(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011035
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】粒子線治療システムおよび移動床装置駆動方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/01 20060101AFI20240118BHJP
A61N 5/10 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61N5/01 Z
A61N5/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112702
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 紘大
(72)【発明者】
【氏名】龍頭 啓充
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 芳朗
(72)【発明者】
【氏名】北川 希代彦
(72)【発明者】
【氏名】武田 智仁
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AC04
4C082AE02
4C082AG54
4C082AT04
(57)【要約】
【課題】回転ガントリーと建屋床の間に架け渡される床を適宜に形成し、かつ床を適宜に収納することができる粒子線治療システムの移動床装置の駆動技術を提供する。
【解決手段】粒子線治療システム1は、粒子線7を患者8に照射する照射ポート13を支持し、回転することで照射ポート13の角度を変更する回転ガントリー5と、患者8を載置する治療台17が設けられている建屋床25と、回転ガントリー5と建屋床25の間に架け渡される移動床装置26と、を備えるものであり、移動床装置26は、回転ガントリー5および建屋床25の一方から他方に向かってスライド移動する複数の床板31を備え、複数の床板31で床面を形成するときに、複数の床板31を水平方向に沿って並べて配置し、複数の床板31を収容するときに、少なくとも1つの床板31を立てた状態で配置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線を患者に照射する照射ポートを支持し、回転することで前記照射ポートの角度を変更する回転ガントリーと、
前記患者を載置する治療台が設けられている建屋床と、
前記回転ガントリーと前記建屋床の間に架け渡される移動床装置と、
を備えるものであり、
前記移動床装置は、前記回転ガントリーおよび前記建屋床の一方から他方に向かってスライド移動する複数の床板を備え、
複数の前記床板で床面を形成するときに、複数の前記床板を水平方向に沿って並べて配置し、
複数の前記床板を収容するときに、少なくとも1つの前記床板を立てた状態で配置する、
粒子線治療システム。
【請求項2】
前記移動床装置は、前記回転ガントリーと前記建屋床の間に架け渡され、かつ水平方向に延びる複数の水平ガイドフレームを備え、
複数の前記床板が前記水平ガイドフレームに設けられたガイドレールに沿って移動し、
複数の前記床板で床面を形成するときに、前記水平ガイドフレームが前記回転ガントリーおよび前記建屋床の一方から他方に向かって突出し、
複数の前記床板を収容するときに、前記水平ガイドフレームが前記回転ガントリーおよび前記建屋床の少なくとも一方に退避する、
請求項1に記載の粒子線治療システム。
【請求項3】
前記照射ポートが前記水平ガイドフレームと干渉する角度のときに、複数の前記水平ガイドフレームのうち、少なくとも前記照射ポートと干渉する前記水平ガイドフレームが前記回転ガントリーおよび前記建屋床の少なくとも一方に退避する、
請求項2に記載の粒子線治療システム。
【請求項4】
前記移動床装置は、前記回転ガントリーおよび前記建屋床の少なくとも一方に設けられ、複数の前記床板を収容し、垂直方向に延びる複数の垂直ガイドフレームを備え、
複数の前記床板が前記水平ガイドフレームと前記垂直ガイドフレームのそれぞれに設けられた前記ガイドレールに沿って移動し、
退避する前記水平ガイドフレームに支持されている複数の前記床板を前記垂直ガイドフレームに収容する、
請求項2または請求項3に記載の粒子線治療システム。
【請求項5】
前記移動床装置は、前記水平ガイドフレームと前記垂直ガイドフレームにより側面視でL字形状に設けられた前記ガイドレールに沿って複数の前記床板を移動させる駆動機器を備える、
請求項4に記載の粒子線治療システム。
【請求項6】
それぞれの前記床板は、1本の前記ガイドレールを挟み込む少なくとも3つの車輪を備える、
請求項2または請求項3に記載の粒子線治療システム。
【請求項7】
前記移動床装置は、前記回転ガントリーおよび前記建屋床の一方に設けられて前記水平ガイドフレームを他方に向かって突出させる突出機器を備える、
請求項2または請求項3に記載の粒子線治療システム。
