(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110264
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】インダクタ部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/04 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F17/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014762
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】數田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】飛田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】志賀 悠人
(72)【発明者】
【氏名】田久保 悠一
(72)【発明者】
【氏名】郭 旭冉
(72)【発明者】
【氏名】小林 創
(72)【発明者】
【氏名】小松 大飛
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼沼 達
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB10
5E070BA12
5E070CB02
5E070CB13
(57)【要約】
【課題】特性劣化を抑制するインダクタ部品を提供する。
【解決手段】インダクタ部品ED1は、素体1と、素体1内に配置されているコイル導体31b~31eを含むコイル31と、を備えている。素体1は、電気絶縁性を有すると共に、コイル導体31b~31eを挟んで第一方向D1で互いに対向する一対の層3b~3eと、電気絶縁性を有すると共に、一対の層3b~3eの間で、かつ、コイル導体31b~31eと同じ層に、コイル導体31b~31eと沿うように位置する層4b~4eと、を含んでいる。層4b~4eは、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素体と、
前記素体内に配置されているコイル導体を含むコイルと、を備え、
前記素体は、
電気絶縁性を有すると共に、前記コイル導体を挟んで前記コイルの軸方向で互いに対向する一対の第一層と、
電気絶縁性を有すると共に、前記一対の第一層の間で、かつ、前記コイル導体と同じ層に、前記コイル導体と沿うように位置する第二層と、を含み、
前記第二層は、前記第一層の硬度より大きい硬度を有する、インダクタ部品。
【請求項2】
前記第二層は、電気絶縁性フィラーを含む、請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項3】
前記軸方向から見て、前記第二層の外縁の全体が、前記第一層の外縁の内側に位置している、請求項1又は2に記載のインダクタ部品。
【請求項4】
前記コイル導体と前記第二層との、前記軸方向に直交する方向での最小間隔は、前記第一層の前記外縁と前記第二層の前記外縁との、前記軸方向に直交する前記方向での最小間隔より小さい、請求項3に記載のインダクタ部品。
【請求項5】
前記コイル導体と前記第二層との間に、中間層が配置され、
前記中間層は、前記第二層の硬度より小さい硬度を有する、請求項1又は2に記載のインダクタ部品。
【請求項6】
前記素体は、実装面を構成する主面を含むと共に電気絶縁性を有する第三層を更に含み、
前記第三層は、前記第一層の硬度より大きい硬度を有する、請求項1又は2に記載のインダクタ部品。
記載のインダクタ部品。
【請求項7】
前記軸方向から見て、前記第二層は、前記コイル導体の外縁を囲んでいる、請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項8】
前記軸方向から見て、前記第二層は、前記コイルの内側に位置している、請求項7に記載のインダクタ部品。
【請求項9】
前記軸方向から見て、前記第二層は、前記コイルの外側に位置している、請求項7又は8に記載のインダクタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているインダクタ部品は、素体と、素体内に配置されているコイル導体を含むコイルと、を備えている(たとえば、特許文献1参照)。素体は、電気絶縁性を有する複数の層を含む。コイル導体は、電気絶縁性を有する上記層の間に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インダクタ部品では、電気絶縁性を有する層からコイル導体層に力が作用することがある。この場合、コイル導体が変形するおそれがある。コイル導体の変形は、インダクタ部品の特性を劣化させるおそれがある。たとえば、コイル導体の変形は、抵抗成分を増加させる傾向がある。抵抗成分の増加は、Q特性を低下させる傾向がある。
【0005】
本発明の一つの態様は、特性劣化を抑制するインダクタ部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係るインダクタ部品は、素体と、素体内に配置されているコイル導体を含むコイルと、を備えている。素体は、電気絶縁性を有すると共に、コイル導体を挟んでコイルの軸方向で互いに対向する一対の第一層と、電気絶縁性を有すると共に、一対の第一層の間で、かつ、コイル導体と同じ層に、コイル導体と沿うように位置する第二層と、を含んでいる。第二層は、第一層の硬度より大きい硬度を有している。
【0007】
上記一つの態様では、第一層の硬度より大きい硬度を有する第二層が、一対の第一層の間に、コイル導体と沿うように位置している。したがって、第一層からコイル導体に力が作用する場合でも、コイル導体に力が作用しがたく、コイル導体は変形しがたい。この結果、上記一つの態様は、インダクタ部品の特性劣化を抑制する。
【0008】
上記一つの態様では、第二層は、電気絶縁性フィラーを含んでもよい。
第二層が電気絶縁性フィラーを含む構成は、第一層の硬度より大きい硬度を有する第二層を確実に実現する。本構成は、インダクタ部品の特性劣化を確実に抑制する。
【0009】
上記一つの態様では、軸方向から見て、第二層の外縁の全体が、第一層の外縁の内側に位置していてもよい。
軸方向から見て、第二層の外縁の全体が、第一層の外縁の内側に位置する構成では、第二層は、当該第二層の外縁が、第一層の外縁に達するまで配置されなくてよい。第一層の外縁に配置する第二層が減少する分、第一層の外縁での素体の硬度が減少し得る。
【0010】
上記一つの態様では、コイル導体と第二層との、軸方向に直交する方向での最小間隔は、第一層の外縁と第二層の外縁との、軸方向に直交する方向での最小間隔より小さくてもよい。
コイル導体と第二層との上記最小間隔が、第一層の外縁と第二層の外縁との上記最小間隔より小さい構成では、第二層は、より一層コイル導体と沿うように位置する。したがって、第一層からコイル導体に力が作用する場合でも、コイル導体に力がより一層作用しがたく、コイル導体はより一層変形しがたい。この結果、本構成は、インダクタ部品の特性劣化をより一層抑制する。
【0011】
上記一つの態様では、コイル導体と第二層との間に、中間層が配置されてもよい。中間層は、第二層の硬度より小さい硬度を有してもよい。
コイル導体と第二層との間に、中間層が配置され、中間層は、第二層の硬度より小さい硬度を有している構成では、コイル導体と第二層とが接している構成に比して、第一層からコイル導体に作用する力に起因する応力がコイル導体に残りがたい。したがって、本構成は、インダクタ部品の特性劣化をより一層抑制する。
