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特開2024-110277印刷装置、データ送信方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110277
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】印刷装置、データ送信方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
B41J2/01 209
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014789
(22)【出願日】2023-02-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】酒井 克義
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB58
2C056EC72
2C056EC77
2C056EC79
2C056FA13
(57)【要約】
【課題】データの転送の効率性を向上させることができる印刷装置等を提供する
【解決手段】印刷装置は、主制御回路と、前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群とを備え、前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含み(kは2以上の自然数)、前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、前記主制御回路は、前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主制御回路と、
前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、
前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群と
を備え、
前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含み(kは2以上の自然数)、
前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、
前記主制御回路は、
前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、
前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する
印刷装置。
【請求項2】
前記主制御回路は、
前記第k副制御回路が前記第k画像データを受信したか否かを判定し、
前記第k副制御回路が前記第k画像データを受信したか否かを判定する前に、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ヘッド群は、前記第k副制御回路によって駆動される第kヘッドと、前記第k-1副制御回路によって駆動される第k-1ヘッドとを含み、
前記第k画像データは、前記第kヘッドの駆動に使用される第kメインデータと、前記第k-1ヘッドの駆動による印刷に使用される第k-1付加データとを含む
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第k画像データのデータ量は、通信仕様における送信可能な最大量である
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第k副制御回路は、前記第k画像データを受信した場合、前記第k-1付加データを前記第k-1副制御回路に送信する
請求項1から4のいずれか一つに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第k副制御回路から前記第k-1副制御回路への前記第k-1付加データの送信と、前記主制御回路から前記第k-1副制御回路への前記第k-1画像データの送信とは並行的に実行される
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記主制御回路は、最下流の副制御回路から最上流の副制御回路まで順に前記画像データを送信する
請求項1から4のいずれか一つに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第k副制御回路は、前記第k画像データを受信した場合、前記第k画像データが前記第k-1付加データを含むか否か判定し、
前記第k副制御回路は、
前記第k画像データが前記第k-1付加データを含む場合、宛先が前記第k-1副制御回路であるヘッダを作成し、
前記ヘッダを前記第k-1付加データに付加する
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項9】
記録媒体を搬送する搬送部を備え、
前記ヘッド群は、前記第k副制御回路によって駆動される第kヘッドと、前記第k-1副制御回路によって駆動される第k-1ヘッドとを含み、
前記記録媒体の搬送方向にて、前記第kヘッドの第1ノズルと、前記第k-1ヘッドの第2ノズルとが重なるように位置し、
前記第k副制御回路は、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルの使用比率を補正する第1補正処理を実行するか否か判定し、
前記第1補正処理を実行する場合、前記第k画像データにおける前記第1ノズルの駆動に使用されるデータを前記第k-1副制御回路に送信し、
前記第k-1副制御回路に送信した後、前記第1ノズルを第1比率で使用し、
前記第k-1副制御回路は、前記第1ノズルの駆動に使用されるデータに基づいて前記第2ノズルを第2比率で使用する
