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特開2024-11032推定システム、推定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011032
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】推定システム、推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20240118BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112697
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】598040488
【氏名又は名称】株式会社JON
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 元
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確に推定できる推定システム、推定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】基準日特定部26は、所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する。判定部30は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する。推定部32は、売買登記の有無に基づいて、当該新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する基準日特定手段と、
特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する判定手段と、
前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する推定手段と、
を含むことを特徴とする推定システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記新築建物の表題登記よりも後に行われた根抵当権の設定登記の有無を判定し、
前記推定手段は、前記根抵当権の設定登記の有無に基づいて、前記新築建物が事業性のあるものであるか否かを推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の推定システム。
【請求項3】
前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地に建つ建物の数を特定する建物数特定手段、をさらに含み、
前記推定手段は、前記建物の数に基づいて、前記新築建物が事業性のあるものであるか否かを推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の推定システム。
【請求項4】
前記基準日特定手段は、前記新築建物に係る登記申請情報に基づいて、前記新築建物の表題登記申請受付日を前記基準日として特定し、
前記判定手段は、登記申請情報記憶手段に記憶されている複数の登記申請情報に基づいて、前記判定を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の推定システム。
【請求項5】
基準日特定手段が、所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定するステップと、
判定手段が、特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定するステップと、
推定手段が、前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定するステップと、
を含むことを特徴とする推定方法。
【請求項6】
所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する手順、
特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する手順、
前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定システム、推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不動産登記申請情報を用いてユーザがビジネス価値の向上する不動産を検索でき、容易にその位置を把握することができる不動産申請情報検索装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-15322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターネット回線やケーブルテレビなどの各種サービスの新規契約のための営業を既存の建物に引っ越してきた者や新築の建物(例えば、戸建住宅)に住むことになった者に対して絞って行うことで営業業務の効率化が期待できる。例えば、このような者に絞って新規契約のためのダイレクトメールを送付することで営業業務の効率化が期待できる。
【0005】
しかし、新築の建物のなかには、新たな所有者により建てられたものだけではなく、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものがある。このような建物の所有者はその場所に以前から住んでいた者であるため、このような建物の所有者に対して上述のような営業を行うことは効率的であるとは言えない。
【0006】
ここで特許文献1に記載の技術を用いても、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確には推定できない。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確に推定できる推定システム、推定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る推定システムは、所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する基準日特定手段と、特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する判定手段と、前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する推定手段と、を含む。
【0009】
また、本発明に係る推定方法は、基準日特定手段が、所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定するステップと、判定手段が、特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定するステップと、推定手段が、前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定するステップと、を含む。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する手順、特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する手順、前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する手順、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワークの全体構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る送付先決定システムで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図3】登記申請情報データの一例を示す図である。
図4】登記申請情報データの一例を示す図である。
図5】登記申請情報データの一例を示す図である。
図6】登記申請情報データの一例を示す図である。
図7】登記申請情報データの一例を示す図である。
図8】登記申請情報データの一例を示す図である。
図9】登記申請情報データの一例を示す図である。
