(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110236
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】コンタクトプローブおよびプローブユニット
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20240807BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20240807BHJP
H01R 33/76 20060101ALN20240807BHJP
【FI】
G01R1/067 A
G01R1/073 D
G01R1/067 C
H01R33/76 505Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014708
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相馬 一也
(72)【発明者】
【氏名】荒井 肇
【テーマコード(参考)】
2G011
5E024
【Fターム(参考)】
2G011AA09
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB03
2G011AB04
2G011AB05
2G011AB07
2G011AC14
2G011AE01
2G011AF07
5E024CA18
(57)【要約】
【課題】検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができるコンタクトプローブおよびプローブユニットを提供すること。
【解決手段】本発明に係るコンタクトプローブは、長手方向の両端で互いに異なる電極とそれぞれ接触して信号を伝送するコンタクトプローブであって、一方の電極と接触する先端部、および該先端部に連なるフランジ部を有する第1プランジャと、第1プランジャに接続するコイルばねと、を備え、先端部は、先端において一方の電極と接触する先端接触部と、先端接触部の基端側に設けられ、当該第1プランジャの長手軸に沿った側面を有する柱状の第1基部と、第1基部の先端接触部側と反対側の端部に設けられ、フランジ部側が当該第1プランジャの長手軸に近付く態様で傾斜した側面を有する第2基部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の両端で互いに異なる電極とそれぞれ接触して信号を伝送するコンタクトプローブであって、
一方の電極と接触する先端部、および該先端部に連なるフランジ部を有する第1プランジャと、
前記第1プランジャに接続するコイルばねと、
を備え、
前記先端部は、
先端において前記一方の電極と接触する先端接触部と、
前記先端接触部の基端側に設けられ、当該第1プランジャの長手軸に沿った側面を有する柱状の第1基部と、
前記第1基部の前記先端接触部側と反対側の端部に設けられ、前記フランジ部側が当該第1プランジャの長手軸に近付く態様で傾斜した側面を有する第2基部と、
を備えることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】
前記先端部は、
前記第2基部の前記第1基部側と反対側に設けられ、かつ前記フランジ部に連結する柱状の第3基部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項3】
前記先端部には、前記先端接触部から前記第2基部にかけて当該先端部の一部を切欠いてなり、前記第1プランジャの長手軸方向に延びる切欠き部が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項4】
前記第1基部は、円柱状をなし、
前記第2基部は、円錐台状をなす、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項5】
前記第1基部は、角柱状をなし、
前記第2基部は、角錐台状をなす、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項6】
前記フランジ部は、前記コイルばねが接続される側の面が、前記第1プランジャの長手軸に直交する面に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項7】
一方の電極と接触する先端部、および該先端部に連なるフランジ部を有する第1プランジャ、ならびに、前記第1プランジャに接続するコイルばねを備えるコンタクトプローブと、
前記コンタクトプローブを保持するホルダ孔が形成されるプローブホルダと、
を備え、
前記先端部は、
先端において前記一方の電極と接触する先端接触部と、
前記先端接触部の基端側に設けられ、当該第1プランジャの長手軸に沿った側面を有する柱状の第1基部と、
前記第1基部の前記先端接触部側と反対側の端部に設けられ、前記フランジ部側が当該第1プランジャの長手軸に近付く態様で傾斜した側面を有する第2基部と、