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
記録媒体を搬送する搬送部を備え、
前記ヘッド群は、前記第k副制御回路によって駆動される第kヘッドと、前記第k-1副制御回路によって駆動される第k-1ヘッドとを含み、
前記第kヘッドは、第3ノズルと、前記第3ノズルの隣に位置する第5ノズルと、を有し、
前記第k-1ヘッドは、第4ノズルと、前記第4ノズルの隣に位置する第6ノズルと、を有し、
前記記録媒体の搬送方向にて、前記第3ノズルと、前記第4ノズルとが重なるように位置し、前記第5ノズルと、前記第6ノズルとが重なるように位置し、
前記第k副制御回路は、
前記第3ノズル、前記第4ノズル、前記第5ノズル及び前記第6ノズルの駆動を補正する第2補正処理を実行するか否か判定し、
前記第2補正処理を実行する場合、前記第k画像データにおける前記第5ノズルの駆動に使用されるデータを前記第k-1副制御回路に送信し、前記第3ノズルを印刷に使用し、前記第5ノズルを印刷に使用せず、
前記第k-1副制御回路は、前記第5ノズルの駆動に使用されるデータに基づいて前記第6ノズルを印刷に使用し、前記第4ノズルを印刷に使用しない
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記第k-1副制御回路は、
上流側から前記第k-1画像データを受信したか否か判定し、
下流側から前記第k-1付加データを受信したか否か判定し、
前記第k-1画像データ及び前記第k-1付加データを受信した場合、上流側にデータを送信する
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第k-1副制御回路は、
上流側から前記第k-1画像データを受信したか否か判定し、
前記第k-1画像データを受信した場合、下流側に前記第k-1付加データを要求し、
下流側から前記第k-1付加データを受信したか否か判定し、
前記第k-1付加データを受信した場合、上流側にデータを送信する
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項13】
主制御回路と、前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群とを備え、前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含む(kは2以上の自然数)印刷装置が実行するデータ送信方法であって、
前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、
前記主制御回路は、
前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、
前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する
データ送信方法。
【請求項14】
主制御回路と、前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群とを備え、前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含む(kは2以上の自然数)印刷装置にて実行されるコンピュータプログラムであって、
前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、
前記印刷装置に、
前記主制御回路は、
前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、
前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ヘッドから液体を吐出して印刷を行う印刷装置、並びに前記印刷装置にて実行されるデータ転送方法及びコンピュータプログラムに関する
【背景技術】
【0002】
画像データを生成するPCと、PCに直列的に接続された複数の分配ボードとを備える画像形成システムが提案されている。複数の分配ボードそれぞれに複数のヘッドコントローラが接続される。ヘッドコントローラはヘッドの駆動を制御する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-146253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PCから最上流の分配ボードに画像データが送信され、最下流の分配ボードまで順に転送される。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、データの転送の効率性を向上させることができる印刷装置、データ送信方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る印刷装置は、主制御回路と、前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群とを備え、前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含み(kは2以上の自然数)、前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、前記主制御回路は、前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るデータ送信方法は、主制御回路と、前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群とを備え、前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含む(kは2以上の自然数)印刷装置が実行するデータ送信方法であって、前