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特開2024-110370放射性廃棄物の保管方法及び保管治具
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  • 特開-放射性廃棄物の保管方法及び保管治具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110370
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】放射性廃棄物の保管方法及び保管治具
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/36 20060101AFI20240807BHJP
   G21C 19/32 20060101ALI20240807BHJP
   G21C 19/06 20060101ALI20240807BHJP
   G21C 19/40 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
G21F9/36 501F
G21C19/32 040
G21C19/06 400
G21F9/36 501H
G21F9/36 501J
G21C19/40 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014935
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】藤原 寛明
(72)【発明者】
【氏名】金子 郁
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健
(72)【発明者】
【氏名】鍋本 豊伸
(57)【要約】
【課題】燃料デブリ等の性状が不明確な放射性廃棄物を保管することができる、放射性廃棄物の保管方法及び保管治具を提供する。
【解決手段】放射性廃棄物の保管方法に使用する保管治具3は、放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器1に収納し、収納容器1を閉じ込め機能を有する保管容器2に保管する際に使用する治具であって、複数の収納容器1を収容可能な空間を形成する本体部31と、本体部31の下方に配置された脚部32と、本体部31の上方に配置された天板部33と、を備え、天板部33は、上段に配置される保管治具3の脚部32を支持する支持部33aと、収納容器1から放出された水素の抜け道を形成する通気口33bと、を備えている。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器に収納し、前記収納容器を閉じ込め機能を有する保管容器に保管し、前記収納容器から放出された水素が前記保管容器内に抜けるようにした、ことを特徴とする放射性廃棄物の保管方法。
【請求項2】
前記放射性廃棄物は、燃料デブリである、請求項1に記載の放射性廃棄物の保管方法。
【請求項3】
放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器に収納し、前記収納容器を閉じ込め機能を有する保管容器に保管する際に使用する放射性廃棄物の保管治具であって、
複数の前記収納容器を収容可能な空間を形成する本体部と、
前記本体部の下方に配置された脚部と、
前記本体部の上方に配置された天板部と、を備え、
前記天板部は、上段に配置される前記保管治具の脚部を支持する支持部と、前記収納容器から放出された水素の抜け道を形成する通気口と、を備えている、
ことを特徴とする放射性廃棄物の保管治具。
【請求項4】
前記脚部は、前記保管治具を積載したときに、下段の保管治具に配置された前記収納容器と前記本体部との間に隙間を形成するように構成されている、請求項3に記載の放射性廃棄物の保管治具。
【請求項5】
前記天板部は、前記収納容器を係止可能な係止部を備える、請求項3に記載の放射性廃棄物の保管治具。
【請求項6】
前記収納容器を収容する空間を格子状に区画する仕切部材を備える、請求項3に記載の放射性廃棄物の保管治具。
【請求項7】
前記仕切部材は、中性子吸収材を埋め込んだ伝熱材により構成されている、請求項6に記載の放射性廃棄物の保管治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物の保管方法及び保管治具に関し、特に、性状が不明確な放射性廃棄物の保管に適した放射性廃棄物の保管方法及び保管治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、原子力発電所で発生する使用済燃料は、金属製の容器(キャニスタ等)に密閉された状態で保管される。
【0003】
使用済燃料と比較して、原子炉内の構造物や燃料が溶けて固まった燃料デブリは、性状が不明確であり、水分を含むため、保管中の放射性分解により水素が発生し得る条件にあるものと考えられる。水素は可燃性ガスであり気中濃度が4%を超えると引火して爆発するおそれがある。したがって、燃料デブリ等の放射性廃棄物を貯蔵する際には水素濃度を低減する措置を講じる必要性が高い。
【0004】