【0012】
上記一つの態様では、素体は、実装面を構成する主面を含むと共に電気絶縁性を有する第三層を含んでいてもよい。第三層は、第一層の硬度より大きい硬度を有していてもよい。
素体が上記第三層を含む構成は、実装面の強度を向上させる。したがって、本構成は、インダクタ部品の信頼性を向上させる。
【0013】
上記一つの態様では、軸方向から見て、第二層は、コイル導体の外縁を囲んでいてもよい。
軸方向から見て、第二層がコイル導体の外縁を囲んでいる構成では、コイル導体に力がより一層作用しがたく、コイル導体はより一層変形しがたい。したがって、本構成は、インダクタ部品の特性劣化をより一層抑制する。
【0014】
上記一つの態様では、軸方向から見て、第二層は、コイルの内側に位置していてもよい。
軸方向から見て、第二層がコイルの内側に位置している構成では、第二層は、コイルの内側で、コイル導体と沿うように位置し、一対の第一層の間に、コイル導体のためのスペースをより一層確保する。したがって、本構成は、コイル導体の形状の変化を更により確実に抑制する。
【0015】
上記一つの態様では、軸方向から見て、第二層は、コイルの外側に位置していてもよい。
軸方向から見て、第二層がコイルの外側に位置している構成では、コイル導体がコイルの外側に変形するのを抑制する傾向がある。この場合、コイルの外側に形成される磁路が狭まるのを抑制する傾向がある。したがって、本構成は、インダクタ部品の特性劣化をより一層に抑制する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一つの態様は、特性劣化を抑制するインダクタ部品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るインダクタ部品を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るインダクタ部品を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の第一変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の第一変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態の第二変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の第二変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の第三変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の第三変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態の第四変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態の第四変形例に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態及び変形例について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。本明細書では、
図1~
図12を参照しながら、インダクタ部品ED1の構成を説明する。インダクタ部品ED1は、たとえば、積層インダクタを含む。
【0019】
初めに、
図1~
図4を参照しながら、実施形態に係るインダクタ部品ED1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係るインダクタ部品を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係るインダクタ部品を示す分解斜視図である。
図3及び
図4は、本実施形態に係るインダクタ部品の断面構成を示す図である。
図3及び
図4では、各部を明確に示すため、ハッチングが省略されている。
【0020】
図1~
図3に示されるように、インダクタ部品ED1は、素体1、外部電極10,20、及び内部導体30を備えている。内部導体30は、素体1内に配置され、外部電極10,20に電気的に接続されている。
【0021】
素体1は、たとえば、直方体形状を呈している。素体1は、互いに対向している主面1a,1bと、互いに対向している側面1c,1dと、互いに対向している側面1e,1fと、を有している。主面1a,1b及び側面1c,1d,1e,1fは、素体1の外表面を構成している。本実施形態では、主面1aは、実装面を構成している。主面1aは、インダクタ部品ED1が他の電子機器、たとえば、回路基材、又は積層電子部品に実装される際に、他の電子機器と対向する。主面1bが、実装面を構成してもよい。本明細書での「直方体形状」は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。たとえば、主面1aが第一主面を構成する場合、主面1bは、第二主面を構成する。
【0022】
主面1a,1bは、第一方向D1で互いに対向している。主面1a,1bは、素体1の第一方向D1での両端を規定している。側面1c,1dは、第二方向D2で互いに対向している。側面1c,1dは、素体1の第二方向D2での両端を規定している。側面1e,1fは、第三方向D3で互いに対向している。側面1e,1fは、素体1の第三方向D3での両端を規定している。本実施形態では、第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3は、互いに直交している。
【0023】
主面1a及び主面1bは、側面1cと側面1dとを連結するように、第二方向D2に延在している。主面1a及び主面1bは、側面1eと側面1fとを連結するように、第三方向D3に延在している。側面1c及び側面1dは、主面1aと主面1bとを連結するように、第一方向D1に延在している。側面1c及び側面1dは、側面1eと側面1fとを連結するように、第三方向D3に延在している。側面1e及び側面1fは、主面1aと主面1bとを連結するように、第一方向D1に延在している。側面1e及び側面1fは、側面1cと側面1dとを連結するように、第二方向D2に延在している。
【0024】
第一方向D1での素体1の長さは、たとえば、約0.2mmである。第二方向D2での素体1の長さは、たとえば、約0.4mmである。第三方向D3での素体1の長さは、たとえば、約0.2mmである。本実施形態では、たとえば、第二方向D2が、素体1の長手方向である。
【0025】
外部電極10,20は、素体1に配置されている。本実施形態では、外部電極10,20は、主面1aに配置されている。外部電極10,20は、互いに離間している。外部電極10は、たとえば、側面1c寄りに配置されている。外部電極20は、たとえば、側面1d寄りに配置されている。外部電極10と外部電極20とは、たとえば、第二方向D2で互いに離間している。外部電極10,20は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。本明細書での「矩形状」は、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状を含む。
【0026】