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、前記主制御回路は、前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るコンピュータプログラムは、主制御回路と、前記主制御回路に直列的に接続され、前記主制御回路からの画像データを上流から下流に転送する副制御回路群と、前記副制御回路群によって駆動されるヘッド群とを備え、前記副制御回路群は、第k副制御回路と、前記第k副制御回路の上流側に接続される第k-1副制御回路とを含む(kは2以上の自然数)印刷装置にて実行されるコンピュータプログラムであって、前記画像データは第k画像データ及び第k-1画像データを含み、前記印刷装置に、前記主制御回路は、前記第k副制御回路に前記第k画像データを送信し、前記第k画像データを送信した後、前記第k-1副制御回路に前記第k-1画像データを送信する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る印刷装置、データ送信方法及びコンピュータプログラムにあっては、下流側の副制御回路に画像データを送信した後、上流側の副制御回路に画像データを送信する。そのため、下流側の副制御回路が画像データを受信する前に、上流側の副制御回路に画像データを送信し、データの転送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る印刷装置の略示平面図である。
図2】インクジェットヘッドの平面透視図である。
図3】制御装置及びインクジェットヘッドのブロック図である。
図4】第nヘッドモジュール及び第n-1ヘッドモジュールにおける画像データの送信方法を説明する説明図である。
図5】つなぎ目補正を説明する説明図である。
図6】主制御回路によるデータ送信方法を説明するフローチャートである。
図7】副制御回路によるデータ送信方法を説明するフローチャートである。
図8】実施の形態2に係るつなぎ目補正を説明する説明図である。
図9】副制御回路によるデータ送信方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施の形態1に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。図1は、印刷装置1の略示平面図である。図1において、記録用紙100の搬送方向は印刷装置1の前後方向に対応する。また記録用紙100の幅方向は印刷装置1の左右方向に対応する。記録用紙100は記録媒体に対応する。また前後方向及び左右方向と直交する方向、即ち図1の紙面垂直方向は印刷装置1の上下方向に対応する。
【0012】
図1に示すように、印刷装置1は、ケース2内に収容されたプラテン3、四つのインクジェットヘッド4、二つの搬送ローラ5、6、及び制御装置7等を備える。プラテン3の上面を、記録用紙100が通過する。四つのインクジェットヘッド4は、プラテン3の上方において、搬送方向に並んでいる。各インクジェットヘッド4は、いわゆるラインタイプのヘッドである。インクジェットヘッド4には、インクタンク(図示略)からインクが供給される。四つのインクジェットヘッド4には、異なる色のインクが供給される。
【0013】
図1に示すように、二つの搬送ローラ5、6は、プラテン3に対して後側と前側にそれぞれ配置されている。二つの搬送ローラ5、6は、図示しないモータによってそれぞれ駆動され、プラテン3上の記録用紙100を前方へ搬送する。二つの搬送ローラ5、6は搬送部に対応する。制御装置7は、制御プログラムに基づいて、印刷装置1を制御する。制御装置7は、PC等の外部装置9とデータ通信可能に接続されており、外部装置9から送信された印刷データに基づいて、印刷装置1の各部を駆動させ、印刷を実行する。
【0014】
図2は、インクジェットヘッド4の平面透視図である。インクジェットヘッド4は複数のヘッド42を備える。ヘッド42はヘッドユニットに対応する。複数のヘッド42は、前後方向に2列で配置されている。前側の列では、左右方向に沿って4個のヘッド42が配置され、後側の列では、左右方向に沿って5個のヘッドが配置されている。ヘッド42の下面には複数のノズル42aが設けられている。なおヘッド42の数及び列数は限定されず、変更可能である。
【0015】
図3は、制御装置7及びインクジェットヘッド4のブロック図である。制御装置7は主制御回路7aを備える。主制御回路7aは制御部7b、メモリ7c、補助記憶部7d、及び通信インタフェース(I/F)7eを備える。制御部7bはロジック回路、例えばFPGAを備える。なお制御部7bはプロセッサ、例えばCPU、又はASIC等を備えてもよい。メモリ7cは、例えば主記憶部である。
【0016】
主記憶部としては例えばRAMが挙げられる。補助記憶部としては、例えばROM及び書き換え可能な記憶媒体、例えばEEPROM、EPROM、ハードディスク等が挙げられる。補助記憶装置に制御プログラムが記憶される。制御部7bは、例えば補助記憶部から主記憶部に制御プログラムを読み出して実行する。制御プログラムは記録媒体70(図1参照)、例えば光ディスク又は持ち運び可能なフラッシュメモリから補助記憶部にインストールされてもよい。なお制御プログラムは、印刷装置1に通信ネットワークを介して接続されたサーバから補助記憶部にダウンロードされてもよい。通信I/F7dは通信ケーブル50に接続される。制御装置7は、制御プログラムに基づいて、印刷装置1を制御する。
【0017】
インクジェットヘッド4は、複数のヘッドモジュール40を備える。複数のヘッドモジュール40は、例えば左右方向に一列に並ぶ。複数のヘッドモジュール40は、例えば、第1ヘッドモジュール40(1)、第2ヘッドモジュール40(2)、・・・、第nヘッドモジュール40(n)を有する(nは自然数)。第1ヘッドモジュール40(1)は最も左に位置し、第nヘッドモジュール40(n)は最も右に位置する。第1ヘッドモジュール40(1)が全ヘッドモジュール40の中で制御装置7に最も近い位置にあり、第nヘッドモジュール40(n)が全ヘッドモジュール40の中で制御装置7から最も遠い位置にある。
