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特開2024-110271医用画像処理装置、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110271
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240807BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240807BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20240807BHJP
【FI】
A61B6/03 377
A61B6/00 370
A61B6/03 360T
A61B6/03 375
A61B6/00 331E
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014769
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 卓弥
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA24
4C093AA26
4C093CA18
4C093DA02
4C093FF37
4C093FG14
(57)【要約】
【課題】CT画像に基づく血流に関する指標値と、Angio画像に基づく血流に関する指標値との比較を適切に行うこと。
【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、決定部と、位置合わせ部とを備える。取得部は、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得する。決定部は、血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定する。位置合わせ部は、目標位置に基づいて、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CT(Computed Tomography)画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得する取得部と、
前記血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定する決定部と、
前記目標位置に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する位置合わせ部と、
を備える、医用画像処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記CT画像に含まれる血管の各位置における前記血流に関する指標値と、前記Angio画像に含まれる前記血管の各位置における前記血流に関する指標値とを取得し、
前記決定部は、前記CT画像に含まれる前記血管の位置ごとの前記血流に関する指標値の差分に基づいて、前記目標位置を決定する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記血管における血管枝ごとに前記目標位置を決定し、
前記位置合わせ部は、前記血管枝ごとに、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する、請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとについて、略同一の心位相で算出されたグラフを取得し、
前記位置合わせ部は、前記略同一の心位相で算出されたグラフ間の位置合わせを実行する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記血管における前記目標位置に対応する血管位置を特定し、
前記位置合わせ部は、前記血管位置の近傍の特徴点において位置合わせを実行することで、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する、請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記位置合わせ部は、前記グラフにおける前記目標位置の近傍の特徴点において位置合わせを実行することで、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する、請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記位置合わせ部によって位置合わせが実行された前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを重ねて表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1~6のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記重ねて表示させたグラフに対して、前記位置合わせの精度に関する情報をさらに表示させる、請求項7に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、血管を含む表示画像の血管の位置に対応付けて、前記グラフを表示させる、請求項7に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、術前に収集されたCT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、前記術前に収集されたCT画像を用いて推定された術後の血流に関する指標値のグラフと、術前に収集されたAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、術後に収集されたAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを重ねて表示させる、請求項7に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、複数のグラフの比較結果に応じて警告を表示させる、請求項10に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記血流に関する指標値のグラフにおいて前記目標位置に基づいて設定された範囲内の比較結果に応じて、警告を表示させる、請求項11に記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
前記決定部は、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、前記CT画像に含まれる血管における前記目標位置を決定し、
前記血管における目標位置に基づいて、当該血管に対するAngio画像の収集方向を算出する算出部をさらに備える、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記決定部は、前記血管において複数の目標位置を決定し、
前記算出部は、前記複数の目標位置について、Angio画像の収集方向をそれぞれ算出する、請求項13に記載の医用画像処理装置。
【請求項15】
前記取得部は、前記CT画像に基づく血流に関する指標値の算出と、前記Angio画像に基づく血流に関する指標値の算出とにおいて、算出条件を合わせてそれぞれ算出された指標値のグラフを取得する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項16】
前記取得部は、前記CT画像に基づく血流に関する指標値の算出条件に合わせて算出された前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフを取得する、請求項15に記載の医用画像処理装置。
【請求項17】
前記取得部は、前記Angio画像に基づいて設定される算出条件を用いて算出された前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフを取得する、請求項15に記載の医用画像処理装置。
【請求項18】
CT(Computed Tomography)画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得し、
前記血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定し、
前記目標位置に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせする
ことを含む、医用画像処理方法。
【請求項19】
CT(Computed Tomography)画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得する取得機能と、
前記血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定する決定機能と、
前記目標位置に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせする位置合わせ機能と、