外部電極10,20は、導電材料を含む。導電材料は、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、Sn、又は、Wを含む。導電材料は、たとえば、Ag-Pd合金、Ag-Cu合金、Ag-Au合金、又は、Ag-Pt合金を含む。外部電極10,20は、たとえば、Niめっき膜、Snめっき膜、Cuめっき膜、又はAuめっき膜を含む。外部電極10,20は、これらのめっき膜の多層構造を有してもよく、Niめっき膜と、Niめっき膜上に形成されたAuめっき膜とを含んでいてもよい。外部電極10,20の厚みは、たとえば、5~20μmである。
【0027】
内部導体30は、素体1内に配置されている。内部導体30は、たとえば、コイル31とスルーホール32とを含んでいる。コイル31は、たとえば、複数のコイル導体31b~31eによって形成されている。本実施形態では、コイル31の軸方向は、第一方向D1である。コイル導体31b~31eは、第一方向D1から見て、少なくとも一部が互いに重なるように配置されている。コイル導体31b~31eは、主面1a,1b及び側面1c,1d,1e,1fから離間している。コイル31は、たとえば、螺旋状を呈している。
【0028】
スルーホール32は、たとえば、スルーホール導体33と、スルーホール導体34と、スルーホール導体35とによって形成されている。スルーホール導体33は、複数のスルーホール導体層33c~33fによって形成されている。スルーホール導体34は、スルーホール導体層34fによって形成されている。スルーホール導体35は、スルーホール導体35a~35e,35p~35tによって形成されている。複数のコイル導体31b~31eは、対応するスルーホール導体35a~35dによって互いに電気的に接続されている。複数のスルーホール導体層33c~33fは、対応するスルーホール導体35p~35rによって互いに電気的に接続されている。
【0029】
スルーホール導体33は、コイル31と外部電極10とを電気的に接続している。スルーホール導体33は、第一方向D1に延在している。スルーホール導体33の主面1b寄りの端部が、内部導体30の主面1b寄りの一端に接続されている。本実施形態では、スルーホール導体33の主面1b寄りの端部が、コイル導体31bの一端に接続されている。スルーホール導体33は、コイル導体31bと外部電極10とを電気的に接続している。スルーホール導体33は、第一方向D1から見て、コイル31よりも側面1c寄りに配置されている。
【0030】
スルーホール導体34は、コイル31と外部電極20とを電気的に接続している。スルーホール導体34は、第一方向D1に延在している。スルーホール導体34の主面1b寄りの端部が、内部導体30の主面1a寄りの一端に接続されている。本実施形態では、スルーホール導体34の主面1b寄りの端部が、コイル導体31eの一端に接続されている。スルーホール導体34は、コイル導体31eと外部電極20とを電気的に接続している。スルーホール導体34は、第一方向D1から見て、スルーホール導体33よりも側面1d寄りに配置されている。
【0031】
内部導体30は、導電材料を含む。導電材料は、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、又は、Wを含む。導電材料は、たとえば、Ag-Pd合金、Ag-Cu合金、Ag-Au合金、又は、Ag-Pt合金を含む。内部導体30は、たとえば、外部電極10,20と同じ導電材料を含む。内部導体30は、外部電極10,20と異なる導電材料を含んでいてもよい。
【0032】
素体1は、たとえば、複数の層2a~2fが積層されて形成されている。本実施形態では、複数の層2a~2fの積層方向は、第一方向D1である。複数の層2a~2fは、実際には互いの境界が視認できない程度に一体化されている。層2a~2fのそれぞれは、たとえば、層3a~3fを有している。層2b~2fのそれぞれは、たとえば、層4b~4fを有している。層2aは、たとえば、層3aを有している。層2b~2fのそれぞれは、たとえば、層3b~3f及び層4b~4fを有している。層3a~3f及び層4b~4fは、電気絶縁性を有する。層3a~3eが第一層を構成する場合、層4b~4fは、第二層を構成し、層3fは、第三層を構成する。
【0033】
第一方向D1から見て、層4b~4fのそれぞれは、コイル31及びスルーホール32が配置される領域以外の層3b~3fを覆っている。第一方向D1から見て、層4b~4eは、コイル導体31b~31eの外縁を囲んでいる。第一方向D1から見て、層4c~4fは、スルーホール導体層33c~33fの外縁を囲んでいる。層4b~4fの外縁は、たとえば、層3b~3fの外縁に達している。
【0034】
層2aは、層3aを含んでいる。層2aは、素体1の最上層を構成し、層2aの主面2qは、素体1の主面1bに相当する。層3aは、たとえば、主面1bを含んでいる。層2bは、層3bと、層3bに配置されたコイル導体31b及び層4bとを含んでいる。層3aと層3bは、一対の層3a,3bを構成し、一対の層3a,3bは、コイル導体31bを挟んで第一方向D1で互いに対向している。層4bは、層3a,3bの間で、コイル導体31bと沿うように位置している。層4bは、コイル導体31bと同じ層に存在している。第一方向D1から見て、層4bは、コイル導体31bの外縁を囲んでいる。層4bは、コイル導体31bが配置される領域以外の層3bを覆っている。本実施形態では、層4bは、コイル導体31bが配置される領域以外の層3bの全体を覆っている。層4bの外縁は、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。
【0035】
層2cは、層3cと、層3cに配置されたコイル導体31c及びスルーホール導体層33cと、層4cとを含んでいる。層2bと層2cとの間には、スルーホール導体35a,35bが配置されている。スルーホール導体35aは、コイル導体31bの一端とコイル導体31cの一端とを接続している。スルーホール導体35bは、コイル導体31bの他端とスルーホール導体層33cとを接続している。層3bと層3cは、一対の層3b,3cを構成し、一対の層3b,3cは、コイル導体31cを挟んで第一方向D1で互いに対向している。層4cは、層3b,3cの間で、コイル導体31cと沿うように位置している。層4cは、コイル導体31cと同じ層に存在している。第一方向D1から見て、層4cは、コイル導体31cの外縁を囲んでいる。層4cは、コイル導体31c及びスルーホール導体層33cが配置される領域以外の層3cを覆っている。本実施形態では、層4cは、コイル導体31c及びスルーホール導体層33cが配置される領域以外の層3cの全体を覆っている。層4cの外縁は、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。
【0036】
層2dは、層3dと、層3dに配置されたコイル導体31d及びスルーホール導体層33dと、層4dを含んでいる。層2cと層2dとの間には、スルーホール導体35cとスルーホール導体35pとが配置されている。スルーホール導体35cは、コイル導体31cの他端とコイル導体31dの一端とを接続している。スルーホール導体35pは、スルーホール導体層33cとスルーホール導体層33dとを接続している。層3cと層3dは、一対の層3c,3dを構成し、一対の層3c,3dは、コイル導体31dを挟んで第一方向D1で互いに対向している。層4dは、層3c,3dの間で、コイル導体31dと沿うように位置している。層4dは、コイル導体31dと同じ層に存在している。第一方向D1から見て、層4dは、コイル導体31dの外縁を囲んでいる。層4dは、コイル導体31d及びスルーホール導体層33dが配置される領域以外の層3dを覆っている。本実施形態では、層4dは、コイル導体31d及びスルーホール導体層33dが配置される領域以外の層3dの全体を覆っている。層4dの外縁は、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。
