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特開2024-110278ケース、金具、自動ドア装置及びレールベース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110278
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ケース、金具、自動ドア装置及びレールベース
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20240807BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20240807BHJP
   E05F 15/70 20150101ALI20240807BHJP
【FI】
E05D15/06 125C
E05F15/643
E05F15/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014790
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】西尾 薫
(72)【発明者】
【氏名】畑村 周
【テーマコード(参考)】
2E034
2E052
【Fターム(参考)】
2E034CA02
2E034DA17
2E052AA02
2E052BA04
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC02
(57)【要約】
【課題】自動ドア装置の施工性を改善する。
【解決手段】ケース20は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15を覆うフロントカバー21と、レールベース10とフロントカバー21との間に形成されたレール15の収容空間Sをレール15の長手方向から覆うサイドカバー22と、を含んでいる。サイドカバー22は、第1位置P1に配置されたときにレールベース10に取付可能であり、第1位置P1からレール15の長手方向と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置P2に配置したときにフロントカバー21に取付可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを保持するドアハンガが走行するレールを有するレールベースと、
前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールを覆うフロントカバーと、
前記レールベースと前記フロントカバーとの間に形成された前記レールの収容空間を前記レールの前記長手方向から覆い、第1位置に配置されたときに前記レールベースに取付可能であり、前記第1位置から前記レールの前記長手方向と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置に配置されたときに前記フロントカバーに取付可能であるサイドカバーと、
を備える、自動ドア用ケース。
【請求項2】
前記サイドカバーには、前記サイドカバーを前記フロントカバー又は前記レールベースに取り付けるサイドカバー取付具が通過可能な貫通穴が設けられ、
前記レールベースには、前記サイドカバー取付具が噛み合い可能な第1ビスホールが設けられ、
前記フロントカバーには、前記サイドカバー取付具が噛み合い可能な第2ビスホールが設けられ、
前記貫通穴は、前記サイドカバーが前記第1位置に配置されたときに前記第1ビスホールと重なり、前記サイドカバーが前記第2位置に配置されたときに前記第2ビスホールと重なる、請求項1に記載のケース。
【請求項3】
ドアを保持するドアハンガが走行するレールに固定される金具であって、
第1規制部を有し、ねじと噛み合うねじ穴が形成されている第1部材と、
前記ねじを用いて前記第1部材に固定され、前記第1規制部と接触する第2規制部を有する第2部材と、を備え、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記第2部材が前記ねじとともに回転することを規制する、
自動ドア装置用金具。
【請求項4】
前記第1規制部及び前記第2規制部のうちの一方の規制部は、凸部を有し、
前記第1規制部及び前記第2規制部のうちの他方の規制部は、前記凸部を受ける受け部を有する、
請求項3に記載の金具。
【請求項5】
前記第1部材は、前記レールに上方から接触するベース部と、前記ベース部から垂れ下がる端部と、を含み、
前記端部は、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールに接触することによって前記第1部材の前記レールに対する回転を規制する、
請求項3に記載の金具。
【請求項6】
前記第2部材は、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールを覆うフロントカバーに接触することによって前記フロントカバーを支持する、
請求項3~5のいずれか一項に記載の金具。
【請求項7】
ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、
前記レールに取り付けられ、前記ドアハンガに接触することによって前記ドアハンガの移動範囲を規制するストッパと、
前記ドアハンガに取り付けられる磁石と、前記ストッパを前記レールに取り付けるストッパ取付具によって前記ストッパに取り付けられて前記磁石の接近によりドアの開閉状態を検出するリードスイッチと、を有する磁気センサと、
を備える、自動ドア装置。
【請求項8】
ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールに対面する部分を含むベース板部及び前記ベース板部と前記レールとを連結するレール連結部を有する支持壁部と、を有するレールベース本体と、
前記レール連結部から延び上がって前記レール連結部上の空間を区画するように前記レールベース本体に取付可能であり、前記レールベース本体に取り付けられた状態において前記ベース板部に形成された貫通穴を通過して前記レールベース本体を建物に取り付けるレールベース取付具と対面する区画板と、
を備える、自動ドア装置のレールベース。
【請求項9】
前記レールベース本体の全長よりも短い全長を有する複数の前記区画板により、前記レール連結部上の空間が区画される
請求項8に記載のレールベース。
【請求項10】
ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、前記レールと平行に延びる一対の溝を有する支持壁部と、を有するレールベースと、
前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールベースを覆うフロントカバーに取り付けられ自動ドア周辺の人又は物を検出する起動センサと、
前記起動センサに電気的に接続されて前記レールベースと前記フロントカバーとの間に延びる起動センサ配線を保持する配線保持具と、を備え、
前記配線保持具は、前記一対の溝に沿って移動可能となるように前記一対の溝に端部を収容された板状部と、前記板状部に取り付けられ前記起動センサ配線を保持する配線保持部材と、を有する、自動ドア装置。
【請求項11】
駆動源によって駆動される駆動プーリと、前記駆動プーリから前記レールの前記長手方向に離れて位置する従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられた環状ベルトと、を含むドア駆動装置をさらに備え、
前記配線保持部材は、前記環状ベルト内を通過している、請求項10に記載の自動ドア装置。
【請求項12】
前記環状ベルトは、上方から前記配線保持部材に対面する第1部分と、下方から前記配線保持部材に対面する第2部分と、を含み、
前記配線保持部材は、前記第1部分と前記起動センサ配線との間に位置する第1壁部と、前記第2部分と前記起動センサ配線との間に位置する第2壁部と、を有する、請求項11に記載の自動ドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース、金具、自動ドア装置及びレールベースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、レールを有するレールベースと、レールの長手方向とは非平行な方向からレールを覆うフロントカバーと、を含む自動ドア装置が知られている。自動ドア装置は、レールに掛けられるドアと、ドアを操作するドア操作装置と、をさらに含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-112059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動ドア装置を構成する構成要素の施工性を改善することによって、自動ドア装置の施工性の改善が求められている。本開示は、自動ドア装置の施工性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施の形態による自動ドア用ケースは、
ドアを保持するドアハンガが走行するレールを有するレールベースと、
前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールを覆うフロントカバーと、
前記レールベースと前記フロントカバーとの間に形成された前記レールの収容空間を前記レールの前記長手方向から覆い、第1位置に配置されたときに前記レールベースに取付可能であり、前記第1位置から前記レールの前記長手方向と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置に配置されたときに前記フロントカバーに取付可能であるサイドカバーと、
を備える。
【0006】
本発明の一実施の形態による自動ドア装置用の金具は、
ドアを保持するドアハンガが走行するレールに固定される金具であって、
第1規制部を有し、ねじと噛み合うねじ穴が形成されている第1部材と、
前記ねじを用いて前記第1部材に固定され、前記第1規制部と接触する第2規制部を有する第2部材と、を備え、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記第2部材がねじとともに回転することを規制する。
【0007】
本発明の一実施の形態による自動ドア装置は、
ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、
前記レールに取り付けられ、前記ドアハンガに接触することによって前記ドアハンガの移動範囲を規制するストッパと、
前記ドアハンガに取り付けられる磁石と、前記ストッパを前記レールに取り付けるストッパ取付具によって前記ストッパに取り付けられて前記磁石の接近によりドアの開閉状態を検出するリードスイッチと、を有する磁気センサと、
を備える。
【0008】
本発明の一実施の形態による自動ドア装置のレールベースは、
ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールに対面する部分を含むベース板部及び前記ベース板部と前記レールとを連結するレール連結部を有する支持壁部と、を有するレールベース本体と、
前記レール連結部から延び上がって前記レール連結部上の空間を区画するように前記レールベース本体に取付可能であり、前記レールベース本体に取り付けられた状態において前記ベース板部に形成された貫通穴を通過して前記レールベース本体を建物に取り付けるレールベース取付具と対面する区画板と、
を備える。
【0009】
本発明の一実施の形態による自動ドア装置は、
ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、前記レールと平行に延びる一対の溝を有する支持壁部と、を有するレールベースと、
前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールベースを覆うフロントカバーに取り付けられ自動ドア周辺の人又は物を検出する起動センサと、
前記起動センサに電気的に接続されて前記レールベースと前記フロントカバーとの間に延びる起動センサ配線を保持する配線保持具と、を備え、
前記配線保持具は、前記一対の溝に沿って移動可能となるように前記一対の溝に端部を収容された板状部と、前記板状部に取り付けられ前記起動センサ配線を保持する配線保持部材と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自動ドア装置の施工性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、自動ドア装置の一実施の形態を示すための図であって、自動ドア装置の設置された建物を示す正面図である。
図2図2は、図1の自動ドア装置の第1ドアを制御する部分を示す正面図であって、第1ドアが全閉位置に位置する状態を示す図である。
図3図3は、図1の自動ドア装置の第1ドアを制御する部分を示す正面図であって、第1ドアが全開位置に位置する状態を示す図である。
図4図4は、図2のIV-IV線による断面図である。
図5図5は、図2のV-V線による断面図である。
図6図6は、図2のVI-VI線による断面図である。
図7図7は、図1の自動ドア装置に含まれるドアハンガ、連結機構、及び磁気センサの磁石を示す斜視図である。
図8図8は、第1位置に配置されたサイドカバーを含むケースの側面図である。
図9図9は、第2位置に配置されたサイドカバーを含むケースの側面図である。
図10図10は、図1の自動ドア装置に含まれる金具を示す斜視図である。
図11図11は、図1の自動ドア装置に含まれるストッパ、及び磁気センサのリードスイッチを示す斜視図である。
図12図12は、図1に自動ドア装置に含まれる磁気センサを下方から示す斜視図である。
図13図13は、図1の自動ドア装置に含まれるレールベースが建物に取り付けられる様子を示す斜視図である。
図14図14は、レールベース本体に区画板が取り付けられる工程を説明するための図である。
図15図15は、図1の自動ドア装置に含まれる配線保持具を示す斜視図である。
図16図16は、図10の金具の一変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一実施の形態は、次の[1]~[12]に関する。
【0013】
[1] ドアを保持するドアハンガが走行するレールを有するレールベースと、
前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールを覆うフロントカバーと、
前記レールベースと前記フロントカバーとの間に形成された前記レールの収容空間を前記レールの前記長手方向から覆い、第1位置に配置されたときに前記レールベースに取付可能であり、前記第1位置から前記レールの前記長手方向と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置に配置されたときに前記フロントカバーに取付可能であるサイドカバーと、
を備える、自動ドア用ケース。
【0014】
[2] 前記サイドカバーには、前記サイドカバーを前記フロントカバー又は前記レールベースに取り付けるサイドカバー取付具が通過可能な貫通穴が設けられ、
前記レールベースには、前記サイドカバー取付具が噛み合い可能な第1ビスホールが設けられ、
前記フロントカバーには、前記サイドカバー取付具が噛み合い可能な第2ビスホールが設けられ、
前記貫通穴は、前記サイドカバーが前記第1位置に配置されたときに前記第1ビスホールと重なり、前記サイドカバーが前記第2位置に配置されたときに前記第2ビスホールと重なる、[1]のケース。
