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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110344
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/70 20180101AFI20240807BHJP
【FI】
G16H50/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014889
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】三森 恵太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】適切な診断、治療計画の候補を提案する情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、データ取得部と、固有表現抽出機能及びグラフ生成機能を有する処理回路と、グラフ記憶部と、を備える。データ取得部は、患者の医療情報を取得する。固有表現抽出部は、前記医療情報の文字列から検査結果である固有表現で示される第1データを抽出する。グラフ生成部は、抽出した前記第1データを表す第1ノードと、前記第1データと相関を有する第2データを表す第2ノードとを関連付けるリレーションを生成する。グラフ記憶部は、第1ノード、第2ノード及びリレーションを記憶する。それぞれのノードは、病名、症状又は処置を表す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の医療情報を取得する、データ取得部と、
前記医療情報の文字列から固有表現で示される第 1 データを抽出する、固有表現抽出部と、
抽出した前記第 1 データを表す第 1 ノードと、前記第 1 データと相関を有する第 2 データを表す第 2 ノードとを関連付けるリレーションを付帯する、グラフ生成部と、
前記第 1 ノード及び前記第 1 ノードと前記第 2 ノードとを関連付ける前記リレーションを記憶する、グラフ記憶部と、
を備え、
前記固有表現は、病名、症状又は処置を表す、
情報処理装置。
【請求項2】
前記リレーションは、
前記第 1 ノードから、前記第 2 ノードへの相関強度、又は、
前記第 2 ノードから、前記第 1 ノードへの相関強度、
のうち、少なくとも一方の情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記リレーションの接続先のノードへ接続するノードからの接続強度の和に基づいて、前記リレーションの接続先のノードに対する前記相関強度を算出する、相関強度算出部、をさらに備え、
前記グラフ生成部は、前記相関強度算出部が算出した相関強度に基づいて、前記リレーションを付帯する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
それぞれのノードは、
前記固有表現抽出部が抽出したデータの情報、及び、
前記固有表現抽出部が抽出したデータの接続関係に関する情報、
を少なくとも含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
それぞれのノードは、さらに、
前記ノードに関する医療情報の作成日の情報、
前記ノードを抽出したデータ元の患者に関する情報、又は、
前記患者の属性の情報、
のうち少なくとも 1 つを含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記グラフ記憶部に記憶されているグラフから、ノードを抽出する、ノード抽出部と、
前記ノード抽出部が抽出したノードに関する情報を出力する、出力部と、
をさらに備える、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ノード抽出部は、前記第 1 ノードから前記リレーションをたどり、前記患者の罹患している病名に関するノード又は前記患者に対する処置に関するノードを、相関強度が高い順に任意の個数抽出する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ノード抽出部は、前記リレーションをたどることで前記第 1 ノード又は前記第 2 ノードに到達することが可能なノードの情報に基づいて、統計的に有意な処置に関するノードを推定して抽出する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記グラフ記憶部に記憶されているグラフにおける前記リレーションと、ガイドラインから取得された前記ノード及び前記リレーションに関連するラベルの情報に基づいて、前記ノードに関する相関強度に前記ラベルの情報をラベリングして登録する、ラベル付与部、
をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記データ取得部は、
医師が入力した情報、
患者が入力した情報、又は、
検査結果の情報、
の少なくとも 1 つに基づいて、第 1 データを抽出する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第 2 データは、前記データ取得部が取得した患者の他の医療情報に基づいて、前記固有表現抽出部が抽出した固有表現で表される、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサに、
患者の医療情報を取得する手段、
前記医療情報の文字列から検査結果である固有表現で示される第 1 データを抽出する手段、
抽出した前記第 1 データを表す第 1 ノードと、前記第 1 データと相関を有する第 2 データを表す第 2 ノードとを関連付けるリレーションを生成する手段、
前記第 1 ノード、前記第 2 ノード及び前記リレーションを記憶する手段、
を実行させ、
それぞれのノードは、病名、症状又は処置を表す、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場における IT 化は、例えば、電子カルテといった患者の情報の一元管理等の分野において対応が進められている。医師が患者を診察した場合、当該医師の知見に基づいて、その後の処置を選択、決定することが多い。この処置の選択は、例えば、医師の長年の経験に基づいて行われ、属人化していることが多い。一方で、システムにより、診断、治療計画を提案するといったことが望まれつつある。また、医師も、自らの経験に基づいた判断とともに、システムにより提示された診断、治療手法により、気づきを得るといったことが望むことがある。
【0003】
しかしながら、現状においては、例えば、 HIS 、 RIS 、看護システム等の診断・治療計画システム、及び、 PACS 、カルテシステム等の診断・治療結果システムといった複数のシステムが細かく分割されており、それらのシステムに格納されている情報を自動的にそれぞれに対応づけて出力することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-77886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようと課題の 1 つは、適切な診断、治療計画の候補を提案することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は、上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理装置は、データ取得部と、固有表現抽出部と、グラフ生成部と、グラフ記憶部と、を備える。データ取得部は、患者の医療情報を取得する。固有表現抽出部は、前記医療情報の文字列から検査結果である固有表現で示される第 1 データを抽出する。グラフ生成部は、抽出した前記第 1 データを表す第 1 ノードと、前記第 1 データと相関を有する第 2 データを表す第 2 ノードとを関連付けるリレーションを付帯する。グラフ記憶部は、前記第 1 ノード、前記第 2 ノード及び前記リレーションを記憶する。それぞれのノードは、病名、症状又は処置を表す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る記録とストーリーの一例を模式的に示す図。
図2】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図3】一実施形態に係る情報処理装置を用いたデータ入出力の一例を示す図。
図4】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図5】一実施形態に係る固有表現抽出の一例を模式的に示す図。
図6】一実施形態に係るグラフ生成の一例を模式的に示す図。
図7】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図8】一実施形態に係る相関強度を算出する説明のための図。
図9】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図10】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図11】一実施形態に係る情報処理装置の出力の一例を示す図。
図12】一実施形態に係る情報処理装置が抽出するノードの一例を示す図。
図13】一実施形態に係る情報処理装置が抽出するノードの一例を示す図。
図14】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図15】一実施形態に係る情報処理装置が抽出するノードの一例を示す図。
図16】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図17】一実施形態に係る情報処理装置が抽出するノードの一例を示す図。
図18】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図19】一実施形態に係る情報処理装置の出力の一例を示す図。
図20】一実施形態に係る情報処理装置が抽出するノードの一例を示す図。
図21】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図22】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図23】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図24】一実施形態に係る情報処理装置が抽出するノードの一例を示す図。