をコンピュータに実行させる、医用画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓冠状動脈内の血圧を測定する「Fractional Flow Reserve(FFR)」という技術がある。2015年頃に血管内に圧力センサーを入れる方法が実用化され、2020年頃には画像を用いて圧力を推定する方法が汎用化した。近年、Angio画像からFFRを測定する方法(以下、Angio-FFRと記す)が、圧力センサーを用いる方法(以下、ワイヤFFRと記す)と遜色ない結果が得らえるようになったという報告が相次いでおり、この進歩が続くと、Angio-FFRがワイヤFFRにとってかわる可能性も高い。Angio-FFRでは、血管造影さえなされていればよいため、3枝いっぺんに狭窄の末梢までワイヤクロスさせることなく安全に値が得られるというワイヤFFRを超えたメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-142320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、CT画像に基づく血流に関する指標値と、Angio画像に基づく血流に関する指標値との比較を適切に行うことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、決定部と、位置合わせ部とを備える。取得部は、CT(Computed Tomography)画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得する。決定部は、前記血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定する。位置合わせ部は、前記目標位置に基づいて、前記CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと前記Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、図1は、第1の実施形態に係るワークフローの一例を説明するための図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の処理回路が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、第1の実施形態に係る位置合わせ処理の一例を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る比較表示の一例を示す図である。
図6A図6Aは、第1の実施形態に係る制御機能による表示制御の一例を示す図である。
図6B図6Bは、第1の実施形態に係る制御機能による表示制御の一例を示す図である。
図6C図6Cは、第1の実施形態に係る制御機能による表示制御の一例を示す図である。
図6D図6Dは、第1の実施形態に係る制御機能による表示制御の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る比較表示の一例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の処理回路が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、第2の実施形態に係る画像表示の一例を説明するための図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る表示制御の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置、方法及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る医用画像処理装置、方法及びプログラムは、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。また、以下の説明において、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、本実施形態では、血流に関する指標値として、FFRを一例に挙げて説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
上述したように、近年、Angio-FFRが注目されてきているが、現在、術前にはCT画像からFFRを測定する方法(以下、CT-FFRと記す)が普及している。CT-FFRとAngio-FFRの双方が普及するようになると、双方ともヨード造影剤を用いた造影剤の流れという同じ現象を、エックス線吸収原理に基づく同じ種類の画像で可視化することから、医学生理学的現象としての比較が容易である。また、双方ともワイヤ挿入による形状変形がないことも比較を容易にする。このように、CT-FFRとAngio-FFRとは、比較する上で相性が良いが、これらは異なる時刻に異なる条件で得られた画像に基づくため、単純に比較すると精度が劣化してしまう。そこで、本実施形態では、位置合わせや表示方法に工夫をすることにより、両者を精度よく比較照合観察しやすい技術方法を提案する。
【0009】
ここで、まず、本実施形態が適用される手技のワークフローについて説明する。図1は、第1の実施形態に係るワークフローの一例を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係る医用画像処理装置、方法及びプログラムが適用される手技では、CTスキャンによりCT画像が収集され、CT画像に基づくFFR値が推定される(図中、CT-FFR)。ここで、以後治療が必要となる場合、治療を仮想し、治療を行った場合にFFR値がどのようになるかのシミュレーションが行われる(図中、Virtual CT-FFR)。
【0010】
CT画像に基づくFFR値が推定されると、血管の位置ごとのFFR値の差分(ΔFFR)が算出され、治療の要否が判別される。ここで、ΔFFRが大きい箇所(すなわち、圧力勾配が大きく、血流を阻害している箇所)があれば、そこを治療対象として治療が行われる。一方、ΔFFRが小さければ(すなわち、圧力勾配が急激な箇所が存在しなければ)、血流に異常なしとみなして治療は行われない。
【0011】
次に、治療を行うとなった場合、患者は、治療室に送られ、治療室においてAngio装置によるCAG(Coronary Angiography)スキャンが行われる。ここで、Angio-FFRは、術前と術後に計測される。例えば、治療室に入り、治療を行う前に、Angio装置によるCAGスキャンが行われ、Angio画像に基づくFFR値が推定される(図中、Angio-FFR)。すなわち、実際に治療を始める前に、ΔFFRが大きい箇所(圧力勾配が大きく、血流を阻害している箇所)が確認され、当該箇所がCT-FFRによって特定された箇所と同一であることが確認される。
【0012】
ここで、Angio-FFRの結果がCT-FFRの結果と同一であることが確認されると、治療用デバイスの挿入が準備される。一方、Angio-FFRの結果とCT-FFRの結果とに相違がある場合、原因が考えられ、解決するまで医療用デバイスの挿入は行われない。本実施形態に係る医用画像処理装置、方法及びプログラムは、この場面に適用され、CT-FFRの結果と、Angio-FFRの結果との比較を適切に行うことを可能にする。
【0013】
また、治療用デバイスの挿入が決定されると、血管内治療(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)として、医療用デバイス(ステントやバルーン)が挿入され、血流阻害箇所を解消する治療が行われる。そして、医療用デバイス挿入後、血流阻害箇所が解消されたか否かがその場で確認される。すなわち、医療用デバイス挿入前と同一の状態でCAGスキャンが行われ、Angio-FFRの値が推定され、ΔFFRが小さくなっていることが確認される。本実施形態に係る医用画像処理装置、方法及びプログラムは、この場面においても適用され、CT-FFRの結果と、Angio-FFRの結果との比較を適切に行うことを可能にする。
【0014】
以下、本実施形態に係る医用画像処理装置について説明する。図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5の構成例を示す図である。例えば、図2に示すように、本実施形態に係る医用画像処理装置5は、X線CT(Computed Tomography)装置1と、Angio装置2と、血流情報計算装置3と、血流情報計算装置4と、ネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、図2に示すネットワークには、その他種々の装置(例えば、画像保管装置など)及びシステムが接続される場合でもよい。
【0015】
X線CT装置1は、被検体のCT画像(ボリュームデータ)を収集する。具体的には、X線CT装置1は、造影剤を投与した被検体の心臓を略中心にX線管及びX線検出器を旋回移動させ、被検体を透過したX線を検出して投影データを収集する。そして、X線CT装置1は、収集された投影データに基づいて、CT画像を生成する。一例を挙げると、X線CT装置1は、冠動脈の血流に関する指標値を算出するための冠動脈造影CT画像を生成する。
【0016】
Angio装置2は、被検体の2次元投影データ(Angio画像)を収集する。具体的には、Angio装置2は、一方の端部にX線管を保持し、他端にX線検出器を保持したアームを、造影剤を投与した被検体の心臓に対して所定の方向からX線を照射するように配置し、被検体を透過したX線を検出して2次元投影データを収集する。一例を挙げると、Angio装置2は、冠動脈の血流に関する指標値を算出するための2次元血管造影投影データを収集する。なお、Angio装置2は、バイプレーンで構成された場合、複数方向から2次元血管造影投影データを同時に収集することもできる。
【0017】
血流情報計算装置3は、X線CT装置1によって生成された冠動脈造影CT画像を用いて、血流に関する指標値を算出する。例えば、血流情報計算装置3は、単一時相、或いは、複数時相の冠動脈造影CT画像を用いて、冠動脈の3次元モデルを生成し、生成した3次元モデルに対して解析を行うことで、被検体の冠動脈における血流に関する指標値を算出する。なお、血流情報計算装置3は、3次元モデルを生成せず、冠動脈造影CT画像に対して解析を行うことで、指標値を算出することもできる。また、上記した解析としては、例えば、ナビエ‐ストークス方程式を用いた流体解析や、機械学習等が挙げられるが、これに限られるものではなく、適用可能な手法であればどのような手法が用いられても良い。
【0018】
血流情報計算装置4は、Angio装置2によって収集された2次元血管造影投影データを用いて、血流に関する指標値を算出する。例えば、血流情報計算装置4は、2次元血管造影投影データを用いて、冠動脈の3次元モデルを生成し、生成した3次元モデルに対して解析を行うことで、被検体の冠動脈における血流に関する指標値を算出する。なお、上記した解析としては、例えば、ナビエ‐ストークス方程式を用いた流体解析や、機械学習等が挙げられるが、これに限られるものではなく、適用可能な手法であればどのような手法が用いられても良い。
