IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体装置 図1
  • 特開-半導体装置 図2
  • 特開-半導体装置 図3
  • 特開-半導体装置 図4
  • 特開-半導体装置 図5
  • 特開-半導体装置 図6
  • 特開-半導体装置 図7
  • 特開-半導体装置 図8
  • 特開-半導体装置 図9
  • 特開-半導体装置 図10
  • 特開-半導体装置 図11
  • 特開-半導体装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110243
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20240807BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H01L23/50 F
H01L25/00 B
H01L23/50 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014719
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】須田 規仁
【テーマコード(参考)】
5F067
【Fターム(参考)】
5F067AA01
5F067AA03
5F067AB04
5F067BC13
5F067BE04
5F067BE08
5F067CA03
(57)【要約】
【課題】ベース部からリードを介した外部への熱の伝導を抑制することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、半導体チップ30と、前記半導体チップ30が搭載されたベース部12と、前記ベース部12と分離され前記半導体チップ30と電気的に接続された第1リード13a、13bと、前記ベース部12と分離された第2リード14と、を備えるリードフレーム10と、前記ベース部12と前記第2リード14とを電気的に接続するボンディングワイヤ44と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
前記半導体チップが搭載されたベース部と、前記ベース部と分離され前記半導体チップと電気的に接続された第1リードと、前記ベース部と分離された第2リードと、を備えるリードフレームと、
前記ベース部と前記第2リードとを電気的に接続するボンディングワイヤと、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記リードフレームは、前記ベース部と接続された第3リードを備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の最短距離は、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の最短距離より長い請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の少なくとも一部に少なくとも一部が設けられ、受動素子を有し能動素子を有さない受動チップを備え、
前記半導体チップは、能動素子を備え、
前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間に前記受動チップは搭載されていない請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ベース部に搭載された受動チップを備え、
前記半導体チップはトランジスタを備え、
前記受動チップは、前記トランジスタと入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、
前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続され、
前記受動チップの少なくとも一部は、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の少なくとも一部に設けられ、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間には搭載されていない請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記リードフレームと、前記半導体チップを封止する封止部を備え、
前記第1リードは、高周波信号が入力する入力リードと、高周波信号が出力する出力リードと、を含み、
前記入力リードおよび前記出力リードは、前記封止部の対向する一対の第1辺にそれぞれ設けられ、
前記第3リードは、前記一対の第1辺の少なくとも一方に設けられ、前記封止部の別の対向する一対の第2辺には設けられておらず、
前記第2リードは、前記一対の第2辺の少なくとも一方に設けられている請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ベース部に搭載された受動チップを備え、
前記半導体チップはトランジスタを備え、
前記受動チップは、前記トランジスタと入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、
前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続された請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記リードフレームと、前記半導体チップを封止し、互いに対向する第1面および第2面を有する封止部を備え、
前記第1リードの端部および前記第2リードの端部は前記第1面から露出し、
