(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110313
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】レーザ加工方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/382 20140101AFI20240807BHJP
B23K 26/073 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B23K26/382
B23K26/073
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014837
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000233332
【氏名又は名称】ビアメカニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 和夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD11
4E168CB04
4E168DA02
4E168DA23
4E168DA32
4E168DA43
4E168EA15
4E168EA24
4E168JA03
4E168JA12
4E168JA14
4E168JA15
4E168JA17
4E168JB01
(57)【要約】
【課題】レーザを用いて基板にテーパが比較的少ない貫通孔を形成できる技術を提供する。
【解決手段】基板1の第1面1aでの孔径が目標孔径である貫通孔2をレーザにより形成するレーザ加工方法が、基板1の第1面1aとは反対側の第2面1bにレーザを照射し、基板1の第2面1bにおける孔径が目標孔径よりも小さい第1孔部3を、基板1の第1面1aに達する深さで形成する第1工程と、第1孔部3が形成された基板1の第1面1aにレーザを照射し、基板1の第1面1aにおける孔径が目標孔径となるように第1孔部3を拡大させて貫通孔2を形成する第2工程と、を備える、ようにする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1面での孔径が目標孔径である貫通孔をレーザにより形成するレーザ加工方法であって、
前記基板の前記第1面とは反対側の第2面に前記レーザを照射し、前記基板の前記第2面における孔径が前記目標孔径よりも小さい第1孔部を、前記基板の前記第1面に達する深さで形成する第1工程と、
前記第1孔部が形成された前記基板の前記第1面に前記レーザを照射し、前記基板の前記第1面における孔径が前記目標孔径となるように前記第1孔部を拡大させて前記貫通孔を形成する第2工程と、を備える、
レーザ加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記第2工程では、前記レーザのスポット径を、前記第1工程での前記レーザのスポット径よりも大きくする、
レーザ加工方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記レーザが、炭酸ガスレーザである、
レーザ加工方法。
【請求項4】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記基板が、セラミック基板である、
レーザ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザを用いて基板に貫通孔を形成するレーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に貫通孔を形成する加工方法の一つとして、レーザを用いて基板に貫通孔を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ガラス基板に炭酸ガスレーザを照射して未貫通穴を形成した後、ガラス基板のレーザ非照射側の面をエッチング処理することによりガラス基板に貫通穴を形成する方法が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のように、レーザを用いて基板に貫通孔を形成した場合、貫通孔は、基板のレーザ照射側の面から離れるに連れて孔径が徐々に小さくなる形状、いわゆるテーパ形状になり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板に形成される貫通孔は、テーパ形状であることが好ましい場合もあるが、基板の板厚方向におおける孔径の差が比較的小さい、いわゆるストレート形状が好ましい場合もある。このため、レーザを用いて基板に貫通孔を形成する方法の一つとして、基板の板厚方向において孔径の差が比較的少ない貫通孔、すなわちテーパが比較的少ない貫通孔を形成する方法の開発が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、レーザを用いて基板にテーパが比較的少ない貫通孔を形成できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、基板の第1面での孔径が目標孔径である貫通孔をレーザにより形成するレーザ加工方法であって、前記基板の前記第1面とは反対側の第2面に前記レーザを照射し、前記基板の前記第2面における孔径が前記目標孔径よりも小さい第1孔部を、前記基板の前記第1面に達する深さで形成する第1工程と、前記第1孔部が形成された前記基板の前記第1面に前記レーザを照射し、前記基板の前記第1面における孔径が前記目標孔径となるように前記第1孔部を拡大させて前記貫通孔を形成する第2工程と、を備える、ものである。