【0018】
第1ヘッドモジュール40(1)~第nヘッドモジュール40(n)それぞれは、副制御回路41と、ヘッド42と、上流側I/F43aと、下流側I/F43bとを備える。複数のヘッド42はヘッド群に対応する。副制御回路41は、制御部41a、メモリ41b、補助記憶部41cを備える。副制御回路41は、例えばASIC又はSoCを含む。複数の副制御回路41は副制御回路群に対応する。
【0019】
制御部41aは副制御回路41の動作を制御する。制御部41aは例えばCPUを備えてもよく、FPGA等のロジック回路を備えてもよい。メモリ41bは、例えばEPROM又はEEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリである。以下、第1ヘッドモジュール40(1)~第nヘッドモジュール40(n)それぞれの副制御回路41は、副制御回路41(1)~副制御回路41(n)とも称する。
【0020】
各I/F7e、43a、43bは双方向通信可能なインタフェースであり、コネクタ及び通信ケーブル50によって、直列的に接続されている。I/F7eは印刷データに含まれる画像データを副制御回路41(1)のI/F43aに送信する。副制御回路41(1)のI/F43bは画像データを副制御回路(2)のI/F43aに転送し、副制御回路41(2)のI/F43bは副制御回路41(3)のI/F43aに送信する。このようにして、画像データは副制御回路41(n)のI/F43aまで順に転送される。各副制御回路41は画像データに基づいてヘッド42を駆動し、インクを吐出する。
【0021】
図4は、第nヘッドモジュール40(n)及び第n-1ヘッドモジュール40(n-1)における画像データの送信方法を説明する説明図である。以下の説明では、主制御回路7aが副制御回路41(k)(kは1~nの自然数)に送信する画像データを第k画像データと称する。主制御回路7aは、最初に最下流の副制御回路41(n)に第n画像データを送信する。副制御回路41(n)に第n画像データを送信した後、主制御回路7aは、副制御回路41(n)が第n画像データを受信したか否かを判定する前に、副制御回路41(n―1)に第n-1画像データを送信する。その後、主制御回路7aは、副制御回路41(n―1)が第n-1画像データを受信したか否かを判定する前に、副制御回路41(n―2)に第n-2画像データを送信する。このようにして、主制御回路7aは最下流の副制御回路41(n)から最上流の副制御回路(1)まで順に画像データを送信する。
【0022】
第n画像データは、第nヘッドモジュール40(n)のヘッド42を駆動するための第nメインデータと、第n-1ヘッドモジュール40(n-1)のヘッド42を駆動するための第n-1付加データとを含む。
第n-1画像データは、第n-1ヘッドモジュール40(n-1)のヘッド42を駆動するための第n-1メインデータと、第n-2ヘッドモジュール40(n-2)のヘッド42を駆動するための第n-2付加データとを含む。
即ち、第k画像データ(kは2~n-1の自然数)は、第kヘッドモジュール40(k)のヘッド42を駆動するための第kメインデータと、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のヘッド42を駆動するための第k-1付加データとを含む。第k画像データのデータ量は、通信仕様における送信可能な最大量である。そのため、主制御回路7aは第k画像データに、第kメインデータのみならず、上流側の第k-1ヘッドモジュール40(k-1)に転送される第k-1付加データを追加しやすくなる。
【0023】
副制御回路41(n)は第n画像データを受信し、第nメインデータをメモリ41bに記憶し、副制御回路41(n―1)に第n-1付加データを送信する。
副制御回路41(n-1)は第n-1画像データを上流側から受信し、副制御回路41(n)から、即ち下流側から第n-1付加データを受信する。副制御回路41(n-1)は第n-1メインデータと第n-1付加データとを併合してメモリ41bに記憶する。即ち、副制御回路41(n-1)は自己のヘッド42による印刷のための画像データを完成させる。副制御回路41(n-1)は副制御回路41(n―2)に第n-2付加データを送信する。
【0024】
即ち、副制御回路41(k)(kは2~n-1の自然数)は、第k画像データを上流側の主制御回路7aから受信し、副制御回路41(k+1)から、即ち下流側から第k付加データを受信する。主制御回路7aから副制御回路41(k)への第k画像データの送信と、副制御回路41(k+1)から副制御回路41(k)への第k付加データの送信とは並行的に実行される。副制御回路41(k)は第kメインデータと第k付加データとを併合してメモリ41bに記憶する。即ち、副制御回路41(k)は、第kメインデータと第k付加データとに基づいて、自己のヘッド42による印刷のための画像データを完成させる。副制御回路41(k)は副制御回路41(k-1)に第k-1付加データを送信する。
【0025】
副制御回路41(1)は、第1画像データを主制御回路7aから、即ち上流側から受信し、副制御回路41(2)から、即ち下流側から第1付加データを受信する。第1画像データは第1メインデータを含む。副制御回路41(1)は第1メインデータと第1付加データとを併合してメモリ41bに記憶する。即ち、副制御回路41(1)は第1メインデータと第1付加データとに基づいて、自己のヘッド42による印刷のための画像データを完成させる。
【0026】
