(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110268
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20240807BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20240807BHJP
H01C 7/10 20060101ALI20240807BHJP
H01C 7/02 20060101ALI20240807BHJP
H01C 7/04 20060101ALI20240807BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240807BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01G4/30 311Z
H01G4/30 517
H01C7/10
H01C7/02
H01C7/04
H01F27/29 123
H01F41/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014766
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】數田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】飛田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】志賀 悠人
(72)【発明者】
【氏名】田久保 悠一
(72)【発明者】
【氏名】郭 旭冉
(72)【発明者】
【氏名】小林 創
(72)【発明者】
【氏名】小松 大飛
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼沼 達
【テーマコード(参考)】
5E001
5E034
5E062
5E070
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E034DA07
5E062FF01
5E070AA01
5E070AB02
5E070CB02
5E070CB13
5E082AA01
5E082AB03
5E082KK01
5E082LL01
5E082LL02
(57)【要約】
【課題】電極パターンとグリーンシートとの密着力を高めつつ、複数のグリーンシートが適切に積層される、電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品ED1は、互いに対向している主面1a及び主面1bを有する素体1と、主面1aに配置されていると共に、互いに離間している外部電極10,20と、を備えている。素体1は、主面1aを含む領域E1と、領域E1と主面1bとの間に位置する領域E2とを有している。領域E1は、外部電極10,20と接するように外部電極10,20の間に位置する部分P1を含んでいる。第一方向D1から見て、領域E1が含む部分は、外部電極10,20のそれぞれの端10a,20aを覆っている。領域E1は、領域E2の硬度より大きい硬度を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向している第一面と第二面とを含む第一グリーンシートを準備することと、
互いに対向している第三面と第四面とを含む第二グリーンシートを準備することと、
導電性ペーストを用い、互いに離間する第一部分と第二部分とを含む電極パターンを前記第一面上に形成することと、
絶縁性ペーストを用い、前記第一部分と前記第二部分との間に、前記第一面と前記第一部分と前記第二部分とに接する絶縁パターンを形成することと、
前記第一グリーンシートが載置される基台を準備することと、
前記第一部分と前記第二部分と前記絶縁パターンとが前記基台と接するように、前記電極パターンと前記絶縁パターンとが形成された前記第一グリーンシートを前記基台上に載置することと、
前記第三面が前記第二面と接するように、前記第二グリーンシートを前記第一グリーンシート上に載置することと、を含み、
前記電極パターンから一対の外部電極を形成し、前記第一グリーンシート、前記第二グリーンシート、及び前記絶縁パターンから素体を形成する、電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記第一グリーンシートを準備することは、第一無機物を含む前記第一グリーンシートを準備することを含み、
前記第二グリーンシートを準備することは、前記第一無機物とは異なる第二無機物を含む前記第二グリーンシートを準備することを含み、
前記絶縁パターンを形成することは、前記第一無機物を含む絶縁性ペーストを用いて前記絶縁パターンを形成することを含み、
前記第一無機物は、前記第二無機物の硬度より大きい硬度を有する、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記第一無機物を含む第三グリーンシートを準備することと、
前記第三グリーンシートが少なくとも最も上方に位置するように、前記第三グリーンシートを載置することと、を更に含み、
前記第三グリーンシートからも前記素体を形成する、請求項2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項4】
互いに対向している第一主面及び第二主面を有する素体と、
前記第一主面に配置されていると共に、互いに離間している第一及び第二外部電極と、を備え、
前記素体は、前記第一主面を含む第一領域と、前記第一領域と前記第二主面との間に位置する第二領域とを有し、
前記第一領域は、前記第一及び第二外部電極と接するように前記第一及び第二外部電極の間に位置する部分を含み、
前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している方向から見て、前記第一領域が含む前記部分は、前記第一及び第二外部電極のそれぞれの端を覆っており、
前記第一領域は、前記第二領域の硬度より大きい硬度を有する、電子部品。
【請求項5】
前記素体は、前記第二主面を含む第三領域を更に有し、
前記第三領域は、前記第二領域の前記硬度より大きい硬度を有する、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第一及び第二外部電極に電気的に接続されていると共に、前記第二領域に配置されている内部導体を更に備える、請求項4又は5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している前記方向から見て、前記第一及び第二外部電極のそれぞれの全体が、前記第一領域上に位置している、請求項4に記載の電子部品。
【請求項8】
前記第一及び第二外部電極のそれぞれは、前記第一領域と接する第一電極面と、前記第一電極面と対向している第二電極面とを有し、
前記第一外部電極が有する前記第二電極面は、
前記第一及び第二外部電極が離間している方向で、前記第二外部電極が有する前記第二電極面と対向する端縁を含むと共に、前記第一領域が含む前記部分で覆われている第一面領域と、
前記第一領域が含む前記部分から露出する第二面領域と、を有し、
前記第二外部電極が有する前記第二電極面は、
前記第一及び第二外部電極が離間している前記方向で、前記第一外部電極が有する前記第二電極面と対向する端縁を含むと共に、前記第一領域が含む前記部分で覆われている第一面領域と、
前記第一領域が含む前記部分から露出する第二面領域と、を有する、請求項4に記載の電子部品。
【請求項9】
