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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110397
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】多相AC-DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
H02M7/12 M
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024007619
(22)【出願日】2024-01-22
(31)【優先権主張番号】18/163,393
(32)【優先日】2023-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504162361
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】186 Ruey Kuang Road, Neihu, Taipei 114, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張弛
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ルシ
(72)【発明者】
【氏名】沈志宇
(72)【発明者】
【氏名】ピーター マントヴァネッリ バルボサ
(72)【発明者】
【氏名】李聖華
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006AA01
5H006AA02
5H006CA02
5H006CA07
5H006CB01
5H006CC01
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】力率補正(PFC)を備えた三相AC-DCコンバータを提供する。
【解決手段】アクティブスイッチのソフトスイッチング機能により、入力電流の低い全高調波歪み(THD)と良好な力率を実現できる三相AC-DCコンバータ800を提供する。一態様では、三相AC-DCコンバータ800の複数の一次側アクティブスイッチS1,S2のうちの1つの一次側アクティブスイッチのゲート信号と、三相AC-DCコンバータの複数の二次側アクティブスイッチのうちの対応する二次側アクティブスイッチSo1-So4のゲート信号に、位相シフトが導入される。
【選択図】図8B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正端子、負端子、および中性端子を含む複数の内部端子と、
前記正端子、負端子、および中性端子に電気的に結合され、三相AC電源に接続可能な少なくとも3つの入力端子を含む入力段と、
前記正端子と前記負端子との間に電気的に結合された複数の一次側スイッチを含むスイッチングコンバータ段と、
前記スイッチングコンバータ段および前記中性端子に電気的に結合された出力段であって、負荷に接続可能な複数の出力端子を含むことで、前記負荷にDC電圧を供給し、変圧器と複数の二次側スイッチを含むアクティブブリッジとを備える、出力段と、
前記スイッチングコンバータ段および前記出力段に電気的に結合されて、前記複数の一次側スイッチおよび前記複数の二次側スイッチのためのゲート信号を生成するコントローラであって、前記複数の一次側スイッチのうちの1つの一次側スイッチのゲート信号と、前記複数の二次側スイッチのうちの対応する1つの二次側スイッチのゲート信号との間に、位相シフトが導入される、コントローラと、
を備えることを特徴とするAC/DCコンバータ。
【請求項2】
前記スイッチングコンバータ段の複数の一次側スイッチは、2つのアクティブスイッチを備え、前記2つのアクティブスイッチの中間点は、前記中性端子に電気的に結合される、請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項3】
前記入力段は三相ダイオードブリッジを備え、
前記AC/DCコンバータは、
複数のブーストインダクタであって、各ブーストインダクタは、EMIフィルタを介して前記三相AC電源の対応する入力端子と前記三相ダイオードブリッジの対応するレグとの間に電気的に結合される、複数のブーストインダクタと、
複数のコンデンサであって、各コンデンサは、EMIフィルタを介して前記三相AC電源の対応する入力端子と前記中性端子との間に接続される、複数のコンデンサと、
をさらに備える、請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項4】
前記スイッチングコンバータ段は、直列に接続されかつ前記入力段に並列に結合された複数のDCリンクコンデンサをさらに備える、請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項5】
前記複数のDCリンクコンデンサの中間点は、前記変圧器の1つの一次側端子に電気的に結合され、前記複数の一次側スイッチの中間点は、前記変圧器の別の一次側端子に電気的に結合される、請求項4に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項6】
前記出力段は、
第1の変圧器と、
前記第1の変圧器の二次側に接続された第1のアクティブブリッジと、
第2の変圧器と、
前記第2の変圧器の二次側に接続された第2のアクティブブリッジと、
を備え、
前記第1の変圧器の第1の一次側端子は、前記複数のDCリンクコンデンサの中間点に接続され、
前記第1の変圧器の第2の一次側端子は、前記第2の変圧器の第1の一次側端子に接続され、
前記第2の変圧器の第2の一次側端子は、前記中性端子に接続される、
請求項4に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項7】
前記アクティブブリッジは、4つのアクティブスイッチを含むフルアクティブブリッジまたは2つのアクティブスイッチを含むハーフブリッジを備える、請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項8】
前記スイッチングコンバータ段は、
直列に電気的に結合された第1、第2、第3、および第4のアクティブスイッチと、
前記第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点と前記第3および第4のアクティブスイッチの間の中間点との間に電気的に結合されたフライングコンデンサと、
を備え、
前記第2および第3のアクティブスイッチの中間点は、前記中性端子に電気的に結合される、
請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項9】
前記スイッチングコンバータ段は、前記正端子と前記負端子の間に直列に電気的に結合された第1および第2のアクティブスイッチと、前記正端子と前記負端子の間に直列に電気的に結合された第3および第4のアクティブスイッチとを含むアクティブフルブリッジ回路を備え、
前記第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点は、前記中性端子に電気的に結合され、前記第3および第4のアクティブスイッチの間の中間点は、前記変圧器の1つの一次側端子に電気的に結合される、
請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項10】
前記入力段に並列に電気的に結合されたDCリンクコンデンサをさらに備える、請求項9に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項11】
前記変圧器の1つの二次側端子と前記アクティブブリッジの中間点との間に電気的に結合され、または前記第3および第4のアクティブスイッチの間の前記中間点と前記変圧器の前記1つの一次側端子との間に電気的に結合されたブロッキングコンデンサをさらに備える、請求項1または9に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項12】
前記出力段は2つの変圧器を備え、前記2つの変圧器は、前記2つの変圧器の一次側で直列に接続され、前記2つの変圧器の二次側で並列に接続される、請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項13】
前記スイッチングコンバータ段は、複数のハーフブリッジモジュールを含み、各ハーフブリッジモジュールは、ループを形成するために直列に接続されたコンデンサと第1および第2のアクティブスイッチを含み、
前記複数のハーフブリッジモジュールのうちの第1のハーフブリッジモジュールは、前記正端子に電気的に結合され、前記複数のハーフブリッジモジュールのうちの第2のハーフブリッジモジュールは、前記負端子に電気的に結合され、前記複数のハーフブリッジモジュールのうちの少なくとも2つは、前記中性端子に電気的に結合され、
前記コントローラは、前記複数のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチと前記複数の二次側スイッチのためのゲート信号を生成し、
前記複数のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチのうちの1つのアクティブスイッチのゲート信号と前記複数の二次側スイッチのうちの対応する1つの二次側スイッチのゲート信号との間に、位相シフトが導入される、
請求項1に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項14】
