IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社北電子の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110281
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
A63F5/04 611A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014796
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千田 悟史
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CE18
2C518AA01
2C518AA02
2C518AD06
2C518AD08
2C518CA08
2C518EA05
2C518EB01
2C518EB04
2C518EB16
(57)【要約】
【課題】稼働の低下を防止する。
【解決手段】所定条件が成立した場合、有利区間に制御可能な第1制御手段と、前記有利区間におけるモードとして、第1モード(通常モード)と、当該第1モードよりも遊技が不利に進行する第2モード(ミミズモード)と、を含む複数のモードから何れかのモードを決定可能なモード決定手段と、前記モード決定手段により決定されたモードに基づいて、遊技を進行させることが可能な第2制御手段と、前記モード決定手段によって前記第2モードが決定された場合、前記第2モードに関する特定情報を報知可能な報知手段(ミミズモード報知)と、を備える構成としている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件が成立した場合、有利区間に制御可能な第1制御手段と、
前記有利区間におけるモードとして、第1モードと、当該第1モードよりも遊技が不利に進行する第2モードと、を含む複数のモードから何れかのモードを決定可能なモード決定手段と、
前記モード決定手段により決定されたモードに基づいて、遊技を進行させることが可能な第2制御手段と、
前記モード決定手段によって前記第2モードが決定された場合、前記第2モードに関する特定情報を報知可能な報知手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記報知手段は、
前記モード決定手段によって前記第2モードが決定された後に、所定の報知条件が成立した場合、前記特定情報を報知可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記報知手段は、
前記特定情報の報知中に、所定の終了条件が成立した場合、前記特定情報の報知を終了させることが可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記所定の報知条件は、
電源がオフされた後に電源がオンされた場合に成立可能な条件である
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定の終了条件は、
前記特定情報の報知期間が特定期間経過した場合に成立可能な条件である
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項6】
前記報知手段による前記特定情報の報知を規制可能な規制手段を備え、
前記報知手段は、
前記規制手段により前記特定情報の報知が規制されている場合、前記特定情報の報知を実行しない
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項7】
前記第2モードは、
前記有利区間が終了するまで継続するモードである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
有利区間移行時にモード(スコアモード)を決定し、当該モードに基づいて遊技を進行させる遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-037777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、所定条件が成立した場合、有利区間に制御可能な第1制御手段と、前記有利区間におけるモードとして、第1モードと、当該第1モードよりも遊技が不利に進行する第2モードと、を含む複数のモードから何れかのモードを決定可能なモード決定手段と、前記モード決定手段により決定されたモードに基づいて、遊技を進行させることが可能な第2制御手段と、前記モード決定手段によって前記第2モードが決定された場合、前記第2モードに関する特定情報を報知可能な報知手段と、を備えることを特徴とする構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
図3】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図4】配当表を示す図表である。
図5】内部抽選テーブル(ボーナス持越し中)を示す図表である。
図6】RT状態の状態遷移図である。
図7】遊技状態の状態遷移図である。
図8】有利区間モードテーブル(ボーナス非持越し中)を示す図表である。
図9】有利区間モードテーブル(ボーナス持越し中)を示す図表である。
図10】遊技モードテーブル(通常モード)を示す図表である。
図11】遊技モードテーブル(ミミズモード)を示す図表である。
図12】遊技モード別天井ゲーム数を示す図表である。
図13】有利区間における有利区間モード及び遊技モードを示す図である。
図14】CZ抽選テーブル(弱レア役当選時)を示す図表である。
図15】CZ抽選テーブル(強レア役当選時)を示す図表である。
図16】AT抽選テーブル(押順ベル入賞時)を示す図表である。
図17】AT抽選テーブル(レア役当選時)を示す図表である。
図18】AT抽選テーブル(CZ終了時)を示す図表である。
図19】疑似ボーナス抽選テーブル(弱レア役当選時)を示す図表である。
図20】疑似ボーナス抽選テーブル(強レア役当選時)示す図表である。
図21】ATストック抽選テーブル(リプレイ、レア役当選時)を示す図表である。
図22】ミミズグラフの一例である。
図23】ミミズモード報知の説明図である。(a)→(b)→(c)は、有利区間移行後1G消化後に電源OFF→ONした場合における通常モードの画面遷移を示す図であり、(a)→(b)→(d)は有利区間移行後1G消化後に電源OFF→ONした場合におけるミミズモードの画面遷移を示す図である。
図24】ミミズモード報知開放の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図面を参照して説明する。
まず、スロットマシン1の全体構成について説明する。
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、遊技場等に設置されるものである。
図1図3に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、筐体1b、メダル投入口2、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、演出ボタン2c、スタートレバー3、ドラムユニット4、リール41、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、ホッパー7a、メダル払出口7b、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、電源装置14、確率設定装置15、主制御部10、副制御部20等を備える。
【0008】
なお、主制御部10及び副制御部20は、各々に記憶部(記憶手段)、制御部(制御手段)が備えられた各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
各記憶部は、遊技に関する制御プログラムや各種抽選テーブル等を記憶するROMと、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM等を備える。
各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種制御プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本実施形態の各種機能を実現している。
【0009】
スロットマシン1は、通常のスロットマシンと同様に、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