【0019】
医用画像処理装置5は、被検体に関する各種の情報処理を行う。具体的には、医用画像処理装置5は、ネットワークを介して血流情報計算装置3及び血流情報計算装置4から血流に関する指標値(FFRの値)をそれぞれ受信し、当該指標値を用いて各種の情報処理を行う。例えば、医用画像処理装置5は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0020】
例えば、医用画像処理装置5は、通信インターフェース51と、入力インターフェース52と、ディスプレイ53と、記憶回路54と、処理回路55とを備える。
【0021】
通信インターフェース51は、医用画像処理装置5と、ネットワークを介して接続された他の装置との間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インターフェース51は、処理回路55に接続されており、他の装置から受信したデータを処理回路55に送信、又は、処理回路55から送信されたデータを他の装置に送信する。例えば、通信インターフェース51は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0022】
入力インターフェース52は、利用者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース52は、処理回路55に接続されており、利用者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路55に送信する。例えば、入力インターフェース52は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサーを用いた非接触入力インターフェース、及び音声入力インターフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース52は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ送信する電気信号の処理回路も入力インターフェース52の例に含まれる。
【0023】
ディスプレイ53は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ53は、処理回路55に接続されており、処理回路55から受信した各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ53は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0024】
記憶回路54は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路54は、処理回路55に接続されており、処理回路55から受信したデータを記憶、又は、記憶しているデータを読み出して処理回路55に送信する。例えば、記憶回路54は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0025】
処理回路55は、医用画像処理装置5の全体を制御する。例えば、処理回路55は、入力インターフェース52を介して利用者から受け付けた入力操作に応じて、各種処理を行う。例えば、処理回路55は、他の装置から送信されたデータを通信インターフェース51を介して受信し、受信したデータを記憶回路54に格納する。また、例えば、処理回路55は、記憶回路54から受信したデータを通信インターフェース51に送信することで、当該データを他の装置に送信する。また、例えば、処理回路55は、記憶回路54から受信したデータをディスプレイ53に表示する。
【0026】
以上、本実施形態に係る医用画像処理装置5の構成例について説明した。例えば、本実施形態に係る医用画像処理装置5は、病院や診療所等の医療施設(例えば、Angio装置2が設置された治療室など)に設置され、医師等の利用者によって行われる各種診断や治療計画の策定等を支援する。例えば、医用画像処理装置5は、CT画像に基づく血流に関する指標値と、Angio画像に基づく血流に関する指標値との比較を適切に行うための各種処理を実行する。以下、医用画像処理装置5の詳細について説明する。
【0027】
例えば、図2に示すように、本実施形態では、医用画像処理装置5の処理回路55が、制御機能551と、取得機能552と、決定機能553と、位置合わせ機能554とを実行する。ここで、制御機能551は、表示制御部の一例である。取得機能552は、取得部の一例である。また、決定機能553は、決定部の一例である。また、位置合わせ機能554は、位置合わせ部の一例である。
【0028】
制御機能551は、入力インターフェース52を介した操作に応じて、種々のGUI(Graphical User Interface)や、種々の表示情報を生成して、ディスプレイ53に表示するように制御する。例えば、制御機能551は、CT画像に基づく血流に関する指標値及びAngio画像に基づく血流に関する指標値をディスプレイ53に表示させる。また、制御機能551は、血流に関する指標値の算出に用いられたCT画像やAngio画像に基づいて種々の表示画像を生成して、ディスプレイ53に表示させる。
【0029】
例えば、制御機能551は、位置合わせ機能554によって位置合わせが実行されたCT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを重ねて表示させる。なお、制御機能551による処理については、後に詳述する。
【0030】
取得機能552は、通信インターフェース51を介して、ネットワークに接続された各種装置から種々の情報を取得する。例えば、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得する。すなわち、取得機能552は、CT画像に含まれる血管の各位置(血管の走行方向に沿った各位置)における血流に関する指標値(CT-FFRの値)と、Angio画像に含まれる血管の各位置における血流に関する指標値(Angio-FFRの値)とを取得する。また、取得機能552は、CT-FFRの算出に用いられたCT画像、及び、Angio-FFRの算出に用いられたAngio画像を、X線CT装置1、Angio装置2、血流情報計算装置3、血流情報計算装置4から取得することもできる。なお、取得機能552による処理については、後に詳述する。
【0031】
決定機能553は、血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、CT画像に基づく血流に関する指標値(CT-FFRの値)のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値(Angio-FFRの値)のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定する。具体的には、決定機能553は、CT画像に含まれる血管の位置ごとの血流に関する指標値の差分に基づいて、目標位置を決定する。なお、決定機能553による処理については、後に詳述する。
【0032】
位置合わせ機能554は、目標位置に基づいて、CT画像に基づく血流に関する指標値(CT-FFRの値)のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値(Angio-FFRの値)のグラフとの位置合わせを実行する。具体的には、位置合わせ機能554は、血管の走行方向に沿った各位置におけるCT-FFRの値を示すグラフと、血管の走行方向に沿った各位置におけるAngio-FFRの値を示すグラフとの位置合わせを実行する。なお、位置合わせ機能554による処理については、後に詳述する。
【0033】
上述した処理回路55は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合に、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路54に記憶される。そして、処理回路55は、記憶回路54に記憶された各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、処理回路55は、各プログラムを読み出した状態で、図2に示した各処理機能を有することとなる。
【0034】
次に、医用画像処理装置5による処理の手順について、図3を用いて説明した後、各処理の詳細について説明する。図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5の処理回路55が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートは、治療することが決定された被検体が治療室に入った後に実施される術前のCAGスキャン及び術後のCAGスキャンのどちらの状況においても適用可能である。
【0035】
例えば、図3に示すように、本実施形態では、取得機能552が、血流情報計算装置3から被検体のCT-FFRの値を取得する(ステップS101)。例えば、取得機能552は、入力インターフェース52を介したCT-FFRの値の取得操作に応じて、術前に取得されていたCT-FFRの値を取得する。この処理は、例えば、処理回路55が、取得機能552に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0036】
続いて、決定機能553が、取得されたCT-FFRの値におけるΔFFRに基づいて、目標位置を決定する(ステップS102)。この処理は、例えば、処理回路55が、決定機能553に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0037】