【0037】
層2eは、層3eと、層3eに配置されたコイル導体31e及びスルーホール導体層33eと、層4eとを含んでいる。層2dと層2eとの間には、スルーホール導体35dとスルーホール導体35qとが配置されている。スルーホール導体35dは、コイル導体31dの他端とコイル導体31eの一端とを接続している。スルーホール導体35qは、スルーホール導体層33dとスルーホール導体層33eとを接続している。層3dと層3eは、一対の層3d,3eを構成し、一対の層3d,3eは、コイル導体31eを挟んで第一方向D1で互いに対向している。層4eは、層3d,3eの間で、コイル導体31eと沿うように位置している。層4eは、コイル導体31eと同じ層に存在している。第一方向D1から見て、層4eは、コイル導体31eの外縁を囲んでいる。層4eは、コイル導体31e及びスルーホール導体層33eが配置される領域以外の層3eを覆っている。本実施形態では、層4eは、コイル導体31e及びスルーホール導体層33eが配置される領域以外の層3eの全体を覆っている。層4eの外縁は、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。
【0038】
層2fは、層3fと、層3fに配置されたスルーホール導体層33f,34fと、層4fとを含んでいる。層2eと層2fとの間には、スルーホール導体35eとスルーホール導体35rとが配置されている。スルーホール導体35eは、コイル導体31eの他端とスルーホール導体層34fとを接続している。スルーホール導体35rは、スルーホール導体層33eとスルーホール導体層33fとを接続している。層3e,3fは、スルーホール導体層33f,34fを挟んで第一方向D1で互いに対向している。層4fは、層3e,3fの間で、スルーホール導体層33f,34fと沿うように位置している。層4fは、スルーホール導体層33f,34fと同じ層に存在している。第一方向D1から見て、層4fは、スルーホール導体層33f,34fの外縁を囲んでいる。層4fは、スルーホール導体層33f,34fが配置される領域以外の層3fを覆っている。本実施形態では、層4fは、スルーホール導体層33f,34fが配置される領域以外の層3fの全体を覆っている。層4fの外縁は、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。層3fは、たとえば、主面1aを含んでいる。
【0039】
層2fと外部電極10との間には、スルーホール導体35sが配置され、層2fと外部電極20との間には、スルーホール導体35tが配置されている。スルーホール導体35sは、スルーホール導体層33fと外部電極10とを接続している。スルーホール導体35tは、スルーホール導体層34fと外部電極20とを接続している。本実施形態では、層2fは、第一方向D1に積層される二つの層を含んでいてもよい。層2fが二つの層を含む構成では、たとえば、二つの層の間にスルーホール導体層が配置される。スルーホール導体35sは、二つの層の間に配置されるスルーホール導体層を介して、スルーホール導体層33fと外部電極10とを接続する。スルーホール導体35tは、二つの層の間に配置されるスルーホール導体層を介して、スルーホール導体層34fと外部電極20とを接続する。
【0040】
本実施形態では、コイル導体31b~31eの厚みは、たとえば、3~25μmである。スルーホール導体層33c~33f,34fの厚みは、たとえば、3~25μmである。本実施形態では、層4b~4fの厚みは、たとえば、コイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~33f,34fの厚みと略同一である。層4b~4fの厚みは、コイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~33f,34fの厚みより大きくてもよい。
【0041】
素体1において、層3a~3e及び層4b~4fのそれぞれに含まれる電気絶縁材料は、たとえば、互いに異なっていてもよい。層3aと、層3b~3eとに含まれる電気絶縁材料は、たとえば、互いに異なっていてもよい。層3b~3eのそれぞれに含まれる電気絶縁材料は、たとえば、互いに同じであってもよい。層4b~4fのそれぞれに含まれる電気絶縁材料は、たとえば、互いに同じであってもよい。層3b~3eは、たとえば、第一無機物を含む。層4b~4fは、たとえば、第一無機物とは異なる第二無機物を含む。層3a,3fは、たとえば、第一無機物及び第二無機物と異なる第三無機物を含む。層3a,3fは、第二無機物を含んでもよい。本実施形態では、第二無機物及び第三無機物は、第一無機物の硬度より大きい硬度を有する。
【0042】
第一無機物は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料を含む。第一無機物は、たとえば、Fe合金を含んでもよい。第一無機物は、ガラスセラミック材料又は誘電体材料を含んでいてもよい。
【0043】
第二無機物は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料を含む。第二無機物は、たとえば、金属酸化物を含む。金属酸化物は、たとえば、Al2O3、SrO、ZrO2、又はTiO2を含む。第二無機物は、たとえば、Fe合金を含んでもよい。第二無機物は、ガラスセラミック材料又は誘電体材料を含んでもよい。
【0044】
第三無機物は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料を含む。第三無機物は、たとえば、金属酸化物を含む。金属酸化物は、たとえば、Al2O3、SrO、ZrO2、又はTiO2を含む。第三無機物は、たとえば、Fe合金を含んでもよい。第三無機物は、ガラスセラミック材料又は誘電体材料を含んでもよい。
【0045】
本実施形態では、層4b~4fのそれぞれは、たとえば、電気絶縁性フィラーを含む。電気絶縁性フィラーは、たとえば、ガラスエポキシ、ガラスファイバー、ガラスセラミック、又は、誘電体材料を含む。
【0046】
本実施形態では、層4b~4f及び層3a,3fは、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有する。層4b~4f、層3a,3f、及び層3b~3eの硬度は、それぞれ、層4b~4f、層3a,3f、及び層3b~3eの機械的強度を示す指標である。層4b~4f、層3a,3f、及び層3b~3eの硬度は、たとえば、試験刃を用いた試験によって求められる。試験刃を用いた試験によって層4bの硬度を求める場合、たとえば、素体1を第一方向D1に垂直な方向に切断し、層4bでの切断面を露出させる。露出した層4bでの切断面に、たとえば、第一方向D1で試験刃を押し当てて、層4bを破断させる。本実施形態では、ニュートン単位で、層4bを破断させるために必要な力を測定する。試験刃を用いた試験によって層4c~4f、層3a,3f、及び層3b~3eの硬度を求める場合、これら層4c~4f、層3a,3f、及び層3b~3eでの切断面を露出させる。層4bの場合と同じ手順に従って、層4c~4f、層3a,3f、及び層3b~3eを破断させるために必要な力を測定する。