前記ベース部の前記半導体チップが搭載された面と反対の面は前記第2面から露出する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1リードにおける前記第1面から露出した端部および前記第2リードにおける前記第1面から露出した端部は、接合部材を用い回路基板に接合される請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2面から露出した前記ベース部の前記反対の面は、放熱部材に接合される請求項9に記載の半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップをリードフレームに搭載した半導体装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-050891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リードフレームのベース部には、ベース部に接続されたリードを介しグランド電位等の基準電位が供給される。ベース部に搭載された半導体チップが発熱すると、リードを介して熱が外部の基板等に伝導してしまう。これにより、外部の基板または外部の基板と半導体装置との接合部に不具合が生じることがある。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、ベース部からリードを介した外部への熱の伝導を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、半導体チップと、前記半導体チップが搭載されたベース部と、前記ベース部と分離され前記半導体チップと電気的に接続された第1リードと、前記ベース部と分離された第2リードと、を備えるリードフレームと、前記ベース部と前記第2リードとを電気的に接続するボンディングワイヤと、を備える半導体装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ベース部からリードを介した外部への熱の伝導を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、図1のB-B断面図である。
図4図4は、実施例1に係る半導体装置が回路基板に実装された断面図である。
図5図5は、比較例1に係る半導体装置の平面図である。
図6図6は、比較例1に係る半導体装置が回路基板に実装された断面図である。
図7図7は、実施例2に係る半導体装置のブロック図である。
図8図8は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。
図9図9は、図8のA-A断面図である。
図10図10は、実施例3に係る半導体装置のブロック図である。
図11図11は、実施例3に係る半導体装置の平面図である。
図12図12は、実施例3に係る半導体装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、半導体チップと、前記半導体チップが搭載されたベース部と、前記ベース部と分離され前記半導体チップと電気的に接続された第1リードと、前記ベース部と分離された第2リードと、を備えるリードフレームと、前記ベース部と前記第2リードとを電気的に接続するボンディングワイヤと、を備える半導体装置である。これにより、ベース部からリードを介した外部への熱の伝導を抑制できる。
(2)上記(1)において、前記リードフレームは、前記ベース部と接続された第3リードを備えてもよい。これにより、ベース部と第1リードおよび第2リードとの分離を抑制できる。
(3)上記(2)において、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の最短距離は、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の最短距離より長くしてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(4)上記(2)において、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の少なくとも一部に少なくとも一部が設けられ、受動素子を有し能動素子を有さない受動チップを備え、前記半導体チップは、能動素子を備え、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間に前記受動チップは搭載されていなくてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(5)上記(2)において、前記ベース部に搭載された受動チップを備え、前記半導体チップはトランジスタを備え、前記受動チップは、前記トランジスタと入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続され、前記受動チップの少なくとも一部は、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の少なくとも一部に設けられ、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間には搭載されていなくてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(6)上記(5)において、前記リードフレームと、前記半導体チップを封止する封止部を備え、前記第1リードは、高周波信号が入力する入力リードと、高周波信号が出力する出力リードと、を含み、前記入力リードおよび前記出力リードは、前記封止部の対向する一対の第1辺にそれぞれ設けられ、前記第3リードは、前記一対の第1辺の少なくとも一方に設けられ、前記封止部の別の対向する一対の第2辺には設けられておらず、前記第2リードは、前記一対の第2辺の少なくとも一方に設けられていてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(7)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記ベース部に搭載された受動チップを備え、前記半導体チップはトランジスタを備え、前記受動チップは、前記トランジスタと入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続されていてもよい。これにより、トランジスタにおいて発生した熱のリードを介した外部への伝導を抑制できる。
(8)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記リードフレームと、前記半導体チップを封止し、互いに対向する第1面および第2面を有する封止部を備え、前記第1リードの端部および前記第2リードの端部は前記第1面から露出し、前記ベース部の前記半導体チップが搭載された面と反対の面は前記第2面から露出してもよい。これにより、半導体チップへの電気的な接続は第1面から行い、半導体チップの熱の放出は第2面から行うことができる。