前記第一及び第二外部電極のそれぞれにおいて、前記第一及び第二外部電極が離間している前記方向に交差する方向での前記第二面領域の長さは、前記交差する方向での前記第一面領域の長さより大きい、請求項8に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている電子部品の製造方法は、互いに対向している第一面と第二面とを含むグリーンシートを準備することと、導電性ペーストを用い、互いに離間する第一部分と第二部分とを含む電極パターンを第一面上に形成することと、を含む(たとえば、特許文献1参照)。この製造方法では、電極パターンから一対の外部電極が形成され得ると共に、グリーンシートから素体が形成され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの態様は、電極パターンとグリーンシートとの密着力を高めつつ、複数のグリーンシートが適切に積層される、電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの態様に係る電子部品の製造方法は、互いに対向している第一面と第二面とを含む第一グリーンシートを準備することと、互いに対向している第三面と第四面とを含む第二グリーンシートを準備することと、導電性ペーストを用い、互いに離間する第一部分と第二部分とを含む電極パターンを第一面上に形成することと、絶縁性ペーストを用い、第一部分と第二部分との間に、第一面と第一部分と第二部分とに接する絶縁パターンを形成することと、第一グリーンシートが載置される基台を準備することと、第一部分と第二部分と絶縁パターンとが基台と接するように、電極パターンと絶縁パターンとが形成された第一グリーンシートを基台上に載置することと、第三面が第二面と接するように、第二グリーンシートを第一グリーンシート上に載置することと、を含んでいる。この一つの態様では、電極パターンから一対の外部電極を形成し、第一グリーンシート、第二グリーンシート、及び絶縁パターンから素体を形成する。
【0006】
上記一つの態様では、電極パターンに含まれる第一及び第二部分と、絶縁パターンとが基台と接するように、電極パターンと絶縁パターンとが形成された第一グリーンシートが基台上に載置される。したがって、第一及び第二グリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層するときに、電極パターンと第一グリーンシートとには、電極パターンと第一グリーンシートとを密着させる方向に力が作用する傾向がある。この結果、電極パターンと第一グリーンシートとの密着力が高まる。同様に、絶縁パターンと第一グリーンシートとの密着力が高まる。
第一グリーンシートが基台上に載置されるときに、絶縁パターンも基台と接する。この絶縁パターンは、第一グリーンシートの第一面と、電極パターンに含まれる第一及び第二部分とに接している。したがって、第一及び第二グリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層するときに、第一グリーンシートの、第一部分と第二部分との間に対応する領域においても、複数のグリーンシートを密着させる方向に力が作用する傾向がある。この結果、複数のグリーンシートが適切に積層される。
【0007】
上記一つの態様では、第一グリーンシートを準備することは、第一無機物を含む第一グリーンシートを準備することを含んでもよい。第二グリーンシートを準備することは、第一無機物とは異なる第二無機物を含む第二グリーンシートを準備することを含む絶縁パターンを形成することは、第一無機物を含む絶縁性ペーストを用いて絶縁パターンを形成することを含んでもよい。第一無機物は、第二無機物の硬度より大きい硬度を有してもよい。
第一無機物を含む第一グリーンシートを準備し、第二無機物を含む第二グリーンシートを準備する場合において、第一無機物の硬度が、第二無機物の硬度より大きい。電極パターンは、硬度が大きい第一無機物を含む第一グリーンシートに形成される。したがって、電極パターンから形成される一対の外部電極は、素体の、第一グリーンシートから形成される領域に強固に接続される。
【0008】
上記一つの態様は、第一無機物を含む第三グリーンシートを準備することと、第三グリーンシートが少なくとも最も上方に位置するように、第三グリーンシートを載置することと、を含んでもよく、第三グリーンシートからも素体を形成してもよい。
第三グリーンシートを少なくとも最も上方に位置するように載置する場合、第二グリーンシートは、第一及び第三グリーンシートの間に位置する。第二無機物を含む第二グリーンシートは、第二無機物より硬度が大きい第一無機物を含む第一及び第三グリーンシートの間に位置する。したがって、素体の最上部又は最下部は、第一無機物を含む第三グリーンシートから形成される。
実装機が電子部品を電子機器に実装する場合、素体の最上部が実装機と接触することがある。この場合、外力が、実装機から最上部に作用することがある。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。
最上部は、上述したように、第一無機物を含む第三グリーンシートから形成されている。したがって、最上部は、比較的大きい硬度を有する。この結果、素体は、上記外力に耐性を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様は、電極パターンとグリーンシートとの密着力を高めつつ、複数のグリーンシートが適切に積層される、電子部品の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る電子部品を示す側面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る電子部品を示す底面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る電子部品を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る電子部品の製造過程を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る電子部品の製造過程を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る電子部品の製造過程を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る電子部品の製造過程を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る電子部品の製造過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。本明細書では、
図1~
図9を参照しながら、電子部品ED1の構成及び製造方法を説明する。電子部品ED1は、たとえば、積層インダクタを含む。本実施形態では、電子部品ED1は、積層インダクタによって構成されている。
【0012】
図1は、本実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る電子部品を示す側面図である。
図3は、本実施形態に係る電子部品を示す底面図である。
図4は、本実施形態に係る電子部品を示す分解斜視図である。
図5、
図6、
図7、
図8、及び
図9は、本実施形態に係る電子部品の製造過程を示す図である。
【0013】
初めに、
図1~
図4を参照しながら、電子部品ED1の構成を説明する。電子部品ED1は、素体1、外部電極10,20、及び内部導体30を備えている。内部導体30は、外部電極10,20に電気的に接続されている。
【0014】
図1に示されるように、素体1は、たとえば、直方体形状を呈している。素体1は、互いに対向している主面1a,1bと、互いに対向している側面1c,1dと、互いに対向している側面1e,1fと、を有している。主面1a,1b及び側面1c,1d,1e,1fは、素体1の外表面を構成している。本実施形態では、主面1aは、実装面を構成している。電子部品ED1が電子機器に実装される際に、主面1aは、電子機器と対向する。上記電子機器は、回路基板又は電子部品を含む。主面1bが、実装面を構成してもよい。本明細書での「直方体形状」は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。たとえば、主面1aが第一主面を構成する場合、主面1bは、第二主面を構成する。
【0015】