【0015】
[3] ドアを保持するドアハンガが走行するレールに固定される金具であって、
第1規制部を有し、ねじと噛み合うねじ穴が形成されている第1部材と、
前記ねじを用いて前記第1部材に固定され、前記第1規制部と接触する第2規制部を有する第2部材と、を備え、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記第2部材が前記ねじとともに回転することを規制する、
自動ドア装置用金具。
【0016】
[4] 前記第1規制部及び前記第2規制部のうちの一方の規制部は、凸部を有し、
前記第1規制部及び前記第2規制部のうちの他方の規制部は、前記凸部を受ける受け部を有する、[3]の金具。
【0017】
[5] 前記第1部材は、前記レールに上方から接触するベース部と、前記ベース部から垂れ下がる端部と、を含み、
前記端部は、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールに接触することによって前記第1部材の前記レールに対する回転を規制する、
[3]又は[4]の金具。
【0018】
[6] 前記第2部材は、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールを覆うフロントカバーに接触することによって前記フロントカバーを支持する、
[3]~[5]のいずれかの金具。
【0019】
[7] ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、
前記レールに取り付けられ、前記ドアハンガに接触することによって前記ドアハンガの移動範囲を規制するストッパと、
前記ドアハンガに取り付けられる磁石と、前記ストッパを前記レールに取り付けるストッパ取付具によって前記ストッパに取り付けられて前記磁石の接近によりドアの開閉状態を検出するリードスイッチと、を有する磁気センサと、
を備える、自動ドア装置。
【0020】
[8] ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールに対面する部分を含むベース板部及び前記ベース板部と前記レールとを連結するレール連結部を有する支持壁部と、を有するレールベース本体と、
前記レール連結部から延び上がって前記レール連結部上の空間を区画するように前記レールベース本体に取付可能であり、前記レールベース本体に取り付けられた状態において前記ベース板部に形成された貫通穴を通過して前記レールベース本体を建物に取り付けるレールベース取付具と対面する区画板と、
を備える、自動ドア装置のレールベース。
【0021】
[9] 前記レールベース本体の全長よりも短い全長を有する複数の前記区画板により、前記レール連結部上の空間が区画される、[8]のレールベース。
【0022】
[10] ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、前記レールと平行に延びる一対の溝を有する支持壁部と、を有するレールベースと、
前記レールの長手方向に直交する方向から前記レールベースを覆うフロントカバーに取り付けられ自動ドア周辺の人又は物を検出する起動センサと、
前記起動センサに電気的に接続されて前記レールベースと前記フロントカバーとの間に延びる起動センサ配線を保持する配線保持具と、を備え、
前記配線保持具は、前記一対の溝に沿って移動可能となるように前記一対の溝に端部を収容された板状部と、前記板状部に取り付けられ前記起動センサ配線を保持する配線保持部材と、を有する、自動ドア装置。
【0023】
[11] 駆動源によって駆動される駆動プーリと、前記駆動プーリから前記レールの前記長手方向に離れて位置する従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられた環状ベルトと、を含むドア駆動装置をさらに備え、
前記配線保持部材は、前記環状ベルト内を通過している、[10]の自動ドア装置。
【0024】
[12] 前記環状ベルトは、上方から前記配線保持部材に対面する第1部分と、下方から前記配線保持部材に対面する第2部分と、を含み、
前記配線保持部材は、前記第1部分と前記起動センサ配線との間に位置する第1壁部と、前記第2部分と前記起動センサ配線との間に位置する第2壁部と、を有する、[10]又は[11]の自動ドア装置。
【0025】
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、一部の図において示された構成等が、他の図において省略されていることもある。
【0026】
方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。矢印の先端側が、各方向の第1側となる。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば図2に示すように、円の中に×を設けた記号により示した。
【0027】
図1図15は一実施の形態を説明する図である。図1は、自動ドア装置1の正面図である。自動ドア装置1は、建物100に設置されている。図1には、建物100内から観察したときの自動ドア装置1が示されている。自動ドア装置1は、レール15を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15を覆うフロントカバー21と、レール15に掛けられるドア装置30と、ドア装置30を操作するドア操作装置40と、を含んでいる。ドア装置30及びドア操作装置40によって、自動ドア90が構成されてもよい。図2及び図3に示すように、建物100に設置された自動ドア装置1において、レール15は、第1方向D1に長手方向を有している。フロントカバー21は、第1方向D1に直交する第2方向D2からレールベース10を覆っている。フロントカバー21は、レールベース10に取り付けられている。レールベース10及びドア操作装置40は、建物100に形成された出入口101よりも上方に位置している。
【0028】
自動ドア装置1は、複数のレールベース10を含んでもよい。自動ドア装置1は、複数のドア装置30を含んでもよい。自動ドア装置1は、複数のドア操作装置40を含んでもよい。図1に示す例において、自動ドア装置1は、1つのレールベース10を含んでいる。自動ドア装置1は、2つのドア装置30A,30Bを含んでいる。自動ドア装置1は、第1ドア装置30Aを操作するドア操作装置40と、第2ドア装置30Bを操作するドア操作装置40と、を含んでいる。2つのドア装置30A,30Bは、1つのレールベース10に掛けられている。
【0029】
図2図6に示す例において、レールベース10は、一方向に延びる部材である。レールベース10は、レール15と、レール15を支持する支持壁部12と、を有している。支持壁部12及びレール15によって、レールベース本体11が構成されてもよい。レールベース本体11は、アルミニウム等の金属製でもよい。レールベース本体11は、例えば押出成形によって一体的に作製されてもよい。レールベース10は、レール15に掛けられたドア装置30を支持してもよい。レールベース10は、レールベース10に取り付けられたドア操作装置40の構成要素を支持してもよい。
【0030】
図2及び図3に示す例において、レールベース10は、レールベース取付具FMによって建物100に固定されている。レールベース取付具FMは、レールベース10の支持壁部12に形成された貫通穴12hを通過している。貫通穴12hは、レール15の長手方向とは非平行な方向に支持壁部12を貫通している。図示された例では、貫通穴12hは、支持壁部12を第2方向D2に貫通している。
【0031】
図4及び図13に示されるように、レールベース取付具FMは、ボルトでもよい。レールベース10は、レールベース取付具FMとしてのボルトを締めることによって、建物100に固定されてもよい。図13に示すように、ボルトは、電動ドライバー、ラチェット等の種々の工具PTによって締められてもよい。ボルトを締める工具PTは、図13に示すように、第2方向D2における第2側から、貫通穴12hに挿入されたボルトの頭部に取り付けられてもよい。
【0032】
支持壁部12には、複数の貫通穴12hが形成されてもよい。図2図4に示す例において、複数の貫通穴12hは、第1方向D1と、第1方向D1及び第2方向D2の両方向に直交する第3方向D3と、に間隔を空けて設けられている。
【0033】
なお、図示された例において、第3方向D3は、鉛直方向と平行な方向となっている。第3方向D3における第1側は、鉛直方向における上側(上方)となる。第3方向D3における第2側は、鉛直方向における下側(下方)となる。
【0034】
レール15は、ドア装置30の移動方向を定める。図2及び図3に示す例において、レール15は、レールベース10が建物100に取り付けられた状態で第1方向D1に直線状に延びている。これにより、図示された例では、レール15に掛けられるドア装置30の移動方向が、第1方向D1に定められている。
【0035】
図4図6に示す例において、支持壁部12は、ベース板部121と、ベース板部121とレール15とを連結するレール連結部122と、を含んでいる。
【0036】
図4図6に示す例において、ベース板部121は、第1方向D1及び第3方向D3に広がる板状の部材である。ベース板部121は、第2方向D2からレール15に対面する部分を含んでいる。ベース板部121には、上述の貫通穴12hが形成されている。貫通穴12hは、ベース板部121を第2方向D2に貫通している。
【0037】
レール連結部122は、ベース板部121からレール15に向けて突出している。レール連結部122は、第1方向D1に沿って延びている。レール連結部122は、ベース板部121から第2方向D2に突出している。レール連結部122は、第2方向D2に互いから離れるベース板部121とレール15とを連結している。レール連結部122は、図4図6に示すように、第1レール連結部122Aと、第1レール連結部122Aよりも下方に位置する第2レール連結部122Bと、を含んでもよい。
【0038】
支持壁部12は、レール15と平行に延びる一対の溝12gを有してもよい。図4図6に示す例において、一対の溝12gは、それぞれ、第1方向D1に延びている。一対の溝12gは、それぞれ、第3方向D3において互いに向けて開口している。
【0039】
図4図6に示す例において、溝12gは、ベース板部121と、ベース板部121から突出する第1突出部123と、第1突出部123から突出する第2突出部124と、によって構成されている。第2突出部124が第1突出部123から突出する方向は、第1突出部123がベース板部121から突出する方向とは非平行となっている。図示された例では、第1突出部123は、第1方向D1に沿って第2方向D2に突出している。第2突出部124は、第1方向D1に沿って第3方向D3に突出している。一対の溝12gのうちの一方の溝12gにおいて、第2突出部124は、一対の溝12gのうちの他方の溝12gに向けて第3方向D3に突出している。一対の溝12gのうちの一方の溝12gの第2突出部124と、一対の溝12gのうちの他方の溝12gの第2突出部124と、の間には、第3方向D3に開口が形成されている。
【0040】
図4図6に示す例において、支持壁部12は、ベース板部121からフロントカバー21に向けて突出しベース板部121とフロントカバー21とを連結するフロントカバー連結部125を有している。フロントカバー連結部125は、第1方向D1に沿って、第2方向D2における第2側に突出している。フロントカバー連結部125の第2方向D2への突出長さは、レール連結部122の第2方向D2への突出長さよりも長くなっている。
【0041】
図4図6に示すように、レールベース10は、建物100のサッシ102に取り付けられてもよい。サッシ102は、出入口101上に位置している。レールベース10は、建物100のサッシ102に取り付けられた状態において、第1方向D1に延びている。レールベース10は、建物100のサッシ102に取り付けられた状態において、第1方向D1に長手方向を有している。
【0042】
サッシ102には、レールベース取付具FMとしてのボルトと噛み合うねじ穴が設けられてもよい。ねじ穴は、サッシ102に複数設けられてもよい。図13に示されたサッシ102においては、2つのねじ穴が、第3方向D3に間隔を空けて設けられている。
【0043】
図4図6に示す例において、フロントカバー21は、レール15を第2方向D2における第2側から覆う板状の部材である。フロントカバー21は、レールベース10に取り付けられている。フロントカバー21は、第2方向D2における第2側から観察可能となっている。レール15は、フロントカバー21によって第2方向D2における第2側から隠蔽されている。フロントカバー21は、レールベースに取り付けられた状態において、レールベース10及びレール15と平行な方向に長手方向を有してもよい。図示された例において、フロントカバー21は、第1方向D1に長手方向を有している。
【0044】
フロントカバー21は、レールベース10とともにレール15を収容する収容空間Sを形成してもよい。図4図6に示すように、収容空間S内に位置するレール15は、レールベース10及びフロントカバー21によって第2方向D2におけるいずれか一方の側から覆われてもよい。収容空間Sには、自動ドア90が少なくとも部分的に収容されてもよい。収容空間Sには、ドア装置30が少なくとも部分的に収容されてもよい。収容空間Sには、ドア操作装置40が少なくとも部分的に収容されてもよい。
【0045】
図4図6に示す例において、フロントカバー21は、ベース部211と、ベース部211の下方端部からレールベース10に向けて突出する第1突出部212と、ベース部211の上方端部からレールベース10に向けて突出する第2突出部213と、を有している。図示された例において、第1突出部212の突出長さは、第2突出部213の突出長さよりも大きくなっている。フロントカバー21は、アルミニウム等の金属製でもよい。フロントカバー21は、例えば押出成形によって一体的に作製されてもよい。ベース部211、第1突出部212及び第2突出部213は、一体的に作製されてもよい。
【0046】
フロントカバー21は、第2突出部213において、レールベース10のフロントカバー連結部125と接続している。図4図6に示すように、レールベース10及びフロントカバー21は、フロントカバー連結部125及び第2突出部213に取り付けられた蝶番Hを介して、互いに接続可能でもよい。
【0047】
図4図6に示す例において、フロントカバー21は、第1方向D1に延びる軸線AX1を中心として、レールベース10に対して揺動可能となっている。フロントカバー21が軸線AX1を中心に図4図6に示された状態からレールベース10に対して揺動することによって、収容空間Sが外部から観察可能となり得る。
【0048】
図1図3に示す例において、ドア装置30は、ドア31と、ドア31の上方に取り付けられたドアハンガ32と、ドアハンガ32に取り付けられた連結機構33と、を含んでいる。これらの構成要素のうち、ドアハンガ32及び連結機構33は、収容空間Sに収容されている。一方で、ドア31は、図1に示すように、外部から観察可能となっている。
【0049】
図1に示す例において、ドア装置30は、ドア操作装置40によって操作される。ドア操作装置40がドア装置30を操作することによって、ドア31は、全閉位置と全開位置との間をレール15の延びる方向に移動する。図1に示す状態において、ドア31は、全閉位置に位置している。全閉位置に位置するドア31は、建物100に形成された出入口101を閉ざしている。図1に示す状態から、ドア31は、出入口101を開くように、図中の白抜き矢印の方向に移動可能である。
