(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110231
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20240807BHJP
G01R 31/396 20190101ALI20240807BHJP
G01R 31/382 20190101ALI20240807BHJP
G01R 31/385 20190101ALI20240807BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240807BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H01M10/48 P
G01R31/396
G01R31/382
G01R31/385
H01M10/04 Z
H02J7/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014699
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】谷内 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊充
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 牧子
(72)【発明者】
【氏名】清水 良
(72)【発明者】
【氏名】岩切 萌
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H028
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BA01
2G216BB02
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503EA09
5G503GD06
5H028AA05
5H028FF05
5H028HH10
5H030AA06
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】電池の微小短絡をより精度良く検出することができる微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニットを提供すること。
【解決手段】正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置であって、前記電池ユニットの電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定する微小短絡判定部と、を備え、前記電池ユニットは、ユニット内を流れる電流を検出する電流検出部を備え、前記微小短絡判定部は、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置であって、
前記電池ユニットの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池ユニット内を流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電圧または前記電流の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定する微小短絡判定部と、
を備え、
前記微小短絡判定部は、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定する、
微小短絡検出装置。
【請求項2】
前記電池ユニットは、第1の負極集電体と、第1の負極活物質層と、第1の電解質層と、第1の正極活物質層と、正極集電体と、第2の正極活物質層と、第2の電解質層と、第2の負極活物質層と、第2の負極集電体と、を備え、
前記電流検出部は、少なくとも第1の負極集電体および第2の負極集電体に配置される、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項3】
前記電流検出部は、さらに前記正極集電体に配置される、
請求項2に記載の微小短絡検出装置。
【請求項4】
前記電池ユニットは、第1の正極集電体と、第1の正極活物質層と、第1の電解質層と、第1の負極活物質層と、負極集電体と、第2の負極活物質層と、第2の電解質層と、第2の正極活物質層と、第2の正極集電体と、を備え、
前記電流検出部は、少なくとも第1の正極集電体および第2の正極集電体に配置される、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項5】
前記電流検出部は、さらに前記負極集電体に配置される、
請求項4に記載の微小短絡検出装置。
【請求項6】
前記電解質層を構成する電解質は固体電解質である、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項7】
前記電池ユニットは2つの電池を並列接続した単位ユニットを1つ以上備え、