また、表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2、ゲームの開始に際して遊技者の押圧操作によりベット数を設定するベットボタン2a、遊技者の操作により表示器8で表示されている演出等に変化を与えるための演出ボタン2cを備えている。
また、段部の前面には、遊技者が遊技を開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール41を停止する際に押圧操作する停止ボタン5を備えている。
【0010】
また、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序を報知可能なナビランプ12(ナビランプ12a、12b、12c)が各リール41a、41b、41cに対応して配設される。なお、ナビランプ12は、例えば、停止ボタン5の操作順序を表示する押し順表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
表示窓6の下方には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間中に点灯するように制御される。なお、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグの「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよく、有利区間ランプ13に代えて後述するATステージ中に点灯するAT状態ランプを設けるようにしてもよい。
【0011】
前扉1aの上部には、報知手段及び表示手段として動作する表示器8を備えている。
表示器8は、例えば、複数の情報を表示可能な液晶表示器から構成されており、画像による各種演出、遊技における各種情報の表示等を行う。
なお、表示器8は、図1に示すように、1つ設ける構成としているが、これに限らず、複数設けてもよい。例えば、2つの表示器(主表示器と副表示器)を設け、2つ並んだ状態で配置することで、主表示器と副表示器とを合わせて一つの表示部のように機能させてもよい。また、副表示器を主表示器よりもリール41に近い位置に配設し、リール41の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を容易に視認可能に設けてもよい。
また、スロットマシン1の下方に配置される大型の表示部である下パネル表示器に表示器を設けてもよい。
【0012】
表示器8の上方には、音による演出や報知を行い、報知手段として動作するスピーカ9、各役の入賞時の発光や表示器8で表示される演出に対応する光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0013】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10を備えており、前扉1aの上部には、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cが、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
【0014】
図4に示すリール41a~41cは、停止ボタン5への停止操作を受け付けた場合に、変動表示している図柄(識別情報)を停止表示可能な変動表示手段の一例であり、リール41a~41cの周面には、複数(例えば、20個)の図柄として、例えば、「リプレイ」、「ベル」、「BAR」、「チェリー」、「7」等が表されている。
なお、リール41a~41cの形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7、メダルを貯留するホッパー7aを備えており、メダル払出装置7から払い出されたメダルは、メダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
【0015】
筐体1bの下部には、電源装置14を備えている。
電源装置14は、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための装置であり、スロットマシン1の外部から入力される電源の電圧又は周波数を監視し、それらの電圧又は周波数が所定値以下に低下したことにより、スロットマシン1への電力供給が停止されたことを示す電断信号を主制御部10及び副制御部20に出力する。
さらに、電源装置14は、電源復帰により、所定値を超える電圧又は周波数を示す電力の供給を検出すると、スロットマシン1への電力供給が開始されたことを示す電源復帰信号を、主制御部10及び副制御部20に出力する。
【0016】
図3は、スロットマシン1の制御系の構成を示している。なお、図1及び図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付している。
主制御部10は、役の抽選や遊技の進行制御等を行い、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う。
主制御部10と副制御部20との制御情報の伝達は、主制御部10から副制御部20に対して一方向のみに制限され、副制御部20から主制御部10への不正な信号の入力を防止している。
主制御部10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利区間ランプ13、確率設定装置15及び副制御部20と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。
【0017】
確率設定装置15は、有利区間当選時に参照されるパターン抽選の当選確率等を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能であり、主制御部10は、確率設定装置15における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいて特典が付与される確率等を制御する。
確率設定装置15で設定される設定値(第1設定値、第2設定値)は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0018】
なお、確率設定装置15における設定値により、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、ATステージ)への移行確率を直接変化、あるいは間接的に変化させることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化させることができる。
また、遊技状態の他に、所定の小役(例えば、リプレイ役やベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
また、設定値を6段階に設定可能としたが、これに限らず、例えば、4段階(設定値1、2、5、6)や3段階(設定1、設定3、設定6)としてもよく、固定の確率値としてもよい。
【0019】
主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づいて遊技の開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数値をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数値に基づき内部抽選処理を行う。また、主制御部10は、記憶部に記憶された制御プログラム等を適宜読み出して実行することにより、後述する実施形態の各種機能を実現している。
すなわち、主制御部10は、遊技の実行に対応して、変動表示手段(リール41)に停止表示される識別情報に関連する役(当選役)の抽選を実行する抽選手段等を備えている。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきATステージ等の移行抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0020】
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール41の回転制御を行う。主制御部10は、各リール41a~41cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール41a~41cの回転位置を検出して、各リール41a~41c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0021】