図10】登記申請情報データの一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る送付先決定システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
図12】本発明の一実施形態に係る送付先決定システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
図13】本発明の一実施形態に係る送付先決定システムにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワークの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、インターネットなどのコンピュータネットワーク18には、いずれもコンピュータを中心に構成された送付先決定システム10、登記申請情報データ提供システム12、登記情報提供システム14、地番家屋番号対照データベース16が接続されている。
【0014】
送付先決定システム10は、例えば、インターネット回線やケーブルテレビなどの各種サービスの事業者などといったユーザが利用するコンピュータシステムである。本実施形態では例えば、ユーザが、送付先決定システム10を用いて、当該サービスの新規契約のためのダイレクトメールの送付先を決定する。
【0015】
図1に示すように、送付先決定システム10には、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10c、出力部10d、入力部10eが含まれる。
【0016】
プロセッサ10aは、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部10bに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。
【0017】
記憶部10bは、例えばROMやRAM等の記憶素子やソリッドステートドライブなどである。記憶部10bには、プロセッサ10aによって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0018】
通信部10cは、例えばコンピュータネットワーク18を介して登記申請情報データ提供システム12、登記情報提供システム14、地番家屋番号対照データベース16との間でデータを授受するための通信インタフェースである。送付先決定システム10は、通信部10cを経由して、登記申請情報データ提供システム12、登記情報提供システム14、地番家屋番号対照データベース16、との間で情報の送受信を行う。
【0019】
出力部10dは、例えばプロセッサ10aから入力される指示に従って情報を表示出力するディスプレイ等の表示部や音声出力するスピーカ等の音声出力部やプリンタ等の印刷出力部等である。
【0020】
入力部10eは、例えばユーザが行った操作の内容をプロセッサ10aに出力するタッチパッド、マウス、キーボード、マイク等である。
【0021】
登記申請情報データ提供システム12は、例えば法務局で管理されている不動産登記受付帳の記載内容に相当する登記申請情報がデータとして登録されたコンピュータシステムである。登記申請情報データ提供システム12は、例えば送付先決定システム10等のコンピュータシステムからの要求に応じて、要求された登記申請情報のデータを当該コンピュータシステムに提供する。
【0022】
登記情報提供システム14は、例えば一般財団法人民事法務協会などによる登記情報提供サービスを提供するコンピュータシステムである。登記情報提供システム14は、例えば送付先決定システム10等のコンピュータシステムからの要求に応じて、要求された不動産登記全部事項等の登記情報を当該コンピュータシステムに提供する。
【0023】
本実施形態に係る登記情報提供システム14は、不動産登記全部事項の情報を、例えばPDF形式のファイルで送付先決定システム10に提供する。そして本実施形態では送付先決定システム10が、当該ファイルに対してテキスト化処理を実行する。そして本実施形態では、テキスト化処理により生成されたテキストの内容に応じた登記情報のデータが送付先決定システム10に登録される。
【0024】
本実施形態に係る地番家屋番号対照データベース16は、建物の所在を表す文字列と当該建物の家屋番号との組合せと、当該建物の敷地の所在を表す文字列と当該敷地の地番との組合せと、が対応づけられた地番家屋情報対照データを複数記憶している。以下、ある建物の敷地の地番を、当該建物の敷地地番と呼ぶこととする。本実施形態に係る地番家屋番号対照データベース16には、現存する建物だけではなく、既に滅失した建物についても、建物の所在を表す文字列と当該建物の家屋番号との組合せと、当該建物の敷地の所在を表す文字列と当該建物の敷地地番との組合せと、が対応付けられた地番家屋情報対照データが記憶されている。以下、建物の所在を表す文字列と当該建物の家屋番号との組合せを「建物所在+家屋番号」と表現し、当該建物の敷地の所在を表す文字列と当該建物の敷地地番との組合せを、「敷地所在+敷地地番」と表現することとする。
【0025】
本実施形態に係る地番家屋番号対照データベース16は、送付先決定システム10から送信される「建物所在+家屋番号」の受付に応じて、当該「建物所在+家屋番号」により識別される建物に対応付けられる1又は複数の土地についての、「敷地所在+敷地地番」を送付先決定システム10に返信する。
【0026】
また、本実施形態に係る地番家屋番号対照データベース16は、送付先決定システム10から送信される「敷地所在+敷地地番」の受付に応じて、当該「敷地所在+敷地地番」により識別される土地に対応付けられる1又は複数の建物についての、「建物所在+家屋番号」を送付先決定システム10に返信する。
【0027】
なお、1つの敷地地番に対応付けられる土地に複数の建物が対応付けられていることがある。例えば、1つの敷地地番に対応付けられる土地に複数の建物が建っている場合や、1つの敷地地番に対応付けられる土地に建っていた建物の建替が行われ、当該土地に新築建物が建てられた場合がこのような状況に相当する。このような場合は、地番家屋番号対照データベース16は、「敷地所在+敷地地番」の受付に応じて、当該「敷地所在+敷地地番」に対応付けられる、複数の「建物所在+家屋番号」を送付先決定システム10に返信する。
【0028】
なお、本実施形態において、地番家屋番号対照データベース16が、登記情報提供システム14に含まれていてもよい。
【0029】
図2は、本実施形態に係る送付先決定システム10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係る送付先決定システム10で、図2に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図2に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0030】
図2に示すように、本実施形態に係る送付先決定システム10は、機能的には例えば、登記申請情報記憶部20、登記申請情報取得部22、ターゲットデータ特定部24、基準日特定部26、敷地地番特定部28、判定部30、推定部32、送付先決定部34を含んでいる。
【0031】
登記申請情報記憶部20は、記憶部10bを主として実装される。登記申請情報取得部22は、通信部10cを主として実装される。ターゲットデータ特定部24は、プロセッサ10a、及び、入力部10eを主として実装される。基準日特定部26、判定部30、推定部32、送付先決定部34は、プロセッサ10aを主として実装される。敷地地番特定部28は、プロセッサ10a、及び、通信部10cを主として実装される。送付先決定システム10は、本実施形態において、新築の建物(例えば、戸建住宅)が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する推定システムとしての役割を担うこととなる。
【0032】
以上の機能は、コンピュータである送付先決定システム10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ10aで実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して送付先決定システム10に供給されてもよい。
【0033】