を備えることを特徴とするプローブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトプローブおよびプローブユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路や液晶表示装置などの検査対象物の導通状態検査や動作特性検査を行う際には、検査対象と検査用信号を出力する回路基板を有する信号処理装置との間の電気的な接続を図る導電性のコンタクトプローブが用いられる(例えば、特許文献1を参照)。正確な導通状態検査や動作特性検査を行うため、コンタクトプローブを介した検査用信号の入出力を確実に行うことが求められている。特許文献1では、複数の検査対象物と接触する側の端部に複数の爪部を設けたクラウン形状によって検査対象物の電極に接触させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検査対象物に設けられる電極は、はんだ等によって形成され、表面が酸化被膜で覆われている場合がある。この際、コンタクトプローブは、この酸化被膜を突き破って電極に接触する必要がある。しかしながら、特許文献1のようなクラウン形状とするだけでは酸化被膜を突き破れずに、電気的な導通が不安定となる場合があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができるコンタクトプローブおよびプローブユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンタクトプローブは、長手方向の両端で互いに異なる電極とそれぞれ接触して信号を伝送するコンタクトプローブであって、一方の電極と接触する先端部、および該先端部に連なるフランジ部を有する第1プランジャと、前記第1プランジャに接続するコイルばねと、を備え、前記先端部は、先端において前記一方の電極と接触する先端接触部と、前記先端接触部の基端側に設けられ、当該第1プランジャの長手軸に沿った側面を有する柱状の第1基部と、前記第1基部の前記先端接触部側と反対側の端部に設けられ、前記フランジ部側が当該第1プランジャの長手軸に近付く態様で傾斜した側面を有する第2基部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るコンタクトプローブは、上記発明において、前記先端部は、前記第2基部の前記第1基部側と反対側に設けられ、かつ前記フランジ部に連結する柱状の第3基部、をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るコンタクトプローブは、上記発明において、前記先端部には、前記先端接触部から前記第2基部にかけて当該先端部の一部を切欠いてなり、前記第1プランジャの長手軸方向に延びる切欠き部が形成される、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るコンタクトプローブは、上記発明において、前記第1基部は、円柱状をなし、前記第2基部は、円錐台状をなす、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るコンタクトプローブは、上記発明において、前記第1基部は、角柱状をなし、前記第2基部は、角錐台状をなす、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るコンタクトプローブは、上記発明において、前記フランジ部は、前記コイルばねが接続される側の面が、前記第1プランジャの長手軸に直交する面に対して傾斜している、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプローブユニットは、一方の電極と接触する先端部、および該先端部に連なるフランジ部を有する第1プランジャ、ならびに、前記第1プランジャに接続するコイルばねを備えるコンタクトプローブと、前記コンタクトプローブを保持するホルダ孔が形成されるプローブホルダと、を備え、前記先端部は、先端において前記一方の電極と接触する先端接触部と、前記先端接触部の基端側に設けられ、当該第1プランジャの長手軸に沿った側面を有する柱状の第1基部と、前記第1基部の前記先端接触部側と反対側の端部に設けられ、前記フランジ部側が当該第1プランジャの長手軸に近付く態様で傾斜した側面を有する第2基部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの要部の構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。
【
図4】
図4は、半導体集積回路の検査時におけるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、変形例1にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。
【
図6】
図6は、変形例2にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための図である。
【
図7】
図7は、変形例3にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための図である。
【
図8】
図8は、変形例4にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの要部の構成を説明するための図である。
【
図9】
図9は、変形例5にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。
【
図11】
図11は、変形例6にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための図である。
【
図12】
図12は、変形例7にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの構成を示す斜視図である。