そして、取得機能552が、血流情報計算装置4から被検体のAngio-FFRの値を取得する(ステップS103)。ここで、この処理は、治療室に入った被検体に対してCAGスキャンが実施され、血流情報計算装置4によってAngio-FFRの値が算出された後に実行される。また、この処理は、例えば、処理回路55が、取得機能552に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0038】
続いて、位置合わせ機能554が、目標位置近傍の特徴点を特定し(ステップS104)、特徴点を用いて位置合わせを実行する(ステップS105)。この処理は、例えば、処理回路55が、位置合わせ機能554に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0039】
そして、制御機能551が、CT-FFRの値を示すグラフと、Angio-FFRの値を示すグラフとを、位置合わせ結果に基づいて比較表示させる(ステップS106)。具体的には、制御機能551は、位置合わせ結果に基づいて、CT-FFRの値を示すグラフとAngio-FFRの値を示すグラフとを重ね、治療室に設置されたディスプレイ53に表示させる。この処理は、例えば、処理回路55が、制御機能551に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0040】
その後、取得機能552が、全ての目標位置について比較表示が実施されたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、全ての目標位置について比較表示が実施されていない場合には(ステップS107、No)、ステップS103に戻って、取得機能552が、新たな目標位置に対応するAngio-FFRの値を取得する。一方、全ての目標位置について比較表示が実施された場合には(ステップS107、Yes)、医用画像処理装置5は、処理を終了する。この処理は、例えば、処理回路55が、取得機能552に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0041】
以下、医用画像処理装置5によって実行される各処理の詳細について、説明する。
【0042】
(CT-FFRの値の取得処理)
図3のステップS101で説明したように、取得機能552は、入力インターフェース52を介したCT-FFRの値の取得操作に応じて、治療の対象となる被検体のCT-FFRの値を取得する。例えば、取得機能552は、被検体の冠動脈において走行方向に沿った各位置で算出されたCT-FFRの値を取得する。
【0043】
ここで、取得機能552は、冠動脈における各位置とCT-FFRの値とを対応付けた情報を取得する。すなわち、取得機能552は、冠動脈の各位置におけるCT-FFRの値の変化を示すグラフを生成することができる情報を取得する。なお、この情報には、CT-FFRの値に基づく診断結果(例えば、治療の対象と診断された血流阻害箇所など)が含まれる場合でもよい。
【0044】
なお、ステップS101におけるCT-FFRの値の取得処理は、上記したように、入力インターフェース52を介したユーザの取得指示により動作が開始される場合でもよいが、自動的に処理が開始される場合でもよい。かかる場合には、例えば、取得機能552は、治療対象の被検体情報が入力されたことを条件に、自動的に当該被検体のCT-FFRの値を取得する。
【0045】
また、取得機能552は、CT-FFRの値の取得とともに、CT-FFRの値の算出に用いられたCT画像を取得することができる。取得機能552によってCT画像が取得された場合、制御機能551は、取得されたCT画像から表示画像を生成して、ディスプレイ53に表示させることができる。例えば、制御機能551は、取得されたCT画像から治療の対象と診断された血流阻害箇所を示す表示画像を生成して、生成した表示画像をディスプレイ53に表示させる。
【0046】
(目標位置の決定処理)
図3のステップS102で説明したように、決定機能553は、取得されたCT-FFRの値におけるΔFFRに基づいて、目標位置を決定する。具体的には、決定機能553は、ΔFFRの値が大きく、治療の対象と診断された血流阻害箇所を、位置合わせの目標位置として決定する。ここで、決定機能553は、治療の対象と診断された血流阻害箇所を、CT-FFRの値から取得することもでき、或いは、CT-FFRの値が取得された際に同時に取得された診断結果から取得することもできる。
【0047】
すなわち、決定機能553は、取得機能552によって取得された冠動脈の各位置におけるCT-FFRの値を用いて、位置ごとの差分を算出することでΔFFRの値を算出し、算出したΔFFRの値に基づいて、目標位置(血流阻害箇所)を決定することができる。この場合、決定機能553は、決定した目標位置に対応する血管位置もさらに特定する。例えば、決定機能553は、ΔFFRの値が大きくなる2つのCT-FFRの値の間の位置に対応する冠動脈上の位置を特定する。
【0048】
また、決定機能553は、CT-FFRの値とともに取得された診断結果から冠動脈における血流阻害箇所を取得し、取得した血流阻害箇所を目標位置として決定する。この場合、ΔFFRの値や、それに対応する冠動脈上の位置が既に特定されていることから、決定機能553は、それらの情報に基づいて、目標位置を決定する。
【0049】
ここで、決定機能553は、冠動脈における全ての目標位置を特定する。例えば、決定機能553は、血管における血管枝ごとに目標位置を決定する。すなわち、決定機能553は、治療の対象となる血流阻害箇所が複数ある場合、それら全てを目標位置として決定する。
【0050】
(Angio-FFRの値の取得処理)
図3のステップS103で説明したように、取得機能552は、被検体のAngio-FFRの値を取得する。具体的には、取得機能552は、治療室に入った後、治療を始める前(術前)の段階で収集されたAngio画像に基づくAngio-FFRの値、或いは、治療した後、治療室から出る前(術後)の段階で収集されたAngio画像に基づくAngio-FFRの値を取得する。例えば、取得機能552は、冠動脈における各位置とAngio-FFRの値とを対応付けた情報を取得する。すなわち、取得機能552は、冠動脈の各位置におけるAngio-FFRの値の変化を示すグラフを生成することができる情報を取得する。
【0051】
ここで、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとについて、略同一の心位相で算出されたグラフを取得する。すなわち、取得機能552は、CT-FFRが算出された時相と、Angio-FFRが算出された時相とが合うように各指標値を取得する。換言すると、取得機能552は、CT-FFRが算出された心位相とAngio-FFRが算出された心位相とを合わせて各指標値を取得する。例えば、CT-FFRがR-R間隔においてR波開始から70%経過した時点の位相(RR70%)である場合、取得機能552は、Angio-FFRをRR70%で算出するように、血流情報計算装置4に情報を送信する。そして、取得機能552は、RR70%で算出されたAngio-FFRの値を取得する。
【0052】
なお、CT-FFRの値の取得とAngio-FFRの値の取得の順番は、図3に示す順番に限られず、Angio-FFRの値を取得した後、CT-FFRの値が取得される場合でもよい。この場合、例えば、取得機能552は、Angio-FFRが算出された心位相に合わせて、CT-FFRの値を算出した心位相を選択する。例えば、取得機能552は、Angio-FFRがRR80%で算出された場合、RR80%で算出されたCT-FFRの値を取得する。
【0053】
ここで、CT-FFRの値を算出するためのCT画像に対象とする心位相のもの(例えば、RR80%のCT画像)がない場合、RR80%におけるCT-FFRの値を取得することができないため、取得機能552は、CT-FFRの心位相に合うように、Angio-FFRの心位相を指定する。
【0054】
上述したように、取得機能552は、CT-FFRが算出された時相と、Angio-FFRが算出された時相とが合うように各指標値を取得する。ここで、取得機能552は、CT-FFRの値の取得時と同様に、Angio-FFRの値の取得とともに、Angio-FFRの値の算出に用いられたAngio画像を取得することができる。取得機能552によってAngio画像が取得された場合、制御機能551は、取得されたAngio画像から表示画像を生成して、ディスプレイ53に表示させることができる。例えば、制御機能551は、取得されたAngio画像から治療の対象と診断された血流阻害箇所に対応する箇所を示す表示画像を生成して、生成した表示画像をディスプレイ53に表示させる。
【0055】
(位置合わせ処理)
図3のステップS104及びステップS105で説明したように、位置合わせ機能554は、決定機能553によって決定された目標位置の近傍の特徴点を特定し、特定した特徴点を用いて位置合わせを実行する。具体的には、位置合わせ機能554は、目標位置の近傍の特徴点において位置合わせを行うことで、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの位置合わせを実行する。ここで、上述したように、取得機能552は、略同一の心位相で算出されたグラフを取得する。すなわち、位置合わせ機能554は、略同一の心位相で算出されたグラフ間の位置合わせを実行する。
【0056】
例えば、位置合わせ機能554は、CT-FFRの値を算出したCT画像における冠動脈とAngio-FFRの値を算出したAngio画像における冠動脈とにおいて、目標位置の近傍の特徴点をそれぞれ特定し、特定した特徴点を合わせる位置合わせを実行する。図4は、第1の実施形態に係る位置合わせ処理の一例を説明するための図である。ここで、図4においては、左側にCT-FFRの値を算出したCT画像を示し、右側にAngio-FFRの値を算出したAngio画像を示す。
【0057】
例えば、位置合わせ機能554は、図4の左側の図に示すように、CT-FFRの値を算出したCT画像において、決定機能553によって決定された目標位置T1の近傍の特徴点として、血管分岐部P1と血管分岐部P2とを特定する。そして、位置合わせ機能554は、図4の右側の図に示すように、Angio-FFRの値を算出したAngio画像において、血管分岐部P1に対応する血管分岐部P3と、血管分岐部P2に対応する血管分岐部P4とを特定する。