登記申請情報記憶部20は、本実施形態では例えば、図3図10に例示されている登記申請情報データなどといった登記申請情報を記憶する。
【0034】
図3図10は、それぞれ、登記申請情報データの一例を示す図である。図3図10に例示する登記申請情報データは、それぞれ、1の不動産登記申請に対応付けられる。本実施形態に係る登記申請情報データには、受付年月日データ、受付番号、物件特定データ、申請単位データ、登記目的データ、新/既データ、不動産種別データが含まれる。
【0035】
受付年月日データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の受付年月日を示すデータである。
【0036】
受付番号は、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請がされた年における、当該登記申請の受付順序に従って設定される番号である。
【0037】
物件特定データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の対象となる不動産を特定するためのデータである。図3に示すように物件特定データには、都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データ、地番家屋番号データ、が含まれる。
【0038】
都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データ、地番家屋番号データは、それぞれ、登記申請の対象となる不動産の都道府県名、市区町村名、大字名又は町名、字名又は丁目、地番又は家屋番号を示すデータである。
【0039】
地番家屋番号データは、登記申請の対象となる不動産が土地である場合は、当該不動産の地番を示すデータである。また、地番家屋番号データは、登記申請の対象となる不動産が建物である場合は、当該不動産の家屋番号を示すデータである。
【0040】
本実施形態では、物件特定データに基づいて、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の対象となる不動産の所在が特定できるようになっている。例えば、都道府県名データ、市区町村名データ、大字名町名データ、字名丁目データの値を結合した文字列が当該不動産の所在を表す文字列に相当する。
【0041】
申請単位データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請が単独申請によってされたか連件申請によってされたかを示すデータである。不動産登記受付帳における「単独」、「連先」、「連続」との記載内容に相当する。連件申請によってされた登記申請の最初の登記申請に対応付けられる登記申請情報データの申請単位データには「連先」との値が設定される。当該申請単位データとともにされた登記申請に対応付けられる登記申請情報データの申請単位データには「連続」との値が設定される。また、単独申請によってされた登記申請に対応付けられる登記申請情報データの申請単位データには「単独」との値が設定される。
【0042】
登記目的データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請の目的を示すデータである。なお、登記申請情報データに含まれる登記目的データの値の文字列と、当該登記申請情報データに対応付けられる不動産登記受付帳における登記目的を表す文字列とは、必ずしも一致していなくてもよい。
【0043】
新/既データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請に係る不動産登記受付帳に「新)」との記載があるか「既)」との記載があるかを示すデータである。「新)」との記載がある登記申請に対応付けられる登記申請情報データの新/既データには「新」との値が設定される。「既)」との記載がある登記申請に対応付けられる登記申請情報データの新/既データには「既」との値が設定される。
【0044】
不動産種別データは、例えば、当該登記申請情報データに対応付けられる登記申請に係る不動産の種別を示すデータである。当該登記申請に係る不動産が土地である場合は、不動産種別データには「土地」との値が設定される。また、当該登記申請に係る不動産が建物である場合は、不動産種別データには「建物」との値が設定される。
【0045】
登記申請情報取得部22は、本実施形態では例えば、登記申請情報を取得する。登記申請情報取得部22は例えば、所定の時間間隔で、前回の取得以降に登記申請情報データ提供システム12に登録された登記申請情報データを登記申請情報データ提供システム12から取得して、登記申請情報記憶部20に記憶させる。
【0046】
本実施形態では、登記申請情報データ提供システム12と送付先決定システム10との間で同期がとられていることとする。例えば、登記申請情報データ提供システム12で管理されている最新の登記申請情報データを含む、直近のある程度の期間(例えば直近10年以上)の登記申請情報データが、登記申請情報記憶部20に記憶されていることとする。
【0047】
ターゲットデータ特定部24は、本実施形態では例えば、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する対象となる新築建物の登記申請情報データを特定する。ここでターゲットデータ特定部24は、当該登記申請情報データを取得してもよい。
【0048】
ここで例えば、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、不動産種別データの値が「建物」であり、かつ、登記目的データの値が「表題」である登記申請情報データが特定されてもよい。あるいは、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、不動産種別データの値が「建物」であり、かつ、新/既データの値が「新」である登記申請情報データが特定されてもよい。
【0049】
なお、ターゲットデータ特定部24が、ユーザにより指定される建物の登記申請情報データを特定してもよい。
【0050】
以下、このようにして特定された登記申請情報データをターゲットデータと呼ぶこととする。
【0051】
基準日特定部26は、本実施形態では例えば、所与の新築建物の表題登記申請受付日を基準日として特定する。ここでは例えば、基準日特定部26は、ターゲットデータに対応付けられる新築建物の表題登記申請受付日を基準日として特定する。
【0052】
例えば、基準日特定部26は、当該新築建物に係る登記申請情報に基づいて、当該新築建物の表題登記申請受付日を基準日として特定してもよい。例えば、ターゲットデータに含まれる受付年月日データの値が示す日が、当該ターゲットデータに対応付けられる新築建物の基準日として特定されてもよい。
【0053】
敷地地番特定部28は、本実施形態では例えば、ターゲットデータに対応付けられる新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番(上述の「敷地所在+敷地地番」)を特定する。ここでは例えば、ターゲットデータに含まれる物件特定データに基づいて、当該ターゲットデータに対応付けられる「建物所在+家屋番号」が特定される。そして、特定される「建物所在+家屋番号」に対応付けられる「敷地所在+敷地地番」が特定される。ここで上述のように、敷地地番特定部28が、地番家屋番号対照データベース16にアクセスすることで、ターゲットデータに対応付けられる新築建物の「敷地所在+敷地地番」を特定してもよい。
【0054】
また、敷地地番特定部28は、特定される新築建物の「敷地所在+敷地地番」に対応付けられる、1又は複数の「建物所在+家屋番号」を特定してもよい。ここで上述のように、敷地地番特定部28が、地番家屋番号対照データベース16にアクセスすることで、特定される新築建物の「敷地所在+敷地地番」に対応付けられる、1又は複数の「建物所在+家屋番号」を特定してもよい。そして、敷地地番特定部28が、特定される「建物所在+家屋番号」により識別される建物を関連家屋として特定してもよい。このようにして特定される1又は複数の関連家屋には、当該新築建物が含まれることとなる。
【0055】
また、敷地地番特定部28は、このようにして特定される関連家屋の数を特定してもよい。関連家屋の数は、ターゲットデータに対応付けられる新築建物の敷地地番に建つ建物の数に相当する。