図1に示すプローブユニット1は、検査対象物である半導体集積回路100の電気特性検査を行う際に使用する装置であって、半導体集積回路100と半導体集積回路100へ検査用信号を出力する回路基板200との間を電気的に接続する装置である。
【0017】
プローブユニット1は、長手方向の両端で互いに異なる二つの被接触体である半導体集積回路100および回路基板200の電極に接触する導電性のコンタクトプローブ2(以下、単に「プローブ2」という)と、複数のプローブ2を所定のパターンにしたがって収容して保持するプローブホルダ3と、プローブホルダ3の周囲に設けられ、検査の際に複数のプローブ2と接触する半導体集積回路100の位置ずれが生じるのを抑制するホルダ部材4と、を備える。
本実施の形態において、半導体集積回路100の電極は、はんだを用いて形成されたBGA(Ball Grid Array)である。なお、はんだに限らず、はんだを用いていない端子や、表面に被膜が形成されるものであれば適用可能である。BGAのほか、例えば、QFP(quad flat package)や、QFN(Quad Flat Non-leaded package)、SoC(System on a Chip)の端子、銅製の端子が挙げられる。
【0018】
図2は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの要部の構成を示す断面図である。プローブ2は、導電性材料を用いて形成され、半導体集積回路100の検査を行なうときにその半導体集積回路100の電極に接触する第1プランジャ21と、検査回路を備えた回路基板200の電極に接触する第2プランジャ22と、第1プランジャ21と第2プランジャ22との間に設けられて第1プランジャ21および第2プランジャ22を進退自在に連結するコイルばね23とを備える。
図2において、第1プランジャ21は、当該第1プランジャ21の長手軸N
21が、プローブ2の軸(長手軸)N
1に対して傾斜している。また、第2プランジャ22およびコイルばね23は、同一の軸線を有している。すなわち、第2プランジャ22およびコイルばね23は、各々の中心軸が、プローブ2の軸(長手軸)N
1上に位置している。なお、「同一の軸線」は、部材個別の歪みや製造上の誤差等によるずれを含む。プローブ2は、半導体集積回路100をコンタクトさせた際に、コイルばね23が軸線方向に伸縮することによって半導体集積回路100の電極への衝撃を和らげるとともに、半導体集積回路100および回路基板200に荷重を加える。
【0019】
第1プランジャ21は、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21aと、先端部21aの径と比して大きい径を有するフランジ部21bとを有する。第1プランジャ21は、コイルばね23の伸縮作用によって軸線方向に移動が可能であり、コイルばね23の弾性力によって半導体集積回路100方向に付勢され、半導体集積回路100の電極と接触する。以下、第1プランジャ21において、半導体集積回路100側を「先端側」、当該第1プランジャ21の長手軸N21方向における先端側と反対側を「基端側」とする。
本実施の形態において、先端部21aは、先端が錐状をなすものとして説明するが、複数の爪部を有するクラウン状をなすものや、球面状等、他の形状をなすものであってもよい。
【0020】
図3は、本発明の一実施の形態にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。先端部21aは、半導体集積回路100の電極と接触する円錐状の先端接触部24aと、先端接触部24aの基端側に設けられる円柱状の第1基部24bと、第1基部24bの先端接触部24a側と反対側の端部に設けられ、かつフランジ部21bに連結する第2基部24cとを有する。プローブユニット1において、先端接触部24aの先端は、長手軸N
1に対してずれて位置している。
【0021】
第1基部24bは、第1プランジャ21の長手軸N21に沿った側面を有する。
第2基部24cは、フランジ部21b側に行くにしたがって縮径される円錐台形状をなす。すなわち、第2基部24cは、フランジ部21c側が長手軸N21に近付く態様で傾斜した側面を有する。この側面は、フランジ部21b側に行くにしたがって長手軸N21との間の距離が小さくなる。
【0022】
第2プランジャ22は、先細な先端形状をなし、回路基板200の電極に接触する先端部22aと、先端部22aの径と比して大きい径を有するフランジ部22bと、フランジ部22bを介して先端部22aと反対側に延び、フランジ部22bと比して径が小さい、コイルばね23の他端部が圧入されるボス部22cと、ボス部22cを介してフランジ部22bと反対側に延び、ボス部22cと比して径の小さい基端部22dとを有する。第2プランジャ22は、コイルばね23の伸縮作用によって軸線方向に移動が可能であり、コイルばね23の弾性力によって回路基板200方向に付勢され、回路基板200の電極と接触する。
なお、第2プランジャ22において、第1プランジャ21と同様にボス部22cおよび基端部22dを有しない構成としてもよい。
【0023】
コイルばね23は、第1プランジャ21の基端側に取り付けられる密着巻きの密着巻き部23aと、第2プランジャ22の基端側に取り付けられ、所定の間隔をもって巻回される粗巻き部23bとを有する。コイルばね23は、例えば、一本の導電性の線材を巻回してなる。また、コイルばね23は、第1プランジャ21に対し、軸N
1方向に対して傾斜した方向、かつ第2プランジャ22から離れる方向の荷重を加える。例えば、コイルばね23の一部を偏心させたり(