【0050】
図1に示す例において、2つのドア装置30A、30Bは、図1の白抜き矢印に示すように、互いに反対となる向きに移動可能である。第1ドア装置30Aは、第2ドア装置30Bから離れる方向に移動可能である。図1に示す自動ドア装置1では、第1ドア装置30Aと第2ドア装置30Bとが互いに離れることによって、建物100の出入口101が開かれる。
【0051】
第1ドア装置30Aは、全開位置に位置するとき、第1方向D1における最も第1側に位置する。第1ドア装置30Aは、全閉位置に位置するとき、第1方向D1における最も第2側に位置する。第2ドア装置30Bは、全開位置に位置するとき、第1方向D1における最も第2側に位置する。第2ドア装置30Bは、全閉位置に位置するとき、第1方向D1における最も第1側に位置する。
【0052】
以下、ドア装置30について、主に図1図3に示された第1ドア装置30Aを参照しながら詳細を説明する。図2は、全閉位置に位置する第1ドア装置30Aを示している。図3は、全開位置に位置する第1ドア装置30Aを示している。なお、第1ドア装置30Aに関する以下の説明は、特に言及しない限り、第2ドア装置30Bについても同様に当てはまる。また、図2及び図3においては、フロントカバー21が省略されている。
【0053】
図1に示す例において、ドア31は、板状の部材である。ドア31は、出入口101を閉ざしているとき、建物100内と建物100外との間を物体が通過することを抑制する。図示された例において、ドア31は、ガラス製の板と、ガラス製の板を取り囲む枠材と、を含んでいる。
【0054】
図2及び図3に示す例において、ドア装置30は、ドア31の上方に2つ取り付けられたドアハンガ32A,32Bを有している。2つのドアハンガ32A,32Bは、それぞれ、ドア31の上方に取り付けられた状態で、レール15を含むレールベース10に掛けられている。ドア31は、2つのドアハンガ32A,32Bによって保持されている。2つのドアハンガ32A,32Bは、第1方向D1に互いから離れている。2つのドアハンガ32A,32Bのうち、出入口101の第1方向D1における中心に近い第1ドアハンガ32Aには、連結機構33が取り付けられている。
【0055】
図2に示すように、第1ドアハンガ32Aは、ドア31が全閉位置に位置するとき、ドア操作装置40の後述する第1ストッパ42Aに接触している。図3に示すように、2つのドアハンガ32のうち、出入口101の第1方向D1における中心から離れた第2ドアハンガ32Bは、ドア31が全開位置に位置するとき、ドア操作装置40の後述する第2ストッパ42Bに接触している。
【0056】
図7に示す例において、ドアハンガ32は、回転軸線を有する戸車321と、戸車321を側方から保持する側板部322と、上方からドア31と対面する底板部323と、を含んでいる。図示された例において、戸車321の回転軸線は、第2方向D2に延びている。図7に示すように、底板部323は、側板部322と一体でもよい。ドアハンガ32は、側板部322とともに戸車321を側方から保持する補助側板部324を含んでもよい。ドアハンガ32は、ドアハンガ32の上方への移動を規制する規制部材325を含んでもよい。
【0057】
図2及び図3に示す例において、戸車321は、レール15上に位置している。戸車321は、側板部322に対して回転軸線を中心に回転可能である。側板部322に保持された状態で戸車321が回転することによって、ドアハンガ32は、レール15上を移動する。図示された例では、戸車321が回転することによって、ドアハンガ32、及びドアハンガ32に保持されたドア31は、第1方向D1に移動する。戸車321の数は、特に限定されない。図示された例において、各ドアハンガ32は、2つの戸車321を含んでいる。
【0058】
図7に示す例において、側板部322は、第2方向D2における第2側から戸車321を保持している。側板部322は、図7に示すように、側板部322にねじ止めされた補助側板部324との間に戸車321を挟むことによって、戸車321を側方から保持してもよい。側板部322には、連結機構33をドアハンガ32に取り付けるねじが噛み合うねじ穴が設けられてもよい。側板部322は、板状の部材を折り曲げることによって形成されてもよい。
【0059】
図7に示すように、側板部322には、規制部材325が取り付けられてもよい。規制部材325は、ドアハンガ32(ドア装置30)がレール15に掛けられたとき、レール15よりも下方に位置する。規制部材325は、レールベース10に掛けられたドアハンガ32の上方への移動を規制する。これにより、レールベース10に掛けられたドアハンガ32、及びドアハンガ32に取り付けられたドア31がレールベース10から外れることを抑制できる。
【0060】
図7に示す例において、底板部323は、側板部322に下方から接続している。底板部323には、ドア31をドアハンガ32に取り付ける取付具が貫通可能な貫通穴が設けられている。図7に示す例において、貫通穴は、第2方向D2に延びる長円形状を有している。これにより、取付具によって取り付けられるドア31の、第2方向D2におけるドアハンガ32に対する位置を調整できる。
【0061】
連結機構33は、ドア31及びドアハンガ32に対して、ドア操作装置40の後述するドア駆動装置50からの力を伝達する。ドア駆動装置50からの力が連結機構33から伝達されることによって、ドア装置30は、全閉位置と全開位置との間を移動可能となる。図10に示す例において、連結機構33は、板状の連結金具331と、ドア駆動装置50の後述する環状ベルト54を把持するグリップ332と、を含んでいる。連結金具331及びグリップ332は、図7に示すように、互いにねじ止めされてもよい。
【0062】
次に、主に図2及び図3を参照して、ドア操作装置40の詳細について説明する。
【0063】
図1図3に示す例において、ドア操作装置40は、自動ドア90周辺の人又は物を検出する起動センサ41と、ドアハンガ32の移動範囲を規制するストッパ42と、ストッパ42をレール15に取り付けるストッパ取付具43と、制御装置44と、配線45と、ドア装置30を駆動するドア駆動装置50と、を含んでいる。起動センサ41は、出入口101付近の人又は物を検出する。起動センサ41は、フロントカバー21に取り付けられている。制御装置44は、支持壁部12に取り付けられている。なお、図2及び図3においては、フロントカバー21に取り付けられた起動センサ41が省略されている。
【0064】
配線45は、制御装置44とドア駆動装置50とを電気的に接続する配線を含んでもよい。配線45は、ドア駆動装置50と外部の電源装置(図示せず)とを電気的に接続する配線を含んでもよい。
【0065】
図5及び図6に示すように、配線45は、レールベース10上に保持されてもよい。配線45は、第1レール連結部122A上に保持されている。図示された例では、配線45は、レールベース10に沿って第1方向D1に延びている。
【0066】
配線45は、起動センサ41から延び出す起動センサ配線451を含んでもよい。起動センサ配線451は、起動センサ41と制御装置44とを電気的に接続してもよい。起動センサ配線451は、起動センサ41と、起動センサ41に電力を供給する電源装置(図示せず)と、を電気的に接続してもよい。起動センサ配線451は、レールベース10とフロントカバー21との間を第2方向D2に延びてもよい。
【0067】
図2及び図3に示すように、起動センサ41、制御装置44、及びドア駆動装置50は、第1方向D1に互いに離れて配置されてもよい。起動センサ41と制御装置44とを電気的に接続する配線45は、第1方向D1に延びる部分を含んでもよい。制御装置44とドア駆動装置50とを電気的に接続する配線45は、第1方向D1に延びる部分を含んでもよい。
【0068】
図1及び図7に示す例において、起動センサ41は、第2方向D2における第2側からフロントカバー21に取り付けられている。フロントカバー21に取り付けられた起動センサ41は、後述するドア駆動装置50の駆動プーリ52及び環状ベルト54よりも、レールベース10から第2方向D2に離れている。起動センサ41は、ねじ止め等の種々の方法によってフロントカバー21に取り付けられてもよい。起動センサ41は、保護カバーによって覆われてもよい。図1では、起動センサ41を保護する保護カバーが観察可能となっている。
【0069】
起動センサ41は、出入口101に接近する人又は物を検出してもよい。起動センサ41は、出入口101に接近した人又は物を検出してもよい。起動センサ41は、出入口101を通過する人又は物を検出してもよい。起動センサ41は、種々の方法によって、自動ドア90周辺の人又は物を検出してもよい。起動センサ41は、赤外線等の電磁波、及び超音波等の波を放出してもよい。起動センサ41は、物体によって反射されたこれらの波を受信することによって、自動ドア90周辺の人又は物を検出してもよい。起動センサ41の波を放出する部分は、樹脂製のスモークパネルによって覆われてもよい。
【0070】
図2及び図3に示されるように、起動センサ41及び制御装置44は、配線45によって互いに電気的に接続されてもよい。制御装置44は、起動センサ配線451を通じて起動センサ41の検出結果を受信可能でもよい。
【0071】
図2及び図3に示す例において、ドア操作装置40は、2つのストッパ42A,42Bを含んでいる。第1ストッパ42Aは、内方、すなわち出入口101を閉じようとする方向にドアハンガ32が移動することを規制している。第2ストッパ42Bは、外方、すなわち出入口101を開こうとする方向にドアハンガ32が移動することを規制している。図2において、第1ストッパ42Aは、ドア装置30の第1ドアハンガ32Aと接触することによって、第1ドアハンガ32Aを含むドア装置30の内方(図2における第1方向D1における第2側)への移動を規制している。図3において、第2ストッパ42Bは、ドア装置30の第2ドアハンガ32Bと接触することによって、第2ドアハンガ32Bを含むドア装置30の外方(図2における第1方向D1における第1側)への移動を規制している。
【0072】
図5に示す例において、ストッパ42は、ストッパ本体421と、ストッパ本体421に取り付けられるストッパゴム422と、ストッパ本体421をレールベース10に固定するストッパ固定部材423と、を含んでいる。ストッパ42は、ストッパ固定部材423及びストッパ本体421を貫通するストッパ取付具43によって、レール15に取り付けられている。
【0073】
ストッパ本体421は、ストッパ42の主要な構成部材である。図5に示す例において、ストッパ本体421は、レール15上に位置する部分を含んでいる。ストッパ本体421は、レール15を第2方向D2に跨いでいる。ストッパ本体421は、第2方向D2における中央部分に設けられた凹部421rに、レール15を収容している。ストッパ本体421は、第2方向D2における両端部に脚部を含んでいる。ストッパ本体421には、ストッパゴム422が挿入される貫通穴が設けられている。この貫通穴は、第1方向D1に延びている。ストッパ本体421には、ストッパ取付具43を取り付ける取付穴421hが設けられている。取付穴421hは、第3方向D3に延びている。取付穴421hは、図12に示すように、ねじ穴でもよい。このねじ穴は、ストッパ取付具43としてのボルトの雄ねじと噛み合い可能となっている。ストッパ本体421は、金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
【0074】
図5に示す例において、ストッパゴム422は、ストッパ本体421に取り付けられている。ストッパゴム422は、図2及び図3に示すように、第1方向D1におけるストッパ本体421と、ストッパ42に接触するドアハンガ32と、の間に位置している。ストッパゴム422は、ドアハンガ32とストッパ42との接触により生じる力を吸収し得る。ストッパゴム422は、ストッパ本体421の貫通穴に挿入される軸部を含んでもよい。
【0075】
図5に示す例において、ストッパ固定部材423は、側面視(第1方向D1からの観察)において台形形状を有している。ストッパ固定部材423には、ストッパ固定部材423を第3方向D3に貫通する貫通穴が設けられている。ストッパ42は、ストッパ固定部材423によってレール15に固定されてもよい。図5に示す例において、ストッパ固定部材423は、第2方向D2においてレール15とストッパ本体421の脚部との間に挟まれている。ストッパ固定部材423がこのように挟まれることによって、ストッパ本体421及びストッパ固定部材423は、レール15に固定されている。
【0076】
図5に示す例において、ストッパ取付具43は、下方からストッパ本体421に取り付けられている。図示された例では、ストッパ取付具43は、頭部431と、雄ねじが形成された軸部432と、を有するボルトである。ストッパ取付具43は、軸部432に形成された雄ねじとストッパ本体421に形成されたねじ穴とが噛み合った状態で、第3方向D3に延びる軸線を中心に回転することによって、ストッパ本体421に取り付けられる。
【0077】
図5に示すように、ストッパ取付具43が固定されたとき、ストッパ取付具43の軸部432は、ストッパ固定部材423に設けられた貫通穴を通過している。ストッパ取付具43がストッパ本体421に取り付けられたとき、ストッパ固定部材423は、第3方向D3において、ストッパ取付具43の頭部431とストッパ本体421との間に位置している。
【0078】
図5に示すように、ストッパ取付具43は、頭部431とストッパ固定部材423との間に配置される座金434を含んでもよい。
【0079】
図2及び図3に示す例において、制御装置44は、レールベース10の支持壁部12に取り付けられている。制御装置44は、起動センサ41と電気的に接続されている。制御装置44は、ドア駆動装置50の後述する駆動源51と電気的に接続されている。制御装置44は、ドア31の開閉状態を制御する機能、出入口101における障害物の有無を監視する機能、起動センサ41及びドア駆動装置50の異常の有無を監視する機能の一以上の機能を有する。制御装置44は、起動センサ41の検出結果に基づいて、ドア駆動装置50を起動するための電気信号を発してもよい。制御装置44は、制御回路と、制御回路を収容する筐体と、を含んでもよい。図示された例において、制御装置44は、筐体において支持壁部12に取り付けられている。
【0080】
制御回路は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサを含んでもよい。制御回路は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでもよい。
【0081】
図2及び図3に示す例において、ドア駆動装置50は、駆動源51と、駆動源51によって駆動される駆動プーリ52と、駆動プーリ52から第1方向D1に離れて位置する従動プーリ53と、駆動プーリ52及び従動プーリ53に巻き掛けられた環状ベルト54と、を含んでいる。ドア駆動装置50は、第2方向D2においてレールベース10とフロントカバー21との間に配置されている。駆動源51、駆動プーリ52、及び従動プーリ53は、支持壁部12に取り付けられている。
【0082】
駆動源51は、駆動プーリ52に駆動力を供給する。駆動源51から駆動プーリ52に駆動力が供給されることによって、ドア駆動装置50が起動してもよい。図2及び図3に示す例において、駆動源51は、制御装置44と電気的に接続されている。駆動源51は、制御装置44から発せられた信号に基づいて、駆動プーリ52に駆動力を供給してもよい。駆動源51は、制御装置44から発せられた信号に基づいて、駆動プーリ52への駆動力の供給を停止してもよい。駆動源51は、制御装置44から発せられた信号に基づいて、駆動プーリ52を回転させる向きを変更させるように、駆動プーリ52に駆動力を供給してもよい。駆動源51は、モータでもよい。