なお上流側から受信した第k画像データ(kは2~nの自然数)に第k-1付加データが含まれていない場合、副制御回路41(k)は、副制御回路41(k-1)に第k-1付加データがないことを通知する。副制御回路41(k-1)は、第k-1付加データがないことを受信した場合、第k-1メインデータをメモリ41bに記憶する。即ち、副制御回路41(k-1)は、第k-1付加データ無しで自己のヘッド42による印刷のための画像データを完成させて、メモリ41bに記憶する。
【0027】
図5は、つなぎ目補正を説明する説明図である。図5の第1~第12は左右方向におけるノズル42aの第1位置~第12位置を示し、第1位置は最も右の位置を示し、第12位置は最も左の位置を示す。例えば第kヘッドモジュール40(k)のヘッド42は、ノズル42a(1)~ノズル42a(8)を備える。ノズル42a(1)~ノズル42a(8)それぞれは第1~第8位置に位置する。第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のヘッド42は、ノズル42a(5)~ノズル42a(12)を備える。ノズル42a(5)~ノズル42a(12)それぞれは第5~第12位置に位置する。
【0028】
第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)と、第k-1ヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)とは、前後方向にて、即ち記録用紙100の搬送方向にて重なるように位置する。第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)は第1ノズルに対応し、第k-1ヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)は第2ノズルに対応する。
【0029】
図5の右側のグラフはノズル42aの使用比率の一例を示す。実線のグラフは第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(1)~ノズル42a(8)の使用比率を示す。実線のグラフに示すように、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(1)~ノズル42a(4)の使用比率は100%である。第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)の使用比率は80%であり、ノズル42a(6)の使用比率は60%であり、ノズル42a(7)の使用比率は40%であり、ノズル42a(8)の使用比率は20%である。
【0030】
一点鎖線のグラフは第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(12)の使用比率を示す。一点鎖線のグラフに示すように第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)の使用比率は20%であり、ノズル42a(6)の使用比率は40%であり、ノズル42a(7)の使用比率は60%であり、ノズル42a(8)の使用比率は80%である。第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(9)~ノズル42a(12)の使用比率は100%である。
【0031】
即ち、つなぎ目補正においては、記録用紙100の搬送方向にて重なる複数のノズル42aの使用比率の合計が100%になるように、搬送方向にて重なる各ノズル42aの使用比率が補正される。つなぎ目補正によって、搬送方向にて重ならないノズル42a(1)~ノズル42a(4)及びノズル42a(9)~ノズル42a(12)から吐出されたインクによって印刷された部分と、搬送方向にて重なるノズル42a(5)~ノズル42a(8)から吐出されたインクによって印刷された部分との濃度差を小さくし、表示品位の低下を抑制することができる。つなぎ目補正が有効か否かは、例えば製品出荷時に設定される。ユーザは操作部、例えばタッチパネルを操作し、つなぎ目補正の有効又は無効を変更することができる。
【0032】
図6は、主制御回路7aによるデータ送信方法を説明するフローチャートである。主制御回路7aは、例えば、待機状態のときにフローチャートに従い各処理を実行する。制御部7bは画像データの送信を開始するか否か判定する(S1)。制御部7bは、例えば外部装置9から画像データを受信した場合、画像データの送信を開始する。画像データの送信を開始しないと判定した場合(S1:NO)、制御部7bはステップS1に処理を戻す。
【0033】
画像データの送信を開始すると判定した場合(S1:YES)、制御部7bはヘッドモジュール40の序数を示す変数Mにn、即ち最下流の第nヘッドモジュール40(n)を示す序数を代入する(S2)。ここでnは2以上であるとする。なお変数Mはメモリ7cに予め記憶されている。制御部7bはM用ヘッダを作成する(S3)。M用ヘッダは、第Mヘッドモジュール40(M)での印刷に使用する第Mメインデータに付加されるヘッダである。制御部7bは第Mメインデータを作成する(S4)。M用データは第Mヘッドモジュール40(M)での印刷に使用する画像データである。
【0034】
制御部7bは第M画像データを作成する(S5)。制御部7bは、第Mメインデータと第M-1付加データとを併合し、第M画像データを作成する。制御部7bはM用ヘッダを修正する(S6)。修正後のM用ヘッダは第M画像データに付加されるヘッダである。制御部7bは第M画像データにM用ヘッダを付加し、副制御回路41(M)に送信する(S7)。制御部7bはMが2であるか否か判定する(S8)。Mが2でない場合(S8:NO)、制御部7bはMを1つデクリメントし(S9)、ステップS3に処理を戻す。
【0035】