【請求項8】
複数の前記床板が水平方向に沿って並べて配置されて1つの列が形成され、かつ複数の前記列の間に前記水平ガイドフレームが設けられており、
複数の前記水平ガイドフレームのうち、平面視で前記治療台に近い中央部の前記水平ガイドフレームが前記回転ガントリー側に退避し、前記治療台から遠い側部の前記水平ガイドフレームが前記建屋床側に退避する、
請求項2または請求項3に記載の粒子線治療システム。
【請求項9】
粒子線を患者に照射する照射ポートを支持し、回転することで前記照射ポートの角度を変更する回転ガントリーと、
前記患者を載置する治療台が設けられている建屋床と、
前記回転ガントリーと前記建屋床の間に架け渡される移動床装置と、
を備える粒子線治療システムを用いて行う方法であり、
前記移動床装置は、前記回転ガントリーおよび前記建屋床の一方から他方に向かってスライド移動する複数の床板を備え、
複数の前記床板で床面を形成するときに、複数の前記床板を水平方向に沿って並べて配置し、
複数の前記床板を収容するときに、少なくとも1つの前記床板を立てた状態で配置する、
移動床装置駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、粒子線治療システムの移動床装置の駆動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子線治療システムの回転ガントリーは、照射ポートが任意の角度となるように回転させるものである。これにより、粒子線が最適な方向から患者に照射される。その構成の一例を挙げると、円筒型のガントリー本体胴および移動床を有するものがある。ここで、移動床は、ガントリー本体胴の回転と無関係にフラットな床面を維持するために設けられている。移動床の駆動方法としては、扉開閉式とスライド式がある。また、別の一例を挙げると、複数枚に分割された移動床をガントリー本体胴の内周面に沿って並べて配置し、ガントリー本体胴の回転と同期させつつ、これらの移動床の回転を制御するものがある。
【0003】
扉開閉式の移動床は、ガントリー本体胴の回転速度を速くした場合に、移動床を折り込む速度も速くしなければならず、制御が煩雑になる。一方、スライド式の移動床は、限られたスペースであるガントリー本体胴内に多数の移動床およびその駆動機構を設置しなければならない。また、治療台の下方に移動床を収納するものもあるが、治療台の柱を避けるように移動床を収納しなければならない。さらに、ガントリー本体胴の内周面に複数枚の移動床を並べたものは、複数枚の移動床を同期させる必要があり、制御が煩雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4113897号公報
【特許文献2】特許第5452262号公報
【特許文献3】特開2022-32237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、回転ガントリーと建屋床の間に架け渡される床を適宜に形成し、かつ床を適宜に収納することができる粒子線治療システムの移動床装置の駆動技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る粒子線治療システムは、粒子線を患者に照射する照射ポートを支持し、回転することで前記照射ポートの角度を変更する回転ガントリーと、前記患者を載置する治療台が設けられている建屋床と、前記回転ガントリーと前記建屋床の間に架け渡される移動床装置と、を備えるものであり、前記移動床装置は、前記回転ガントリーおよび前記建屋床の一方から他方に向かってスライド移動する複数の床板を備え、複数の前記床板で床面を形成するときに、複数の前記床板を水平方向に沿って並べて配置し、複数の前記床板を収容するときに、少なくとも1つの前記床板を立てた状態で配置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により、回転ガントリーと建屋床の間に架け渡される床を適宜に形成し、かつ床を適宜に収納することができる粒子線治療システムの移動床装置の駆動技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の粒子線治療システムの全体構成を示す平面図。
【
図3】
図2のIII-III断面に対応する回転ガントリーを示す正面図。
【
図4】回転ガントリーを回転させた状態を示す正面図。
【
図5】水平ガイドフレームを突出させるときの移動床装置を示す平面図。
【
図6】複数の床板を並べるときの移動床装置を示す平面図。
【
図7】複数の床板を並べて床面が形成された状態の移動床装置を示す側面図。
【
図8】複数の床板を収容した状態の移動床装置を示す側面図。
【
図9】水平ガイドフレームを回転ガントリー側に退避させた状態を示す側面図。
【
図10】水平ガイドフレームを建屋床側に退避させた状態を示す側面図。
【
図11】第2実施形態の移動床装置で床面を形成した状態を示す側面図。
【
