後のインターロックの状態(データ分類4)と、前後機の稼働状況(データ分類4)と、自装置における異常信号の有無(データ分類1)と、時間(データ分類4)とに基づき、生産設備10の起動又は再起動のかけ忘れがあるか否かを分析する。前後のインターロックの状態は、ある工程に対する前後の工程におけるインターロックの状態のことである。例えば、ある工場における生産ラインが、原材料から製品を製造する工程、製品を充填・包装する工程、製品を梱包する(例えば段ボールに詰める)工程の順に流れるとする。この生産フローにおいて、生産監視システム1によって製品を充填・包装する工程の監視が行われている場合、前後にある原材料から製品を製造する工程と製品を梱包する工程のインターロックの状態が分析に用いられる。前後機の稼働状況は、ある生産設備10が行う工程の前後にある工程を行う他の生産設備10の稼働状況のことである。
分析の一例として、分析部432は、前後のインターロックの状態と、前後機の稼働状況と、自装置における異常信号の有無と、時間とから、生産設備10が稼働しているべき時にしばらく起動がかかっていない場合には、異常が発生していると分析する。本分析による分析結果は、異常が発生していると判定された際にアラートして作業者に伝えることで、生産設備10の起動又は再起動のかけ忘れを防止することに利用できる。
【0045】
(分析例6)
分析部432は、生産設備10ごとに発生したトラブルの内容(データ分類1)と、トラブル発生の頻度(データ分類1)と、生産に用いられた資材のロット(データ分類4)とに基づき、複数の生産設備10の間で同様なトラブルの発生があるか否かを分析する。一例として、分析部432は、生産設備10ごとに発生したトラブルの内容と、トラブル発生の頻度、生産に用いられた資材のロットとから、各生産設備10にて発生しているトラブルを分析する。本分析による分析結果は、作業の慢性化により作業者が気付けていないトラブルの検出、複数の生産設備10にて共通に発生しているトラブルの検出、特定の生産設備10に発生するトラブルの検出、使用する資材の仕様に起因して発生するトラブルの検出などに利用することができる。
【0046】
(分析例7)
分析部432は、資材の残り少ない状態の解消(資材残少リセット)された時刻(データ分類2)と、当該時刻の前後の所定の時間において発生したトラブルの回数(データ分類1)とに基づき、資材のセットミスがあるか否かを分析する。一例として、分析部432は、資材残少リセットされた時刻の前後10分間において発生したトラブルの回数を比較し、残少リセットされた時刻の後10分間において発生したトラブルの回数の方が多い場合には、資材のセットミスがあったと分析する。本分析による分析結果は、資材のセットミスがあったと分析された際にアラートして作業者に伝えることで、資材のセット状態を改善させトラブルの発生回数を減少することに利用できる。
【0047】
(分析例8)
分析部432は、生産設備10のカバーが開いたことを知らせるアラームの発生時刻(データ分類1)と、カバーが開いている時間(データ分類2)とに基づき、作業者が生産設備10を調整中であるか否かを分析する。一例として、分析部432は、カバーが開いた状態が10分間以上継続している場合、作業者が生産設備10を調整中であると分析する。
【0048】
(データ分類が同一である場合)
分析部432は、データ分類が同一である複数の生産情報の各々を所定の閾値と比較した結果を組み合わせた分析により、生産設備10における生産状態を分析する。以下では、分析例として、具体的に分析例9から分析例11について説明する。なお、以下の各分析例におけるデータ分類1の情報は、生産情報の一例である。
【0049】
(分析例9)
分析部432は、複数の生産設備10ごとの稼働率(データ分類4)に基づき、複数の生産設備10において生産設備10によって異なるトラブルが発生しているか否かについて分析する。一例として、分析部432は、複数の生産設備10ごとの稼働率のうち、最も良い稼働率と最も悪い稼働率との差分が所定の割合(例えば20%)以上である場合に、生産設備10によって異なるトラブルが発生していると分析する。
【0050】
(分析例10)
分析部432は、生産設備10のアラーム停止時刻(データ分類1)に基づき、生産設備10において同じトラブルが多発しているか否かを分析する。一例として、分析部432は、所定の時間(例えば10分間)あたりにアラーム停止時刻が記録された回数(即ちアラーム停止回数)が所定の回数(例えば5回)以上である場合、生産設備10において同じトラブルが多発していると分析する。
【0051】
(分析例11)