図2参照)、端部(座巻き面)がコイルばね23の長手軸に対して傾斜するように線材間の間隔を調整したりすることによって、第1プランジャ21を傾斜させることができる。
なお、第1プランジャ21軸N
1に対する傾斜は、コイルばね23の特性を調整するほか、フランジ部21bとコイルばね23(密着巻き部23a)の端部との間にくさびを配設する等、コイルばね23の特性を調整する以外にも調整が可能である。
【0024】
密着巻き部23aの端部は、例えば第1プランジャ21の基端側に接合される。一方、粗巻き部23bの端部は、第2プランジャ22の基端側(ボス部22c)に圧入される。プローブ2は、粗巻き部23bの伸縮によって、軸線方向に伸縮する。
なお、本実施の形態では、コイルばね23が第1プランジャ22に接合され、第2プランジャ22のボス部22cに挿入されている構成について説明するが、これに限らず、例えば、第1プランジャ21とコイルばね23とは接合されずに別体としてもよい。
【0025】
プローブホルダ3は、樹脂、マシナブルセラミック、シリコンなどの絶縁性材料を用いて形成され、
図2の上面側に位置する第1部材31と下面側に位置する第2部材32とが積層されてなる。第1部材31および第2部材32には、複数のプローブ2を収容するためのホルダ孔33および34がそれぞれ同数ずつ形成され、プローブ2を収容するホルダ孔33および34は、互いの軸線が一致するように形成されている。ホルダ孔33および34の形成位置は、半導体集積回路100の配線パターンに応じて定められる。
【0026】
ホルダ孔33および34は、ともに貫通方向に沿って径が異なる段付き孔形状をなしている。すなわち、ホルダ孔33は、プローブホルダ3の上端面に開口を有する小径部33aと、この小径部33aよりも径が大きい大径部33bとからなる。他方、ホルダ孔34は、プローブホルダ3の下端面に開口を有する小径部34aと、この小径部34aよりも径が大きい大径部34bとからなる。これらのホルダ孔33および34の形状は、収容するプローブ2の構成に応じて定められる。第1プランジャ21のフランジ部21bは、ホルダ孔33の小径部33aと大径部33bとの境界壁面に当接することにより、プローブ2のプローブホルダ3からの抜止機能を有する。また、第2プランジャ22のフランジ部22bは、ホルダ孔34の小径部34aと大径部34bとの境界壁面に当接することにより、プローブ2のプローブホルダ3からの抜止機能を有する。
【0027】
プローブ2がプローブホルダ3に収容され、かつ先端部21a、22aに荷重が加わっていない状態(
図2参照)において、第1プランジャ21は、フランジ部21bがホルダ孔33の小径部33aおよび大径部33bが形成する段部に当接するとともに、第2基部24cが小径部33aの壁面に接触する。第2基部24cの小径部33aの壁面への接触は、コイルばね23の付勢力によるものであり、第2基部24cの側面が小径部33aの壁面に線接触した接触態様となる。このため、第1プランジャ21は、長手軸N
21が、プローブ2の軸N
1に対して傾斜した状態となる。また、この際、第1基部24bは、プローブホルダ3の外部に位置している。
【0028】
図4は、プローブホルダ3を用いた半導体集積回路100の検査時の状態を示す図である。半導体集積回路100の検査時には、半導体集積回路100および回路基板200からの接触荷重により、コイルばね23は長手方向に沿って圧縮された状態となる。検査時に回路基板200から半導体集積回路100に供給される検査用信号は、回路基板200の電極201からプローブ2の第2プランジャ22、密着巻き部23a、第1プランジャ21を経由して半導体集積回路100の接続用電極101へ到達する。
【0029】
ここで、先端部21aと接続用電極101(BGA)とが接触した際の第1プランジャ21の挙動について説明する。接続用電極101および電極201からの荷重によってプローブ2(粗巻き部23b)が収縮すると、第1プランジャ21がホルダ孔33内に進入する。この際、先端部21aでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24cから第1基部24bに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャ21が回転し、長手軸N21が軸N1に対して平行に近付く方向に回転する。この回転によって、先端接触部24aの先端位置が移動して先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。これにより、先端接触部24aが、接続用電極101の表面に形成された酸化被膜等を突き破って、当該接続用電極101の表面に接触する。
【0030】
一方、従来、プランジャは、検査対象から荷重が加わっていない状態では軸Nに対してして傾斜しておらず、長手軸(長手軸N21に相当)が軸Nと一致しているため、軸N方向に進退する。従来の構成では、本実施の形態に係る第1プランジャ21のように、検査対象に接触する際に回転せずに接触するため、電極表面の酸化被膜を突き破れない場合がある。
【0031】
以上説明した実施の形態では、第1プランジャ21に、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21を回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本実施の形態によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0032】