また、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン5a~5cの操作、遊技状態の移行など)で、所定の信号やコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
例えば、主制御部10は、スタートレバー3が操作された場合には、スタートレバー操作があったことを示す信号を副制御部20に出力し、各停止ボタン5a~5cが操作された場合には、どの停止ボタン5がどの順番で操作されたのかを識別可能な信号を出力し、停止ボタン5の操作により各リール41a~41cが停止された場合には、どのリール41がどの順番で停止したのか、上段・中段・下段の図柄などを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
そのため、副制御部20は、遊技者による停止ボタン5a~5cの操作態様に応じた図柄の停止態様を認識することができる。
また、主制御部10は、遊技状態が移行する場合には、どの遊技状態に移行したのかを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
【0022】
また、主制御部10は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。
主制御部10は、電断信号を入力すると、その入力時における遊技情報を記憶(退避)する電源断処理を実行する。この遊技情報には、例えば、そのときの遊技状態、当選役、リール41の停止態様、ベット数等の情報が含まれている。
また、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、記憶(退避)した遊技情報を読み出して遊技を再開する電源復帰処理を実行する。すなわち、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、読み出した遊技情報に基づいて電源断直前の状態に復帰させる。
また、主制御部10は、電源復帰処理において、遊技情報を副制御部20に送信する。これにより、副制御部20では、電源断直前の遊技状態に基づいて演出を再開することができる。
【0023】
副制御部20は、演出ボタン2c、スピーカ9、表示器8、ランプ11、ナビランプ12と通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御部20は、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、これらの装置を制御する。
【0024】
副制御部20は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶部に記憶する。
副制御部20は、演出制御手段として動作することにより、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0025】
また、副制御部20は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。副制御部20は、電断信号を入力すると、その入力時に実行中の演出内容を特定する演出情報を記憶(退避)する。この演出情報には、例えば、表示器8において表示されている各種情報等が含まれている。
また、副制御部20は、電源復帰信号を入力すると、主制御部10から受信した遊技情報を記憶(退避)した演出情報に基づいて、演出を再開する。
【0026】
このようなスロットマシン1は、主制御部10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技が実行可能である。
遊技の開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押圧操作して設定する方法とがある。
【0027】
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2bによって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数(ただし、メダル3枚に対応する3ベットが上限)が設定されることになる。3ベットを超えるメダルが投入された場合には、クレジットメダルとして内部的にデータとして記憶保持される。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」又は「4」以上でもよい。
【0028】
ベットボタン2aが押圧操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、1回の遊技に使用するメダル枚数として所定数(例えば、3枚)のメダル枚数が減算され、減算された分が3ベットとして設定される。
なお、ベットボタンとして、2枚に対応するメダル枚数を設定する2ベットボタンを設けることで、2ベットボタンを1回押すことで2ベットを設定してもよい。
また、ベットボタンとして、1枚に対応するメダル枚数を設定する1ベットボタンを設けることで、1ベットボタンを2回押すことで2ベットを設定してもよく、1ベットボタンを3回押すことで3ベットを設定してもよい。
本実施形態のスロットマシン1は、1回の遊技を実行可能なベット数は「3」に設定されているが、「1」、「2」又は「4」以上に設定してもよい。
また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0029】
このように、メダル投入口2からの直接投入や、各ベットボタンの押圧操作により設定されたベット数は、主制御部10の記憶部に記憶され、1回の遊技を実行可能なベット数になったときに、ゲーム開始可能な状態となる。
ゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となり、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、リール41が変動を開始するとともに、今回ゲームの抽選結果を決定する内部抽選処理が実行される。内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回遊技の当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
リール41は、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0030】
停止ボタン5a~5cは、遊技者によるリール41の停止操作を受付可能な操作手段の一例であり、押圧操作可能な状態において押圧操作されると、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a~41cが停止制御される。
各リール41a~41cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン(以下、入賞ラインともいう)上に停止可能となる。
【0031】
そして、第3リール停止操作後に、遊技の結果として入賞ライン上に停止(以下、「停止表示」ともいう)した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定され、図柄の組合せに応じた遊技価値(例えば、メダル)が付与される。
なお、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作をされたリールをいう。また、第3リール停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいう。
【0032】
本実施形態では、入賞の判定は、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりの計5ラインのうち、中段のラインのみを有効ラインとして、中段のライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定されるようになっている。
なお、入賞を判定する入賞ラインの本数は、1ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更することができる。
以上のように、スロットマシン遊技が実行される。
【0033】
(当選役と対応する図柄の組合せ)
次に、各当選役と各当選役に対応する図柄の組合せについて、図4の配当表を参照しながら説明する。
当選役は、例えば、リプレイ役、小役、ボーナス役等を有する。
【0034】
