(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110411
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 7/027 20190101AFI20240807BHJP
C09K 21/02 20060101ALI20240807BHJP
C09K 21/08 20060101ALI20240807BHJP
C09K 21/12 20060101ALI20240807BHJP
C09K 21/10 20060101ALI20240807BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20240807BHJP
B32B 17/02 20060101ALI20240807BHJP
B32B 5/02 20060101ALI20240807BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20240807BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20240807BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20240807BHJP
H01M 50/202 20210101ALN20240807BHJP
H01M 50/204 20210101ALN20240807BHJP
【FI】
B32B7/027
C09K21/02
C09K21/08
C09K21/12
C09K21/10
B32B27/12
B32B17/02
B32B5/02 B
B32B5/02 A
B32B27/18 B
B32B27/36
B32B27/40
H01M50/202 401F
H01M50/204 401F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024013976
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0013992
(32)【優先日】2023-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524044522
【氏名又は名称】パク,インスン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,インスン
【テーマコード(参考)】
4F100
4H028
5H040
【Fターム(参考)】
4F100AA20
4F100AA20A
4F100AA37A
4F100AC05
4F100AC05A
4F100AH02C
4F100AJ02A
4F100AJ08A
4F100AK07A
4F100AK15B
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4F100AK57A
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4F100YY00B
4H028AA01
4H028AA25
4H028AA29
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4H028BA04
4H028BA06
5H040AA37
5H040AS01
5H040AS05
5H040AS07
5H040AY04
5H040LL04
5H040LL06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法を提供する。
【解決手段】不燃性基材層100の上部に断熱材層200を備えて、火災発生の際に発泡層を形成することにより、火災が拡散を防止するとともに、不燃性基材層の下部に接着剤層及び離型紙層を備えて表面に容易に付着できるようにする、断熱性能に優れた不燃複合フィルムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災の際に短時間内に発生する高温の火炎に耐え、引張強度を維持して火炎及び爆発による破片拡散を防止し、断熱材層(200)を支持するように、雲母(Mica)シート及び繊維、ガラスファイバー(Glass fiber)、シリカ繊維(Silica fabric)、玄武岩繊維(Basalt fabric)、炭素繊維(Carbon fiber)、アラミド繊維(Aramid fabric)、ポリフェニレンスルフィド繊維(Polyphenylene Sulfide fiber)、セラクウール(Cerak wool)、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)、ポリエステル(Polyester)、ナイロン(Nylon)、ケナフ麻(Kenaf)、ミネラルウール(Mineral wool)、及びウール(Wool)のうちのいずれか1種を含んでなる不燃性基材層(100)と、
前記不燃性基材層の上部に備えられるものであって、火炎及び熱気と直接接触して170度以上に到逹するときに発泡層を形成するように、アクリル系、ポリウレタン系、PA6及びPA66を含むナイロン系、PBT系、PC(Polycarbonate)系、 PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~50重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤10~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、及び分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、及びレベリング剤のうちの1種以上の添加物1~5重量部を含み、希釈剤として油性溶剤であるエタノール又はMEKを含んでなる断熱材層(200)と、を含むことを特徴とする、断熱性能に優れた不燃複合フィルム。
【請求項2】