例えば、使用済燃料の貯蔵方法としては、中性子吸収材を含む仕切り板で収納容器内を区切り、幾何学的形状管理による未臨界維持と崩壊熱除去による変形防止とを両立する構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-349469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
使用済燃料は、原子力発電の運用に伴い排出される燃料集合体であり、使用済燃料の性状は燃料デブリと比較して明確であり安定している。また、使用済燃料の処理及び保管は厳格に管理されている。
【0007】
しかしながら、性状が不明確な燃料デブリを保管する場合には、保管中における水素の発生を避けることができないものと考えられ、使用済燃料と同じ保管(貯蔵又は収納の意味を含む。)方法を採用することはできない。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、燃料デブリ等の性状が不明確な放射性廃棄物を保管することができる、放射性廃棄物の保管方法及び保管治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器に収納し、前記収納容器を閉じ込め機能を有する保管容器に保管し、前記収納容器から放出された水素が前記保管容器内に抜けるようにした、ことを特徴とする放射性廃棄物の保管方法が提供される。
【0010】
前記放射性廃棄物は、燃料デブリであってもよい。
【0011】
また、本発明によれば、放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器に収納し、前記収納容器を閉じ込め機能を有する保管容器に保管する際に使用する放射性廃棄物の保管治具であって、複数の前記収納容器を収容可能な空間を形成する本体部と、前記本体部の下方に配置された脚部と、前記本体部の上方に配置された天板部と、を備え、前記天板部は、上段に配置される前記保管治具の脚部を支持する支持部と、前記収納容器から放出された水素の抜け道を形成する通気口と、を備えている、ことを特徴とする放射性廃棄物の保管治具が提供される。
【0012】
前記脚部は、前記保管治具を積載したときに、下段の保管治具に配置された前記収納容器と前記本体部との間に隙間を形成するように構成されていてもよい。
【0013】
前記天板部は、前記収納容器を係止可能な係止部を備えていてもよい。
【0014】
前記保管治具は、前記収納容器を収容する空間を格子状に区画する仕切部材を備えていてもよい。
【0015】
前記仕切部材は、中性子吸収材を埋め込んだ伝熱材により構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上述した本発明にかかる放射性廃棄物の保管方法及び保管治具によれば、閉じ込め機能を有しない収納容器に放射性廃棄物を収納した後、閉じ込め機能を有する保管容器に収納容器を保管し、収納容器から放出された水素を保管容器内に抜けるようにしたことにより、保管対象の放射性廃棄物が水素を発生させやすい燃料デブリ等の性状が不明確な放射性廃棄物であっても適切に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態にかかる放射性廃棄物の保管方法の概要を示す概略図である。
図2図1に示した保管治具の斜視図である。
図3】保管治具の一例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、である。
図4】保管治具の一例を示す説明図であり、(a)は図3(b)におけるA-A断面図、(b)は図3(b)におけるB-B矢視断面図、である。
図5】保管治具の使用状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図1図5を用いて説明する。ここで、図1は、一実施形態にかかる放射性廃棄物の保管方法の概要を示す概略図である。図2は、図1に示した保管治具の斜視図である。
【0019】
本実施形態にかかる放射性廃棄物の保管方法は、放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器1に収納し、収納容器1を閉じ込め機能を有する保管容器2に保管し、収納容器1から放出された水素が保管容器2内に抜けるようにしたものである。なお、保管容器2は、例えば、廃棄物保管場所等に形成された空間(コンクリート製の建屋等)に乾式貯蔵される。
【0020】
放射性廃棄物は、例えば、燃料デブリである。燃料デブリは、原子炉内の構造物や燃料が溶けて固まったものであり、性状が不明確であり、性状のばらつきも大きいものと考えられる。したがって、燃料デブリは使用済燃料のように十分な乾燥処理を行うことが難しく、一定量の水分が残存した状態で保管され、放射線分解による水素の発生を避けることが難しいものと考えられる。
【0021】
燃料デブリは、例えば、所定の形状・大きさに切断された状態で収納容器1に収納される。上述したように、燃料デブリは水素を発生する可能性が高いため、収納容器1は、閉じ込め機能を有しておらず、外部に水素を放出可能に構成されている。なお、図示しないが、収納容器1内の水素を積極的に外部に放出させるように収納容器1に掃気ガスを供給するようにしてもよい。