リプレイ役(通常リプレイ役)は、押し順に関係なく、入賞ライン上に、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄の組合せが停止可能である。
小役には、例えば、共通1枚役、チェリー役、スイカ役、チャンス目役、ベル役、ハズレ役等がある。
【0035】
共通1枚役は、中リール41bに対し、スイカ図柄の引き込み範囲内で停止操作することで入賞ライン上に「ベル・スイカ・ベル」の図柄の組合せが停止可能である。
なお、共通1枚役において、中リール41bに対し、スイカ図柄の引き込み範囲外で停止操作が行われた場合、上記図柄の組合せを停止表示せず、他の図柄の組合せ(1枚役こぼし目)を停止表示してもよく、この場合、メダルを付与しないようにできる。
弱チェリー役は、入賞ライン上に「チェリー・チェリー・リプレイ」の図柄の組合せが停止可能であり、左リール41aの下段にチェリー図柄が停止する。
強チェリー役は、入賞ライン上に「チェリー・チェリー・チェリー」の図柄の組合せが停止可能であり、左リール41aの中段にチェリー図柄が停止する。
【0036】
チェリー役には、弱チェリー役と強チェリー役がある。
なお、以下の説明において、チェリー役、スイカ役、チャンス目役を、纏めて「レア役」ともいう。
このうち、弱チェリー役及びスイカ役を「弱レア役」といい、強チェリー役及びチャンス目役を「強レア役」という。
【0037】
スイカ役は、入賞ライン上に「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄の組合せが停止可能である。
チャンス目役は、入賞ライン上に「リプレイ・ベル・リプレイ」の図柄の組合せが停止可能である。
【0038】
ベル役には、押順ベル役が設けられている。
押順ベル役は、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール41a・中リール41b・右リール41c」の順(以下同様)にそれぞれ「ベル・ベル・ベル」とする。
押順ベル役には、6通りある押し順のうちの1通りの押し順(正解押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押順ベル役1~6が設けられている。
押順ベル1の正解押し順は左→中→右であり、押順ベル役2の正解押し順は左→右→中であり、押順ベル3の正解押し順は中→左→右であり、押順ベル4の正解押し順は中→右→左であり、押順ベル役5の正解押し順は右→左→中であり、押順ベル6の正解押し順は右→中→左である。
なお、6択の押順ベル役1~6において、不正解押し順によって停止ボタン5a~5cが操作された場合、対応する図柄の組合せを停止表示せず、他の図柄の組合せ(押し順ベルこぼし目)を停止表示するようにしてもよい。
また、不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合、押し順ベルこぼし目を停止表示し、1枚のメダルを付与するようにしてもよい。
一方、不正解押し順で停止ボタン5a~5cを操作できなかった場合、ハズレ目を停止表示して、メダルを付与しないようにもできる。
押順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行うようにしてもよい。また、押順ベル役は、6通りに限らず、3通りの押順ベル役1~3を設けてもよい。
以下の説明において、押順ベル役1~6を纏めて、単に、押順ベル役ともいう。
【0039】
本実施形態に係るスロットマシン1は、押順ベル役1~6に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。
ATは、内部抽選処理によって押順ベル役1~6に当選すると、副制御部20が表示器8等を制御することにより、停止ボタン5に対する押し順や目押しの目安となる図柄等を報知する状態である。
すなわち、主制御部10及び副制御部20は、遊技の結果として押順ベル役の図柄の組合せ(ベル・ベル・ベル)を導出するための停止操作に関する情報を報知するための制御を実行する。
したがって、AT中は、非AT中に比べて出玉スピードが速くなる。本実施形態では、後述するCZステージ、疑似ボーナスステージ、ATステージの遊技状態がATで制御される。
【0040】
例えば、押し順の報知は、押順ベル役1に当選した場合には、「1」、「2」、「3」の文字情報からなる押し順を、左から順に表示器8に表示し、「左」、「中」、「右」の音声をスピーカ9から出力し、ナビランプ12を、12a(左)、12b(中)、12c(右)の順で点灯することにより、停止ボタン5の押し順を報知する。
なお、本実施形態では、表示器8、ナビランプ12、スピーカ9等の報知手段によって押し順がナビゲートされることを「押し順ナビ」ともいう。
非AT状態では、内部抽選処理の当選結果が押順ベル役1~6であっても、停止ボタン5の押し順が報知されない。このため、遊技者は、操作した停止ボタン5の操作順序が、偶然に当選した押順ベル役1~6に対応する押し順と一致しない限り、基本的に、当選した押順ベル役1~6に対応する図柄の組合せを、停止表示させることができない。
このため、スロットマシン1の遊技性は、遊技者がAT状態に長期間滞在するような遊技を行うことにより、出玉を増やすといったものになる。
【0041】
ボーナス役は、対応する図柄の組み合わせとして、入賞ライン上に所定図柄(例えば、7)が一直線に揃う。
ボーナス役は、当選した遊技及び当該遊技以降の遊技においても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能である。このため、対応する図柄の組合せが停止することでボーナス役が入賞するまでの期間は、ボーナス当選の成立状態が維持される(この状態を「ボーナス持越し状態」という)。
一方、ボーナス役に当選し、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示する(入賞する)と、ボーナス状態に移行し、当該ボーナス状態の終了後にボーナス役の当選の権利を持ち越していない非持越し状態となる。
【0042】
ボーナス役は、ボーナス非持越し中は、共通一枚役と100%重複して当選し、ボーナス当選中は、共通一枚役のみ当選する。
なお、ボーナス役を、共通1枚役などの小役と重複当選せず、単独で当選するようにしてもよい。
【0043】
ボーナス役が共通1枚役と重複して当選した場合は、主制御部10は、共通1枚役に対応する図柄の組合せを優先的に停止表示させるリール制御を行い、ボーナス役に対応する図柄の組合せは低い優先順位でリール制御を行う。
したがって、ボーナス役が重複して当選した遊技において、基本的にはボーナス役に対応する図柄の組合せは停止させることはできず、共通1枚役に対応する図柄の組合せが停止することとなり、ボーナス持越し状態が以降の遊技においても継続することとなる。
【0044】
以上のような図柄の組合せに基づいて、リプレイ役、小役、ボーナス役の入賞の有無がそれぞれ判定される。判定の結果、入賞と判定した場合には、遊技価値が付与される(メダルが払い出される)。
本実施形態のスロットマシン1は3ベットにて1ゲームを実行可能であり、各当選役の停止図柄毎の配当は図4に示す通りである。
例えば、ベル役(押順ベル役)において、押順ベル1~2に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、3枚のメダルが払い出され、押順ベル3~6に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、10枚のメダルが払い出される。
また、スイカ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、6枚のメダルが払い出され、弱チェリー役、強チェリー役、チャンス目役及び共通1枚役の各当選役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、1枚のメダルが払い出される。
また、リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、次ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、再遊技が可能な状態となる。
また、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、メダルの払い出しはされない。
なお、ボーナスを2種類以上設けてもよく、シングルボーナスを設けてもよい。
【0045】
各当選役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記の枚数以外でもよい。例えば、押順ベルの払い出し枚数を1枚、2枚、4~9枚、又は、10枚以上の枚数にしてもよい。