図12】第2実施形態の移動床装置を収容した状態を示す側面図。
【
図13】第3実施形態の移動床装置で床面を形成した状態を示す側面図。
【
図14】第3実施形態の移動床装置を収容した状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、粒子線治療システムおよび移動床装置駆動方法の実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について
図1から
図10を用いて説明する。なお、
図2、
図5から
図10の紙面左側を回転ガントリーの正面側(前方側)とし、紙面右側を回転ガントリーの背面側(後方側)として説明する。図面では、直交座標系において、回転ガントリーの軸方向をZ方向とした場合に、これに直交する垂直方向(上下方向)をY方向とし、これらに直交する水平方向をX方向として図示している。なお、回転ガントリーの外周面に沿って軸回りに回転する方向を周方向と称する場合がある。
【0010】
図1の符号1は、本実施形態の粒子線治療システムである。この粒子線治療システム1は、炭素イオンなどの粒子線(治療用放射線)を被検体としての患者の病巣組織(がん)に照射して治療を行うものである。
【0011】
粒子線治療システム1を用いた放射線治療技術は、重粒子線がん治療技術などとも称される。この技術は、がん病巣(患部)を炭素イオンがピンポイントで狙い撃ちし、がん病巣にダメージを与えながら、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能とされる。なお、粒子線とは、放射線のなかでも電子より重いものと定義され、陽子線、重粒子線などが含まれる。このうち重粒子線は、ヘリウム原子より重いものと定義される。
【0012】
重粒子線を用いるがん治療では、従来のエックス線、ガンマ線、陽子線を用いたがん治療と比較してがん病巣を殺傷する能力が高く、患者の体の表面では放射線量が弱く、がん病巣において放射線量がピークになる特性を有している。そのため、照射回数と副作用を少なくすることができ、治療期間をより短くすることができる。
【0013】
図1に示すように、粒子線治療システム1は、ビーム発生器2と円形加速器3とビーム輸送ライン4と回転ガントリー5とを備える。
【0014】
ビーム発生器2は、荷電粒子である炭素イオンのイオン源を有し、この炭素イオンによって粒子線7(
図2)を生成する。円形加速器3は、平面視でリング状を成し、ビーム発生器2で生成された粒子線7を加速する。ビーム輸送ライン4は、円形加速器3で加速された粒子線7を回転ガントリー5に輸送する。回転ガントリー5には、粒子線7が照射される患者8(
図2)が配置される。
【0015】
この粒子線治療システム1では、まず、ビーム発生器2で生成された炭素イオンの粒子線7が、ビーム発生器2から円形加速器3に入射される。この粒子線7は、円形加速器3を約百万回周回する間に光速の約70%まで加速される。そして、この粒子線7がビーム輸送ライン4を介して回転ガントリー5まで導かれる。
【0016】
ビーム発生器2と円形加速器3とビーム輸送ライン4は、内部が真空にされる真空ダクト6(ビームパイプ)を備える。この真空ダクト6の内部を粒子線7が進行する。ビーム発生器2と円形加速器3とビーム輸送ライン4が有する真空ダクト6が一体となり、粒子線7を回転ガントリー5まで導く輸送経路が形成される。つまり、真空ダクト6は、粒子線7を通過させるために、充分な真空度を有する密閉された連続空間である。
【0017】
図2の断面図に示すように、回転ガントリー5は、円筒形状を成す装置である。この回転ガントリー5は、その円筒の軸(水平軸9)が水平方向を向くように設置される。この水平軸9を中心として回転ガントリー5が回転可能となっている。
【0018】
回転ガントリー5は、粒子線治療システム1が設けられている治療施設を構成する建屋の躯体10に支持されている。例えば、この回転ガントリー5の本体胴19の前部と後部には、エンドリング11が固定されている。これらのエンドリング11の下方位置には、エンドリング11を回転可能な状態で支持し、かつ駆動モータを備える回転駆動部12が設けられている。これらの回転駆動部12は、躯体10に支持されている。回転駆動部12の駆動力は、エンドリング11を介して回転ガントリー5に与えられ、回転ガントリー5が水平軸9周りに回転される。
【0019】
回転ガントリー5には、ビーム輸送ライン4(
図1)から延びる真空ダクト6が設けられている。真空ダクト6は、まず、回転ガントリー5の後方側からその水平軸9に沿って内部に導かれる。そして、真空ダクト6は、回転ガントリー5の外周面よりも外側に向けて一旦延びた後、再び回転ガントリー5の内側に向けて延びる。この真空ダクト6の先端部は、患者8に近接する位置まで延びる。
【0020】
なお、特に図示はしないが、真空ダクト6において、回転ガントリー5の水平軸9に沿う部分には、所定の回転機構が設けられている。真空ダクト6は、この回転機構よりも外側の部分が静止した状態であり、この回転機構よりも内側の部分が回転ガントリー5の回転とともに回転するようになっている。