主面1a,1bは、第一方向D1で互いに対向している。主面1a,1bは、素体1の第一方向D1での両端を規定している。側面1c,1dは、第二方向D2で互いに対向している。側面1c,1dは、素体1の第二方向D2での両端を規定している。側面1e,1fは、第三方向D3で互いに対向している。側面1e,1fは、素体1の第三方向D3での両端を規定している。本実施形態では、第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3は、互いに直交している。
【0016】
主面1a及び主面1bは、側面1cと側面1dとを連結するように、第二方向D2に延在している。主面1a及び主面1bは、側面1eと側面1fとを連結するように、第三方向D3に延在している。側面1c及び側面1dは、主面1aと主面1bとを連結するように、第一方向D1に延在している。側面1c及び側面1dは、側面1eと側面1fとを連結するように、第三方向D3に延在している。側面1e及び側面1fは、主面1aと主面1bとを連結するように、第一方向D1に延在している。側面1e及び側面1fは、側面1cと側面1dとを連結するように、第二方向D2に延在している。
【0017】
第一方向D1での素体1の長さは、たとえば、約0.2mmである。第二方向D2での素体1の長さは、たとえば、約0.4mmである。第三方向D3での素体1の長さは、たとえば、約0.2mmである。本実施形態では、たとえば、第二方向D2が、素体1の長手方向である。
【0018】
本実施形態では、外部電極10,20は、主面1aに配置されている。外部電極10,20は、互いに離間している。外部電極10は、たとえば、側面1c寄りに配置されている。外部電極20は、たとえば、側面1d寄りに配置されている。外部電極10と外部電極20とは、たとえば、第二方向D2で互いに離間している。
【0019】
外部電極10,20は、導電材料を含む。導電材料は、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、Sn、又は、Wを含む。導電材料は、たとえば、Ag-Pd合金、Ag-Cu合金、Ag-Au合金、又は、Ag-Pt合金を含む。外部電極10,20は、たとえば、Niめっき膜、Snめっき膜、Cuめっき膜、又はAuめっき膜を含む。外部電極10,20は、これらのめっき膜の多層構造を有してもよく、Niめっき膜と、Niめっき膜上に形成されたAuめっき膜とを含んでいてもよい。外部電極10,20の厚みは、たとえば、5~20μmである。
【0020】
図2に示されるように、素体1は、領域E1、領域E2、及び領域E3を有している。領域E1は、主面1aを含んでいる。領域E2は、領域E1と主面1bとの間に位置する。領域E1は、部分P1を含む。部分P1は、外部電極10,20と接するように、外部電極10と外部電極20との間に位置している。第一方向D1から見て、部分P1は、外部電極10,20のそれぞれの端10a,20aを覆っている。外部電極10は、端10aを有し、外部電極20は、端20aを有している。端10aと端20aとは、第二方向D2で、部分P1を挟んで互いに対向している。領域E3は、主面1bを含んでいる。領域E1が第一領域を構成する場合、領域E2は、第二領域を構成し、領域E3は、第三領域を構成する。
【0021】
図2及び
図3に示されるように、外部電極10は、電極面11と電極面12とを有している。電極面11は、領域E1と接している。電極面12は、電極面11と対向している。外部電極20は、電極面21と電極面22とを有している。電極面21は、領域E1と接している。電極面22は、電極面21と対向している。たとえば、電極面11が第一電極面を構成する場合、電極面12は、第二電極面を構成する。たとえば、電極面21が第一電極面を構成する場合、電極面22は、第二電極面を構成する。
【0022】
外部電極10が有する電極面12は、面領域12aと面領域12bとを有している。面領域12aは、端縁13を含んでいる。端縁13は、第二方向D2で、外部電極20が有する電極面22と対向している。面領域12aは、領域E1が含む部分P1で覆われている。面領域12bは、領域E1が含む部分P1から露出している。たとえば、面領域12aが第一面領域を構成する場合、面領域12bは、第二面領域を構成する。
【0023】
外部電極20が有する電極面22は、面領域22aと面領域22bとを有している。面領域22aは、端縁23を含んでいる。端縁23は、第二方向D2で、外部電極10が有する電極面12と対向している。面領域22aは、領域E1が含む部分P1で覆われている。面領域22bは、領域E1が含む部分P1から露出している。たとえば、面領域22aが第一面領域を構成する場合、面領域22bは、第二面領域を構成する。
【0024】
外部電極10は、面領域12aを含む部分と、面領域12bを含む部分を有している。面領域12aを含む部分と、面領域12bを含む部分とは、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。本明細書での「矩形状」は、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状を含む。第一方向D1から見て、外部電極10の全体が、たとえば、領域E1上に位置している。本実施形態では、第三方向D3から見て、面領域12aは、面領域12bから離れるに従って、たとえば、単調に主面1aに近づいている。面領域12aを含む部分は、第三方向D3から見て、矩形状であってもよい。面領域12bを含む部分は、第三方向D3から見て、たとえば、矩形状である。
【0025】
面領域12bを含む部分は、面領域12bを含む部分の第三方向D3での両端を規定する一対の端縁と、側面1c寄りの端縁とを有している。第三方向D3での両端を規定する一対の端縁は、側面1e寄りの端縁と、側面1f寄りの端縁とを含む。面領域12bを含む部分において、第一方向D1方向から見て、たとえば、側面1e寄りの端縁は、側面1eと一致し、側面1f寄りの端縁は、側面1fと一致している。面領域12bを含む部分において、第一方向D1方向から見て、側面1e寄りの端縁は、側面1eと一致していなくてよく、側面1f寄りの端縁は、側面1fと一致していなくてよい。
【0026】
面領域12aを含む部分は、面領域12aを含む部分の第三方向D3での両端を規定する端縁を有している。面領域12aを含む部分では、たとえば、側面1e寄りの端縁は、側面1eから離間し、側面1f寄りの端縁は、側面1fから離間している。したがって、外部電極10において、第三方向D3での面領域12bの長さは、たとえば、第三方向D3での面領域12aの長さより大きい。
【0027】
外部電極20は、面領域22aを含む部分と、面領域22bを含む部分を有している。面領域22aを含む部分と、面領域22bを含む部分とは、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。第一方向D1から見て、外部電極20の全体が、たとえば、領域E1上に位置している。本実施形態では、第三方向D3から見て、面領域22aは、面領域22bから離れるに従って、たとえば、単調に主面1aに近づいている。面領域22aを含む部分は、第三方向D3から見て、矩形状であってもよい。面領域22bを含む部分は、第三方向D3から見て、たとえば、矩形状である。
【0028】
面領域22bを含む部分は、面領域22bを含む部分の第三方向D3での両端を規定する一対の端縁と、側面1d寄りの端縁とを有している。第三方向D3での両端を規定する一対の端縁は、側面1e寄りの端縁と、側面1f寄りの端縁とを含む。面領域22bを含む部分において、第一方向D1方向から見て、たとえば、側面1e寄りの端縁は、側面1eと一致し、側面1f寄りの端縁は、側面1fと一致している。面領域22bを含む部分において、第一方向D1方向から見て、側面1e寄りの端縁は、側面1eと一致していなくてよく、側面1f寄りの端縁は、側面1fと一致していなくてよい。
【0029】