分析部432は、生産設備10の起動時刻(データ分類2)に基づき、生産設備10においてトラブルが発生しているか否かを分析する。一例として、分析部432は、所定の時間(例えば30分間)あたりに起動時刻が記録された回数(即ち起動回数)が所定の回数(例えば5回)以上である場合、生産設備10においてトラブルが発生していると分析する。
【0052】
(3-3)連携部433
連携部433は、分析部432による分析結果を連携する機能を有する。例えば、連携部433は、ゲートウェイ装置50を介して、分析部432による生産設備10の生産状態の分析結果をクラウドサーバ60へ連携する。具体的に、連携部433は、分析部432による分析結果を、通信部410からゲートウェイ装置50へ送信し、ゲートウェイ装置50からクラウドサーバ60へ送信させる。この時、連携部433は、分析部432による分析に用いられた生産情報を、その分析結果とともにクラウドサーバ60へ連携してもよい。
【0053】
<3.クラウドサーバの機能構成>
以上、本実施形態に係るエッジサーバ40の機能構成について説明した。続いて、図3を参照して、本実施形態に係るクラウドサーバ60の機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係るクラウドサーバ60の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、クラウドサーバ60は、通信部610と、記憶部620と、制御部630とを備える。
【0054】
(1)通信部610
通信部610は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部610は、ゲートウェイ装置50、分析サーバ70、及びユーザ端末80と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0055】
(2)記憶部620
記憶部620は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部620は、クラウドサーバ60がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0056】
(3)制御部630
制御部630は、クラウドサーバ60の動作全般を制御する機能を有する。制御部630は、例えば、クラウドサーバ60がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように、制御部630は、取得部631と、出力先決定部632と、通知情報生成部633と、出力制御部634(第1の出力制御部)とを備える。
【0057】
(3-1)取得部631
取得部631は、各種情報を取得する機能を有する。例えば、取得部631は、通信部610がゲートウェイ装置50から受信した生産情報又は分析結果を取得する。
【0058】
(3-2)出力先決定部632
出力先決定部632は、出力情報の出力先を決定する機能を有する。出力先決定部632は、エッジサーバ40よる分析結果に基づき、クラウドサーバ60から出力される出力情報の内容と、出力情報の出力先を決定する。
【0059】
具体的に、出力先決定部632は、取得部631によって取得された分析結果を確認し、生産設備10の生産状態に異常が生じているか否かを判定する。なお、本実施形態では、生産設備10の生産状態に異常が生じているか否かは、生産現場にて即対応による改善が必要であるか否かを基準として判定されるものとする。生産現場にて即対応による改善が必要である場合、出力先決定部632は、生産設備10の生産状態に異常が生じていると判定する。一方、生産現場にて即対応による改善が必要でない場合、出力先決定部632は、生産設備10の生産状態に異常が生じていないと判定する。生産現場にて即対応による改善が必要でない場合は、即ち、後ほど詳細を確認してから改善対応を行ってもよい場合ともいえる。
【0060】
出力先決定部632は、エッジサーバ40による分析結果より生産設備10の生産状態に異常が生じていると判定される場合、通知情報を出力情報の内容として決定し、ユーザ端末80を出力先として決定する。これは、ユーザ端末80へ通知してユーザに異常の発生について報せることで、即対応により異常を解消してもらうためである。
一方、出力先決定部632は、エッジサーバ40による分析結果より生産設備10の生産状態に異常が生じていないと判定される場合、分析結果を出力情報の内容として決定し、第2の分析部を備える装置を出力先として決定する。第2の分析部を備える装置は、例えば、分析サーバ70である。これは、将来的に異常が発生することを未然に防ぐためである。例えば、分析サーバ70にて分析結果を詳細に分析した分析結果をユーザ端末80へ送信してユーザに確認してもらい、異常が発生する可能性がある場合にはその要因を解消することで、将来的に異常が発生することを未然に防ぐことができる。
【0061】