【0022】
収納容器1は、金属製の収納缶であり、例えば、放射性廃棄物を収容する胴部と、胴部の開口部を封止する蓋部が締結される頭部11と、を備えている。収納容器1内で発生した水素は、例えば、収納容器1の頭部11に形成された放出口12から外部に放出される。頭部11は、例えば、胴部に形成されたフランジ部に接続され、頭部11の外形は胴部の外径よりも大きい形状を有している。なお、収納容器1は図示した構成に限定されるものではなく、放射性廃棄物を収容可能な容器であって保管治具3に係止可能な構造であればよい。
【0023】
保管容器2は、例えば、図1に示したように、複数の収納容器1を纏めて保管可能な空間を有する金属製の容器である。なお、図1では説明の便宜上、保管容器2を透過した状態を図示してある。保管容器2は閉じ込め機能を有しており、必要に応じて、保管容器2の内面又は外面に遮蔽体を配置してもよい。
【0024】
保管容器2は、例えば、収納容器1の保管空間を形成する胴部21と、胴部21の開口部を封止する蓋部22と、を備えている。胴部21及び蓋部22は二重壁構造に構成されていてもよい。
【0025】
また、蓋部22には、保管空間内に放出された水素を掃気するための掃気ガスを供給する給気配管(図示省略)と、保管空間から掃気ガスにより排気ガスを排気する排気配管(図示省略)とを接続するための配管挿通口23が形成されている。なお、配管挿通口23の構成は、蓋部22の構成により適宜設計変更されるものであり、図示した構成に限定されるものではない。
【0026】
例えば、図2に示したように、複数の収納容器1は、保管治具3に整列された状態に配置され、図1に示したように、保管治具3を積載することによって保管容器2内に多段に保管される。なお、本実施形態では、一つの保管治具3に12個の収納容器1を配置し、一つの保管容器2に保管治具3を4段に積載しているが、保管治具3に配置する収納容器1の個数及び積載する保管治具3の個数は図示した個数に限定されるものではない。
【0027】
保管治具3は、例えば、複数の収納容器1を収容可能な空間を形成する本体部31と、本体部31の下方に配置された脚部32と、本体部31の上方に配置された天板部33と、を備えている。相対的に上段に配置される保管治具3の脚部32は、相対的に下段に配置される天板部33に支持されるように構成されている。
【0028】
このように、上段の保管治具3の脚部32を下段の保管治具3の天板部33で支持することにより、収納容器1の配置を維持することができ、幾何学的形状を管理して放射性物質の臨界を防止することができる。また、下段の保管治具3に配置された収納容器1と本体部31との間に隙間を形成することができ、収納容器1の頭部11に形成された水素の放出口12を塞ぐことなく保管治具3を積載することができる。
【0029】
ここで、図3(a)~図5を参照しつつ保管治具3の構成の一例について詳細に説明する。図3は、保管治具の一例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、である。図4は、保管治具の一例を示す説明図であり、(a)は図3(b)におけるA-A断面図、(b)は図3(b)におけるB-B矢視断面図、である。図5は、保管治具の使用状態を示す側面図である。
【0030】
保管治具3は、上述したように、放射性廃棄物を閉じ込め機能を有しない収納容器1に収納し、収納容器1を閉じ込め機能を有する保管容器2に保管する際に使用する治具であり、本体部31と、脚部32と、天板部33と、収納容器1を収容する空間を格子状に区画する仕切部材34と、を備えている。
【0031】
本体部31は、収納容器1を支持する構造支持材であり、例えば、図3(b)及び図4(b)に示したように、十字形状の平面を形成する底板31aと、天板部33と底板31aとを接続する複数の側板31bと、を備えている。底板31aの内面には、中性子吸収材31cが配置されていてもよい。底板31aに中性子吸収材31cを配置することにより、上段の保管治具3側の放射性廃棄物と下段の保管治具3側の放射性廃棄物との相互の中性子吸収による臨界を防止することができる。また、底板31aの交差部の角部には脚部32が配置される。
【0032】
側板31bは、内部に挿入される仕切部材34の位置決めをする部材であり、例えば、図4(a)及び図4(b)に示したように、仕切部材34の図の上下左右の外側面に配置される板材である。また、側板31bは、図の上下に配置された側板31bのように、仕切部材34の凸部34aを挿通可能な溝部31dを備えていてもよい。
【0033】
なお、側板31bは、図示した構成に限定されるものではなく、例えば、図2に示したように、仕切部材34の側面の全周を覆うように構成されていてもよい。
【0034】
脚部32は、保管治具3を積載する際に、上段の保管治具3と下段の保管治具3との間隔を調整する部品である。具体的には、脚部32は、例えば、図5に示したように、保管治具3を積載したときに、下段の保管治具3に配置された収納容器1と本体部31との間に隙間Δgを形成するように構成されている。
【0035】