本実施形態では、層4b~4f、層3a,3f、及び層3b~3eを破断させるために必要な力を測定した結果から、それぞれ、層4b~4f、層3a,3f、及び層3b~3eの硬度を求める。破断させるために必要な力の大きさが、硬度の大きさと相関関係を有すると見做して、破断させるために必要な力が大きい層が、破断させるために必要な力が小さい層よりも硬度が大きいとする。たとえば、層4bを破断させるために必要な力が、層3bを破断させるために必要な力より大きい場合、層4bは、層3bの硬度より大きい硬度を有すると見積もる。本実施形態では、一の層に対して、試験刃を用いた試験を複数回行い、複数の測定結果の平均値を、当該一の層の破断させるために必要な力とする。層4b~4f及び層3a,3fの硬度の平均値は、層3b~3eの硬度の平均値より大きい。
【0047】
図4は、インダクタ部品ED1の断面構成を示す図であり、層4c、コイル31、及びスルーホール導体層33cを示している。
図4に示されるように、第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の内側に位置している。第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の外側に位置している。本実施形態では、層4cは、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域とを含んでいる。層4cは、たとえば、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との少なくともいずれか一つを含んでいる。層4cは、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との二つを含んでいてもよい。本実施形態では、層4b,4d~4fは、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との少なくともいずれか一つを含んでいる。層4b,4d~4fは、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との二つを含んでいてもよい。
【0048】
以下、インダクタ部品ED1の製造方法の一例について説明する。インダクタ部品ED1を製造するための各過程の順番は、互いに入れ替わってもよい。製造方法の一例では、初めに、スラリーと基材とを用意する。スラリーは、たとえば、絶縁性樹脂と溶剤とを混合した材料を含む。絶縁性樹脂は、たとえば、アクリル樹脂又はブチラール樹脂を含む。溶剤は、たとえば、エチルカルビトール又はブチルカルビトールを含む。基材は、たとえば、PETフィルムを含む。
【0049】
続いて、たとえば、ドクターブレード法によって、スラリーを基材上に塗布して、複数のグリーンシートを準備する。複数のグリーンシートは、たとえば、第一及び第二グリーンシートを含む。第一及び第二グリーンシートから素体1を形成する。第一グリーンシートは、たとえば、層3b~3eを形成するために用いられる。第二グリーンシートは、たとえば、層3a,3fを形成するために用いられる。層3fを形成する第二グリーンシートは、互いに対向している第一面と第二面とを含む。
【0050】
第一グリーンシートを形成するスラリーは、たとえば、第一無機物を含む。したがって、第一グリーンシートを準備することは、第一無機物を含む第一グリーンシートを準備することを含む。本実施形態では、第一グリーンシートを準備することは、第一無機物の粒子を含む第一グリーンシートを準備することを含む。第二グリーンシートを形成するスラリーは、たとえば、第三無機物を含む。したがって、第二グリーンシートを準備することは、第三無機物を含む第二グリーンシートを準備することを含む。本実施形態では、第二グリーンシートを準備することは、第三無機物の粒子を含む第二グリーンシートを準備することを含む。
【0051】
第二グリーンシートには、スルーホール導体35s,35tのための貫通孔をそれぞれ形成する。貫通孔は、たとえば、第二グリーンシートへのレーザ光の照射によって形成される。続いて、第二グリーンシートには、外部電極10,20を形成するための導電性ペーストを付与する。本実施形態では、導電性ペーストを用い、電極パターンを第二グリーンシートの第一面上に形成する。電極パターンから、外部電極10,20を形成する。電極パターンは、互いに離間する一対の部分を含む。外部電極10,20を形成する導電性ペーストは、たとえば、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子を含む金属粉末に、ガラス成分、アルカリ金属、有機バインダ、及び有機溶剤を混合して準備される。
【0052】
基台を準備し、第二グリーンシートを基台上に載置する。基台は、たとえば、ポリエチレン系フィルムを含む。本実施形態では、外部電極10,20を形成する電極パターンが形成された第二グリーンシートを、電極パターンが基台と接するように、基台上に載置する。
【0053】
第二グリーンシートの第二面上には、続いて、スルーホール導体層33f,34fを形成するための導電パターンを形成する導電性ペーストを付与する。導電パターンからスルーホール導体層33f,34fを形成する。続いて、層4fを形成するための絶縁パターンを形成する電気絶縁性ペーストを付与する。絶縁パターンは、スルーホール導体層33f,34fが形成される領域以外の第二グリーンシートを覆っている。電気絶縁性ペーストは、たとえば、ダイコーターによって第二グリーンシートに塗布される。絶縁パターンは、たとえば、電気絶縁性ペーストを乾燥させることによって形成される。
【0054】
複数の第一グリーンシートから素体1を形成する。複数の第一グリーンシートは、たとえば、層3b~3eを形成するために用いられる。複数の第一グリーンシートには、導体パターンを形成する導電性ペーストを付与する。導体パターンは、たとえば、複数のコイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~34eを形成する。導電性ペーストを用い、導体パターンを第一グリーンシートに形成する。本実施形態では、各第一グリーンシート上に、それぞれ、コイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~34eを形成する導体パターンが形成される。導体パターンを形成する導電性ペーストは、たとえば、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子を含む金属粉末に、ガラス成分、アルカリ金属、有機バインダ、及び有機溶剤を混合して準備される。
【0055】
本実施形態では、導体パターンが形成された第一グリーンシートを、層4fを形成するための電気絶縁性ペーストを付与した第二グリーンシート上に載置する。初めに、コイル導体31e及びスルーホール導体層33eを形成する導体パターンを有する第一グリーンシートが、第二グリーンシート上に配置される。続いて、コイル導体31d及びスルーホール導体層33dを形成する導体パターンを有する第一グリーンシートが積層される。続いて、コイル導体31c及びスルーホール導体層33cを形成する導体パターンを有する第一グリーンシートが積層される。続いて、コイル導体31bを形成する導体パターンを有する第一グリーンシートが積層される。続いて、層3aを形成する第二グリーンシートが積層される。
【0056】
本実施形態では、たとえば、グリーンシートにレーザ光を照射して貫通孔を形成する。グリーンシートに形成される貫通孔は、たとえば、スルーホール導体35b~35e,35p~35tを形成する貫通孔を含む。
【0057】
