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特開2024-110374セミフローティング(浮遊式)ステアリングステムシステム
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  • 特開-セミフローティング(浮遊式)ステアリングステムシステム 図1
  • 特開-セミフローティング(浮遊式)ステアリングステムシステム 図2
  • 特開-セミフローティング(浮遊式)ステアリングステムシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110374
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】セミフローティング(浮遊式)ステアリングステムシステム
(51)【国際特許分類】
   B62K 21/04 20060101AFI20240807BHJP
   B62K 21/20 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B62K21/04
B62K21/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023033185
(22)【出願日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】523054665
【氏名又は名称】有限会社K.M.T.
(72)【発明者】
【氏名】塩見 茂歩樹
【テーマコード(参考)】
3D013
【Fターム(参考)】
3D013CC02
3D013CF43
(57)【要約】
【課題】 オートバイのステアリング装置において、元来のテレスコピック構造における前輪の接地圧不足を解消するため、セルフステアリング特性をより安定させるための技術を提供する。
【解決手段】 ステアリングステム上端部(トップブリッジ)と三つ又(ステアリングステム)の結合を元来のボルトやナットによる完全に固定する方式から、金属製または非金属性ベアリングを介したフローティング構造(浮遊式)とすることによりステアリング軸に対する上端部(トップブリッジ)の回転運動とフロントフォークパイプの捩じれ運動の抑制を解放することになり、路面に対する前輪の追従性が向上、路面と前輪との摩擦係数を高めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートバイのステアリング装置およびサスペンション装置(テレスコープ型フロントフォーク)において、左右のフォークを連結する三つ又(トリプルツリー)の上端部(トップブリッジ)中央連結部を浮遊式(フローティングタイプ)とする構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、オートバイの走行安定性と操安性を向上するためのテレスコピック型フロントフォークにおけるセミフローティング構造とそれを実現するための技術に関する
【背景技術】
【先行技術文献】
テレスコピック構造
発明者:澤畑 敬史 今津 亘一 畑 直秀
出願人 特許権者:本田技研工業株式会社
代理人 件:千葉 剛宏 宮寺 利幸 鹿島 直樹 田久保 泰夫 大内 秀治
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願
公開番号(公開出願番号):特開
出願日: 年 月 日
公開日(公表日): 年 月 日
要約:
【課題】大型化を抑制しつつ、剛性を高めて耐久性の向上を図る。【解決手段】駆動力変換部 を介して駆動部 から伝達される駆動力によって伸縮動作するテレスコピック機構 を有し、該テレスコピック機構 は、外筒 と、該外筒 の内部に収容可能な中筒 と、該中筒 の内部に収容可能な内筒 と、前記外筒 、中筒 及び内筒 を互いに軸線方向矢印 、 方向に沿って案内するガイド機構 を備える。そして、外筒 と中筒 との間に第 ガイド部 が設けられると共に、前記中筒 と内筒 との間に第 ガイド部 が設けられ、前記外筒 、中筒 及び内筒 の周方向に沿って互いにオフセットして設けられている。【選択図】図
請求項1:
軸線方向に沿って伸縮自在に設けられた複数の筒体を有するテレスコピック構造において、駆動部と、断面多角形状に形成され、外筒と、該外筒の内部に収容可能な中筒と、該中筒の内部に収容可能な内筒の少なくとも つ以上からなる筒体と、前記駆動部の駆動作用下に前記筒体を互いに軸線方向に沿って伸縮動作させる動力伝達部と、前記外筒と中筒との間に設けられる第 ガイド部と、前記中筒と内筒との間に設けられる第 ガイド部とを有し、前記第 及び第 ガイド部を介して前記外筒、中筒及び内筒を互いに軸線方向に沿って変位自在に案内するガイド手段と、を備え、前記ガイド手段は、前記第 ガイド部と第 ガイド部とが前記筒体の中心に対して前記外筒、中筒及び内筒の周方向に互いにオフセットして設けられることを特徴とするテレスコピック構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テレスコピックフォークは2本1組で構成され、上部は三つ又(トリプルツリー)クランプと呼ばれる部品を介してステアリングステムに固定され、更に下端に前輪の車軸が固定される。
そのために2本のフロントフォークとステアリングステムは完全に固定され、本来の前輪車軸の活動が抑制を受けている。
オートバイには元々、キャスター角、トレールから発生するセルフステアリングという機能が備わっており、オートバイが旋回を行う際にバンク角の増大と共に車軸がステアリング軸の旋回回転に対し、より大きく回転を行おうとする。
元来のテレスコピック構造では、アンダーブラケット(三つ又の下端部品)とアッパーブラケット(三つ又の上端部品)によりクランプ固定されているために、活発に作動しようとしている車軸の回転運動を抑制しスムーズな旋回を妨げていた。
【課題を解決するための手段】
オートバイのステアリング装置およびサスペンション装置(テレスコープ型フロントフォーク)において左右のフォークパイプは、三つ又(トリプルツリー)は上端部(トップブリッジ)と下端部(アンダーブラケット)にボルトにて強固にクランプされ、かつ三つ又下端部に固定されたステアリングステム軸はトップブリッジ上のボルト、またはナットによって加圧固定される。
本来、旋回中におけるフロントフォークパイプは、セルフステリングの力を受け旋回方向に向け捩じられようとする力を受けるが、この活発な活動の抑制を解放することによりセルフステアリングの動きを高め、前輪と路面の間で発生する摩擦力を高める構造体を定義する。
【手段1】
トップブリッジを直接トップナット(ボルト)で加圧固定しない構造にするため、金属製もしくは非金属性のベアリングを用いトップブリッジを浮遊させる構造。
【手段2】
トップブリッジを浮遊構造体にすることによる前後方向の剛性を確保するためにアンダーブラケットのH断面構造とし必要な前後方向の剛性を確保できる構造。
【発明の効果】
オートバイのステアリング装置およびサスペンション装置(テレスコープ型フロントフォーク)において、左右のフォークを連結する三つ又(トリプルツリー)の上端部(トップブリッジ)中央連結部を浮遊式(フローティングタイプ)とする構造により、前輪は旋回時に発生するセルフステアリングの力により旋回方向に回転し、路面との間に発生する摩擦力を高めることができる。
これにより、前輪の摩擦低下によるスリップを抑制しオートバイの安全性に寄与することを実現。
【図面の簡単な説明】
三つ又における浮遊構造。
テレスコピック構造で見られる三つ又上端部(トップブリッジ)において、直接トップナット(またはトップボルト)によって加圧固定されていた箇所に金属製または非金属製のベアリングを配置し、トップナット(またはトップボルト)による加圧力をトップブリッジに与えない構造体。
図1】 金属製または非金属性ベアリングのよるフローティング構造
図2】 フローティング構造を用いたステアリングステム全体
図3】 フロントサスペンションユニットの全体構造。オートバイのステアリング装置およびサスペンション装置(テレスコープ型フロントフォーク)において、左右のフォークを連結する三つ又(トリプルツリー)の上端部(トップブリッジ)中央連結部を浮遊式(フローティングタイプ)とする構造。
図1
図2
図3