【0056】
判定部30は、本実施形態では例えば、ターゲットデータが所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0057】
推定部32は、本実施形態では例えば、判定部30による判定結果に基づいて、当該新築建物が、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する。
【0058】
送付先決定部34は、本実施形態では例えば、推定部32による推定結果に基づいて、サービスの新規契約のためのダイレクトメールの送付先を決定する。
【0059】
判定部30による判定処理、推定部32による推定処理、及び、送付先決定部34による送付先の決定処理についての詳細は後述する。
【0060】
以下、本実施形態に係る送付先決定システム10において行われる、判定部30による判定、推定部32による推定、及び、送付先決定部34による送付先の決定に関係する処理の流れの一例を、図11に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0061】
まず、ターゲットデータ特定部24が、上述のようにして、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから1又は複数のターゲットデータを特定する(S101)。
【0062】
そして、ターゲットデータ特定部24は、S101に示す処理で特定されたターゲットデータのうちからS103~S106に示す処理が実行されていないものを1つ選択する(S102)。
【0063】
そして、基準日特定部26が、S102に示す処理で選択されたターゲットデータに含まれる受付年月日データの値が示す日を、当該ターゲットデータに対応付けられる新築建物の基準日として特定する(S103)。
【0064】
そして、敷地地番特定部28が、S102に示す処理で選択されたターゲットデータに含まれる物件特定データに基づいて特定される「建物所在+家屋番号」に対応付けられる「敷地所在+敷地地番」を特定する(S104)。S104に示す処理では、上述のように、地番家屋番号対照データベース16にアクセスすることで、「敷地所在+敷地地番」が特定されてもよい。
【0065】
そして、判定部30が、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記の有無を判定する(S105)。ここでは例えば、S103に示す処理で特定された基準日の所定日前から当該基準日までの間における、S104に示す処理で特定された「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記の有無が判定される。
【0066】
S105に示す処理では、判定部30は、例えば、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、受付年月日データの値が示す日が、S103に示す処理で特定された基準日の2年前から当該基準日までの間であるものを特定する。
【0067】
そして、判定部30は、これらの登記申請情報データのなかに、(1)不動産種別データの値が「土地」であり、(2)登記目的データの値が「所有権移転売買」であり、(3)物件特定データに基づいて特定される所在がS104に示す処理で特定された「敷地所在+敷地地番」に示されている所在と一致し、(4)物件特定データに含まれる地番家屋番号データの値がS104に示す処理で特定された「敷地所在+敷地地番」に示されている敷地地番と一致するものが存在するか否かを判定する。
【0068】
このような登記申請情報データが存在する場合は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記があると判定される。
【0069】
また、このような登記申請情報データが存在しない場合は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記がないと判定される。
【0070】
例えば、S102に示す処理で図3に示す登記申請情報データ(ターゲットデータ)が選択されたとする。
【0071】
この場合、S104に示す処理では、例えば、図3に示すターゲットデータの物件特定データに基づいて、当該ターゲットデータに対応付けられる新築建物の所在が「A県B市C町1丁目」と特定され、当該新築建物の家屋番号が「1-2-2」と特定される。そして、この所在を表す文字列、及び、この家屋番号の値に基づいて、図3に示すターゲットデータに対応付けられる新築建物の敷地の所在が「A県B市C町1丁目」と特定され、当該新築建物の敷地地番が「1-2」と特定されたとする。
【0072】
ここで、図4に示す登記申請情報データの受付年月日データの値が示す日は、図3に示す登記申請情報データの受付年月日データの値が示す日の2年前よりも後である。また、図4に示す登記申請情報データの不動産種別データの値は「土地」である。また、当該登記申請情報データの登記目的データの値は「所有権移転売買」である。また、当該登記申請情報データの物件特定データに基づいて特定される所在は「A県B市C町1丁目」である。また、当該登記申請情報データの地番家屋番号データの値は「1-2」である。
【0073】
そのため、図4に示す登記申請情報データが登記申請情報記憶部20に記憶されている場合は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記があると判定されることとなる。
【0074】
そして、推定部32が、S105に示す処理で判定される売買登記の有無に基づいて、S102に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する(S106)。
【0075】
S106に示す処理では、例えば、S105に示す処理で売買登記があると判定された場合は、S102に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものでないと推定される。
【0076】
そして、推定部32は、S101に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについて、S103~S106に示す処理が実行されたか否かを確認する(S107)。
【0077】
S101に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについてS103~S106に示す処理が実行されていない場合は(S107:N)、S102に示す処理に戻る。
【0078】
S101に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについてS103~S106に示す処理が実行された場合は(S107:Y)、送付先決定部34が、S106に示す処理での推定結果に基づいて、ダイレクトメールの送付先を決定する(S108)。そして、本処理例に示す処理は終了される。
【0079】
S108に示す処理では、例えば、S101に示す処理で特定されたターゲットデータに対応付けられる新築建物のうち、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものでないと推定されたものを送付先として決定する。
【0080】
ここで、送付先決定部34が、登記情報提供システム14にアクセスして、当該新築建物の登記情報を取得してもよい。そして、送付先決定部34が、取得される登記情報に示されている所有者の住所を送付先として決定してもよい。
【0081】
所有者の変更を伴わない建替ではない建物、すなわち、所有者が新たになる建物の新築においては、一般的に、当該新築行為の前に当該建物の敷地の売買登記が先行する。
【0082】
このことに着目し、本処理例では、上述の基準日の所定日前から当該基準日までの間における、新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記の有無に基づいて、新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かが推定されるようにした。例えば上述のように、新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記があると判定される場合に、新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものでないと推定されるようにした。