第二グリーンシート上に配置される第一グリーンシートは、二つの第一グリーンシートを含んでもよい。二つの第一グリーンシートには、導体パターンと電極パターンとを電気的に接続する導体を形成する貫通孔を形成する。二つの第一グリーンシートの一方に形成される貫通孔は、たとえば、スルーホール導体35e,35rを形成する貫通孔を含む。二つの第一グリーンシートの他方に形成される貫通孔は、たとえば、スルーホール導体35s,35tを形成する貫通孔を含む。第二グリーンシートに形成された貫通孔内には、たとえば、導電性ペーストを充填する。貫通孔内に充填される導電性ペーストは、たとえば、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子を含む金属粉末に、ガラス成分、アルカリ金属、有機バインダ、及び有機溶剤を混合して準備される。
【0058】
積層された第一及び第二グリーンシートは、たとえば、積層される第一方向D1に加圧される。積層された第一及び第二グリーンシートを加圧した後、第一方向D1から見て、コイル導体31b~31eのための導体パターンが互いに重なっている積層体が形成される。本実施形態では、複数の積層体を含む積層インダクタアレイが形成される。積層インダクタアレイは、たとえば、切断機によって、所定の大きさに切断され、積層体をチップ状に切断する。所定の大きさを有する複数のグリーンチップが得られる。たとえば、グリーンチップを焼成することによって、インダクタ部品ED1が製造される。本実施形態では、めっき法によって、外部電極10,20に、めっき層が形成されてもよい。
【0059】
第二無機物及び第三無機物は、第一無機物の硬度より大きい硬度を有する。第一、第二及び第三無機物の硬度は、それぞれ、第一、第二及び第三無機物の粒子の機械的強度を示す指標である。第一、第二及び第三無機物の硬度は、たとえば、ナノインデンテーション試験によって求められる。第一無機物の硬度をナノインデンテーション試験によって求める場合には、たとえば、第一グリーンシートを形成するスラリーに含まれる第一無機物の粒子に微小サイズの三角錐圧子を打ち込む。三角錐圧子の先端が打ち込まれた深さを測定した結果から、第一無機物の粒子の硬度を求める。第二無機物の硬度をナノインデンテーション試験によって求める場合には、導電パターンを形成する導電性ペーストに含まれる第二無機物の粒子に微小サイズの三角錐圧子を打ち込む。三角錐圧子の先端が打ち込まれた深さを測定した結果から、第二無機物の粒子の硬度を求める。第三無機物の硬度をナノインデンテーション試験によって求める場合には、第二グリーンシートを形成するスラリーに含まれる第三無機物の粒子に微小サイズの三角錐圧子を打ち込む。三角錐圧子の先端が打ち込まれた深さを測定した結果から、第三無機物の粒子の硬度を求める。本実施形態では、第一グリーンシートを形成するスラリー、導電性ペースト、及び第二グリーンシートを形成するスラリーに対して、それぞれ、ナノインデンテーション試験を複数回行い、複数の測定結果の平均値を、第一、第二及び第三無機物の粒子の硬度とする。導電性ペーストに含まれる第二無機物の粒子の硬度の平均値と、第二グリーンシートを形成するスラリーに含まれる第三無機物の粒子の硬度の平均値とは、第一グリーンシートを形成するスラリーに含まれる第一無機物の粒子の硬度の平均値より大きい。
【0060】
図5及び
図6を参照して、本実施形態の第一変形例に係るインダクタ部品ED1の構成を説明する。
図5は、実施形態の
図3に対応し、
図6は、実施形態の
図4に対応する。第一変形例に係るインダクタ部品ED1の構成は、層4b~4fの構成を除いて、実施形態に係るインダクタ部品ED1の構成と同じである。
図5及び
図6では、各部を明確に示すため、ハッチングが省略されている。
【0061】
図5及び
図6に示されるように、層4cは、コイル導体31cと同じ層に存在している。本実施形態では、層4cは、コイル導体31cと沿うように位置している。第一方向D1から見て、層4b~4eの外縁の全体が、たとえば、層3b~3eの外縁の内側に位置している。層4b~4eの外縁の全体が、たとえば、素体1の側面1c,1d,1e、1fから離間している。第一変形例では、第一方向D1から見て、層4fの外縁の全体が、層3fの外縁の内側に位置していてもよい。層4b~4fの外縁の全体が、層3b~3fの外縁の内側に位置している構成では、層3b~3fの外縁には、たとえば、層7が配置される。層7は、たとえば、第一無機物を含む。層7の硬度は、たとえば、上記層4bの硬度を求めた方法と同じ方法によって求められる。
【0062】
図6に示される例では、コイル導体31cと層4cとの、第一方向D1に直交する方向での最小間隔L1は、層3cの外縁と層4cの外縁との、第一方向D1に直交する方向での最小間隔L2より小さい。
図6に示される例では、第一方向D1に直交する方向は、第二方向D2である。
【0063】
第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の内側に位置している。第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の外側に位置している。第一変形例では、層4b~4fは、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との少なくともいずれか一つを含んでいる。層4b~4fは、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との全てを含んでいてもよい。
【0064】
図7及び
図8を参照して、本実施形態の第二変形例に係るインダクタ部品ED1の構成を説明する。
図7は、実施形態の
図3に対応し、
図8は、実施形態の
図4に対応する。第二変形例に係るインダクタ部品ED1の構成は、層4b~4fの構成を除いて、実施形態に係るインダクタ部品ED1の構成と同じである。
図7及び
図8では、各部を明確に示すため、ハッチングが省略されている。
【0065】
第二変形例では、層4b~4eは、たとえば、コイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~33eが配置される領域以外の層3b~3eの全体を覆っている。層4fは、スルーホール導体層33f,34fが配置される領域以外の層3fの全体を覆っていてもよい。実施形態と異なり、第二変形例では、コイル導体31bと層4bとの間に、中間層5が配置されている。コイル導体31cと層4cとの間に、中間層5が配置されている。コイル導体31dと層4dとの間に、中間層5が配置されている。コイル導体31eと層4eとの間に、中間層5が配置されている。第二変形例では、コイル導体31fと層4fとの間に、中間層5が配置されてもよい。中間層5は、たとえば、層4b~4fの硬度より小さい硬度を有する。中間層5は、たとえば、第一無機物を含む。中間層5は、空気を含んでもよい。中間層5の硬度は、たとえば、上記層4bの硬度を求めた方法と同じ方法によって求められる。
【0066】
層4cは、コイル導体31cと同じ層に存在している。本実施形態では、層4cは、コイル導体31cと沿うように位置している。第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の内側と外側とに位置している。第二変形例では、層4b~4fは、たとえば、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との少なくともいずれか一つを含んでいる。層4cでは、たとえば、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域とにおいて、コイル導体31cとの間に中間層5が配置されている。