【0083】
図2及び図3に示す例において、駆動プーリ52は、第2方向D2から観察したときに円形形状を有する部材である。駆動プーリ52は、レールベース10に取り付けられた状態で、第2方向D2と平行な軸線を中心として回転可能である。駆動プーリ52は、駆動源51から供給された駆動力によって回転可能である。駆動プーリ52は、ドア31をドア駆動装置50によって全閉位置と全開位置との間で移動させるとき、円形形状に沿った周方向におけるいずれの向きにも回転可能である。図2及び図3では、駆動プーリ52は、軸線を中心とした回転を停止している。
【0084】
図2及び図3に示す例において、従動プーリ53は、第2方向D2から観察したときに円形形状を有する部材である。従動プーリ53は、駆動プーリ52よりも内方において、レールベース10に取り付けられている。従動プーリ53は、レールベース10に取り付けられた状態で、第2方向D2と平行な軸線を中心として回転可能である。駆動プーリ52の回転軸線と、従動プーリ53の回転軸線とは、互いに平行となっている。従動プーリ53は、ドア31をドア駆動装置50によって全閉位置と全開位置との間で移動させるとき、円形形状に沿った周方向におけるいずれの向きにも回転可能である。図2及び図3に示す状態では、従動プーリ53は、軸線を中心とした回転を停止している。
【0085】
図2及び図3に示す例において、環状ベルト54は、駆動プーリ52及び従動プーリ53に巻き掛けられる無端ベルトである。環状ベルト54は、駆動プーリ52の外周面に、駆動プーリ52の径方向における外方から接触している。環状ベルト54は、従動プーリ53の外周面に、従動プーリ53の径方向における外方から接触している。環状ベルト54は、駆動プーリ52に接触する部分と従動プーリ53に接触する部分との間に位置する部分として、第1部分541と、第1部分541よりも上方に位置する第2部分542と、を含んでいる。
【0086】
環状ベルト54は、駆動プーリ52に接触する部分において、駆動プーリ52の周方向に延びている。環状ベルト54は、従動プーリ53に接触する部分において、従動プーリ53の周方向に延びている。駆動プーリ52が回転するとき、環状ベルト54は、駆動プーリ52の周囲及び従動プーリ53の周囲を周回し得る。図示された例において、環状ベルト54は、駆動プーリ52と従動プーリ53との間において、第1方向D1に延びてもよい。
【0087】
環状ベルト54は、駆動プーリ52及び従動プーリ53の間を周回する。環状ベルト54は、第1部分541及び第2部分542において、直線状に移動する。環状ベルト54の周回する向きは、駆動プーリ52が回転する向きに応じて変わる。図示された例において、環状ベルト54は、駆動プーリ52が軸線を中心として反時計回りに回転するときに、第1部分541において外方に移動し、且つ第2部分542において内方に移動するように、周回する。環状ベルト54は、駆動プーリ52が軸線を中心として時計回りに回転するとき、第1部分541において内方に移動し、且つ第2部分において外方に移動するように、周回する。
【0088】
ドア装置30が直線状に移動する第1部分541又は第2部分542に取り付けられることによって、ドア31は、全閉位置と全開位置との間を移動する。図示された例では、ドア装置30は、第1部分541に取り付けられている。ドア31は、第1部分541が外方に移動するときに、全閉位置から全開位置に向けて移動する。ドア31は、第1部分541が内方に移動するときに、全開位置から全閉位置に向けて移動する。
【0089】
以上の構成を有する自動ドア装置1においては、以下に説明する通り、施工性を改善するためのいくつかの工夫がなされている。
【0090】
<第1の工夫>
図8及び図9に示す例において、自動ドア装置1は、自動ドア90用のケース20を含んでいる。ケース20は、レール15を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15を覆うフロントカバー21と、レール15の長手方向からレールベース10及びフロントカバー21の少なくともいずれか一方の部材に取り付けられるサイドカバー22と、を有している。ケース20は、サイドカバー22をレールベース10又はフロントカバー21に取り付けるためのサイドカバー取付具23をさらに有してもよい。ケース20は、一対のサイドカバー22を有してもよい。一対のサイドカバー22は、レールベース10の両端部又はフロントカバー21の両端部に取り付けられてもよい。
【0091】
サイドカバー22は、レールベース10及びフロントカバー21とともに、自動ドア90の少なくとも一部分を収容する収容空間Sを形成してもよい。自動ドア90の収容空間S内に位置する部分は、サイドカバー22によって第1方向D1から覆われてもよい。
【0092】
サイドカバー22は、レールベース10又はフロントカバー21に取り付けられている。図8に示す例において、サイドカバー22は、レールベース10の第1方向D1における両端部に取り付けられている。図9に示す例において、サイドカバー22は、フロントカバー21の第1方向D1における両端部に取り付けられている。
【0093】
サイドカバー22は、図8に示すように、第1位置P1に配置されたときにレールベース10に取り付けられてもよい。サイドカバー22は、図9に示すように、第1位置P1から第1方向D1と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置P2に配置されたときにフロントカバー21に取り付けられてもよい。サイドカバー22は、サイドカバー取付具23を用いてレールベース10又はフロントカバー21に取り付けられてもよい。サイドカバー取付具23は、図8及び図9に示すように、ねじでもよい。
【0094】
サイドカバー22は、第1位置P1に配置されたときにフロントカバー21に取付不可能でもよい。サイドカバー22は、第2位置P2に配置されたときにレールベース10に取付不可能でもよい。
【0095】
図8及び図9に示す例において、レールベース10は、サイドカバー取付具23を受ける受け部R’を有している。図示された例において、レールベース10の受け部R’は、サイドカバー取付具23が噛み合い可能なビスホールBHである。ビスホールBHは、第1方向D1に延びている。ビスホールBHは、レールベース10の第1方向D1における両端部に設けられている。ビスホールBHは、レールベース10の第1方向D1における全長に亘って延びてもよい。
【0096】
図8及び図9に示す例において、レールベース10は、3つのビスホールBHを含んでいる。3つのビスホールのうち、第1のビスホールBHは、レール連結部122よりも下方に位置している。第2のビスホールBHは、ベース板部121とフロントカバー連結部125との接続部分に位置している。第3のビスホールBHは、第2のビスホールBHから第2方向D2に離れて位置している。レールベース10におけるビスホールBHの位置は、レールベース10に取り付けられたフロントカバー21における後述のビスホールBHの位置と点対称でもよい。
【0097】
レールベース10のビスホールは、後述するフロントカバー21のビスホールとの対比のために、第1ビスホールBH1と称呼されてもよい。レールベース10における第1のビスホールBHは、第1第1ビスホールBH11と称呼されてもよい。レールベース10における第2のビスホールBHは、第1第2ビスホールBH12と称呼されてもよい。レールベース10における第3のビスホールBHは、第1第3ビスホールBH13と称呼されてもよい。
【0098】
図8及び図9に示す例において、フロントカバー21は、サイドカバー取付具23を受ける受け部R’を有している。図示された例において、フロントカバー21の受け部R’は、サイドカバー取付具23が噛み合い可能なビスホールBHである。ビスホールBHは、第1方向D1に延びている。ビスホールBHは、フロントカバー21の第1方向D1における両端部に設けられている。ビスホールBHは、フロントカバー21の第1方向D1における全長に亘って延びてもよい。
【0099】
図8及び図9に示す例において、フロントカバー21は、3つのビスホールBHを含んでいる。3つのビスホールのうち、第1のビスホールBHは、ベース部211の第2突出部213との接続部分付近に位置している。第2のビスホールBHは、ベース部211と第1突出部212との接続部分に位置している。第3のビスホールBHは、第2のビスホールBHから第2方向D2に離れて位置している。フロントカバー21におけるビスホールBHの位置は、レールベース10に取り付けられたフロントカバー21におけるビスホールBHの位置と点対称でもよい。
【0100】
フロントカバー21のビスホールは、レールベース10のビスホールとの対比のために、第2ビスホールBH2と称呼されてもよい。フロントカバー21における第1のビスホールBHは、第2第1ビスホールBH21と称呼されてもよい。フロントカバー21における第2のビスホールBHは、第2第2ビスホールBH22と称呼されてもよい。フロントカバー21における第3のビスホールBHは、第2第3ビスホールBH23と称呼されてもよい。
【0101】
図8及び図9に示す例において、サイドカバー22は、第1面22aと、第1面22aとは反対の第2面22bと、を有する板状の部材である。サイドカバー22は、第1面22aから、レールベース10及びフロントカバー21の少なくともいずれか一方の部材に取り付けられてもよい。サイドカバー22は、第2面22bから、レールベース10及びフロントカバー21の少なくともいずれか一方の部材に取り付けられてもよい。サイドカバー22は、樹脂製でもよく、金属製でもよい。
【0102】
自動ドア装置の点検等に際して、フロントカバー21の揺動や取り外し等によって収容空間Sを容易に観察可能とする観点から、サイドカバー22は、レールベース10又はサイドカバー22に取り付けられることが好ましい。言い換えると、サイドカバー22は、レールベース10及びサイドカバー22のいずれか一方の部材に取り付けられないことが好ましい。
【0103】
図8及び図9に示す例において、サイドカバー22には、サイドカバー取付具23が通過可能な貫通穴22hが形成されている。貫通穴22hの数は、第1ビスホールBH1の数と同一となっている。貫通穴22hの数は、第2ビスホールBH2の数と同一となっている。図8に示すように、サイドカバー22が第1位置P1に配置されたとき、貫通穴22hは、第1第1ビスホールBH11、第1第2ビスホールBH12、及び第1第3ビスホールBH13と重なっている。図9に示すように、サイドカバー22が第2位置P2に配置されたとき、貫通穴22hは、第2第1ビスホールBH21、第2第2ビスホールBH22、及び第2第3ビスホールBH23と重なっている。
【0104】
図示されたケース20の作用について説明する。具体的には、図示されたケース20の建物100への設置方法の一例について説明する。
【0105】
レールベース10、フロントカバー21及びサイドカバー22を建物100に持ち込む。サイドカバー22を取り付ける部材をレールベース10及びフロントカバー21の一方に決定する。サイドカバー22を取り付ける部材は、ケース20の構造や建物100の寸法等の種々の要因に基づいて、決定されてもよい。サイドカバー22は、レールベース10の長手方向における両端部に、サイドカバー取付具23を用いて取り付けられてもよい。サイドカバー22は、フロントカバー21の長手方向における両端部にサイドカバー取付具23を用いて取り付けられてもよい。
【0106】
サイドカバー22がレールベース10に取り付けられるとき、サイドカバー22は、図8に示すように、第1位置P1に配置された状態で、レールベース10に取り付けられる。サイドカバー22は、貫通穴22hを通過したサイドカバー取付具23が第1ビスホールBH1と噛み合うことによって、レールベース10に取り付けられる。図示された例では、3つのサイドカバー取付具23が、それぞれ、第1第1ビスホールBH11、第1第2ビスホールBH12、第1第3ビスホールBH13と噛み合っている。
【0107】
サイドカバー22がフロントカバー21に取り付けられるとき、サイドカバー22は、図9に示すように、第2位置P2に配置された状態で、フロントカバー21に取り付けられる。サイドカバー22は、貫通穴22hを通過したサイドカバー取付具23が第2ビスホールBH2と噛み合うことによって、フロントカバー21に取り付けられる。図示された例では、3つのサイドカバー取付具23が、それぞれ、第2第1ビスホールBH21、第2第2ビスホールBH22、第2第3ビスホールBH23と噛み合っている。
【0108】
次に、レールベース10を建物100に取り付ける。レールベース10は、上述したように建物100にねじ止めされてもよい。レールベース10は、サイドカバー22が取り付けられた状態で建物100に取り付けられてもよい。レールベース10は、サイドカバー22が取り付けられていない状態で建物100に取り付けられてもよい。
【0109】
次に、フロントカバー21をレールベース10に取り付ける。フロントカバー21は、レールベース10とフロントカバー21との間に蝶番Hを取り付けることによって、レールベース10に取り付けられてもよい。フロントカバー21は、サイドカバー22が取り付けられた状態でレールベース10に取り付けられてもよい。フロントカバー21は、サイドカバー22が取り付けられていない状態でレールベース10に取り付けられてもよい。
【0110】
以上のようにして、レールベース10と、フロントカバー21と、サイドカバー22と、を含むケース20が建物100に設置される。ところで、例えばWO2014/112372にて言及されているように、従来のケースは、レールを有するレールベースと、レールの長手方向とは非平行な方向からレールを覆うフロントカバーと、レールの長手方向からレールを覆うサイドカバーと、を有していた。サイドカバーは、フロントカバーの長手方向における両端部に取り付けられる。サイドカバーは、サイドカバーを貫通するサイドカバー取付具を用いて、レールの長手方向から取り付けられる。
【0111】
自動ドア装置の設置条件に応じて、サイドカバーをレールベースに取り付けることが求められ得る。レールベースに取り付けられるサイドカバーとして、部品点数を削減する観点から、フロントカバーに取り付けられるサイドカバーと同一のサイドカバーを用いることが好ましい。
【0112】
しかしながら、サイドカバー上のレールベースとの接続位置は、サイドカバー上のフロントカバーとの接続位置と比較して、大きく異なる。一例として、サイドカバーは、中央部分においてレールベースと接続し、周縁部分においてフロントカバーと接続し得る。サイドカバーをレールベースに取り付けるためには、フロントカバーに取り付けられるサイドカバーをそのまま使用できない。従来のケースでは、サイドカバーを取り付ける部材に応じて、サイドカバーの加工工程や、別のサイドカバーを用意する必要が生じ得る。このようなサイドカバーを含む従来のケースにおいては、部品点数や、施工における負担が増加し得る。
【0113】