(3-3)通知情報生成部633
通知情報生成部633は、通知情報を生成する機能を有する。通知情報生成部633は、出力先決定部632によって通知情報を出力情報の内容として決定された場合に、当該通知情報を生成する。例えば、通知情報生成部633は、取得部631によって取得された分析結果に基づき、当該分析結果に応じた異常が発生しており即対応による改善が必要であることを通知する情報を通知情報として生成する。
【0062】
(3-4)出力制御部634
出力制御部634は、各種情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部634は、エッジサーバ40から連携される分析結果に基づき、出力情報の出力を制御する。具体的に、出力制御部634は、出力先決定部632によって分析結果に基づき決定された出力情報を決定された出力先へ出力する。
出力先決定部632によって分析サーバ70へ分析結果を出力すると決定された場合、出力制御部634は、取得部631によって取得された分析結果を通信部610から分析サーバ70へ送信する。
【0063】
また、出力先決定部632によってユーザ端末80へ通知情報を出力すると決定された場合、出力制御部634は、通知情報生成部633によって生成された通知情報を通信部610からユーザ端末80へ送信する。この時、出力制御部634は、予め設定された監視レベルに応じて、ユーザ端末80へ通知(通知情報の送信)を行ってもよい。監視レベルには、例えば、レベル1からレベル4までの基準が設定される。
レベル1は、停止時間やイベント発生などの通常得られるデータからの設定のみで監視を行うレベルである。レベル1の場合、出力制御部634は、例えば生産現場にあるモニタに対して通知を行う。レベル2は、レベル1の粒度を細かくした監視(項目、時間などについて)を行うレベルである。レベル2の場合、出力制御部634は、例えばユーザ端末80に対して通知を行う。レベル3は、アルゴリズム型の監視(例えば生産終了予測)を行うレベルである。レベル3の場合、出力制御部634は、例えばユーザ端末80に対する通知とメール通知を行う。レベル4は、AI型監視(生産計画最適化)を行うレベルである。レベル4の場合、出力制御部634は、例えばメール通知を行う。なお、各レベルにおける通知方法は、かかる例に限定されず、任意の方法又は組み合わせを選択可能であってよい。
【0064】
なお、出力先がユーザ端末80である場合、生産現場にて即対応による改善が必要であることを示す通知情報を送信するため、送信先となるユーザ端末80は生産現場にいる作業者又は管理者が有する端末であることが好ましい。
【0065】
<4.分析サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係るクラウドサーバ60の機能構成について説明した。続いて、図4を参照して、本実施形態に係る分析サーバ70の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る分析サーバ70の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、分析サーバ70は、通信部710と、記憶部720と、制御部730とを備える。
【0066】
(1)通信部710
通信部710は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部710は、クラウドサーバ60とユーザ端末80と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0067】
(2)記憶部720
記憶部720は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部720は、分析サーバ70がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0068】
(3)制御部730
制御部730は、分析サーバ70の動作全般を制御する機能を有する。制御部730は、例えば、分析サーバ70がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部730は、取得部731と、分析部732(第2の分析部)と、出力制御部733(第2の出力制御部)とを備える。
【0069】
(3-1)取得部731
取得部731は、各種情報を取得する機能を有する。例えば、取得部731は、通信部710がクラウドサーバ60から受信した生産情報又は分析結果を取得する。
【0070】
(3-2)分析部732