【0067】
図9及び
図10を参照して、本実施形態の第三変形例に係るインダクタ部品ED1の構成を説明する。
図9は、実施形態の
図3に対応し、
図10は、実施形態の
図4に対応する。第三変形例に係るインダクタ部品ED1の構成は、層4b~4fの構成を除いて、実施形態に係るインダクタ部品ED1の構成と同じである。
図9及び
図10では、各部を明確に示すため、ハッチングが省略されている。
【0068】
第三変形例では、層4b~4eは、たとえば、コイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~33eが配置される領域以外の層3b~3eの全体を覆っている。層4b~4eの外縁は、たとえば、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。層4fは、たとえば、スルーホール導体層33f,34fが配置される領域以外の層3fの全体を覆っていてもよい。実施形態と異なり、第二変形例では、コイル導体31b~31eと層4b~4eとの間に、中間層5が配置されている。中間層5は、たとえば、層4b~4eの硬度より小さい硬度を有する。中間層5は、たとえば、第一無機物を含む。中間層5は、空気を含んでもよい。
【0069】
層4cは、コイル導体31cと同じ層に存在している。本実施形態では、層4cは、コイル導体31cと沿うように位置している。第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の内側と外側とに位置している。第二変形例では、層4b~4fは、たとえば、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との少なくともいずれか一つを含んでいる。層4cでは、たとえば、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域とにおいて、コイル導体31cとの間に中間層5が配置されている。
【0070】
第三変形例では、層4b~4eのうち、コイル31の内側に位置する領域の中央部に、層4b~4eと異なる層6が配置されている。層6は、第一方向から見て、コイル31の形状に対応した形状を呈している。第三変形例に係る層6は、たとえば、第一無機物を含む。層6の硬度は、たとえば、上記層4bの硬度を求めた方法と同じ方法によって求められる。
【0071】
図11及び
図12を参照して、本実施形態の第四変形例に係るインダクタ部品ED1の構成を説明する。
図11は、実施形態の
図3に対応し、
図12は、実施形態の
図4に対応する。第四変形例に係るインダクタ部品ED1の構成は、層4b~4fの構成を除いて、実施形態に係るインダクタ部品ED1の構成と同じである。
図11及び
図12では、各部を明確に示すため、ハッチングが省略されている。
【0072】
第四変形例では、層4b~4eは、たとえば、コイル導体31b~31e及びスルーホール導体層33c~33eが配置される領域以外の層3b~3eの全体を覆っている。層4b~4eの外縁は、たとえば、素体1の側面1c,1d,1e,1fに達している。層4fは、たとえば、スルーホール導体層33f,34fが配置される領域以外の層3fの全体を覆っていてもよい。
【0073】
層4cは、コイル導体31cと同じ層に存在している。本実施形態では、層4cは、コイル導体31cと沿うように位置している。第一方向D1から見て、層4cは、たとえば、コイル31の内側と外側とに位置している。第二変形例では、層4b~4fは、たとえば、コイル31の内側に位置する領域と、コイル31の外側に位置する領域との少なくともいずれか一つを含んでいる。
【0074】
第四変形例では、層4b~4eにおいて、コイル31の内側に位置する領域は、第一方向から見て、たとえば矩形状を呈している。第四変形例では、コイル導体31b~31eと、コイル31の外側に位置する領域との間、及び、コイル導体31b~31eと、コイル31の内側に位置する領域との間に、層4b~4eと異なる層6が配置されている。第四変形例に係る層6は、たとえば、第一無機物を含む。
【0075】
以上説明したように、インダクタ部品ED1は、素体1と、素体1内に配置されているコイル導体31b~31eを含むコイル31と、を備えている。素体1は、電気絶縁性を有すると共に、コイル導体31b~31eを挟んで第一方向D1で互いに対向する一対の層3b~3eと、電気絶縁性を有すると共に、一対の層3b~3eの間で、かつ、コイル導体31b~31eと同じ層に、コイル導体31b~31eと沿うように位置する層4b~4eと、を含んでいる。層4b~4eは、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有している。
【0076】
インダクタ部品ED1では、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有する層4b~4eが、一対の層3b~3eの間に、コイル導体31b~31eと沿うように位置している。したがって、層3b~3eからコイル導体31b~31eに力が作用する場合でも、コイル導体31b~31eに力が作用しがたく、コイル導体31b~31eは変形しがたい。この結果、インダクタ部品ED1は、特性劣化を抑制する。
インダクタ部品ED1では、電気特性を向上する観点から低誘電率の材料で素体1を構成する場合、素体1の機械的強度が減少する傾向がある。したがって、層3b~3eのように硬度が小さい材料で素体1を構成し、素体1の誘電率が減少した場合も、素体1全体としての機械的強度が担保されない。コイル導体31b~31eが変形しやすく、インダクタ部品ED1の特性劣化を起こしやすい。インダクタ部品ED1は、層3b~3eに加えて、コイル導体31b~31eの変形を抑制し得る場所に、層3b~3eよりも硬度が大きい層4b~4eを存在させて、素体1全体としての機械的強度を担保している。
層4b~4eは、それぞれ、コイル導体31b~31eの変形を抑制し得るように存在していればよい。したがって、層4b~4eは、それぞれ、コイル導体31b~31eと沿っている。層4b~4eは、それぞれ、コイル導体31b~31eと同じ層に存在している。層4b~4eの外縁は、たとえば、コイル導体31b~31eの外縁の形状に沿った形状を有している。
層4b~4eのそれぞれは、たとえば、複数の部分を含んでいてもよい。層4b~4eのそれぞれにおいて、複数の部分は、たとえば、互いに連続していてもよい。層4b~4eのそれぞれにおいて、複数の部分は、たとえば、互いに離間していてもよい。層4b~4eが互いに離間した複数の部分を含んでいる構成では、たとえば、層4b~4eが含んでいる複数の部分は、それぞれ、コイル導体31b~31eに沿って配置されている。
【0077】
インダクタ部品ED1では、層4b~4eは、電気絶縁性フィラーを含んでいる。
この構成は、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有する層4b~4eを確実に実現する。この結果、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化を確実に抑制する。
【0078】
インダクタ部品ED1では、第一方向D1から見て、層4b~4eの外縁の全体が、層3b~3eの外縁の内側に位置している。
この構成では、層4b~4eは、層4b~4eの外縁が、層3b~3eの外縁に達するまで配置されなくてよい。層3b~3eの外縁に配置する層4b~4eが減少する分、層3b~3eの外縁での素体1の硬度が減少し得る。