また、実施の形態によれば、検査対象との接触時に、先端部21の壁面とホルダ孔の内壁とによって、第1プランジャ21の長手軸N21を軸N1と平行になるように規制するため、簡易な構成によって先端接触部24aの先端位置の位置精度を向上することができる。
【0033】
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例1について、
図5を参照して説明する。
図5は、変形例1にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。変形例1は、第1プランジャの構成を変えた以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。
【0034】
変形例1にかかる第1プランジャ21Aは、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21cと、先端部21cの径と比して大きい径を有するフランジ部21bとを有する。
【0035】
先端部21cは、半導体集積回路100の電極と接触する円錐状の先端接触部24aと、先端接触部24aの基端側に設けられる円柱状の第1基部24bと、第1基部24bの先端接触部24a側と反対側の端部に設けられる第2基部24cと、第2基部24cの第1基部24b側と反対側に設けられ、かつフランジ部21bに連結する円柱状の第3基部24dとを有する。先端部2cは、先端部21aに対し、第3基部24dがさらに設けられた構成となる。第3基部24dの直径は、第1基部24aの直径以下である。
【0036】
変形例1において、先端部21cと接続用電極101とが接触した際、実施の形態と同様に、先端部21cでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24cから第1基部24bに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャ21が回転し、長手軸(長手軸N
21に相当)が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この回転によって、先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。
【0037】
一方、先端部21cと接続用電極101とが離間して非接触となった際、先端部21cでは、小径部33aと接触する部位が、第1基部24bから第2基部24cを経て第3基部24dに移行するように構成すれば、第1プランジャ21Aが、小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャ21が回転する。この場合、第3基部24dが円柱状をなしているため、第1プランジャ21Aの長手軸N
21が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この際、各プローブ2がホルダ3の外表面から略垂直に延びるため、隣り合うプローブ同士の傾斜等による干渉を抑制することができる。なお、第3基部24dの側面は、長手軸N
21に対して平行である例について説明したが、長手軸N
21に対する傾斜角度を、例えば、プローブ同士が干渉しない程度に傾斜するような角度にすることができる。
【0038】
以上説明した変形例1では、第1プランジャ21Aに、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21を回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本変形例1によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0039】
また、変形例1では、第1プランジャ21Aに、第3基部24dを設けることによって、第2基部24cの長手軸N21方向の長さを調整することができ、第1プランジャ21Aの先端の回転度合いを調整することができる。
【0040】
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例2について、
図6を参照して説明する。
図6は、変形例2にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための図である。変形例2は、第1プランジャの構成を変えた以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。なお、
図6では、コイルばね23を簡略化して図示している。
【0041】
変形例2にかかる第1プランジャ21Bは、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21aと、先端部21aの径と比して大きい径を有するフランジ部21bと、フランジ部21bを介して先端部21aと反対側に延び、フランジ部21bと比して径が小さい、コイルばね23の一端部が圧入されるボス部21dと、ボス部21dを介してフランジ部21bと反対側に延び、ボス部21dと比して径の小さい基端部21eとを有する。
【0042】
本変形例2において、密着巻き部23a(
図2等参照)の端部は、例えば第1プランジャ21Bのボス部21dにバネの巻き付き力および/または半田付けによって接合されて、フランジ部21bに当接している。このように、ボス部21dへのはめ込みによって、第1プランジャ21Bとコイルばね23とが連結される。
【0043】
第1プランジャ21Bは、先端部21aに荷重が加わっていない状態(
図2参照)において、フランジ部21bがホルダ孔33の小径部33aおよび大径部33bが形成する段部に当接するとともに、第2基部24cが小径部33aの壁面に接触する。この際、第1プランジャ21Bは、長手軸N