前記微小短絡判定部は、前記単位ユニットにかかる電圧の符号に基づいて前記単位ユニット内における電流の還流の有無を判定する、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項8】
前記電池ユニットは2つの電池を並列接続した単位ユニットを複数備え、
前記微小短絡判定部は、各単位ユニットにかかる電圧の符号に基づいて、複数の前記単位ユニットのうち電流が継続して流入している単位ユニットを検知する、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項9】
前記微小短絡判定部は、前記電池ユニットにかかる電圧に基づいて、前記電池ユニットの自己放電が規定値を超えているか否かを判定する、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項10】
前記微小短絡判定部は、前記電池ユニットにおいて微小短絡が生じていると判定した場合、前記電池ユニットに対して充電が行われることを抑止するための動作を行う、
請求項1に記載の微小短絡検出装置。
【請求項11】
正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置が、
前記電池ユニットの電圧を検出し、
前記電池ユニット内を流れる電流を検出し、
前記電圧または前記電流の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定する、
微小短絡検出方法であって、
前記微小短絡検出装置は、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定する、
微小短絡検出方法。
【請求項12】
正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置に、
前記電池ユニットの電圧を検出させ、
前記電池ユニット内を流れる電流を検出させ、
前記電圧または前記電流の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定させる、
ためのプログラムであって、
前記微小短絡検出装置に、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定させる、
ためのプログラム。
【請求項13】
第1の負極集電体と、第1の負極活物質層と、第1の電解質層と、第1の正極活物質層と、正極集電体と、第2の正極活物質層と、第2の電解質層と、第2の負極活物質層と、第2の負極集電体とを、この順に積層した電池ユニットであって、
少なくとも第1の負極集電体および第2の負極集電体に電流検出部が配置された、
電池ユニット。
【請求項14】
第1の正極集電体と、第1の正極活物質層と、第1の電解質層と、第1の負極活物質層と、負極集電体と、第2の負極活物質層と、第2の電解質層と、第2の正極活物質層と、第2の正極集電体とを、この順に積層した電池ユニットであって、
少なくとも第1の正極集電体および第2の正極集電体に電流検出部が配置された、
電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池に関する研究開発が行われている。例えば、複数の単バッテリを含む電池ブロックについて、充電時の内部抵抗の変化量から単バッテリの不具合を検出する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、例えば、充電時における蓄電部の両端電圧と、蓄電部を流れる電流との検出結果をもとに蓄電部の微小短絡の有無を判定する技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-204627号公報
【特許文献2】国際公開第2017/217092号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、電池内部に設ける計測手段の制約等により、電池の微小短絡を精度良く検出できない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電池の微小短絡をより精度良く検出することができる微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニットを提供することを目的の一つとする。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニットは、以下の構成を採用した。
【0007】
(1):この発明の一態様に係る微小短絡検出装置は、正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置であって、前記電池ユニットの電圧を検出する電圧検出部と、前記電池ユニット内を流れる電流を検出する電流検出部と、前記電圧または前記電流の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定する微小短絡判定部と、を備え、前記微小短絡判定部は、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定するものである。