面領域22aを含む部分は、面領域22aを含む部分の第三方向D3での両端を規定する端縁を有している。面領域22aを含む部分では、たとえば、側面1e寄りの端縁は、側面1eから離間し、側面1f寄りの端縁は、側面1fから離間している。したがって、外部電極20において、第三方向D3での面領域22bの長さは、たとえば、第三方向D3での面領域12aの長さより大きい。
【0030】
図2~
図4に示されるように、内部導体30は、素体1内に配置されている。本実施形態では、内部導体30は、領域E2内に配置されている。内部導体30の一部は、領域E1内に配置されている。内部導体30は、たとえば、コイル部31とスルーホール部32とを含んでいる。コイル部31は、たとえば、複数のコイル導体31b~31eによって形成されている。コイル部31は、たとえば、螺旋状を呈している。本実施形態では、コイル部の軸心方向は、第一方向D1である。コイル導体31b~31eは、第一方向D1から見て、少なくとも一部が互いに重なるように配置されている。コイル導体31b~31eは、主面1a,1b及び側面1c,1d,1e,1fから離間している。
【0031】
スルーホール部32は、たとえば、スルーホール導体33と、スルーホール導体34と、スルーホール導体35とによって形成されている。スルーホール導体33は、複数のスルーホール導体層33c~33fによって形成されている。スルーホール導体34は、スルーホール導体層34fによって形成されている。スルーホール導体35は、スルーホール導体35a~35e,35p~35tによって形成されている。複数のコイル導体31b~31eは、対応するスルーホール導体35a~35dによって互いに電気的に接続されている。複数のスルーホール導体層33c~33fは、対応するスルーホール導体35p~35rによって互いに電気的に接続されている。
【0032】
スルーホール導体33は、コイル部31と外部電極10とを電気的に接続している。スルーホール導体33は、第一方向D1に延在している。スルーホール導体33の主面1b寄りの端部が、内部導体30の主面1b寄りの一端に接続されている。本実施形態では、スルーホール導体33の主面1b寄りの端部が、コイル導体31bの一端に接続されている。スルーホール導体33は、コイル導体31bと外部電極10とを電気的に接続している。スルーホール導体33は、第一方向D1から見て、コイル部31よりも側面1c寄りに配置されている。
【0033】
スルーホール導体34は、コイル部31と外部電極20とを電気的に接続している。スルーホール導体34は、第一方向D1に延在している。スルーホール導体34の主面1b寄りの端部が、内部導体30の主面1a寄りの一端に接続されている。本実施形態では、スルーホール導体34の主面1b寄りの端部が、コイル導体31eの一端に接続されている。スルーホール導体34は、コイル導体31eと外部電極20とを電気的に接続している。スルーホール導体34は、第一方向D1から見て、スルーホール導体33よりも側面1d寄りに配置されている。
【0034】
素体1は、たとえば、複数の層2a~2fが積層されて形成されている。本実施形態では、複数の層2a~2fの積層方向は、第一方向D1である。複数の層2a~2fは、実際には互いの境界が視認できない程度に一体化されている。層2a~2fは、たとえば、絶縁体層3a~3fを有している。
【0035】
層2aは、絶縁体層3aを含んでいる。層2aは、素体1の最上層を構成し、層2aの主面2qは、素体1の主面1bに相当する。層2bは、絶縁体層3bと、絶縁体層3bに配置されたコイル導体31bとを含んでいる。層2cは、絶縁体層3cと、絶縁体層3cに配置されたコイル導体31c及びスルーホール導体層33cとを含んでいる。層2bと層2cとの間には、スルーホール導体35a,35bが配置されている。スルーホール導体35aは、コイル導体31bの一端とコイル導体31cの一端とを接続している。スルーホール導体35bは、コイル導体31bの他端とスルーホール導体層33cとを接続している。
【0036】
層2dは、絶縁体層3dと、絶縁体層3dに配置されたコイル導体31d及びスルーホール導体層33dとを含んでいる。層2cと層2dとの間には、スルーホール導体35cとスルーホール導体35pとが配置されている。スルーホール導体35cは、コイル導体31cの他端とコイル導体31dの一端とを接続している。スルーホール導体35pは、スルーホール導体層33cとスルーホール導体層33dとを接続している。
【0037】
層2eは、絶縁体層3eと、絶縁体層3eに配置されたコイル導体31e及びスルーホール導体層33eとを含んでいる。層2dと層2eとの間には、スルーホール導体35dとスルーホール導体35qとが配置されている。スルーホール導体35dは、コイル導体31dの他端とコイル導体31eの一端とを接続している。スルーホール導体35qは、スルーホール導体層33dとスルーホール導体層33eとを接続している。
【0038】
層2fは、絶縁体層3fと、絶縁体層3fに配置されたスルーホール導体層33f及びスルーホール導体層34fとを含んでいる。層2eと層2fとの間には、スルーホール導体35eとスルーホール導体35rとが配置されている。スルーホール導体35eは、コイル導体31eの他端とスルーホール導体層34fとを接続している。スルーホール導体35rは、スルーホール導体層33eとスルーホール導体層33fとを接続している。層2fは、素体1の最下層を構成し、層2fの主面2pは、素体1の主面1aに相当する。層2fには、外部電極10,20が配置される。部分P1は、外部電極10と外部電極20との間に位置する。
【0039】
層2fと外部電極10との間には、スルーホール導体35sが配置され、層2fと外部電極20との間には、スルーホール導体35tが配置されている。スルーホール導体35sは、スルーホール導体層33fと外部電極10とを接続している。スルーホール導体35tは、スルーホール導体層34fと外部電極20とを接続している。本実施形態では、層2fは、第一方向D1に積層される二つの層を含んでいてもよい。層2fが二つの層を含む構成では、たとえば、二つの層の間にスルーホール導体層が配置される。スルーホール導体35sは、二つの層の間に配置されるスルーホール導体層を介して、スルーホール導体層33fと外部電極10とを接続する。スルーホール導体35tは、二つの層の間に配置されるスルーホール導体層を介して、スルーホール導体層34fと外部電極20とを接続する。
【0040】
素体1において、絶縁体層3a、絶縁体層3b~3e、及び絶縁体層3fそれぞれに含まれる絶縁材料は、互いに異なっている。本実施形態では、たとえば、絶縁体層3aが、領域E1を構成し、絶縁体層3b~3eが領域E2を構成し、及び絶縁体層3fが領域E3を構成する。絶縁体層3aは、たとえば、第一無機物を含む。絶縁体層3b~3eは、たとえば、第一無機物とは異なる第二無機物を含む。絶縁体層3fは、たとえば、第一無機物を含む。本実施形態では、第一無機物は、第二無機物の硬度より大きい硬度を有する。
【0041】
第一無機物は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料を含む。第一無機物は、たとえば、金属酸化物を含む。金属酸化物は、たとえば、Al2O3、SrO、ZrO2、又はTiO2を含む。第一無機物は、たとえば、Fe合金を含んでいていてもよい。第一無機物は、ガラスセラミック材料又は誘電体材料を含んでいてもよい。
【0042】
第二無機物は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料を含む。第二無機物は、たとえば、Fe合金を含んでいていてもよい。第二無機物は、ガラスセラミック材料又は誘電体材料を含んでいてもよい。
【0043】
内部導体30は、導電材料を含む。導電材料は、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、又は、Wを含む。導電材料は、たとえば、Ag-Pd合金、Ag-Cu合金、Ag-Au合金、又は、Ag-Pt合金を含む。内部導体30は、たとえば、外部電極10,20と同じ導電材料を含む。内部導体30は、外部電極10,20と異なる導電材料を含んでいてもよい。