21が、プローブの軸N
1に対して傾斜した状態となる。一方、先端部21aと接続用電極101とが接触した際、実施の形態と同様に、先端部21aでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24cから第1基部24bに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャ21Bが回転し、長手軸N
21が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この回転によって、先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。
【0044】
以上説明した変形例2では、実施の形態と同様に、第1プランジャ21Bに、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21を回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本変形例2によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0045】
(変形例3)
次に、本実施の形態の変形例3について、
図7を参照して説明する。
図7は、変形例3にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための図である。変形例3は、第1プランジャの構成を変えた以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。なお、
図7においても、コイルばね23を簡略化して図示している。
【0046】
変形例3にかかる第1プランジャ21Cは、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21aと、先端部21aの径と比して大きい径を有するフランジ部21fとを有する。フランジ部21fは、先端部21a側とは反対側の端面であって、コイルばね23が接続される側の端面が、長手軸N21に直交する面P1に対して傾斜して、該長手軸N21と非垂直に交差する。このため、コイルばね23の付勢力によって、第1プランジャ21等と比して、長手軸N21を軸N1に対して一層積極的に傾斜させた構成とすることができる。
【0047】
本変形例3において、密着巻き部23a(
図2等参照)の端部は、例えば第1プランジャ21Cのボス部21dにバネの巻き付き力および/または半田付けによって接合されて、フランジ部21bに当接している。このように、ボス部21dへのはめ込みによって、第1プランジャ21Cとコイルばね23とが連結される。
【0048】
第1プランジャは、先端部21aに荷重が加わっていない状態(
図2参照)において、フランジ部21bがホルダ孔33の小径部33aおよび大径部33bが形成する段部に当接するとともに、第2基部24cが小径部33aの壁面に接触する。この際、第1プランジャは、長手軸N
21が、プローブの軸N
1に対して傾斜した状態となる。一方、先端部21aと接続用電極101とが接触した際、実施の形態と同様に、先端部21aでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24cから第1基部24bに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャ21Cが回転し、長手軸(長手軸N
21に相当)が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この回転によって、先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。
【0049】
以上説明した変形例3では、実施の形態と同様に、第1プランジャ21Cに、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21Cを回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本変形例3によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0050】
(変形例4)
次に、本実施の形態の変形例4について、
図8を参照して説明する。
図8は、変形例4にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの要部の構成を説明するための図である。変形例4は、第1プランジャの要部の構成の具体例を示す以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。
【0051】
変形例4にかかる第1プランジャは、先端部21aにおいて、第1基部24bと第2基部24cとの接続面24eが滑らかな湾曲面をなす。この湾曲面の曲率半径を調整することによって、第1基部24bと第2基部24cとの間の移行時における第1プランジャ21の回転速度を調整することができる。
【0052】
(変形例5)
次に、本実施の形態の変形例5について、
図9および
図10を参照して説明する。
図9は、変形例5にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。
図10は、
図9に示す矢視Aからみた先端部の構成を示す図である。変形例5は、第1プランジャの構成を変えた以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。