【0021】
また、回転ガントリー5には、粒子線7を患者8に向けて照射する照射ポート13と、この照射ポート13に粒子線7を輸送する輸送部14とが設けられている。つまり、照射ポート13と輸送部14は、回転ガントリー5に支持されている。
【0022】
さらに、輸送部14は、粒子線7を輸送する経路を形成する磁場を発生させる超電導電磁石15を備えている。これらの超電導電磁石15は、例えば、真空ダクト6に沿って粒子線7の進行方向を変更する偏向電磁石、または、粒子線7の収束および発散を制御する四極電磁石などである。
【0023】
照射ポート13は、真空ダクト6の先端部に設けられ、輸送部14により導かれた粒子線7を患者8に向けて照射する。この照射ポート13は、回転ガントリー5の内周面に固定されている。なお、粒子線7は、照射ポート13から水平軸9に対して直交する方向に照射される。
【0024】
回転ガントリー5の内部には、粒子線治療を行う治療空間16が設けられる。患者8は、この治療空間16に設けられた治療台17に載置される。この治療台17は、患者8を載置した状態で移動可能となっている。この治療台17の移動によって患者8を粒子線7の照射位置に移動させて位置合わせを行うことができる。そのため、患者8の病巣組織など、適切な部位に粒子線7を照射することができる。
【0025】
患者8は水平軸9の位置に配置され、回転ガントリー5を回転させることで、静止している患者8を中心として照射ポート13を回転させることができる。例えば、患者8(水平軸9)を中心として照射ポート13を、背面視で時計回り(右回り)または反時計回り(左回り)に180度ずつ回転させることができる。そして、患者8の周囲のいずれの方向からも粒子線7を照射させることができる。つまり、回転ガントリー5は、ビーム輸送ライン4により導かれた粒子線7の患者8に対する照射方向を変更可能な装置である。そのため、患者8の負担を軽減しつつ、適切な方向から粒子線7をより高い精度で患部に照射することができる。
【0026】
粒子線7は、患者8の体内を通過する際に運動エネルギーを失って速度が低下するとともに、速度の二乗にほぼ反比例する抵抗を受け、ある一定の速度まで低下すると急激に停止する。この粒子線7の停止点はブラッグピークと呼ばれ、高エネルギーが患部に付与される。粒子線治療システム1は、このブラッグピークを患者8の病巣組織の位置に合わせることにより、正常組織のダメージを抑えつつ、病巣組織のみを死滅させることができる。
【0027】
回転ガントリー5の内部に設けられた治療空間16は、回転ガントリー5の正面側にある治療室18と一体を成すように形成されている。なお、治療台17は、建屋の躯体10に支持されている。つまり、回転ガントリー5および照射ポート13が回転されても、治療台17の位置は変化しないようになっている。
【0028】
回転ガントリー5の内部には、化粧板としての内壁部20が設けられている。この内壁部20は、円盤状を成し、その周縁が、回転ガントリー5の内周面の全周に亘って設けられた支持レール21に支持されている。この内壁部20は、支持レール21により周方向に回転自在に支持されている。
【0029】
内壁部20において、治療空間16に向く側には、静止フレーム22が設けられている。この静止フレーム22は、内壁部20に対して固定されている。この静止フレーム22も、回転ガントリー5の内周面の全周に亘って設けられた別途の支持レール21に支持され、かつ支持レール21により周方向に回転自在に支持されている。この静止フレーム22は、回転ガントリー5の内部に所定の部材を配置するために設けられている。
【0030】
内壁部20において、治療空間16と反対側の中央部には、逆回転同期モータ23が接続されている。この逆回転同期モータ23は、支持棒24を介して回転ガントリー5の内周面に固定されている。回転ガントリー5が回転したときに、逆回転同期モータ23を駆動させることで、その駆動力により、内壁部20が回転ガントリー5の回転方向とは逆方向に回転するようになる。
【0031】
例えば、回転ガントリー5が正面視で右回りに回転するときに、内壁部20を左回りに回転させる。このとき、回転ガントリー5の回転速度と内壁部20の回転速度とが同一になるよう制御する。つまり、内壁部20は、回転ガントリー5が回転されても、見かけ上、静止しているようになる。また、内壁部20に固定されている静止フレーム22も、静止しているようになる。
【0032】
粒子線治療システム1は、回転ガントリー5の構成に加えて、建屋床25と移動床装置26と静止床27と台駆動装置28と制御装置29とをさらに備える。
【0033】
制御装置29は、回転ガントリー5と移動床装置26と台駆動装置28とを制御する。この制御装置29は、CPU、ROM、RAM、HDDなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態の移動床装置駆動方法は、各種プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