【0058】
そして、位置合わせ機能554は、決定した特徴点間で位置合わせを実行する。例えば、位置合わせ機能554は、血管分岐部P1と血管分岐部P3とを合わせ、血管分岐部P2と血管分岐部P4とを合わせる位置合わせを実行する。すなわち、位置合わせ機能554は、血管分岐部P1におけるCT-FFRの値と血管分岐部P3におけるAngio-FFRの値とを同じ位置の値とし、血管分岐部P2におけるCT-FFRの値と血管分岐部P4におけるAngio-FFRの値とを同じ位置の値として、グラフを重ねる処理を実行する。
【0059】
ここで、位置合わせ機能554は、特徴点(例えば、血管分岐部)の位置合わせを実行する際に、画像変形を行う場合でもよい。例えば、血管分岐部P1と血管分岐部P3とを合わせ、血管分岐部P2と血管分岐部P4とを合わせる位置合わせを実行する際に、位置合わせ機能554は、一方の画像における冠動脈を走行方向に沿って伸長或いは縮小させることで、当該画像における血管分岐部を他方の画像における血管分岐部に合わせる処理を行う。上記変形処理を行った場合、位置合わせ機能554は、伸長或いは縮小を行った画像に対応するFFRのグラフの値の位置を、伸長或いは縮小に応じた位置に移動させる。
【0060】
例えば、治療後のAngio-FFRのグラフとCT-FFRのグラフとを比較させる場合、治療後にはステントなどの医療用デバイスが留置されていることが多い。このような場合、血管の形状が変化するため、上記した変形処理を行ない、精度良く位置合わせを行う。
【0061】
なお、上述した例では、目標位置としてΔFFRが大きい箇所(血流阻害箇所)を用いる場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、FFRのグラフの変曲点やグラフにおいて値が下がり始める点など、他の統計的分析によって特定した点、又は、FFR以外に術前に注目していた箇所、治療を施した箇所、などが目標位置として用いられる場合でもよい。
【0062】
かかる場合には、決定機能553が、上記した点のいずれかを目標位置として決定する。なお、制御機能551が、目標位置を選択するためのGUIを表示させ、操作者から目標位置の選択操作を受け付けることで、目標位置が決定される場合でもよい。
【0063】
また、上述した例では、位置合わせを実行する特徴点として血管分岐部を用いる場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、FFRのグラフにおいて値が下がり始める点が用いられる場合でもよい。すなわち、位置合わせ機能554は、グラフにおける目標位置の近傍の特徴点において位置合わせを実行することで、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの位置合わせを実行する。
【0064】
また、位置合わせを実行する特徴点として、過去の治療において留置された医療用デバイスなどが用いられる場合でもよい。また、血管分岐部、FFRのグラフにおいて値が下がり始める点、過去の治療において留置された医療用デバイスなどから複数の特徴点を抽出し、抽出した複数の特徴点をそれぞれ合わせる位置合わせが実行される場合でもよい。なお、制御機能551が、特徴点を選択するためのGUIを表示させ、操作者から特徴点の選択操作を受け付けることで、特徴点が決定される場合でもよい。
【0065】
また、上述した例では、画像間で位置合わせを行う場合について説明したが、実施形態はこれに限られず、例えば、冠動脈モデルが用いられる場合でもよい。かかる場合には、例えば、位置合わせ機能554は、冠動脈モデルから特徴点(血管分岐部)を抽出し、冠動脈モデルの特徴点に対してCT画像の特徴点を位置合わせし、当該冠動脈モデルの特徴点に対してAngio画像の特徴点を位置合わせすることで、CT画像の特徴点とAngio画像の特徴点との位置合わせを実行する。
【0066】
上述したように、位置合わせ機能554は、目標位置近傍の特徴点を用いて位置合わせを実行することで、局所的な位置合わせを実行する。すなわち、目標位置が複数ある場合、位置合わせ機能554は、目標位置それぞれについて、上記した位置合わせ処理を実行する。これにより、位置合わせ機能554は、目標位置について精度の高い位置合わせを実行することができる。
【0067】
なお、位置合わせ機能554は、血管枝ごとに、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。また、位置合わせ機能554は、冠動脈全体や、血管分岐部間よりも広い範囲で位置合わせを実行することもできる。
【0068】
(比較表示処理)
図3のステップS106で説明したように、制御機能551は、位置合わせ機能554によって位置合わせが実行されたCT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとを重ねて表示させる。図5は、第1の実施形態に係る比較表示の一例を示す図である。ここで、図5は、横軸を血管の位置、縦軸をFFRの値としたグラフを示す。
【0069】
例えば、制御機能551は、図5の上段の図に示すように、術前に収集されたCT画像に基づくCT-FFRのグラフC1と、術前に収集されたAngio画像に基づくAngio-FFRのグラフとを比較表示させる。ここで、制御機能551は、位置合わせ機能554によって位置合わせを反映させたグラフを表示させる。すなわち、制御機能551は、特徴点間のFFRの値が、位置合わせの結果に応じた位置に配置されたグラフを表示させる。
【0070】
例えば、制御機能551は、図5の下段の図に示すように、血管分岐部P1(血管分岐部P3)に対応するグラフ上の位置を示す直線L1と、血管分岐部P2(血管分岐部P4)に対応するグラフ上の位置を示す直線L2との間にあるFFRの値を、位置合わせの結果に応じた位置に配置したグラフを表示させる。
【0071】
ここで、制御機能551は、重ねて表示させたグラフに対して、位置合わせの精度に関する情報をさらに表示させることができる。すなわち、制御機能551は、位置合わせの精度が高い範囲と低い範囲とを区別可能に表示させることができる。例えば、制御機能551は、図5の下段の図に示すように、位置合わせを行った範囲(直線L1と直線L2との間)以外をグレーで示すことで、位置合わせの精度が低いことをグラフ上に示す。
【0072】
(判定処理)
図3のステップS107で説明したように、取得機能552は、全ての目標位置について比較表示が実施されたか否かを判定する。具体的には、取得機能552は、1つの目標位について、CT-FFRのグラフと、術前のAngio-FFRのグラフ及び術後のAngio-FFRのグラフとの比較表示がそれぞれ実施されたか否かを判定する。例えば、取得機能552は、術前・術後を区別する識別子や、経過時間に基づいて、上記比較表示がそれぞれ実施されたか否かを判定する。
【0073】
また、取得機能552は、複数の目標位置について、上記比較表示がそれぞれ実施されたか否かを判定する。すなわち、取得機能552は、複数の治療対象となる箇所について、それぞれ比較表示が実施されたか否かを判定する。例えば、取得機能552は、決定機能553によって決定された全ての目標位置について、それぞれ比較表示が実施されたか否かを判定する。
【0074】
上述したように、制御機能551は、局所的な位置合わせが実行されたCT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとを比較表示させることできるが、グラフの比較表示以外にも種々の表示を行うことができる。以下、図6A図6Dを用いて、制御機能551による表示制御について説明する。図6A図6Dは、第1の実施形態に係る制御機能551による表示制御の一例を示す図である。
【0075】
図6Aに示すように、制御機能551は、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの比較表示に加えて、それぞれの数値を表示させることもできる。例えば、制御機能551は、図6Aに示すように、数値表示させる位置を指定するためのGUI(直線L3)を表示させる。操作者は、直線L3を横軸方向に移動させることで、数値表示させる血管の位置を指定する。制御機能551は、直線L3によって指定された位置のCT-FFRの値と、Angio-FFRの値とを数値で表示させる。
【0076】
また、図6Bに示すように、制御機能551は、血管を含む表示画像の血管の位置に対応付けて、グラフを表示させることもできる。上述したように、位置合わせ機能554は、目標位置ごとに位置合わせを実行する。すなわち、制御機能551は、目標位置ごとにCT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの比較表示を実行することができる。そこで、制御機能551は、図6Bに示すように、目標位置ごとのCT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの比較表示を、冠動脈の位置に対応付けて表示させる。
【0077】
また、図6Cに示すように、制御機能551は、グラフ表示だけでなく、冠動脈の画像の位置に対応付けて、各FFRの値を数値表示させることもできる。例えば、制御機能551は、図6Cに示すように、冠動脈上の位置を指定するためのGUI(冠動脈上の点)を表示させる。操作者は、冠動脈上の点を走行方向に沿って移動させることで、数値表示させる血管の位置を指定する。制御機能551は、冠動脈上の点によって指定された位置のCT-FFRの値と、Angio-FFRの値とを数値で表示させる。
【0078】
また、図6Dに示すように、制御機能551は、目標位置に対応する血管位置の画像を、CT画像及びAngio画像からそれぞれ生成して表示させる。ここで、制御機能551は、Angio画像における血管と同じ角度、同じサイズでCT画像から血管の画像を生成して表示させる。さらに、制御機能551は、各画像における血管に対して、FFRの値に応じた色をつけたカラーマップを表示させることもできる。すなわち、制御機能551は、CT-FFRの値に応じた色で血管を表したCTの画像と、Angio-FFRの値に応じた色で血管を表したAngioの画像とを並べて表示させる。