【0008】
(2):上記(1)の態様において、前記電池ユニットは、第1の負極集電体と、第1の負極活物質層と、第1の電解質層と、第1の正極活物質層と、正極集電体と、第2の正極活物質層と、第2の電解質層と、第2の負極活物質層と、第2の負極集電体と、を備え、前記電流検出部は、少なくとも第1の負極集電体および第2の負極集電体に配置されるものである。
【0009】
(3):上記(2)の態様において、前記電流検出部は、さらに前記正極集電体に配置されるものである。
【0010】
(4):上記(1)の態様において、前記電池ユニットは、第1の正極集電体と、第1の正極活物質層と、第1の電解質層と、第1の負極活物質層と、負極集電体と、第2の負極活物質層と、第2の電解質層と、第2の正極活物質層と、第2の正極集電体と、を備え、前記電流検出部は、少なくとも第1の正極集電体および第2の正極集電体に配置されるものである。
【0011】
(5):上記(4)の態様において、前記電流検出部は、さらに前記負極集電体に配置されるものである。
【0012】
(6):上記(1)の態様において、前記電解質層を構成する電解質を固体電解質としたものである。
【0013】
(7):上記(1)の態様において、前記電池ユニットは2つの電池を並列接続した単位ユニットを1つ以上備え、前記微小短絡判定部は、前記単位ユニットにかかる電圧の符号に基づいて前記単位ユニット内における電流の還流の有無を判定するものである。
【0014】
(8):上記(1)の態様において、前記電池ユニットは2つの電池を並列接続した単位ユニットを複数備え、前記微小短絡判定部は、各単位ユニットにかかる電圧の符号に基づいて、複数の前記単位ユニットのうち電流が継続して流入している単位ユニットを検知するものである。
【0015】
(9):上記(1)の態様において、前記微小短絡判定部は、前記電池ユニットにかかる電圧に基づいて、前記電池ユニットの自己放電が規定値を超えているか否かを判定するものである。
【0016】
(10):上記(1)の態様において、前記微小短絡判定部は、前記電池ユニットにおいて微小短絡が生じていると判定した場合、前記電池ユニットに対して充電が行われることを抑止するための動作を行うものである。
【0017】
(11):この発明の一態様に係る微小短絡検出方法は、正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置が、前記電池ユニットの電圧を検出し、前記電池ユニット内を流れる電流を検出し、前記電圧または前記電流の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定する微小短絡検出方法であって、前記微小短絡検出装置は、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定するものである。
【0018】
(12):この発明の一態様に係るプログラムは、正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置に、前記電池ユニットの電圧を検出させ、前記電池ユニット内を流れる電流を検出させ、前記電圧または前記電流の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定させるためのプログラムであって、前記微小短絡検出装置に、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定させるものである。
【0019】
(13):この発明の一態様に係る電池ユニットは、第1の負極集電体と、第1の負極活物質層と、第1の電解質層と、第1の正極活物質層と、正極集電体と、第2の正極活物質層と、第2の電解質層と、第2の負極活物質層と、第2の負極集電体とを、この順に積層した電池ユニットであって、少なくとも第1の負極集電体および第2の負極集電体に電流検出部が配置されたものである。
【0020】
(14):この発明の一態様に係る電池ユニットは、第1の正極集電体と、第1の正極活物質層と、第1の電解質層と、第1の負極活物質層と、負極集電体と、第2の負極活物質層と、第2の電解質層と、第2の正極活物質層と、第2の正極集電体とを、この順に積層した電池ユニットであって、少なくとも第1の正極集電体および第2の正極集電体に電流検出部が配置されたものである。
【0021】
上記(1)~(14)の態様によれば、電池の微小短絡をより精度良く検出することができる微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態の全固体電池ユニット(単位ユニット)の構成例を示す図である。
【
図2】実施形態の全固体電池ユニットの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態の微小短絡検出装置の構成例を示す図である。
【