また、各当選役に対応する図柄の組合せは、上記以外でもよく、適宜設定することができる。
また、本実施形態では、ベット数に関わらずメダルの払い出し数を同数に想定しているが、ベット数に応じてメダルの払い出し数を異ならせてもよい。
【0046】
(各当選役の当選確率)
次に、図5を参照して、各当選役の当選確率について説明する。
図5は、ボーナス持越し中において、各当選役の抽選に用いられる「内部抽選テーブル」を示している。
内部抽選テーブルは、主制御部10による内部抽選処理において取得する乱数値の取得範囲(個数)を65536個とし、そのうちの当たり値(当選)の個数を各々示している。
また、図5に示す内部抽選テーブルは、ボーナス持越し中における各当選役の当選確率を示しており、確率設定装置15により設定された設定値が設定1~6において、全設定値共通の場合を示している。
各当選役に当選した以外の乱数値が抽出された場合は、抽選結果がハズレ役となるように設定されている。
例えば、図5に示すように、ボーナス持越し中の弱チェリー役の当選確率は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり、設定6が最も高い確率値となっている。
【0047】
なお、各当選役の当選確率の関係性は、図5に示すもの以外でもよい。
また、当選確率は、全設定値共通の場合を想定しているが、これに限らず、設定値に応じて当選確率が変動する当選役と、設定値に応じて当選確率が変動しない当選役を設けてもよい。
例えば、一部のレア役のみ高設定である程、当選確率が高くなるように設定してもよく、又は、低設定である程、レア役の当選確率が高くなるようにしてもよい。
また、レア役以外の当選役についても、高設定である程、当選確率が高くなるように設定してもよく、又は、低くなるように設定してもよい。つまり、一又は複数の役で設定差を設けてもよい。
また、押順ベルは、6択に限らず、3択や12択でもよい。
押順ベルについては、払い出し数の同一な押順ベルと併存して当選するようにしてもよい。
なお、ボーナス非持越し中(ボーナス非当選状態)における各当選役の当選確率は、ボーナス持越し中と同様の当選確率で構成され、ボーナス中における各当選役の当選確率は、ボーナス持越し中と一部を除きほぼ同様の当選確率で構成される。
このため、ボーナス非持越し中及びボーナス中において用いられる内部抽選テーブルの詳細な説明は省略する。
【0048】
(通常区間、有利区間)
本実施形態に係る主制御部10は、遊技区間として通常区間(非有利区間)及び有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押順ベル役に係る押し順ナビが実行されることのない遊技区間(非有利区間)であり、有利区間終了条件が成立することで開始し、有利区間移行条件が成立することで終了する。
本実施形態における有利区間移行条件の成立としては、内部抽選処理において有利区間移行契機役として「共通1枚役以外の役」に当選することであり、当選ゲームの第3リール停止操作後に、通常区間から有利区間に移行する。
また、主制御部10の初期状態(リセット時)には通常区間に制御され、通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0049】
なお、有利区間移行条件の成立を、共通1枚役以外の役に当選した場合としているが、これに限らず、例えば、所定の当選役に対応する図柄の組合せの停止表示又は所定の当選役に対応しない図柄の組合せの停止表示(例えば、ハズレ目)等によって、移行するようにしてもよい。
また、遊技者に有利な遊技状態へ移行したことを条件に有利区間に移行させ、有利な遊技状態が連続した場合には有利区間を継続させるようにしてもよい。
【0050】
有利区間は、押順ベル役に係る押し順ナビが実行可能な遊技区間であり、押し順ナビが実行されることで通常区間と比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、有利区間の終了条件が成立することで終了される。
有利区間の終了条件としては、例えば、スロットマシン1(主制御部10)がリセット(設定変更時も含む)された場合、有利区間が終了して通常区間に移行する。
また、有利区間の終了条件としては、所定の遊技状態(例えば、ATステージ、ボーナス等)が終了したことであり、最終ゲームの第3リール停止操作後に有利区間が終了して通常区間に移行する。
【0051】
有利区間の終了条件として、有利区間リミッタに到達した場合にも、有利区間が終了して通常区間に移行する。
有利区間リミッタとは、「1回の有利区間中の獲得枚数(差枚数(投入されたメダル数-払い出されたメダル数))が、上限枚数(例えば、2400枚)に到達したこと」という条件を満たすことである。
なお、上限枚数の条件を「1回の有利区間中の獲得枚数(純増枚数(所謂MY))が、上限枚数(例えば、2400枚)に到達したこと」としてもよい。
また、有利区間リミッタに、上限ゲーム数を設けてもよい。つまり、有利区間中に実行したゲーム回数の計数値がリミッタ値(4000ゲーム)に到達した場合にも、有利区間を終了して通常区間に移行するようにしてもよい。
また、有利区間リミッタに、上限ゲーム数を設けなくてもよい。
【0052】
上記の有利区間の終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押順ベルの報知がされたこと」、「ボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示されたこと」等を含めてもよい。
また、有利区間中に所定の当選役(通常区間移行役)に当選したことを契機に、有利区間を終了し、通常区間に移行するようにしてもよい。
【0053】
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯可能な状態に制御される。
なお、これに限らず、有利区間ランプ13は、有利区間に移行後、メダル数が増加する遊技者にとって有利な遊技状態となった時点で、点灯を開始してもよい。
また、有利区間へ移行した場合でも有利区間ランプ13を点灯させないようにしてもよいし、有利区間へ移行した場合でもAT状態に移行した場合にのみ点灯させるようにしてもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよいが、代わりに主制御部10で制御されるAT状態ランプを設けて、AT状態中にAT状態ランプを点灯させることが好ましい。
【0054】
(RT状態)
図6に示すRT状態の状態遷移図を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1が有するRT状態(以下、単にRTともいう)について説明する。
同図に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、RT状態として、RT0、RT1、RT2を有している。なお、本実施形態のRT状態は、3つであるが、2つ以下又は3つ以上であってもよい。
【0055】
RT0は、スロットマシン1のシステムリセット、設定値の変更(同じ設定値を設定し直した場合(設定値の打ち直し)も含む)及びRT2の終了を契機として突入する(図6のc)。
また、RT0は、ボーナスの当選を契機として終了し、RT1に移行する(図6の矢印a)。RT0では、ボーナス非持越し状態で遊技が進行される。
このように、RT0は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
【0056】
RT1は、ボーナスに対応した図柄の組合せが停止表示する(ボーナスに入賞する)ことで終了し、RT2に移行する(図6の矢印b)。
すなわち、RT1は、ボーナスに当選してからボーナスが入賞するまで継続するようになっており、RT1では、ボーナス持越し状態で遊技が進行される。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス役が入賞しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT2は、ボーナス状態であり、メダルの払い出し数が所定数に達すると終了し、RT0に移行する(図6のc)。
【0057】
本実施形態に係るスロットマシン1は、このような構成に加えて、以下に示すような遊技状態と、この遊技状態に基づく特徴的なゲーム性を備えている。
各遊技状態は、主制御部10が制御手段として動作することにより、それぞれの状態等に制御(以下、移行ともいう)される。