【0079】
上述したように、本実施形態に係る医用画像処理装置5は、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとを比較表示させる。ここで、制御機能551は、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの比較表示において、操作者(治療を行う術者)に対して、比較結果に応じた警告を表示させることができる。例えば、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの比較表示において、結果が異なっている場合でも術者が気づきにくい場合がある。そこで、制御機能551は、複数のグラフの比較結果に応じて警告を表示させることで、CT-FFRのグラフとAngio-FFRのグラフとの比較表示における気づきを支援する。
【0080】
図7は、第1の実施形態に係る比較表示の一例を示す図である。例えば、ワークフローが術後まで進み、術後のAngio-FFRとの位置合わせが実施されると、制御機能551は、図7に示すように、術前に収集されたCT画像に基づく血流に関する指標値(CT-FFR)のグラフC1と、術前に収集されたCT画像を用いて推定された術後の血流に関する指標値(Virtual CT-FFR)のグラフC3と、術前に収集されたAngio画像に基づく血流に関する指標値(Angio-FFR(術前))のグラフC2と、術後に収集されたAngio画像に基づく血流に関する指標値(Angio-FFR(術後))のグラフC4とを重ねて表示させることができる。
【0081】
ここで、制御機能551は、図7に示すように、4つのグラフを生成順に順次表示させる際に、グラフ間の比較において所定の条件を満たした場合に警告を表示させる。例えば、制御機能551は、血流に関する指標値のグラフにおいて目標位置に基づいて設定された範囲内の比較結果に応じて、警告を表示させる。一例を挙げると、制御機能551は、図7に示すように、CT-FFRのグラフC1における2つの変曲点を示す直線L4と直線L5との間のFFR値の比較において、グラフ間に大きな差がある場合に、警告を表示させる。
【0082】
例えば、制御機能551は、CT-FFRのグラフC1と、Angio-FFR(術前)のグラフC2との間で、閾値以上の差がある場合に、警告を表示させる。これにより、制御機能551は、CT-FFRによる結果とAngio-FFRの結果とが異なっていることを気づかせることができる。
【0083】
また、制御機能551は、Virtual CT-FFRのグラフC3と、Angio-FFR(術後)のグラフC4との間で、閾値以上の差がある場合に、警告を表示させる。例えば、制御機能551は、Angio-FFR(術後)のグラフC4の値が、Virtual CT-FFRのグラフC3の値に届かない場合に、警告を表示させる。これにより、制御機能551は、治療がうまくいっていない可能性があることを気づかせることができる。
【0084】
また、制御機能551は、2つの変曲点を示す直線L4と直線L5との間のFFR値の比較だけでなく、その他の位置で比較を行い、その結果に応じて警告を表示させることもできる。例えば、制御機能551は、グラフ間で変曲点の横軸上の位置を比較し、差が閾値以上ある場合に、警告を表示させる。
【0085】
また、制御機能551は、各グラフにおける末梢の値を比較し、差が閾値以上ある場合に、警告を表示させる。ここで、制御機能551は、グラフにおける末梢(右端)を比較する場合でもよく、位置合わせの精度が高い範囲における末梢(図の直線L2の位置)を比較する場合でもよい。
【0086】
また、治療後のAngio画像を収集する場合、薬剤の注入や体動などにより、Angio-FFRの値に影響が出る場合がある。そこで、制御機能551は、比較した結果の差が大きい場合に、Angio-FFRの再計算を示唆したり、自動で再計算を行うように制御したりしてもよい。
【0087】
なお、制御機能551は、上記した警告表示だけでなく、比較したグラフ間のFFRの値の差を示す数値を表示させることもできる。
【0088】
上述したように、第1の実施形態によれば、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを取得する。決定機能553は、血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを位置合わせするための目標位置を決定する。位置合わせ機能554は、目標位置に基づいて、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、目標位置付近の位置合わせを精度よく行うことができ、CT画像に基づく血流に関する指標値と、Angio画像に基づく血流に関する指標値との比較を適切に行うことを可能にする。
【0089】
また、第1の実施形態によれば、取得機能552は、CT画像に含まれる血管の各位置における血流に関する指標値と、Angio画像に含まれる血管の各位置における血流に関する指標値とを取得する。決定機能553は、CT画像に含まれる血管の位置ごとの血流に関する指標値の差分に基づいて、目標位置を決定する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、血流を阻害しているか否かに基づいて、目標位置を決定することができ、適切な目標位置を設定することを可能にする。
【0090】
また、第1の実施形態によれば、決定機能553は、血管における血管枝ごとに目標位置を決定する。位置合わせ機能554は、血管枝ごとに、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、局所ごとに位置合わせを実行することを可能にする。
【0091】
また、第1の実施形態によれば、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、Angio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとについて、略同一の心位相で算出されたグラフを取得する。位置合わせ機能554は、略同一の心位相で算出されたグラフ間の位置合わせを実行する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、精度の高い比較を行うことを可能にする。
【0092】
また、第1の実施形態によれば、決定機能553は、血管における目標位置に対応する血管位置を特定する。位置合わせ機能554は、血管位置の近傍の特徴点において位置合わせを実行することで、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、局所的な位置合わせを精度よく行うことを可能にする。
【0093】
また、第1の実施形態によれば、位置合わせ機能554は、グラフにおける目標位置の近傍の特徴点において位置合わせを実行することで、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとの位置合わせを実行する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、グラフを用いた位置合わせを精度よく行うことを可能にする。
【0094】
また、第1の実施形態によれば、制御機能551は、位置合わせ機能554によって位置合わせが実行されたCT画像に基づく血流に関する指標値のグラフとAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを重ねて表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、精度の高い比較表示を行うことを可能にする。
【0095】
また、第1の実施形態によれば、制御機能551は、重ねて表示させたグラフに対して、位置合わせの精度に関する情報をさらに表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、グラフにおいて比較する箇所を容易に把握することを可能にする。
【0096】
また、第1の実施形態によれば、制御機能551は、血管を含む表示画像の血管の位置に対応付けて、グラフを表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、画像とグラフとの比較を表示させることを可能にする。
【0097】
また、第1の実施形態によれば、制御機能551は、術前に収集されたCT画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、術前に収集されたCT画像を用いて推定された術後の血流に関する指標値のグラフと、術前に収集されたAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフと、術後に収集されたAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフとを重ねて表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、ワークフローで得られるグラフを1つにまとめて表示させることを可能にする。
【0098】
また、第1の実施形態によれば、制御機能551は、複数のグラフの比較結果に応じて警告を表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、術者に対して気づきを支援することを可能にする。
【0099】
また、第1の実施形態によれば、制御機能551は、血流に関する指標値のグラフにおいて目標位置に基づいて設定された範囲内の比較結果に応じて、警告を表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5は、比較において重要な位置に関する気づきを支援することを可能にする。