【0034】
なお、制御装置29の各構成は、必ずしも1つのコンピュータに設ける必要はない。例えば、1つの制御装置29が、ネットワークで互いに接続された複数のコンピュータで実現されても良い。
【0035】
建屋床25は、建屋側の床であり、静止している治療室18の床である。この建屋床25に、患者8を載置する治療台17が設けられている。なお、治療台17は、治療室18から回転ガントリー5の内部まで移動可能となっている。
【0036】
台駆動装置28は、治療台17を駆動させるものである。この台駆動装置28は、建屋床25の下方に設けられている。この台駆動装置28から延びる支持柱30が、建屋床25を貫通しており、この支持柱30に治療台17が支持されている。
【0037】
静止床27は、回転ガントリー5の内部で静止フレーム22に支持されている。なお、回転ガントリー5が回転されても、静止床27は静止している。
【0038】
移動床装置26は、回転ガントリー5の静止床27と建屋床25の間に架け渡されるものである。この移動床装置26は、静止床27および建屋床25の一方から他方に向かってスライド移動する複数の床板31を備える。なお、複数の床板31は、蝶番部32で互いに連結されている。
【0039】
移動床装置26の複数の床板31で床面(足場)が形成される。この床面は、建屋床25と静止床27に対し、ほぼ面一を成すように設けられる。治療の準備などが行われるときには、これら複数の床板31により構成された床面上を技師が歩行することができる。また、治療中に治療台17が緊急停止した場合には、患者8がこの床面上を歩行することもある。
【0040】
また、移動床装置26は、複数の床板31で床面を形成するときに、複数の床板31を水平方向に沿って並べて配置し、複数の床板31を収容するときに、床板31を立てた状態で配置する。例えば、建屋床25よりも下方向に複数の床板31がスライド移動する。
【0041】
なお、床板31を立てた状態とは、床板31の最も広い面が垂直を成す状態、または、床板31が壁状に配置される状態である。また、床板31が若干傾いた状態で立てられていても、床板31を立てた状態に含まれる。
【0042】
移動床装置26は、複数の床板31をスライド移動させるための複数の水平ガイドフレーム33と複数の垂直ガイドフレーム34とを備える。
【0043】
水平ガイドフレーム33(
図7)は、回転ガントリー5の静止床27と建屋床25の間に架け渡され、かつ水平方向に延びる部材である。なお、水平ガイドフレーム33の前方側の端部は、垂直ガイドフレーム34と連結できるように、下方に向かって屈曲されている。また、水平ガイドフレーム33は、複数の床板31を水平方向に案内するガイドレール35を有する。このガイドレール35は、水平ガイドフレーム33に沿って延び、かつ水平ガイドフレーム33に固定されている。ガイドレール35の前方側の端部も、下方に向かって屈曲されている。
【0044】
また、建屋床25の後端縁には、補助板37(
図7から
図8)が設けられている。この補助板37は、水平ガイドフレーム33の屈曲されている部分の上面側を覆っている。補助板37が在ることで、水平ガイドフレーム33および床板31で形成される床面が、建屋床25とほぼ面一を成すようになり、この床面上を歩く人が水平ガイドフレーム33の屈曲されている部分で躓くことがなくなる。なお、補助板37は、所定の開閉機構により上方に揺動可能となっている(
図9から
図10)。
【0045】
垂直ガイドフレーム34(
図8)は、建屋床25の下方位置に設けられ、複数の床板31を収容し、垂直方向に延びる部材である。また、垂直ガイドフレーム34は、複数の床板31を垂直方向に案内するガイドレール36を有する。このガイドレール36は、垂直ガイドフレーム34に沿って延び、かつ垂直ガイドフレーム34に固定されている。なお、垂直ガイドフレーム34が若干傾いた状態であっても、垂直方向に延びるものに含まれる。
【0046】
図7から
図8に示すように、複数の床板31は、水平ガイドフレーム33と垂直ガイドフレーム34のそれぞれに設けられたガイドレール35,36に沿って移動する。それぞれの床板31は、ガイドレール35,36を挟み込む3つの車輪38を備える。このようにすれば、少なくとも3つの車輪38で床板31を安定的に支持しつつ、床板31をガイドレール35,36に沿って移動させることができる。
【0047】
移動床装置26は、水平ガイドフレーム33と垂直ガイドフレーム34により側面視でL字形状に設けられたガイドレール35,36に沿って複数の床板31を移動させる駆動機器39をさらに備える。この駆動機器39は、連結された複数の床板31のうち、少なくとも1枚の床板31に設けられている。駆動機器39は、例えば、床板31のそれぞれの車輪38を回転駆動させる駆動モータとなっている。このようにすれば、回転ガントリー5の内部または建屋床25の下方に、複数の床板31を移動させるための装置類を設置する必要が無くなり、複数の床板31を効率的に収容するスペースを確保することができる。連結された複数の床板31は、駆動機器39の駆動力により、水平ガイドフレーム33と垂直ガイドフレーム34に沿って移動する。