【0058】
(各遊技状態(ステージ)の遷移)
次に、図7を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1の各遊技状態と、各遊技状態の遷移及び各遊技状態に基づくゲーム性について説明する。
図7は、遊技状態の状態遷移図である。
なお、主制御部10は、通常区間及び有利区間の移行制御と、RTの移行制御と、各遊技状態(ステージ)間の移行制御とを、独立して行うことができる。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行タイミングは、基本的に、移行条件が成立した遊技の第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。なお、これに限定されず、移行条件の成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0059】
図7に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常ステージ、CZステージ、疑似ボーナスステージ、ATステージを含む複数の遊技状態(ステージ)において実行される。なお、以下、各ステージの名称において「ステージ」を省略することもある。
主制御部10は、制御手段として、これら複数の遊技状態のうち、何かの遊技状態に制御を行う。
通常ステージは、非ATに制御される。そのため、通常ステージに長期間滞在する程、遊技者のメダルが増加しにくい期間が長くなり、遊技者にとって不利になる。一方、通常ステージ以外は、ATに制御される。そのため、遊技者は、通常ステージからCZステージに移行したり、当該CZステージを介して疑似ボーナスステージやATステージに移行することを目指して遊技を行うことになる。
なお、通常ステージ以外の一部のステージを非ATにしてもよい。
【0060】
図7に示すように、通常ステージにおいてCZ抽選に当選するとCZステージに移行する(図7の矢印a)。
CZステージは、10ゲームで構成されるステージである。
CZステージは、ATに制御され、内部抽選処理で押順ベルに当選した場合、1/4の確率で押順ナビが実行される(1/4AT)。
CZステージでは、所定条件が成立するとAT抽選が実行され、当該AT抽選に当選しない場合、CZステージの終了後に通常ステージに移行し(図7の矢印b)、当該AT抽選に当選した場合、疑似ボーナスステージに移行する(図7の矢印c)。
疑似ボーナスステージは、20Gで構成されるステージである。
疑似ボーナスステージは、ATに制御され、内部抽選処理で押順ベルに当選した場合、100%の確率で押順ナビが実行される(AT)。
疑似ボーナスステージは、前記20Gが消化されると終了し、その後、ATステージに移行する(図7の矢印d)。
ATステージは、32ゲームで構成されるステージである。
ATステージは、ATに制御され、内部抽選処理で押順ベルに当選した場合、1/2の確率で押順ナビが実行される(1/2AT)。
ATステージでは、所定条件が成立すると疑似ボーナス抽選が実行され、当該疑似ボーナス抽選に当選した場合、ATステージの終了後に疑似ボーナスステージに移行する(図7の矢印e)。
他方、疑似ボーナス抽選に当選しなかった場合、ATステージを終了して通常ステージに移行する(図7の矢印f)。詳細には、疑似ボーナスに当選しなかった場合、ATストックがあるときには、当該ATストックを消化した後、ATステージを終了し、他方、ATストックがないときには、そのままATステージを終了する。
各ステージにおける各種抽選の詳細は後述する。
【0061】
図8は、有利区間モードテーブル(ボーナス非持越し中)を示す図であり、図9は、有利区間モードテーブル(ボーナス持越し中)を示す図である。
これらは、有利区間移行時(有利区間移行役当選時)に参照するテーブルであり、当該テーブルを参照することで、有利区間中に滞在するモード(有利区間モード)を決定する抽選(有利区間モード抽選)を実行する。
有利区間モード抽選は、ボーナス非持越し中に有利区間に移行した場合は、遊技開始時(内部抽選処理実行後)に、図8に示すテーブルを参照して実行し、ボーナス持越し中に有利区間に移行した場合は、遊技開始時に、図9に示すテーブルを参照して実行する。つまり、ボーナス持越しの有無で参照するテーブルが異なる。
有利区間モード抽選により、有利区間中のモード(有利区間モード)が、「通常モード」か「ミミズモード」かが決定され、決定したモードは、有利区間が終了するまで継続される(変わらない)。
なお、「ミミズモード」は、要約すると、出玉(遊技玉数、持メダル)が徐々に減っていくモードのことである。詳細は後述する。
図8に示すように、ボーナス非持越し中に有利区間に移行した場合、偶数設定の方が奇数設定よりも高確度でミミズモードに当選するようになっており、特に、設定6の場合、1/2の確率でミミズモードに当選する。
図9に示すように、ボーナス持越し中に有利区間に移行した場合、ミミズモードには当選せず、100%通常モードに当選するようになっている。つまり、ボーナス持越し中はミミズモードに移行しない。
【0062】
図10は、遊技モードテーブル(通常モード)を示す図であり、図11は、遊技モードテーブル(ミミズモード)を示す図である。つまり、有利区間モードの種別(通常モードかミミズモード)で参照するテーブルが異なる。
これらは、有利区間移行時(有利区間移行役当選時)、AT終了時、又は、CZ終了時に参照するテーブルである。
具体的には、これらのテーブルを参照してAモード、Bモード、特殊モード、及び天国モードの中から1つの遊技モードを決定する抽選(遊技モード抽選)を実行する。
有利区間においては、「有利区間モード」とは別に管理される「遊技モード」を遊技モード抽選により決定する。
図10に示すように、通常モード中は、AモードやBモードは低設定ほど当選し易く、特殊モードや天国モードは高設定ほど当選し易くなっている。
図11に示すように、ミミズモード中は100%特殊モードに当選するようになっている。
【0063】
図12は、遊技モード別天井ゲーム数である。
遊技モード別天井ゲーム数は主制御部10の記憶部に予め記憶されている。
遊技モード別天井ゲーム数は、遊技モード別にCZに当選するまでのゲーム数(天井ゲーム数)である。
具体的には、有利区間開始後、CZ終了後又はAT終了後に、天井ゲーム数を消化した場合、CZに当選する。
具体的には、Aモードでは768ゲームを消化した場合にCZに当選し、Bモードでは512ゲームを消化した場合にCZに当選し、特殊モードでは256ゲームを消化した場合にCZに当選し、天国モードでは128ゲームを消化した場合にCZに当選する。
つまり、天井ゲーム数は、Aモード>Bモード>特殊モード>天国モードの関係性を有している。
【0064】
図13は、有利区間における有利区間モード及び遊技モードを示す図である。
同図に示すように、非有利区間において有利区間移行役に当選した場合、有利区間に移行するところ、当該有利区間は、通常モードとミミズモードのいずれかのモードに管理される。
通常モードは、AモードとBモードと特殊モードと天国モードという4つの遊技モードによって管理され、ミミズモードは、特殊モードのみによって管理される。
つまり、通常モードに移行した場合には、4つの遊技モードのすべてに移行する可能性がある一方、ミミズモードに移行した場合には、特殊モードにしか移行しないようになっている。
【0065】
図14は、CZ抽選において参照されるCZ抽選テーブル(弱レア役当選時)を示す図であり、図15は、CZ抽選において参照されるCZ抽選テーブル(強レア役当選時)を示す図である。
CZ抽選は、通常ステージ中にレア役が当選したゲームの遊技開始時(内部抽選処理実行後)に実行される。
図14に示すCZ抽選テーブルは、通常ステージ中に弱レア役が当選した場合に参照するテーブルであり、図15に示すCZ抽選テーブルは、通常ステージ中に強レア役が当選した場合に参照するテーブルである。
これらの図に示すように、CZ抽選は、CZ(当選)かハズレ(非当選)かを抽選するところ、当選役や滞在中の遊技モードによって当選確率が異なる。
具体的には、強レア役当選時の方が弱レア役当選時よりも当選確率が高く、天国モードの当選確率が最も高いが、特殊モードの当選確率は、弱レア役当選時は0/256で、強レア役当選時でも1/256という低い当選確率が設定されている。
CZ抽選に当選した場合、当該当選を契機にCZステージに移行する。
なお、このCZ抽選に当選しない場合でも、天井ゲーム数(図12)を消化した場合にはCZに当選(移行)する。
【0066】
