(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110416
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ニードル安全装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20240807BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
A61M5/32 510R
A61M5/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014472
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】23154698
(32)【優先日】2023-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514207337
【氏名又は名称】ゼンジーレ・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】リヒャート フォースター
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ゴースヘーファー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ゾマー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン プフラング
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF05
4C066LL26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長手方向軸線を有する細長いハブ部分を備えたニードル安全装置を提供する。
【解決手段】ハブ部分10は、カニューレと、ハブ部分10から外方に向かって延びるガイドピン13とを備え、ニードル安全装置1は、長手方向軸線11に沿って移動するようにハブ部分10上に可動に配置された第1の管状要素20を備えている。第1の管状要素20は、ガイドピン13に摺動可能に係合するガイド軌道21を備え、ガイドピン13がガイド軌道21に沿って移動する場合に、第1の管状要素20がハブ部分10に対して回転するように構成されている。ガイド軌道21は、ガイドピン13を移動不能に保持する最終位置22を有し、ニードル安全装置1は、第1の管状要素20と一緒に長手方向軸線11に沿って可動であるように第1の管状要素20を少なくとも部分的に取り囲むように配置された第2の管状要素30を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射装置(100)のためのニードル安全装置(1)であって、該ニードル安全装置(1)は、
長手方向軸線(11)を有する細長いハブ部分(10)であって、実質的に前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)から延びるカニューレ(12)と、前記長手方向軸線(11)から見て前記ハブ部分(10)から外方に向かって延びるガイドピン(13)とを備える、ハブ部分(10)と、
前記長手方向軸線(11)に沿って移動するように前記ハブ部分(10)上に可動に配置されている第1の管状要素(20)であって、前記ガイドピン(13)に摺動可能に係合するガイド軌道(21)を備え、該ガイド軌道(21)は、前記ガイドピン(13)が前記ガイド軌道(21)に沿って移動する場合に、前記第1の管状要素(20)が前記ハブ部分(10)に対して回転するように構成されており、前記ガイド軌道(21)が、前記ガイドピン(13)を保持するように構成された最終位置(22)を備えている、第1の管状要素(20)と、
前記第1の管状要素(20)と一緒に前記長手方向軸線(11)に沿って可動であるように前記第1の管状要素(20)上に配置されている第2の管状要素(30)であって、前記第1の管状要素(20)が、前記第2の管状要素(30)によって少なくとも部分的に取り囲まれており、前記第2の管状要素(30)が、注射領域との圧接を確立するための接触面(31)を備えている、第2の管状要素(30)と、
ばね要素(40)であって、前記第1の管状要素(20)および/または前記第2の管状要素(30)を前記ハブ部分(10)に対して遠位の方向に付勢し、これにより、前記接触面(31)が前記注射領域に圧接していない場合に、前記接触面(31)が前記カニューレ(12)の先端部(14)よりも、前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、ばね要素(40)と、
を備える、ニードル安全装置(1)。
【請求項2】
前記ガイド軌道(21)は、