(9)上記(8)において、前記第1リードにおける前記第1面から露出した端部および前記第2リードにおける前記第1面から露出した端部は、接合部材を用い回路基板に接合されていてもよい。これにより、接合部材の劣化を抑制できる。
(10)上記(9)において、前記第2面から露出した前記ベース部の前記反対の面は、放熱部材に接合されていてもよい。これにより、半導体チップにおいて発生した熱を主に放熱部材から放出できる。
【0010】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかる半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
[実施例1]
図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。図2は、図1のA-A断面図である。図3は、図1のB-B断面図である。図1では、封止部18を透過して示している。封止部18の厚さ方向をZ方向、封止部18の平面形状における辺の延伸方向をX方向およびY方向とする。
【0012】
図1から図3に示すように、実施例1の半導体装置100では、リードフレーム10は、ベース部12、リード13a、13bおよび14を備えている。リード13a、13bおよび14は、ベース部12から分離されている。リード13aおよび13bは、X方向においてベース部12を挟むように設けられ、リード14は、Y方向においてベース部12を挟みように設けられている。
【0013】
ベース部12の上面には、接合材38を介し半導体チップ30が搭載されている。ベース部12の上にはボンディングワイヤ44が接続するパッド16が設けられている。リード13a、13bおよび14は、ボンディングワイヤ41、42および44が接合するパッド部20と、封止部18から露出する端部22と、パッド部20と端部22とを接続する接続部21と、を各々有している。
【0014】
半導体チップ30は、上面に入力パッド31と出力パッド32とを有している。リード13aのパッド部20と入力パッド31とはボンディングワイヤ41により電気的に接続され、短絡されている。リード13bのパッド部20と出力パッド32とはボンディングワイヤ42により電気的に接続され、短絡されている。リード14のパッド部20とパッド16とはボンディングワイヤ44により電気的に接続され、短絡されている。
【0015】
リードフレーム10および半導体チップ30は、封止部18に封止されている。リード13a、13bおよび14の端部22は、封止部18の第1面18aから露出し、ベース部12の下面は封止部18の第2面18bから露出する。半導体チップ30は、例えばトランジスタ34を有する。トランジスタ34は、例えばFET(Field Effect Transiostor)である。断面図では、トランジスタ34の図示を省略している。
【0016】
リードフレーム10は、例えば銅を主成分とする金属板である。半導体チップ30は、例えばGaN系半導体チップ、シリコン系半導体チップ、GaAs系半導体チップであり、一例として、GaN HEMT(Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor)を備えている。パッド16およびパッド部20の上面には、例えば金を主成分とする金属膜が形成されている。金属膜は、ボンディングワイヤ41、42および44との密着性を向上させる膜である。金属膜は設けられていなくてもよい。ボンディングワイヤ41、42および44は、例えば金ワイヤまたはアルミニウムワイヤである。接合材38は導電性であり、例えば半田等のろう材または銀ペースト等の金属ペーストである。封止部18は例えばエポキシ樹脂等の樹脂を主成分とする有機絶縁体である。
【0017】
図4は、実施例1に係る半導体装置が回路基板に実装された断面図である。図4は、図1のB-B断面に対応する。図4では、半導体装置100の上下が図3とは反転されている。回路基板50上にランド51が設けられている。第1面18aから露出するリード14の端部22は、はんだ等の接合部材52によりランド51に接合されている。第2面18bから露出するベース部12はヒートシンク等の放熱部材54に接合されている。
【0018】
回路基板50は、例えばPCB(Printed Circuit Board)である。ランド51は、例えば銅層または金層等の金属層である。放熱部材54は例えば銅等の熱伝導率の高い材料である。
【0019】
回路基板50からランド51および接合部材52を通過し、リード13aの端部22に入力した信号(例えば高周波信号)は、リード13a、ボンディングワイヤ41、入力パッド31を通過し、トランジスタ34に入力する。トランジスタ34から出力された信号(例えば高周波信号)は、出力パッド32、ボンディングワイヤ42、リード13bを通過しリード13bの端部22、接合部材52およびランド51を通過し回路基板50に出力される。トランジスタ34の接地パッド(例えば半導体チップ30の下面)には、リード14、ボンディングワイヤ44、パッド16、ベース部12および接合材38を介し、グランド電位等の基準電位が供給される。半導体チップ30から放出される熱は接合材38およびベース部12を介し放熱部材54に伝導する。
【0020】
[比較例1]
図5は、比較例1に係る半導体装置の平面図である。図5では、封止部18を透過して示している。図5に示すように、比較例1の半導体装置110では、リード14の代わりにリード15が設けられている。リード15は、Y方向においてベース部12を挟むように設けられ、ベース部12に接続されている。パッド16およびボンディングワイヤ44は設けられていない。ベース部12にはリード15を介して基準電位が供給される。その他の構成は実施例1と同じである。
【0021】
図6は、比較例1に係る半導体装置が回路基板に実装された断面図である。図6は、図5のB-B断面に対応する。図6に示すように、比較例1では、ソースには、リード15、ベース部12および接合材38を介し、グランド電位等の基準電位が供給される。このように、比較例1でも実施例1と同様に、ベース部12に基準電位を供給できる。しかし、半導体チップ30から放出される熱はリード15を介し接合部材52に伝導する。このため接合部材52の温度が上昇する。これにより、接合部材52が劣化する可能性がある。また、熱が回路基板50に伝わると、回路基板50の温度が上昇する可能性がある。これにより、回路基板50または回路基板50に実装された電子部品が劣化する可能性がある。