図4】微小短絡検出装置が、対象の全固体電池ユニットについて異常の有無を判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】流入継続部を有する全固体電池ユニットの一例を示す図である。
【
図6】二次判定による判定結果の一例を示すタイミングチャートである。
【
図7】一次判定による判定結果の一例を示すタイミングチャートである。
【
図8】従来の積層型の全固体電池ユニットの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の微小短絡検出装置、微小短絡検出方法、プログラム、および電池ユニットの実施形態について説明する。
【0024】
図1は、本実施形態における全固体電池ユニット100の構成例を示す図である。全固体電池ユニット100は、負極集電体111-1および111-2と、正極集電体112と、負極活物質層としての負極合材121-1および121-2と、正極活物質層としての正極合材122-1および122-2と、固体電解質層130-1および130-2と、電流方向検知素子141および142とを備える。全固体電池ユニット100は、正極集電体112を共有する形で2つの全固体電池101および102を積層した構成である。このような構成の全固体電池ユニット100の電気的性質は回路
図C100のように表される。回路
図C100は、2つの全固体電池101および102に対応する電池B1およびB2と、2つの電流方向検知素子141および142に対応する抵抗r1およびr2とを備え、電池B1およびB2の各正極が接続され、各負極が抵抗r1およびr2を介して接続された構成を有する。
【0025】
図2は、本実施形態における全固体電池ユニット200の構成例を示す図である。全固体電池ユニット200は、
図1に示した全固体電池ユニット100を単位構成として、3つの全固体電池ユニット100A、100B、および100Cを並列に接続したものである。このような構成の全固体電池ユニット200の電気的特性は回路
図C200のように表される。図中の各符号に付したA~Cの記号は、対応する全固体電池ユニット100の別を表すものである。また、以下では、全固体電池ユニット200内の全固体電池ユニット100を単位ユニット100と称する場合がある。
【0026】
全固体電池ユニット200は、各全固体電池ユニット100の電流方向検知素子141および142に加えて、各全固体電池ユニット100の入力側に、電流方向検知素子143を備える。具体的には、全固体電池ユニット100Aの入力側に電流方向検知素子143Aを備え、全固体電池ユニット100Bの入力側に電流方向検知素子143Bを備え、全固体電池ユニット100Cの入力側に電流方向検知素子143Cを備える。上述の電流方向検知素子141、142、および143は、例えば、回路の電流を検出するための抵抗器である、いわゆるシャント抵抗器であってよい。
【0027】
以上、
図1および
図2により、全固体電池ユニット100および200の構成例について説明したが、全固体電池ユニット100および200の構成は、以下に説明する微小短絡の検出方法を適用可能な限りにおいて任意に変形されてもよい。例えば、一変形例として、負極と電解質層の間に層を追加することなどが考えられる。また、
図1では、全固体電池ユニット100が電流方向検知素子r1およびr2を備えている場合について説明したが、電流方向検知素子r1およびr2は測定対象部位と電気的に接続され、当該部位の電流方向を検知可能な限りにおいて全固体電池ユニット100の外部に配置されてもよい。例えば、電流方向検知素子r1およびr2は、全固体電池ユニット100を構成する各種積層物を収容する外装体(例えばラミネートフィルム)の外側に配置されてもよい。
【0028】
図3は、本実施形態における微小短絡検出装置300の構成例を示す図である。微小短絡検出装置300は、例えば、電圧測定部310と、微小短絡判定部320と、記憶部330とを備える。これらの機能部の一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、微小短絡検出装置300の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部170などの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで微小短絡検出装置300の記憶部330などにインストールされてもよい。
【0029】