初期位置(24)から注射位置(25)へと延びる第1のガイドセグメント(23)であって、前記注射位置(25)において前記カニューレ(12)の前記先端部(14)が前記接触面(31)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間しており、前記ガイド軌道(21)は、前記接触面(31)が前記注射領域に圧接していることによって前記ガイドピン(13)が前記注射位置(25)へと移動するように構成されている、第1のガイドセグメント(23)と、
前記注射位置(25)から前記最終位置(22)へと延びる第2のガイドセグメント(26)であって、前記接触面(31)が前記注射領域との圧接から解放された場合に、前記ガイドピン(13)が前記最終位置(22)へと移動する、第2のガイドセグメント(26)と、
を備える、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項3】
前記初期位置(24)および前記最終位置(22)において、前記接触面(31)が、前記カニューレ(12)の前記先端部(14)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、請求項2記載のニードル安全装置(1)。
【請求項4】
前記ガイド軌道(21)は、前記ガイドピン(13)が前記初期位置(24)から前記注射位置(25)へと移動する場合に、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として第1の角度だけ回転し、前記ガイドピン(13)が前記注射位置(25)から前記最終位置(22)へと移動する場合に、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として第2の角度だけ回転するように構成されている、請求項2または3記載のニードル安全装置(1)。
【請求項5】
前記ガイド軌道(21)は、前記ガイドピン(13)が前記初期位置(24)から前記注射位置(25)を介して前記最終位置(22)へと移動する間に、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として1つの方向で前記ハブ部分(10)に対して回転するように構成されている、請求項2から4までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項6】
前記接触面(31)が開口(32)を有しており、前記ガイドピン(13)が前記初期位置(24)から前記注射位置(25)へと移動する場合に、前記カニューレ(12)の前記先端部(14)が前記開口(32)を通過する、請求項2から5までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項7】
前記第1の管状要素(20)および前記第2の管状要素(30)は、互いに対して回転することを許容するように構成されており、任意選択的に前記第1の管状要素(20)が前記第2の管状要素(30)に回転可能に摺動係合している、請求項1から6までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項8】
前記第2の管状要素(30)は、実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転することができないように構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項9】
前記第1の管状要素(20)と前記第2の管状要素(30)とがラッチ手段(29,39)を備え、該ラッチ手段(29,39)は、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として1つの方向で前記第2の管状要素(30)に対して回転することを許容し、かつ別の方向での回転を阻止するように構成されている、請求項7を引用する請求項8記載のニードル安全装置(1)。
【請求項10】
前記ラッチ手段(29,39)は、前記ガイドピン(13)が注射位置(25)へと移動している場合に、前記ガイドピン(13)が初期位置(24)へと戻ることを阻止し、かつ/または前記ラッチ手段(29,39)は、前記ガイドピン(13)が最終位置(22)から出るように移動することを阻止する、請求項9記載のニードル安全装置(1)。
【請求項11】
前記ばね要素(40)が、前記ハブ部分(10)と前記第2の管状要素(30)とに当接する、請求項1から10までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項12】
前記第1の管状要素(20)は、実質的に前記長手方向軸線(11)に沿って前記第2の管状要素(30)に対して移動させることができない、請求項1から11までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項13】
前記ハブ部分(10)が、実質的に円筒形である、請求項1から12までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)を備えた医療用注射装置(100)。
【請求項15】