前記スイッチングコンバータ段は、直列に接続されかつ前記入力段に並列に結合された複数のDCリンクコンデンサをさらに備え、前記複数のDCリンクコンデンサの中間点は、前記変圧器の1つの一次側端子に電気的に結合され、前記入力段は三相ダイオードブリッジを備える、請求項13に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項15】
前記スイッチングコンバータ段の複数のハーフブリッジモジュールは、第1および第2のハーフブリッジモジュールを備え、
前記第1のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチの中間点は、前記正端子に接続され、
前記第1のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の接続点は、前記第2のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチの中間点および前記中性端子に接続され、
前記第2のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の接続点は、前記負端子に接続される、
請求項13に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項16】
前記スイッチングコンバータ段の複数のハーフブリッジモジュールは、合計2n個のハーフブリッジモジュールを含み、nは正の整数であり、
前記2n個のハーフブリッジモジュールのそれぞれの第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点は、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの前のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の底部端子に接続され、ただし、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの第1のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点は、前記正端子に接続され、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの最後のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の底部端子は、前記負端子に接続され、
前記中性端子は、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の中間点に接続される、
請求項13に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項17】
前記入力段は、合計6m個のダイオードを備え、前記スイッチングコンバータ段の複数のハーフブリッジモジュールは、2n個のハーフブリッジモジュールを2組含み、mおよびnは正の整数であり、
第1組の2n個のハーフブリッジモジュールは、前記中性端子が前記第1組の2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールの間の中間点に電気的に結合された状態で、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続され、
第2組の2n個のハーフブリッジモジュールは、前記変圧器の1つの一次側端子が前記第2組の2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールの間の中間点に接続された状態で、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続される、
請求項13に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項18】
前記入力段は、合計6m個のダイオードを備え、前記スイッチングコンバータ段は、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続された合計4n個のハーフブリッジモジュールと、フライングコンデンサとを備え、mおよびnは正の整数であり、
前記中性端子は、前記4n個のハーフブリッジモジュールの上位2n個のハーフブリッジモジュールと下位2n個のハーフブリッジモジュールとの間の中間点に電気的に結合され、
前記フライングコンデンサは、前記上位2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の第1中間点と、前記下位2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の第2中間点との間に接続される、
請求項13に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項19】
前記出力段は、合計N個の変圧器を備え、前記N個の変圧器の一次側は互いに並列に接続され、
前記N個の変圧器のそれぞれの二次側は、独立してフルアクティブブリッジに接続され、Nは2以上の正の整数である、
請求項13に記載のAC/DCコンバータ。
【請求項20】
2つのAC/DCコンバータを備えるインターリーブ型または並列型のAC/DCコンバータであって、前記2つのAC/DCコンバータのそれぞれは、
正端子、負端子、および中性端子を含む複数の内部端子と、
前記正端子、負端子、および中性端子に電気的に結合され、三相AC電源に接続可能な少なくとも3つの入力端子を含む入力段と、
前記正端子と前記負端子との間に電気的に結合された複数の一次側スイッチを含むスイッチングコンバータ段と、
前記スイッチングコンバータ段および前記中性端子に電気的に結合された出力段であって、負荷に接続可能な複数の出力端子を含むことで、前記負荷にDC電圧を供給し、変圧器と複数の二次側スイッチを含むアクティブブリッジとを備える、出力段と、
前記スイッチングコンバータ段および前記出力段に電気的に結合されて、前記複数の一次側スイッチおよび前記複数の二次側スイッチのためのゲート信号を生成するコントローラであって、前記複数の一次側スイッチのうちの1つの一次側スイッチのゲート信号と、前記複数の二次側スイッチのうちの対応する1つの二次側スイッチのゲート信号との間に、位相シフトが導入される、コントローラと、
を備え、
直接並列動作では、前記AC/DCコンバータのうちの第1のAC/DCコンバータのゲート信号は、前記AC/DCコンバータのうちの第2のAC/DCコンバータのゲート信号と同じであり、
インターリーブ動作では、前記第1のAC/DCコンバータのゲート信号は、前記第2のAC/DCコンバータのゲート信号に対して180度インターリーブされることを特徴とする、インターリーブ型または並列型のAC/DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、多相AC-DCコンバータに関する。より詳細には、本開示は、力率補正(PFC)を備えた三相AC-DCコンバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、三相AC-DC用途では、フロントエンド力率補正(PFC)整流器が必要である。PFC整流器は通常、入力三相電流の低い全高調波歪み(THD)と高い力率を実現する。
【0003】
図1は、スイッチを1つだけ備えた従来の三相整流器を示す。この三相整流器はPFCを実行し、ブーストインダクタをスイッチングサイクルごとに完全に放電する不連続導通モード(DCM)でブーストインダクタを動作させることによって低THDを実現する。DCM動作では、線電流は線電圧に自然に追従するため、THDと力率(PF)が向上する。インダクタ電流は直接制御されないため、通常は低帯域幅の一定スイッチング周波数制御が実装される。関連文献で報告されているように、三相整流器は10%~20%のTHDを達成でき、これは一部の用途では許容可能である。
【0004】
高電力用途における電流歪みをさらに最小化するために、図2に示されるウィーン整流器は参考文献[1]で提案されている。ウィーン整流器は、高効率のAC-DC変換、入力電流の低THD、および高い力率を提供するが、ウィーン整流器にはコンポーネントが多すぎるため、低コストの用途には魅力的ではない。
【0005】
図3は、双方向電力フローの機能を備えた6スイッチブーストコンバータを示す。SiCデバイスなどの広帯域ギャップデバイスを使用することにより、参考文献[2]で報告されているように、高効率と高電力密度の両方を提供することができる。広帯域ギャップデバイスの高コストは、このコンバータが広く受け入れられるための潜在的な障害となる。
【0006】
図4は、参考文献[3]で提案された2スイッチ三相整流器を示す。コンデンサC1、C2、およびC3を「Y」接続で接続することにより、仮想中性点が得られる。仮想中性点は、2つのスイッチの中間点と出力コンデンサCO1およびCO2の中間点にさらに接続される。この接続は、三相PFC整流器を3つの独立した単相PFC整流器として動作させることにより、線期間のほとんどで相電流を部分的にデカップリングする。この構造は、参考文献[4]で提案されている、図5に示すようにさらに改良されたものである。図5の整流器は、誘導デカップリング段を追加することにより、より良い電磁干渉(EMI)性能を提供し、高速高電圧変化アプリケーションに適している。
【0007】
最近、高入力電圧三相電源は、同じ量の入力電流でより多くの電力を供給できるため、固体段変圧器(solid-stage-transformer)などの高電力用途でますます魅力的になっている。図1~5のコンバータを高入力電圧条件で動作させるために、可能なアプローチの1つは、参考文献[5]で報告されているように、低電圧デバイスを超高電圧デバイスに直接置き換えることである。しかし、超高電圧デバイスは現在市場で入手できず、近い将来非常に高価になる。もう1つの可能なアプローチは、参考文献[6]で報告されているように、フロントエンドブリッジをカスケード接続して高入力電圧をブロックすることである。このアプローチは通常、フロントエンドPFCに大量のアクティブスイッチが必要であり、ガルバニック絶縁を提供するために複数のDC-DCコンバータも必要となるため、システムのスイッチ数がさらに増加する。