図25】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図26】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
図27】一実施形態に係るラベル付与の一例を示す図。
図28】一実施形態に係るラベル付与の一例を示す図。
図29】一実施形態に係るラベル付与の一例を示す図。
図30】一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図。
図31】一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。本開示において、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現される形態については、このソフトウェアは、プログラムにより実行され、プログラム自体又はプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体により実施することができる。また、本明細書及び図面における各種データにおいて、主に情報処理装置により用いられるものは、典型的にはデジタルデータである。
【0009】
(第 1 実施形態)
図1は、一実施形態に係る記録とストーリーの一例を模式的に示す図である。記録は、患者の医療情報を含む情報である。ストーリーは、患者の医療情報を含む情報同士を適切な処置等の情報に基づいて接続した連続した記録と処置等を含む情報である。治療は、ストーリーにしたがって実行される。図1においては、記録が一角を欠いた矩形で示され、これらの記録を接続して 1 つのストーリーが形成される。
【0010】
記録は、例えば、患者のカルテ、検査結果等の情報に基づいて取得することが可能な情報である。記録は、病名、症状又は処置といった情報を含む。医療従事者は、例えば、カルテの初診情報を閲覧することにより次に行う検査の情報を取得し、指定した検査結果からカルテに治療計画を付け加え、治療計画に従った処置をした結果を経過観察情報として取得して、さらにこれをカルテに付け加える。
【0011】
ストーリーは、前段落で示したような医療従事者による病名、症状からの処置の決定、また、処置をした結果による新たな記録の生成、この生成した記録からさらに次の処置の決定といったシナリオを含む概念である。医療従事者は、ストーリーにしたがって行動することで患者の診断、診察又は診療を適切に実行することができる。
【0012】
本実施形態に係る情報処理装置は、医療従事者の経験等に基づいて生成されていたこのストーリーを、カルテ等の入力情報から適切に自動的に取得する。情報処理装置は、一例としてグラフを用いた情報処理を実行することで、適切な情報を取得して出力する。また、情報処理装置は、この適切な情報を自動的に取得するためのデータベースを生成してもよい。
【0013】
なお、本開示におけるカルテは、代表的には電子カルテであるが、紙のカルテを含む概念であってもよく、紙のカルテは、スキャナ等の電子機器に読み取られるものであってもよい。また、電子カルテの入力は、医療従事者又は患者が文字入力し、音声入力し、又は、選択肢から選択して入力してもよいし、検査を実行した装置等から自動的に入力されてもよい。
【0014】
図2は、一実施形態に係る情報処理装置の一例を模式的に示すブロック図である。情報処理装置 1 は、入出力インタフェース (以下、入出力I/F 10 と記載する) と、処理回路 12 と、記憶部 14 と、を備える。情報処理装置 1 に備えられる構成要素は、必要に応じてそれぞれがバス 16 を介して接続されてもよいし、必要に応じて別の経路を介して接続されてもよい。
【0015】
情報処理装置 1 は、カルテ等に入力された情報から医療情報をノードとして抽出し、抽出した医療情報同士のリレーション (関連性、エッジ) を取得してデータベースに登録する。情報処理装置 1 は、例えば、ノードとリレーションとを有するグラフ情報としてデータベースに登録してもよい。
【0016】
入出力I/F 10 は、情報処理装置 1 の内部と、外部とを接続するインタフェースである。情報処理装置 1 は、入出力I/F 10 を、入力部又は出力部として備えることができる。入出力I/F 10 は、例えば、後述するように、入力インタフェースであるキーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル、マイク、ボタン等のインタフェースを有し、この入力インタフェースを介してユーザからの入力を受け付ける。この場合、入出力I/F 10 は、データ取得部として動作することができる。
【0017】
また、入出力I/F 10 は、例えば、出力インタフェースであるディスプレイ、プリンタ、スピーカ等の出力インタフェースを有し、この出力インタフェースを介してユーザへと情報を出力する。
【0018】
また、入出力I/F 10 は、ネットワークインタフェースを有していてもよく、このネットワークインタフェースは、入力インタフェース及び出力インタフェースを兼用するものであってもよい。例えば、情報処理装置 1 は、ネットワークインタフェースを介して外部のファイルサーバ等とデータを送受信することで、情報の入出力をすることもできる。
【0019】
処理回路 12 は、情報処理装置 1 の種々の処理を制御する回路である。この処理回路 12 は、例えば、後述するように、汎用のプロセッサを備えてもよいし、専用の回路を備えてもよい。一実施形態において、処理回路 12 は、固有表現抽出機能 120 と、グラフ生成機能 122 と、を備える。
【0020】
固有表現抽出機能 120 は、入力情報から固有表現を抽出する。情報処理装置 1 は、例えば、固有表現抽出機能 120 を固有表現抽出部として備えることができる。
【0021】
固有表現は、医療情報に関する表現であり、例えば、病名、症状又は処置のうち、少なくとも 1 つを備える表現であってもよい。固有表現抽出機能 120 は、例えば、入出力I/F 10 を介して取得した患者のカルテ等の情報から、病名、症状、処置等の表現を抽出する。
【0022】
この抽出は、限定されない例として、テーブル等に登録された情報を抽出する形態であってもよいし、カルテ等の情報から固有表現を抽出する学習済みのモデルを用いて抽出する形態であってもよい。固有表現抽出機能 120 は、任意の手法を用いて医療情報に適した固有表現を抽出することができる。固有表現抽出機能 120 は、 1 つのデータから複数の固有表現を抽出することもできる。
【0023】
グラフ生成機能 122 は、固有表現抽出機能 120 が抽出した固有表現をノードとするグラフを生成する機能である。情報処理装置 1 は、例えば、グラフ生成機能 122 をグラフ生成部として備えることができる。
【0024】
グラフは、固有表現をノードとし、ノード同士の接続をリレーション (エッジ) として表現されるグラフである。すなわち、本開示におけるグラフは、病名、症状、処置等を表すノードと、他の病名、症状、処置等を表すノードとの関連性を示すリレーションと、を含む表現である。リレーションは、限定されない例として、ノード同士のつながりの強さの情報、ノードからノードへの臨床的な意味を示すラベルの情報といった、ノード同士の関連性を示す情報を含む。固有表現抽出機能 120 が 1 つのデータから複数の固有表現を抽出した場合には、グラフ生成機能 122 は、複数のノードを生成することもできるし、同じデータから取得した複数のノードについてのリレーションを付帯することもできる。
【0025】
記憶部 14 は、入出力I/F 10 を介して取得した情報、又は、処理回路 12 が取得した情報を格納する記憶回路を備える。記憶部 14 は、この他に、処理回路 12 における計算で一時的に必要となるデータを格納してもよい。また、処理回路 12 が、ソフトウェアによる情報処理をハードウェア資源により具体的に実現する場合には、記憶部 14 は、このソフトウェアによる情報処理についてのプログラム又は実行ファイル等を格納してもよい。
【0026】
記憶部 14 は、具体的には、グラフ生成機能 122 が生成したグラフを登録するデータベースを備えていてもよい。このデータベースは、例えば、グラフデータベースの手法により形成されていてもよい。ユーザは、本実施形態における情報処理装置 1 により形成されたグラフ情報から必要な情報を適切に抽出することで、患者の医療情報に基づいた情報を取得することができる。この情報は、例えば、上述したストーリーの情報として取得される。
【0027】
次に、情報処理システムの一部又は全部としての情報処理装置 1 の限定されない入出力の状態の一例について説明する。
【0028】
図3は、一実施形態に係る情報処理装置を用いたデータ入出力の一例を示す図である。ユーザは、例えば、医療従事者であってもよいし、患者であってもよい。医療従事者は、例えば、カルテに患者の情報を入力することで情報処理装置 1 に情報を入力する。患者は、例えば、アンケート等に回答することで、情報処理装置 1 に情報を入力する。
【0029】
ユーザからの入力は、従来の診断・治療計画システム、診断・治療結果システムに該当する処理回路 12 を介して入力され、記憶部 14 に格納される。このタイミングで情報処理装置 1 は、ユーザへと入力された情報を出力してもよい。
【0030】
情報処理装置 1 は、入力された情報に基づいて、検査する旨をユーザ及び検査機器へと要求してもよい。検査要求に従う患者は、要求に応じて、検査機器において検査をしてもよい。
【0031】
要求に従って検査した結果は、情報処理装置 1 の処理回路 12 を介して記憶部 14 に登録される。ユーザは、この登録された情報に基づいて検査結果に関する情報を取得することができる。また、情報処理装置 1 は、この検査結果に基づいたストーリーにしたがい、次の治療計画等を立ててもよい。
【0032】
この検査は、医療従事者により実現される検査であってもよい。また、検査機器に要求をすることなく、医療従事者による臨床的な検査であってもよい。臨床的な検査である場合、医療従事者が情報処理装置 1 に検査結果を登録してもよい。また、医療従事者は、検査機器の結果を参考にして、適切に情報を修正した上で情報処理装置 1 に検査結果を登録してもよい。
【0033】