分析部732は、生産設備10における生産のトラブルにつながる要因を分析する機能を有する。分析部732は、取得部731によって取得された生産情報又は分析結果に基づき、生産設備10における生産のトラブルにつながる要因を分析する。例えば、分析部732は、取得部731によって取得された複数の分析結果(第1の分析結果)に基づき、生産設備10における生産のトラブルにつながる要因を分析する。また、分析部732は、取得部731によって取得された複数の分析結果(第1の分析結果)に基づく予測を行ってもよい。
【0071】
例えば、分析部732は、過去生産実績のレシピ、原料・資材サプライヤ、稼働情報、生産量・不良量・廃棄量、作業者の情報などを掛け合わせて、過去に不良や稼働トラブルが多かった組み合わせについて分析する。分析結果は、事前にアラートとして出力し、その組み合わせについてユーザに注視させることで、稼働改善を図ることに活用ができる。また、分析結果は、不具合傾向が多いデータ元の是正を図ることにも活用できる。
また、例えば、分析部732は、生産設備10の稼動情報や生産設備10でセンシングした製品情報などを掛け合わせて、製品寸法、物性とトラブルとの関係を分析する。分析結果は、トラブルが少ない製品仕様の基準決めに活用することができる。
また、例えば、分析部732は、過去生産実績の生産量・原料使用量・資材使用量・廃棄量などをもとに、当生産での原料や資材の必要量を予測する。予測結果は、作業者が原料や資材を必要以上に現場へ持ち込み作業を行うことの防止に活用することができる。
このように、分析部732による分析結果・予測結果を活用することで可能となることは他にもある。例えば、不具合の発生時に設備メーカーの担当者を生産現場に呼んだが、いつも発生している不良ではなくて直すことができないといことを防ぐことができる。また、どの不具合から改善していくかの優先順位付けを行いやすくもなる。また、そもそも不具合が起こりやすい組み合わせの計画を組まないようにすることもできる。また、作業者によって生産優劣がある場合には、数を上げている作業者の作業を皆で見習うようにすることもできる。
【0072】
(3-3)出力制御部733
出力制御部733は、各種情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部
733は、分析部732による分析結果をユーザ端末80へ出力する。具体的に、出力制御部733は、分析部732による分析結果を通信部710からユーザ端末80へ送信させる。
なお、分析部732による分析結果は、生産現場にて即対応による改善が必要な内容を示すものではない。このため、当該分析結果の送信先となるユーザ端末80は、例えば、生産現場にいる作業者が有するユーザ端末80ではなく、生産現場又は遠隔地にいる管理者が有するユーザ端末80であってよい。
【0073】
<5.処理の流れ>
以上、本実施形態に係る分析サーバ70の機能構成について説明した。続いて、図5から図8を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0074】
(1)内部システムにおける処理の流れ
図5を参照して、内部システム2における処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態に係る内部システム2における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0075】
図5に示すように、まず、生産設備10は、自設備についての生産情報を取得する(ステップS101)。
次いで、生産設備10は、取得した生産情報を制御装置20へ送信する(ステップS102)。
【0076】
制御装置20は、生産設備10から送信されてきた生産情報を取得する(ステップS103)。
次いで、制御装置20は、取得した生産情報に基づき、生産設備10の制御処理を行う(ステップS104)。当該制御処理では、例えば、取得された生産情報と予め設定された閾値との比較により、生産設備10の制御が必要であるか否か判定される。制御が必要である場合、制御装置20は、生産設備10の稼働を制御する。
次いで、制御装置20は、生産情報を統括制御装置30へ送信する(ステップS105)。なお、制御装置20は、制御処理における判定結果も統括制御装置30へ送信してもよい。
【0077】
統括制御装置30は、制御装置20から送信されてきた生産情報を取得する(ステップS106)。
次いで、統括制御装置30は、取得した生産情報に基づき、生産設備10の制御処理を行う(ステップS107)。当該制御処理では、例えば、取得された生産情報と予め設定された閾値との比較により、生産設備10の制御が必要であるか否か判定される。この時、統括制御装置30は、複数の生産設備10から受信した複数の生産情報に基づく判定を行ってもよい。制御が必要である場合、統括制御装置30は、生産設備10の稼働を制御する。