【発明の効果】
【0008】
一態様のレーザ加工方法によれば、レーザを用いて基板にテーパが比較的少ない貫通孔を形成し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】基板に形成される貫通孔の一例を説明する図である。
【
図2】基板に形成される貫通孔の一例を説明する図である。
【
図4】一実施形態のレーザ加工方法を説明する図である。
【
図5】一実施形態のレーザ加工方法の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態のレーザ加工方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1および
図2は、一実施形態のレーザ加工方法により基板に形成される貫通孔の一例を説明する図である。
図1は加工対象である基板の平面図であり、
図2は
図1のA-A´断面図である。
図3は、一実施形態のレーザ加工方法の実施に用いるレーザ加工装置の一例を示す構成図である。
図4は、一実施形態のレーザ加工方法を説明する図であり、基板の断面図である。
図5は、一実施形態のレーザ加工方法の変形例を説明する図であり、基板の断面図である。なお、
図2、
図4および
図5中においては、基板の板厚方向をY方向とし、Y方向とは直交する方向をX方向とする。
【0012】
<一実施形態のレーザ加工方法の概要>
一実施形態のレーザ加工方法は、
図1および
図2に示すように、加工対象である基板1に貫通孔2を形成するための方法である。貫通孔2は、略円形の開口形状を有し、基板1の表面である第1面1aから基板1の裏面である第2面1bまで、Y方向において基板1を貫通する。
【0013】
詳しくは後述するが、この貫通孔2は、基板1の第1面1aおよび第1面1aとは反対側の第2面1bのそれぞれに対してレーザを照射することによって形成される。その際、最初の工程である第1工程では、基板1の裏面である第2面1bに対してレーザが照射され、次の工程である第2工程では、基板1の表面である第1面1aに対してレーザが照射される。
【0014】
これにより、貫通孔2は、基板1の第1面1aにおけるX方向の孔径D1が、予め設定された目標孔径となるように形成される。また、貫通孔2は、基板1の裏面である第2面1bにおけるX方向の孔径D2が、第1面1aにおける孔径(目標孔径)D1よりも小さくなるように形成される。すなわち、貫通孔2は、基板1の第1面1aから離れるに連れて孔径が徐々に小さくなる形状、いわゆるテーパ形状に形成される。
【0015】
ただし、一実施形態のレーザ加工方法によれば、基板1の第1面1aにおける貫通孔2の孔径D1と、基板1の第2面1bにおける貫通孔2の孔径D2との差(D1-D2)は、比較的小さく抑えられる。言い換えれば、貫通孔2の内面2aのY方向に対する角度(以下、テーパ角という)θ1が比較的小さく抑えられる。つまり、基板1には、テーパの比較的少ない貫通孔2が形成される。
【0016】
貫通孔2が形成される基板1としては、例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等からなるセラミック基板が挙げられる。ただし、加工対象である基板1は、セラミック基板に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板、樹脂基板等であってもよい。
【0017】
<レーザ加工装置の説明>
図3を参照し、基板1に貫通孔2を形成するためのレーザ加工装置の一例について説明する。
図3に示すように、レーザ加工装置10は、レーザ発振器20と、音響光学変調器(以下、AOMと略す)30と、ダンパ35と、ガルバノスキャナ40と、集光レンズ50と、テーブル60と、を備える。
【0018】
レーザ発振器20は、例えば、炭酸ガス(CO2)レーザ発振器であり、パルス状のレーザ(以下、パルスレーザという)L1を出射する。なおレーザ発振器20は、炭酸ガスレーザ発振器に限定されず、例えば、赤外線(IR)個体レーザ発振器等であってもよい。
【0019】
AOM30は、レーザ発振器20から出射されたパルスレーザL1を偏向させる光学素子である。AOM30は、レーザ発振器20から出射されたパルスレーザL1を加工方向と非加工方向の二通りに偏向させる。加工方向に偏向されたパルスレーザL2は、ガルバノスキャナ40に向かう。一方、非加工方向に偏向されたパルスレーザL3はダンパ35に向かう。ダンパ35は、AOM30から出力されるパルスレーザL3を吸収する。
【0020】