従来の技術であれば、例えば、診断・治療計画システムが、入力されたデータに基づいた検査要求を検査機器にして、検査機器からの出力は、診断・治療結果システムに格納されてデータ処理されるが、本開示においてはこの処理を情報処理装置 1 が実行する。
【0034】
なお、上記している検査は、治療と読み替えることもできる。すなわち、情報処理装置 1 は、治療要求をして、治療機器による治療結果を取得して記憶部 14 に記憶し、ユーザに出力することができる。
【0035】
この処理を繰り返すことにより、患者の医療情報、及び、検査結果に基づいて、情報処理装置 1 は、ストーリーに沿った処置等を適切に出力することができる。本実施形態においては、このストーリーに沿った出力をするための情報の取得について説明する。
【0036】
図4は、一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャートである。以下においては、 1 つのデータから 1 つの医療情報を固有表現として抽出する場合について説明するが、 1 つのデータから複数の固有表現を抽出する場合においても同様に処理をすることができる。
【0037】
情報処理装置 1 は、入出力I/F 10 を介して患者の医療情報が含まれるデータを取得する (S100) 。このデータは、例えば、患者の医療情報を示すカルテの情報である。
【0038】
固有表現抽出機能 120 は、取得した患者の医療情報から、固有表現を抽出する (S102) 。固有表現は、例えば、カルテに示されている、病名、症状又は処置を示すデータである。
【0039】
図5は、固有表現抽出機能 120 により固有表現が抽出される限定されない一例を示す図である。この医療情報は、ストーリーに沿った時系列で並べられている複数の医療情報を備える。固有表現抽出機能 120 は、時系列に沿って連続する 2 つの医療情報から、それぞれの固有表現を抽出する。
【0040】
固有表現抽出機能 120 は、例えば、初診のカルテから、第 1 データとして病名の総称を取得する。また、固有表現抽出機能 120 は、カルテに基づいて行われた検査結果から、第 2 データとして詳細な病名を抽出する。固有表現抽出機能 120 は、このように、少なくとも時系列において連続する 2 つの医療情報から固有表現を抽出する。すなわち、第 1 データと第 2 データは、同一の患者の異なる入力データからそれぞれ抽出された固有表現であってもよい。なお、第 1 データと第 2 データが同一の患者の同一の入力データから抽出された別の固有表現であることを排除するものではない。
【0041】
ストーリーに沿ってさらに連続する医療情報がある場合には、固有表現抽出機能 120 は、続けて 3 つ以上の医療情報から固有表現を抽出してもよい。例えば、固有表現抽出機能 120 はさらに、検査結果に基づいた治療計画を示すカルテから第 3 データとして処置を取得し、治療計画にしたがった処置後の経過観察の検査結果の情報から、第 4 データとして症状を抽出することもできる。
【0042】
図4に戻り、グラフ生成機能 122 は、固有表現抽出機能 120 が抽出した固有表現をノードとして生成する (S104) 。ノードは、固有表現抽出機能 120 が抽出した固有表現の他、抽出元となったカルテ等の入力情報の識別子、抽出元の記録におけるストーリーの前後の固有表現に関する情報、情報 (カルテ) を生成した作成日、患者の識別子、患者の年齢、患者の性別、その他の患者に関する情報が含まれてもよい。これらの情報は、例えば、医療情報の固有表現を表すノードのプロパティとしてデータベースに登録される。
【0043】
続いて、グラフ生成機能 122 は、生成した 2 つのノード間の関連性を取得して、この関連性の情報をリレーションとしてノード間の接続に付与する (S106) 。リレーションは、ノード間の関係を示す情報であれば任意のものでよい。代表的には、リレーションは、ノード間の接続の強度を示す相関強度であってもよい。ストーリーに沿ったリレーションにおいては、リレーションは、時系列に沿ったあるノードから他のノードへの一方向の有向エッジとして表現されるが、双方向の有向エッジであってもよいし、逆方向の有向エッジであってもよい。
【0044】
図6は、グラフ生成機能 122 によりグラフが生成される限定されない一例を示す図である。グラフ生成機能 122 は、 S104 の処理において、固有表現抽出機能 120 が取得した第 1 データ及び第 2 データを表すノードをそれぞれ第 1 ノード及び第 2 ノードとして生成し、 S106 の処理において第 1 ノード及び第 2 ノードを関連付けるリレーション情報を取得して付与する。
【0045】
固有表現抽出機能 120 が S102 においてストーリーに亘って固有表現を抽出している場合には、グラフ生成機能 122 は、それぞれの固有表現に対応するノードを生成し、接続されるノード同士のリレーションを取得してそれぞれに付与する。
【0046】
図4に戻り、処理回路 12 は、グラフ生成機能 122 が生成したノード及びリレーションの情報を、データベースに登録する (S108) 。処理回路 12 は、記憶部 14 に形成されているデータベースにこのノード及びリレーションの情報をグラフ情報として登録してもよい。
【0047】
グラフ情報は、通常のデータベースのようにテーブルにノード及びリレーションの情報として登録されてもよいし、グラフデータベースにグラフ情報として登録されてもよい。記憶部 14 は、例えば、記憶部 14 に備えられるグラフ記憶部にこのノード及びリレーションの情報をグラフ情報として登録してもよい。
【0048】
情報処理装置 1 は、その処理回路 12 により、医療情報から固有表現を抽出し、抽出した固有表現を表すノードを生成し、当該ノードに関連するノードとの関連性をリレーション情報として生成、付帯したグラフ情報をデータベースに登録することができる。
【0049】
より具体的には、情報処理装置 1 は、ストーリーに含まれる少なくとも 1 つのある医療情報の文字列から、固有表現で示される第 1 データを抽出し、この第 1 データを第 1 ノードとしたグラフを生成し、第 1 ノードに関連する他の第 2 ノードとの関連性であるリレーション情報を取得して付帯したグラフ情報をデータベースに登録することができる。
【0050】
第 1 ノードに接続されるノードは、例えば、ストーリーの時系列において第 1 データの前後のデータである第 2 データから抽出された固有表現を表す第 2 ノードであってもよい。情報処理装置 1 は、第 1 ノード及び第 2 ノードの関連性をリレーション情報として取得し、データベースに登録することができる。また、別の例として、第 1 ノードに関連するデータが既知である場合には、情報処理装置 1 は、第 1 ノードとの関連性をストーリーの時系列に基づいて更新する処理をしてもよい。
【0051】
情報処理装置 1 は、ストーリーの時系列の前後に隣接する 2 つの医療情報をそれぞれに参照することで、ノードと、ノード間の関連性を取得することができる。この処理を既知の医療情報及びストーリーにしたがって実行し、それぞれのノード及びノード間におけるグラフ情報を取得することで、情報処理装置 1 は、任意の情報を取得した場合に、当該情報に関するノード及びそのノードに関連するノードと関連性の情報を取得するデータベースを形成することが可能となる。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置によれば、現在取得している検査、治療等の医療情報に関するストーリーに基づいたデータベースを形成することが可能となる。後述するように、情報処理装置によって当該データベースを用いることで、医療従事者又は患者は、現在の状態から適切な検査、治療に関する情報を取得することができる。
【0053】
限定されない一例として、情報処理装置 1 は、電子カルテとして登録されている現存する情報における時系列に連続するデータの組み合わせから、このデータベースを生成することができる。このため、情報処理装置 1 又は他の情報処理装置は、このデータベースを参照することにより、知見データとして取得されているカルテからストーリーの生成を適切に自動的に実現することが可能となる。連続する 2 つの時系列を表すノード及びそれらのリレーションを生成し、これを繰り返し実行することで、種々のストーリーをノードとリレーションで表現することが可能となる。
【0054】
例えば、情報処理装置は、初診のカルテ情報を入力すると、このカルテから抽出された固有表現に基づいて、するべき検査項目、病名等を出力することができる。患者の検査が終了した後には、情報処理装置は、検査結果から取得できる病名に基づいて、医療従事者又は患者がする処置に関する情報、症状に関する情報等の適切なデータを出力することができる。
【0055】
患者に関する医療情報は、病名、症状又は処置が含むが、これ以外に副作用についての病名、症状又は処置を含んでもよい。例えば、ある病気に対するある処置に接続するノードとして、副作用の症状が存在してもよく、リレーションとして副作用である旨が付与されてもよい。この副作用に対する症状を表すノードに接続するノードとして、副作用に対応するための処置を表すノードが接続されてもよい。
【0056】
複数の固有表現を抽出する例として、固有表現抽出機能 120 は、例えば、初診のカルテ情報に病名の総称と症状に関する医療情報が含まれている場合、病名の総称と、症状との固有表現を抽出することができる。この場合、グラフ生成機能 122 は、病名の総称と症状を現すノードをそれぞれに生成し、それぞれのノードに対する次のデータのリレーションを付与することができる。別の例として、病名の総称と症状との間のリレーションを付与してもよい。
【0057】
(第 2 実施形態)
前述の第 1 実施形態においては、一例として時系列に連続する 2 つの医療情報に基づいてデータベースを形成することについて説明した。本実施形態では、ノード間のリレーションの作成方法、取得方法について、限定されない例を挙げて説明する。
【0058】
一例として、リレーションは、ノード間の相関が一意的にラベリングされてもよい。この相関は、相関強度を表してもよい。ノードに関する固有表現を抽出するタイミングにおいて臨床的な意味が判断できるのであれば、この意味を示すラベルをリレーションとして付帯してもよい。
【0059】
図7は、一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図である。情報処理装置 1 は、前述の処理回路 12 の機能に加え、さらに、相関強度算出機能 124 を備える。この相関強度算出機能 124 は、グラフのノード間の相関強度を算出する。情報処理装置 1 は、相関強度算出部として相関強度算出機能 124 を備えることができる。