【0083】
このようにして本処理例によれば、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確に推定できることとなる。
【0084】
次に、本実施形態に係る送付先決定システム10において行われる、判定部30による判定、推定部32による推定、及び、送付先決定部34による送付先の決定に関係する処理の流れの別の一例を、図12に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0085】
S201~S204に示す処理は、図11に示すS101~S104に示す処理と同様の処理であるので説明を省略する。
【0086】
S204に示す処理が実行されると、判定部30が、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物と所在及び家屋番号が同じ(上述の「建物所在+家屋番号」が同じ)建物の滅失登記の有無、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記の有無のうちの少なくとも一方を判定する(S205)。ここでは例えば、S203に示す処理で特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物の滅失登記の有無、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記の有無のうちの少なくとも一方が判定される。
【0087】
S205に示す処理では、判定部30は、例えば、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、受付年月日データの値が示す日が、S203に示す処理で特定された基準日の1ヶ月前から当該基準日までの間であるものを特定する。
【0088】
そして、判定部30は、これらの登記申請情報データのなかに、(1)不動産種別データの値が「建物」であり、(2)登記目的データの値が「滅失」であり、(3)物件特定データに基づいて特定される所在がS202に示す処理で選択されたターゲットデータに含まれる物件特定データに基づいて特定される所在と一致し、(4)物件特定データに含まれる地番家屋番号データの値が、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる家屋番号、又は、S204に示す処理で特定された敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列に相当する家屋番号であるものが存在するか否かを判定する。
【0089】
ここで例えば、判定部30が、これらの登記申請情報データのなかから、不動産種別データの値が「建物」であり、登記目的データの値が「滅失」であるものを抽出してもよい。そして、判定部30が、抽出された登記申請情報データのうちから、当該登記申請情報データの物件特定データに基づいて特定される所在が、当該新築建物の所在と同じであるものがさらに抽出されてもよい。そして、判定部30が、抽出された登記申請情報データのそれぞれについて、当該登記申請情報データの地番家屋番号データの値を特定してもよい。そして、判定部30が、特定された値に対して、当該新築建物の敷地地番の文字列をキーとした前方一致検索を実行してもよい。そして、判定部30が、当該前方一致検索によりヒットする値が存在するか否かを判定してもよい。また、判定部30が、特定された値のうちに、当該新築建物の家屋番号と一致するものが存在するか否かを判定してもよい。
【0090】
このような登記申請情報データが存在する場合は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記があると判定される。
【0091】
また、このような登記申請情報データが存在しない場合は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記がないと判定される。
【0092】
例えば、S202に示す処理で図5に示す登記申請情報データ(ターゲットデータ)が選択されたとする。
【0093】
この場合、S204に示す処理では、例えば、図5に示すターゲットデータの物件特定データに基づいて、当該ターゲットデータに対応付けられる新築建物の所在が「A県B市C町2丁目」と特定され、当該新築建物の家屋番号が「3-4-2」と特定される。そして、この「建物所在+家屋番号」に基づいて、図5に示すターゲットデータに対応付けられる新築建物の「敷地所在+敷地地番」が「A県B市C町2丁目3-4」と特定されたとする。
【0094】
ここで、図6に示す登記申請情報データの受付年月日データの値が示す日は、図5に示す登記申請情報データの受付年月日データの値が示す日の1ヶ月前よりも後である。また、図6に示す登記申請情報データの不動産種別データの値は「建物」であり、登記目的データの値は「滅失」である。また、当該登記申請情報データの物件特定データに基づいて特定される所在は「A県B市C町2丁目」である。また、当該登記申請情報データの地番家屋番号データの値は「3-4-1」である。この家屋番号は、図5に示すターゲットデータに対応付けられる新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列に相当する。
【0095】
そのため、図6に示す登記申請情報データが登記申請情報記憶部20に記憶されている場合は、特定される基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記があると判定されることとなる。
【0096】
そして、推定部32が、S205に示す処理で判定される滅失登記の有無に基づいて、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する(S206)。
【0097】
S206に示す処理では、例えば、S205に示す処理で滅失登記があると判定された場合は、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定される。
【0098】
そして、推定部32は、S201に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについて、S203~S206に示す処理が実行されたか否かを確認する(S207)。
【0099】
S201に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについてS203~S206に示す処理が実行されていない場合は(S207:N)、S202に示す処理に戻る。
【0100】
S201に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについてS203~S206に示す処理が実行された場合は(S207:Y)、送付先決定部34が、S206に示す処理での推定結果に基づいて、ダイレクトメールの送付先を決定する(S208)。そして、本処理例に示す処理は終了される。
【0101】
S208に示す処理では、例えば、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されたものが送付先から除外される。すなわち、S201に示す処理で特定されたターゲットデータに対応付けられる新築建物であって、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されたもの以外が送付先として決定される。なお、上述のように、当該新築建物の登記情報に示されている所有者の住所が送付先として決定されてもよい。
【0102】
なお、本処理例において、判定部30が、地番家屋番号対照データベース16を参照することで、上述の関連家屋に相当する建物の中に、滅失登記を伴っているものがあるか否かを確認してもよい。そして、滅失登記を伴っている建物が存在する場合に、判定部30が、当該建物の登記申請情報データの受付年月日データの値を特定してもよい。そして、判定部30が、特定される受付年月日データの値に基づいて、基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該建物の滅失登記があるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、特定される受付年月日データの値が示す日が、基準日の所定日前から当該基準日までの間である場合は、基準日の所定日前から当該基準日までの間における、当該建物の滅失登記があると判定されるようにしてもよい。