【0048】
図6に示すように、複数の床板31が水平方向に沿って並べて配置されて1つの列40が形成される。例えば、1つの列40において、複数の床板31が、スライド移動する方向に沿って蝶番部32で互いに連結されている。ここで、複数の列40の間に水平ガイドフレーム33が設けられている。また、それぞれの水平ガイドフレーム33に対応して垂直ガイドフレーム34(
図3)が設けられている。1つの列40のそれぞれの床板31は、その両側部が水平ガイドフレーム33と垂直ガイドフレーム34に支持されている。
【0049】
図5から
図6に示すように、複数の床板31で床面を形成するときには、水平ガイドフレーム33が静止床27および建屋床25の一方から他方に向かって突出する。このようにすれば、水平ガイドフレーム33により複数の床板31を回転ガントリー5の静止床27と建屋床25の間に架け渡すことができる。また、床板31を収容するときには、水平ガイドフレーム33が退避されるため、照射ポート13の角度を変更するときに水平ガイドフレーム33が邪魔にならない(
図4)。
【0050】
図9から
図10に示すように、複数の床板31を収容するときには、水平ガイドフレーム33が静止床27および建屋床25に退避する。ここで、退避する水平ガイドフレーム33に支持されている複数の床板31が垂直ガイドフレーム34に収容される。このように、垂直ガイドフレーム34が、複数の床板31をコンパクトに収容する収容部となっている。
【0051】
図5に示すように、本実施形態では、複数の水平ガイドフレーム33のうち、平面視で治療台17(
図2)に近い中央部の水平ガイドフレーム33が回転ガントリー5の静止床27側に退避し、平面視で治療台17から遠い側部の水平ガイドフレーム33が建屋床25側に退避する。このようにすれば、治療台17の下方の領域にある台駆動装置28または支持柱30に、退避する水平ガイドフレーム33が干渉してしまうことを防止することができる。
【0052】
図9に示すように、移動床装置26は、電動機41と駆動ローラ42と従動ローラ43とをさらに備える。
【0053】
例えば、回転ガントリー5の内部において、静止床27の下方には、静止フレーム22に対して回転可能に支持された複数の従動ローラ43が設けられている。さらに、従動ローラ43の前方側には、静止フレーム22に対して回転可能に支持された駆動ローラ42が設けられている。さらに、駆動ローラ42を回転駆動させる電動機41が設けられている。この駆動ローラ42を回転駆動させることで、水平ガイドフレーム33が従動ローラ43に沿って移動する。例えば、水平ガイドフレーム33が、静止床27側に退避したり、この静止床27から突出したりする。
【0054】
図10に示すように、移動床装置26は、建屋床25の下方に設けられて水平ガイドフレーム33を回転ガントリー5に向かって突出させる突出機器44を備える。この突出機器44は、内部にピストン(図示略)を有しており、ピストンロッド45により水平ガイドフレーム33に接続されている。なお、ピストンは、油圧などで駆動される。このようにすれば、ピストンの直進運動により、水平ガイドフレーム33を移動させることができる。例えば、水平ガイドフレーム33が、建屋床25側に退避したり、この建屋床25から突出したりする。
【0055】
なお、全ての水平ガイドフレーム33を退避させるときとは、例えば、治療を行っていないときであって、回転ガントリー5のメンテナンスを行うときなどである。このメンテナンスを行うときには、治療台17も治療室18側に退避する。
【0056】
図3に示すように、治療中、つまり、患者8が治療空間16に居るときには、通常、全ての水平ガイドフレーム33が突出して静止床27と建屋床25の間に架け渡されている。そして、患者8が居る治療台17の下方において、複数の床板31により床面が形成されている。
【0057】
図4に示すように、回転ガントリー5が回転することで、照射ポート13の角度を変更することができる。ここで、照射ポート13が水平ガイドフレーム33と干渉する角度のときに、複数の水平ガイドフレーム33のうち、少なくとも照射ポート13と干渉する水平ガイドフレーム33が静止床27および建屋床25の少なくとも一方に退避する。なお、退避する水平ガイドフレーム33に支持されている複数の床板31は、対応する垂直ガイドフレーム34に収容される(
図9から
図10)。
【0058】
図4の例では、6本の水平ガイドフレーム33のうち、右側の2本の水平ガイドフレーム33が退避されている。このようにすれば、回転ガントリー5が回転して、照射ポート13の角度が変化するときに、照射ポート13が通過するスペースを確保することができる。
【0059】