【0060】
グラフ生成機能 122 は、相関強度算出機能 124 が算出したノード間の相関強度に関する情報を、リレーションとしてグラフ情報に含めることができる。相関強度算出機能 124 がどのように相関強度を算出するかを限定されない一例を用いて説明する。
【0061】
図8は、一実施形態に係る相関強度の算出を説明するための図である。角丸の矩形が患者の医療情報から抽出したノードを表し、各ノード間に付与されている丸数字で示すリレーションがノード間の接続強度を示す。病名の総称は、例えば、初期のカルテから取得したものであり、詳細な検査をした結果がステージ付きのノードで示される。接続強度は、例えば、カルテから抽出されたそれぞれの固有表現に基づいて、そのノードがどの程度確からしいかを示す確度を取得することで与えられる。確度は、種々の手法があるが、例えば、固有表現を抽出するタイミングにおいて、結果として抽出される確度を数値化して表現することで求めてもよい。
【0062】
ここでは病名の総称を「非小細胞肺がん」とし、患者ごとにより詳しい病名にがんのステージを付帯した情報として、それぞれを表すノードを精製する。患者 K1 ~ K9 の検査結果により、それぞれ Stage I から Stage IV までのノードが生成される。ここで、相関強度算出機能 124 は、病名の総称を表すノードから、それぞれのステージ全体を表すノードへの強度を、既に取得されている接続強度から算出する。例えば、この処理は、図4に示す S106 の処理で実行される。
【0063】
限定されない一例として、相関強度算出機能 124 は、それぞれの病名のノードに含まれる患者ごとのノードと、総称との接続強度の和に基づいて、それぞれの病名のノードと総称のノードとの間の相関強度を算出する。
【0064】
相関強度算出機能 124 は、患者ごとに取得されたノード間のリレーションの接続強度の和を算出する。図8においては、 Stage I (3) + Stage II (1 + 2 + 1) + Stage III (2 + 2 + 1) + Stage IV (1 + 1) であり、 14 を取得する。
【0065】
次に、相関強度算出機能 124 は、それぞれの病名ノードと総称のノードとの相関強度を算出する。相関強度算出機能 124 は、例えば、 Stage I との相関強度を 3 / 14 = 0.21 、 Stage II との相関強度を (1 + 2 + 1) / 14 = 0.29 、 Stage III との相関強度を (2 + 2 + 1) / 14 = 0.36 、 Stage IV との相関強度を (1 + 1) / 14 = 0.14 と算出することができる。
【0066】
グラフ生成機能 122 は、相関強度算出機能 124 が算出した上記の値を、それぞれのステージに対する病名の総称からの相関強度として、リレーションを付帯することができる。
【0067】
なお、相関強度は、一例として示したものであり、全体を百分率としてあらわしてもよいし、他の基準値に基づいて正規化した値であってもよい。
【0068】
以上のように、グラフ生成機能 122 は、グラフとして接続されるノードをある程度生成した後に、ノード間に付帯されるリレーションを相関強度により更新することもできる。このような更新をすることで、総称が得られた後の検査結果に基づいた詳細な病名を抽出した場合において、その詳細な病名と総称との関係性の強度を取得することができる。例えば、初診及び初診に対する検査結果の医療情報を取得した場合、これらを表すノードの強度をリレーションとして取得することで、検査結果に対する固有表現を抽出した結果の確からしさ (どの程度の信頼度であるか) といった情報をユーザが取得することが可能となる。また、グラフを出力する場合において、ストーリーに対する重み付け等を適切に実現することができる。
【0069】
上記は病名の総称と、詳細な病名についてのノード間の相関強度を取得する例として説明したが、相関強度は、これ以外のノード同士について取得することもできる。情報処理装置 1 は、例えば、病名と症状、病名と処置、症状と処置、処置と副作用 (症状、病名) といった別の種類の情報を表すノード間においても相関強度をリレーションとして付帯することが可能である。
【0070】
(第 3 実施形態)
前述の各実施形態においては、データベースを生成する情報処理装置について説明したが、本実施形態においては、このデータベースを活用するための情報処理装置について説明する。
【0071】
図9は、一実施形態に係る情報処理装置を模式的に示すブロック図である。情報処理装置 1 は、入出力I/F 10 と、処理回路 12 と、記憶部 14 と、を備える。これらの構成要素は、バス 16 を介して、又は、必要に応じて直接的に接続される。
【0072】
入出力I/F 10 及び記憶部 14 については、前述の実施形態と同様の構成であってもよい。記憶部 14 は、少なくともその一部が情報処理装置 1 の内部ではなく、情報処理システム内の情報処理装置 1 の外部に備えられていてもよい。記憶部 14 は、前述の実施形態における情報処理装置により形成されたデータベースの情報を少なくとも格納する。
【0073】
処理回路 12 は、固有表現抽出機能 120 と、ノード抽出機能 126 と、を有する。なお、前述の各実施形態の情報処理装置と、本実施形態の情報処理装置 1 は、同じ情報処理装置 1 であってもよく、この場合、情報処理装置 1 は、図2に示すグラフ生成機能 122 を有していてもよいし、さらに、図7に示す相関強度算出機能 124 を備えていてもよい。これらの機能を有する場合には、情報処理装置 1 は、データベースから情報を取得するとともに、新たなカルテ等の情報から抽出した固有表現をデータベースに登録し、又は、データベースの更新をすることができる。
【0074】
固有表現抽出機能 120 は、基本的な動作は前述の各実施形態と同様である。すなわち、固有表現抽出機能 120 は、入出力I/F 10 を介して入力された患者のカルテ等の医療情報を含むデータから、医療情報を固有表現として抽出する。前述の実施形態と同様に、カルテ等の情報は、医療従事者が入力するものであってもよいし、患者が入力するものであってもよいし、検査装置等から自動的に送信された検査結果を取得するものであってもよい。
【0075】
ノード抽出機能 126 は、固有表現抽出機能 120 が抽出した固有表現に関連するノードを、データベース (グラフデータベース) から抽出する。情報処理装置 1 は、ノード抽出部としてノード抽出機能 126 を備えることができる。
【0076】
図10は、一実施形態に係る情報処理装置 1 の処理を示すフローチャートである。
【0077】
情報処理装置 1 は、入出力I/F 10 を介してカルテ等の患者の医療情報を含むデータを取得する (S200) 。情報処理装置 1 は、ストーリーに沿った時系列に基づいた複数のデータを取得する前述の実施形態とは異なり、時系列とは関係なく、単数のデータを取得してもよい。もちろん、情報処理装置 1 は、時系列に沿った複数のデータを読み込んでもよい。
【0078】
固有表現抽出機能 120 は、取得したデータから固有表現を抽出する (S202) 。例えば、図8の例における病名の総称として、「非小細胞肺がん」を抽出する。
【0079】
ノード抽出機能 126 は、固有表現抽出機能 120 が抽出した固有表現を表すノードをデータベースから探索し、抽出する (S204) 。ノード抽出機能 126 は、ノードを抽出するとともに、ノードに付帯しているリレーションを併せて取得する。例えば、図8の「非小細胞肺がん」を表すノードを抽出した場合、ノード抽出機能 126 は、「非小細胞肺がん」に付帯するリレーションを併せて取得する。
【0080】
ノード抽出機能 126 は、抽出したノード及びリレーションから、 S204 において抽出したノードに関連するノードをさらに取得する (S206) 。 S204 において「非小細胞肺がん」を抽出した場合には、ノード抽出機能 126 は、リレーションに基づいて、 Stage I から Stage IV までの病名のノードを抽出することができる。
【0081】
このように、ノード抽出機能 126 は、固有表現として取得した医療情報を表すノードにリレーションを介して隣接するノードの情報を取得することができる。
【0082】
情報処理装置 1 は、ノード抽出機能 126 が抽出したノードに関連する情報を出力部としての入出力I/F 10 を介して出力する (S208) 。
【0083】
以上のように、本実施形態によれば、情報処理装置は、入力されたカルテ等の医療情報を含むデータに基づいて、当該医療情報を含むノード及びこのノードとリレーションを介して接続されるノードの情報を出力することができる。ユーザは、入力したデータに関連する病名、症状又は処置等の情報を、情報処理装置の出力から適切に取得することが可能となる。
【0084】
ユーザは、例えば、初診のカルテ情報から取得された病名の総称や症状から、候補となる詳細な病名に関する情報を取得することができる。この情報を用いることにより、ユーザは、適切な検査を指示することができる。これに代わり、情報処理装置が関連する詳細な病名についての検査を取得し、提示することもできる。
【0085】
上記においては、ノードと、関連する隣接ノードとを取得したが、情報処理装置は、さらに、リレーションに基づいた絞り込みをしてもよい。
【0086】
ノード抽出機能 126 は、例えば、「非小細胞肺がん」を表すノードを抽出した場合に、このノードのリレーションから相関強度情報を取得してもよい。ノード抽出機能 126 は、相関強度情報を確認することで、「非小細胞肺がん」と相関の強い「非小細胞肺がん Stage III」を表すノードを関連性の高いノードとして出力することもできる。
【0087】
図11は、情報処理装置 1 の出力の一例を示す図である。ノード抽出機能 126 は、例えば、「非小細胞肺がん」のリレーションから確率が高い順番に Stage III 、 Stage II 、 Stage IV 、 Stage I と並べて表示して出力してもよい。この場合、情報処理装置 1 は、ノード抽出機能 126 により抽出されたノードと関連ノードとのリレーションに含まれる相関強度に基づいて、ノードから導き出すことができる関連ノードがどれほど確からしいかを確率として表示してもよい。