【0103】
新築目的で土地を購入する場合は、不動産取得税や不動産登記の登録免許税を考慮して、売主において当該土地に建っていた旧建物を取り壊し、当該売主が滅失登記を行うことが多い。この場合、新築登記から少なくとも数カ月以上前に、すなわち、新築建物の建築に必要な時間だけ前に、滅失登記が行われることとなる。
【0104】
これに対し、所有者の変更を伴わない建替の場合、滅失登記を建物の取り壊しよりも1ヶ月以内に申請することが法律上義務付けられているにも関わらず、建物の取り壊しから1ヶ月以内には滅失登記がされず、新築建物の表題登記と同日又は直近(例えば直近1ヶ月以内)のタイミングで滅失登記が申請されることが多い。このため、同日又は近接したタイミングで滅失登記と表題登記とが行われた場合は、当該新築建物は建替である可能性が高い。
【0105】
ここで、建物の家屋番号は原則として当該建物の敷地地番と同一の番号が付される。しかし、建物の家屋番号と当該建物の敷地地番とが異なることがある。
【0106】
例えば、建物が取り壊され、当該建物が建っていた敷地に新たな建物が建てられる場合、新しい建物と古い建物とを区別するため、古い建物の家屋番号との重複を避けるべく、新築建物の家屋番号には「-2」のような枝番を付す登記所がある。
【0107】
また、すべての建物に対して、「-1」、「-2」のような枝番を付す登記所がある。
【0108】
また、このような区別をせずに、新築建物に古い建物の家屋番号と同じ家屋番号を付す登記所がある。
【0109】
このことに着目し、本処理例では、上述の基準日の所定日前から当該基準日までの間における、新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物の滅失登記の有無、又は、新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記の有無の少なくとも一方に基づいて、当該新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かが推定されるようにした。例えば上述のように、新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物の滅失登記がある場合、又は、新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記がある場合に、当該新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されるようにした。
【0110】
このようにして本処理例によれば、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確に推定できることとなる。
【0111】
また、本処理例によれば、当該新築建物の敷地の売買履歴を確認しなくても、また、登記申請情報データの参照可能な時間範囲が狭くても、新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定できることとなる。
【0112】
もっとも、表題登記から数カ月以上前に滅失登記が行われている場合でも、当該新築建物が建替により建てられたものであることがある。また、同日又は近接したタイミングで滅失登記と表題登記とが行われた場合でも当該新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであることがある。
【0113】
このことを踏まえ、例えば、上述のS205に示す処理において、判定部30は、さらに、売買登記の有無を判定してもよい。
【0114】
例えば、S205に示す処理において、判定部30が、特定される基準日までの第1の日数の間における、当該新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物の滅失登記の有無、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記の有無の少なくとも一方を判定してもよい。
【0115】
例えば、判定部30は、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、受付年月日データの値が示す日が、S203に示す処理で特定される基準日の1年前から当該基準日までの間であるものを特定してもよい。
【0116】
そして、判定部30は、これらの登記申請情報データのなかに、(1)不動産種別データの値が「建物」であり、(2)登記目的データの値が「滅失」であり、(3)物件特定データに基づいて特定される所在がS202に示す処理で選択されたターゲットデータに含まれる物件特定データに基づいて特定される所在と一致し、(4)物件特定データに含まれる地番家屋番号データの値が、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる家屋番号、又は、S204に示す処理で特定された敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列に相当する家屋番号であるものが存在するか否かを判定してもよい。
【0117】
このような登記申請情報データが存在する場合は、特定される基準日までの第1の日数の間における、当該新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記があると判定されてもよい。
【0118】
また、このような登記申請情報データが存在しない場合は、特定される基準日までの第1の日数の間における、当該新築建物と「建物所在+家屋番号」が同じ建物、又は、当該新築建物と所在が同じであり、当該新築建物の敷地地番の文字列を一部又は全部に含む文字列が家屋番号である建物の滅失登記がないと判定されてもよい。
【0119】
さらに、S205に示す処理において、判定部30が、特定される基準日までの第2の日数の間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記の有無を判定してもよい。ここで、第2の日数は、第1の日数よりも長くてもよい。
【0120】
例えば、判定部30は、例えば、登記申請情報記憶部20に記憶されている複数の登記申請情報データのうちから、受付年月日データの値が示す日が、S203に示す処理で特定される基準日の3年前から当該基準日までの間であるものを特定してもよい。
【0121】
そして、判定部30は、これらの登記申請情報データのなかに、(1)不動産種別データの値が「土地」であり、(2)登記目的データの値が「所有権移転売買」であり、(3)物件特定データに基づいて特定される所在がS204に示す処理で特定された「敷地所在+敷地地番」に示されている所在と一致し、(4)物件特定データに含まれる地番家屋番号データの値がS204に示す処理で特定された「敷地所在+敷地地番」に示されている敷地地番と一致するものが存在するか否かを判定してもよい。
【0122】
このような登記申請情報データが存在する場合は、特定される基準日までの第2の日数の間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記があると判定されてもよい。
【0123】
また、このような登記申請情報データが存在しない場合は、特定される基準日までの第2の日数の間における、当該新築建物の「敷地所在+敷地地番」により識別される土地の売買登記がないと判定されてもよい。
【0124】
そして、S206に示す処理において、推定部32が、S205に示す処理で判定される滅失登記の有無、及び、S205に示す処理で判定される売買登記の有無に基づいて、当該新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定してもよい。
【0125】
例えば、S205に示す処理で滅失登記があると判定され、売買登記がないと判定された場合は、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されてもよい。
【0126】