電圧測定部310は、微小短絡検出装置300に接続された全固体電池ユニットの出力電圧を測定する。例えば、電圧測定部310は、電圧検出するテスター機能や電流遮断するコンタクター機能などを有するものであり、測定対象の全固体電池ユニットの充放電状態を制御するとともに、休止状態の全固体電池ユニットの出力電圧(以下「休止電圧」という。)を測定することができる。休止状態は、全固体電池ユニットの充放電が停止された後、自己放電によるセル電圧の変動が継続している状態である。充放電停止後において、全固体電池ユニットのセル電圧は、変動しないのが理想的であるが、実際には過電圧の電圧ドロップや多少の自己放電により休止状態においてセル電圧の変動が生じ得る。全固体電池ユニットは充放電後、休止状態を経て無放電状態となる。電圧測定部310は、測定結果を微小短絡判定部320に出力する。電圧測定部310に接続される全固体電池ユニットは、全固体電池ユニット100および200のいずれであってもよい。電圧測定部310は、全固体電池ユニット100または200の休止電圧として、全固体電池ユニット100または200が有する電流方向検知素子141および142にかかっている電圧を測定できるものとする。なお、電圧測定部310は、電圧の測定結果と抵抗値から電流方向検知素子141および142を流れる電流の大きさを求めることも可能である。以下の説明において、電流の方向は電圧降下の方向に読み替えてよいし、電流の符号は電圧の符号に読み替えてもよい。
【0030】
微小短絡判定部320は、電圧測定部310によって測定された全固体電池ユニットの休止電圧に基づいて当該全固体電池ユニットの微小短絡の有無を判定する。微小短絡判定部320は、例えば、第1判定部321と、第2判定部322と、第3判定部323とを備え、第1判定部321、第2判定部322、および第3判定部323の各判定結果に基づいて微小短絡の有無を判定する。
【0031】
第1判定部321は、判定対象の全固体電池ユニットについて、自己放電の速さに関する判定を行う。第2判定部322は、判定対象の全固体電池ユニットについて、電流が継続して流入している箇所(以下「流入継続部」という。)の有無を判定する。第3判定部323は、判定対象の全固体電池ユニットについて、ユニット内における電流の還流の有無を判定する。
【0032】
記憶部330は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部330は、微小短絡検出装置300が実行するプログラムや設定情報、微小短絡判定に必要な各種情報などの記憶領域として用いられる。
【0033】
図4は、微小短絡検出装置300が、対象の全固体電池ユニットについて異常(微小短絡を含む)の有無を判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここではフローチャートの開始時点において、判定対象の全固体電池ユニット(以下「対象ユニット」という。)が微小短絡検出装置300に接続されており、電圧測定部310が対象ユニットの休止電圧を連続的に測定しており、その測定結果を随時微小短絡判定部320に出力している状態を想定する。
【0034】
まず、微小短絡判定部320が、第1判定部321により、対象ユニットの自己放電の速さが規定値より大きいか否かを判定する(S101)。例えば、微小短絡判定部320は、休止状態の初期における対象ユニットの電圧が規定値より大きいか否かを判定する。ここでの規定値は、予め記憶部330に記憶されているものとする。規定値は、対象ユニットの種類や構成等に応じて異なる値であってもよい。ここで対象ユニットの自己放電の速さが規定値以下である場合、微小短絡判定部320は、対象ユニットの自己放電は正常の範囲内であるとして、対象ユニットについてユニット全体での自己放電に関して「異常無し」と判定する(S102)。
【0035】
一方、対象ユニットの自己放電の速さが規定値より大きい場合、微小短絡判定部320は、続いて、第2判定部322により、対象ユニットにおける流入継続部の有無を判定する(S103)。例えば、第2判定部322は、各電流方向検知素子143により、一定期間における各部の電流の流れを観測することにより、流入継続部の有無を判定することができる。微小短絡検出装置300は、いずれかの方向を正、逆方向を負と定義して電流値を測定し、その符号の変化を観測することにより電流方向、および電流方向の変化を検知することができる。
【0036】
例えば、
図2の回路
図C200において、各全固体電池ユニット100の正極側に向かう方向(紙面左側から右側に向かう方向)を正、その逆方向(紙面右側から左側に向かう方向)を負と定義して電流方向検知素子143を流れる電流を測定した結果、電流の符号が一定期間の間継続して正であった電流方向検知素子143に対応する全固体電池ユニット100を流入継続部と特定することができる。例えば、
図5の例では、電流方向検知素子143A、143B、143Cのうち、電流符号が正となる電流方向検知素子143Aが流入継続部と判定することができる。
【0037】
図4に戻る。S103において、流入継続部が検知されなかった場合、微小短絡判定部320は、対象ユニットの自己放電は、各全固体電池ユニット100の間で正常なSOC(State Of Charge)の自己調整が作用していることによるものとして、対象ユニットにおける単位ユニット間でのSOCの自己調整について「異常無し」と判定する(S104)。一方、S103において、流入継続部が検知された場合、微小短絡判定部320は、続いて、第3判定部323により、対象ユニット内における電流の還流の有無を判定する(S105)。
【0038】