【0008】
多くの電力変換用途(例えば、電気自動車(EV)のバッテリ充電)は、広い電圧範囲にわたって調整された出力電圧を必要とする。例えば、一般的なEVバッテリ充電器回路の電圧範囲は240~460ボルトである。したがって、異なるバッテリ電圧レベルでの充電要件に対応するには、非常に広い出力電圧範囲にわたってPFCと調整された出力電圧の両方を提供できるコンバータが望まれる。図6に示すデュアルアクティブブリッジ(DAB)絶縁型双方向DC-DCコンバータの概要については、参考文献[7]で説明されており、DABは広い電圧利得範囲のDC-DC変換に使用される。参考文献[8]では、従来のDABをさらに改良して、図7に示すトリプルアクティブブリッジ(TAB)DC-DC絶縁コンバータなどのマルチポート機能を特徴とする。しかし、PFC機能を提供するには、DAB段の前に別個AC-DCコンバータが必要である。よりシンプルな構造が望まれる。
【0009】
参考文献
【0010】
参考文献[1]:J.W.Kolar and F.C.Zach,"A novel three-phase utility interface minimizing line current harmonics of high-power telecommunications retifier modules",IEEE Transactions on Industrial Electronics,vol.44,no.4,pp.456-467,Aug.1997。
【0011】
参考文献[2]:J.W.Kolar and T.Friedli,"The essence of three-phase PFC rectifier systems",IEEE Trans. Power Electron,vol.28,no.1,pp.176-198,Jan.2013。
【0012】
参考文献[3]:Jianping Ying et al.,"Integrated Converter Having Three-Phase Power Factor Correction",U.S.Pat. No.7,005,759,issued February 28,2006。
【0013】
参考文献[4]:Yungtaek Jang et al.,"Three-Phase Soft-Switched PFC Rectifiers",U.S.Pat. No.8,687,388,issued April 1,2014。
【0014】
参考文献[5]:Madhusoodhanan et al.,"Solid-State Transformer and MV Grid Tie Applications Enabled by 15kV SiC IGBTs and 10kV SiC MOSFETs Based Multilevel Converters",IEEE Transactions on Industry Applications,vol.51,no.4,pp.3343-3360,July-Aug.2015。
【0015】
参考文献[6]:X.She,A.Q.Huang and R.Burgos,"Review of Solid-State Transformer Technologies and Their Application in Power Distribution Systems",IEEE Journal of Emerging and Selected Topics in Power Electronics,vol.1,no.3,pp.186-198,Sept.2013。
【0016】
参考文献[7]:B.Zhao,Q.Song,W.Liu,and Y.Sun,"Overview of Dual-Active-Bridge Isolated Bidirectional DC-DC Converter for High-Frequency-Link Power-Conversion System",in IEEE Transactions on Power Electronics,vol.29,no.8,pp.4091-4106,Aug.2014。
【0017】
参考文献[8]:C.Zhao,S.D.Round and J.W.Kolar,"An Isolated Three-Port Bidirectional DC-DC Converter With Decoupled Power Flow Management",in IEEE Transactions on Power Electronics,vol.23,no.5,pp.2443-2453,Sept.2008。
【発明の概要】
【0018】
一態様では、本開示は、AC/DCコンバータを提供する。前記AC/DCコンバータは、正端子、負端子、および中性端子を含む複数の内部端子と、前記正端子、負端子、および中性端子に電気的に結合され、三相AC電源に接続可能な少なくとも3つの入力端子を含む入力段と、前記正端子と前記負端子との間に電気的に結合された複数の一次側スイッチを含むスイッチングコンバータ段と、前記スイッチングコンバータ段および前記中性端子に電気的に結合された出力段であって、負荷に接続可能な複数の出力端子を含むことで、前記負荷にDC電圧を供給し、変圧器と複数の二次側スイッチを含むアクティブブリッジとを備える、出力段と、前記スイッチングコンバータ段および前記出力段に電気的に結合されて、前記複数の一次側スイッチおよび前記複数の二次側スイッチのためのゲート信号を生成するコントローラであって、前記複数の一次側スイッチのうちの1つの一次側スイッチのゲート信号と、前記複数の二次側スイッチのうちの対応する1つの二次側スイッチのゲート信号との間に、位相シフトが導入される、コントローラとを備える。
【0019】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段の複数の一次側スイッチは、2つのアクティブスイッチを備え、前記2つのアクティブスイッチの中間点は、前記中性端子に電気的に結合される。
【0020】
一実施形態では、前記入力段は三相ダイオードブリッジを備える。
【0021】
一実施形態では、前記AC/DCコンバータは複数のブーストインダクタをさらに備え、各ブーストインダクタは、EMIフィルタを介して前記三相AC電源の対応する入力端子と前記三相ダイオードブリッジの対応するレグとの間に電気的に結合される。
【0022】
一実施形態では、前記AC/DCコンバータは複数のコンデンサをさらに備え、各コンデンサは、EMIフィルタを介して前記三相AC電源の対応する入力端子と前記中性端子との間に接続される。
【0023】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段は、直列に接続されかつ前記入力段に並列に結合された複数のDCリンクコンデンサをさらに備える。
【0024】
一実施形態では、前記複数のDCリンクコンデンサの中間点は、前記変圧器の1つの一次側端子に電気的に結合され、前記複数の一次側スイッチの中間点は、前記変圧器の別の一次側端子に電気的に結合される。
【0025】
一実施形態では、前記出力段は、第1の変圧器と、前記第1の変圧器の二次側に接続された第1のアクティブブリッジと、第2の変圧器と、前記第2の変圧器の二次側に接続された第2のアクティブブリッジとを備える。前記第1の変圧器の第1の一次側端子は、前記複数のDCリンクコンデンサの中間点に接続される。前記第1の変圧器の第2の一次側端子は、前記第2の変圧器の第1の一次側端子に接続される。前記第2の変圧器の第2の一次側端子は、前記中性端子に接続される。
【0026】
一実施形態では、前記一次側および二次側スイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または逆並列ダイオードを備えた絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。
【0027】
一実施形態では、前記AC/DCコンバータは、前記変圧器の1つの二次側端子と前記アクティブブリッジの中間点との間に電気的に結合されたブロッキングコンデンサをさらに備える。
【0028】
一実施形態では、前記アクティブブリッジは、4つのアクティブスイッチを含むフルアクティブブリッジまたは2つのアクティブスイッチを含むハーフブリッジを備える。
【0029】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段は、直列に電気的に結合された第1、第2、第3、および第4のアクティブスイッチと、前記第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点と前記第3および第4のアクティブスイッチの間の中間点との間に電気的に結合されたフライングコンデンサとを備える。前記第2および第3のアクティブスイッチの中間点は、前記中性端子に電気的に結合される。
【0030】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段は、前記正端子と前記負端子の間に直列に電気的に結合された第1および第2のアクティブスイッチと、前記正端子と前記負端子の間に直列に電気的に結合された第3および第4のアクティブスイッチとを含むアクティブフルブリッジ回路を備える。前記第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点は、前記中性端子に電気的に結合され、前記第3および第4のアクティブスイッチの間の中間点は、前記変圧器の1つの一次側端子に電気的に結合される。
【0031】