火災の際に短時間内に発生する高温の火炎に耐え、引張強度を維持して火炎及び爆発による破片拡散を防止し、断熱材層(200)を支持するように、雲母(Mica)シート及び繊維、ガラスファイバー(Glass fiber)、シリカ繊維(Silica fabric)、玄武岩繊維(Basalt fabric)、炭素繊維(Carbon fiber)、アラミド繊維(Aramid fabric)、ポリフェニレンスルフィド繊維(Polyphenylene Sulfide fiber)、セラクウール(Cerak wool)、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)、ポリエステル(Polyester)、ナイロン(Nylon)、ケナフ麻(Kenaf)、ミネラルウール(Mineral wool)、及びウール(Wool)のうちのいずれか1種を含んでなる不燃性基材層(100)と、
前記不燃性基材層(100)の上部に備えられるものであって、火炎及び熱気と直接接触して発泡層を形成するように、アクリル系、ポリウレタン系、ナイロン系、PBT系、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)系、PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~50重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤10~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、及び分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、及びレベリング剤のうちの1種以上の添加物1~5重量部を含み、希釈剤として油性溶剤であるエタノール又はMEKを含んでなる断熱材層(200)と、
前記不燃性基材層(100)の下部に備えられるものであって、PCM(Pre-Coated Metal)、SMC(Sheet Molding Compound)と付着可能に接着処理された接着剤層(300)と、
前記接着剤層に備えられた離型紙層と、を含むことを特徴とする、断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシート。
【請求項3】
前記接着剤層(300)は、難燃性又は非難燃性のうちのいずれか一つを有することを特徴とする、請求項2に記載の断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシート。
【請求項4】
前記離型紙層(400)は、紙形態又はフィルム形態のうちのいずれか一形態を有するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシート。
【請求項5】
断熱材層(200)を支持するように、不燃材を用いてフィルム形態を有し、雲母(Mica)シート及び繊維、ガラスファイバー(Glass fiber)、シリカ繊維(Silica fabric)、玄武岩繊維(Basalt fabric)、炭素繊維(Carbon fiber)、アラミド繊維(Aramid fabric)、ポリフェニレンスルフィド繊維(Polyphenylene Sulfide fiber)、セラクウール(Cerak wool)、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)、ポリエステル(Polyester)、ナイロン(Nylon)、ケナフ麻(Kenaf)、ミネラルウール(Mineral wool)、及びウール(Wool)のうちのいずれか1種を含んでなる不燃性基材層(100)を準備する不燃性基材層準備段階(S100)と、
前記不燃性基材層(100)の上部に、火炎及び熱気と直接接触して所定の厚さの発泡層を形成するように、アクリル系、ポリウレタン系、ナイロン系、PBT系、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)系、PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~50重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤10~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、及び分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、及びレベリング剤のうちの1種以上の添加物1~5重量部を含み、希釈剤として油性溶剤であるエタノール又はMEKを含んでなる前記断熱材層(200)を形成する断熱材層形成段階(S200)と、
前記不燃性基材層(100)の下部に、所定の厚さを有するように、PCM(Pre-Coated Metal)、SMC(Sheet Molding Compound)と付着可能に接着処理された接着剤層(300)を形成する接着剤層形成段階(S300)と、
前記接着剤層(300)の表面に接着剤層を保護する離型紙層(400)を覆う離型紙層カバーリング段階(S400)と、を含むことを特徴とする、断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートの製造方法。
【請求項6】
前記断熱材層形成段階(S200)は、断熱材層(200)の形態によって、スプレータイプ、ペイントタイプ、及びコンマ方式、熱硬化方式、及び反応硬化方式のコーティングタイプのうちの一タイプで形成することを特徴とする、請求項5に記載の断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートの製造方法。
【請求項7】
断熱材層形成段階(S200)で、原料の希釈粘度は、前記スプレータイプが100-400mPa・s、前記ペイントタイプが300-1,500mPa・s、コンマ方式、熱硬化方式、及び反応硬化方式のコーティングタイプが800mPa・s以上を有するように構成することを特徴とする、請求項6に記載の断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法に関し、特に、不燃性基材層の上部に断熱材層を備えて、火災発生の際に発泡層を形成することにより、火災が拡散を防止するとともに、不燃性基材層の下部に接着剤層及び離型紙層を備えて表面に容易に付着できるようにする、断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、火災の危険性がある場所や電気施設が集中している場所には、壁体を介して火炎が拡散することを防止し、有毒ガスが発生しないようにする不燃性シートが備えられている。
【0003】
不燃性シートは、発泡性樹脂の両面に不燃性コーティング層を備えたガラスファイバー織物又はアルミニウム箔を難燃接着剤で接着した後、圧着することによって得ることができる。