図16は、AT抽選において参照されるAT抽選テーブル(押順ベル入賞時)を示す図であり、図17は、AT抽選において参照されるAT抽選テーブル(レア役当選時)を示す図である。
AT抽選は、CZステージ中に押順ベルやレア役に当選したゲームの遊技開始時(内部抽選処理実行後)に実行される。
図16に示すAT抽選テーブルは、CZステージ中に押順ベルに入賞した場合(押順ナビが実行された場合も含む)に参照するテーブルであり、図17に示すAT抽選テーブルは、CZステージ中にレア役に当選した場合に参照するテーブルである。
これらの図に示すように、AT抽選は、AT(当選)かハズレ(非当選)かを抽選するところ、当選役や滞在中の遊技モードによって当選確率が異なる。
具体的には、レア役当選時の方が押順ベル入賞時よりも当選確率が高く、天国モードの当選確率が最も高いが、特殊モードの当選確率は、弱レア役当選時は0/256で、強レア役当選時でも1/256という低い当選確率が設定されている。
AT抽選に当選した場合、ATステージへの移行権利が付与された状態で、疑似ボーナスステージ(AT)に移行し、当該疑似ボーナスの終了後にATステージに移行する。
【0067】
図18は、CZ終了時抽選において参照されるAT抽選テーブル(CZ終了時)を示す図である。
CZ終了時抽選は、CZステージの最終ゲーム(10ゲーム目)における第3リール停止操作後に実行されるAT抽選である。
図18に示すテーブルは、CZステージが最終ゲームに到達した時点で参照されるが、当該最終ゲームでAT抽選(図16,17に係るAT抽選)に当選していた場合は参照しない(CZ終了時抽選を実行しない)。
この図に示すように、CZ終了時抽選は、AT(当選)かハズレ(非当選)かを抽選するところ、滞在中の遊技モードによって当選確率が異なる。
具体的には、Aモード・Bモード<天国モード<特殊モードという関係で当選確率が設定されている。例えば、特殊モードの当選確率は224/256である。
CZ終了時抽選に当選した場合、その後(CZ終了後)、疑似ボーナスステージ(AT)に移行する。
【0068】
図19は、疑似ボーナス抽選において参照される疑似ボーナス抽選テーブル(弱レア役当選時)を示す図であり、図20は、疑似ボーナス抽選において参照される疑似ボーナス抽選テーブル(強レア役当選時)を示す図である。
疑似ボーナス抽選は、ATステージ中にレア役に当選したゲームの遊技開始時(内部抽選処理実行後)に実行される。
図19に示す疑似ボーナス抽選テーブルは、ATステージ中に弱レア役に当選した場合に参照するテーブルであり、図20に示す疑似ボーナス抽選テーブルは、ATステージ中に強レア役に当選した場合に参照するテーブルである。
これらの図に示すように、疑似ボーナス抽選は、疑似ボーナス(当選)かハズレ(非当選)かを抽選するところ、当選役や滞在中の遊技モードによって当選確率が異なる。
具体的には、強レア役当選時の方が弱レア役当選時よりも当選確率が高く、天国モードの当選確率が最も高いが、特殊モードの当選確率は、弱レア役当選時は0/256で、強レア役当選時でも1/256という低い当選確率が設定されている。
疑似ボーナス抽選に当選した場合、ATステージの終了後に疑似ボーナスステージ(AT)に移行する。
【0069】
図21は、ATストック抽選テーブル(リプレイ、レア役当選時)を示す図である。
図21に示すATストック抽選テーブルは、疑似ボーナスステージ中にリプレイ役及びレア役に当選した場合に参照するテーブルである。
この図に示すように、ATストック抽選は、ATストック(当選)かハズレ(非当選)かを抽選するところ、滞在中の遊技モードによってその当選確率を異ならせている。
具体的には、特殊モード<Aモード・Bモード<天国モードという大小関係で当選確率が設定されている。例えば、特殊モードの当選確率は0/256に設定されている。
ATストック抽選は、リプレイ役又はレア役に当選したゲームの遊技開始時(内部抽選処理実行後)に実行される。
ATストック抽選に当選した場合、当選するたびにATストック(32ゲームのATステージ)が付与される。
付与されたATストックは、ATステージの経過後(32ゲームの経過後)に消化される。
【0070】
このように、有利区間は、通常モードとミミズモードとにより管理されるところ、通常モードでは、AモードとBモードと特殊モードと天国モードという4つの遊技モードのいずれかに移行する可能性がある一方、ミミズモードに移行した場合には、特殊モードにしか移行しないようになっている(図10,11)。
特殊モードは、CZ終了時におけるAT抽選の当選確率は比較的高い(図18)ものの、CZ抽選の当選確率が低く(図14,15)、AT抽選の当選確率が低く(図16,17)、疑似ボーナス抽選の当選確率が低く(図19,20)、ATストック抽選の当選確率が低い(図21)ため、ミミズモード中は出玉が徐々に減っていくことになる。
このため、「ミミズモード」では、図22のミミズグラフに示すように、出玉が徐々に減り、出玉が伸びないようになっている。
【0071】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、有利区間移行役に当選した場合など所定条件が成立した場合、有利区間に制御可能な第1制御手段と、前記有利区間におけるモードとして、通常モード(第1モード)と、ミミズモード(当該第1モードよりも遊技が不利に進行する第2モード)と、を含む複数のモードから何れかのモードを決定可能なモード決定手段と、前記モード決定手段により決定されたモードに基づいて、遊技を進行させることが可能な第2制御手段と、を備えている。
また、ミミズモード(第2モード)は、有利区間が終了するまで継続するモードにしている。
さらに、本実施形態のスロットマシン1は、ミミズモードに関する特定情報を報知するミミズモード報知の機能を備えている。
つまり、スロットマシン1は、モード決定手段によってミミズモード(第2モード)が決定された場合、ミミズモード(第2モード)に関する特定情報を報知可能な報知手段を備えている。
例えば、ミミズモードに制御中は、主制御部10から副制御部20に所定の信号を出力することで、副制御部20が、ミミズモードに制御中であることを示す情報を表示器8、スピーカ9、ランプ11などを介して報知することができる。
【0072】
(ミミズモード報知)
図23は、ミミズモード報知の説明図である。
図23(d)はミミズモードであることを示す報知画面であり、図23(c)は通常モードの場合における画面である。
つまり、(a)→(b)→(c)は、有利区間移行後1G消化後に電源OFF→ONした場合における通常モードの画面遷移を示す図であり、(a)→(b)→(d)は有利区間移行後1G消化後に電源OFF→ONした場合におけるミミズモードの画面遷移を示す図である。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、報知手段が、モード決定手段によってミミズモード(第2モード)が決定された後に、所定の報知条件が成立した場合(電源がオフされた後に電源がオンされた場合)、ミミズモード報知を実行(特定情報を報知)する。
ミミズモード報知は、有利区間移行後の所定ゲーム数(例えば10ゲーム)以内に、電源OFF→ONを実行した場合にだけ、ミミズモードの滞在中に実行する。
なお、ミミズモード報知は、電源OFF→ONを経ず、有利区間移行後に即座に実行するようにしてもよい。例えば、設定変更後に有利区間移行役に当選した場合、当該当選したゲームの第3リール停止操作後(遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後、又は、遊技者が第3リールを停止するために停止ボタン5を停止操作した時点)に下パネル表示器を点滅させたり、表示器8等を介してミミズモードであることを報知する。
「所定ゲーム数」(所定期間)の起算は、有利区間移行時(後)でもよく電源ON時(後)でもよい。
つまり、報知手段は、ミミズモード報知中(特定情報の報知中)に、所定の終了条件が成立した場合(特定情報の報知期間が特定期間経過した場合)、前記特定情報の報知を終了させる。
ミミズモードの報知期間は、ゲーム数に限らず、時間(例えば10秒)、次ゲームのベットボタン操作、スタートレバー操作等まで継続するように制御することもできる。
これにより、例えば、店員にミミズモードであるか否かを認識させることができ、このまま営業してよいかどうかを判断させることができる。例えば、店員は、営業時間前の電源OFF→ON操作により、ミミズモードであることを認識した場合には、そのままミミズモードで営業を開始したり、再度、電源OFF→ONの操作を介して通常モードに変更したうえで営業を開始させることができる。