【0022】
[実施例1の説明]
一方、実施例1では、リード13aおよび13b(第1リード)は、ベース部12と分離され半導体チップ30と電気的に接続されている。リード14(第2リード)は、半導体チップ30が搭載されたベース部12と分離されている。このため、半導体チップ30において発生した熱がリード14に伝導することを抑制できる。ボンディングワイヤ44は、ベース部12とリード14とを電気的に接続する。これにより、ベース部12に基準電位を供給できる。ボンディングワイヤ44の熱抵抗はリード15の熱抵抗より高い。このため、ベース部12に基準電位を供給でき、かつリード14に熱が伝導することを抑制できる。よって、接合部材52の劣化および回路基板50の劣化等を抑制できる。
【0023】
封止部18は、リードフレーム10と半導体チップ30を封止する。封止部18は、互いに対向する第1面18aおよび第2面18bを有している。リード13a、13bおよび14の端部22は封止部18の第1面18aから露出する。ベース部12の半導体チップ30が搭載された面と反対の面は第2面18bから露出する。これにより、半導体チップ30への電気的な接続は第1面18aから行い、半導体チップ30の熱の放出は第1面18aとは反対の第2面18bから行うことができる。
【0024】
リード13a、13bおよび14における第1面18aから露出した端部22は、接合部材52を用い回路基板50に接合される。これにより、回路基板50からベース部12に基準電位を供給できる。また、回路基板50から半導体チップ30に信号を供給できる。さらに、ベース部12から接合部材52に熱が伝導することを抑制できるため、接合部材52の劣化を抑制できる。
【0025】
第2面18bから露出したベース部12の面は、放熱部材54に接合される。ベース部12に放熱部材54を接合することで、ボンディングワイヤ44の熱抵抗に比べベース部12から放熱部材54への熱抵抗を低くできる。よって、半導体チップ30において発生した熱は主に放熱部材54から放出できる。
【0026】
[実施例2]
実施例2は、増幅回路の例である。図7は、実施例2に係る半導体装置のブロック図である。図7に示すように、半導体装置102は、増幅器55、整合回路56および58を備えている。増幅器55は、トランジスタ34を備えている。トランジスタ34は、例えばFETであり、ソースS、ゲートGおよびドレインDを備えている。ソースSは接地されている。入力端子Tinから入力した高周波信号は整合回路56を通過しゲートGに入力する。トランジスタ34が増幅した高周波信号はドレインDから整合回路58を通過し出力端子Toutに出力される。整合回路56は、入力端子Tinから整合回路56を見たインピーダンスと、整合回路56からゲートGを見たインピーダンスとを整合させる。整合回路58は、ドレインDから整合回路58を見たインピーダンスと、整合回路58から出力端子Toutを見たインピーダンスとを整合させる。高周波信号は、例えばマイクロ波(300MHzから30GHz)またはミリ波(30GHzから300GHz)である。
【0027】
図8は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。図9は、図8のA-A断面図である。図8および図9に示すように、実施例2の半導体装置102では、リードフレーム10は、ベース部12、リード13a、13b、14および15を備えている。リード15はベース部12に接続されている。リード13aおよび13bは、X方向においてベース部12を挟むように設けられ、リード15は、X方向においてベース部12を挟みように設けられている。リード14は、Y方向においてベース部12を挟むように設けられている。
【0028】
ベース部12の上面には、接合材38を介し半導体チップ30、受動チップ35aおよび35bが搭載されている。ベース部12の上にはボンディングワイヤ44が接続するパッド16が設けられている。受動チップ35aおよび35bは、上面に入力パッド36と出力パッド37とを各々有している。リード13aのパッド部20と受動チップ35aの入力パッド36とはボンディングワイヤ45により電気的に接続され、短絡されている。受動チップ35aの出力パッド37と半導体チップ30の入力パッド31とはボンディングワイヤ41により電気的に接続され、短絡されている。半導体チップ30の出力パッド32と受動チップ35bの入力パッド36とはボンディングワイヤ42により電気的に接続され、短絡されている。受動チップ35bの出力パッド37とリード13bのパッド部20とはボンディングワイヤ46により電気的に接続され、短絡されている。リード14のパッド部20とパッド16とはボンディングワイヤ44により電気的に接続され、短絡されている。
【0029】
リード13aおよび13bは、図7の入力端子Tinおよび出力端子Toutにそれぞれ対応する。半導体チップ30は、図7の増幅器55に対応する。受動チップ35a、ボンディングワイヤ45および41は、図7の整合回路56に対応する。受動チップ35b、ボンディングワイヤ42および46は、図7の整合回路58に対応する。
【0030】
実施例1では、ベース部12に接続されるリード15が設けられていない。この場合、半導体装置100を組み立てるときに、ベース部12とリード13a、13bおよび14が分離してしまう可能性がある。そこで、実施例2では、リードフレーム10は、ベース部12と接続されたリード15(第3リード)を備える。これにより、ベース部12とリード13a,13bおよび14との分離を抑制できる。
【0031】
リード15を設ける場合、リード15がパッド16より半導体チップ30に近いと、半導体チップ30において発生した熱がリード15を伝導してしまう。一方、リード14、ボンディングワイヤ44およびパッド16を設けないと半導体チップ30の近くに基準電位を供給できない。これにより、半導体チップ30のグランドレベルが不安定となる。そこで、距離L2を距離L1より長くする。ここで、距離L2は、ベース部12における半導体チップ30が搭載された第1箇所と、ベース部12にリード15が接続された第2箇所と、の最短距離である。距離L1は、ベース部12における半導体チップ30が搭載された第1箇所と、ベース部12にボンディングワイヤ44が接合された第3箇所と、の最短距離である。これにより、リード15が半導体チップ30から遠いため、半導体チップ30において発生した熱がリード15に伝導することを抑制できる。パッド16を半導体チップ30の近くに設けることで、半導体チップ30のグランドレベルを安定とすることができる。