【0004】
このような不燃性シートの従来技術として、韓国登録特許第10-1171711号公報の不燃性断熱シート及びその製造装置及び製造方法が提案された。提案された不燃性シートは、施工のために別途の接着剤を使用し、よって接着剤を塗るための工具又は接着剤を塗る作業が要求されるなど、施工性が難しくて作業性が低下する問題点があった。火災発生の際、不燃性シートを接着する接着剤が燃焼することにより、不燃性シートが取れる問題点があった。
【0005】
一方、二次電池(リチウムイオンバッテリーなど)を使用する電気自動車、エネルギー貯蔵装置(ESS、Energy Storage System)、モーターサイクル、電気自転車、ドローン、船舶、汽車、航空の分野などの充電式バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどで火災が発生する場合、これを消火することが難しい問題点があった。
【0006】
また、火炎を一定の空間内に閉じこめるか又は拡散を防止することができないので、2次的な人的及び物的被害及び損失が発生する問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1171711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は従来の問題点を解消するために案出されたものであり、火災発生の際、これを防御するか又は火災拡散を防止することができる、断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法を提供することにその目的がある。
【0009】
また、本発明は、二次電池を使用する電気自動車、エネルギー貯蔵装置、モーターサイクル、電気自転車、ドローン、船舶、汽車、航空の分野などの充電式バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどでの火災発生の際、火炎、熱気、及び爆発による破片の衝撃など、二次電池の連鎖爆発を防止し、火炎、熱気、及び破片の外部放出を遮断することができる、不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法を提供することにその目的がある。
【0010】
また、本発明は、火炎を一定の空間内に閉じこめるか又は拡散を防止し、発泡による火災空間の縮小によって火災に対する自己消火などを具現することにより、2次的な人跡及び物的被害及び損失を防止するか又は遅延させることができる、断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法を提供することにその目的がある。
【0011】
また、本発明は、太陽光発電産業において、太陽光及び火災に脆弱な装置産業の火災拡散防止用分野に適用可能である、断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法を提供することにその目的がある。
【0012】
さらに、本発明は、建設及び建築産業において、各種の建設及び建築分野の火災拡散防止用に適用可能である断熱性能に優れた不燃複合フィルム及びこれを用いた不燃性複合フィルムシート並びに不燃性複合フィルムシートの製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、火災の際に短時間内に発生する高温の火炎に耐え、引張強度を維持して、火炎及び爆発による破片拡散を防止し、断熱材層(200)を支持するように構成された不燃性基材層(100)と、前記不燃性基材層(100)の上部に備えられ、火災及び煙と直接接触して発泡層を形成するように構成される断熱材層(200)と、を含むことにより、火災発生の際、これを防御するか又は火災拡散を防止することができるように構成される。
【発明の効果】
【0014】
したがって、本発明は、火災が発生する場合、従来のように不燃性シートが取れることを防止することができる効果を有する。
【0015】
また、本発明は、充電式バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどで火災が発生する場合、火災をすぐ消火させることができる効果を有する。
【0016】
また、本発明は、火災発生の際、火炎を一定の空間内に閉じこめるか又は拡散を防止することにより、2次的な人跡及び物的被害及び損失が発生することを防止することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による断熱性能に優れた不燃複合フィルムを示す斜視図である。
【
図2】本発明による断熱性能に優れた不燃複合フィルムを示す縦断面図である。
【
図3】本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートを示す斜視図である。
【
図4】本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートを示す縦断面図である。
【
図5】本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明は多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物及び代替物を含むものと理解されなければならない。
【0019】
本実施例は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供するものである。したがって、図面に示す各要素の形状はより明らかな説明のために誇張されることがあり、本発明の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0020】
本発明で使用する用語は単に特定の実施例を説明するためのものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。
【0021】
本発明で、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0022】
まず、本発明は断熱性能に優れた不燃複合フィルムに関するものであり、不燃性基材層100及び断熱材層200のうちの少なくとも一つ以上を含んでなり得る。
【0023】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいてより詳細に説明する。