一実施形態では、前記AC/DCコンバータは、前記入力段に並列に電気的に結合されたDCリンクコンデンサをさらに備える。
【0032】
一実施形態では、前記AC/DCコンバータは、前記第3および第4のアクティブスイッチの間の前記中間点と前記変圧器の前記1つの一次側端子との間に電気的に結合されたブロッキングコンデンサをさらに備える。
【0033】
一実施形態では、前記出力段は2つの変圧器を備え、前記2つの変圧器は、前記2つの変圧器の一次側で直列に接続され、前記2つの変圧器の二次側で並列に接続される。
【0034】
一態様では、本開示は、2つの前記AC/DCコンバータを備えるインターリーブ型または並列型のAC/DCコンバータを提供する。直接並列動作では、前記AC/DCコンバータのうちの第1のAC/DCコンバータのゲート信号は、前記AC/DCコンバータのうちの第2のAC/DCコンバータのゲート信号と同じである。インターリーブ動作では、前記第1のAC/DCコンバータのゲート信号は、前記第2のAC/DCコンバータのゲート信号に対して180度インターリーブされる。
【0035】
一態様では、本開示は、AC/DCコンバータを提供する。前記AC/DCコンバータは、正端子、負端子、および中性端子を含む複数の内部端子と、前記正端子、負端子、および中性端子に電気的に結合され、三相AC電源に接続可能な少なくとも3つの入力端子を含む入力段と、複数のハーフブリッジモジュールを含むスイッチングコンバータ段であって、各ハーフブリッジモジュールは、ループを形成するために直列に接続されたコンデンサと第1および第2のアクティブスイッチを含み、前記複数のハーフブリッジモジュールのうちの第1のハーフブリッジモジュールは前記正端子に電気的に結合され、前記複数のハーフブリッジモジュールのうちの第2のハーフブリッジモジュールは、前記負端子に電気的に結合され、前記複数のハーフブリッジモジュールのうちの少なくとも2つは、前記中性端子に電気的に結合される、スイッチングコンバータ段と、前記スイッチングコンバータ段および前記中性端子に電気的に結合された出力段であって、負荷に接続可能な複数の出力端子を含むことで、前記負荷にDC電圧を供給し、変圧器と複数の二次側スイッチを含むアクティブブリッジとを備える、出力段と、前記スイッチングコンバータ段および前記出力段に結合されて、前記複数のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチと前記複数の二次側スイッチのためのゲート信号を生成するコントローラであって、前記複数のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチのうちの1つのアクティブスイッチのゲート信号と前記複数の二次側スイッチのうちの対応する1つの二次側スイッチのゲート信号との間に、位相シフトが導入される、コントローラとを備える。
【0036】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段は、直列に接続されかつ前記入力段に並列に結合された複数のDCリンクコンデンサをさらに備える。
【0037】
一実施形態では、前記複数のDCリンクコンデンサの中間点は、前記変圧器の1つの一次側端子に電気的に結合される。
【0038】
一実施形態では、前記入力段は三相ダイオードブリッジを備える。
【0039】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段の複数のハーフブリッジモジュールは、第1および第2のハーフブリッジモジュールを備え、前記第1のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチの中間点は、前記正端子に接続される。前記第1のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の接続点は、前記第2のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチの中間点および前記中性端子に接続される。前記第2のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の接続点は、前記負端子に接続される。
【0040】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段の複数のハーフブリッジモジュールは、合計2n個のハーフブリッジモジュールを含み、nは正の整数である。前記2n個のハーフブリッジモジュールのそれぞれの第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点は、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの前のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の底部端子に接続され、ただし、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの第1のハーフブリッジモジュールの第1および第2のアクティブスイッチの間の中間点は、前記正端子に接続され、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの最後のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の底部端子が前記負端子に接続される。前記中性端子は、前記2n個のハーフブリッジモジュールのうちの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の中間点に接続される。
【0041】
一実施形態では、前記入力段は、合計6m個のダイオードを備え、前記スイッチングコンバータ段の複数のハーフブリッジモジュールは、2n個のハーフブリッジモジュールを2組含み、mおよびnは正の整数である。第1組の2n個のハーフブリッジモジュールは、前記中性端子が前記第1組の2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールの間の中間点に電気的に結合された状態で、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続される。第2組の2n個のハーフブリッジモジュールは、前記変圧器の1つの一次側端子が前記第2組の2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールの間の中間点に接続された状態で、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続される。
【0042】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段は、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続された第1、第2、第3、および第4のハーフブリッジモジュールと、フライングコンデンサとを備え、前記フライングコンデンサの第1の端子は、前記第1のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の底部端子に接続され、前記フライングコンデンサの第2の端子は、前記第3のハーフブリッジモジュールのコンデンサと第2のアクティブスイッチとの間の底部端子に接続される。
【0043】
一実施形態では、前記入力段は、合計6m個のダイオードを備え、前記スイッチングコンバータ段は、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続された合計4n個のハーフブリッジモジュールと、フライングコンデンサとを備え、mおよびnは正の整数である。前記中性端子は、前記4n個のハーフブリッジモジュールの上位2n個のハーフブリッジモジュールと下位2n個のハーフブリッジモジュールとの間の中間点に電気的に結合される。前記フライングコンデンサは、前記上位2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の第1中間点と、前記下位2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の第2中間点との間に接続される。
【0044】
一実施形態では、前記出力段は、第1の変圧器と第2の変圧器を備え、前記第1の変圧器の一次側は、前記第2の変圧器の一次側と並列に接続され、前記第1および第2の変圧器のそれぞれは、二次側のフルアクティブブリッジに独立して接続される。
【0045】
一実施形態では、前記出力段は、合計N個の変圧器を備え、前記N個の変圧器の一次側は互いに並列に接続され、前記N個の変圧器のそれぞれの二次側は、独立してフルアクティブブリッジに接続される。
【0046】
一実施形態では、前記スイッチングコンバータ段は、前記正端子と前記負端子の間にカスケード接続された合計4n個のハーフブリッジモジュールと、フライングコンデンサとを備え、nは正の整数である。前記中性端子は、前記4n個のハーフブリッジモジュールの上位2n個のハーフブリッジモジュールと下位2n個のハーフブリッジモジュールとの間の中間点に電気的に結合される。前記フライングコンデンサは、前記上位2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の第1中間点と、前記下位2n個のハーフブリッジモジュールの上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の第2中間点との間に接続される。前記出力段は、合計N個の変圧器を備え、前記N個の変圧器の一次側は互いに並列に接続され、前記N個の変圧器のそれぞれの二次側は、独立してフルアクティブブリッジに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本開示は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮するとよりよく理解される。