【0100】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、Angio-FFRを算出するためのAngio画像の収集方法について説明する。第1の実施形態で説明したように、本願が適用されるワークフローでは、CT画像が先に収集され、血流阻害箇所の有無が確認され、血流阻害箇所がある場合に、Angio画像が収集される。したがって、Angio画像収集時には、どこが目標位置かわかっている。そこで、第2の実施形態では、血流阻害箇所の位置に応じて、Angio画像を収集することで、Angio画像の収集をより効率よく行う。
【0101】
図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置5aの構成例を示す図である。第2の実施形態に係る医用画像処理装置5aは、第1の実施形態に係る医用画像処理装置5と比較して、算出機能555を新たに有する点と、取得機能552による制御とが異なる。以下、これらを中心に説明し、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0102】
第2の実施形態に係る算出機能555は、血管における目標位置に基づいて、当該血管に対するAngio画像の収集方向を算出する。具体的には、算出機能555は、CT-FFRの値に基づいて決定された冠動脈における血流阻害箇所を対象としたAngio画像を収集するためのX線の照射方向(アームの角度情報)を算出する。なお、算出機能555による処理については、後に詳述する。
【0103】
第2の実施形態に係る取得機能552は、算出機能555によって算出された収集方向でAngio画像を収集するように、撮影条件の設定情報をAngio装置2に送信する。具体的には、取得機能552は、算出機能555によって算出されたアームの角度情報をAngio装置2に送信する。
【0104】
次に、医用画像処理装置5aによる処理の手順について、図9を用いて説明した後、各処理の詳細について説明する。図9は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置5aの処理回路55が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、主に、治療することが決定された被検体が治療室に入った後に実施される術前のCAGスキャンにおいて適用される。
【0105】
例えば、図9に示すように、本実施形態では、取得機能552が、血流情報計算装置3から被検体のCT-FFRの値を取得する(ステップS201)。この処理は、例えば、処理回路55が、取得機能552に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0106】
続いて、決定機能553が、取得されたCT-FFRの値におけるΔFFRに基づいて、目標位置を決定する(ステップS202)。この処理は、例えば、処理回路55が、決定機能553に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0107】
続いて、算出機能555が、決定機能553によって決定された目標位置に基づいて、目標位置を撮影するための推奨角度を算出する(ステップS203)。また、この処理は、例えば、処理回路55が、算出機能555に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0108】
続いて、制御機能551が、算出された推奨角度の表示させる(ステップS204)。この処理は、例えば、処理回路55が、制御機能551に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0109】
そして、取得機能552が、推奨角度の情報をAngio装置2に送信する(ステップS205)。この処理は、例えば、処理回路55が、取得機能552に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0110】
その後、取得機能552が、全ての目標位置について推奨角度の算出が実施されたか否かを判定する(ステップS206)。ここで、全ての目標位置について推奨角度の算出が実施されていない場合には(ステップS206、No)、ステップS203に戻って、算出機能555が、新たな目標位置について推奨角度を算出する。一方、全ての目標位置について推奨角度の算出が実施された場合には(ステップS、Yes)、医用画像処理装置5は、処理を終了する。この処理は、例えば、処理回路55が、取得機能552に対応するプログラムを記憶回路54から呼び出して実行することにより実現される。
【0111】
以下、医用画像処理装置5aによって実行される各処理の詳細について、説明する。なお、図9のステップS201、S202、S206の処理は、図3のステップS101、S102、S107と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0112】
(推奨角度の算出処理)
図9のステップS203で説明したように、算出機能555は、決定機能553によって決定された目標位置を撮影するための推奨角度を算出する。具体的には、算出機能555は、目標位置の動きが相対的に小さい方向であり(拍動による動きの移動量が小さく方向)、かつ、目標位置の血管にForeshortening(デバイスの長さが短く見える現象)が発生しない方向を推奨角度として算出する。
【0113】
例えば、算出機能555は、CT画像において決定された目標位置と冠動脈の形状に基づいて、冠動脈と目標位置との位置関係を特定する。そして、算出機能555は、特定した位置関係に基づいて、目標位置が上記した条件(動きが相対的に小さく、Foreshorteningが発生しない方向)を満たす冠動脈に対する角度(CT画像(ボリュームデータ)に対する角度)を算出する。そして、算出機能555は、算出した冠動脈に対する角度を用いて、推奨角度を算出する。
【0114】
ここで、Angio画像を収集する際の被検体の体位が、CT画像収集時の体位と同一である場合、算出機能555は、Angio画像の撮像空間において上記冠動脈に対する角度(CT画像(ボリュームデータ)に対する角度)と同一の角度を、推奨角度として決定する。
【0115】
或いは、治療室において既に被検体のAngio画像が収集されている場合、算出機能555は、例えば、冠動脈の形状に基づく抽出手法に基づいて、既に収集されているAngio画像から冠動脈を抽出する。そして、算出機能555は、抽出した冠動脈に対して上記算出した冠動脈に対する角度となる、Angio画像の撮像空間における角度を算出する。算出機能555は、上記Angio画像の撮像空間における角度を、推奨角度として決定する。
【0116】
なお、上記した例では、決定機能553がCT画像における目標位置を決定する場合について説明したが、操作者が目標位置を決定する場合でもよい。この場合、操作者が、目標位置の部位名をさらに付与し、算出機能555は、付与された部位名に基づいて、Angio画像における目標位置のおおよその位置を特定してもよい。
【0117】
(推奨角度の表示処理)
図9のステップS204で説明したように、制御機能551は、算出機能555によって算出された推奨角度を、ディスプレイ53に表示させる。ここで、制御機能551は、操作者による角度の承認を受け付けるためのGUIをさらに表示させることもできる。
【0118】
(推奨角度の送信処理)
図9のステップS205で説明したように、取得機能552は、算出機能555によって算出された推奨角度を、Angio装置2の撮像条件として、Angio装置2に送信することで、Angio装置2に推奨角度でのAngio画像の収集を設定する。
【0119】
上記した設定によってAngio画像を収集することにより、最初に表示させる段階で、目標位置が見やすいAngio画像を表示させることができる。図10は、第2の実施形態に係る画像表示の一例を説明するための図である。図10に示すように、CT画像において目標位置T2が決定された場合、上記した推奨角度により制御により、目標位置T2が見やすいAngio画像を表示させることができる。すなわち、目標位置T2の血管をForeshorteningが発生しない方向で示したAngio画像を表示させることができる。さらに、目標位置T2がわかっているため、当該位置を拡大させたAngio画像も表示させることができる。
【0120】
また、このように収集されたAngio画像を用いて算出されたAngio-FFRの値が、CT-FFRの値と大きく異なっている場合に、取得機能552は、Angio画像の再収集や、Angio-FFRの再計算を行うように制御することもできる。例えば、取得機能552は、角度を変えてAngio画像を収集させたり、撮像する心位相を変えたりした後、Angio-FFRの再計算を行うように制御する。
【0121】
なお、上記した例では、決定機能553によって決定された目標位置が観察しやすいAngio画像を収集する場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、末梢部位のFFR値が所定値を下回る血管において、ΔFFRの値が閾値を超える箇所や、操作者によって設定された箇所が観察しやすいAngio画像を収集する場合でもよい。
【0122】
ここで、目標位置が複数ある場合、算出機能555は、複数の目標位置について、Angio画像の収集方向をそれぞれ算出する。この場合、目標位置に対する治療が順に進められる。そこで、医用画像処理装置5aは、目標位置ごとに、推奨角度の算出、表示、及び、推奨角度によるAngio画像収集の制御を実施する。ここで、制御機能551は、目標位置に対する治療を順に進めていく間、まだ治療が行われていない目標位置を提示し、その位置の推奨角度を表示させることができる。
【0123】
図11は、第2の実施形態に係る表示制御の一例を示す図である。例えば、制御機能551は、図11の上段の図に示すように、冠動脈上の複数の目標位置をそれぞれ示す矢印a1と矢印a2とを表示させる。ここで、例えば、操作者により矢印a1の位置が指定されると、制御機能551は、当該位置における推奨角度を表示させる。