【0088】
図11においては、確率が数値として示されているが、このように確定した数値ではなく、例えば、 Stage III の確からしさが A ランク、 Stage II 及び Stage IV の確からしさが B ランク、等と、明確な数値を示すことなくランク等で表してもよい。また、図8で求めたように、相関強度そのものを表示してもよい。
【0089】
図12は、情報処理装置 1 が出力するノードの順序の別の例を示す図である。固有表現抽出機能 120 は、例えば、初診のカルテから病名 (総称) と症状に関する固有表現を抽出する。ノード抽出機能 126 は、抽出された病名 (総称) と症状を表すノードを抽出するとともに、このノードに付帯しているリレーションに基づいて関連ノードとして病名 1 と病名 2 のノードを抽出する。
【0090】
ここで、ノード抽出機能 126 は、病名 (総称) のみに基づくと、病名 1 への相関強度が 0.8 であり、病名 2 への相関強度が 0.2 である。このため、病名 (総称) に基づくと、病名 1 である確からしさの方が高い。一方で、同じカルテから抽出した固有表現には、症状が存在する。この症状のノードは、病名 2 への相関強度が 1.0 であり、病名 1 へのリレーションが存在しない、換言すると相関強度が 0 である。
【0091】
このような状況である場合、ノード抽出機能 126 は、共通するカルテから取得された病名 (総称) を表すノードと、症状を表すノードとに共通している関連ノードである病名 2 の方がより確からしいという関連ノードの順序付けをすることができる。
【0092】
図13は、情報処理装置 1 が出力するノードの順序の別の例を示す図である。固有表現抽出機能 120 は、同一の患者の同一時系列データの情報から固有表現を抽出することができる。
【0093】
ノード抽出機能 126 は、複数のカルテ等 (例えば、カルテ 1 及びカルテ 2) のデータから患者の医療情報を抽出する。カルテ 1 及びカルテ 2 は、例えば、同一の患者の同一の罹患における (同一の時系列) におけるデータであってもよい。
【0094】
図13に示すように、固有表現抽出機能 120 は、例えば、カルテ 1 から症状を抽出し、カルテ 2 から病名 (総称) を抽出し、ノード抽出機能 126 は、これらの症状を現すノードと、病名 (総称) を表すノードとを抽出する。
【0095】
このように、同一の症状、罹患における時系列における複数のデータからそれぞれにノードを抽出することができる。さらに、情報処理装置 1 は、この場合においても、図12と同様に、 1 つのデータから複数のノードを抽出してもよい。
【0096】
このノードの抽出と併せて、ノード抽出機能 126 は、付帯しているリレーションに基づいて関連ノード及びノードから関連ノードへの相関強度の情報を取得することができる。一例として図13においては、ノード抽出機能 126 は、病名 1 及び病名 2 を関連ノードとして抽出し、リレーションの情報から、症状から病名 1 への相関強度が 0.4 、症状から病名 2 への相関強度が 0.6 、病名 (総称) から病名 1 への相関強度が 0.9 、病名 (総称) から病名 2 への相関強度が 0.1 であると取得する。これらの相関強度に基づいて、ノード抽出機能 126 は、関連ノードの順序付けをしてもよい。
【0097】
例えば、ノード抽出機能 126 は、病名 1 である強度を症状からの相関強度と、病名 (総称) からの相関強度の積を算出して 0.36 とし、病名 2 である強度を、 0.09 としてもよい。この強度の比 0.36 : 0.09 = 0.8 : 0.2 に基づいて、ノード抽出機能 126 は、病名 1 である確からしさが 0.8 であり、病名 2 である確からしさが 0.2 であるとして関連ノードの順序付けをしてもよい。
【0098】
このように、情報処理装置 1 は、複数のノードからのリレーションを参照することで、複数の関連ノードを順序づけて出力することができる。
【0099】
図14は、図11図12又は図13の出力をする情報処理装置の処理を示すフローチャートである。ノード抽出機能 126 は、関連ノードを抽出 (S206) した後に、関連ノードの順序付けをする (S2060) 。そして、情報処理装置 1 は、順序付けに基づいて関連ノードを出力する (S208) 。
【0100】
このような処理をすることで、取得したデータに基づいて、関連ノードについて相関強度等に基づいた関連性を併せて出力することができる。また、情報処理装置 1 は、図11のように関連性の高い順番がユーザから理解しやすい形態で関連ノードを出力することもできる。
【0101】
図15は、情報処理装置 1 が出力する関連ノードの別の一例を示す図である。情報処理装置 1 は、ノード抽出機能 126 が抽出したノード又は関連ノードに基づいて、考えうる処置を出力してもよい。
【0102】
ノード抽出機能 126 は、例えば、病名又は症状を表すノードを抽出した場合には、当該病名又は症状に関連する処置を探索することで、ユーザに有効であると考えられる処置を提案してもよい。
【0103】
ノード抽出機能 126 は、例えば、固有表現抽出機能 120 が抽出した病名 1 を表すノードを抽出する。この病名 1 に付帯しているリレーションに基づいて関連ノードとして、症状 1 を表すノードをノード抽出機能 126 が抽出する。この症状 1 は、固有表現抽出機能 120 が入力されたデータから抽出した固有表現に関する症状であってもよい。
【0104】
同様に、ノード抽出機能 126 は、病名 1 に関連する処置として、病名 1 に向かうリレーションを有するノードを抽出し、この病名 1 の関連ノードとして処置 1 及び処置 2 を表すノードをそれぞれ取得する。
【0105】
さらに、ノード抽出機能 126 は、処置を表す関連ノードに付帯しているリレーションをたどることで、処置に対する副作用があるか否かを探索し、副作用がある場合には、この処置を表す関連ノードに関連するノードとして、副作用を表すノードを取得してもよい。例えば、ノード抽出機能 126 は、処置 2 に関連する副作用として、病名 2 及び症状 2 を表すノードを抽出する。
【0106】
この場合、ノード抽出機能 126 は、一例として、処置 2 と比較して相関強度の弱い処置 1 については病名 1 を治療し、又は症状 1 を緩和する効能は弱いが副作用がなく、処置 1 と比較して相関強度の強い一方で副作用が関連ノードとして抽出された処置 2 については効能が高いが副作用として病名 2 又は症状 2 を発症する可能性があるとして、ユーザに提案をすることができる。
【0107】
この提案を医療従事者が閲覧することで、より好ましい処置をすることができる可能性があるし、患者が閲覧することで、自らが好ましいと考える処置を医療従事者に伝えたり、適切な薬品等を選択したりすることが可能となる。なお、副作用の探索は、オプションであってもよく、情報処理装置 1 は、副作用を出力しないで複数の処置を提案する形態であってもよい。この場合も、上記と同様に処置を表す関連ノードを順序付けすることで、処置それぞれに対する確からしさを出力することができる。
【0108】
図16は、図15の関連ノードを取得する処理を示すフローチャートである。なお、図14に示す順序付けを省略しているが、必要に応じてこの順序付けの処理をすることもできる。なお、ノード抽出機能 126 が抽出した入力データの固有表現に関するノードが処置を表すノードである場合には、本フローチャートの処理を実行することなく、ノード及び関連ノードの出力をしてもよい。
【0109】
関連ノードを抽出 (S206) した後、ノード抽出機能 126 は、処置に関する関連ノードを探索する (S2062) 。右に示すフローチャートがこの処置に関する関連ノードの探索処理を示す。
【0110】
ノード抽出機能 126 は、抽出したノード及び関連ノードにおいて、病名又は症状を表すノード (関連ノードを含む) であって、まだリレーションを用いて関連ノードとして処置ノードが接続されているか否かの探索をしていないノードがあるか否かを判定する (S260) 。病名又は症状を表す未探索のノードがない場合 (S260: NO) 、ノード抽出機能 126 は、 S2062 の処理を完了する。
【0111】
未探索のノードがある場合 (S260: YES) 、ノード抽出機能 126 は、当該未探索のノードから、リレーションを介して処置を示すノードがあるか否かを探索し、抽出する (S262) 。なお、この場合、前述の実施形態とは逆に、病名又は症状を表すノードに向かっているリレーションが付帯された処置を表すノードを抽出するとしてもよい。
【0112】
別の例として、ノードには自らが付帯するリレーションの他、自らに向かってリレーションを有するノードの情報がさらにデータベースに登録されていてもよい。これらのノードとリレーションの情報も、例えば、有向エッジを有するグラフとして解釈することでグラフデータベースに登録することができる。
【0113】
処置を表すノードを抽出した場合には、ノード抽出機能 126 は、処置を表すノードに付帯するリレーションに基づいて処置を表すノードの関連ノードを抽出する (S264) 。ノード抽出機能 126 は、処置を表すノードの関連ノードとして、例えば、図15に示すように副作用を表す関連ノードを抽出することができる。
【0114】
ノード抽出機能 126 は、探索が完了したか否かを判断する (S266) 。探索が完了していないと判断する場合 (S266: NO) 、ノード抽出機能 126 は、処置を表すノードの探索を継続する (S260 ~ S264) 。探索が完了したと判断する場合 (S266: YES) 、ノード抽出機能 126 は、処置の探索を完了する。
【0115】
情報処理装置 1 は、上記の処理においてノード抽出機能 126 が抽出した処置を表すノード、及び、処置を表すノードに付帯するリレーションに基づいて抽出した副作用を表すノードを、他の情報と併せて出力する (S208) 。このように出力することで、情報処理装置 1 は、病名又は症状に対する処置と、当該処置を施術した場合に発生しうる副作用とをユーザに提示することができる。
【0116】
なお、入力されたデータの固有表現が処置を表す場合においても同様に処理をすることができる。この場合、一例として、処置を表すノードに付帯するリレーションをたどることで、副作用等を表すノードの情報をノード抽出機能 126 は、抽出することができる。
【0117】