【0032】
以上の観点から、距離L2は、距離L1の1.5倍以上とすることができ、2倍以上とすることができ、3倍以上とすることができる。距離L2は、例えば距離L1の100倍以下である。
【0033】
半導体チップ30は、トランジスタ34およびダイオード等の能動素子を有している。受動チップ35aおよび35bは、キャパシタ、インダクタおよび抵抗等の受動素子を有し、能動素子を有していない。このため、半導体チップ30は発熱するが、受動チップ35aおよび35bはほとんど発熱しない。そこで、受動チップ35aおよび35bを、ベース部12における半導体チップ30が搭載された第1箇所と、ベース部12にリード15が接続された第2箇所と、の間に搭載する。ベース部12における半導体チップ30が搭載された第1箇所と、ベース部12にボンディングワイヤ44が接合された第3箇所と、の間に受動チップを搭載しない。これにより、半導体チップ30とリード15との間に受動チップ35aおよび35bが搭載されるため、半導体チップ30において発生した熱がリード15に伝導することを抑制できる。半導体チップ30とパッド16との間に受動チップ35aおよび35bを搭載しないため、半導体チップ30のグランドレベルを安定とすることができる。
【0034】
なお、受動チップ35a(または35b)の少なくとも一部が、第1箇所と第2箇所との間の少なくとも一部に設けられていればよい。すなわち、半導体チップ30が搭載された第1箇所からリード15が接続された第2箇所に至る直線のうち少なくとも1つの直線を受動チップ35a(または35b)が遮ればよい。図8では、半導体チップ30が搭載された第1箇所からリード15が接続された第2箇所に至る直線の全てが受動チップ35a(または35b)により遮られる。これにより、半導体チップ30において発生した熱がリード15に伝導することをより抑制できる。
【0035】
受動チップ35aは、トランジスタ34と入力端子Tinとのインピーダンスを整合させる整合回路56の少なくとも一部を備え、受動チップ35bは、トランジスタ34と出力端子Toutとのインピーダンスを整合させる整合回路58の少なくとも一部を備える。このような構成では、トランジスタ34が発熱する。よって、リード14、ボンディングワイヤ44を設けることができる。トランジスタ34がパワーアンプ用のトランジスタの場合、特に半導体チップ30が発熱する。よって、リード14、ボンディングワイヤ44を設けることができる。なお、整合回路56および58の少なくとも一方が設けられていればよい。
【0036】
整合回路56および58は、ほとんど発熱しない。よって、半導体チップ30とリード15との間に受動チップ35aおよび35bを搭載し、半導体チップ30とパッド16との間に受動チップ35aおよび35bを搭載しないことができる。
【0037】
リード13aは、高周波信号が入力する入力リードであり、リード13bは、高周波信号が出力する出力リードである。この場合、リード13aおよび13bは、封止部18の対向する一対の辺19aおよび19b(第1辺)にそれぞれ設けられる。これは、入力信号と出力信号との干渉を抑制するためである。リード15は、辺19aおよび19bに設けられ、封止部18の別の対向する一対の辺19cおよび19d(第2辺)には設けられていない。リード14は、辺19cおよび19dに設けられている。このような配置にすることで、半導体チップ30とリード15との間に受動チップ35aおよび35bを搭載し、半導体チップ30とパッド16との間に受動チップ35aおよび35bを搭載しないようにできる。このため、半導体チップ30において発生した熱がリード15に伝導することを抑制でき、かつ半導体チップ30のグランドレベルを安定とすることができる。
【0038】
なお、リード15は、辺19aおよび19bの少なくとも一方に設けられていればよく、リード14は、辺19cおよび19dの少なくとも一方に設けられていればよい。
【0039】
[実施例3]
実施例3は、移動体通信の基地局に用いられるドハティ増幅器を有する増幅装置の例である。図10は、実施例3に係る半導体装置のブロック図である。図10に示すように、半導体装置104では、半導体装置104は、増幅器61、63aおよび63b並びに整合回路60、62a、62b、64aおよび64bを備えている。半導体装置104は2段の増幅装置である。入力端子Tinから入力された高周波信号は増幅器61により増幅され、さらに増幅器63aおよび63bにより増幅され出力端子Toutから出力される。整合回路60は受動チップ35aに搭載され、整合回路62aおよび62bは受動チップ35bに搭載され、整合回路64aおよび64bは受動チップ35cに搭載されている。増幅器61、63aおよび63bは例えばトランジスタであり例えばFETであり、それぞれ半導体チップ30aから30cに搭載されている。増幅器61は、ドライバアンプである。増幅器63aおよび63bはパワーアンプであり、ドハティ増幅器である。
【0040】
入力端子Tinは整合回路60を介し増幅器61に接続されている。整合回路60は、入力端子Tinから整合回路60を見たインピーダンスと整合回路60から増幅器61を見たインピーダンスとを整合させる。整合回路60はバイアス端子Tg1から増幅器61にゲートバイアスを供給する。増幅器61の出力は整合回路62cを介しノードNmに接続されている。整合回路62cは、増幅器61から整合回路62cを見たインピーダンスと整合回路62cからノードNmを見たインピーダンスとを整合させる。整合回路62cはバイアス端子Td1から増幅器61にドレインバイアスを供給する。増幅器61の出力はノードNmにおいて分岐され、整合回路62aおよび62bを介し増幅器63aおよび63bにそれぞれ接続されている。
【0041】