【0053】
変形例5にかかる第1プランジャ21Dは、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21gと、先端部21gの径と比して大きい径を有するフランジ部21bとを有する。
【0054】
先端部21gは、半導体集積回路100の電極と接触する円錐状の先端接触部24aと、先端接触部24aの基端側に設けられる円柱状の第1基部24bと、第1基部24bの先端接触部24a側と反対側の端部に設けられる第2基部24cとを有する。さらに、先端部21gには、先端接触部24aから第2基部24cにかけて当該先端部21gの一部を切欠いてなり、長手軸N21方向に延びる切欠き部24fが形成される。この切欠き部24fの形成面は、平面状をなす。
【0055】
第1プランジャ21Dは、先端部21gに荷重が加わっていない状態(
図2参照)において、フランジ部21bがホルダ孔33の小径部33aおよび大径部33bが形成する段部に当接するとともに、第2基部24cが小径部33aの壁面に接触する。この際、第1プランジャ21Dは、長手軸N
21が、プローブの軸N
1に対して傾斜した状態となる。一方、先端部21gと接続用電極101とが接触した際、実施の形態と同様に、先端部21gでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24cから第1基部24bに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャ21Dが回転し、長手軸N
21が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この回転によって、先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。
【0056】
また、先端部21gには、切欠き部24fが形成されており、この切欠き面がホルダ孔33(小径部33a)に接触することによって、第1プランジャ21Dの長手軸N21のまわりの回転が抑制される。また、第1プランジャ21Dの長手軸N21のまわりの回転が抑制されると、第2基部24cから第1基部24bに移行する際の第1プランジャ21Dの先端接触部24aの移動方向を定めることができる。
【0057】
以上説明した変形例5では、実施の形態と同様に、第1プランジャ21Dに、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21Dを回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本変形例5によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0058】
(変形例6)
次に、本実施の形態の変形例6について、
図11を参照して説明する。
図11は、変形例6にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための図である。変形例6は、第1プランジャの構成を変えた以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。
【0059】
変形例6にかかる第1プランジャは、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21hと、先端部21hの径と比して大きい径を有するフランジ部21b(
図2等参照)とを有する。
【0060】
先端部21hは、半導体集積回路100の電極と接触する円錐状の先端接触部24aと、先端接触部24aの基端側に設けられる円柱状の第1基部24bと、第1基部24bの先端接触部24a側と反対側の端部に設けられる第2基部24cとを有する。さらに、先端部21hには、先端接触部24aから第2基部24cにかけて当該先端部21hの一部を切欠いてなり、長手軸N21方向に延びる切欠き部24g、24hが形成される。切欠き部24g、24hは、長手軸N21に対して互いに反対側に設けられる。この切欠き部24g、24hの形成面は、それぞれ平面状をなす。
【0061】
第1プランジャは、先端部21hに荷重が加わっていない状態(
図2参照)において、フランジ部21bがホルダ孔33の小径部33aおよび大径部33bが形成する段部に当接するとともに、第2基部24cが小径部33aの壁面に接触する。この際、第1プランジャは、長手軸N
21が、プローブの軸N
1に対して傾斜した状態となる。一方、先端部21hと接続用電極101とが接触した際、実施の形態と同様に、先端部21hでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24cから第1基部24bに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24cから第1基部24bに移行するタイミングで、第1プランジャが回転し、長手軸N
21が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この回転によって、先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。
【0062】
また、先端部21hには、切欠き部24g、24hが形成されており、この切欠き面がホルダ孔33(小径部33a)に接触することによって、第1プランジャの長手軸N21のまわりの回転が抑制される。また、第1プランジャの長手軸N21のまわりの回転が抑制されると、第2基部24cから第1基部24bに移行する際の第1プランジャの先端接触部24aの移動方向を定めることができる。