Mが2である場合(S8:YES)、制御部7bはMを1つデクリメントし(S10)、1用ヘッダを作成する(S11)。制御部7bは第1メインデータを作成する(S12)。制御部7bは第1メインデータに1用ヘッダを付加し、副制御回路41(1)に送信し(S13)、処理を終了する。なお制御部7bは、第M-1付加データを作成しない場合、ステップS5及びS6を実行せず、ステップS3にて作成したM用ヘッダを第Mメインデータに付加し、副制御回路41(M)に送信する(ステップS7)。
【0036】
図7は、副制御回路41(k)によるデータ送信方法を説明するフローチャートである。kは1~nの自然数である。副制御回路41(k)の制御部41aは、例えば、待機状態のときにフローチャートに従い各処理を実行する。副制御回路41(k)の制御部41aは上流からデータを受信したか否か判定する(S21)。上流からデータを受信したと判定した場合(S21:YES)、制御部41aは受信したデータのヘッダを解析する(S22)。制御部41aは、受信したデータが下流側のヘッドモジュール40にて受信されるデータであるか否か判定する(S23)。受信したデータが下流側のヘッドモジュール40にて受信されるデータであると判定した場合(S23:YES)、制御部41aは下流側のヘッドモジュール40にデータを転送し(S33)、処理を終了する。
【0037】
ステップS23において、受信したデータが下流側のヘッドモジュール40にて受信されるデータでないと判定した場合(S23:NO)、即ち自己のヘッドモジュール40にて受信されるデータであると判定した場合、制御部41aは、自己のデータが完成したか否か判定する(S24)。即ち、制御部41aは上流から第kメインデータを受信し、下流から第k付加データを受信して、第k画像データが完成したか否か判定する。また第k付加データがないことを通知されている場合、上流から第kメインデータを受信し、第k画像データを完成したか否か判定する。
【0038】
自己のデータが完成してないと判定した場合(S24:NO)、制御部41aはステップS21に処理を戻す。ステップS21において、上流からデータを受信してないと判定した場合(S21:NO)、制御部41aは下流からデータを受信したか否か判定する(S34)。下流からデータを受信していないと判定した場合(S34:NO)、即ち上流からも下流からもデータを受信していない場合、制御部41aはステップS21に処理を戻す。
【0039】
下流からデータを受信していると判定した場合(S34:YES)、制御部41aは受信したデータのヘッダを解析する(S35)。制御部41aは、自己のデータが完成したか否か判定する(S36)。即ち、制御部41aは上流から第kメインデータを受信し、下流から第k付加データを受信して、第k画像データを完成したか否か判定する。また第k付加データがないことを通知されている場合、上流から第kメインデータを受信し、第k画像データを完成したか否か判定する。自己のデータが完成してないと判定した場合(S36:NO)、制御部41aはステップS21に処理を戻す。
【0040】
ステップS24又はステップS36において、自己のデータが完成したと判定した場合(S24:YES又はS36:YES)、制御部41aは、上流側の第k-1ヘッドモジュール40(k-1)で使用される第k-1付加データを受信しているか否か判定する(S25)。即ち、受信した第k画像データが第k-1付加データを含むか否か判定する。なお完成した自己のデータは副制御回路41(k)のメモリ41bに記憶される。
【0041】
第k-1付加データを受信していないと判定した場合(S25:NO)、制御部41aは上流側の副制御回路41(k-1)に第k-1付加データがないことを通知し(S26)、処理を終了する。ステップS25において、上流側の第k-1付加データを受信したと判定した場合(S25:YES)、即ち、受信した第k画像データが第k-1付加データを含む場合、制御部41aは上流側の第k-1付加データに付加されるヘッダを作成し、ヘッダを第k-1付加データに付加する(S27)。ヘッダには、副制御回路41(k-1)を宛先とする情報が含まれる。制御部41aはつなぎ目補正が有効であるか否かを判定する(S28)。
【0042】
つなぎ目補正が有効であると判定した場合(S28:YES)、制御部41aは第k-1付加データを修正する(S29)。例えば図5に示すように、第k-1付加データが第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータを含み、第k画像データが第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータを含む場合、副制御回路41(k)の制御部41aは、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータが第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータと同じデータになるように、第k-1付加データを修正する。
【0043】
副制御回路41(k)の制御部41aは上流側の第k-1付加データのヘッダを修正する(S30)。例えば図5に示すように、副制御回路41(k)の制御部41aは、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動の使用比率が、図5の一点鎖線のグラフで示された比率(第2比率)となるように、第k-1付加データのヘッダを修正する。
【0044】