【0079】
インダクタ部品ED1では、コイル導体31b~31eと層4b~4eとの、第一方向D1に直交する方向での最小間隔は、層3b~3eの外縁と層4b~4eの外縁との、第一方向D1に直交する方向での最小間隔より小さい。
この構成では、層4b~4eは、より一層コイル導体31b~31eと沿うように位置する。したがって、層3b~3eからコイル導体31b~31eに力が作用する場合でも、コイル導体31b~31eに力がより一層作用しがたく、コイル導体31b~31eはより一層変形しがたい。この結果、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化をより一層抑制する。
【0080】
インダクタ部品ED1は、コイル導体31b~31eと層4b~4eとの間に、中間層5が配置されている。中間層5は、層4b~4eの硬度より小さい硬度を有する。
この構成では、コイル導体31b~31eと層4b~4eとが接している構成に比して、層3b~3eからコイル導体31b~31eに作用する力に起因する応力がコイル導体31b~31eに残りがたい。したがって、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化をより一層抑制する。
【0081】
インダクタ部品ED1では、素体1は、実装面を構成する主面1aを含むと共に電気絶縁性を有する層3fを含んでいる。層3fは、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有している。
この構成は、実装面の強度を向上させる。したがって、本構成は、インダクタ部品ED1の信頼性を向上させる。
【0082】
インダクタ部品ED1では、第一方向D1から見て、層4b~4eは、コイル導体31b~31eの外縁を囲んでいる。
この構成では、コイル導体31b~31eに力がより一層作用しがたく、コイル導体31b~31eはより一層変形しがたい。したがって、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化をより一層抑制する。
【0083】
インダクタ部品ED1では、第一方向D1から見て、層4b~4eは、コイル31の内側に位置している。
この構成では、コイル導体31b~31eがコイル31の内側に変形するのを抑制する傾向がある。この場合、コイル31の内径が減少しがたい。したがって、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化をより一層抑制する。
【0084】
インダクタ部品ED1では、第一方向D1から見て、層4b~4eは、コイル31の外側に位置している。
この構成では、コイル導体31b~31eがコイル31の外側に変形するのを抑制する傾向がある。この場合、コイル31の外側に形成される磁路が狭まるのを抑制する傾向がある。したがって、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化をより一層に抑制する。
【0085】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0086】
インダクタ部品ED1では、層4b~4eは、電気絶縁性フィラーを含んでいなくてもよい。層4b~4eが、電気絶縁性フィラーを含んでいる構成は、上述したように、層3b~3eの硬度より大きい硬度を有する層4b~4eを確実に実現する。この結果、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化を確実に抑制する。
インダクタ部品ED1では、コイル導体31b~31eと層4b~4eとの、第一方向D1に直交する方向での最小間隔は、層3b~3eの外縁と層4b~4eの外縁との、第一方向D1に直交する方向での最小間隔より小さくなくてもよい。コイル導体31b~31eと層4b~4eとの、第一方向D1に直交する方向での最小間隔が、層3b~3eの外縁と層4b~4eの外縁との、第一方向D1に直交する方向での最小間隔より小さい構成では、上述したように、層4b~4eは、より一層コイル導体31b~31eと沿うように位置する。層4b~4eは、より一層コイル導体31b~31eと沿うように位置する。したがって、層3b~3eからコイル導体31b~31eに力が作用する場合でも、コイル導体31b~31eに力がより一層作用しがたく、コイル導体31b~31eはより一層変形しがたい。この結果、本構成は、インダクタ部品ED1の特性劣化をより一層抑制する。
インダクタ部品ED1では、素体1は、実装面を構成する主面1aを含むと共に電気絶縁性を有する層3fを含んでいなくてもよい。素体1が、実装面を構成する主面1aを含むと共に電気絶縁性を有する層3fを含んでいる構成は、上述したように、実装面の強度を向上させる。したがって、本構成は、インダクタ部品ED1の信頼性を向上させる。
【0087】
本実施形態及び変形例では、インダクタ部品ED1は、積層インダクタであるとして説明したが、本発明を適用可能な電子部品は、積層インダクタに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層セラミックコンデンサ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、及び積層固体電池を含む。
【0088】
上述した実施形態及び変形例の記載から把握されるとおり、本明細書は、以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
素体と、
前記素体内に配置されているコイル導体を含むコイルと、を備え、
前記素体は、
電気絶縁性を有すると共に、前記コイル導体を挟んで前記コイルの軸方向で互いに対向する一対の第一層と、
電気絶縁性を有すると共に、前記一対の第一層の間で、かつ、前記コイル導体と同じ層に、前記コイル導体と沿うように位置する第二層と、を含み、
前記第二層は、前記第一層の硬度より大きい硬度を有する、インダクタ部品。
(付記2)
前記第二層は、電気絶縁性フィラーを含む、付記1に記載のインダクタ部品。
(付記3)
前記軸方向から見て、前記第二層の外縁の全体が、前記第一層の外縁の内側に位置している、付記1又は2に記載のインダクタ部品。
(付記4)
前記コイル導体と前記第二層との、前記軸方向に直交する方向での最小間隔は、前記第一層の前記外縁と前記第二層の前記外縁との、前記軸方向に直交する前記方向での最小間隔より小さい、付記3に記載のインダクタ部品。
(付記5)
前記コイル導体と前記第二層との間に、中間層が配置され、
前記中間層は、前記第二層の硬度より小さい硬度を有する、付記1~4のいずれか一つに記載のインダクタ部品。
(付記6)
前記素体は、実装面を構成する主面を含むと共に電気絶縁性を有する第三層を更に含み、
前記第三層は、前記第一層の硬度より大きい硬度を有する、付記1~5のいずれか一つに記載のインダクタ部品。
(付記7)
前記軸方向から見て、前記第二層は、前記コイル導体の外縁を囲んでいる、付記1~6のいずれか一つに記載のインダクタ部品。
(付記8)
前記軸方向から見て、前記第二層は、前記コイルの内側に位置している、付記7に記載のインダクタ部品。
(付記9)
前記軸方向から見て、前記第二層は、前記コイルの外側に位置している、付記7又は8に記載のインダクタ部品。
【符号の説明】
【0089】
1…素体、1a…主面、31…コイル、31b,31c,31d,31e…コイル導体、3b,3c,3d,3e,3f…層、4b,4c,4d,4e,4f…層、5…中間層、ED1…インダクタ部品。