図3に示すように、回転ガントリー5が逆回転し、照射ポート13が水平ガイドフレーム33と干渉しない角度に戻ると、退避されていた水平ガイドフレーム33が再び突出して静止床27と建屋床25の間に架け渡される(
図7)。このように、静止床27と建屋床25の間に架け渡される床を適宜に形成し、かつ床を適宜に収納することができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図11から
図12を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、
図11から
図12の紙面左側を正面側(前方側)とし、紙面右側を背面側(後方側)として説明する。
【0061】
図11に示すように、第2実施形態の移動床装置50は、複数の床板51と駆動機器52と複数の水平ガイドフレーム53と複数の突出機器54とを備える。
【0062】
治療室18側の建屋床25と回転ガントリー5側の静止床27の下方のそれぞれに、突出機器54が設けられている。これら突出機器54から水平ガイドフレーム53が出し入れ可能に延びている。
【0063】
複数の床板51は、建屋床25の後端部に設けられた駆動機器52を介して建屋床25に固定されている。これらの床板51は、蝶番部55で互いに連結されている。ここで、最前方側の床板51の前端部が蝶番部55で駆動機器52に連結されている。それぞれの蝶番部55には、駆動モータが設けられている。それぞれの蝶番部55は、駆動機器52から供給される電力により駆動する。この駆動力により、蝶番部55を中心として床板51が揺動する。例えば、複数の床板51は、建屋床25の下方位置から突出したり、建屋床25の下方位置に退避したりする。
【0064】
図11の例では、前後方向からそれぞれ延びる2本の水平ガイドフレーム53が設けられている。一方の水平ガイドフレーム53は、建屋床25の下方位置に設けられた突出機器54から静止床27側に向かって延びる。他方の水平ガイドフレーム53は、静止床27の下方位置に設けられた突出機器54から建屋床25側に向かって延びる。前後2本の水平ガイドフレーム53の端部同士が互いに接触し、これらの水平ガイドフレーム53により、複数の床板51が支持される部分が形成される。そして、これらの水平ガイドフレーム53の上面側に、複数の床板51が水平方向に沿って並べて配置される。
【0065】
図12に示すように、複数の床板51を収容するときには、前後2本の水平ガイドフレーム53のそれぞれが、建屋床25と静止床27の下方位置に退避する。そして、床板51の蝶番部55が駆動されることにより、建屋床25の下方位置に複数の床板51が収容される。このとき、それぞれの床板51が立てた状態で配置される。このようにすれば、複数の床板51をコンパクトに収容することができる。
【0066】
この第2実施形態では、前述の第1実施形態の垂直ガイドフレーム34(
図2)の構成が省略されるため、建屋床25の下方位置に、床板51を収容するための上下方向に広い空間を設けなくて済む。
【0067】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について
図13から
図14を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、
図13から
図14の紙面左側を正面側(前方側)とし、紙面右側を背面側(後方側)として説明する。
【0068】
図13に示すように、第3実施形態の移動床装置60は、複数の床板61と駆動機器62とを備える。
【0069】
例えば、2枚の床板61が、静止床27の前端部に設けられた駆動機器62を介して静止床27に固定されている。これらの床板61は、蝶番部63で互いに連結されている。ここで、後方側の床板61の後端部が蝶番部63で駆動機器62に連結されている。それぞれの蝶番部63には、駆動モータが設けられている。それぞれの蝶番部63は、駆動機器62から供給される電力により駆動する。この駆動力により、蝶番部63を中心として床板61が揺動する。例えば、これらの床板61は、静止床27の上方位置から突出したり、静止床27の上方位置に退避したりする。なお、建屋床25の後端部には、前方側の床板61を支える支持片64が設けられている。
【0070】
図14に示すように、第3実施形態では、静止床27の上方位置に、2枚の床板61が収容される。これら床板61を収容するときには、それぞれの床板61が揺動され、床板61が立てた状態で配置される。
【0071】
この第3実施形態では、建屋床25と静止床27の下方位置に、床板61を収容するための空間を設けずに済むため、建屋床25と静止床27の下方位置に、別途の機器を配置することができる。
【0072】
粒子線治療システムおよび移動床装置駆動方法が第1実施形態から第3実施形態に基づいて説明されているが、いずれかの実施形態において適用された構成が他の実施形態に適用されても良いし、各実施形態において適用された構成が組み合わされても良い。
【0073】