【0048】
図1】従来の三相シングルスイッチPFC DCMブースト整流器回路を示す。
【0049】
図2】従来の三相ウィーンPFC整流器回路を示す。
【0050】
図3】従来の三相6スイッチPFCブースト整流器回路を示す。
【0051】
図4】仮想中性点と分割出力コンデンサを備えた従来の三相2スイッチPFC DCMブースト整流器回路を示す。
【0052】
図5】従来の三相2スイッチゼロ電圧スイッチング(ZVS)PFC DCMブースト整流器回路を示す。
【0053】
図6】従来のデュアルアクティブブリッジ(DAB)DC-DC絶縁コンバータを示す。
【0054】
図7】2つの絶縁出力を備えた従来のトリプルアクティブブリッジ(TAB)DC-DC絶縁コンバータを示す。
【0055】
図8A】本開示の一実施形態による絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0056】
図8B】本開示の一実施形態による、コントローラに結合された図8AのAC-DCコンバータを示す。
【0057】
図8C】本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図8AのAC-DCコンバータの主要な波形を示す。
【0058】
図9】本開示の一実施形態による、二次側にブロッキングコンデンサを備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0059】
図10】本開示の一実施形態による、変圧器の二次側にアクティブハーフブリッジ回路を備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0060】
図11A】本開示の一実施形態による絶縁三相3レベルフライングコンデンサZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0061】
図11B】本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図11AのAC-DCコンバータの主要な波形を示す。
【0062】
図12】本開示の一実施形態による、一次側にアクティブフルブリッジ回路を備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0063】
図13A】本開示の一実施形態による、一次側にアクティブフルブリッジ回路およびブロッキングコンデンサを備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0064】
図13B】本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図13AのAC-DCコンバータの主要な波形を示す。
【0065】
図14】本開示の一実施形態によるインターリーブ型または並列型の絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0066】
図15】本開示の一実施形態による、一次側で直列に接続された2つの変圧器と2つの分離された出力を有する絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0067】
図16】本開示の一実施形態による、一次側で直列に接続されかつ二次側で並列に接続された2つの変圧器を備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0068】
図17A】本開示の一実施形態による、2つのハーフブリッジモジュールを備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0069】
図17B図17AのAC-DCコンバータのハーフブリッジモジュールの拡大図を示す。
【0070】
図18A】本開示の一実施形態による、合計6m(m=1、2、3、...)個のダイオードおよび2n(n=1、2、3、...)個のハーフブリッジモジュールに基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0071】
図18B】本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図18AのAC-DCコンバータの主要な波形を示す。
【0072】
図19】本開示の一実施形態による、合計6m(m=1、2、3、...)個のダイオード、および周波数コントローラと位相シフトコントローラの両方を備えた2組の4n(n=1、2、3、...)個のハーフブリッジモジュールに基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0073】
図20A】本開示の一実施形態による、4つのハーフブリッジモジュールを備えた三相3レベルフライングコンデンサZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0074】
図20B】本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図20AのAC-DCコンバータの主要な波形を示す。
【0075】
図21】本開示の一実施形態による、合計6m(m=1、2、3、...)個のダイオードおよび合計4n(n=1、2、3、...)個のハーフブリッジモジュールに基づく、一般化された絶縁三相フライングコンデンサZVS PFC DCMブースト整流器回路を示す。
【0076】
図22A】本開示の一実施形態による、合計6m(m=1、2、3、...)個のダイオード、および2つの絶縁出力を有する2n(n=1、2、3、...)個のハーフブリッジモジュールに基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0077】
図22B】本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図22AのAC-DCコンバータの主要な波形を示す。
【0078】
図23】本開示の一実施形態による、合計6m(m=1、2、3、...)個のダイオード、およびN個の絶縁出力を有する2n(n=1、2、3、...)個のハーフブリッジモジュールに基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【0079】
図24】本開示の一実施形態による、合計6m(m=1、2、3、...)個のダイオード、およびN個の絶縁出力を有する4n(n=1、2、3、...)個のハーフブリッジモジュールに基づく、一般化された絶縁三相3レベルフライングコンデンサZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明者らは、高入力電圧および高電力用途向けの高い拡張性を備えた、低コスト、低入力電流高調波、および高力率の三相絶縁AC-DCコンバータの必要性を認識し、評価した。本開示は、アクティブスイッチのソフトスイッチング機能により、非常に低い入力電流のTHDと良好な力率を提供する三相AC-DCコンバータに関する。
【0081】
図8Aは、本開示の一実施形態による、低入力電流高調波を有する絶縁三相ゼロ電圧スイッチング(ZVS)力率補正(PFC)不連続導通モード(DCM)AC-DCコンバータ800を示す。AC-DCコンバータ800は、EMIフィルタ810を介して三相入力電圧端子V、V、およびVに結合された3つのブーストインダクタL、L、およびLと、「Y」またはスター構成に接続された3つのコンデンサC、C、およびCとを含む。コンデンサC、C、およびCのそれぞれは、EMIフィルタ810を介して三相入力電圧端子V、V、およびVのうちの対応する端子に接続されている。
【0082】
ブーストインダクタL、L、およびLの後には、三相ダイオードブリッジ820とハーフブリッジ回路830が続く。ハーフブリッジ回路830は、三相ダイオードブリッジ820の正端子POSと負端子NEGとの間に直列接続された2つのアクティブスイッチSおよびSを含み、2つのアクティブスイッチSおよびSの中間点は、コンデンサC、C、およびCの接続点(すなわち、中性点または中性端子)Yに接続される。
【0083】
2つの直列接続されたDCリンクコンデンサCDC1およびCDC2は、三相ダイオードブリッジ820に並列に結合され、すなわち、正端子POSと負端子NEGとの間に結合される。2つのDCリンクコンデンサCDC1およびCDC2の中間点は、変圧器840の一方の一次側端子に接続され、アクティブスイッチSおよびSの中間点は、変圧器840の他方の一次側端子に接続される。
【0084】
スイッチSO1、SO2、SO3、およびSO4を含むフルアクティブブリッジ850は、変圧器840の二次側に接続される。アクティブスイッチSおよびSとスイッチSO1、SO2、SO3、およびSO4は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、逆並列ダイオードを備えた絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの任意の適切なスイッチであってもよいことが理解される。
【0085】
図8Bは、本開示の一実施形態による、コントローラ860に結合された図8AのAC-DCコンバータ800を示す。コントローラ860は、三相ダイオードブリッジ820のDCリンク(例えば、DCリンク電圧)から、及び/またはフルアクティブブリッジ850の出力(例えば、出力電流、出力電圧、および出力電力)から情報を取得する。この情報に基づいて、コントローラ860は、スイッチング周波数や、一次側のアクティブスイッチSおよびSと二次側のスイッチSO1、SO2、SO3、およびSO4との間の位相シフトなどの制御変数を調整して、DCリンク電圧、出力電圧、出力電流、および出力電力を調整する。