これに対して、本実施の形態による自動ドア装置1において、ケース20は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15を覆うフロントカバー21と、レールベース10とフロントカバー21との間に形成されたレール15の収容空間Sをレール15の長手方向から覆うサイドカバー22と、を含んでいる。サイドカバー22は、第1位置P1に配置されたときにレールベース10に取付可能であり、第1位置P1からレール15の長手方向と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置P2に配置したときにフロントカバー21に取付可能である。この具体例によれば、サイドカバー22は、配置を変更することによって、レールベース10及びフロントカバー21のいずれの部材にも直接取り付けることができる。これにより、ケース20は、サイドカバー22を取り付ける部材に応じて、ケース20の部品点数や施工における負担が増加することを抑制できる。一例として、サイドカバー22が取り付けられる部材に関わらず、サイドカバー22の加工工程が生じることを回避できる。したがって、このようなケース20を含む自動ドア装置1においては、施工性を改善できる。
【0114】
図8及び図9に示すケース20の一具体例において、レールベース10は、サイドカバー22を取り付けるためのサイドカバー取付具23を受ける複数の受け部R’を有している。フロントカバー21は、サイドカバー取付具23を受ける複数の受け部R’を有している。レールベース10の受け部R’の位置は、フロントカバー21の受け部R’の位置と点対称となっている。この具体例によれば、サイドカバー22が第1位置P1に配置された状態において、サイドカバー取付具23は、サイドカバー22のレールベース10への取り付けに使用できる。一方で、サイドカバー22が第2位置P2に配置された状態において、サイドカバー取付具23は、サイドカバー22のフロントカバー21への取り付けに使用できる。したがって、サイドカバー22を取り付ける部材に関わらずサイドカバー取付具23を共通化することによって、ケース20の部品点数を低減できる。
【0115】
図8及び図9に示すケース20の一具体例において、サイドカバー22には、サイドカバー取付具23が通過可能な貫通穴22hが設けられている。レールベース10には、サイドカバー取付具23が噛み合い可能な第1ビスホールBH1が設けられている。フロントカバー21には、サイドカバー取付具23が噛み合い可能な第2ビスホールBH2が設けられている。貫通穴22hは、サイドカバー22が第1位置P1に配置されたときに第1ビスホールBH1と重なる。貫通穴22hは、サイドカバー22が第2位置P2に配置されたときに第2ビスホールBH2と重なる。この具体例によれば、貫通穴22hは、図9及び図10に示すように、サイドカバー取付具23によって塞がれ得る。これにより、貫通穴22hがサイドカバー取付具23によって塞がれないことに起因して、貫通穴22hが外部から観察されることを抑制できる。したがって、この具体例によれば、サイドカバー22、およびサイドカバー22を含むケース20の意匠性を改善できる。
【0116】
図8及び図9に示すケース20の一具体例において、第1位置P1に配置されて収容空間Sを覆うときのサイドカバー22の形状は、第2位置P2に配置されて収容空間Sを覆うときのサイドカバー22の形状と同一である。第1位置P1におけるサイドカバー22の形状は、第2位置P2におけるサイドカバー22の形状と点対称となっている。この具体例によれば、第1位置P1に配置されたサイドカバー22によって覆われる領域は、第2位置P2に配置されたサイドカバー22によって覆われる領域と同一となる。これにより、サイドカバー22は、配置される位置に関わらず収容空間Sを安定して覆うことができる。
【0117】
<第2の工夫>
図2図4及び図10に示す例において、自動ドア装置1は、レール15に固定される金具60を有している。自動ドア装置1は、金具60として、第1ストッパ42Aよりも内方に位置する第1金具60Aと、第2ストッパ42Bよりも外方に位置する第2金具60Bと、を有している。第1金具60A、及び第2金具60Bは、全閉位置と全開位置との間を移動するドア31の移動範囲外に位置している。
【0118】
金具60は、第1規制部61Xを有する第1部材61と、第2規制部62Xを有する第2部材62と、を有している。第1部材61及び第2部材62の一方の部材は、第1部材61及び第2部材62の他方の部材とともに、レール15を第3方向D3から挟んでいる。図4に示す例において、第1部材61は、第2部材62よりも上方に位置している。第1部材61は、第2部材62とともにレール15を挟む部分において、レール15よりも上方に位置している。第2部材62は、レール15よりも下方に位置している。
【0119】
金具60は、図4に示すように、フロントカバー21を支持してもよい。図示された例において、フロントカバー21は、第2方向D2における第1側から、金具60によって支持されている。金具60は、フロントカバー21が軸線AX1を中心に揺動することを規制している。金具60は、図4に示すように第2部材62においてフロントカバー21と接触してもよい。
【0120】
図4及び図10に示す例において、第1部材61には、ねじ65と噛み合うねじ穴61hが形成されている。ねじ65は、第2部材62に形成されたねじ通過部62hを通過した状態で、第1部材61に取り付けられている。ねじ65は、第2部材62を第1部材61に固定している。言い換えると、第2部材62は、ねじ65を用いて第1部材61に固定されている。第1部材61に取り付けられたねじ65は、第2部材62を第1部材61に押し付けるように、第2部材62に対して軸力をかけている。図示された例では、ねじ65は、第2部材62に対して第3方向D3に軸力をかけている。第2部材62は、ねじ65からのこの軸力によって第1部材61に固定されている。
【0121】
図4に示す例において、ねじ65は、頭部651と、雄ねじが設けられた軸部652と、を有している。ねじ65は、第3方向D3に延びる回転軸線を中心に回転可能である。図示されたねじ65において、第3方向D3に直交する方向における頭部651の寸法は、当該方向における軸部652の寸法よりも大きくなっている。図4に示すように、ねじ65は、座金653をさらに有してもよい。
【0122】
図4及び図10に示す例において、ねじ65は、下方から第1部材61に取り付けられている。ねじ65は、第3方向D3に延びる回転軸線を中心に回転可能であり、且つ、頭部651が軸部652よりも下方に位置する状態で、第1部材61に取り付けられている。図示された例において、軸部652は、第2部材62に形成されたねじ通過部62hを通過している一方で、頭部651は、ねじ通過部62hを通過せず、第2部材62よりも下方に位置している。頭部651は、第2部材62の下方を向く面に下方から接触してもよい。あるいは、図4に示すように、ねじ65の頭部651と第2部材62との間に位置する座金653が、第2部材62の下方を向く面に下方から接触してもよい。
【0123】
図4及び図10に示す例において、第1部材61は、第1面61a、及び第1面61aとは反対の第2面61bを有する板状の部材である。第1部材61は、第1方向D1に幅方向を有している。第1部材61は、ベース部610と、ベース部610の一方の端部から垂れ下がった第1端部611と、ベース部610の他方の端部から垂れ下がった第2端部612と、を有している。ベース部610及び第1端部611は、互いに接続されている。ベース部610及び第2端部612は、互いに接続されている。
【0124】
ベース部610、第1端部611及び第2端部612は、板状の部材を折り曲げることによって一体的に作製されてもよい。あるいは、第1部材61において、ベース部610とは別体の第1端部611、あるいはベース部610とは別体の第2端部612がベース部610に取り付けられていてもよい。
【0125】
図4及び図10に示す例において、ベース部610は、上方からレール15と対面する部分を含んでいる。ベース部610は、上方からレール15と接触する部分を含んでもよい。ベース部610において、第1面61aは、上方を向いている。ベース部610において、第2面61bは、下方を向いている。第1部材61は、ベース部610において、第2面61bからレール15と接触してもよい。
【0126】
図10に示す例において、ベース部610には、ねじ65と噛み合うねじ穴61hが形成されている。ねじ65は、下方からねじ穴61hに挿入されている。ねじ65は、下方から第1部材61に取り付けられている。図10では、ねじ穴61hを通過した軸部652が観察される。ねじ穴61hは、幅方向における中央部分に位置している。ねじ穴61hは、図示された例とは異なり、複数形成されてもよい。
【0127】
図4及び図10に示す例において、第1端部611は、第2方向D2における第2側からベース部610に接続している。第1端部611には、第1規制部61Xとして、幅方向における中央部分に凸部Cが形成されている。凸部Cは、第1部材61の幅方向に沿って下方に突出している。第1端部611の凸部Cにおける下方への突出長さは、第1端部611の凸部C以外の部分における下方への突出長さよりも大きくなっている。第1部材61の第1方向D1における中央部分には、凸部Cによって側壁部61sが形成されている。図10に示す例において、凸部Cは、第2部材62に形成された穴を通過している。後述するように、穴として構成された第2規制部62Xの受け部Rは、第1規制部61Xの凸部Cを受けている。
【0128】
図4及び図10に示す例において、第2端部612は、第2方向D2における第1側からベース部610に接続している。第2端部612は、レール15の長手方向に直交する方向においてレール15と対面する部分を含んでいる。第2端部612は、レール15の長手方向に直交する方向からレール15に接触する部分を含んでもよい。図示された例では、第2端部612は、第2面61bにおいて、レール15と第2方向D2に対面している。第2端部612は、第2面61bにおいてレール15と接触してもよい。第2端部612は、第2面61bにおいてレール15と接触することによって、第3方向D3に延びる軸線を中心とした、第1部材61のレール15に対する回転を規制してもよい。なお、第2端部612は、第1部材61から省略されてもよい。
【0129】
図4及び図10に示す例において、第2部材62は、第1面62a、及び第1面62aとは反対の第2面62bを有する板状の部材である。第2部材62は、第1方向D1に幅方向を有している。第2部材62は、ベース部620と、ベース部620から垂れ下がった端部621と、を有している。ベース部620及び端部621は、互いに接続している。ベース部620及び端部621は、板状の部材を折り曲げることによって一体的に作製されてもよい。あるいは、第2部材62において、ベース部620とは別体の端部621が、ベース部620に取り付けられていてもよい。
【0130】
図4及び図10に示す例において、ベース部620は、下方からレール15に対面する部分を含んでいる。ベース部620は、下方からレール15と接触する部分を含んでもよい。ベース部620において、第1面62aは、上方を向いている。ベース部620において、第2面62bは、下方を向いている。第2部材62は、ベース部620において、第1面62aからレール15と接触してもよい。
【0131】
図4及び図10に示す例において、ベース部620には、ねじ65の軸部652が通過可能なねじ通過部62hが形成されている。ねじ通過部62hは、ベース部620の幅方向における中央部分に位置している。ねじ通過部62hは、フロントカバー21がレール15を覆う方向、すなわち図4及び図10における第2方向D2に延びてもよい。このようなねじ通過部62hが形成された第2部材62は、ねじ通過部62hを通過したねじ65に対して、第2方向D2に移動可能でもよい。ねじ通過部62hは、第1面62a及び第2面62bに開口する貫通穴でもよい。ねじ通過部62hは、切欠でもよい。
【0132】
図4に示す例において、端部621は、フロントカバー21と対面する部分を含んでいる。端部621は、フロントカバー21と接触する部分を含んでもよい。図示された例では、第2部材62は、端部621において、第1面62aからフロントカバー21と対面している。端部621は、第1面62aからフロントカバー21と接触してもよい。
【0133】
図10に示す例において、第2規制部62Xは、第1規制部61Xの凸部Cを受ける受け部Rを有している。図示された例において、受け部Rは、第2部材62の幅方向(図10における第1方向D1)における中央部分に設けられている。受け部Rは、図10に示すように、第1面62a及び第2面62bの両面に開口する穴でもよい。受け部Rは、ベース部620及び端部621に跨って形成されている。受け部Rは、ベース部610において第2方向D2に延びている。
【0134】
図10に示す第2部材62においては、受け部Rによって、第2部材62の幅方向を向く側壁部62sが形成されている。側壁部62sは、第1部材61の凸部Cにおける側壁部61sと対面する方向として、第1方向D1を向く部分を含んでいる。第1部材61は、凸部Cにおける側壁部61sにおいて、第2部材62の側壁部62sと接触してもよい。
【0135】
図示された金具60の作用について説明する。具体的には、図示された金具60をレールベース10に取り付ける方法について説明する。
【0136】
まず、収容空間Sにおいて金具60の取付作業を可能とするよう、フロントカバー21がレールベース10に対して軸線AX1を中心として揺動される。フロントカバー21は、レールベース10から取り外されてもよい。
【0137】
次に、第1部材61をレール15よりも上方から配置する。第1部材61は、ベース部610がレール15上に位置するように配置されてもよい。第1部材61は、図4及び図10に示すように、ベース部610が上方からレール15に接触する部分を含むように、配置されてもよい。第1部材61は、第2端部612がレール15よりも第2方向D2における第1側に位置するように、配置されてもよい。第2端部612は、第2面61bにおいて第2方向D2における第1側からレール15に接触してもよい。このようにして配置された第1部材61において、第1規制部61Xが形成された第1端部611は、レール15よりも第2方向D2における第2側において、第1方向D1に沿って下方に垂れ下がるようになる。第1部材61は、レール15よりも上方から配置されたのち、第2部材62がねじ65によって第1部材61に固定されるまでの間において、作業者によって把持されてもよい。
【0138】
次に、第2部材62をレール15よりも下方から配置する。第2部材62は、第1部材61に対して下方から重ねられる。図4及び図10に示す例において、第2部材62は、まず、ベース部620又は端部621に形成された受け部Rにおいて、第1部材61の第1端部611に形成された凸部Cを受けるように重ねられる。凸部Cは、図10に示すように、受け部Rによって形成された、第1面62aにおける開口、及び第2面62bにおける開口をいずれも通過してもよい。受け部Rが凸部Cを受けることによって、第1部材61の第1規制部61Xと、第2部材62の第2規制部62Xとが、互いに接触可能となる。
【0139】
第2部材62は、第2方向D2における位置を調整されてもよい。第2部材62の第2方向D2における位置は、第2方向D2におけるレール15とフロントカバー21との間の距離に応じて決定されてもよい。第2部材62は、第2部材62に形成された受け部Rが第1部材61に形成された凸部Cを受けた状態で、第1部材61に対して第2方向D2に移動してもよい。第2部材62の第2方向D2における位置が決定された状態において、第1部材61に形成されたねじ穴61hと、第2部材62に形成されたねじ通過部62hとが、第3方向D3において重なるようになる。
【0140】