整合回路62aは、ノードNmから整合回路62aをみたインピーダンスと整合回路62aから増幅器63aを見たインピーダンスとを整合させる。整合回路62aはバイアス端子Tg2aから増幅器63aにゲートバイアスを供給する。整合回路62bは、ノードNmから整合回路62bを見たインピーダンスと整合回路62bから増幅器63bを見たインピーダンスとを整合させる。整合回路62bはバイアス端子Tg2bから増幅器63bにゲートバイアスを供給する。増幅器63aおよび63bの出力は整合回路64aおよび64bをそれぞれ介し合成され出力端子Toutに接続されている。整合回路64aは、増幅器63aから整合回路64aを見たインピーダンスと整合回路64aから出力端子Toutを見たインピーダンスとを整合させる。整合回路64bは、増幅器63bから整合回路64bを見たインピーダンスと整合回路64bから出力端子Toutを見たインピーダンスとを整合させる。整合回路64bはバイアス端子Td2から増幅器63aおよび63bにドレインバイアスを供給する。
【0042】
図11は、実施例3に係る半導体装置の平面図である。図12は、実施例3に係る半導体装置の斜視図である。図11では、封止部18を透過して示している。図11および図12に示すように、半導体装置104では、ベース部12上に、半導体チップ30aから30cおよび受動チップ35aから35cが搭載されている。封止部18の辺19aにリード13aおよび15が設けられ、辺19bにリード13bおよび15が設けられている、辺19cおよび19dにリード13および14が各々設けられている。
【0043】
ボンディングワイヤ45は、リード13aと受動チップ35aとを電気的に接続し、ボンディングワイヤ41aは受動チップ35aと半導体チップ30aとを電気的に接続し、ボンディングワイヤ42aは半導体チップ30aと受動チップ35bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ41bは、受動チップ35bと半導体チップ30bとを電気的に接続し、ボンディングワイヤ41cは、受動チップ35bと半導体チップ30cとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ42bは、半導体チップ30bと受動チップ35cとを電気的に接続し、ボンディングワイヤ42cは、半導体チップ30cと受動チップ35cとを電気的に接続し、ボンディングワイヤ46は、受動チップ35cとリード13bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ47は、リード13と受動チップ35aから35cを電気的に接続する。
【0044】
リード13aは、図9の入力端子Tinに対応し、リード13bは、図9の出力端子Toutに対応する。リード13は、図9のバイアス端子Tg1、Td1、Tg2a、Tg2bおよびTd2に対応する。
【0045】
リード15のうち半導体チップ30a、30bおよび30cに最も近いリードは、それぞれリード15a、15bおよび15cである。パッド16のうち半導体チップ30a、30bおよび30cに最も近いパッドは、それぞれパッド16a、16bおよび16cである。近いリード15aから15cがベース部12に接続する箇所は、パッド16aから16cより、それぞれ半導体チップ30aから30cから遠ければよい。これにより、半導体チップ30aから30cにおいて発生した熱がリード15aから15cにそれぞれ伝導することを抑制できる。半導体チップ30aから30cのグランドレベルを安定とすることができる。
【0046】
また、リード15aから15cがベース部12に接続する箇所と半導体チップ30aから30cの間の少なくとも一部に受動チップ35aおよび35cの少なくとも一部がそれぞれ設けられていればよい。これにより、半導体チップ30aから30cおいて発生した熱がリード15aから15cにそれぞれ伝導することを抑制できる。また、パッド16aから16cと半導体チップ30aから30cとの間に受動チップ35aから35cがそれぞれ設けられていなければよい。これにより、半導体チップ30aから30cのグランドレベルを安定とすることができる。増幅装置として2段増幅装置を例に説明したが1段増幅装置または3段以上の増幅装置でもよい。
【0047】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
10 リードフレーム
12 ベース部
13、13a、13b、14、15、15a,15b,15c リード
16、16a、16c パッド
18 封止部
18a 第1面
18b 第2面
19a,19b,19c、19d 辺
20 パッド部
21 接続部
22 端部
30、30a、30b、30c 半導体チップ
31、36 入力パッド
32、37 出力パッド
34 トランジスタ
35a、35b、35c 受動チップ
38 接合材
41、41a、41b、41c、42、42a、42b、42c、44、45、46、47 ボンディングワイヤ
50 回路基板
51 ランド
52 接合部材
54 放熱部材
55、61、63a、63b 増幅器
56、58、60、62a、62b、62c、64a、64b 整合回路
100、102、104、110 半導体装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
リードフレームと、
ボンディングワイヤと、
を備え、
前記リードフレームは、前記半導体チップが搭載されたベース部と、前記ベース部と分離され前記半導体チップと電気的に接続された第1リードと、前記ベース部と分離された第2リードと、を備え
前記ボンディングワイヤは、前記ベース部と前記第2リードとを電気的に接続する
半導体装置。
【請求項2】
前記リードフレームは、前記ベース部と接続された第3リードを備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の第1最短距離は、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の第2最短距離より長い請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の領域の少なくとも一部に少なくとも一部が設けられ、受動素子を有し能動素子を有さない受動チップを備え、
前記半導体チップは、能動素子を備え、
前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間に前記受動チップは搭載されていない請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ベース部に搭載された受動チップを備え、