【0086】
図8Cは、本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図8AのAC-DCコンバータ800の主要な波形を示す。図8Cにおける電流および電圧の基準方向は、V>0、V<0、およびV<0のときのラインサイクルの60度セグメントに対応する(V、VおよびVは、それぞれ入力電圧端子V、VおよびVの電圧を表す)。図8Cに示すように、アクティブスイッチSおよびSは、一方のアクティブスイッチのターンオンと他方のアクティブスイッチのターンオフの間に短いデッドタイムを設けて相補的に動作する。さらに、スイッチSO2およびSO3は同一のゲート信号を有し、スイッチSO1およびSO4は同一のゲート信号を有する。ブーストインダクタ電流iL1、iL2、およびiL3は、スイッチングサイクルごとにゼロにリセットされるため、不連続導通モード(DCM)になる。位相シフトPSは、アクティブスイッチSのゲート信号とスイッチSO1のゲート信号との間に導入される。その結果、変圧器840の一次側電圧Vは、変圧器840の二次側電圧Vと同じ位相シフト角を有する。変圧器電流iLrは、従来のDABコンバータと同様に典型的な台形波形となる。
【0087】
図9は、二次側にブロッキングコンデンサCを備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ900を示す。ブロッキングコンデンサCは、変圧器940の1つの二次側端子と二次側のハーフブリッジ回路(スイッチSO1およびSO3を含む)の中間点との間に接続される。ブロッキングコンデンサCは、変圧器940の二次側が飽和状態にならないように、二次側フルブリッジ(スイッチSO1、SO2、SO3、およびSO4を含む)からの潜在的なDC成分をブロックする。
【0088】
代替実施形態では、図9のAC-DCコンバータ900の二次側アクティブフルブリッジ回路を典型的なハーフブリッジ回路に置き換えて、アクティブ部品数をさらに減らすことができる。図10は、本開示の一実施形態による、変圧器1040の二次側にアクティブハーフブリッジ回路を備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1000を示す。図10のAC-DCコンバータ1000の動作は、図8のAC-DCコンバータ800と非常に類似している。変圧器1040の一次側電圧Vは、二次側電圧Vに対して制御可能な位相シフト角を有する。変圧器電流iLrは、従来のDABコンバータと同様に典型的な台形波形となる。
【0089】
図11Aは、本開示の一実施形態による絶縁三相3レベルZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1100を示す。AC-DCコンバータ1100は、EMIフィルタ1110を介して三相入力電圧端子V、V、およびVに結合された3つのブーストインダクタL、L、およびLと、Yまたはスター構成に接続された3つのコンデンサC、C、およびCとを含む。ブーストインダクタL、L、およびLの後には、三相ダイオードブリッジ1120および3レベルフライングキャパシタ回路1130が続く。3レベルフライングキャパシタ回路1130は、三相ダイオードブリッジ1120の正端子POSと負端子NEGとの間に直列に接続された4つのアクティブスイッチS、S、S、およびSを含み、4つのアクティブスイッチの中間点(すなわち、アクティブスイッチSとSの間の点P)は、3つのコンデンサC、C、およびCの接続点Yに接続される。フライングまたはフローティングコンデンサCは、最初の2つのアクティブスイッチSおよびSの中間点と最後の2つのアクティブスイッチSおよびSの中間点との間に接続されている。2つのDCリンクコンデンサCDC1およびCDC2は直列に接続され、三相ダイオードブリッジ1120に結合される。DCリンクコンデンサCDC1およびCDC2の中間点は、変圧器1140の一方の一次側端子に接続され、4つのスイッチS、S、S、およびSの中間点(点P)は、変圧器1140の他方の一次側端子に接続される。スイッチSO1、SO2、SO3、およびSO4を含むフルアクティブブリッジは、変圧器1140の二次側に接続される。
【0090】
図11Bは、本開示の一実施形態による、電力段のスイッチングサイクル中の図11AのAC-DCコンバータ1100の主要な波形を示す。図11Bにおける電流および電圧の基準方向は、V>0、V<0、およびV<0のときのラインサイクルの60度セグメントに対応する。図11BのアクティブスイッチS~SおよびスイッチSO1~SO4のゲート駆動時間図からわかるように、アクティブスイッチSおよびSは、一方のアクティブスイッチのターンオンと他方のアクティブスイッチのターンオフの間に短いデッドタイムを設けて相補的に動作する。アクティブスイッチSおよびSも同様に相補的に動作する。アクティブスイッチSおよびSのデューティサイクルは同一であり、50%以下である。アクティブスイッチSのゲート信号は、アクティブスイッチSのゲート信号に対して180度の位相シフト角を持っている。一方、スイッチSO2およびSO3は同一のゲート信号を有し、スイッチSO1およびSO4は同一のゲート信号を有する。スイッチSO1およびSO2は相補的に動作する。ブーストインダクタL、L、およびLの電流は、電流がスイッチングサイクルごとにリセットされるDCMにある。アクティブスイッチSのゲート信号とスイッチSO1のゲート信号との間に、位相シフトPSが導入される。変圧器の一次側電圧Vは典型的な3レベル電圧であり、デューティサイクルDはアクティブスイッチSのデューティサイクルによって決定される。変圧器電流iLrは典型的な台形波形である。
【0091】
図12は、本開示の一実施形態による、一次側にアクティブフルブリッジ回路1230を備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1200を示す。アクティブフルブリッジ回路1230は、図8Aに示すハーフブリッジ回路830を置き換えるアクティブスイッチS~Sを含む。フルブリッジACの点PおよびQは、変圧器1240の一次側に接続される。DCリンクコンデンサCDCは、三相ダイオードブリッジの正端子と負端子の間に接続される。
【0092】
図13Aは、本開示の一実施形態による、一次側にアクティブフルブリッジ回路1330およびブロッキングコンデンサCを備えた絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1300を示す。本実施形態では、ブロッキングコンデンサCは、アクティブフルブリッジ回路1330と変圧器1340との間に挿入され、潜在的なDC成分をブロックして飽和を防止する。
【0093】
図13Bは、本開示の一実施形態による、電力段のスイッチングサイクル中の図13AのAC-DCコンバータ1300の主要な波形を示す。図13Bにおける電流および電圧の基準方向は、V>0、V<0、およびV<0のときのラインサイクルの60度セグメントに対応する。アクティブスイッチS~SおよびスイッチSO1~SO4のゲート駆動時間図からわかるように、アクティブスイッチSおよびSは、一方のアクティブスイッチのターンオンと他方のアクティブスイッチのターンオフの間に短いデッドタイムを設けて相補的に動作する。アクティブスイッチSおよびSは同一のゲート信号を有し、アクティブスイッチSおよびSは同一のゲート信号を有する。スイッチSO2およびSO3は同一のゲート信号を有し、スイッチSO1およびSO4は同一のゲート信号を有する。ブーストインダクタL、L、およびLの電流は、電流がスイッチングサイクルごとにリセットされるDCMにある。アクティブスイッチSのゲート信号とスイッチSO1のゲート信号との間に、位相シフトが導入される。その結果、変圧器の一次側電圧Vは、二次側電圧Vに対して同じ位相シフト角を有する。変圧器電流iLrは典型的な台形波形である。
【0094】
図14は、本開示の一実施形態によるインターリーブ型または並列型の絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。図14に示すように、本実施形態では、図8Aに示すような2つのコンバータモジュール1401および1402は並列化またはインターリーブ化することができる。直接並列動作では、コンバータモジュール1401および1402のそれぞれにおけるスイッチング信号は、図8Cに示すスイッチング信号と同じである。インターリーブ動作では、第2のコンバータモジュール1402のスイッチング信号はすべて、第1のコンバータモジュール1401のスイッチング信号に対して180度インターリーブされる。
【0095】
図15は、本開示の一実施形態による、一次側で直列に接続された2つの変圧器TR1およびTR2と2つの分離された出力を有する絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。第1の変圧器TR1の第1の一次側端子は、2つのDCリンクコンデンサCDC1およびCDC2の中間点に接続され、第1の変圧器TR1の第2の一次側端子は、第2の変圧器TR2の第1の一次側端子に接続される。第2の変圧器TR2の第2の一次側端子は、2つのアクティブスイッチSおよびSの中間点に接続される。第1の変圧器TR1の二次側は、第1の出力用のフルアクティブブリッジに結合され、第2の変圧器TR2の二次側は、第2の出力用の別のフルアクティブブリッジに結合される。
【0096】
図16は、本開示の一実施形態による、一次側で直列に接続されかつ二次側で並列に接続された2つの変圧器TR1およびTR2を有する絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータを示す。図16に示すように、変圧器TR1およびTR2の二次側は並列に接続されているため、フルアクティブブリッジは1つしか実装されていない。
【0097】