【0124】
そして、矢印a1で示した目標位置に対する治療が完了すると、制御機能551は、図11の下段の図に示すように、矢印a1を消し、矢印a2のみを表示させる。これにより、操作者は、残っている治療対象の箇所を明確に提示することができる。
【0125】
上述したように、第2の実施形態によれば、決定機能553は、CT画像に基づく血流に関する指標値のグラフの形状に基づいて、CT画像に含まれる血管における目標位置を決定する。算出機能555は、血管における目標位置に基づいて、当該血管に対するAngio画像の収集方向を算出する。したがって、第2の実施形態に係る医用画像処理装置5aは、適切なAngio画像を容易に収集することを可能にする。
【0126】
また、第2の実施形態によれば、決定機能553は、血管において複数の目標位置を決定する。算出機能555は、複数の目標位置について、Angio画像の収集方向をそれぞれ算出する。したがって、第2の実施形態に係る医用画像処理装置5aは、治療対象となる箇所が複数ある場合にも、それぞれの箇所に対して適切なAngio画像を容易に収集することを可能にする。
【0127】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、CT-FFRの算出条件とAngio-FFRの算出条件を関連付ける方法について説明する。具体的には、CT-FFR及びAngio-FFRのアルゴリズムについて、協調、リンク、連動、相互情報交換を行う方法を説明する。なお、第3の実施形態は、第1、第2の実施形態と比較して、取得機能552による処理内容が異なる。以下、この点を中心に説明する。
【0128】
第3の実施形態に係る取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値の算出と、Angio画像に基づく血流に関する指標値の算出とにおいて、算出条件を合わせてそれぞれ算出された指標値のグラフを取得する。
【0129】
例えば、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値の算出条件に合わせて算出されたAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフを取得する。一例を挙げると、取得機能552は、CT-FFRの算出に係るアルゴリズムに合わせて、Angio-FFRの算出に係るアルゴリズムを設定するように制御する。例えば、CT-FFRの値がナビエ‐ストークス方程式を用いた流体解析により算出された場合、取得機能552は、ナビエ‐ストークス方程式を用いた流体解析を用いてAngio-FFRの値を算出するように、血流情報計算装置4に設定情報を送信する。また、例えば、CT-FFRの値が機械学習を用いた解析により算出された場合、取得機能552は、機械学習を用いた解析を用いてAngio-FFRの値を算出するように、血流情報計算装置4に設定情報を送信する。
【0130】
また、例えば、取得機能552は、CT-FFRを算出する際の末端の計算範囲や、境界条件などの情報を取得し、取得した情報を血流情報計算装置4に送信することで、末端の計算範囲や境界条件をCT-FFRに合わせたAngio-FFRの算出結果を取得することができる。
【0131】
また、取得機能552は、Angio画像に基づいて設定される算出条件を用いて算出されたCT画像に基づく血流に関する指標値のグラフを取得する。例えば、取得機能552は、Angio-FFRを算出する際の境界条件に合わせて、CT-FFRの値を再算出するように、血流情報計算装置3に設定情報を送信する。
【0132】
また、Angio画像では、複数フレームを用いて造影剤の流れを取得することができる。そこで、取得機能552は、造影剤の流れから流量や流速を取得し、取得した流量や流速をCT-FFRの解析条件としてCT-FFRの値を再算出するように、血流情報計算装置3に設定情報を送信する。
【0133】
また、Angio画像では、治療後の実際の血管の形状を取得することができる。そこで、取得機能552は、CT画像の血管形状を治療後のAngio画像の血管形状にVirtuialに変形させ、CT-FFRを算出させる。これにより、治療後のAngio-FFRの値と、治療後のCT-FFRの値とを取得することができ、両方の数値を観察することにより、より自信をもった治療終了判断をおこなうことができるようになる。
【0134】
上述したように、第3の実施形態によれば、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値の算出と、Angio画像に基づく血流に関する指標値の算出とにおいて、算出条件を合わせてそれぞれ算出された指標値のグラフを取得する。したがって、第3の実施形態に係る医用画像処理装置は、算出条件を揃えたCT-FFRの値と、Angio-FFRの値とを比較させることができ、グラフの比較をより適切に行うことを可能にする。
【0135】
また、第3の実施形態によれば、取得機能552は、CT画像に基づく血流に関する指標値の算出条件に合わせて算出されたAngio画像に基づく血流に関する指標値のグラフを取得する。したがって、第3の実施形態に係る医用画像処理装置は、Angio-FFRの算出条件を、CT-FFRの算出条件に合わせることを可能にする。
【0136】
また、第3の実施形態によれば、取得機能552は、Angio画像に基づいて設定される算出条件を用いて算出されたCT画像に基づく血流に関する指標値のグラフを取得する。したがって、第3の実施形態に係る医用画像処理装置は、CT-FFRの算出条件を、Angio-FFRの算出条件に合わせることを可能にする。
【0137】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、血流に関する指標値としてFFRを用いる場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、血流に関する指標値として、圧力、圧力比、流量、流量比、流体抵抗、流体抵抗比、iFRなど、その他の指標値が用いられる場合でもよい。また、上記した指標値を組み合わせて算出した指標値が用いられる場合でもよい。
【0138】
また、上述した実施形態では、CT-FFRとAngio-FFRとの関連付けとして、CT-FFRの算出条件とAngio-FFRの算出条件とを合わせる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、取得機能552は、CT-FFRを算出する際の3次元の冠動脈モデルの形状に基づいて、Angio-FFRを算出する際の3次元の冠動脈モデルの形状を補正するように制御する場合でもよい。
【0139】
また、例えば、CT-FFRの値と、Virtual CT-FFRの値と、術後のAngio-FFRの値とを学習データとして用いた機械学習により、CT-FFRの値とVirtual CT-FFRの値の入力に応じて、術後のAngio-FFRの値を出力する学習済みモデルを構築することもできる。この学習済みモデルを用いることで、CT-FFRの値とVirtual CT-FFRの値から、術後のAngio-FFRの値をシミュレーションすることができる。
【0140】
なお、上記した処理回路55は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、処理回路55が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路55が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路54に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路が分散して記憶され、処理回路55が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
【0141】
本明細書における表示制御部、取得部、決定部、位置合わせ部、及び、算出部は、実施形態で述べた制御機能、取得機能、決定機能、位置合わせ機能、及び、算出機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0142】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0143】
ここで、プロセッサによって実行される医用画像処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、この医用画像処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、この医用画像処理プログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体から医用画像処理プログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0144】
また、上述した実施形態及び変形例において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0145】
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0146】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、CT画像に基づく血流に関する指標値と、Angio画像に基づく血流に関する指標値との比較を適切に行うことができる。
【0147】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0148】
5、5a 医用画像処理装置
55 処理回路
551 制御機能
552 取得機能
553 決定機能
554 位置合わせ機能
555 算出機能

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11