前記医療用注射装置(100)がハウジング(110)を備え、該ハウジング(110)は、前記第2の管状要素(30)が実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転しないように前記第2の管状要素(30)に係合しており、任意選択的に前記ハブ部分(10)が、前記ハウジング(110)に固定されている、請求項14記載の医療用注射装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用注射装置のためのニードル安全装置、およびニードル安全装置を含む医療用注射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動注射器またはペン型注入器のような一部の医療用注射装置のためには、医療用注射装置の意図的なかつ/または意図しない再使用が起こり得ないことの保証が必要となることが多い。その理由は多岐にわたっていてよく、例えば、問題の医療用注射装置は、アレルギー性ショックの発生時にアドレナリンのような緊急薬物を注射する自動注射器のように、ただ一度の注射手順を対象とし得るからである。さらに、衛生関連上の理由も考えられることが理解される。これに関して、特に注射後の交差汚染は、使用済みニードルによって人が負傷し汚染される状況では、避けなければならない。
【0003】
さらに、一部の医療用注射装置、特に非医療従事者によっても操作される医療用注射装置、例えば再び自動注射器またはペン型注入器のためには、例えば、使用者の負傷、汚染および/またはカニューレの汚染を阻止するために、カニューレとの意図しない接触が起こり得ないことを保証しなければならない。
【0004】
医療用注射装置の再使用を阻止し、かつ医療用注射装置のカニューレとの偶発的な接触を阻止するために、様々な解決手段、特にニードル安全装置が従来技術から知られている。概して、公知のニードル安全装置は、ニードルの周囲に配置されたスリーブが設けられており、これによって同ニードルとの意図しない接触が阻止されるという原理に基づくものである。さらに、スリーブは、注射を行うことができるように、注射領域に接触するや否や移動させられるように構成されている一方で、注射後のスリーブの再移動は、例えばロック手段によって阻止されている。しかし、従来技術の特定の解決手段、または既存のニードル安全装置は、幾つかの欠点を有しており、これらの欠点のうちの一部を下記に挙げる。
【0005】
第1に、医療用注射装置のための一部の既存のニードル安全装置は、注射領域にねじれを生じさせる。これは例えば、ニードルを取り囲んでいるスリーブが、例えばロックを生じさせるために、注射中に医療用注射装置に対して回転するからである。この回転は、患者にとって通常は不快に感知され、最悪の場合には、患者に注射を中断させてしまう。
【0006】
第2に、一部のニードル安全装置は、カニューレが永続的に接触を防止されているように注射後にスリーブを位置固定することを目的としたロック手段が再び解放されることを許容している。その1つの理由は、スリーブのロックをもたらした運動が、例えばスリーブをロックされていない初期状態に戻るように回転させることによって、手動で逆戻しされ得ることである。別の理由は、ロック手段自体が再び手動でロック解除され得ることが考えられる。例えば、ロックアームの解放によるか、または米国特許第9,907,916号明細書に記載された実施形態におけるように、ピンを、このピンが保持されるべき最終位置から出るように移動させることによるものである。
【0007】
第3に、ほとんどのニードル安全装置は、スリーブが、ロックされていない初期位置に戻ることを阻止するための唯一のロック手段しか有していない。結果として、例えば1つのロック手段が故障するか、または故意に無効化された場合にスリーブがロックされていない初期位置に戻ることを阻止する冗長性は通常は存在していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本開示の目的は、少なくとも部分的に上述の欠点を克服する、医療用注射装置のためのニードル安全装置および医療用注射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項に定義されているような、医療用注射装置のためのニードル安全装置および医療用注射装置によって、少なくとも部分的に達成される。本開示の別の態様は、従属請求項において定義されている。
【0010】
特に、本発明のこの目的は、医療用注射装置のためのニードル安全装置によって達成される。ニードル安全装置は、医療用注射装置の再使用を阻止し、かつカニューレのような穿刺手段との偶発的な接触を阻止するように機能することができ、任意選択的に、ニードル安全装置は、付加的な機能を提供することができる。医療用注射装置は、自動注射器、ペン型注入器および/またはシリンジであってよい。しかし、好適には、医療用注射装置は自動注射器である。なぜならば、自動注射器は特に、再使用が阻止され、かつ穿刺手段との偶発的な接触が回避されることに依拠するからである。これは例えば、自動注射器が、例えば緊急事態において、通常は非医療従事者によって操作されるからである。
【0011】