次いで、統括制御装置30は、生産情報をエッジサーバ40へ送信する(ステップS108)。なお、統括制御装置30は、制御装置20から受信した制御処理における判定結果や、統括制御装置30の制御処理における判定結果をエッジサーバ40へ送信してもよい。
【0078】
エッジサーバ40の取得部431は、統括制御装置30から送信されて通信部410が受信した生産情報を取得する(ステップS109)。
次いで、エッジサーバ40の分析部432は、取得部431によって取得された生産情報に基づき、分析処理を行う(ステップS110)。なお、分析部432は、通信部410が統括制御装置30から制御装置20又は統括制御装置30の制御処理における判定結果も受信した場合、当該判定結果も用いた分析処理を行ってもよい。
【0079】
(2)分析結果の連携に関する処理の流れ
図6を参照して、分析結果の連携に関する処理の流れについて説明する。図6は、本実施形態に係る分析結果の連携に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0080】
図6に示すように、まず、エッジサーバ40の連携部433は、分析部432による分析結果を通信部410からゲートウェイ装置50へ連携(送信)する(ステップS201)。
【0081】
ゲートウェイ装置50は、エッジサーバ40から連携(送信)されてきた分析結果を取得する(ステップS202)。
次いで、ゲートウェイ装置50は、取得した分析結果をクラウドサーバ60へ送信する(ステップS203)。
【0082】
クラウドサーバ60の取得部631は、ゲートウェイ装置50から送信されて通信部610が受信した分析結果を取得する(ステップS204)。
次いで、クラウドサーバ60の記憶部620は、取得部631によって取得された分析結果を記憶する(ステップS205)。
次いで、クラウドサーバ60の出力先決定部632は、出力先決定処理を行う(ステップS206)。
【0083】
(3)出力先決定処理の流れ
図7を参照して、出力先決定処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る出力先決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0084】
図7に示すように、まず、クラウドサーバ60の出力先決定部632は、取得部631によって取得された分析結果を確認する(ステップS301)。
分析結果より生産設備10の生産状態に異常が発生していると判定される場合(ステップS302/YES)、出力先決定部632は、処理をステップS303へ進める。一方、分析結果より生産設備10の生産状態に異常が発生していないと判定される場合(ステップS302/NO)、出力先決定部632は、処理をステップS305へ進める。
【0085】
処理がステップS303へ進んだ場合、出力先決定部632は、通知情報を出力情報の内容として決定する(ステップS303)。
次いで、出力先決定部632は、ユーザ端末80を出力先として決定し(ステップS304)、出力先決定処理を終了する。
【0086】
処理がステップS305へ進んだ場合、出力先決定部632は、分析結果を出力情報の内容として決定する(ステップS305)。
次いで、出力先決定部632は、分析サーバ70を出力先として決定し(ステップS306)、出力先決定処理を終了する。
【0087】
(4)外部システムにおける処理の流れ
図8を参照して、外部システムにおける処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態に係る外部システム3における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0088】
図8に示すように、まず、出力制御部634は、クラウドサーバ60の出力先決定部632の出力先決定処理によって決定された出力先を確認する(ステップS401)。決定された出力先が分析サーバ70である場合(ステップS401/分析サーバ)、出力制御部634は、処理をステップS402へ進める。一方、決定された出力先がユーザ端末80である場合(ステップS401/ユーザ端末)、出力制御部634は、処理をステップS407へ進める。
【0089】
処理がステップS402へ進んだ場合、出力制御部634は、取得部631によって取得された分析結果を通信部610から分析サーバ70へ送信する(ステップS402)。この時、出力制御部634は、記憶部620に記憶され蓄積されている分析結果も通信部610から分析サーバ70へ送信してもよい。
分析サーバ70の取得部731は、クラウドサーバ60から送信されて通信部710が受信した分析結果を取得する(ステップS403)。
次いで、分析サーバ70の分析部732は、取得部731によって取得された分析結果に基づく分析処理を行う(ステップS404)。