前述の実施形態の制御装置29は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)および専用のチップなどのプロセッサを高集積化させた制御デバイスと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスおよびキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。この制御装置29は、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
【0074】
なお、前述の実施形態の制御装置29で実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。追加的または代替的に、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記憶されて提供される。
【0075】
また、この制御装置29で実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータに格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、この制御装置29は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用回線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【0076】
なお、前述の実施形態では、重粒子線がん治療を行う施設が例示されているが、その他の施設にも前述の実施形態を適用できる。例えば、陽子線がん治療を行う施設に前述の実施形態が適用されても良い。
【0077】
なお、前述の実施形態では、垂直ガイドフレーム34が建屋床25の下方位置に設けられているが、その他の態様でも良い。例えば、垂直ガイドフレーム34が回転ガントリー5の内部における静止床27の下方位置に設けられても良い。
【0078】
なお、前述の実施形態では、1枚の床板31に対して、3つの車輪38が設けられているが、その他の態様でも良い。例えば、1枚の床板31に対して、2つの車輪38が設けられても良いし、4つ以上の車輪38が設けられても良い。
【0079】
なお、前述の実施形態は、収容時に全ての床板31,51,61が立てられた状態となっているが、その他の態様でも良い。例えば、収容時に1枚の床板31,51,61が立てられた状態であり、他の床板31が立てられていない状態でも良い。
【0080】
なお、前述の実施形態は、水平ガイドフレーム33,53が静止床27および建屋床25の両方に退避しているが、その他の態様でも良い。例えば、水平ガイドフレーム33,53が静止床27および建屋床25のいずれか一方に退避する態様でも良い。
【0081】
なお、前述の実施形態は、電動機41と駆動ローラ42と従動ローラ43とが回転ガントリー5の静止床27の下方に設けられているが、その他の態様でも良い。例えば、電動機41と駆動ローラ42と従動ローラ43とが建屋床25の下方に設けられても良い。
【0082】
なお、前述の実施形態は、建屋床25の下方に突出機器44が設けられているが、その他の態様でも良い。例えば、静止床27の下方のみに突出機器44が設けられても良い。この突出機器44により水平ガイドフレーム33が治療室18に向かって突出するものでも良い。
【0083】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、複数の床板31で床面を形成するときに、複数の床板31を水平方向に沿って並べて配置し、複数の床板31を収容するときに、少なくとも1つの床板31を立てた状態で配置することにより、回転ガントリー5と建屋床25の間に架け渡される床を適宜に形成し、かつ床を適宜に収納することができる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0085】
1…粒子線治療システム、2…ビーム発生器、3…円形加速器、4…ビーム輸送ライン、5…回転ガントリー、6…真空ダクト、7…粒子線、8…患者、9…水平軸、10…躯体、11…エンドリング、12…回転駆動部、13…照射ポート、14…輸送部、15…超電導電磁石、16…治療空間、17…治療台、18…治療室、19…本体胴、20…内壁部、21…支持レール、22…静止フレーム、23…逆回転同期モータ、24…支持棒、25…建屋床、26…移動床装置、27…静止床、28…台駆動装置、29…制御装置、30…支持柱、31…床板、32…蝶番部、33…水平ガイドフレーム、34…垂直ガイドフレーム、35,36…ガイドレール、37…補助板、38…車輪、39…駆動機器、40…列、41…電動機、42…駆動ローラ、43…従動ローラ、44…突出機器、45…ピストンロッド、50…移動床装置、51…床板、52…駆動機器、53…水平ガイドフレーム、54…突出機器、55…蝶番部、60…移動床装置、61…床板、62…駆動機器、63…蝶番部、64…支持片。