ガルバノスキャナ40は、AOM30によって偏向されたパルスレーザL2を走査するためのものである。集光レンズ50は、ガルバノスキャナ40で走査されるパルスレーザL2を集光するためのレンズである。ガルバノスキャナ40で走査されたパルスレーザL2は、集光レンズ50によって集光されて、基板1の各貫通孔2が形成される位置(以下、孔あけ位置という)に照射される。集光レンズ50により集光されたパルスレーザL2は、所定のスポット径で基板1に照射される。
【0021】
テーブル60は、基板1が載置される部材である。この例では、基板1は、吸引治具61を介してテーブル60上に載置され、テーブル60上に吸着される。吸引治具61は、複数の吸引孔62を有する。これら吸引孔62を介してテーブル60(吸引治具61)上に載置された基板1を吸引することで、基板1がテーブル60上に吸着される。
【0022】
また、レーザ加工装置10は、装置全体を制御するためのコントローラである全体制御部70を備える。全体制御部70は、例えば、レーザ発振器制御部71と、AOM制御部72と、ガルバノ制御部73と、を含んで構成される。レーザ発振器制御部71は、個々のレーザパルスL1の発振を指示するレーザ発振指令信号をレーザ発振器20に出力する。AOM制御部72は、AOM30の動作を制御するAOM駆動信号を出力する。ガルバノ制御部73は、ガルバノスキャナ40の動作を指示するガルバノ動作制御信号を出力する。
【0023】
AOM駆動信号は、信号がオンの時間帯でのみAOM30に入力されたパルスレーザL1を加工方向に偏向させてパルスレーザL2とし、それ以外の時間帯ではパルスレーザL1を非加工方向に偏向させてレーザパルスL3とする。ガルバノ動作制御信号は、オフの時間帯でガルバノスキャナ40を静止させ、オンの時間帯でガルバノスキャナ40を回転させる。ガルバノスキャナ40が静止した状態で一つの孔あけ位置にパルスレーザL2が照射され、ガルバノスキャナ40が回転することによってパルスレーザL2が次の孔あけ位置に移動する。
【0024】
<貫通孔の形成手順の説明>
次に、一実施形態のレーザ加工方法、すなわちレーザを用いて基板1に目標孔径を有する貫通孔2を形成する手順について説明する。
【0025】
まずは、
図4(a)に示すように、基板1は、裏面である第2面1bが上方となるように、言い換えれば基板1の第2面1bがレーザ照射面となるように、テーブル60(吸引治具61)上に載置され、テーブル60上に吸着される。この状態で、基板1に下孔である第1孔部3を形成する第1工程が実施される。
図4(b)に示すように、基板1の第2面1bにパルスレーザL2が照射され、基板1に第1孔部3が形成される。一例として、第1工程において、パルスレーザL2は、基板1の第2面1bに対して略垂直な方向、つまりY方向に照射され、基板1には略円形の開口形状を有する第1孔部3が形成される。このとき、パルスレーザL2は、基板1の第2面1bに焦点を合わせて集光させられる。
【0026】
第1工程において、第1孔部3は、基板1の第2面1bにおける孔径D3が貫通孔2の第1面1aにおける孔径(目標孔径)D1(
図1参照)よりも小さくなるように形成される。例えば、集光レンズ50によって集光するパルスレーザL3のスポット径が適宜調整されることで、第1孔部3は、孔径D3が目標孔径D1よりも小さくなるように形成される。勿論、第1工程における第1孔部3の孔径D3の調整方法は、特に限定されず、例えば、レーザ発振器20から出射されるパルスレーザL1の出力等の他の加工条件が適宜変更されてもよい。
【0027】
また、第1工程において、この第1孔部3は、基板1の第1面1aに達する深さで形成される。言い換えれば、第1孔部3は、基板1の板厚と同程度の深さで形成される。特に、第1孔部3は、例えば、
図5に示すように、基板1を板厚方向(Y方向)に貫通していることが好ましい。このとき、第1孔部3は、いわゆるテーパ形状に形成されるため、基板1の第1面1aにおける第1孔部3の孔径D4は、第2面1bにおける孔径D3よりも小さくなる。なお、第1孔部3は、必ずしも基板1を貫通していなくてもよい。すなわち、第1孔部3は、基板1の板厚よりも若干浅く形成されていてもよい。
【0028】
基板1への第1孔部3の形成は、一例として、サイクル加工で行う。サイクル加工とは、基板1に複数の第1孔部3を形成する際、各孔あけ位置にパルスレーザL2を一回ずつ順次照射し、全ての孔あけ位置についてレーザ照射が完了した後、同じ動作を必要な回数だけ繰り返す方法である。なお、基板1への第1孔部3の形成は、バースト加工で行ってもよい。バースト加工とは、一つの孔あけ位置でパルスレーザL2を複数回連続して照射し、その孔あけ位置に第1孔部3が形成された後、パルスレーザL2を次の孔あけ位置に走査して同様の動作を繰り返す方法である。勿論、これらサイクル加工またはバースト加工において、第1孔部3の大きさによっては、同じ動作を複数回繰り返さなくてもよいことは言うまでもない。
【0029】
次に、
図4(c)に示すように、第1孔部3が形成された基板1は、第1面1aが上方となるように、言い換えれば第1面1aがレーザ照射面となるように反転され、テーブル60(吸引治具61)上に保持される。この状態で、第1孔部3が形成された基板1に貫通孔2を形成する第2工程が実施される。