前記半導体チップはトランジスタを備え、
前記受動チップは、前記トランジスタと、前記第1リードである入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、
前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続され、
前記受動チップの少なくとも一部は、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の領域の少なくとも一部に設けられ、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間には搭載されていない請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記リードフレームと、前記半導体チップを封止する封止部を備え、
前記第1リードは、高周波信号が入力する入力リードと、高周波信号が出力する出力リードと、を含み、
前記入力リードおよび前記出力リードは、前記封止部の対向する一対の第1辺にそれぞれ設けられ、
前記第3リードは、前記一対の第1辺の少なくとも一方に設けられ、前記封止部の別の対向する一対の第2辺には設けられておらず、
前記第2リードは、前記一対の第2辺の少なくとも一方に設けられている請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ベース部に搭載された受動チップを備え、
前記半導体チップはトランジスタを備え、
前記受動チップは、前記トランジスタと、前記第1リードである入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、
前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続された請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記リードフレームと、前記半導体チップを封止し、互いに対向する第1面および第2面を有する封止部を備え、
前記第1リードの端部および前記第2リードの端部は前記封止部の前記第1面から露出し、
前記ベース部の前記半導体チップが搭載された第2の面と反対の第1の面は前記封止部の前記第2面から露出する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1リードにおける前記封止部の前記第1面から露出した端部および前記第2リードにおける前記封止部の前記第1面から露出した端部は、接合部材を用い回路基板に接合される請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記封止部の前記第2面から露出した前記ベース部の前記第1の面は、放熱部材に接合される請求項9に記載の半導体装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の一実施形態は、半導体チップと、リードフレームと、ボンディングワイヤと、を備え、前記リードフレームは、前記半導体チップが搭載されたベース部と、前記ベース部と分離され前記半導体チップと電気的に接続された第1リードと、前記ベース部と分離された第2リードと、を備え、前記ボンディングワイヤは、前記ベース部と前記第2リードとを電気的に接続する半導体装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、半導体チップと、リードフレームと、ボンディングワイヤと、を備え、前記リードフレームは、前記半導体チップが搭載されたベース部と、前記ベース部と分離され前記半導体チップと電気的に接続された第1リードと、前記ベース部と分離された第2リードと、を備え、前記ボンディングワイヤは、前記ベース部と前記第2リードとを電気的に接続する半導体装置である。これにより、ベース部からリードを介した外部への熱の伝導を抑制できる。
(2)上記(1)において、前記リードフレームは、前記ベース部と接続された第3リードを備えてもよい。これにより、ベース部と第1リードおよび第2リードとの分離を抑制できる。
(3)上記(2)において、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の第1最短距離は、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の第2最短距離より長くしてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(4)上記(2)において、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の領域の少なくとも一部に少なくとも一部が設けられ、受動素子を有し能動素子を有さない受動チップを備え、前記半導体チップは、能動素子を備え、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間に前記受動チップは搭載されていなくてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(5)上記(2)において、前記ベース部に搭載された受動チップを備え、前記半導体チップはトランジスタを備え、前記受動チップは、前記トランジスタと、前記第1リードである入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続され、前記受動チップの少なくとも一部は、前記ベース部における前記半導体チップが搭載された第1箇所と、前記ベース部に前記第3リードが接続された第2箇所と、の間の領域の少なくとも一部に設けられ、前記第1箇所と、前記ベース部に前記ボンディングワイヤが接合された第3箇所と、の間には搭載されていなくてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(6)上記(5)において、前記リードフレームと、前記半導体チップを封止する封止部を備え、前記第1リードは、高周波信号が入力する入力リードと、高周波信号が出力する出力リードと、を含み、前記入力リードおよび前記出力リードは、前記封止部の対向する一対の第1辺にそれぞれ設けられ、前記第3リードは、前記一対の第1辺の少なくとも一方に設けられ、前記封止部の別の対向する一対の第2辺には設けられておらず、前記第2リードは、前記一対の第2辺の少なくとも一方に設けられていてもよい。これにより、第3リードへの熱の伝導を抑制できる。