図17Aは、本開示の一実施形態による、2つのハーフブリッジモジュール1731および1732を備えた、低入力電流高調波を有する絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1700を示す。図17Bは、図17AのAC-DCコンバータ1700のハーフブリッジモジュール1731および1732の拡大図を示す。AC-DCコンバータ1700は、EMIフィルタ1710を介して三相入力電圧端子V、V、およびVに結合された3つのブーストインダクタL、L、およびLと、Yまたはスター構成に接続された3つのコンデンサC、C、およびCとを含む。ブーストインダクタL、L、およびLの後には、三相ダイオードブリッジ1720およびスイッチングコンバータ段1730が続く。
【0098】
スイッチングコンバータ段1730は、2つのハーフブリッジモジュール1731および1732を含む。図17Bに示すように、ハーフブリッジモジュール1731は、直列に接続され、コンデンサCM1に結合されてループを形成する2つのアクティブスイッチSおよびSを含む。同様に、ハーフブリッジモジュール1732は、直列に接続され、コンデンサCM2に結合されてループを形成する2つのアクティブスイッチSおよびSを含む。図17Aおよび17Bを参照する。ハーフブリッジモジュール1731の中間点は、三相ダイオードブリッジ1720の正端子POSに接続され、ハーフブリッジモジュール1731の底部端子は、ハーフブリッジモジュール1732の中間点に接続される。ハーフブリッジモジュール1732の底部端子は、三相ダイオードブリッジ1720の負端子NEGに接続される。
【0099】
入力フィルタコンデンサC、C、およびCの共通点Nは、ハーフブリッジモジュール1731の底部端子および変圧器1740の一方の一次側端子に接続される。2つのDCリンクコンデンサCDC1およびCDC2の中間点Mは、変圧器1740の他方の一次端子に接続される。フルアクティブブリッジ1750は、変圧器1740の二次側に接続される。
【0100】
Y接続されたコンデンサC、C、およびCは、仮想グランド、つまり入力電圧源の中性共通点(または中性端子)Nと同じ電位を持つノードを作成し、これは3線式システムでは物理的に利用できない。この共通点Nは、2つのハーフブリッジモジュール回路(すなわち、ハーフブリッジモジュール1731および1732)の間の中間点に直接接続され、3つの入力電流は互いにデカップリングされる。このデカップリングにより、3つのブーストインダクタL、L、およびLのそれぞれの電流は、対応する入力相電圧のみに依存し、その結果、THDが低くなり、力率が高くなる。
【0101】
AC-DCコンバータ1700は、一次側のアクティブスイッチS、S、S、S(すなわち、一次側スイッチ)と、二次側のスイッチSO1、SO2、SO3、SO4(すなわち、二次側スイッチ)にスイッチング信号を供給するコントローラ1760をさらに含むことができる。アクティブスイッチSおよびSのスイッチング信号は同一であり、アクティブスイッチSおよびSのスイッチング信号は同一である。スイッチング信号は、実質的に50%のデューティサイクルに固定することができ、ハーフブリッジモジュール1731および1732のそれぞれにおける2つのアクティブスイッチのスイッチング信号は相補的である。スイッチング信号は、すべてのアクティブスイッチS、S、S、Sがデッドタイム中に短時間オフになるように、アクティブスイッチの各ペアが反対側のペアがオンになる少し前にオフになる小さなデッドタイムを提供する場合がある。アクティブスイッチSおよびSがオンになると、共通点Nが三相ダイオードブリッジ1720の負端子NEGに接続され、アクティブスイッチSがコンデンサCM2の電圧をブロックし、コンデンサCM1がDCリンクコンデンサになることが分かる。同様に、アクティブスイッチSおよびSがオンになると、共通点Nが三相ダイオードブリッジ1720の正端子POSに接続され、アクティブスイッチSがコンデンサCM1の電圧をブロックし、コンデンサCM2がDCリンクコンデンサになることが分かる。したがって、コンデンサCM1またはコンデンサCM2のコンデンサ電圧は、DCリンク電圧に等しく、この構成ではアクティブスイッチS、S、S、SのそれぞれがDCリンク電圧をブロックする必要がある。
【0102】
二次側では、スイッチSO1およびSO4のスイッチング信号は同一であり、スイッチSO2およびSO3のスイッチング信号は同一である。スイッチング信号は、実質的に50%のデューティサイクルに固定することができ、スイッチSO1およびSO2のスイッチング信号は相補的である。すべてのスイッチのスイッチング周波数は同一である。アクティブスイッチSのスイッチング信号とスイッチSO1のスイッチング信号との間に、位相シフト角が導入され得る。
【0103】
一実施形態では、コントローラ1760は、入力三相電圧、入力三相電流、DCリンクコンデンサ電圧、出力電圧、および出力電流のうちの少なくとも1つに基づいて、すべてのスイッチのスイッチング周波数および位相シフト角を変化させるように適合され得る。コントローラ1760が制御に使用する電圧または電流を測定するために、任意の適切なデバイス(例えば、アナログ/デジタル変換器、電流/電圧変換器など)を使用することができる。最小スイッチング周波数は、全負荷と最小入力電圧によって決定され、最大スイッチング周波数は、軽負荷と最大入力電圧によって決定される。非常に高い周波数の動作を避けるために、AC-DCコンバータ1700が非常に軽い負荷または無負荷でも動作する必要がある場合、制御されたバーストモードまたはパルススキップモードを実装することができる。このコンバータではパルス幅変調制御も可能な制御方式であるが、全負荷範囲でZVSを実現することはできない。スイッチング周波数は、任意の適切な方法で感知された値からコントローラ1760によって決定され得る。例えば、参考文献[4]では、いくつかの実施形態で使用され得る可変周波数制御について説明している。
【0104】
図17Aに示す回路の動作の1つの課題は、ハーフブリッジモジュール1731および1732のフライングコンデンサCM1およびCM2の電圧のバランスを取ることである。動作中、ハーフブリッジモジュール1731および1732の両方のコンデンサCM1およびCM2の電圧が感知される。コントローラ1760は、不平衡電圧が検出されたときに、アクティブスイッチS、S、S、およびSのデューティサイクルを変更することができる。AC-DCコンバータ1700の信頼性を高めるには、動作中に電圧不均衡が生じにくくなるように、ハーフブリッジモジュール1731および1732のコンデンサCM1およびCM2の静電容量を比較的大きくすることが好ましい。
【0105】
AC-DCコンバータ1700は、DCMにおいてブーストインダクタを動作させ、可変周波数変調および位相シフト変調制御ストラテジーを実装することによって、スイッチのZVSとともに、入力電流の低THDと高い力率を提供する。
【0106】
図17Aの回路は、他の実施形態において異なる方法で実装することができる。例えば、図18Aは、高電圧用途における実装形態を示す。図18Aに示すように、本実施形態では、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1800は、合計6m個のダイオード(ここで、m=1、2、3、...)および2n個のハーフブリッジモジュール(ここで、n=1、2、3、...)を含む。図17Aの三相ダイオードブリッジ1720の各ダイオードは、高入力電圧をブロックするために直列に接続されたm個のダイオードに置き換えられる。各ダイオードのブロッキング電圧のバランスを取るために、パッシブスナバ回路が必要になる場合がある。
【0107】
スイッチングコンバータ段1830では、合計2n個のハーフブリッジモジュールが実装される。各ハーフブリッジモジュールの中間点は、前のハーフブリッジモジュールの底部端子に接続される(「カスケード接続される」)。最初のハーフブリッジモジュールの中間点は、三相ダイオードブリッジの正端子POSに接続され、最後のハーフブリッジモジュールの底部端子は、三相ダイオードブリッジの負端子NEGに接続される。入力フィルタコンデンサC、C、およびCの共通点Nは、上位n個のハーフブリッジモジュールと下位n個のハーフブリッジモジュールとの間の中間点に接続されるとともに、変圧器TRの1つの一次側端子に接続される。
【0108】
図18Bは、本開示の一実施形態による、スイッチングサイクル中の図18AのAC-DCコンバータ1800の主要な波形を示す。アクティブスイッチS1a、S2a、...、Snaの制御信号は、アクティブスイッチS(n+1)b、S(n+2)b、...、S2nbの制御信号と同一であり、実質的に50%のデューティサイクルに固定されている。アクティブスイッチS1b、S2b、...、Snbの制御信号は、アクティブスイッチS(n+1)a、S(n+2)a、...、S2naの制御信号と同一であり、これらも実質的に50%のデューティサイクルに固定されている。各ハーフブリッジモジュールの2つのアクティブスイッチの制御信号は相補的である。言い換えると、上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの上部アクティブスイッチと、下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの下部アクティブスイッチが同時にオンおよびオフになる。上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの下部アクティブスイッチと、下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの上部アクティブスイッチが同時にオンおよびオフになる。上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの上部アクティブスイッチと下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの下部アクティブスイッチがオンになると、共通点Nは三相ダイオードブリッジの負端子NEGに接続されることが分かる。同様に、上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの下部アクティブスイッチと下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの上部アクティブスイッチがオンになると、共通点Nは三相ダイオードブリッジの正端子POSに接続される。