このようにすることで、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かをより的確に推定できることとなる。
【0127】
次に、本実施形態に係る送付先決定システム10において行われる、判定部30による判定、推定部32による推定、及び、送付先決定部34による送付先の決定に関係する処理の流れの別の一例を、図13に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0128】
本処理例では、予め、登記申請情報記憶部20に記憶されている登記申請情報データにおいて、連件申請された登記申請に係る登記申請情報データ同士が関連付けられていることとする。例えば、連件申請された登記申請に係る登記申請情報データには、同じグループIDが付与されていることとする。
【0129】
例えば、申請単位データの値が「連先」である登記申請情報データと、受付番号が当該登記申請情報データに後続する、1又は複数の、申請単位データの値が「連続」である登記申請情報データと、に同じグループIDが付与されていることとする。
【0130】
このことにより、本処理例では、ある登記申請情報データに対応付けられる登記申請と連件申請された登記申請に係る登記申請情報データが特定可能であることとする。
【0131】
S301、及び、S302に示す処理は、図11に示すS101、及び、S102に示す処理と同様の処理であるので説明を省略する。
【0132】
S302に示す処理が実行されると、判定部30が、S302に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物の表題登記申請と連件申請された登記申請が存在するか否かを判定する(S303)。上述のように、本処理例では、連件申請された登記申請に係る登記申請情報データ同士が予め関連付けられているため、S303に示す処理において、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる表題登記申請と連件申請された登記申請が存在するか否かは特定可能である。
【0133】
連件申請された登記申請が存在しない場合は(S303:N)、S306に示す処理に進む。当該登記申請については、本処理例における推定の対象から除外される。
【0134】
連件申請された登記申請が存在する場合は(S303:Y)、判定部30は、連件申請によって所与の新築建物の表題登記申請とともに行われた滅失登記の有無を判定する(S304)。ここでは例えば、連件申請によってS202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物の表題登記申請とともに行われた滅失登記の有無が判定される。
【0135】
S304に示す処理では、判定部30は、例えば、S202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる登記申請と連件申請された登記申請に係る1又は複数の登記申請情報データのうちに、登記目的データの値が「滅失」であるものが存在するか否かを判定する。
【0136】
このような登記申請情報データが存在する場合は、連件申請によって所与の新築建物の表題登記申請とともに行われた滅失登記があると判定される。
【0137】
また、このような登記申請情報データが存在しない場合は、連件申請によって所与の新築建物の表題登記申請とともに行われた滅失登記がないと判定される。
【0138】
例えば、S302に示す処理で図7に示す登記申請情報データ(ターゲットデータ)が選択されたとする。
【0139】
そして、図8に示す登記申請情報データが、図7に示すターゲットデータに対応付けられる新築建物の登記申請と連件申請された登記申請に係る登記申請情報データであるとする。
【0140】
ここで、図8に示す登記申請情報データの登記目的データの値は「滅失」である。
【0141】
そのため、図8に示す登記申請情報データが登記申請情報記憶部20に記憶されている場合は、連件申請によって所与の新築建物の表題登記申請とともに行われた滅失登記があると判定されることとなる。
【0142】
そして、推定部32が、S304に示す処理で判定される滅失登記の有無に基づいて、S302に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する(S305)。
【0143】
S305に示す処理では、例えば、S304に示す処理で滅失登記があると判定された場合は、S302に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定される。
【0144】
そして、推定部32は、S301に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについて、S303~S305に示す処理が実行されたか否かを確認する(S306)。
【0145】
S301に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについてS303~S305に示す処理が実行されていない場合は(S306:N)、S302に示す処理に戻る。
【0146】
S301に示す処理で特定されたすべてのターゲットデータについてS303~S305に示す処理が実行された場合は(S306:Y)、送付先決定部34が、S305に示す処理での推定結果に基づいて、ダイレクトメールの送付先を決定する(S307)。そして、本処理例に示す処理は終了される。
【0147】
S307に示す処理では、例えば、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されたものが送付先から除外される。すなわち、S301に示す処理で特定されたターゲットデータに対応付けられる新築建物であって、所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されたもの以外が送付先として決定される。なお、上述のように、当該新築建物の登記情報に示されている所有者の住所が送付先として決定されてもよい。
【0148】
連件申請は同一人物により行われる。そのため、上述のように連件申請によって新築建物の表題登記申請と滅失登記の登記申請が行われた場合は、同一人物によって新築建物の表題登記申請と滅失登記の登記申請とが行われたこととなる。そのため、当該新築建物は所有者の変更を伴わない建替により建てられたものである可能性が高い。
【0149】
このことに着目し、本処理例では、連件申請によって所与の新築建物の表題登記申請とともに行われた滅失登記の有無に基づいて、新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かが推定されるようにした。
【0150】
このようにして本処理例によれば、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確に推定できることとなる。
【0151】
そして、以上で説明したようにして、新築の建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを的確に推定することで、ダイレクトメールの送付先を的確に絞り込むことが可能となる。その結果、営業業務の効率化が可能となる。
【0152】
なお、本実施形態において、図11図13に示す処理の一部又は全部を様々に組み合わせることが可能である。
【0153】
例えば、S303に示す処理で連件申請された登記申請が存在しないことが確認された場合に、S304以降の処理の代わりに、S203~S206に示す処理が実行されてもよい。
【0154】
また、本実施形態において、判定部30が、当該新築建物の表題登記よりも後に行われた根抵当権の設定登記の有無を判定してもよい。
【0155】
そして、推定部32が、判定部30によって判定される根抵当権の設定登記の有無に基づいて、当該新築建物が事業性のあるものであるか否かを推定してもよい。
【0156】
例えば、図9に示す登記申請情報データ(ターゲットデータ)が選択されたとする。
【0157】
ここで、図10に示す登記申請情報データの受付年月日データの値が示す日は、図9に示す登記申請情報データの受付年月日データの値が示す日よりも後である。そして、図10に示す登記申請情報データの物件特定データの値は図9に示す登記申請情報データの物件特定データの値と同じであり、図10に示す登記申請情報データの登記目的データの値は「根抵当権の設定」である。