このように、本実施形態によれば、入力した第 1 データから抽出した固有表現を表す第 1 ノード、又は、第 1 ノードの関連ノードである第 2 ノードへとリレーションが向かっているノードを抽出することができ、このノードが処置を表すノードである場合には、第 1 ノード又は第 2 ノードに対する処置として、情報処理装置 1 は、ユーザにレコメンドすることができる。また、処置を表すノードに付帯するリレーションからたどることができるノードから副作用を表すノードを取得し、レコメンドした情報と併せて出力することができる。
【0118】
図17は、一実施形態に係る情報処理装置 1 が抽出したノードの一例を示す図である。固有表現抽出機能 120 は、例えば、入力データから病名の総称として「非小細胞肺がん」を固有表現として抽出する。
【0119】
ノード抽出機能 126 は、「非小細胞肺がん」の関連ノードとして Stage I から Stage VI を表すノードを抽出する。ノード抽出機能 126 は、これらの詳細な病名へのリレーションを付帯する処置を表すノードを抽出する。図17の例では、例えば、処方する薬品である「ゲフィチニブ」「エルロニチブ」を表すノード、及び、治療、手術である「放射線治療」「肺葉切除」を表すノードを、処置を表すノードとして抽出する。
【0120】
情報処理装置 1 は、この病名の総称、詳細な病名及び処置を表すノードを入出力I/F 10 を介して出力してもよい。また、情報処理装置 1 は、これらと併せて、リレーションの相関強度に基づいた確からしさにより順序付けして、ノードが表す情報を出力してもよい。
【0121】
さらに、ノード抽出機能 126 は、それぞれの処置を表すノードに付帯するリレーションに基づいて、副作用を表すノードを抽出することもできる。ノード抽出機能 126 は、例えば、ゲフィチニブのノードからは間質性肺炎、肝障害、エルロニチブのノードからは間質性肺炎、肝障害、放射線治療のノードからは倦怠感、肺葉切除のノードからは手術合併症、倦怠感、肝障害の副作用を表すノードを関連ノードとして抽出することができる。
【0122】
情報処理装置 1 は、これらの副作用を、処置と併せて出力することができる。
【0123】
図18は、一実施形態に係る情報処理装置 1 を模式的に示すブロック図である。処理回路 12 は、図9の構成に加え、さらに出力データ生成機能 128 を備える。情報処理装置 1 は、出力データ生成機能 128 を出力データ生成部として有することができる。
【0124】
出力データ生成機能 128 は、ノード抽出機能 126 が抽出したノードについて情報を整理するとともに、出力に適した形態へと変換し、入出力I/F 10 を介してユーザに情報を提供する。出力データ生成機能 128 は、ノードに含まれる種々の情報に基づいて出力する情報を取得し、また、必要に応じて出力する情報に関連するエビデンス等のデータを記憶部 14 から取得して、出力データを生成する。
【0125】
例えば、ノード抽出機能 126 により図17のようなグラフを取得した場合に、出力データ生成機能 128 は、図19のような出力データを生成し、ディスプレイ等に表示し、又は、プリンタを介して出力してもよい。また、必要に応じて、出力データ生成機能 128 は、音声データに変換してマイク等を介して出力をしてもよい。
【0126】
図19は、図17のように抽出されたノードについての出力I/F 10 を介して出力される GUI (Graphical User Interface) の一例を示す図である。情報処理装置 1 は、ノード抽出機能 126 が抽出したノードの状況に基づいて、図19に示すような表示をユーザに対して出力することができる。なお、一部図17に示す内容と異なる部分があるかもしれないが、一例として示すものであり、図17のようなノードを抽出した場合に、図19のような出力をすることができることを示すものである。
【0127】
出力データ生成機能 128 は、入力データであるカルテ入力を適切な箇所に表示するためのデータを生成する。上述したようにカルテ入力に代えて、患者自身が入力したアンケートの回答状況であってもよい。
【0128】
カルテ入力から取得した患者の医療情報に基づいて固有表現抽出機能 120 が抽出し、ノード抽出機能 126 が抽出したノードに基づいた情報を、出力データ生成機能 128 が出力に適した形に変換し、データを出力する。
【0129】
初診のカルテ情報から固有表現抽出機能 120 が「非小細胞肺がん」を抽出し、続く検査において「Stage III」であることを抽出した場合、ノード抽出機能 126 により抽出された結果に基づいて出力データ生成機能 128 は、総称として「非小細胞肺がん」を初診の結果として出力し、これに接続する「Stage III」診断結果として出力する。この際、検査結果において転移がない等の情報があれば、これらの情報を Stage III の診断結果と併せて出力することもできる。
【0130】
続いて、 Stage III に関連する処置として、「肺葉切除」「化学療法」「放射線治療」がノード抽出機能 126 により抽出される。出力データ生成機能 128 は、ノード抽出機能 126 が抽出したこれらの処置を表すノード及びこれらのノードに付帯するリレーションに基づいて、処置を提案する。
【0131】
出力データ生成機能 128 は、このタイミングにおいて、データベースからそれぞれの処置に関する情報を取得し、これらの情報に関連する情報をエビデンスとして複数の処置を行うことを提案することもできる。
【0132】
また、ノード抽出機能 126 が抽出したノードに付帯するリレーションに基づいて、それぞれの処置がどの程度有効であるか、どの程度お勧めであるかを併せて出力することができる。
【0133】
出力データ生成機能 128 はさらに、ノード抽出機能 126 が抽出したノードが表す処置についてのデータベースを参照することで、より具体的なプランを出力するためのデータを生成してもよい。この情報と併せて、ノード抽出機能 126 が抽出した副作用を表すノード及びリレーションに基づいて、出力データ生成機能 128 は、プランを実行した場合に起こりうる副作用を併せてデータを生成することができる。
【0134】
出力データ生成機能 128 は、副作用については、その他の患者の情報を取得することで、発生しうるリスクとしてデータを生成することもできる。情報処理装置 1 は、例えば、患者の血液検査の結果から固有表現を抽出し、固有表現を表すノード及び関連するノードを抽出し、これらのノードの情報からどの程度の副作用が起こりうるかといったデータを取得することもできる。情報処理装置 1 は、この副作用の発生する確率等に基づいてプランを生成することもできる。
【0135】
なお、上記においては、出力データ生成機能 128 がデータベースを参照することでエビデンスを取得するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ノード抽出機能 126 が抽出したノードにデータとして含まれるプロパティの情報に基づいて、出力データ生成機能 128 がデータを生成してもよい。
【0136】
以上のように、情報処理装置 1 によれば、入力した情報に基づいて、適切な提案と、発生しうる副作用等の情報をユーザに提供することが可能となる。
【0137】
図20は、情報処理装置 1 が抽出するノードの一例を示す図である。情報処理装置 1 は、ノードを抽出するタイミング、又は、抽出したノードを出力するタイミングにおいて、入力データに基づいたフィルタ処理をすることができる。
【0138】
情報処理装置 1 は、例えば、カルテから患者の医療情報として非小細胞肺がん及び Stage I であることを抽出する。ノード抽出機能 126 は、非小細胞肺がん Stage I に対する処置として、肺葉切除を表すノードを抽出する。フィルタが掛けられていない場合は、出力データ生成機能 128 は、この情報を出力データに変換して出力する。
【0139】
一方で、肺葉切除においては患者の体力が重要であるので、当該患者の年齢をフィルタ条件として利用することができる。ノード抽出機能 126 は、入力データに対応するノードのプロパティを参照することで患者の年齢に関する情報を取得し、患者年齢としきい値とを比較することで、肺葉切除を出力するか否かを決定してもよい。患者の年齢は、ノードのプロパティではなく、入力データから取得し、この情報をノード抽出機能 126 が用いてもよい。
【0140】
別の例として、ノード抽出機能 126 は、前述したような形態で処置を表すノードまでを抽出し、出力データ生成機能 128 がフィルタ処理をしてもよい。すなわち、ノードとして抽出はする一方で、出力データを生成するタイミングにおいて、フィルタ処理が施されてもよい。
【0141】
図20の下図に示すように、例えば患者の年齢がしきい値を上回っている場合には、肺葉切除を表す処置を提案しない、又は、提案する場合においても順序付けを下げることができる。すなわち、本形態においては、フィルタ処理とは、順序付けをするソート処理を含んでもよい。このフィルタは、ユーザが指定することで掛けられてもよいし、情報処理装置 1 が自動的に実行してもよい。
【0142】
図21は、フィルタ処理をする場合のフローチャートを示す図である。ノード抽出機能 126 が関連ノードを抽出 (S206) した後に、ノード抽出機能 126 又は出力データ生成機能 128 がフィルタ処理を実行する (S2064) 。
【0143】
出力データ生成機能 128 は、フィルタ処理を実行されたデータに基づいて、前述の形態と同様に、出力データを生成してユーザに処置をレコメンドすることができる。
【0144】
以上のように、情報処理装置 1 によれば、ユーザは、各種フィルタにより、より適切な処理の提案を取得することができる。
【0145】
なお、患者の年齢でフィルタ処理をしたが、限定されない一例として示したものであり、他のフィルタ条件を排除するものではない。例えば、患者の性別、既往症、アレルギー反応、生活習慣、妊娠状況等に基づいてフィルタ処理をすることができる。
【0146】
別の例として、データ入力された日付に基づいてフィルタ処理をしてもよい。例えば日付を参照することにより、たばこが流行っていた時期であったり、季節であったり、又は、診断方法の発展等といった情報を踏まえた相関強度に基づいた出力データを取得することができる。このようなフィルタ条件、ソート条件は、臨床における治療法の決定だけではなく、医療施設で提供する治療法の見直しにも利用することができる。