【0044】
本実施形態では、領域E1は、領域E2の硬度より大きい硬度を有する。領域E3は、領域E2の硬度より大きい硬度を有する。本実施形態では、各領域E1,E2,E3の硬度は、各領域E1,E2,E3が含む絶縁体層3a~3fの硬度によって定められる。各領域E1,E2,E3の硬度は、各領域E1,E2,E3の機械的強度を示す指標である。領域E1,E2,E3の硬度は、たとえば、試験刃を用いた試験によって求められる。試験刃を用いた試験によって領域E1の硬度を求める場合、たとえば、素体1を第一方向D1に垂直な方向に切断し、領域E1での切断面を露出させる。露出した領域E1での切断面に、たとえば、第一方向D1で試験刃を押し当てて、領域E1を破断させる。本実施形態では、ニュートン単位で、領域E1を破断させるために必要な力を測定する。試験刃を用いた試験によって領域E2,E3の硬度を求める場合、これら領域E2,E3での切断面を露出させる。領域E1の場合と同じ手順に従って、領域E2,E3を破断させるために必要な力を測定する。
本実施形態では、領域E1,E2,E3を破断させるために必要な力を測定した結果から、それぞれ、領域E1,E2,E3の硬度を求める。破断させるために必要な力の大きさが、硬度の大きさと相関関係を有すると見做して、破断させるために必要な力が大きい領域が、破断させるために必要な力が小さい領域よりも硬度が大きいとする。たとえば、領域E1を破断させるために必要な力が、領域E2を破断させるために必要な力より大きい場合、領域E1は、領域E2の硬度より大きい硬度を有すると見積もる。本実施形態では、一の領域E1,E2,E3に対して、試験刃を用いた試験を複数回行い、複数の測定結果の平均値を、当該一の領域E1,E2,E3の破断させるために必要な力とする。領域E1,E3の硬度の平均値は、領域E2の硬度の平均値より大きい。
【0045】
以下、
図5~
図9を参照しながら、電子部品ED1の製造方法の一例について説明する。電子部品ED1を製造するための各過程の順番は、互いに入れ替わってもよい。
図5~
図9は、一つの電子部品ED1の各製造過程によって得られた構造体を示している。
【0046】
製造方法の一例では、初めに、スラリーと基材45とを用意する。スラリーは、たとえば、絶縁性樹脂と溶剤とを混合した材料を含む。絶縁性樹脂は、たとえば、アクリル樹脂又はブチラール樹脂を含む。溶剤は、たとえば、エチルカルビトール又はブチルカルビトールを含む。基材45は、たとえば、PETフィルムを含む。
【0047】
続いて、たとえば、ドクターブレード法によって、スラリーを基材45上に塗布して、複数のグリーンシートを準備する。複数のグリーンシートは、絶縁体層3a~3fを形成するために用いられる。複数のグリーンシートは、グリーンシート41を含む。グリーンシート41から素体1を形成する。グリーンシート41は、たとえば、絶縁体層3fを形成するために用いられる。グリーンシート41は、互いに対向している面41pと面41qとを含む。たとえば、面41pが第一面を構成する場合、面41qは、第二面を構成する。
【0048】
グリーンシート41を形成するスラリーは、たとえば、第一無機物を含む。したがって、グリーンシート41を準備することは、第一無機物を含むグリーンシート41を準備することを含む。本実施形態では、グリーンシート41を準備することは、第一無機物の粒子を含むグリーンシート41を準備することを含む。グリーンシート42を形成するスラリーは、たとえば、第二無機物を含む。したがって、グリーンシート42を準備することは、第二無機物を含むグリーンシート42を準備することを含む。本実施形態では、グリーンシート42を準備することは、第二無機物の粒子を含むグリーンシート42を準備することを含む。
【0049】
図5に示されるように、グリーンシート41には、スルーホール導体35s,35tのための貫通孔THをそれぞれ形成する。貫通孔THは、たとえば、グリーンシート41へのレーザ光の照射によって形成される。続いて、グリーンシート41には、外部電極10,20を形成するための導電性ペーストを付与する。本実施形態では、導電性ペーストを用い、電極パターン50を面41p上に形成する。電極パターン50から、外部電極10,20を形成する。電極パターンは、互いに離間する部分51と部分52とを含む。部分51から、外部電極10を形成し、部分52から、外部電極20を形成する。外部電極10,20を形成する導電性ペーストは、たとえば、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子を含む金属粉末に、ガラス成分、アルカリ金属、有機バインダ、及び有機溶剤を混合して準備される。たとえば、部分51が第一部分を構成する場合、部分52は、第二部分を構成する。
【0050】
図6に示されるように、グリーンシート41には、続いて、絶縁パターン55を形成するための絶縁性ペーストを付与する。絶縁パターン55から、素体1を形成する。本実施形態では、絶縁性ペーストを用い、絶縁パターン55を形成する。絶縁パターン55は、部分51と部分52との間に、面41pと部分51と部分52とに接するように形成される。絶縁パターン55は、第一無機物を含む絶縁性ペーストを含んでいる。したがって、絶縁パターン55を形成することは、第一無機物を含む絶縁性ペーストを用いて絶縁パターン55を形成することを含んでいる。絶縁性ペーストは、たとえば、ダイコーターによってグリーンシート41に塗布される。絶縁パターン55は、たとえば、絶縁性ペーストを乾燥させることによって形成される。
【0051】
図7に示されるように、基台60を準備し、グリーンシート41を基台60上に載置する。基台60は、たとえば、ポリエチレン系フィルムを含む。本実施形態では、電極パターン50と絶縁パターン55とが形成されたグリーンシート41を、部分51と部分52と絶縁パターン55とが基台60と接するように、基台60上に載置する。
【0052】
複数のグリーンシートは、グリーンシート42を含む。グリーンシート42から素体1を形成する。グリーンシート42は、たとえば、絶縁体層3b~3eを形成するために用いられる。グリーンシート42は、互いに対向している面42pと面42qとを含む。たとえば、面42pが第三面を構成する場合、面42qは、第四面を構成する。
【0053】
グリーンシート42は、たとえば、グリーンシート42b,42c,42d,42eを含む。グリーンシート42bは、たとえば、絶縁体層3bを形成するために用いられる。グリーンシート42cは、たとえば、絶縁体層3cを形成するために用いられる。グリーンシート42dは、たとえば、絶縁体層3dを形成するために用いられる。グリーンシート42eは、たとえば、絶縁体層3eを形成するために用いられる。グリーンシート42b,42c,42d,42eを形成するスラリーは、たとえば、第二無機物を含む。
【0054】
グリーンシート42には、導体パターン58を形成する導電性ペーストを付与する。導体パターン58は、たとえば、複数のコイル導体31b~31eを形成する。導電性ペーストを用い、導体パターン58をグリーンシート42に形成する。本実施形態では、グリーンシート42b上に、たとえば、コイル導体31bを形成する導体パターン58が形成される。グリーンシート42c上に、たとえば、コイル導体31cを形成する導体パターン58が形成される。グリーンシート42d上に、たとえば、コイル導体31dを形成する導体パターン58が形成される。グリーンシート42e上に、たとえば、コイル導体31eを形成する導体パターン58が形成される。導体パターン58を形成する導電性ペーストは、たとえば、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子を含む金属粉末に、ガラス成分、アルカリ金属、有機バインダ、及び有機溶剤を混合して準備される。
【0055】