【0109】
上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの上部アクティブスイッチと下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの下部アクティブスイッチがオンになると、上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールのコンデンサは直列に接続されて、DCリンクコンデンサになる。上半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの下部アクティブスイッチと下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールの上部アクティブスイッチがオンになると、下半分のレグの各ハーフブリッジモジュールのコンデンサは直列に接続されて、DCリンクコンデンサになる。DCリンクコンデンサの合計電圧が正端子POSと負端子NEGの間のDCバス電圧に等しいため、各ハーフブリッジモジュールの各コンデンサの電圧は、総DCバス電圧のわずか1/nであり、各アクティブスイッチは総DCバス電圧の1/nのみをブロックする必要があるため、非常に高い入力および出力電圧用途で低電圧アクティブスイッチを使用することが可能である。
【0110】
動作中、ハーフブリッジモジュール内のすべてのコンデンサの電圧が検出されることがある。電圧の不均衡が検出された場合、コントローラはアクティブスイッチのデューティサイクルを変更することができる。システムの信頼性を高めるには、動作中に電圧の不均衡が発生しにくくするために、ハーフブリッジモジュールの静電容量を比較的大きくすることが好ましい。
【0111】
二次側では、スイッチング信号を実質的に50%のデューティサイクルに固定することができる。SO1およびSO2のスイッチング信号は相補的であり、SO3およびSO4のスイッチング信号も同様である。アクティブスイッチS1a~Snaのスイッチング信号とスイッチSO1のスイッチング信号との間に、位相シフト角を導入することができる。
【0112】
図19は、本開示の一実施形態による、合計6m個のダイオード(ここで、m=1、2、3、...)および周波数コントローラと位相シフトコントローラの両方を備えた2組の2n個のハーフブリッジモジュール(ここで、n=1、2、3、...)に基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ1900を示す。追加の2n個のハーフブリッジモジュールは、既存の2n個のハーフブリッジモジュールと同じ方法で接続され、三相ダイオードブリッジの正端子と負端子の間に結合される。この回路には、変圧器とその後にフルアクティブブリッジが含まれている。2組の2n個のハーフブリッジモジュールは、図18Aに示すスイッチングコンバータ段1830と同様に動作する。
【0113】
図20Aは、本開示の一実施形態による、4つのハーフブリッジモジュールを備えた、低入力電流高調波を有する三相3レベルフライングコンデンサZVS PFC DCM AC-DCコンバータ2000を示す。AC-DCコンバータ2000は、EMIフィルタ2010を介して三相入力電圧端子V、V、およびVに結合された3つのブーストインダクタL、L、およびLと、Yまたはスター構成に接続された3つのコンデンサC、C、およびCとを含む。ブーストインダクタL、L、およびLの後には、三相ダイオードブリッジ2020およびスイッチングコンバータ段2030が続く。スイッチングコンバータ段2030は、4つのハーフブリッジモジュールを含み、各ハーフブリッジモジュールは、直列に接続された2つのアクティブスイッチを含み、コンデンサに結合される。フライングまたはフローティングコンデンサCの一方の端子は、第1のハーフブリッジモジュールの底部端子に接続され、フライングコンデンサCの他方の端子は、第3のハーフブリッジモジュールの底部端子に接続される。
【0114】
図20Bは、本開示の一実施形態による、電力段のスイッチングサイクル中の図20AのAC-DCコンバータ2000の主要な波形を示す。図20Bにおける電流および電圧の基準方向は、V>0、V<0、およびV<0のときのラインサイクルの60度セグメントに対応する。アクティブスイッチS1a~S4bおよびスイッチSO1~SO4のゲート駆動時間図からわかるように、各ハーフブリッジモジュール内の2つのアクティブスイッチは、一方のスイッチのターンオンと他方のスイッチのターンオフの間に短いデッドタイムを設けて相補的に動作する。アクティブスイッチS4bおよびS2bのデューティサイクルは同一であり、50%以下である。アクティブスイッチS2bのゲート信号は、アクティブスイッチS4bのゲート信号に対して180度の位相シフト角を持っている。一方、スイッチSO2およびSO3は同一のゲート信号を有し、スイッチSO1およびSO4は同一のゲート信号を有する。スイッチSO1およびSO2は相補的に動作する。ブーストインダクタの電流は、電流がスイッチングサイクルごとにリセットされるDCMにある。アクティブスイッチS4bのゲート信号とスイッチSO1のゲート信号との間に、位相シフトPSが導入される。変圧器の一次側電圧Vは典型的な3レベル電圧であり、デューティサイクルDは、アクティブスイッチS4bのデューティサイクルによって決定される。変圧器電流iLrは典型的な台形波形である。
【0115】
図21は、本開示の一実施形態による、合計6m個のダイオード(ここで、m=1、2、3、...)および合計4n個のハーフブリッジモジュール(ここで、n=1、2、3、...)に基づく、一般化された絶縁三相フライングコンデンサZVS PFC DCMブースト整流器回路を示す。図21に示すように、図20Aのスイッチングコンバータ段2030の各ハーフブリッジモジュールは、図18ABに示すような方法で接続されたn個のハーフブリッジモジュールに置き換えられて、高電圧をブロックする。
【0116】
図22Aは、本開示の一実施形態による、合計6m個のダイオード(ここで、m=1、2、3、...)および2つの絶縁出力を有する2n個のハーフブリッジモジュール(ここで、n=1、2、3、...)に基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ2200を示す。本実施形態では、2つの変圧器TR1およびTR2は、図18Aの一次側回路に結合される。2つの変圧器の一次側と一次側回路は、図18Aに示すように同様に接続される。言い換えると、2つの変圧器の一次側は並列に接続されている。二次側では、各変圧器はフルアクティブブリッジと個別の負荷に結合される。両方の変圧器の一次側電圧は同一であり、一次側の動作によって決定される。ただし、各出力ポートの出力電力と電圧は、対応する二次側アクティブブリッジによって個別に制御できる。
【0117】
図22Bは、本開示の一実施形態による、電力段のスイッチングサイクル中の図22AのAC-DCコンバータ2200の主要な波形を示す。一次側のアクティブスイッチ(すなわち、一次側スイッチ)は、図18Bに示されるように同様に動作する。スイッチSO2およびSO3は同一のゲート信号を有し、スイッチSO1およびSO4は同一のゲート信号を有する。スイッチSO1およびSO2は、50%のデューティサイクルで相補的に動作する。スイッチSO6およびSO7は同一のゲート信号を有し、スイッチSO5およびSO8は同一のゲート信号を有する。スイッチSO5およびSO6は、50%のデューティサイクルで相補的に動作する。アクティブスイッチS1aとスイッチSO1の間の位相シフトはPS1であり、S1aおよびSO5の間の位相シフトはPS2である。位相シフト角と出力電圧が異なるため、2つの変圧器TR1とTR2の電流は異なる。その結果、各出力ポートの電力を個別に制御できる。
【0118】
図23は、本開示の一実施形態による、合計6m個のダイオード(ここで、m=1、2、3、...)およびN個の絶縁出力を有する2n個のハーフブリッジモジュール(ここで、n=1、2、3、...)に基づく、一般化された絶縁三相ZVS PFC DCM AC-DCコンバータ2300を示す。本実施形態では、図22に示すように、N個の変圧器は一次側スイッチングコンバータ段に結合される。各変圧器の後には、フルアクティブブリッジと負荷が続く。各出力電流、電圧、および電力は、変圧器の一次側電圧と変圧器の二次側電圧の間の位相シフト角によって個別に制御される。
【0119】
図24は、本開示の一実施形態による、合計6m個のダイオード(ここで、m=1、2、3、...)およびN個の絶縁出力を有する4n個のハーフブリッジモジュール(ここで、n=1、2、3、...)に基づく、一般化された絶縁三相3レベルフライングコンデンサZVS PFC DCM AC-DCコンバータ2400を示す。本実施形態では、図21に示すように、合計N個の変圧器は、一次側ススイッチングコンバータ段に結合される。各変圧器の後には、フルアクティブブリッジと負荷が続く。各出力電流、電圧、および電力は、変圧器の一次側電圧と変圧器の二次側電圧の間の位相シフト角によって個別に制御される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図23
図24
【外国語明細書】