また、上述のようにミミズモードの報知期間を限定することで、遊技中(営業中)に停電による瞬断等が発生した場合、ミミズモードであることが遊技者に認識されてしまう可能性を低減させることができる。言い換えると、仮にミミズモード報知期間を限定しない場合、遊技中に瞬断(電源OFF)が発生した場合には、その後の復旧(電源ON)に伴いミミズモード報知がすぐに実行されたり、長時間にわたり当該報知が実行されることになるので、その遊技台が出玉が低いことを遊技者に知られ易いという問題が生じるが、ミミズモード報知期間を限定することでそのような問題を発生し難くできる。
また、ミミズモードのみならず、「通常モード」である旨を報知するようにしても良い。
これにより、ミミズモード報知条件を満たしていないと誤認されてしまうことを防止できる。
また、有利区間移行後ではなく、設定変更後(同一設定の打直し含む)における有利区間移行後に、ミミズモード報知を実行可能にしても良い。
これにより、ミミズモードであることが遊技者に認識されてしまう可能性を一層低減させることができる。
また、ミミズモードの報知実行可能期間(電源OFF→ONが有効な期間)を表示器8での表示や、下パネル表示器の消灯により報知するようにしても良い。
これにより、ミミズモード報知が実行され得る期間を認識できる。
【0073】
ミミズモード報知機能を所定期間経過後に開放することもできる。
図24は、ミミズモード報知機能の開放に関する説明図である。
図24に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、最初の電源ONから所定期間(例えば導入1週間)の経過後に記念演出(「導入1週間おめでとう!」表示)を実行し、当該記念演出の実行後にミミズモード報知機能を開放するようにしてもよい。
このように、一定期間導入後にミミズモード報知機能を開放することで、より厳密な出率設定ができるようになる。つまり、ミミズモードは通常モードよりも出率が低いので、一定期間経過後には、店員が、ミミズモード報知を確認してそのまま(ミミズモード)か通常モードにするかという出率設定を実施することができる。
また、期間ではなく、累計差枚や累計ゲーム数等によって、ミミズモード報知機能を開放するようにしても良い。
例えば、累計差枚が+○枚(例えば+3万枚)になった場合にミミズモード報知機能を開放することで、その後は、ミミズモード報知により仮にミミズモードであることが確認された場合は、電源OFF→ON操作により通常モードに変更して、遊技店側が+(プラス)となっている差枚を遊技者に出玉として還元することができる。
また、例えば累計ゲーム数が○G(例えば100万G)になった場合にミミズモード報知を開放することで、稼働貢献した遊技機に関して、その後は、ミミズモード報知により仮にミミズモードであることが確認された場合は、電源OFF→ON操作により通常モードに変更して、遊技者に出玉を還元することができる。
【0074】
また、所定の状態(設定変更画面等)において、パスワード入力を促し、一のパスワード(例えば1111)を入力した場合は、祝福演出として第1祝福演出を実行し、他のパスワード(例えば5050)場合は、祝福演出として第2祝福演出を実行し、第2祝福演出が実行された場合のみ、ミミズモード報知機能を開放するようにしても良い。
つまり、一のパスワードが入力されなければ第1祝福演出の実行を規制し、他のパスワードが入力されなければ、第2祝福演出(ミミズモード報知)の実行を規制するようにもできる。
すなわち、本実施形態のスロットマシン1は、報知手段によるミミズモード報知(特定情報の報知)を規制可能な規制手段を備え、前記報知手段は、前記規制手段によりミミズモード報知(特定情報の報知)が規制されている場合、ミミズモード報知(特定情報の報知)を実行しないようにできる。
このように、ダミーの祝福演出として、第1祝福演出を用意することで、祝福演出がミミズモード報知開放のトリガーになっていないことを主張できる。
また、祝福演出の実行有無に関わらず、特定のパスワード入力によりミミズモード報知機能を開放するようにしても良い。
これにより、ミミズモードの報知有無を切り替えることができる。例えば、遊技者にミミズモードを認識される可能性を0%にしたい場合には、一のパスワードを入力すればよい。
【0075】
(その他)
ミミズモードに移行した場合、副制御部20は、所定の信号又はデータを、呼出ランプやホールコンピュータに出力するようにして、ミミズモードの履歴をこれらの外部機器において記憶させるようにしてもよい。
これにより、ミミズモードの履歴を外部機器に残すことができる。
ミミズモード報知画像と確率設定装置15で設定された設定値とをリンクさせて、ミミズモード報知画面に設定示唆を表示させてもよい。
例えば、低設定の遊技台でミミズモード報知を実行する場合、あえてリセットせずに、高設定示唆を表示させても良い。高設定(設定6)は、ミミズモードに移行する確率が高い(図8参照)ため、遊技台が高設定であることを匂わせることができる。
ミミズモード中は、設定示唆の報知確率を通常モードに比べて高めるようにしても良い。
このようにすると、ミミズモード(低出率)だが高設定(高出率)なので、遊技を辞められない状況を生み出すことができる。
【0076】
以上説明したように、本発明においては、所定条件が成立した場合、有利区間に制御可能な第1制御手段と、前記有利区間におけるモードとして、第1モードと、当該第1モードよりも遊技が不利に進行する第2モードと、を含む複数のモードから何れかのモードを決定可能なモード決定手段と、前記モード決定手段により決定されたモードに基づいて、遊技を進行させることが可能な第2制御手段と、前記モード決定手段によって前記第2モードが決定された場合、前記第2モードに関する特定情報を報知可能な報知手段と、を備えている。
【0077】
これに対して、特許文献1には、有利区間移行時にモード(スコアモード)を決定し、当該モードに基づいて遊技を進行させる遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機では、滞在中のモードは報知されないものの、当該遊技機に対応して設けられるデータ表示機が表示する遊技履歴によって、滞在中のモードを推測できてしまうことから、データ表示機において、著しく遊技者に不利な遊技モードであることを示唆する遊技履歴が表示された場合、遊技者が当該遊技機において遊技を行うことを敬遠してしまい、稼動が低下してしまう虞があった。
本実施形態のスロットマシン1によれば、稼働が低下してしまうことを防止できるため、従来の遊技機が改善すべき課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0078】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態の各種処理において参照するテーブルは、一例であり、前述したテーブルにのみ限定されるものではなく、各種テーブルに係る当選確率は、前述した値に限らず、適宜変更することができる。
また、上述の実施形態では、ATを管理可能な値としてゲーム数を用いているが、これに限らず、例えば、差枚数、押し順ナビの発生回数、小役当選回数、メダルの獲得枚数、メダルの払出数等の少なくとも1つで管理するようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が表示器8等において演出を実行する手段として動作を行ったが、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
【0080】
また、上述の実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、これに限定されない。遊技機は、例えば、パチンコ、玉スロなどその他の遊技機でもよい。
また、遊技機は、メダルなどの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機でもよい。さらに、遊技機は、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。なお、このようなメダルレス遊技機等は、有利区間における差枚数、ゲーム回数の上限値が、メダルなどの現物を用いる遊技機の上限値とは異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 スロットマシン(遊技機)
41 リール
5 停止ボタン
8 表示器
10 主制御部
20 副制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24