かかる構成により、収納容器1の頭部11に形成された水素の放出口12を塞ぐことなく保管治具3を積載することができる。なお、説明の便宜上、図5では収納容器1の頭部11を点線で図示してある。
【0036】
また、脚部32は、落下時等に緩衝部材として機能するように損壊可能に構成されていてもよい。脚部32を緩衝構造とすることにより、収納容器1を配置した保管治具3を保管容器2内に挿入する操作の際に懸念される保管治具3の転倒や落下等の事象発生時に収納容器1に与える影響を低減することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、本体部31と脚部32とを別部品で構成する場合について説明しているが、本体部31と脚部32とは一部品により構成されていてもよい。また、本体部31を構成する側板31bが脚部32と同等の機能を有する構成であってもよい。
【0038】
天板部33は、図3(a)に示したように、上段に配置される保管治具3の脚部32を支持する支持部33aと、収納容器1から放出された水素の抜け道を形成する通気口33bと、収納容器1を係止可能な係止部33cと、を備えている。
【0039】
天板部33は、本体部31及び脚部32の上部に配置される円形の金属板である。天板部33の外形は保管容器2内に保管可能な大きさに形成される。天板部33の中心部には、例えば、仕切部材34の格子形状に適合する複数の開口部33dが形成されている。収納容器1の胴部は開口部33dに挿通され、収納容器1の頭部11は開口部33dを形成する金属板の縁部(係止部33c)に係止される。
【0040】
開口部33dは、井桁形状に沿って形成されており、通気口33bは、例えば、天板部33の右上・右下・左下・左上に位置する外周部の4箇所に形成される。通気口33bの位置及び大きさは、保管治具3の使用時に収納容器1及び脚部32と干渉しないように形成されていればよく、図示した構成に限定されるものではない。例えば、通気口33bは、天板部33の外縁に形成された切り欠きにより構成されていてもよい。
【0041】
支持部33aは、開口部33dと通気口33bとの間を形成する平板部により構成される。なお、図3(a)では、上段に配置される保管治具3の脚部32の位置を点線で図示してある。また、脚部32は、例えば、通気口33bと重ならないように配置された形鋼により構成される。
【0042】
仕切部材34は、例えば、図4(a)に示したように、三枚の板材の両端を端板で接続したブロック体を二つ形成し、これらのブロック体を相欠き構造で組み付けて、全体として十字形状となるように構成される。片方のブロック体の両端には、位置決め用の凸部34aを形成してもよい。この凸部34aは、本体部31の側板31bに形成された溝部31dに挿通される。
【0043】
仕切部材34は、例えば、中性子吸収材34bを埋め込んだ伝熱材により構成される。仕切部材34を伝熱材により構成することにより、収納容器1から伝熱を促進し、熱による機器変形を抑制することができ、臨界防止に必要な幾何学的形状の維持を図ることができる。また、伝熱材の内部に中性子吸収材34bを埋め込むことにより、収納容器1間の中性子吸収で生じる臨界を防止することができる。
【0044】
なお、仕切部材34は、図示した構成に限定されるものではなく、複数の収納容器1を挿通可能な区画を形成する格子形状であればどのような構成であってもよい。例えば、仕切部材34は、複数の板材を溶接等により接続したものであってもよい。
【0045】
図5に示したように、収納容器1を収容した保管治具3は、保管容器2内で積載される。収納容器1内で発生した水素は、収納容器1の頭部11と保管治具3の本体部31との隙間Δgを経由して保管容器2内に放出される。保管容器2内に放出された水素は、保管治具3の天板部33に形成された通気口33bを経由して保管容器2内で移動することができる。また、例えば、保管容器2内に掃気ガスを供給することにより、保管容器2内に放出された水素を保管容器2の外部に排気することができる。
【0046】
上述した本実施形態にかかる放射性廃棄物の保管方法及び保管治具3によれば、閉じ込め機能を有しない収納容器1に放射性廃棄物を収納した後、閉じ込め機能を有する保管容器2に収納容器1を保管し、収納容器1から放出された水素を保管容器2内に抜けるようにしたことにより、保管対象の放射性廃棄物が水素を発生させやすい燃料デブリ等の性状が不明確な放射性廃棄物であっても適切に保管することができる。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【0048】
本開示は、例えば、国際連合が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」及び目標13「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 収納容器
2 保管容器
3 保管治具
11 頭部
12 放出口
21 胴部
22 蓋部
23 配管挿通口
31 本体部
31a 底板
31b 側板
31c 中性子吸収材
31d 溝部
32 脚部
33 天板部
33a 支持部
33b 通気口
33c 係止部
33d 開口部
34 仕切部材
34a 凸部
34b 中性子吸収材

図1
図2
図3
図4
図5