なお副制御回路41(k)は、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)を図5の実線のグラフで示された比率(第1比率)で使用する。副制御回路41(k-1)は第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)を第2比率で使用する。つまり、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)と第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)とは相補的な関係にあり、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)が第1比率でインクを吐出し、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)が第2比率でインクを吐出すると、画像データに基づく画像が記録媒体に印刷される。
【0045】
ステップS30の処理後、又はステップS28においてつなぎ目補正が有効でないと判定した場合(S28:NO)、制御部41aは、第k-1付加データにヘッダを付加し、上流側の副制御回路41(k-1)に送信し(S31)、処理を終了する。
【0046】
実施の形態1において、副制御回路41(k)の制御部41aは上流からデータを受信したか否か判定するが(S21)、上流は制御装置7であってもよい。即ち、ステップS21において第1ヘッドモジュール40(1)の制御部41aは制御装置7からデータを受信したか否か判定する。またステップS25において、副制御回路41(1)の制御部41aが制御装置7から第1メインデータのみを受信し、付加データを受信していない場合(S25:NO)、副制御回路41(1)の制御部41aはステップS26において制御装置7に付加データがないことを通知し、処理を終了する。
各ヘッドモジュール40の制御部41aは、自己のデータが完成したと判定した場合(S24:YES又はS36:YES)、自己のデータが完成したことを制御装置7に通知する。制御装置7が全てのヘッドモジュール40から自己のデータが完成したことを示す通知を受信した場合、即ち、全てのヘッドモジュール40が自己のデータを完成させた場合、制御装置7は印刷を実行する。
【0047】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る印刷装置を示す図面に基づいて説明する。実施の形態2に係る構成のうち、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。図8は、つなぎ目補正を説明する説明図である。図8には、図5と同様に、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(1)~ノズル42a(8)と、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(12)とが表われている。第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(7)及びノズル42a(8)と、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)及びノズル42a(6)とは黒で塗られており、不使用ノズルであることを示す。破線Bは、使用ノズルと不使用ノズルの境界を示す。使用ノズルの使用比率は100%である。
【0048】
つなぎ目補正においては、記録用紙100の搬送方向にて重なる一方のノズルを使用し、他方のノズルを使用しない。具体的には、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)及びノズル42a(6)を使用し、第k-1ヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)及びノズル42a(6)を使用しない。第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(7)及びノズル42a(8)を使用せず、第k-1ヘッドモジュール40(k)のノズル42a(7)及びノズル42a(8)を使用する。第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(6)は第3ノズルに対応し、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(7)は第5ノズルに対応する。第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(6)は第4ノズルに対応し、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(7)は第6ノズルに対応する。
【0049】
つなぎ目補正によって、搬送方向にて重ならないノズル42a(1)~ノズル42a(4)及びノズル42a(9)~ノズル42a(12)から吐出されたインクによって印刷された部分と、搬送方向にて重なるノズル42a(5)~ノズル42a(8)から吐出されたインクによって印刷された部分との濃度差を小さくし、表示品位の低下を抑制することができる。つなぎ目補正が有効か否かは、例えば製品出荷時に設定される。ユーザは操作部、例えばタッチパネルを操作し、つなぎ目補正の有効又は無効を変更することができる。
【0050】
図9は、副制御回路41(k)によるデータ送信方法を説明するフローチャートである。kは1~nの自然数である。副制御回路41(k)の制御部41aは、例えば、待機状態のときにフローチャートに従い各処理を実行する。副制御回路41(k)の制御部41aは上流からデータを受信したか否か判定する(S41)。上流からデータを受信したと判定した場合(S41:YES)、制御部41aは受信したデータのヘッダを解析する(S42)。制御部41aは、受信したデータが下流側のヘッドモジュール40にて受信されるデータであるか否か判定する(S43)。受信したデータが下流側のヘッドモジュール40にて受信されるデータであると判定した場合(S43:YES)、制御部41aは下流側のヘッドモジュール40にデータを転送し(S55)、処理を終了する。