【0024】
図1及び
図2を参照すると、
図1は本発明による断熱性能に優れた不燃複合フィルムを示す斜視図であり、
図2は本発明による断熱性能に優れた不燃複合フィルムを示す縦断面図である。
【0025】
本発明による断熱性能に優れた不燃複合フィルムは、不燃性基材層100が断熱材層200を支持するように構成される。
【0026】
ここで、前記不燃性基材層100は、火災の際、短時間内に発生する高温の火炎に耐え、引張強度を維持して火炎及び爆発による破片拡散を防止し、前記断熱材層200を支持するように構成される。
【0027】
前記不燃性基材層準備段階S100は、雲母(Mica)シート及び繊維、ガラスファイバー(Glass fiber)、シリカ繊維(Silica fabric)、玄武岩繊維(Basalt fabric)、炭素繊維(Carbon fiber)、アラミド繊維(Aramid fabric)、ポリフェニレンスルフィド繊維(Polyphenylene Sulfide fiber)、セラクウール(Cerak wool)、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)、ポリエステル(Polyester)、ナイロン(Nylon)、ケナフ麻(Kenaf)、ミネラルウール(Mineral wool)、及びウール(Wool)のうちのいずれか1種を含むものであり、不織布(Non-woven)、フェルト(Felt)及び織造形態の織物からなることが好ましい。
【0028】
また、その他に、前記基材層100は1種以上の混合物で構成されることがより好ましい。
【0029】
前記断熱材層200は不燃性基材層100の上部に備えられるものであり、火炎及び熱気と直接接触して170度以上の温度に到逹するときに発泡層を形成するように構成されることにより、火災発生の際、火炎を一定の空間内に閉じこめるか又は火炎の拡散を防止することができる。
【0030】
【0031】
前記断熱材層200は、表1に示すように、水性タイプであり、全体組成物100重量部に対して、アクリル系、ポリウレタン系、ナイロン系、PBT系、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)系、PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~50重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤10~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、レベリング剤のうちの1種以上の添加物1~5重量部、及び希釈剤である水(H2O)を含むように組成される。
【0032】
ここで、前記断熱材層200は、アクリル系、ポリウレタン系、ナイロン系、PBT系、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)系、PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~45重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤15~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、及びレベリング剤のうちの1種以上の添加物1~5重量部、及び希釈剤である水(H2O)を含むようにすることがより好ましい。
【0033】
一方、本発明は、断熱材層200を水性タイプで構成したが、このようなタイプの他に、表2のように、油性タイプ及びエタノールタイプで構成することもできる。
【0034】
【0035】
前記断熱材層200は、表2に示すように、油性タイプであり、全体組成物100重量部に対して、アクリル系、ポリウレタン系、ナイロン系、PBT系、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)系、PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~50重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤10~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、レベリング剤などのその他の添加物1~5重量部、及び希釈剤であるエタノール、MEKその他の油性溶剤の希釈剤を含むように組成される。
【0036】
ここで、前記断熱材層200は、アクリル系、ポリウレタン系、ナイロン系、PBT系、ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)系、PET系、PVC系、シリコン系、エポキシ系、天然ゴム、及び合成ゴムのうちの1種以上の樹脂5~30重量部、リン系、窒素系、無機系、及びハロゲン系のうちの1種以上の難燃剤20~45重量部、有機発泡剤及び無機発泡剤のうちの1種以上の発泡剤15~40重量部、無機系及び有機系のうちの1種以上の顔料剤0~3重量部、分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化剤、及びレベリング剤のうちの1種以上の添加物1~5重量部、及び希釈剤であるエタノール、MEKその他の油性溶剤の希釈剤を含むように組成されることがより好ましい。
【0037】
前記断熱材層200は、積層区間の最外側表面に位置し、火災が発生する場合、火災及び熱気と直接接触する層であり、普段には薄い表面層を維持していて、花火及び熱気が発生して約170度以上の状態になると、自ら発泡して発泡層を形成するので、発泡程度によって発泡層は断熱率を決定することになり、発泡率が高いほど断熱率が低くて熱の移動を防止することができる。このために、前記断熱材層200は、使用部分及び目的によって、さまざまな樹脂、難燃剤、発泡剤を含むように組成され得る。
【0038】
図3及び
図4を参照すると、
図3は本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートを示す斜視図であり、
図4は本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートを示す縦断面図である。
【0039】
本発明による不燃性複合フィルムシートは、
図3及び