図8に示されるように、基材45をグリーンシート41から剥離させ、導体パターン58が形成されたグリーンシート42をグリーンシート41上に載置する。本実施形態では、導体パターン58が形成されたグリーンシート42は、面42pが面41qと接するように、グリーンシート41上に載置される。グリーンシート42は、グリーンシート41が基台60上に配置された状態で、グリーンシート41上に載置される。本実施形態では、初めに、グリーンシート42eが,グリーンシート41上に配置され、続いて、グリーンシート42dが,グリーンシート42e上に配置されてもよい。続いて、グリーンシート42cが,グリーンシート42d上に配置され、続いて、グリーンシート42bが,グリーンシート42c上に配置されてもよい。
【0056】
本実施形態では、たとえば、グリーンシート42cにレーザ光を照射して貫通孔THを形成する。グリーンシート42cに形成される貫通孔THは、たとえば、スルーホール導体35aを形成する貫通孔THと、スルーホール導体35bを形成する貫通孔THを含む。たとえば、グリーンシート42dにレーザ光を照射して貫通孔THを形成する。グリーンシート42dに形成される貫通孔THは、たとえば、スルーホール導体35cを形成する貫通孔THと、スルーホール導体35pを形成する貫通孔THを含む。たとえば、グリーンシート42eにレーザ光を照射して貫通孔THを形成する。グリーンシート42eに形成される貫通孔THは、たとえば、スルーホール導体35dを形成する貫通孔THと、スルーホール導体35qを形成する貫通孔THを含む。
【0057】
本実施形態では、グリーンシート41fは、グリーンシート41f1,41f2を含んでもよい。グリーンシート41f1,41f2には、導体パターン58と電極パターン50とを電気的に接続する導体を形成する貫通孔THを形成する。グリーンシート41f1に形成される貫通孔THは、たとえば、スルーホール導体35e,35rを形成する貫通孔THを含む。グリーンシート41f2に形成される貫通孔THは、たとえば、スルーホール導体35s,35tを形成する貫通孔を含む。グリーンシート41,42に形成された貫通孔TH内には、たとえば、導電性ペーストを充填する。貫通孔TH内に充填される導電性ペーストは、たとえば、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子を含む金属粉末に、ガラス成分、アルカリ金属、有機バインダ、及び有機溶剤を混合して準備される。
【0058】
複数のグリーンシートは、グリーンシート43を含む。したがって、電子部品ED1の製造方法の一例は、第一無機物を含むグリーンシート43を準備することを含む。グリーンシート43からも素体1を形成する。グリーンシート43は、たとえば、絶縁体層3aを形成するために用いられる。たとえば、グリーンシート41が第一グリーンシートを構成する場合、グリーンシート42は、第二グリーンシートを構成し、グリーンシート43は、第三グリーンシートを構成する。
【0059】
図9に示されるように、グリーンシート43をグリーンシート42上に載置する。グリーンシート43は、たとえば、グリーンシート43が面42qと接するようにグリーンシート42上に載置される。
【0060】
積層されたグリーンシート41,42,43は、たとえば、積層される第一方向D1に加圧される。積層されたグリーンシート41,42,43を加圧した後、第一方向D1から見て、コイル導体31b~31eのための導体パターン58が互いに重なっている積層体が形成される。本実施形態では、複数の積層体を含む積層インダクタアレイが形成される。積層インダクタアレイは、たとえば、切断機によって、所定の大きさに切断され、積層体をチップ状に切断する。所定の大きさを有する複数のグリーンチップが得られる。たとえば、グリーンチップを焼成することによって、電子部品ED1が製造される。本実施形態では、めっき法によって、外部電極10,20に、めっき層が形成されてもよい。めっき層は、たとえば、Niめっき層及びSnめっき層である。
【0061】
第一無機物は、第二無機物の硬度より大きい硬度を有する。第一及び第二無機物の硬度は、それぞれ、第一及び第二無機物の粒子の機械的強度を示す指標である。第一及び第二無機物の硬度は、たとえば、ナノインデンテーション試験によって求められる。第一無機物の硬度をナノインデンテーション試験によって求める場合には、たとえば、グリーンシート41,43を形成するスラリーに含まれる第一無機物の粒子に微小サイズの三角錐圧子を打ち込む。三角錐圧子の先端が打ち込まれた深さを測定した結果から、第一無機物の粒子の硬度を求める。第二無機物の硬度をナノインデンテーション試験によって求める場合には、グリーンシート42を形成するスラリーに含まれる第二無機物の粒子に微小サイズの三角錐圧子を打ち込む。三角錐圧子の先端が打ち込まれた深さを測定した結果から、第二無機物の粒子の硬度を求める。本実施形態では、グリーンシート41,42,43を形成するスラリーに対して、それぞれ、ナノインデンテーション試験を複数回行い、複数の測定結果の平均値を、第一及び第二無機物の粒子の硬度とする。グリーンシート41,43を形成するスラリーに含まれる第一無機物の粒子の硬度の平均値は、グリーンシート42を形成するスラリーに含まれる第二無機物の粒子の硬度の平均値より大きい。
【0062】
以上説明したように、電子部品ED1の製造方法は、互いに対向している面41pと面41qとを含む第一グリーンシートを準備することと、互いに対向している面42pと面42qとを含む第二グリーンシートを準備することと、導電性ペーストを用い、互いに離間する部分51と部分52とを含む電極パターン50を面41p上に形成することと、絶縁性ペーストを用い、部分51と部分52との間に、面41pと部分51と部分52とに接する絶縁パターン55を形成することと、グリーンシート41が載置される基台60を準備することと、部分51と部分52と絶縁パターン55とが基台60と接するように、電極パターン50と絶縁パターン55とが形成されたグリーンシート41を基台60上に載置することと、面42pが面41qと接するように、導体パターン58が形成されたグリーンシート42をグリーンシート41上に載置することと、を含んでいる。電極パターン50から一対の外部電極10,20を形成する。グリーンシート41、グリーンシート42、及び絶縁パターン55から素体1を形成する。
【0063】
電子部品ED1の製造方法では、電極パターン50に含まれる部分51,52と、絶縁パターン55とが基台60と接するように、電極パターン50と絶縁パターン55とが形成されたグリーンシート41が基台60上に載置される。したがって、グリーンシート41,42を含む複数のグリーンシート41,42を積層するときに、電極パターン50とグリーンシート41とには、電極パターン50とグリーンシート41とを密着させる方向に力が作用する傾向がある。この結果、電極パターン50とグリーンシート41との密着力が高まる。同様に、絶縁パターン55とグリーンシート41との密着力が高まる。
グリーンシート41が基台60上に載置されるときに、絶縁パターン55も基台60と接する。この絶縁パターン55は、グリーンシート41の面41pと、電極パターン50に含まれる部分51,52とに接している。したがって、グリーンシート41,42を含む複数のグリーンシート41,42を積層するときに、グリーンシート41の、部分51と部分52との間に対応する領域においても、複数のグリーンシート41,42を密着させる方向に力が作用する傾向がある。この結果、複数のグリーンシート41,42が適切に積層される。
【0064】
本実施形態では、グリーンシート41に対する電極パターン50の面積の割合は、たとえば、40%以上である。面積の割合が40%以上である場合でも、電極パターン50及び絶縁パターン55と、グリーンシート41との密着力が高まる。したがって、たとえば、電極パターン50とグリーンシート41との間に空隙は生じがたい。グリーンシート41に対する電極パターン50の面積の割合は、40%未満であってもよい。面積の割合が40%未満である場合、電極パターン50及び絶縁パターン55と、グリーンシート41との密着力が一層高まる。
【0065】