【0063】
以上説明した変形例6では、実施の形態と同様に、第1プランジャに、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21Dを回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本変形例6によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0064】
(変形例7)
次に、本実施の形態の変形例7について、
図12および
図13を参照して説明する。
図12は、変形例7にかかるコンタクトプローブが備える第1プランジャの構成を説明するための斜視図である。
図13は、
図12に示す矢視Bからみた先端部の構成を示す図である。変形例7は、第1プランジャの構成を変えた以外は、上述した実施の形態の構成と同じである。上述した実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付す。
【0065】
変形例7にかかる第1プランジャ21Eは、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21iと、先端部21iの径と比して大きい径を有するフランジ部21jとを有する。
【0066】
先端部21iは、半導体集積回路100の電極と接触する角錐状の先端接触部24iと、先端接触部24iの基端側に設けられる角柱状の第1基部24jと、第1基部24jの先端接触部24i側と反対側の端部に設けられ、かつフランジ部21jに連結する第2基部24kとを有する。第2基部24kは、フランジ部21j側に行くにしたがって、長手軸N21と直交する平面を切断面とする断面の大きさが小さくなる角錐台形状をなす。すなわち、第2基部24kは、長手軸N21に対して傾斜した複数の平面によって形成される。
なお、先端部21iは、第3基部24dに相当する角柱状の第3基部をさらに有する構成としてもよい。
【0067】
フランジ部21jは、角柱状をなし、大径部33bに収容され、かつ小径部33aに係止する。
【0068】
第1プランジャ21Eは、先端部21iに荷重が加わっていない状態(
図2参照)において、フランジ部21jがホルダ孔33の小径部33aおよび大径部33bが形成する段部に当接するとともに、第2基部24kが小径部33aの壁面に接触する。この際、第1プランジャ21Eは、長手軸N
21が、プローブの軸N
1に対して傾斜した状態となる。一方、先端部21iと接続用電極101とが接触した際、実施の形態と同様に、先端部21iでは、小径部33aと接触する部位が、第2基部24kから第1基部24jに移行する。小径部33aへの接触部位が第2基部24kから第1基部24jに移行するタイミングで、第1プランジャ21Eが回転し、長手軸N
21が軸N
1(
図2等参照)と平行または一致する。この回転によって、先端接触部24aが接続用電極101の表面を削り、酸化被膜等が破られる。
【0069】
また、先端部21iは、平面部によって形成されており、この平面がホルダ孔33(小径部33a)に接触することによって、第1プランジャ21Eの長手軸N21まわりの回転が抑制される。また、第1プランジャ21Eの長手軸N21のまわりの回転が抑制されると、第2基部24kから第1基部24jに移行する際の第1プランジャ21Eの先端接触部24aの移動方向を定めることができる。
【0070】
以上説明した変形例7では、実施の形態と同様に、第1プランジャ21Eに、軸N1と平行な側面と、該軸N1に対して傾斜した側面とを形成し、検査対象との接触時に、第1プランジャ21Eを回転させて検査対象の表面に形成された酸化被膜を破るようにした。本変形例7によれば、検査対象の電極との電気的な導通を安定させることができる。
【0071】
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。また、実施の形態において説明したプローブ2の構成はあくまでも一例に過ぎず、従来知られているさまざまな種類のプローブに上述した合金材料を適用することが可能である。例えば、上述したようなプランジャとコイルばねとで構成されるものに限らず、第1プランジャを傾斜させることが可能であれば、パイプ部材を備えるプローブ、ポゴピン、またはワイヤを弓状に撓ませて荷重を得るワイヤープローブや、電気接点同士を接続する接続端子(コネクタ)でもよい。
【0072】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【0073】
以上説明したように、本発明に係るコンタクトプローブおよびプローブユニットは、検査対象の電極との電気的な導通を安定させるのに好適である。
【符号の説明】
【0074】
1 プローブユニット
2 コンタクトプローブ(プローブ)
3 プローブホルダ
21、21A~21E 第1プランジャ
21a、21c、21g、21h、21i、22a 先端部
21b、21f、21j、22b フランジ部
21d、22c ボス部
21e、22d 基端部
22 第2プランジャ
23 コイルばね
23a 密着巻き部
23b 粗巻き部
24a、24i 先端接触部
24b、24j 第1基部
24c、24k 第2基部
24d 第3基部
24e 接続面
24f~24h 切欠き部
31 第1部材
32 第2部材
33、34 ホルダ孔
100 半導体集積回路
101 接続用電極
200 回路基板
201 電極