例えば、第3判定部323は、個々の全固体電池ユニット100において電流方向検知素子141と電流方向検知素子142の電流方向の一致性を観測することにより、各全固体電池ユニット100における還流の有無を判定することができる。例えば、
図5の例は、全固体電池ユニット100A、100B、100Cのうち、全固体電池ユニット100AのSOCが他のユニットよりも低い状況において、OCV(Open Circuit Voltage)が安定化するように、全固体電池ユニット100Bおよび100Cが全固体電池ユニット100Aに対してSOCの差分を補うように放電(充電)する(SOCの自己調整)状況を表している。すなわち、全固体電池ユニット100Aにおいて還流が発生している状況である。この場合、例えば、第3判定部323は、電流方向検知素子141Aを流れる電流の方向(符号)と、電流方向検知素子141Bを流れる電流の方向(符号)との不一致が一定期間継続したことをもって全固体電池ユニット100Aにおいて還流が発生していることを検知することができる。また、
図5の例において、第3判定部323は、全固体電池ユニット100Aに電流が流れている(すなわち全固体電池ユニット100Aが流入継続部である)にも関わらず、全固体電池ユニット100Aの電圧が上昇しない場合に、全固体電池ユニット100Aにおいて還流が発生していると判定してもよい。
【0039】
図4に戻る。S105において、対象ユニット内において電流の還流が検知されなかった場合、微小短絡判定部320は、対象ユニットの自己放電について点検が必要であると判定する(S106)。この場合、微小短絡判定部320は、微小短絡検出装置300に対象ユニットの点検が必要である旨を報知する動作を行わせてもよい。また、この報知動作のため、微小短絡検出装置300は、表示装置やインジケータ、スピーカ等の報知部を備えてもよい。また、報知動作は、通信による外部装置への通知であってもよい。この場合、微小短絡検出装置300は、外部装置との通信機能を有する通信部(通信インタフェース)を備えてもよい。
【0040】
一方、S105において、対象ユニット内において電流の還流が検知された場合、微小短絡判定部320は、対象ユニットにおいて微小短絡が発生しているとして、対象ユニットについて「異常有り」と判定する(S107)。この場合、微小短絡判定部320は、微小短絡検出装置300に対象ユニットの異常を報知する動作を行わせてもよい。続いて、微小短絡判定部320は、S107において異常有りと判定した場合、対象ユニットの充電(回生を含む)を抑止するための処理(充電抑止処理)を実行する(S108)。例えば、対象ユニットが、当該ユニットの使用に関する情報を記憶する記憶部を有している場合、微小短絡判定部320は、充電抑止処理として、当該ユニットの充電が不可である旨を示す情報を当該記憶部に記録してもよい。また、例えば、微小短絡判定部320は、充電抑止処理として、対象ユニットを使用または制御する機能部または外部装置に対して、当該ユニットの充電が不可である旨を通知するように構成されてもよい。
【0041】
以上説明したように、微小短絡検出装置300の処理は、複数の全固体電池ユニット100を積層した全固体電池ユニット200において、流入継続部となっている全固体電池ユニット100を特定するための判定処理(以下「一次判定」という。)と、全固体電池ユニット100における還流の有無を検知するための判定処理(以下「二次判定」という。)と大きくに分けられる。例えば、
図4の例では、S101およびS103が一次判定に対応し、S105が二次判定に対応する。
図5は、全固体電池ユニット100Aに還流が生じている状況を例示するものであるが、S105では全固体電池ユニット100A~100Cのそれぞれについて還流の有無が判定されてよい。なお、
図4は、全固体電池ユニット100を積層した全固体電池ユニット200についての微小短絡検出処理について説明したが、単位ユニットである全固体電池ユニット100について微小短絡を検出する場合は、S103、S104の処理が省略されてもよい。
【0042】
このように、微小短絡検出装置300は、一次判定および二次判定を行うことにより全固体電池ユニット200の微小短絡を検出することができる。なお、本実施形態では3つの全固体電池ユニット100を積層した全固体電池ユニット200を例に説明したが、積層する全固体電池ユニット100の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、微小短絡検出装置300は、対象ユニットとして全固体電池ユニット100が接続された場合には、二次判定の結果のみで微小短絡の有無を判定してもよい。
【0043】
図6は、二次判定による判定結果の一例を示すタイミングチャートである。上側のチャートは正常時の判定例を示し、下側のチャートは異常時の判定例を示す。図中の電圧v1は、
図5のv1に対応するものであり、全固体電池ユニット100Aの電流方向検知素子141Aにかかる電圧を表す。同様に、図中の電圧v2は、
図5のv2に対応するものであり、全固体電池ユニット100Aの電流方向検知素子142Aにかかる電圧を表す。