次に、下方からねじ65を第1部材61に取り付ける。ねじ65は、頭部651から軸部652が上方に延びる状態で、第2部材62越しに第1部材61に取り付けられる。図4及び図10に示す例において、第3方向D3に直交する方向における軸部652の長さは、ねじ通過部62hの第3方向D3に直交する方向における長さよりも小さくなっている。この結果として、ねじ65は、軸部652においてねじ通過部62hを通過する。軸部652は、ねじ通過部62hを通過したのち、軸部652に形成された雄ねじにおいて、ねじ穴61hと噛み合うようになる。
【0141】
次に、ねじ65を締めていく。具体的には、軸部652に設けられた雄ねじを、第1部材61に設けられたねじ穴と噛み合わせていく。ねじ65は、軸部652に設けられた雄ねじと、第1部材61に設けられたねじ穴61hと、が少なくとも部分的に噛み合った状態で、第3方向D3に延びる軸線を中心に回転していく。
【0142】
ねじ65を締めていくと、頭部651は、下方から第2部材62に近づく。図4及び図10に示す例において、第1方向D1における頭部651の長さは、第1方向D1におけるねじ通過部62hの長さよりも大きくなっている。これにより、下方から第2部材62に近づく頭部651は、ねじ通過部62hを通過せず、第2部材62の第2面62bに接触するようになる。
【0143】
さらにねじ65を締めていくと、ねじ65は、頭部651において第2部材62の第2面62bに接触した状態で回転するようになる。これにより、第2面62bにおいてねじ65と接触する第2部材62は、頭部651が回転する方向に力を受けるようになる。図示された例では、第2部材62は、第3方向D3に延びる軸線を中心に回転する方向に力を受ける。この結果、第2部材62は、第1部材61に対して回転しようとする。
【0144】
ところで、ねじによって第2部材を第1部材に固定する従来の金具において、第2部材は、第2部材に接触しながら回転するねじの頭部から力を受けることによって、ねじの回転軸線を中心として第1部材に対して回転した。これにより、従来の金具においては、レールベースに取り付けられる際に、第2部材がねじとともに第1部材に対して回転することによって、第1部材と第2部材とが互いにずれて配置される問題を生じ得た。第1部材と第2部材とが互いにずれて配置された場合、金具をレールベースに取り付けるためには、第1部材に対する第2部材の位置を修正する手間を生じる。結果として、このような金具を含む従来の自動ドア装置において、施工性が悪化する問題を生じ得た。
【0145】
これに対して、本実施の形態による自動ドア装置1において、金具60は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15に固定される。金具60は、第1規制部61Xを有し、ねじ65と噛み合うねじ穴61hが形成されている第1部材61と、ねじ65を用いて第1部材61に固定され、第1規制部61Xと接触する第2規制部62Xを有する第2部材62と、を含んでいる。第1規制部61X及び第2規制部62Xは、第2部材62がねじ65とともに回転することを規制する。この具体例によれば、第1規制部61Xと第2規制部62Xとが互いに接触することによって、ねじ65の回転軸線を中心として、第1部材61及び第2部材62が互いに対して回転することを抑制できる。図2図4及び図10に示す例では、第3方向D3に平行な方向に延びる軸線を中心とした、第1部材61及び第2部材62の互いに対する回転を抑制できる。これにより、ねじ65を用いて第2部材62を第1部材61に固定する際に、第2部材62が第1部材61に対してずれて配置されることを抑制できる。したがって、この金具60を含む自動ドア装置1は、施工性を改善できる。
【0146】
図4及び図10に示す例において、金具60は、第1規制部61Xと、第2規制部62Xと、を有している。第1規制部61Xは、凸部Cを有している。第2規制部62Xは、凸部Cを受ける受け部Rを有している。この具体例によれば、第2部材62は、受け部Rにおいて凸部Cを受けた状態で、ねじ65から上述した力を受け、ねじ65の回転軸線を中心として、第1部材61に対して回転しようとする。第2部材62が第1部材61に対してこのように回転しようとすると、受け部Rにおける側壁部62s、及び凸部Cにおける側壁部61sが、互いに接触する。したがって、受け部Rと凸部Pとの接触によって、第2部材62の第1部材61に対する回転を規制できる。言い換えると、第1規制部61X及び第2規制部62Xによって、第1部材61及び第2部材62の互いに対する回転を規制できる。
【0147】
ねじ65を締めることによって、第2部材62は、レール15を第1部材61とともに挟むようにして、第1部材61に固定される。以上のようにして、金具60がレールベース10に取り付けられる。金具60がレールベース10に取り付けられたのち、収容空間Sがフロントカバー21によって閉ざされてもよい。
【0148】
フロントカバー21は、図4に示すように第2部材62の端部621に接触してもよい。図示された例において、第2部材62は、レール15の長手方向である第1方向D1に直交する第2方向D2からレール15を覆うフロントカバー21に接触することによってフロントカバー21を支持している。この具体例によれば、フロントカバー21がレール15に向けて移動することを抑制できる。これにより、自動ドア装置1を安定して建物100に設置できる。
【0149】
図4及び図10に示す例において、第1部材61は、レール15に上方から接触するベース部610、及びベース部610から垂れ下がる端部として、第2端部612を含んでいる。第2端部612は、レール15の長手方向である第1方向D1に直交する第2方向からレール15に接触することによって第1部材61のレール15に対する回転を規制している。この具体例によれば、第1部材61を含む金具60全体が、レール15に対して回転することを抑制できる。すなわち、ねじ65を回転させた際に、第2端部612とレール15との接触により、ねじ65とともに第1部材61が回転することを規制し、ねじ65を第1部材61にねじ込むことができる。
【0150】
<第3の工夫>
図2及び図3に示す例において、自動ドア装置1は、磁気センサ70を有している。磁気センサ70は、ドアハンガ32に取り付けられた磁石71と、ストッパ42に取り付けられたリードスイッチ72と、を含んでいる。
【0151】
自動ドア装置1は、複数の磁気センサ70を有してもよい。図2及び図3に示す例において、自動ドア装置1は、第1磁気センサ70A及び第2磁気センサ70Bを有している。第1磁気センサ70Aは、第1ドアハンガ32Aに取り付けられた第1磁石71Aと、第1ストッパ42Aに取り付けられた第1リードスイッチ72Aと、を含んでいる。第2磁気センサ70Bは、第2ドアハンガ32Bに取り付けられた第2磁石71Bと、第2ストッパ42Bに取り付けられた第2リードスイッチ72Bと、を含んでいる。
【0152】
磁気センサ70は、ドア31が全閉位置に位置することを検出してもよい。磁気センサ70は、ドア31が全開位置に位置することを検出してもよい。図2及び図3に示す例において、第1磁気センサ70Aは、ドア31が全閉位置に位置することを検出可能である。第2磁気センサ70Bは、ドア31が全開位置に位置することを検出可能である。
【0153】
以下、主に図7図11及び図12を参照して磁気センサ70の詳細を説明する。図7及び図12に示された第1磁石71Aを主に参照する磁石71についての以下の説明は、特に言及しない限り、第2磁石71Bにも同様に当てはまる。図11及び図12に示された第1リードスイッチ72Aを主に参照するリードスイッチ72についての以下の説明は、特に言及しない限り、第2リードスイッチ72Bにも同様に当てはまる。
【0154】
磁気センサ70は、ドアハンガ32に取り付けられた磁石71と、ストッパ42に取り付けられたリードスイッチ72と、を含んでいる。図7及び図12に示すように、磁気センサ70は、磁石71を保持する磁石保持部73をさらに含んでもよい。図11及び図12に示すように、磁気センサ70は、リードスイッチ72を保持するリードスイッチ保持部74をさらに含んでもよい。磁石71は、磁石保持部73を介してドアハンガ32に取り付けられてもよい。リードスイッチ72は、リードスイッチ保持部74を介して、ストッパ42に取り付けられてもよい。
【0155】
図7及び図12に示す例において、磁石71は、直方体状の部材である。磁石71は、磁石保持部73を介して、ドアハンガ32の側板部322に取り付けられている。磁石71は、磁石保持部73に取り付けられている。磁石71は、ドアハンガ32に取り付けられたとき、第2方向D2を向く面を含んでいる。磁石71は、磁石保持部73を側板部322に取り付ける取付具よりも下方に位置している。磁石71として、リードスイッチ72を後述する第1状態にすることができる種々の磁石を使用してもよい。磁石71は、フェライト磁石、ネオジム磁石等の永久磁石でもよい。
【0156】
ドアハンガ32に取り付けられた磁石71は、ドアハンガ32がレール15上を走行するとき、ドアハンガ32とともに移動する。ドアハンガ32とともに移動する磁石71は、リードスイッチ72に近づいてもよい。ドアハンガ32とともに移動する磁石71は、リードスイッチ72から離れてもよい。図2及び図3に示す例において、ドア31が全閉位置から全開位置に移動するとき、第1磁気センサ70Aを構成する第1磁石71Aは、第1リードスイッチ72Aから離れる。ドア31が全閉位置から全開位置に移動するとき、第2磁気センサ70Bを構成する第2磁石71Bは、第2リードスイッチ72Bに近づく。これとは逆に、ドア31から全開位置から全閉位置に移動するとき、第1磁石71Aは、第1リードスイッチ72Aに近づく。ドア31から全開位置から全閉位置に移動するとき、第2磁石71Bは、第2リードスイッチ72Bから離れる。
【0157】
図7及び図12に示す例において、磁石保持部73は、磁石71を保持する板状の部材である。磁石保持部73は、磁石71を保持した状態でドアハンガ32の側板部322に取り付けられている。磁石71は、種々の方法によって磁石保持部73に取り付けられてもよい。図示された例において、磁石71は、磁石保持部73にねじ止めされている。磁石保持部73には、貫通穴が形成されてもよい。磁石保持部73は、連結機構33をドアハンガ32に取り付けるためのボルトを用いて、ドアハンガ32に取り付けられてもよい。磁石保持部73は、金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
【0158】
図11及び図12に示す例において、リードスイッチ72は、直方体状の部材である。リードスイッチ72は、リードスイッチ保持部74を介して、ストッパ42に取り付けられている。リードスイッチ72は、リードスイッチ保持部74にねじ止めされている。リードスイッチ保持部74は、ストッパ取付具43によってストッパ42に取り付けられている。結果として、リードスイッチ72は、ストッパ取付具43によってストッパ42に取り付けられている。リードスイッチ72は、ストッパ42に取り付けられたとき、第2方向D2を向く面を含んでいる。
【0159】
リードスイッチ72は、磁石71が接近している第1状態と、磁石71が離れている第2状態と、の間で異なる電気信号を発してもよい。一例として、リードスイッチ72は、第1状態において通電してもよい。リードスイッチ72は、第2状態において通電を停止してもよい。図2及び図11において、第1リードスイッチ72Aは、第1状態となっている。一方、第2リードスイッチ72Bは、第2状態となっている。図3において、第1リードスイッチ72Aは、第2状態となっている。第2リードスイッチ72Bは、第1状態となっている。図11において、リードスイッチ72は、第1状態となっている。磁気センサ70は、リードスイッチ72の状態に基づいて、すなわち、リードスイッチ72に磁石71が接近している、又はリードスイッチ72から磁石71が離れていることによって、ドア31の開閉状態を検出してもよい。
【0160】
リードスイッチ72が第1状態にあるとき、磁石71及びリードスイッチ72は、ドア装置30の移動する方向とは非平行な方向において互いに対面する部分を含んでもよい。図11に示す例において、磁石71及びリードスイッチ72は、第2方向D2において互いに対面する部分を含んでいる。リードスイッチ72が第2状態にあるとき、磁石71及びリードスイッチ72は、ドア装置30の移動する方向とは非平行な方向において互いに対面する部分を含まなくてもよい。図2に示す例において、第2リードスイッチ72Bは、第2磁石71Bと第2方向D2に対面する部分を含んでいない。図3に示す例において、第1リードスイッチ72Aは、第1磁石71Aと第2方向D2に対面する部分を含んでいない。
【0161】
リードスイッチ72の状態は、磁気センサ70の検出結果として、磁気センサ配線75を介してリードスイッチ72と電気的に接続された外部装置(図示せず)に伝送されてもよい。リードスイッチ72の状態は、磁気センサ70の検出結果として、磁気センサ配線を75介してリードスイッチ72と電気的に接続された制御装置44に伝送されてもよい。
【0162】
図11及び図12に示す例において、リードスイッチ保持部74は、一方向に延びる部分、及び当該一方向とは非平行な他方向に延びる部分を有する板状の部材である。図示された例では、リードスイッチ保持部74は、第1方向D1に延びる部分と、第2方向D2に延びる部分と、を含んでいる。リードスイッチ保持部74は、第3方向D3を向く面を含んでいる。リードスイッチ保持部74の上方(第3方向D3における第1側)を向く面には、リードスイッチ72がねじ止めされている。リードスイッチ保持部74には、第2方向D2に延びる部分の端部において、切欠が形成されている。リードスイッチ保持部74は、金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
【0163】
図5図11及び図12に示す例において、リードスイッチ保持部74は、ストッパ42をレールベース10に取り付けるストッパ取付具43によって、ストッパ42に取り付けられている。リードスイッチ保持部74は、ストッパ固定部材423よりも下方に配置された状態で、ストッパ42に取り付けられている。ストッパ本体421に取り付けられたストッパ取付具43は、軸部432において、リードスイッチ保持部74に形成された切欠を通過している。リードスイッチ保持部74は、図6に示されるように、第3方向D3においてストッパ取付具43の頭部431とストッパ固定部材423との間に配置されている。リードスイッチ保持部74がこのようにストッパ42に取り付けられることによって、リードスイッチ保持部74に保持されたリードスイッチ72が、ストッパ42に取り付けられている。
【0164】
図11に示す例において、リードスイッチ72は、ストッパ42から第1方向D1に離れた位置に保持されている。リードスイッチ72は、ドア装置30の移動範囲内に位置している。図2及び図3に示す例において、第1リードスイッチ72Aは、第1ストッパ42Aよりも第1方向D1における第1側に位置している。第2リードスイッチ72Bは、第2ストッパ42Bよりも第1方向D1における第2側に位置している。
【0165】
リードスイッチ保持部74は、図5図11及び図12に示された状態、すなわち第1リードスイッチ72Aを保持している状態から、第2方向D2に延びる軸線を中心に180°回転させた状態において、第2リードスイッチ72Bを保持してもよい。
【0166】