図4に示すように、不燃性基材層100の上部に、火災及び煙と直接接触して発泡層を形成する断熱材層200が備えられ、前記不燃性基材層100の下部にPCM(Pre-Coated Metal)、SMC(Sheet Molding Compound)と付着可能に粘着処理された接着剤層300が備えられ、前記接着剤層300を覆う離型紙層400が備えられる。
【0040】
前記接着剤層300は難燃性又は非難燃性のうちのいずれか一つを有することが好ましく、前記離型紙層400は紙形態又はフィルム形態のうちのいずれか一形態を有するように構成されることが好ましい。
【0041】
このような接着剤層300は、断熱性及び不燃性複合シート(フィルム)の使用目的によって粘着性及び接着性によって性能を改善することが好ましく、適用部位によって難燃性又は非難燃性に改善することができ、被着剤の材質及び粘(接)着強度によって物性を改善することが好ましい。
【0042】
図5を参照すると、
図5は本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートの製造方法を示すフローチャートである。
【0043】
本発明による断熱性能に優れた不燃性複合フィルムシートの製造方法は、まず、不燃性基材層準備段階(S100)で、断熱材層200を支持するように不燃材を用いてフィルム形態の不燃性基材層100を準備した後、前記不燃性基材層100の上部に所定の厚さを有する前記断熱材層200を形成する断熱材層形成段階(S200)を実施する。
【0044】
前記不燃性基材層準備段階(S100)は、雲母(Mica)シート及び繊維、ガラスファイバー(Glass fiber)、シリカ繊維(Silica fabric)、玄武岩繊維(Basalt fabric)、炭素繊維(Carbon fiber)、アラミド繊維(Aramid fabric)、ポリフェニレンスルフィド繊維(Polyphenylene Sulfide fiber)、セラクウール(Cerak wool)、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)、ポリエステル(Polyester)、ナイロン(Nylon)、ケナフ麻(Kenaf)、ミネラルウール(Mineral wool)、及びウール(Wool)のうちのいずれか1種を含むものであり、不織布(Non-woven)、フェルト(Felt)及び織造形態の織物からなることが好ましい。
【0045】
また、その他に、前記基材層100は1種以上の混合物で構成されることがより好ましい。
【0046】
前記断熱材層形成段階(S200)で、水性タイプ又は油性タイプで構成された断熱材層200は、生産及び適用形態によって、スプレータイプ、ペイントタイプ、及びコンマ方式、熱硬化方式及び反応硬化方式のコーティングタイプのうちのいずれか一つのタイプで形成することが好ましい。
【0047】
ここで、前記スプレータイプは、表1及び表2に示した原料を粘度100-400mPa・s範囲で希釈した後、スプレー器具を用いて所望の部位にスプレーし、塗膜層の厚さによって乾燥時間を調整して乾燥することによって断熱材層200を形成することができる。ここで、スプレータイプは、主に屈曲部位又は約100μm以下の薄膜をコーティングして塗布する場合に有用である。
【0048】
前記ペイントタイプは、表1及び表2に示した原料を粘度300-1,500mPa・s範囲で希釈した後、筆、ローラー、ヘラなどの器具で所望の部位に塗布した後、塗膜層の厚さによって乾燥時間を調整して乾燥することによって断熱材層200を形成することができる。ペイントタイプは、主に屈曲部位又は約50μm以上の厚さのコーティング作業の際に使用する。
【0049】
前記コーティングタイプは、塗膜の厚さによって、グラビア(Gravure)方式又はコンマ(Comma)方式のコーティング器を使用することができ、概して、100μm以下の塗布層形成の際にはグラビア方式を、50μm以上の塗布層形成の際にはコンマ方式を用いることができる。特に、グラビア方式のコーティングの際には、前記表1及び表2に示した原料を粘度100-400mPa・s範囲に調整し、コンマ方式のコーティングの際には800mPa・s以上の範囲に希釈した後、コーティング(coating)し、これを乾燥することにより、断熱材層200を形成することができる。
【0050】
このようなコーティング層は、適当な塗布層に対して乾燥装置で溶剤を乾燥させるか、又は100度以上の熱を加える場合に硬化する熱硬化方式でコーティング層を形成することができ、2液型のコーティング液を使用して化学反応による硬化方式でコーティング塗膜を形成することができる。仮に、コーティング塗膜の厚さが厚くなければならない場合、押出し工程で塗膜シートを生産し、これを不燃材と合紙して使用することができる。
【0051】
前記押出し方式は、断熱材層200の塗膜層が一定の厚さ以上に厚くなければならない場合、表1及び表2に示した原料を粘度800mPa・s以上の範囲に調整し、押出し工程で塗膜シートを生産し、これを不燃材と合紙して使用することができる。
【0052】
これにより、前記スプレータイプは粘度(viscosity)が100-400mPa・s、前記ペイントタイプは粘度(viscosity)が300-1,500mPa・s、コンマ方式、熱硬化方式及び反応硬化方式のコーティングタイプは粘度(viscosity)が800mPa・s以上を有するようにすることがより好ましい。
【0053】
次いで、接着剤層形成段階(S300)で、前記不燃性基材層100の下部に、所定の厚さを有するものであって、PCM(Pre-Coated Metal)、SMC(Sheet Molding Compound)と付着可能に接着処理された接着剤層300を形成した後、前記接着剤層300の表面に接着剤層を保護する離型紙層400を覆う離型紙層カバーリング段階(S400)を実施することによって製造される。
【0054】
以上、本発明は図面に示示した実施例に基づいて説明したが、これは例示的なものに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であるので、前述した実施例及び図面に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
100 不燃性基材層
200 断熱材層
300 接着剤層
400 離型紙層
S100 不燃性基材層準備段階
S200 断熱材層形成段階
S300 接着剤層形成段階
S400 離型紙層カバーリング段階