次いで、分析サーバ70の出力制御部733は、分析部732による分析結果を通信部710からユーザ端末80へ送信する(ステップS405)。
ユーザ端末80は、分析サーバ70から送信されてきた分析結果を出力する(ステップS406)。
【0090】
処理がステップS407へ進んだ場合、クラウドサーバ60の通知情報生成部633は、取得部631によって取得された分析結果に基づき、通知情報を生成する(ステップS407)。
次いで、出力制御部634は、通知情報生成部633によって生成された通知情報を通信部610からユーザ端末80へ送信する(ステップS408)。
ユーザ端末80は、クラウドサーバ60から送信されてきた通知情報を出力する(ステップS409)。
【0091】
以上説明したように、本実施形態に係る生産監視システム1は、エッジサーバ40とクラウドサーバ60とを備え、エッジサーバ40は、生産設備10における生産に関する情報を示す生産情報を取得する取得部431と、取得された複数の生産情報に基づき、生産設備10における生産状態を分析する分析部432(第1の分析部)と、生産状態の分析結果(第1の分析結果)をクラウドサーバ60へ連携する連携部433と、を備え、クラウドサーバ60は、エッジサーバ40から連携される分析結果(第1の分析結果)に基づき、生産設備10の生産状態に関する情報を示す出力情報の出力を制御する出力制御部634(第1の出力制御部)と、を備える。
【0092】
かかる構成により、生産監視システム1は、複数の生産情報を組み合わせた分析により、単なる異常発生の有無の検出だけでなく、具体的にどのような異常が発生しているかなどより詳細な情報を検出することができる。
よって、本実施形態に係る生産監視システム1は、生産設備10において発生する異常についてより詳細な情報を分析することを可能とする。
【0093】
さらに、本実施形態に係るクラウドサーバ60は、分析結果(第1の分析結果)に基づき、クラウドサーバ60から出力される出力情報の内容と、出力情報の出力先を決定する出力先決定部632、をさらに備え、出力制御部634は、決定された出力情報を決定された出力先へ出力する。出力先決定部632は、分析結果(第1の分析結果)より生産設備10の生産状態に異常が生じていると判定される場合、ユーザに対して生産設備10の生産状態について改善が必要であることを通知する通知情報を出力情報の内容として決定し、ユーザのユーザ端末80を出力先として決定する。
かかる構成により、本実施形態に係る生産監視システム1は、異常が発生した場合には、当該異常についてより詳細な情報をユーザへ通知することもできる。これにより、ユーザは、通知された情報を確認することで、単に異常の発生を知るだけでなく、当該異常に対してどのように対応すればよいかを把握することができる。
【0094】
また、本実施形態に係る生産監視システム1は、生産設備10における生産のトラブルにつながる要因を分析する分析部732(第2の分析部)、をさらに備え、出力先決定部632は、分析結果(第1の分析結果)より生産設備10の生産状態に異常が生じていないと判定される場合、分析結果(第1の分析結果)を出力情報の内容として決定し、分析部732を備える装置(例えば分析サーバ70)を出力先として決定する。また、本実施形態に係る生産監視システム1は、分析部732による分析結果の出力を制御する出力制御部733(第2の出力制御部)、をさらに備え、分析部732は、出力制御部634(第1の出力制御部)によって出力される複数の分析結果(第1の分析結果)に基づき、生産設備10における生産のトラブルにつながる要因を分析し、出力制御部733は、分析部732による分析結果(第2の分析結果)をユーザのユーザ端末80へ出力する。
かかる構成により、本実施形態に係る生産監視システム1は、異常が発生していない場合には、当該異常発生の要因となる情報をユーザへ通知することもできる。これにより、ユーザは、通知された情報を確認することで、当該情報が示す要因について改善して異常の発生を未然に防ぐことができる。
【0095】
<8.変形例>
以上、実施形態について説明した。続いて、上述した実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0096】
上述した実施形態では、生産情報が生産設備10から取得される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、生産情報は、センサ端末から取得されてもよい。当該センサ端末は、工場FCに設けられ、生産情報を取得(測定)する端末である。センサ端末が測定する生産情報の一例として、温湿度センサによる温度や相対湿度、漏水センサによる溜水の検出情報、電流センサによる電流値などが挙げられる。