図6は、対象ユニットを、電圧が0である状態から、充電状態、充電停止後の第1の休止状態、放電状態、放電停止後の第2の休止状態の順に状態遷移させた場合の電圧値の遷移例である。
【0044】
この場合、対象ユニットが正常であれば、電圧v1および電圧v2の両方の系列で同様の遷移がみられるはずである。例えば、
図6の正常時の例では、充電状態では正の電圧となり、第1の休止状態と、放電状態と、第2の休止状態とでは0以下の電圧となる。すなわち、電圧の符号をデジタル信号で表した場合(ここでは正を1、0以下を0で表す)、第3判定部323は、全固体電池ユニット100Aの各状態を11、00、00、00の信号パターンでそれぞれ認識することができる。
【0045】
これに対して、対象ユニットに還流が生じている場合(すなわち微小短絡が発生している場合)、電圧v1および電圧v2の両方の系列で同様の遷移パターンとはならない。例えば、
図6の例のように、充放電状態における電流方向検知素子の電圧値は極板抵抗によって異なり得るが符号は同じであるのに対し、休止状態では符号が異なる状態となり得る。この例の電圧の符号をデジタル信号で表した場合、第3判定部323は、全固体電池ユニット100Aの各状態を11、10、00、01の信号パターンでそれぞれ認識することとなる。例えば、この場合、第3判定部323は、11、00以外の信号パターン10、01を異常として検出することができる。第3判定部323は、異常検知のために信号値を常に監視する必要がなく、所定のタイミングで電圧符号を判定することで還流の有無を検知することができる。
【0046】
また、第3判定部323は、観測された複数の信号パターンの組み合わせによって還流有無を判定してもよい。例えば、第3判定部323は、対象ユニットに対して所定の操作を行ったときの各状態を信号パターンの組み合わせで認識し、対象ユニットについて観測された信号パターンを正常時の信号パターンと比較することにより、還流の有無を判定するように構成されてもよい。例えば、第3判定部323は、観測された信号パターンが、正常時の信号パターンと一致しない場合に還流有りと判定してもよい。また、例えば、第3判定部323は、観測された信号パターンが、検出すべき異常時の信号パターンと一致した場合に還流有りと判定してもよい。この場合、正常時の信号パターンや、検出すべき異常時の信号パターンは、予め記憶部330に記憶されるものとする。
【0047】
なお、
図4でも説明したように、第3判定部323は、休止状態において電流方向検知素子141および142にかかる電圧(電流)の符号が一定期間の間変化しない場合に還流有りと判定するものである。
図6は、第3判定部323が、第1の休止状態において一定期間符号が変化しなかったことをもって還流有りと判定した場合を表している。ここでは、2つの時点の符号で変化の有無を判定しているが、符号の変化の有無は、3以上の時点の符号で判定されてもよい。また、この場合、第3判定部323は、第2の休止状態においても、同様の方法で還流の有無を判定することができる。
【0048】
図7は、一次判定による判定結果の一例を示すタイミングチャートである。図中の電圧V12は、
図5のV12に対応するものであり、全固体電池ユニット100Aの電流方向検知素子143Aにかかる電圧を表す。同様に、電圧V34は、
図5のV34に対応するものであり、全固体電池ユニット100Bの電流方向検知素子143Bにかかる電圧を表す。同様に、電圧V56は、
図5のV56に対応するものであり、全固体電池ユニット100Cの電流方向検知素子143Cにかかる電圧を表す。
図6と同様に
図7は、対象ユニットを、電圧が0である状態から、充電状態、充電停止後の第1の休止状態、放電状態、放電停止後の第2の休止状態の順に状態遷移させた場合の電圧値の遷移例である。
【0049】
この場合、対象ユニットが正常であれば、電圧V12、電圧V34、電圧V56の全ての系列で同様の遷移がみられるはずである。例えば、
図6の例と同様に、充電状態では正の電圧となり、第1の休止状態と、放電状態と、第2の休止状態とでは0以下の電圧となる。すなわち、電圧の符号をデジタル信号で表した場合(ここでは正を1、0以下を0で表す)、第1判定部321(または第2判定部322)は、上記の状態遷移を111、000、000、000の信号パターンで認識することができる。
【0050】
これに対して、対象ユニットに微小短絡が生じている場合、電圧V12、電圧V34、電圧V56の全ての系列で同様の遷移とはならず、例えば
図7の例のように、全固体電池ユニット100Aが流入継続部となっている場合には、休止状態において電圧V12だけ異なる状態が観測される。すなわち、電圧の符号をデジタル信号で表した場合、第1判定部321は、対象ユニットの各状態を111、100、000、011の信号パターンでそれぞれ認識することとなる。例えば、この場合、第1判定部321は、111、000以外の信号パターン(ここでは100、011)を異常として検出することができる。第1判定部321(または第2判定部322)は、異常検知のために信号値を常に監視する必要がなく、所定のタイミングで電圧符号を判定することで流入継続部の有無を検知することができる。また、第1判定部321(または第2判定部322)は、第3判定部323と同様に、観測された複数の信号パターンの組み合わせによって流入継続部の有無を判定してもよい。