電子部品ED1の製造方法では、グリーンシート41を準備することは、第一無機物を含むグリーンシート41を準備することを含んでいる。グリーンシート42を準備することは、第一無機物とは異なる第二無機物を含むグリーンシート42を準備することを含む絶縁パターン55を形成することは、第一無機物を含む絶縁性ペーストを用いて絶縁パターン55を形成することを含んでいる。第一無機物は、第二無機物の硬度より大きい硬度を有する。
第一無機物を含むグリーンシート41を準備し、第二無機物を含むグリーンシート42を準備する場合において、第一無機物の硬度が、第二無機物の硬度より大きい。電極パターン50は、硬度が大きい第一無機物を含むグリーンシート41に形成される。したがって、電極パターン50から形成される外部電極10,20は、素体1の、グリーンシート41から形成される領域に強固に接続される。
【0066】
電子部品ED1の製造方法は、第一無機物を含むグリーンシート43を準備することと、グリーンシート43が面42qと接するように、グリーンシート43をグリーンシート42上に載置することと、を含んでいる。グリーンシート43からも素体1を形成している。
グリーンシート43を少なくとも最も上方に位置するように載置する場合、グリーンシート42は、グリーンシート41,43の間に位置する。第二無機物を含むグリーンシート42は、第二無機物より硬度が大きい第一無機物を含むグリーンシート41,43の間に位置する。したがって、素体1の最上部又は最下部は、第一無機物を含むグリーンシート43から形成される。
実装機が電子部品ED1を電子機器に実装する場合、素体1の最上部が実装機と接触することがある。この場合、外力が、実装機から最上部に作用することがある。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。
最上部は、上述したように、第一無機物を含むグリーンシート43から形成されている。したがって、最上部は、比較的大きい硬度を有する。この結果、素体1は、上記外力に耐性を有する。
【0067】
電子部品ED1は、互いに対向している主面1a及び主面1bを有する素体1と、主面1aに配置されていると共に、互いに離間している外部電極10,20と、を備えている。素体1は、主面1aを含む領域E1と、領域E1と主面1bとの間に位置する領域E2とを有している。領域E1は、外部電極10,20と接するように外部電極10,20の間に位置する部分P1を含んでいる。第一方向D1から見て、領域E1が含む部分は、外部電極10,20のそれぞれの端10a,20aを覆っている。領域E1は、領域E2の硬度より大きい硬度を有する。
【0068】
電子部品ED1では、領域E1が、外部電極10,20と接するように外部電極10,20の間に位置する部分を含んでいる。外部電極10,20の間に位置する、領域E1の部分P1は、外部電極10,20のそれぞれの端10a,20aを覆っている。外部電極10,20のそれぞれの端10a,20aが領域E1の部分P1に覆われていることによって、外部電極10,20と素体1との接続強度が向上する。領域E2より大きい硬度を有する領域E1は、外部電極10,20と素体1とを強固に接続する。
【0069】
電子部品ED1では、素体1は、主面1bを含む領域E3を有している。領域E3は、領域E2の硬度より大きい硬度を有している。
素体1が主面1bを含む領域E3を有する構成では、領域E2は、領域E2よりも硬度が大きい領域E1,E3の間に位置する。領域E2は、領域E1,E3によって保護される。
【0070】
電子部品ED1では、外部電極10,20に電気的に接続されていると共に、領域E2に配置されている内部導体30を備えている。
外部電極10,20に電気的に接続されていると共に、領域E2に配置されている内部導体30を備えている構成では、内部導体30が配置されている領域E2は、領域E2よりも硬度が大きい領域E1,E3の間に位置する。領域E2に配置されている内部導体30は、領域E1,E3によって保護される。
【0071】
電子部品ED1では、第一方向D1から見て、外部電極10,20のそれぞれの全体が、領域E1上に位置している。
第一方向D1から見て、外部電極10,20のそれぞれの全体が、領域E1上に位置している構成は、外部電極10,20と素体1との接続強度を一層向上する。
【0072】
電子部品ED1では、外部電極10,20のそれぞれは、領域E1と接する電極面11,21と、電極面11,21と対向している電極面12,22とを有している。外部電極10が有する電極面12は、外部電極10,20が離間している方向で、外部電極20が有する電極面22と対向する端縁13を含むと共に、領域E1が含む部分P1で覆われている面領域12aと、領域E1が含む部分P1から露出する面領域12bと、を有している。外部電極20が有する電極面22は、外部電極10,20が離間している方向で、外部電極10が有する電極面12と対向する端縁23を含むと共に、領域E1が含む部分P1で覆われている面領域22aと、領域E1が含む部分P1から露出する面領域22bと、を有している。
外部電極10,20のそれぞれが、領域E1と接する電極面11,21と、電極面12,22とを有している構成では、外部電極10,20は、電極面11,21を介して、領域E1と接続する。外部電極10,20は、電極面12,22のうち面領域12a,22aを介して、領域E1の部分P1と接続する。外部電極10,20は、電極面11,21及び面領域12a,22aを介して、素体1との接続強度をより一層向上する。外部電極10,20は、面領域12b,22bによって、たとえば、電子機器と電気的に接続される。
【0073】
電子部品ED1では、外部電極10,20のそれぞれにおいて、外部電極10,20が離間している方向に交差する第三方向D3での面領域12b,22bの長さは、第三方向D3での面領域12a,22aの長さより大きい。
第三方向D3での面領域12b,22bの長さが、第三方向D3での面領域12a,22aの長さより大きい構成では、面領域12a,22aを含む素体部分の、第三方向D3での端縁が、領域E1の部分P1に覆われるので、電極面11,21の面積が増大する。外部電極10,20が、電極面11,21を介して、素体1との接続強度をより一層向上する。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
電子部品ED1では、外部電極10,20のそれぞれにおいて、第三方向D3での面領域12b,22bの長さは、第三方向D3での面領域12a,22aの長さより大きくなくてもよい。第三方向D3での面領域12b,22bの長さが、第三方向D3での面領域12a,22aの長さより大きい構成では、上述したように、面領域12a,22aを含む素体部分の、第三方向D3での端縁が、領域E1の部分P1に覆われるので、電極面11,21の面積が増大する。外部電極10,20が、電極面11,21を介して、素体1との接続強度をより一層向上する。
【0075】
本実施形態では、電子部品ED1は、積層インダクタであるとして説明したが、本発明を適用可能な電子部品は、積層インダクタに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層セラミックコンデンサ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、及び積層固体電池を含む。
【0076】
上述した実施形態の記載から把握されるとおり、本明細書は、以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
互いに対向している第一面と第二面とを含む第一グリーンシートを準備することと、
互いに対向している第三面と第四面とを含む第二グリーンシートを準備することと、
導電性ペーストを用い、互いに離間する第一部分と第二部分とを含む電極パターンを前記第一面上に形成することと、
絶縁性ペーストを用い、前記第一部分と前記第二部分との間に、前記第一面と前記第一部分と前記第二部分とに接する絶縁パターンを形成することと、
前記第一グリーンシートが載置される基台を準備することと、