ところで、例えばJPH7-189552Aに開示されているように、従来の自動ドア装置は、ドアハンガに取り付けられた磁石と、磁石の接近によりドアの開閉状態を検出するリードスイッチと、を有する磁気センサを含んでいる。リードスイッチは、ドア本体よりも上方に設置され得る。リードスイッチをドア本体よりも上方に設置する場合、リードスイッチは、自動ドア装置のドア本体よりも上方に位置する部材に取り付けられ得る。一例として、リードスイッチは、ドアが掛けられるレールを有するレールベースに、リードスイッチ専用の取付部材を用いて取り付けられ得る。リードスイッチは、リードスイッチが取り付けられた状態の取付部材をレールベースにねじ止めすることによって、レールベースに取り付けられ得る。したがって、従来の自動ドア装置の施工工程は、リードスイッチのみを設置するための工程を含むようになる。したがって、磁気センサを含む従来の自動ドア装置においては、部品点数や施工工程の負担の増加によって、施工性が悪化する問題を生じ得る。
【0167】
これに対して、本実施の形態による自動ドア装置1は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15と、レール15に取り付けられ、ドアハンガ32に接触することによってドアハンガ32の移動範囲を規制するストッパ42と、ドアハンガ32に取り付けられる磁石71と、ストッパ42をレール15に取り付けるストッパ取付具43によってストッパ42に取り付けられて磁石71の接近によりドア31の開閉状態を検出するリードスイッチ72と、を有する磁気センサ70と、を含んでいる。この具体例によれば、リードスイッチ72を取り付けるための取付具をストッパ取付具43と共通化することによって、リードスイッチ72の設置に起因した部品点数の増加を抑制できる。また、リードスイッチ72及びストッパ42をレール15に取り付ける工程を共通化することによって、リードスイッチ72の設置に起因した工程の増加を抑制できる。したがって、この具体例によれば、磁気センサ70を含む自動ドア装置1の施工性を改善できる。
【0168】
<第4の工夫>
図5図6及び図13に示す例において、レールベース10は、レールベース本体11と、レールベース本体11に取付可能な区画板13と、を含んでいる。レールベース本体11に取り付けられた区画板13は、レール連結部122から延び上がっている。レールベース本体11に取り付けられた区画板13は、レール連結部122上の空間を区画している。レールベース本体11に取り付けられた区画板13は、レール15と、支持壁部12のベース板部121と、の間に位置している。図5に示すように、区画板13は、レールベース本体11に取り付けられた状態で、貫通穴12hを通過してレールベース本体11を建物100に取り付けるレールベース取付具FMと対面している。区画板13は、レールベース本体11に取り付けられた状態において、第1方向D1に長手方向を有している。区画板13は、レールベース本体11に取り付けられた状態において、ベース板部121から第2方向D2に離れている。
【0169】
図5図6及び図13に示す例において、区画板13は、板状の部材である。区画板13は、レールベース本体11に取付可能である。図13に示す例において、区画板13は、レールベース本体11の第1レール連結部122Aに上方から取り付けられている。区画板13は、レールベース本体11から取り外し可能でもよい。
【0170】
図5及び図6に示すように、ベース板部121と区画板13との間に配線45が配置されてもよい。図示された例において、ベース板部121と区画板13との間には、第1方向D1に延びる配線45が配置されている。区画板13は、ベース板部121と区画板13との間に配置された配線45を保護してもよい。区画板13は、ベース板部121と区画板13との間に配置された配線45が、レール15に向けて第2方向D2における第2側に移動することを抑制してもよい。配線45の第2方向D2への移動を抑制することによって、区画板13は、レール連結部122上の配線45と、レール15に対して移動するドアハンガ32と、の干渉を抑制してもよい。
【0171】
図2及び図3に示すように、レールベース10は、複数の区画板13を含んでもよい。図示された例において、レールベース10は、2つの区画板13を含んでいる。2つの区画板13は、レール15の長手方向に互いから離れて、レールベース本体11に取り付けられている。2つの区画板13の全長は、それぞれ、レールベース本体11の全長よりも短くなっている。レール15の長手方向に隣り合う区画板13の間には、配線45が通過可能な隙間が形成されてもよい。
【0172】
図5図6及び図13に示す例において、区画板13は、第1端部131、及び第1端部とは反対の第2端部132を有している。第1端部131及び第2端部132は、それぞれ、区画板13の長手方向に延びている。区画板13は、第1端部131においてレールベース本体11に取り付けられている。区画板13は、第2端部132において、第1端部131よりも貫通穴12hに向けて傾斜している。
【0173】
図13及び図14に示す例において、区画板13の第1端部131には、凹部13rが形成されている。凹部13rは、下方に開口している。凹部13rは、第1方向D1に直線状に延びている。凹部13rは、支持壁部12に形成された突出部12pにはめ込まれてもよい。図示された例において、突出部12pは、第1レール連結部122Aから上方に突出している。突出部12pは、第1方向D1に直線状に延びている。凹部13rが突出部12pにはめ込まれることによって、区画板13がレールベース本体11に取り付けられている。
【0174】
レールベース10は、レールベース10上に保持された配線45を覆う配線カバー19をさらに含んでもよい。配線カバー19は、支持壁部12のベース板部121と区画板13との間に保持されている。配線カバー19は、ベース板部121と区画板13との間に保持された状態において、第1方向D1に延びている。配線カバー19は、一方の端部191において、区画板13の第2端部132と係合している。配線カバー19は、一方の端部191とは反対の他方の端部192において、支持壁部12のベース板部121に接触している。
【0175】
図示されたレールベース10の作用について説明する。具体的には、主に図13及び図14を参照しながら、レールベース10を建物100に取り付ける方法の一例について説明する。
【0176】
まず、区画板13が取り付けられていない状態のレールベース本体11を建物100に取り付ける。レールベース本体11は、レールベース取付具FMを用いて建物100に取り付けられる。図13に示す例では、レールベース取付具FMとして、ボルトが用いられている。レールベース本体11は、上述したように、ボルトを締める工具PTを用いて、貫通穴12hに挿入されたボルトを締めることによって建物100に固定される。工具PTは、第2方向D2における第2側から、貫通穴12hに挿入されたボルトの頭部に取り付けられている。
【0177】
次に、区画板13をレールベース本体11に取り付ける。区画板13は、上方からレールベース本体11に取り付けられる。区画板13は、図14に示すように、第1端部131に形成された凹部13rが突出部12pにはめ込まれることによって、レールベース本体11に取り付けられてもよい。凹部13rが突出部12pにはめ込まれるとき、区画板13の凹部13rを形成する部分は、突出部12pと接触することによって変形してもよい。
【0178】
以上のようにして、レールベース本体11及び区画板13を含むレールベース10が、建物100に取り付けられる。ところで、WO2018/139439A1に開示されているように、従来の自動ドア装置において、レールベースは、ドアを保持するドアハンガが走行するレールと、レールを支持する支持壁部であって、ベース部、及びベース部から突出しベース部とレールとを連結するレール連結部を有する支持壁部と、レール連結部上の空間を区画する区画板と、を含んでいる。レールベースは、レール、支持壁部、及び区画板を含めて一体的に作製されている。
【0179】
レールベースは、ベース部を貫通するレールベース取付具によって、建物に取り付けられ得る。この場合、ベース部には、レールベース取付具が通過可能な貫通穴が形成され得る。貫通穴は、レールベースの建物への取付位置に応じて、区画板と対面する位置に形成され得る。
【0180】
一般に、レールベース取付具を用いてレールベースを建物に取り付ける場合、インパクトドライバ等の工具が使用される。工具は、貫通穴と区画板とが対面する方向から、レールベース取付具に取り付けられ得る。しかしながら、貫通穴と区画板とが対面する方向における工具の寸法は、ベース部と区画板との間の距離を大きく上回ることが多い。区画板は、ベース部を含む支持壁部、及びレールと一体的に作製されている。従来のレールベースは、ベース部とレールとを区画する区画板を含む場合、工具と区画板とが干渉することによって、工具をレールベース取付具に適切に取り付けることができない問題を生じ得る。これにより、従来のレールベースにおいては、レールベースを建物に取り付ける際に工具を使用できない問題を生じ得る。結果として、従来のレールベースを含む自動ドア装置においては、施工性が悪化する問題を生じ得る。
【0181】
これに対して、本実施の形態による自動ドア装置1のレールベース10は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15に対面する部分を含むベース板部121及びベース板部121とレール15とを連結するレール連結部122を有する支持壁部12と、を有するレールベース本体11と、レール連結部122から延び上がってレール連結部122上の空間を区画するようにレールベース本体11に取付可能であり、レールベース本体11に取り付けられた状態においてベース板部121に形成された貫通穴12hを通過してレールベース本体11を建物100に取り付けるレールベース取付具FMと対面する区画板13と、を含んでいる。この具体例によれば、区画板13が取り付けられていない状態のレールベース本体11を建物100に取り付けることによって、レールベース本体11の取り付けに用いられる工具PTと、区画板13と、の干渉を回避できる。これにより、図13に示すように、レールベース取付具FMに工具PTが適切に取り付けられ、レールベース本体11を建物100に容易に取り付けることができる。そして、建物100に取り付けられたレールベース本体11に区画板13を取り付けることによって、レール連結部122上の空間を区画できる。結果として、このようなレールベース10を含む自動ドア装置1の施工性を改善できる。
【0182】
図5図6及び図13に示すレールベース10の一具体例において、レールベース本体11の全長よりも短い全長を有する複数の区画板13が、レールベース本体11に取付可能となっている。この具体例によれば、個々の区画板13の重量が低減されることによって、区画板13をレールベース本体11に容易に取り付けることができる。また、この具体例によれば、区画板13をレールベース10の必要な部分のみに取り付けることができる。一例として、レールベース10の配線45を保持する部分のみに区画板13を取り付けることができる。
【0183】
<第5の工夫>
図6及び図15に示す例において、自動ドア装置1は、起動センサ配線451を保持する配線保持具80を含んでいる。配線保持具80は、板状部81と、板状部81に取り付けられた配線保持部材82と、を有している。配線保持具80は、配線保持部材82を板状部81に取り付ける取付具83を含んでもよい。配線保持具80は、板状部81をレールベース10に固定する固定具84を含んでもよい。取付具83は、板状部81をレールベース10に固定してもよい。すなわち、取付具83は、固定具84でもよい。取付具83及び固定具84は、図6及び図15に示すように、ボルトでもよい。
【0184】
図6及び図15に示す例において、板状部81は、第1方向D1及び第2方向D2に広がる板状の部材である。板状部81は、第3方向D3における両端部を一対の溝12gに収容されている。板状部81は、両端部において一対の溝12gに収容されることによって、溝12gが延びる方向とは非平行な方向への移動を溝12gによって規制されている。図示された例では、板状部81は、両端部を一対の溝12gに収容されることによって、第2方向D2及び第3方向D3への移動を規制されている。
【0185】
板状部81は、両端部を一対の溝12gに収容された状態において、一対の溝12gに沿って移動可能でもよい。板状部81は、両端部を一対の溝12gに収容された状態において、一対の溝12gに沿った移動を規制されてもよい。図6及び図15に示された例において、板状部81は、固定具84を用いてレールベース10に固定されることによって、レールベース10に対する第1方向D1への移動を規制されている。
【0186】
図6に示す例において、板状部81には、取付具83あるいは固定具84としてのボルトに形成された雄ねじと噛み合うねじ穴が形成されている。板状部81は、第3方向D3に互いから離れた2つの固定具84によって、レールベース10に固定されている。
【0187】
図6に示す例において、配線保持部材82は、板状部81と接続する接続部820と、起動センサ配線451を保持する第1配線保持部821及び第2配線保持部822と、を含む板状の部材である。接続部820は、第3方向D3に延びている。第1配線保持部821及び第2配線保持部822は、第2方向D2に延びている。接続部820及び第1配線保持部821は、互いに接続されている。第1配線保持部821及び第2配線保持部822は、互いに接続されている。配線保持部材82は、樹脂製の部材を折り曲げることによって作製されてもよい。
【0188】
図6及び図15に示す例において、配線保持部材82は、取付具83としてのボルトによって、板状部81に取り付けられている。配線保持部材82は、接続部820において、板状部81とボルト頭部との間に位置している。接続部820は、第1配線保持部821と接続する端部とは反対の端部において、支持壁部12の溝12gに収容されている。配線保持部材82の取付具83が通過する部分には、切欠が形成されてもよい。配線保持部材82の取付具83が通過する部分には、貫通穴が形成されてもよい。
【0189】
図6に示す例において、第1配線保持部821及び第2配線保持部822は、レールベース10とフロントカバー21との間を第2方向D2に延びている。第1配線保持部821は、第2配線保持部822よりもレールベース10に近づいている。第2配線保持部822は、第1配線保持部821よりもフロントカバー21に近づいている。第2配線保持部822は、環状ベルト54の第1部分541と第3方向D3に対面する部分を含んでいる。第2配線保持部822は、環状ベルト54の第2部分542と第3方向D3に対面する部分を含んでいる。
【0190】
配線保持部材82は、第1配線保持部821及び第2配線保持部822において、下方から起動センサ配線451を支持する第1壁部82Aを含んでいる。第1壁部82Aは、起動センサ配線451の下方への移動を規制している。第1壁部82Aには、図6及び図15に示すように、上方から起動センサ配線451が接触してもよい。図示された例において、第1壁部82Aは、第1配線保持部821と第2配線保持部822とを継ぎ目無しで接続している。
【0191】
図6に示す例において、第1壁部82Aは、環状ベルト54の第1部分541と対面する部分を含んでいる。第1壁部82Aは、起動センサ配線451と第1部分541との間に位置している。この具体例によれば、第1壁部82Aは、環状ベルト54のたわみ等に起因して起動センサ配線451に向けて移動する第1部分541から、起動センサ配線451を保護できる。
【0192】