【0147】
(第 4 実施形態)
前述の実施形態においては、入力データに基づいて処置を提案する例について説明したが、本実施形態においては、統計的に有意である新たな治療を提案する例について説明する。医療においては、あまり関連性のない症状について、別の治療で用いられている処置が有効であることがある。このような治療方法は、医療従事者の経験等に基づいて発見されることがあるが、本実施形態においては、情報処理装置 1 は、前述の実施形態で取得されたデータベースに基づいた統計的な性質により、新たな治療方法を探索する。
【0148】
図22は、一実施形態に係る情報処理装置 1 を模式的に示すブロック図である。処理回路 12 は、固有表現抽出機能 120 と、ノード抽出機能 126 と、に加え、統計処理機能 130 をさらに備える。なお、本実施形態においては、処理回路 12 は、固有表現抽出機能 120 を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0149】
統計処理機能 130 は、ノード抽出機能 126 が抽出したノードについての統計処理をすることにより、統計的に有意な別のノードをデータベースから取得する。情報処理装置 1 は、統計処理部として統計処理機能 130 を有することができる。
【0150】
図23は、一実施形態に係る情報処理装置 1 の処理を示すフローチャートである。
【0151】
情報処理装置 1 は、入出力I/F 10 を介して、ターゲットの情報を取得する (S300) 。ターゲットは、統計的に有意な治療可能な病名、症状等を探索する処置、薬品等の医療情報を示す情報である。ターゲットが患者の医療情報に係る処置等、直接的な情報として与えられない場合には、固有表現抽出機能 120 が固有表現としてターゲットのデータを取得してもよい。
【0152】
ノード抽出機能 126 は、入力された、又は、固有表現抽出機能 120 が抽出したターゲット (処置) を表す患者ごとのノードをデータベースから抽出する (S302) 。続いて、ノード抽出機能 126 は、処置を表すノードのリレーションに基づいて、当該処置で対処できる病名、症状の情報を取得してもよい (S304) 。この関連ノードを抽出する処理は、任意であり必ずしも実行されなくてもよい。
【0153】
別の例として、ノード抽出機能 126 は、病名、症状を表すノードを抽出し、抽出したノードのリレーションに基づいて、ターゲットとなる処置を表す関連ノードの情報を取得してもよい。この場合、関連ノードである処置を表すノードに基づいて、下記の処理を実行する。
【0154】
統計処理機能 130 は、ノード抽出機能 126 が抽出したノードが表す処置から統計的に有意なノードを取得する (S306) 。
【0155】
一例として、統計処理機能 130 は、処置をした (薬剤を服用した) 患者に関する情報をデータベースから抽出する。統計処理機能 130 は、抽出した患者の医療情報を探索することで、病名及び/又は症状に関する処置に関連するノードを抽出する。この抽出処理は、ノード抽出機能 126 が実行してもよい。この処理において、統計処理機能 130 又はノード抽出機能 126 は、患者が処置を受けてからの期間でフィルタを掛けてもよい。また、グラフデータベースにおいて直接的にリレーションが接続される、又は、所定数以内のリレーションでたどることができる病名、症状についてのノードを除外してもよい。
【0156】
処理回路 12 は、処置に受けた患者のノードの取得から、関連ノードの取得までの処理が完了するまで、これらの処理を繰り返す (S306: NO ~ S302 又は S304) 。データ取得の完了条件は、例えば、指定された人数分のデータが取得したか否か、又は、条件に合致する患者 (当該処置を、条件を満たす期間内に受けた患者) の全てのデータを取得したか否か、といった条件であってもよい。
【0157】
上記の完了条件 (S306) で示される十分なデータを取得後、統計処理機能 130 は、取得した症状、病名の数と、全体の症状、病名の数の分布を比較する。比較した統計量において有意に差があれば、当該病名、症状を表すノードの情報を取得する (S308) 。
【0158】
情報処理装置 1 は、この結果を出力することで、ある処置が、当該処置を表すノードから直接的にリレーションを有しない病名、症状に統計的に有意であることをユーザに提示することができる (S310) 。
【0159】
図24は、上記の処理により抽出されるノードの一例を示す図である。ベーチェット病は、特定が困難な難病であるため、複数の症状と血液の炎症反応で診断が下される。第 1 実施形態の手法により生成されるデータベースにおいては、例えば、コルヒチンを服用しているぶどう膜炎、陰部潰瘍、口内炎を罹患している患者の割合は、ベーチェット病と診断された患者に対して有意的に少ない分布となる。このため、情報処理装置 1 は、上記のようにノードを抽出して、統計的な処理をすることで、ベーチェット病の処置としてコルヒチンを服用することをユーザに提示することができる。
【0160】
例えば、ベーチェット病では、特定の遺伝子が関連していることが示唆されているが、遺伝子検査が普及し、第 1 実施形態によるノードの情報として遺伝子検査の結果を表すノードを加えることで、遺伝子パターンのグループで見つかっていない相関を提案することもできる。
【0161】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置によれば、生成されたグラフデータベースを用いることで、新たな治療手法の提案をすることが可能となる。
【0162】
(第 5 実施形態)
前述の実施形態においては、入出力する情報は、患者の医療情報を含む情報から取得されたデータであった。本実施形態においては、既に確立されている処置方法等 (例えば、ガイドライン) をこのデータベースに取り入れる手法について説明する。
【0163】
図25は、一実施形態に係る情報処理装置 1 を模式的に示すブロック図である。処理回路 12 は、固有表現抽出機能 120 と、グラフ生成機能 122 と、に加えて、さらにラベル付与機能 132 を備える。情報処理装置 1 は、ラベル付与部としてラベル付与機能 132 を有することができる。
【0164】
前述したようにグラフデータベースは、治療、診断のストーリーに基づいて生成される。一般的に医療従事者は、過去の知見に基づいてストーリーを生成するため、ガイドラインに示される情報とストーリーに基づいて生成されたノード及びリレーションとは基本的に同様の形状になる。
【0165】
ラベル付与機能 132 は、ガイドラインから取得したノード間のリレーションに対応するラベルを、グラフデータベースにおいてリレーションの一部として登録されている相関情報に付与する。ラベル付与機能 132 は、例えば、ガイドラインからノードに対応する情報を取得し、併せてノード同士を接続するラベル情報を取得する。
【0166】
電子化されているガイドラインがあれば、ラベル付与機能 132 は、当該電子化されたガイドラインからラベル情報を取得してもよい。また別の例として、ノード間のラベル情報を医療従事者が入力できる形態であってもよく、この場合、ラベル付与機能 132 は、入力されたラベル情報をリレーションに付与する。
【0167】
図26は、一実施形態に係る情報処理装置 1 の処理を示すフローチャートである。 S100 から S106 の処理は、第 1 実施形態と同様であってもよいし、これらの処理を省略して既に登録されているデータベースから、ガイドラインの情報を付与するストーリーを抽出してもよい。この場合、処理回路 12 は、グラフ生成機能 122 に代えて、又は、グラフ生成機能 122 に加えて、ノード抽出機能 126 を有していてもよい。
【0168】
ラベル付与機能 132 は、ガイドラインから取得したラベル情報を、データベースにおけるリレーションに付与する (S400) 。
【0169】
図27図28及び図29は、それぞれ、ガイドラインの関係を示す図、並びに、相関で示されるグラフデータベース及びラベル付与されたグラフデータベースから抽出したノードとリレーションをそれぞれに示す図である。これらの図を用いて、 S400 の処理を説明する。
【0170】
ラベル付与機能 132 は、ガイドラインから病名 (総称) 、病名 (詳細) 、症状、処置及び副作用等の一連のストーリーに基づいた情報を取得する。取得した情報をグラフで表したものが図27に示す図である。例えば、病名 (総称) から病名 1 へは詳細化、症状 1 へは因果関係、病名 1 から症状 1 へは因果関係のリレーションが示される。また、処置からは、病名 1 及び症状 1 には、それぞれ治療、緩和のリレーションが示され、病名 2 及び症状 2 には、副作用のリレーションが示される
【0171】
一方で、ノード抽出機能 126 は、グラフデータベースにおいて、病名 (総称) からリレーションにしたがってたどることができるノード及びリレーションを抽出する。取得したグラフが図28に示す図である。例えば、病名 (総称) から病名 1 及び症状 1 への相関強度、病名 1 から症状 1 への相関強度、処置から病名 1 、症状 1 、病名 2 及び症状 2 への相関強度がそれぞれに示される。
【0172】
ラベル付与機能 132 は、例えば、図27及び図28のように抽出されたノードを対応させて、グラフデータベースから取得したグラフにおいてノードに付帯する相関強度を示すリレーションについて、ラベルを付与し、グラフデータベースを更新する。このラベルが付与されたグラフが図29に示す図である。
【0173】
例えば、病名 (総称) から病名 1 には、詳細化のラベルが付与され、相関強度が 0.2 であり、病名 (総称) から症状 1 には、因果のラベルが付与され、相関強度が 0.2 であることがリレーションにデータとして登録される。
【0174】
以上のように、ガイドラインに基づいてラベルを付与することで、情報処理装置 1 は、リレーションにユーザが理解可能である意味を付与したグラフを提示することが可能となる。また、前述した実施形態における出力データ生成機能 128 が付与されたラベルを参照することで、抽出したグラフから出力データを生成するタイミングにおいてより正確なノード間の意味づけを用いることができる。
【0175】
この出力によれば、医療従事者又は患者がグラフを参照することで、治療、緩和なのか、副作用なのか、といった情報をノードに関する情報と併せて容易に取得することが可能となる。例えば、出力されたノードに関する情報に対して、マニュアルを参照したり、医療従事者の経験に基づいた判断をしたりすることなく、適切な情報を取得することが可能となる。