前記第一部分と前記第二部分と前記絶縁パターンとが前記基台と接するように、前記電極パターンと前記絶縁パターンとが形成された前記第一グリーンシートを前記基台上に載置することと、
前記第三面が前記第二面と接するように、前記第二グリーンシートを前記第一グリーンシート上に載置することと、を含み、
前記電極パターンから一対の外部電極を形成し、前記第一グリーンシート、前記第二グリーンシート、及び前記絶縁パターンから素体を形成する、電子部品の製造方法。
(付記2)
前記第一グリーンシートを準備することは、第一無機物を含む前記第一グリーンシートを準備することを含み、
前記第二グリーンシートを準備することは、前記第一無機物とは異なる第二無機物を含む前記第二グリーンシートを準備することを含み、
前記絶縁パターンを形成することは、前記第一無機物を含む絶縁性ペーストを用いて前記絶縁パターンを形成することを含み、
前記第一無機物は、前記第二無機物の硬度より大きい硬度を有する、付記1に記載の電子部品の製造方法。
(付記3)
前記第一無機物を含む第三グリーンシートを準備することと、
前記第三グリーンシートが少なくとも最も上方に位置するように、前記第三グリーンシートを載置することと、を更に含み、
前記第三グリーンシートからも前記素体を形成する、付記2に記載の電子部品の製造方法。
(付記4)
互いに対向している第一主面及び第二主面を有する素体と、
前記第一主面に配置されていると共に、互いに離間している第一及び第二外部電極と、を備え、
前記素体は、前記第一主面を含む第一領域と、前記第一領域と前記第二主面との間に位置する第二領域とを有し、
前記第一領域は、前記第一及び第二外部電極と接するように前記第一及び第二外部電極の間に位置する部分を含み、
前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している方向から見て、前記第一領域が含む前記部分は、前記第一及び第二外部電極のそれぞれの端を覆っており、
前記第一領域は、前記第二領域の硬度より大きい硬度を有する、電子部品。
(付記5)
前記素体は、前記第二主面を含む第三領域を更に有し、
前記第三領域は、前記第二領域の前記硬度より大きい硬度を有する、付記4に記載の電子部品。
(付記6)
前記第一及び第二外部電極に電気的に接続されていると共に、前記第二領域に配置されている内部導体を更に備える、付記4又は5に記載の電子部品。
(付記7)
前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している前記方向から見て、前記第一及び第二外部電極のそれぞれの全体が、前記第一領域上に位置している、付記4~6のいずれか一つに記載の電子部品。
(付記8)
前記第一及び第二外部電極のそれぞれは、前記第一領域と接する第一電極面と、前記第一電極面と対向している第二電極面とを有し、
前記第一外部電極が有する前記第二電極面は、
前記第一及び第二外部電極が離間している方向で、前記第二外部電極が有する前記第二電極面と対向する端縁を含むと共に、前記第一領域が含む前記部分で覆われている第一面領域と、
前記第一領域が含む前記部分から露出する第二面領域と、を有し、
前記第二外部電極が有する前記第二電極面は、
前記第一及び第二外部電極が離間している前記方向で、前記第一外部電極が有する前記第二電極面と対向する端縁を含むと共に、前記第一領域が含む前記部分で覆われている第一面領域と、
前記第一領域が含む前記部分から露出する第二面領域と、を有する、付記4~7のいずれか一つに記載の電子部品。
(付記9)
前記第一及び第二外部電極のそれぞれにおいて、前記第一及び第二外部電極が離間している前記方向に交差する方向での前記第二面領域の長さは、前記交差する方向での前記第一面領域の長さより大きい、付記8に記載の電子部品。
【0077】
上記付記4に係る電子部品は、互いに対向している第一主面及び第二主面を有する素体と、第一主面に配置されていると共に、互いに離間している第一及び第二外部電極と、を備えている。素体は、第一主面を含む第一領域と、第一領域と第二主面との間に位置する第二領域とを有している。第一領域は、第一及び第二外部電極と接するように第一及び第二外部電極の間に位置する部分を含んでいる。第一主面と第二主面とが互いに対向している方向から見て、第一領域が含む部分は、第一及び第二外部電極のそれぞれの端を覆っている。第一領域は、第二領域の硬度より大きい硬度を有する。
上記付記4に係る態様では、第一領域が、第一及び第二外部電極と接するように第一及び第二外部電極の間に位置する部分を含んでいる。第一及び第二外部電極の間に位置する、第一領域の部分は、第一及び第二外部電極のそれぞれの端を覆っている。第一及び第二外部電極のそれぞれの端が第一領域の部分に覆われていることによって、第一及び第二外部電極と素体との接続強度が向上する。第二領域より大きい硬度を有する第一領域は、第一及び第二外部電極と素体とを強固に接続する。
上記付記4に係る態様では、素体は、第二主面を含む第三領域を有してもよい。第三領域は、第二領域の硬度より大きい硬度を有してもよい。
素体が上記第三領域を有する構成では、第二領域は、第二領域よりも硬度が大きい第一及び第三領域の間に位置する。第二領域は、第一及び第三領域によって保護される。
上記付記4に係る態様では、第一及び第二外部電極に電気的に接続されていると共に、第二領域に配置されている内部導体を備えていてもよい。
上記内部導体を備えている構成では、内部導体が配置されている第二領域は、第二領域よりも硬度が大きい第一及び第三領域の間に位置する。第二領域に配置されている内部導体は、第一及び第三領域によって保護される。
上記付記4に係る態様では、第一主面と第二主面とが互いに対向している方向から見て、第一及び第二外部電極のそれぞれの全体が、第一領域上に位置していてもよい。
上述したように、第一及び第二外部電極のそれぞれの全体が、第一領域上に位置している構成は、第一及び第二外部電極と素体との接続強度を一層向上する。
上記付記4に係る態様では、第一及び第二外部電極のそれぞれは、第一領域と接する第一電極面と、第一電極面と対向している第二電極面とを有してもよい。第一外部電極が有する第二電極面は、第一及び第二外部電極が離間している方向で、第二外部電極が有する第二電極面と対向する端縁を含むと共に、第一領域が含む部分で覆われている第一面領域と、第一領域が含む部分から露出する第二面領域と、を有してもよい。第二外部電極が有する第二電極面は、第一及び第二外部電極が離間している方向で、第一外部電極が有する第二電極面と対向する端縁を含むと共に、第一領域が含む部分で覆われている第一面領域と、第一領域が含む部分から露出する第二面領域と、を有してもよい。
第一及び第二外部電極のそれぞれが、上記第一電極面と、上記第二電極面とを有している構成では、第一及び第二外部電極は、第一電極面を介して、第一領域と接続する。第一及び第二外部電極は、第二電極面のうち第一面領域を介して、第一領域の部分と接続する。第一及び第二外部電極は、第一電極面及び第一面領域を介して、素体との接続強度をより一層向上する。第一及び第二外部電極は、第二面領域によって、たとえば、電子機器と電気的に接続される。
上記付記4に係る態様では、第一及び第二外部電極のそれぞれにおいて、第一及び第二外部電極が離間している方向に交差する方向での第二面領域の長さは、交差する方向での第一面領域の長さより大きくてもよい。
第二面領域の上記長さが、第一面領域の上記長さより大きい構成では、第一面領域を含む素体部分の、上記交差する方向での端縁が、第一領域の部分に覆われる。したがって、本構成は、第一電極面の面積を増大させる。この結果、第一及び第二外部電極が、第一電極面を介して、素体との接続強度をより一層向上する。
【符号の説明】
【0078】
1…素体、1a,1b…主面、10,20…外部電極、10a,20a…端、11,12,21,22…電極面、12a,12b,22a,22b…面領域、13,23…端縁、30…内部導体、41,42,43…グリーンシート、41p,41q,42p,42q…面、50…電極パターン、51,52…部分、55…絶縁パターン、58…導体パターン、60…基台、E1,E2,E3…領域、ED1…電子部品、P1…部分。