図4(d)に示すように、第1孔部3が形成された基板1の第1面1aに対してパルスレーザL2が照射されて第1孔部3が拡大することで、基板1に貫通孔2が形成される。
【0030】
より詳しくは、第2工程では、基板1の第1孔部3が形成された部分にパルスレーザL2が照射され、基板1の第1面1aにおける孔径D5が目標孔径D1となるまで、第1孔部3が拡大させられる。これにより、基板1に貫通孔2が形成される。また基板1の第2面1bにおける貫通孔2の孔径D6は、第1孔部3の孔径D3よりも大きくなるように形成される。つまり貫通孔2は、第1孔部3を包含する大きさで形成される。一例として、パルスレーザL2は、基板1の第1面1aに対して略垂直な方向、つまりY方向に照射され、基板1には略円形の開口形状を有する貫通孔2が形成される。
【0031】
第2工程では、例えば、集光レンズ50によって集光するパルスレーザL2のスポット径が適宜調整される。すなわち、第2工程におけるパルスレーザL2のスポット径が、第1工程におけるパルスレーザL2のスポット径よりも大きくなるように調整される。これにより、貫通孔2は、基板1の第1面1aでの孔径D1(=D5)が目標孔径となるように形成される。勿論、第2工程における貫通孔2の孔径D1の調整方法は、特に限定されず、例えば、レーザ発振器20から出射されるパルスレーザL1の出力等、他の加工条件を適宜変更するようにしてもよい。また、第2工程における貫通孔2の形成は、サイクル加工で行っても、バースト加工で行ってもよい。
【0032】
以上のように、一実施形態のレーザ加工方法は、基板1の第2面1bに対してパルスレーザL2を照射して第1孔部3を形成する第1工程と、第1孔部3が形成された基板1の第1面1aに対してパルスレーザL2を照射して貫通孔2を形成する第2工程と、を備えている。言い換えれば、一実施形態のレーザ加工方法は、基板1に下孔である第1孔部3を形成した後、この第1孔部3の孔径を拡げることで基板1に貫通孔2を形成する。
【0033】
これにより、貫通孔2のテーパを比較的少なく抑えることができる。すなわち、貫通孔2を、いわゆるストレート孔に近い形状とすることができる。
【0034】
これは、以下のような理由による。例えば、セラミック材料からなる基板に、レーザにより孔あけ加工する場合、レーザにより基板が蒸発することはない。レーザにより基板が削られて凹部が形成され、この凹部の深さが徐々に深くなり、最終的に、基板を貫通する孔が形成される。このとき、基板の切粉が凹部内に溜まり、凹部内に溜まった切粉によって、レーザによる孔あけ加工の進行が阻害される結果、基板に形成される孔のテーパ角は比較的大きくなり易い。このため、例えば、第1工程において基板1に形成される第1孔部3は、テーパ角が比較的大きくなり易い。
【0035】
下孔である第1孔部3を有する基板1の第1面1aにレーザを照射して貫通孔2を形成する第2工程においては、基板1の切粉は、第1孔部3を介して基板1の第2面1b側(下側)に排出され易く、第1孔部3には溜まり難い。特に、この実施形態では、第1工程において、第1孔部3は、第2面1b側ほどその孔径が広く形成されているため、第2工程において貫通孔2を形成する際、第1孔部3内に切粉が溜まり難い。このため、切粉による孔あけ加工の進行の阻害が抑制される。すなわち、基板1の加工性が向上する。したがって、第2工程で基板1に形成される貫通孔2のテーパ角θ1は比較的小さくなる。
【0036】
言い換えれば、基板1の第1面1aにおける貫通孔2の孔径D1と、基板1の第2面1bにおける貫通孔2の孔径D2との差(D1-D2)が比較的小さく抑えられる。その結果、この例では、貫通孔2のテーパが、下孔である第1孔部3のテーパよりも小さくなる。具体的には、
図4(d)に示すように、貫通孔2の内面2aのテーパ角θ1は、第1孔部3の内面3aのテーパ角θ2(
図4(b)参照)よりも小さくなる。さらには、加工が完了した貫通孔2の内面2aに切粉が残ることも抑制でき、貫通孔2の形成品質の向上を図ることもできる。
【0037】
なお、実施の形態1のレーザ加工方法は、別の言い方をすれば、次のような2工程により、基板1に貫通孔2を形成する方法であるとも言える。すなわち、一実施形態のレーザ加工方法は、基板1の第2面1bにレーザを照射し、所定のテーパ角θ2の第1孔部3を基板1の第1面1aに達する深さで形成する工程と、第1孔部3が形成された基板1の第1面1aにレーザを照射し、第1孔部3のテーパ角θ2よりも小さいテーパ角θ1の貫通孔2を形成する工程と、を備える、とも言える。
【0038】
以上、一実施形態のレーザ加工方法について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。すなわち本発明は、上述した実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…基板、 2…貫通孔、 3,3A…第1孔部、 4,4A…第2孔部、 5…第3孔部、 10…レーザ加工装置、 20…レーザ発振器、 30…音響光学変調器(AOM)、 40…ガルバノスキャナ、 50…集光レンズ、 60…テーブル、 61…吸引治具、 62…吸引孔、 70…全体制御部(コントローラ)、 71…レーザ発振器制御部、 72…AOM制御部、 73…ガルバノ制御部