【0176】
医療従事者は、このラベルを閲覧し、よりよい表現がある場合には、入出力I/F 10 を介してラベル付与機能 132 に修正したラベルを付与し、グラフデータベースを更新することができる形態としてもよい。医療従事者は、例えば、患者にとってもわかりやすい表現をラベルとして付与したグラフデータベースの更新をすることも可能である。
【0177】
なお、図27図28は、ノードと有向エッジの関係性が同一のものとなっているが、これに限定されず、一方のノード及びリレーションが他方よりも多くてもよい。この場合、ラベル付与機能 132 は、両者に共通する範囲においてラベル付けをすることができる。
【0178】
上記のラベル付与は、情報処理装置 1 の導入の初期、すなわち、患者のデータの取り込みが少ない状態においてはノードとリレーションの情報が十分ではない。このため、情報処理装置 1 は、ガイドラインから抽出されるノードとリレーションを初期のダミーデータとして利用してもよい。
【0179】
図30は、一実施形態に係る情報処理装置 1 を模式的に示すブロック図である。処理回路 12 は、グラフ抽出機能 134 と、プロパティ付帯機能 136 と、ラベル付与機能 132 を備える。
【0180】
グラフ抽出機能 134 は、ガイドラインからノード及びリレーションに関する情報、すなわち、グラフに関する情報を抽出する。情報処理装置 1 は、グラフ抽出部としてグラフ抽出機能 134 を有することができる。
【0181】
グラフ抽出機能 134 は、例えば、ガイドラインから抽出した医療情報に基づいて、ガイドラインからグラフ情報を抽出する。電子化されたガイドラインがグラフの形態である場合には、グラフ抽出機能 134 は、このガイドラインを表すグラフを取得してもよい。
【0182】
処理回路 12 はさらに、固有表現抽出機能 120 を有していてもよく、ガイドラインから固有表現として医療情報を抽出し、グラフ抽出機能 134 は、固有表現抽出機能 120 が抽出した固有表現に基づいてノードに関する情報を抽出してもよい。
【0183】
プロパティ付帯機能 136 は、グラフ抽出機能 134 が抽出したノードに対して、プロパティ情報を付帯させる。情報処理装置 1 は、プロパティ付帯部としてプロパティ付帯機能 136 を有することができる。
【0184】
プロパティ付帯機能 136 は、グラフ抽出機能 134 が抽出したノードに対してプロパティを付帯する。プロパティは、上述したように、患者の属性を示す情報、例えば、患者の性別、年齢等の情報であってもよい。なお、患者 ID 等の情報をプロパティが有する場合には、プロパティ付帯機能 136 は、プロパティを付帯するノードがダミーノードである旨の ID を付帯することもできる。ダミーノードを示すプロパティを付帯することで、実際の患者の情報から取得したノードではないことを明確にすることができる。
【0185】
図31は、一実施形態に係る情報処理装置 1 の処理を示すフローチャートである。
【0186】
グラフ抽出機能 134 は、ガイドラインからグラフを抽出する (S500) 。グラフ抽出機能 134 は、例えば、あるノードから所定の距離内にあるノードを取得してもよい。グラフ抽出機能 134 は、例えば、図27の例であれば、症状 1 を表すノードを抽出し、このノードから距離 1 の範囲である、病名 (総称) 、病名 1 及び処置のノードを抽出することができる。
【0187】
プロパティ付帯機能 136 は、グラフ抽出機能 134 が抽出したノードに対してプロパティを付帯する (S502) 。プロパティ付帯機能 136 は、ノードが表す医療情報に対して、医療情報としてあり得る適切なプロパティを付帯させる。プロパティ付帯機能 136 は、例えば、ノードに対して、患者の年齢、性別といった情報を付帯させる。
【0188】
プロパティ付帯機能 136 は、患者の年齢として既知の範囲における分布にしたがって、複数のプロパティを付帯した複数のノードを生成してもよい。プロパティ付帯機能 136 は、女性特有の病気、症状、又は、男性特有の病気、症状といった場合には、特定される性別をプロパティとして付帯する。プロパティ付帯機能 136 は、このように、グラフ抽出機能 134 が抽出したノードに対して、複数のプロパティを付与した複数のダミーノードを並行して生成することができる。
【0189】
ラベル付与機能 132 は、必要に応じてノード間にリレーションとしてラベル情報を付与してもよい。
【0190】
処理回路 12 は、抽出されてプロパティが付帯されたグラフ情報を、グラフデータベースに登録する (S504) 。
【0191】
このようにガイドラインにしたがったダミーデータを生成することで、データベースを参照する際に、データベースを構築する実データが少ない場合であっても適切なデータをユーザに出力することができる。
【0192】
また、情報処理装置 1 は、適切な期間ごとに、実データに基づくグラフと、ガイドラインに基づくグラフとを比較してもよい。ガイドラインは、一度策定、制定されると改訂までに時間が掛かることがあるが、本開示における実データに基づいたグラフ情報と比較することで、ガイドラインが策定、制定された時期よりも新しい治療法、新しい知見等に基づいた差異点を抽出することができる。この抽出した差異点に基づいて、ガイドラインを改定することも可能となる。
【0193】
別の例として、プロパティ付帯機能 136 は、あえて分布に偏りがあるプロパティを付帯したダミーデータを生成することも可能である。例えば、新しい治療法、新薬等についての実効性を確かめるために、これらの処置に対する重みが強くなるようにプロパティを付帯させたダミーノード及びリレーションを有するグラフを生成することができる。
【0194】
上記の実施形態では、入力インタフェースは、各種設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現することができる。入力インタフェースは、制御回路に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し制御回路へと出力する。なお、本明細書において入力インタフェースは、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェースの例に含まれる。
【0195】
また、上記の実施形態では、情報処理機能の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路に記録されている。処理回路は、プロセッサを含むことができる。例えば、処理回路は、プログラムから記憶回路を読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路は、図面に示した処理回路内に示されている各機能を有する。なお、図面においては、単一のプロセッサにおいてそれぞれの処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現してもよい。また、図面においては単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置し、処理回路は、それぞれの記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としてもよい。
【0196】
上記説明では、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムを記憶回路から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、 CPU (Central Processing Unit) 、 GPU (Graphics Processing Unit) 、特定用途向け集積回路 (Application Specific Integrated Circuit: ASIC) 、プログラマブル論理デバイス (例えば、単純プログラマブル論理デバイス (Simple Programmable Logic Device: SPLD) 、復号プログラマブル論理デバイス (Complex Programmable Logic Device: CPLD) 及びフィールドプログラマブルゲートアレイ (Field Programmable Gate Array: FPGA)) 等の回路を意味することができる。プロセッサが例えば CPU である場合、プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが ASIC である場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限られず、複数の独立した回路を組み合わせて 1 つのプロセッサとして構成し、その機能を実現してもよい。さらに、図面における複数の構成要素を 1 つのプロセッサへ統合してその機能を実現してもよい。
【0197】
また、上記においては、情報処理装置として記載されているが、複数の情報処理装置が情報処理システムを構成してもよい。すなわち、本開示における情報処理装置は、矛盾しない範囲において情報処理システムと置き換えて考えることも可能である。例えば、データベースは、情報処理システム内に備えられるファイルサーバ、データベースサーバ等に格納されてもよい。例えば、処理回路は、情報処理システム内の複数の情報処理装置において複数個が備えられていてもよく、複数の処理回路が前述に説明した 1 又は複数の機能を単独で、又は、協働して実装してもよい。。
【0198】
以上説明した少なくとも 1 つの実施形態によれば、適切な診断、治療計画の候補を提示すること、及び、提示するためのデータベースを生成することができる。
【0199】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0200】
1: 情報処理装置、
10: 入出力I/F 、
12: 処理回路、
120: 固有表現抽出機能、
122: グラフ生成機能、
124: 相関強度算出機能、
126: ノード抽出機能、
128: 出力データ生成機能、
130: 統計処理機能、
132: ラベル付与機能、
134: グラフ抽出機能、
136: プロパティ付帯機能、
14: 記憶部、
16: バス
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