この場合、生産監視システム1は、生産設備10だけでなく、センサ端末からも生産情報を取得可能な構成となる。例えば、センサ端末は、制御装置20、統括制御装置30、エッジサーバ40、又はゲートウェイ装置50と通信可能に接続され、いずれかの装置へ取得した生産情報を送信する。
センサ端末と生産情報の送信先となる装置との間の通信には、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)の通信規格が用いられてもよいし、LTE(Long Term Evolution)や4G(第4世代移動通信システム)等の通信規格が用いられてもよい。具体的なLPWAの規格は、例えばZETA、LoRa(登録商標)、EnOcean(登録商標)などである。
LPWAを用いる場合、センサ端末と生産情報の送信先となる装置との間に、アクセスポイントやLPWAのサーバ(例えばクラウドサーバ)が設けられてもよい。この場合、センサ端末は、取得した生産情報を、アクセスポイントを介してLPWAのサーバへ送信する。その後、LPWAのサーバは、アクセスポイントから受信した生産情報を、送信先となる装置へ送信する。一方、LPWAを用いない場合、センサ端末は、イーサネットによって接続される端末であってもよいし、PLCに物理線で接続される端末であってもよい。
なお、工場FCに設けられるセンサ端末の数は特に限定されず、任意の数L(Lは自然数)のセンサ端末が工場FCに設けられてよい。また、工場FCにてセンサ端末が設けられる位置は、上述した生産情報を取得可能な位置であれば特に限定されず、任意の位置であってよい。
なお、工場FCに設けられるアクセスポイントの数は特に限定されず、任意の数のアクセスポイントが工場FCに設けられてよい。例えば。1つのセンサ端末に対して1つのアクセスポイントが設けられてもよいし、複数のセンサ端末に対して1つのアクセスポイントが設けられてもよい。また、工場FCにてアクセスポイントが設けられる位置は、上述したセンサ端末の通信を中継可能な位置であれば特に限定されず、任意の位置であってよい。
【0097】
上述の実施形態では、エッジサーバ40又はクラウドサーバ60は受動的に生産情報を取得する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、エッジサーバ40又はクラウドサーバ60は、エッジサーバ40又は分析サーバ70における分析処理の内容に応じて、能動的に生産情報を取得してもよい。例えば、エッジサーバ40又はクラウドサーバ60は、分析処理の内容に応じて必要な生産情報の要求を生産設備10へ送信することで、能動的に生産情報を取得する。
【0098】
上述の実施形態では、分析サーバ70がユーザ端末80へ分析結果(第2の分析結果)を送信する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、生産監視システム1は、分析サーバ70がクラウドサーバ60を介してユーザ端末80へ分析結果を送信可能な構成であってもよい。この場合、分析サーバ70の出力制御部733は、分析部732による分析結果を通信部710からクラウドサーバ60へ送信させる。次いで、クラウドサーバ60の出力制御部634は、分析サーバ70から送信されて通信部610が受信した分析結果を、通信部610からユーザ端末80へ送信する。
【0099】
以上、本実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における生産監視システム1、エッジサーバ40、クラウドサーバ60、及び分析サーバ70の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0100】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0101】
1…生産監視システム、2…内部システム、3…外部システム、10(10-1~10-N)…生産設備、20(20-1~20-M)…制御装置、30…統括制御装置、40…エッジサーバ、50…ゲートウェイ装置、60…クラウドサーバ、70…分析サーバ、80…ユーザ端末、410…通信部、420…記憶部、430…制御部、431…取得部、432…分析部(第1の分析部)、433…連携部、610…通信部、620…記憶部、630…制御部、631…取得部、632…出力先決定部、633…通知情報生成部、634…出力制御部(第1の出力制御部)、710…通信部、720…記憶部、730…制御部、731…取得部、732…分析部(第2の分析部)、733…出力制御部(第2の出力制御部)、FC…工場、NW1…クローズドネットワーク、NW2…ネットワーク、
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