【0051】
なお、
図4でも説明したように、第1判定部321は、休止状態において電圧(電流)の符号が一定期間の間変化しない場合に流入継続部有りと判定するものである。
図7は、第1判定部321が、第1の休止状態において一定期間符号が変化しなかったことをもって流入継続部有りと判定した場合を表している。ここでは、2つの時点の符号で変化の有無を判定しているが、符号の変化の有無は、3以上の時点の符号で判定されてもよい。また、この場合、第1判定部321は、第2の休止状態においても、同様の方法で流入継続部の有無を判定することができる。なお、
図6における一定期間と、
図7における一定期間とは同じ長さの期間である必要はなく、検出の目的や事前の試験結果等に応じて、それぞれ個別に適当な長さに設定されてよい。
【0052】
以上説明した実施形態の微小短絡検出装置300によれば、対象ユニットとしての全固体電池ユニット100または全固体電池ユニット200に対して、休止状態の自己放電について第1判定または/および第2判定を行うことにより、対象ユニットにおける微小短絡の有無を検出することができる。
【0053】
より具体的には、従来の全固体電池ユニットでは、ユニット単位での入出力を計測するものであり、ユニット内部でどのような放電が行われているかを把握することができず、微小短絡の有無を精度良く判定することができない場合があった。これに対して、実施形態の全固体電池ユニット100および200は、液体材料を有しないことで部品配置の自由度が高い(または難易度が低い)という全個体電池の特性を活かして電極ごとに電流方向検知素子を配したことにより、ユニット内部での放電状況をより正確に把握することが可能となり、微小短絡の有無を精度良く判定することを可能としたものである。さらに、実施形態の微小短絡検出装置300は、対象ユニット内の電流または電圧の符号で微小短絡を検出するものであるので、対象ユニット内の電流または電圧の符号を正確に認識することができればよく、電流値または電圧値について高い精度の計測を必要としない。すなわち、実施形態の微小短絡検出装置300は、電流方向検知素子として高精度の素子(例えばシャント抵抗器)を必要としないので、より安価で小型な素子を使用できるようにしたものである。実施形態の微小短絡検出装置300は、この点においても部品配置の自由度を高くすることを可能としたものである。なお、電流方向検知素子を配置可能な限りにおいて、対象ユニットは全固体電池ではなく、液体材料を用いた電池であってもよい。
【0054】
また、従来の積層型の全固体電池ユニットは、例えば
図8に示されるような、正極と負極を単純に積層した枚葉構造であったため、微小短絡有りと判定できる状態となるまでに時間がかかり、異常検知までに長い時間が必要となるものであった。例えば
図8の枚葉構造では、6つの電池が単純に並列接続された構成であるので、そのうちの1つに異常が生じても、全固体電池ユニットの全体としては異常が平均化されてしまい素早く異常を検出することが困難である。そのため従来構成では、複数の電池に異常が発生してやっと異常検出が可能となる場合があった。これに対して、実施形態の全固体電池ユニット200は、正極および負極をそれぞれ複数束ねて積層する構成としたことにより(
図2参照)、第1判定および第2判定を素早く実行し、より短い時間で微小短絡の有無を判定することを可能としたものである。
【0055】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
正極層と、電解質層と、負極層と、を有する電池ユニットについて微小短絡の有無を検出する微小短絡検出装置であって、
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記プログラムを実行することにより、
前記電池ユニットの電圧を検出し、
前記電池ユニット内を流れる電流を検出し、
前記電圧の検出結果に基づいて前記電池ユニット内の微小短絡の有無を判定する、
微小短絡検出方法であって、
前記微小短絡検出装置は、前記電流の検出結果と、休止状態の前記電池ユニットにかかる電圧の符号とに基づいて前記微小短絡の有無を判定する、
微小短絡検出装置。
【0056】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0057】
100,100A,100B,100C…全固体電池ユニット、101,102…全固体電池、111…負極集電体、112…正極集電体、121…負極合材、122…正極合材、130…固体電解質層、141,142,143…電流方向検知素子、170…記憶部、200…全固体電池ユニット、300…微小短絡検出装置、310…電圧測定部、320…微小短絡判定部、321…第1判定部、322…第2判定部、323…第3判定部、330…記憶部