(7)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記ベース部に搭載された受動チップを備え、前記半導体チップはトランジスタを備え、前記受動チップは、前記トランジスタと、前記第1リードである入力端子または出力端子とのインピーダンスを整合させる整合回路の少なくとも一部を備え、前記第1リードは、前記整合回路を通して前記トランジスタに電気的に接続されていてもよい。これにより、トランジスタにおいて発生した熱のリードを介した外部への伝導を抑制できる。
(8)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記リードフレームと、前記半導体チップを封止し、互いに対向する第1面および第2面を有する封止部を備え、前記第1リードの端部および前記第2リードの端部は前記封止部の前記第1面から露出し、前記ベース部の前記半導体チップが搭載された第2の面と反対の第1の面は前記封止部の前記第2面から露出してもよい。これにより、半導体チップへの電気的な接続は前記封止部の第1面から行い、半導体チップの熱の放出は前記封止部の第2面から行うことができる。
(9)上記(8)において、前記第1リードにおける前記封止部の前記第1面から露出した端部および前記第2リードにおける前記封止部の前記第1面から露出した端部は、接合部材を用い回路基板に接合されていてもよい。これにより、接合部材の劣化を抑制できる。
(10)上記(9)において、前記封止部の前記第2面から露出した前記ベース部の前記第1の面は、放熱部材に接合されていてもよい。これにより、半導体チップにおいて発生した熱を主に放熱部材から放出できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
[実施例1の説明]
一方、実施例1では、リード13aおよび13b(第1リード)は、ベース部12と分離され半導体チップ30と電気的に接続されている。リード14(第2リード)は、半導体チップ30が搭載されたベース部12と分離されている。このため、半導体チップ30において発生した熱がリード14に伝導することを抑制できる。ボンディングワイヤ44は、ベース部12とリード14とを電気的に接続する。これにより、ベース部12に基準電位を供給できる。ボンディングワイヤ44の熱抵抗はリード14の熱抵抗より高い。このため、ベース部12に基準電位を供給でき、かつリード14に熱が伝導することを抑制できる。よって、接合部材52の劣化および回路基板50の劣化等を抑制できる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
なお、受動チップ35a(または35b)の少なくとも一部が、第1箇所と第2箇所との間の領域の少なくとも一部に設けられていればよい。すなわち、ベース部12に半導体チップ30が搭載された第1箇所からベース部12にリード15が接続された第2箇所に至る直線のうち少なくとも1つの直線を受動チップ35a(または35b)が遮ればよい。図8では、ベース部12に半導体チップ30が搭載された第1箇所からベース部12にリード15が接続された第2箇所に至る直線の全てが受動チップ35a(または35b)により遮られる。これにより、半導体チップ30において発生した熱がリード15に伝導することをより抑制できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
[実施例3]
実施例3は、移動体通信の基地局に用いられるドハティ増幅器を有する増幅装置の例である。図10は、実施例3に係る半導体装置のブロック図である。図10に示すように、半導体装置104では、半導体装置104は、増幅器61、63aおよび63b並びに整合回路60、62a、62b、62c、64aおよび64bを備えている。半導体装置104は2段の増幅装置である。入力端子Tinから入力された高周波信号は増幅器61により増幅され、さらに増幅器63aおよび63bにより増幅され出力端子Toutから出力される。整合回路60は受動チップ35aに搭載され、整合回路62aおよび62bは受動チップ35bに搭載され、整合回路64aおよび64bは受動チップ35cに搭載されている。増幅器61、63aおよび63bは例えばトランジスタであり例えばFETであり、それぞれ半導体チップ30aから30cに搭載されている。増幅器61は、ドライバアンプである。増幅器63aおよび63bはパワーアンプであり、ドハティ増幅器である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
リード15のうち半導体チップ30a、30bおよび30cに最も近いリードは、それぞれリード15a、15bおよび15cである。パッド16のうち半導体チップ30a、30bおよび30cに最も近いパッドは、それぞれパッド16a、16bおよび16cである。リード15aから15cがベース部12に接続する箇所は、パッド16aから16cより、それぞれ半導体チップ30aから30cから遠ければよい。これにより、半導体チップ30aから30cにおいて発生した熱がリード15aから15cにそれぞれ伝導することを抑制できる。半導体チップ30aから30cのグランドレベルを安定とすることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
また、リード15aから15cがベース部12に接続する箇所と半導体チップ30aから30cの間の領域の少なくとも一部に受動チップ35aから35cの少なくとも一部がそれぞれ設けられていればよい。これにより、半導体チップ30aから30cおいて発生した熱がリード15aから15cにそれぞれ伝導することを抑制できる。また、パッド16aから16cと半導体チップ30aから30cとの間に受動チップ35aから35cがそれぞれ設けられていなければよい。これにより、半導体チップ30aから30cのグランドレベルを安定とすることができる。増幅装置として2段増幅装置を例に説明したが1段増幅装置または3段以上の増幅装置でもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8