図6及び図15に示すように、配線保持部材82は、第2配線保持部822において、第1壁部82Aと対面する第2壁部82Bを含んでもよい。第2壁部82Bは、第1壁部82Aよりも上方に位置している。第1壁部82A及び第2壁部82Bは、接続壁部82Cによって互いに接続されている。接続壁部82Cは、第2方向D2に延びる軸線を中心に、湾曲している。
【0193】
図示された例において、第2壁部82Bは、環状ベルト54の第2部分542と対面する部分を含んでいる。第2壁部82Bは、起動センサ配線451と第2部分542との間に位置している。この具体例によれば、第2壁部82Bは、環状ベルト54のたわみ等に起因して起動センサ配線451に向けて移動する第2部分542から、起動センサ配線451を保護できる。
【0194】
第2配線保持部822は、第1配線保持部821よりも幅広の板状の部材を、長手方向に延びる軸線を中心に両端部において折り曲げることによって作製されてもよい。第2配線保持部822には、第1方向D1に隣り合う2つの第2壁部82Bが形成されてもよい。第1方向D1に隣り合う2つの第2壁部82Bの間には、隙間が形成されてもよい。
【0195】
図示された配線保持具80の作用について説明する。具体的には、自動ドア装置1に配線保持具80を設置する方法について説明する。
【0196】
まず、板状部81に配線保持部材82を取り付ける。配線保持部材82は、取付具83によって板状部81に取り付けられてもよい。板状部81には、レールベース10に固定する固定具84が、取付具83とともに取り付けられてもよい。図6及び図15に示す例において、取付具83及び固定具84は、ボルトである。取付具83及び固定具84は、ボルトに取り付けられたナットを含んでもよい。
【0197】
次に、板状部81を両端部において一対の溝12gに収容する。板状部81は、レールベース10の第1方向D1における端部から、一対の溝12gの間に挿入される。板状部81に取り付けられた配線保持部材82が、上述したように接続部820において溝12gに収容されてもよい。板状部81に取り付けられた配線保持部材82は、レールベース10とフロントカバー21との間を延びるようになる。
【0198】
次に、配線保持具80をレールベース10に対して移動させる。配線保持具80は、配線保持部材82によって起動センサ配線451を保持可能な位置まで移動する。配線保持具80は、板状部81の両端部を一対の溝12gに収容された状態で、一対の溝12gに沿って第1方向D1に移動してもよい。板状部81を第1方向D1に移動させることによって、板状部81に取り付けられた配線保持部材82も、一対の溝12gに沿って移動する。配線保持部材82は、起動センサ配線451を保持可能となる位置まで移動できる。
【0199】
配線保持具80は、配線保持部材82によって起動センサ配線451を保持可能な位置において、レールベース10に固定されてもよい。配線保持具80は、固定具84を用いて板状部81をレールベース10に固定することによって、レールベース10に固定されてもよい。図6及び図15に示す例において、固定具84は、ボルトである。板状部81は、板状部81に取り付けられたボルトを締めてゆき、ボルトを先端部において支持壁部12と接触させることによって、レールベース10に固定されてもよい。板状部81は、溝12gを構成する第2突出部124に押し付けられることによって、レールベース10に固定されてもよい。
【0200】
次に、起動センサ配線451を配置する。起動センサ配線451は、配線保持部材82の第1壁部82A上に位置するように配置される。起動センサ配線451は、上方から第1壁部82Aに配置されてもよい。あるいは、配線保持部材82の一方の端部に配置された起動センサ配線451を、配線保持部材82の他方の端部に向けて引き延ばしてもよい。起動センサ配線451は、第2配線保持部822において第1壁部82Aと第2壁部82Bとの間に配置されてもよい。第1壁部82A上に起動センサ配線451が配置された状態において、配線保持部材82は、下方から起動センサ配線451を支持することによって、起動センサ配線451を保持している。
【0201】
配線保持部材82は、上方から第1壁部82Aに配置されるとき、第2配線保持部822において一対の第2壁部82B間の隙間を通過してもよい。一対の第2壁部82Bは、一対の第2壁部82B間の隙間を起動センサ配線451が通過するとき、下方に弾性変形してもよい。
【0202】
第2配線保持部822において第1壁部82Aと第2壁部82Bとの間に配置された起動センサ配線451は、第1壁部82Aと第2壁部82Bとを連結する接続壁部82Cによって、第1方向D1への移動を規制されてもよい。
【0203】
以上のようにして、配線保持具80が自動ドア装置1に設置される。ところで、従来の自動ドア装置は、ドアを保持するドアハンガが走行するレールを有するレールベースと、レールの長手方向とは非平行な方向からレールベースを覆うフロントカバーに取り付けられた起動センサと、起動センサから延び出す起動センサ配線を保持する配線保持具と、を含んでいた。従来の自動ドア装置において、配線保持具は、起動センサ配線の配置に応じて、レールベースにねじ止めされていた。
【0204】
起動センサの交換等の種々の要因から、起動センサ配線の配置が変更されることがある。起動センサ配線の配置が変更された場合、配線保持具のレールベースへの取付位置を変更する必要が生じ得る。この場合、作業者は、配線保持具をレールベースにねじ止めしているねじを取り外し、さらに、取り外された配線保持具を変更された取付位置に再びねじ止めする必要がある。このような配線保持具を含む従来の自動ドア装置において、配線保持具の配置を変更することは、容易でない。
【0205】
これに対して、本実施の形態による自動ドア装置1は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15と、レール15と平行に延びる一対の溝12gを有する支持壁部12と、を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレールベース10を覆うフロントカバー21に取り付けられ自動ドア90周辺の人又は物を検出する起動センサ41と、起動センサ41に電気的に接続されてレールベース10とフロントカバー21との間に延びる起動センサ配線451を保持する配線保持具80と、含んでいる。配線保持具80は、一対の溝12gに沿って移動可能となるように一対の溝12gに端部を収容された板状部81と、板状部81に取り付けられ起動センサ配線451を保持する配線保持部材82と、を有している。
【0206】
この具体例によれば、レールベース10は、一対の溝12g内に板状部81の端部を収容することによって、配線保持具80を保持する。配線保持具80を自動ドア装置1に設置する作業者は、板状部81の両端部を一対の溝12g内に挿入することによって、配線保持具80を容易にレールベース10に取り付けることができる。また、配線保持具80は、板状部81を一対の溝12gに沿って移動させることにより、レール15の延びる方向における位置を容易に変更できる。これにより、配線保持具80の配置を容易に変更できる。したがって、この具体例によれば、配線保持具80を含む自動ドア装置1の施工性を改善できる。
【0207】
図6及び図15に示す自動ドア装置1は、駆動源51によって駆動される駆動プーリ52と、駆動プーリ52からレール15の長手方向に離れて位置する従動プーリ53と、駆動プーリ52及び従動プーリ53に巻き掛けられた環状ベルト54と、を含むドア駆動装置50を含んでいる。配線保持部材82は、環状ベルト54内を通過している。この具体例によれば、配線保持具80は、回転する駆動プーリ52及び従動プーリ53の間に起動センサ配線451を安定して保持できる。これにより、起動センサ配線451と、ドア駆動装置50の駆動する部材と、の干渉を効果的に抑制できる。
【0208】
以上に説明してきた一実施の形態において、ケース20は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15を覆うフロントカバー21と、レールベース10とフロントカバー21との間に形成されたレール15の収容空間Sをレール15の長手方向から覆うサイドカバー22と、を含んでいる。サイドカバー22は、第1位置P1に配置されたときにレールベース10に取付可能であり、第1位置P1からレール15の長手方向と平行な軸線を中心として180°回転した第2位置P2に配置したときにフロントカバー21に取付可能である。この具体例によれば、レールベース10に取り付けられるサイドカバー22を、フロントカバー21に取り付けられるサイドカバー22と同一にすることによって、ケース20の部品点数や施工工程の増加を抑制できる。
【0209】
また、以上に説明してきた一実施の形態において、金具60は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15に固定される。金具60は、第1規制部61Xを有し、ねじ65と噛み合うねじ穴61hが形成されている第1部材61と、ねじ65を用いて第1部材61に固定され、第1規制部61Xと接触する第2規制部62Xを有する第2部材62と、を含んでいる。第1規制部61X及び第2規制部62Xは、第2部材62がねじ65とともに回転することを規制する。この具体例によれば、ねじ65が第2部材62と接触しながら回転するとき、第2部材62がねじ65とともに第1部材61に対して回転することを抑制できる。したがって、金具60を取り付ける際に第1部材61が第2部材62に対してずれることによって、金具60の施工性が悪化することを抑制できる。
【0210】
さらに、以上に説明してきた一実施の形態において、自動ドア装置1は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15と、レール15に取り付けられ、ドアハンガ32に接触することによってドアハンガ32の移動範囲を規制するストッパ42と、ドアハンガ32に取り付けられる磁石71と、ストッパ42をレール15に取り付けるストッパ取付具43によってストッパ42に取り付けられて磁石71の接近によりドア31の開閉状態を検出するリードスイッチ72と、を有する磁気センサ70と、を含んでいる。この具体例によれば、リードスイッチ72をレールベースに取り付ける取付具を、ストッパ42をレールベース10に取り付けるストッパ取付具43と同一にすることによって、磁気センサ70の部品点数や施工工程の増加を抑制できる。
【0211】
別の観点から、以上に説明してきた一実施の形態において、レールベース10は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15と、レール15の長手方向に直交する方向からレール15に対面する部分を含むベース板部121及びベース板部121とレール15とを連結するレール連結部122を有する支持壁部12と、を有するレールベース本体11と、レール連結部122から延び上がってレール連結部122上の空間を区画するようにレールベース本体11に取付可能であり、レールベース本体11に取り付けられた状態においてベース板部121に形成された貫通穴12hを通過してレールベース本体11を建物100に取り付けるレールベース取付具FMと対面する区画板13と、を含んでいる。この具体例によれば、区画板13を含まないレールベース本体11を、工具を用いて建物100に容易に取り付けることができる。建物100に取り付けられたレールベース本体11に区画板13を取り付けることによって、レール連結部122上の空間を区画できる。したがって、この具体例によれば、区画板13によってレール連結部122上の空間を区画しつつ、レールベース10の施工性を改善できる。
【0212】
さらに別の観点から、以上に説明してきた一実施の形態において、自動ドア装置1は、ドア31を保持するドアハンガ32が走行するレール15と、レール15と平行に延びる一対の溝12gを有する支持壁部12と、を有するレールベース10と、レール15の長手方向に直交する方向からレールベース10を覆うフロントカバー21に取り付けられ自動ドア90周辺の人又は物を検出する起動センサ41と、起動センサ41に電気的に接続されてレールベース10とフロントカバー21との間に延びる起動センサ配線451を保持する配線保持具80と、含んでいる。配線保持具80は、一対の溝12gに沿って移動可能となるように一対の溝12gに端部を収容された板状部81と、板状部81に取り付けられ起動センサ配線451を保持する配線保持部材82と、を有している。この具体例によれば、一対の溝12g内に端部を収容された板状部81を、配線保持部材82とともに移動させることによって、配線保持具80及び配線保持具80に保持された起動センサ配線451の配置を容易に変更できる。これにより、起動センサ配線451の配置に関わらず、自動ドア装置1の施工性を改善できる。
【0213】
具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0214】
上述した一実施の形態において、自動ドア装置1は、建物100に設置されていた。これに限られず、自動ドア装置は、鉄道車両、バス、船舶、航空機等の移動体に設置されてもよい。
【0215】
上述した金具60において、第1部材61の第1規制部61Xは、幅方向における中央部分に凸部Cを有していた。第2部材62の第2規制部62Xは、幅方向における中央部分に受け部Rを有していた。しかしながら、第1規制部61X及び第2規制部62Xの構成は、これに限られない。第1規制部61Xは、図16に示すように、幅方向における両端部において下方に突出する一対の凸部C’を有してもよい。一対の凸部C’は、それぞれ、第2部材62の幅方向(図16における第1方向D1)における外方に位置している。第2部材62は、第1部材61に形成された一対のC’のいずれか一方に、第3方向D3に延びる軸線を中心とした回転方向から接触することによって、第1部材61に対する回転を規制されてもよい。第2規制部62Xは、図16に示すように、受け部Rを有さなくてもよい。第2部材62全体が第2規制部62Xを構成してもよい。
【0216】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0217】
1:自動ドア装置、10:レールベース、11:レールベース本体、12:支持壁部、121:ベース板部、122:レール連結部、12g:溝、12h:貫通穴、13:区画板、FM:レールベース取付具、15:レール、20:ケース、21:フロントカバー、S:収容空間、22:サイドカバー、22h:貫通穴、23:サイドカバー取付具、BH1:第1ビスホール、BH2:第2ビスホール、R’:受け部、P1:第1位置、P2:第2位置、30:ドア装置、31:ドア、32:ドアハンガ、40:ドア操作装置、41:起動センサ、42:ストッパ、43:ストッパ取付具、45:配線、451:起動センサ配線、50:ドア駆動装置、51:駆動源、52:駆動プーリ、53:従動プーリ、54:環状ベルト、541:第1部分、542:第2部分、60:金具、61:第1部材、61X:第1規制部、C:凸部、610:ベース部、611:第1端部、612:第2端部、62:第2部材、62X:第2規制部、R:受け部、620:ベース部、621:端部、70:磁気センサ、71:磁石、72:リードスイッチ、80:配線保持具、81:板状部、82:配線保持部材、82A:第1壁部、82B:第2壁部、820:接続部、821:第1配線保持部、822:第2配線保持部、90:自動ドア、100:建物、101:出入口、102:サッシ
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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