【0051】
ステップS43において、受信したデータが下流側のヘッドモジュール40にて受信されるデータでないと判定した場合(S43:NO)、即ち自己のヘッドモジュール40にて受信されるデータであると判定した場合、制御部41aは、データが最下流の第nヘッドモジュール40(n)で受信されるデータであるか否か判定する(S44)。換言すれば、自己が最下流の第nヘッドモジュール40(n)であるか否か判定する。データが最下流の第nヘッドモジュール40(n)で受信されるデータでない場合(S44:NO)、制御部41aは下流側の第k+1ヘッドモジュール40(k+1)に、第k付加データを要求する(S45)。
【0052】
制御部41aは下流から第k付加データを受信したか否か判定する(S46)。下流から第k付加データを受信してないと判定した場合(S46:NO)、ステップS46に処理を戻す。下流から第k付加データを受信したと判定した場合(S46:YES)、又は、データが最下流の第nヘッドモジュール40(n)で受信されるデータであると判定した場合(S44:YES)、制御部41aは、自己のデータを完成させる(S47)。即ち、制御部41aは上流から第kメインデータを受信し、下流から第k付加データを受信して、第k画像データを完成させる。完成した自己のデータは副制御回路41(k)のメモリ41bに記憶される。制御部41aは、上流側の第k-1ヘッドモジュール40(k-1)で使用される第k-1付加データを受信したか否か判定する(S48)。即ち、受信した第k画像データが第k-1付加データを含むか否か判定する。
【0053】
第k-1付加データを受信していないと判定した場合(S48:NO)、制御部41aは上流側の副制御回路41(k-1)に第k-1付加データがないことを通知し(S49)、処理を終了する。ステップS48において、上流側の第k-1付加データを受信したと判定した場合(S48:YES)、即ち、受信した第k画像データが第k-1付加データを含む場合、制御部41aは上流側の第k-1付加データに付加されるヘッダを作成する(S50)。ヘッダには、副制御回路41(k-1)を宛先とする情報が含まれる。つなぎ目補正が有効であるか否かを判定する(S51)。
【0054】
つなぎ目補正が有効であると判定した場合(S51:YES)、制御部41aは第k-1付加データを修正する(S52)。例えば第k-1付加データが第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータを含み、第k画像データが第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータを含む場合、副制御回路41(k)の制御部41aは、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータが第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(5)~ノズル42a(8)の駆動に使用されるデータと同じデータになるように、第k-1付加データを修正する。
【0055】
副制御回路41(k)の制御部41aは上流側の第k-1付加データのヘッダを修正する(S53)。例えば図8に示すように、副制御回路41(k)の制御部41aは、第k-1ヘッドモジュール40(k-1)のノズル42a(5)及びノズル42a(6)が駆動しないように、即ち不使用ノズルとなるように、第k-1付加データのヘッダを修正する。
【0056】
なお副制御回路41(k)は、第kヘッドモジュール40(k)のノズル42a(7)及びノズル42a(8)が駆動しないように、即ち不使用ノズルとなるように、第kヘッドモジュール40(k)のヘッド42を制御する。
【0057】
ステップS53の処理後、又はステップS51においてつなぎ目補正が有効でないと判定した場合(S51:NO)、制御部41aは、第k-1付加データにヘッダを付加し、上流側の副制御回路41(k-1)に送信し(S54)、処理を終了する。
【0058】
実施の形態2において、副制御回路41(k)の制御部41aは上流からデータを受信したか否か判定するが(S41)、上流は制御装置7であってもよい。即ち、ステップS41において第1ヘッドモジュール40(1)の制御部41aは制御装置7からデータを受信したか否か判定する。またステップS48において、副制御回路41(1)の制御部41aが制御装置7から第1メインデータのみを受信し、付加データを受信していない場合(S48:NO)、副制御回路41(1)の制御部41aはステップS49において制御装置7に付加データがないことを通知し、処理を終了する。
各ヘッドモジュール40の制御部41aは、自己のデータを完成させた場合(S47)、自己のデータが完成したことを制御装置7に通知する。制御装置7が全てのヘッドモジュール40から自己のデータが完成したことを示す通知を受信した場合、即ち、全てのヘッドモジュール40が自己のデータを完成させた場合、制御装置7は印刷を実行する。
【0059】
なおコンピュータプログラムは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトに配置されるか、若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0060】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 印刷装置
7 制御装置
7a 主制御回路
7b 制御部
40 ヘッドモジュール
41 副制御回路
41a 制御部
42 ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記第k副制御回路は、前記第k画像データを受信した場合、前記第k-1付加データを前記第k-1副制御回路に送信する
請求項に記載の印刷装置。