【0158】
そのため、図10に示す登記申請情報データが登記申請情報記憶部20に記憶されている場合は、当該新築建物の表題登記よりも後に行われた根抵当権の設定登記があると判定されることとなる。
【0159】
そして、当該新築建物の表題登記よりも後に行われた根抵当権の設定登記があると判定される場合は、当該ターゲットデータに対応付けられる新築建物を事業性のあるものと推定されてもよい。
【0160】
また、本実施形態において、判定部30に、所与の新築建物の敷地地番に建つ建物の数を特定してもよい。そして、推定部32が、特定される建物の数に基づいて、当該新築建物が事業性のあるものであるか否かを推定してもよい。
【0161】
例えば、敷地地番特定部28が、上述のようにして、ターゲットデータに対応付けられる新築建物についての関連家屋を特定してもよい。そして、特定される関連家屋の数が所定数以上(例えば、3以上)である場合は、推定部32が、当該新築建物を事業性のあるものと推定してもよい。
【0162】
そして、送付先決定部34が、当該新築建物が事業性のあるものであるか否かの推定結果に基づいて、ダイレクトメールの送付先を決定してもよい。例えば、事業性のあるものと推定される新築建物については、送付先から除外されてもよい。
【0163】
上述のようにして事業性のあるものとして推定される新築建物は、個人が住むような通常の戸建住宅ではない可能性が高い。そして、法人については、インターネット回線やケーブルテレビなどの各種サービスについての自発的な契約が期待される。そのため、事業性のあるものと推定される新築建物については、ダイレクトメールの送付先から除外されることが望ましい。
【0164】
上述のように、本実施形態では、新築建物の表題登記よりも後に行われた根抵当権の設定登記の有無に基づいて、新築建物が事業性のあるものであるか否かが推定される。このようにして、本実施形態によれば、新築の建物が事業性のあるものであるか否かを的確に推定することが可能となる。
【0165】
また、上述のように、本実施形態では、新築建物の敷地地番に建つ建物の数に基づいて、新築建物が事業性のあるものであるか否かが推定される。このようにして、本実施形態によれば、新築の建物が事業性のあるものであるか否かを的確に推定することが可能となる。
【0166】
そして、新築の建物が事業性のあるものであるか否かを的確に推定することで、ダイレクトメールの送付先を的確に絞り込むことが可能となる。その結果、営業業務の効率化が可能となる。
【0167】
なお、本実施形態において、送付先決定部34が、決定されたダイレクトメールの送付先の一覧を示すデータを生成してもよい。そして、送付先決定部34が、生成された当該データを記憶部10bに記憶させてもよい。また、送付先決定部34が、当該データを表示出力したり印刷出力したりしてもよい。
【0168】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0169】
また、本実施形態において、基準日特定部26が、表題登記申請受付日の代わりに、表題登記日を上述の基準日として特定してもよい。例えば、基準日特定部26が、登記情報提供システム14にアクセスして、当該新築建物の登記情報を取得してもよい。そして、基準日特定部26が、取得される登記情報に基づいて、新築建物の表題登記日を基準日として特定してもよい。
【0170】
また例えば、S205に示す処理で滅失登記がないと判定された場合にS202に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものでないと推定されるようにしてもよい。また、S105に示す処理で売買登記がないと判定された場合に、S102に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであると推定されるようにしてもよい。
【0171】
また例えば、S305に示す処理で滅失登記がないと判定された場合は、S302に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものでないと推定されるようにしてもよい。
【0172】
また、S303に示す処理で連件申請された登記申請が存在しない場合は、S302に示す処理で選択されたターゲットデータに対応付けられる新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものでないと推定されるようにしてもよい。
【0173】
例えば、送付先決定システム10に、登記申請情報記憶部20が含まれていなくてもよい。そして、ターゲットデータ特定部24や判定部30が、登記申請情報データ提供システム12にアクセスすることで、登記申請情報データの取得や特定を行ってもよい。
【0174】
また、上述の具体的な文字列や数値、並びに、図面中の具体的な文字列は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。
【0175】
本実施形態に記載の技術は以下のように表現することもできる。
[1]
所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する基準日特定手段と、
特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する判定手段と、
前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する推定手段と、
を含むことを特徴とする推定システム。
[2]
前記判定手段は、前記新築建物の表題登記よりも後に行われた根抵当権の設定登記の有無を判定し、
前記推定手段は、前記根抵当権の設定登記の有無に基づいて、前記新築建物が事業性のあるものであるか否かを推定する、
ことを特徴とする[1]に記載の推定システム。
[3]
前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地に建つ建物の数を特定する建物数特定手段、をさらに含み、
前記推定手段は、前記建物の数に基づいて、前記新築建物が事業性のあるものであるか否かを推定する、
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の推定システム。
[4]
前記基準日特定手段は、前記新築建物に係る登記申請情報に基づいて、前記新築建物の表題登記申請受付日を前記基準日として特定し、
前記判定手段は、登記申請情報記憶手段に記憶されている複数の登記申請情報に基づいて、前記判定を実行する、
ことを特徴とする[1]~[3]のいずれか一項に記載の推定システム。
[5]
基準日特定手段が、所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定するステップと、
判定手段が、特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定するステップと、
推定手段が、前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定するステップと、
を含むことを特徴とする推定方法。
[6]
所与の新築建物の表題登記申請受付日又は表題登記日を基準日として特定する手順、
特定される前記基準日の所定日前から当該基準日までの間における、前記新築建物の敷地の所在及び当該新築建物の敷地地番により識別される土地の売買登記の有無を判定する手順、
前記売買登記の有無に基づいて、前記新築建物が所有者の変更を伴わない建替により建てられたものであるか否かを推定する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0176】
10 送付先決定システム、10a プロセッサ、10b 記憶部、10c 通信部、10d 出力部、10e 入力部、12 登記申請情報データ提供システム、14 登記情報提供システム、16 地番家屋番号対照データベース、18 コンピュータネットワーク、20 登記申請情報記憶部、22 登記申請情報取得部、24 ターゲットデータ特定部、26 基準日特定部、28 敷地地番特定部、30 判定部、32 推定部、34 送付先決定部。
図1
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