ニードル安全装置は、長手方向軸線を有する細長いハブ部分を備え、ハブ部分は、実質的に長手方向軸線に沿ってこのハブ部分から延びるカニューレと、長手方向軸線から見てハブ部分から外方に向かって延びるガイドピンとを備えている。特に、ハブ部分が実質的に円筒形の形状を有している場合、ハブ部分の長手方向軸線は、ハブ部分の長手方向中心軸線であってもよい。カニューレは、中空ニードルまたは注射針と称することもできる。さらに、カニューレは、ハブ部分に直接的または間接的に取り付けられていてよい。上記カニューレは、ニードル配列の一部であってよい。さらに、例えば医療用注射装置内の液体貯蔵器の貫通を実現することができるように、カニューレがハブ部分に対して可動であるように設計されていてよいことが理解される。ガイドピンは、長手方向軸線から見て、長手方向軸線に対して実質的に垂直にハブ部分から外方へと突出していてよい。さらにガイドピンは、実質的に円筒形の形状を有していてよい。しかし、ガイドピンが、代替的に、好適には実質的に長手方向軸線に対して垂直に延びる、実質的に平坦な摺動面を有していてよい。このガイドピンの利点は、以下に記載されている。
【0012】
さらに、ニードル安全装置は、長手方向軸線に沿って移動するようにハブ部分上に可動に配置されている第1の管状要素を備えており、第1の管状要素は、ガイドピンに摺動可能に係合するガイド軌道を備え、このガイド軌道は、ガイドピンがガイド軌道に沿って移動する場合に、第1の管状要素がハブ部分に対して回転するように構成されており、ガイド軌道が、ガイドピンを保持するように構成された最終位置を備えている。例えば、第1の管状要素は、ハブ部分の外面によって摺動可能にガイドされている第1の管状要素の内面によってハブ部分上に可動に配置されていてよい。ハブ部分は、ニードル安全装置が医療用注射装置に組み付けられている場合に、医療用注射装置に対する回転を許容しないように、構成されていてよい。さらに、最終位置がガイドピンを保持するように構成されている態様は、ガイドピンがガイド軌道の別の部分に戻ることを阻止されていることを意味し得る。したがって、これによりニードル安全装置は、医療用注射装置の再使用を阻止するように機能することができる。さらに、ガイドピンが備えていてよい実質的に平坦な上述の摺動面によって、ガイド軌道の所定の区分において、例えば、実質的に円筒形のガイド要素と比較して、より低い摩擦の実現を達成することができる。このことは、例えば、ガイドピンとガイド軌道との間に面接触を形成することにより達成することができる。
【0013】
さらに、ニードル安全装置は、第1の管状要素と一緒に長手方向軸線に沿って可動であるように第1の管状要素上に配置されている第2の管状要素を備えている。第1の管状要素は、第2の管状要素によって少なくとも部分的に取り囲まれており、第2の管状要素が、注射領域と圧接を確立するための接触面を備えている。例えば、第2の管状要素の内面が第1の管状要素の外面によってガイドされるように、第2の管状要素が第1の管状要素上に配置されていてよい。さらに、第1の管状要素は、ガイドピンおよび/またはガイド軌道に例えば人間の指がアクセス可能でないように、第2の管状要素によって取り囲まれていてよい。
【0014】
さらに、ニードル安全装置はばね要素を備えており、このばね要素は、第1の管状要素および/または第2の管状要素をハブ部分に対して遠位の方向に付勢し、これにより、接触面が注射領域に圧接していない場合に、接触面が、カニューレの先端部よりも、長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間している。第1の管状要素および/または第2の管状要素の上述の付勢によって、カニューレの先端部との偶発的な接触を阻止することができる。ばね要素は、コイルばねであってもよい。しかし、異なるばね要素も考えられることが理解される。
【0015】
記載されたニードル安全装置は、従来技術に対して幾つかの利点を有しており、これらの利点のうち2つの利点を以下に詳細に示す。
【0016】
第1に、第2の管状要素が第1の管状要素上に配置されていることにより、注射領域がねじられることを阻止することができる。これは、ハブ部分に対する第1の管状要素の回転を、接触面を備えた第2の管状要素によって注射領域から分離することができるからである。これにより、患者にとって注射プロセスをより快適にすることができる。
【0017】
第2に、第1の管状要素が第2の管状要素によって少なくとも部分的に取り囲まれていることにより、ニードル安全装置は、最終位置に到達している場合に、ガイドピンが再び解放されることを阻止する。特に、ガイドピンを、再び手動でロック解除することはできず、つまりガイドピンを、このガイドピンが保持されるべき最終位置から出るように移動させることはできない。これは、ガイドピンおよび/またはガイド軌道との、意図的なかつ/または意図しない接触を回避することができるからである。
【0018】
記載された利点は、異なる形式で以下に記載されたものにも適用され得ると理解される。
【0019】
ガイド軌道は、初期位置から注射位置へと延びる第1のガイドセグメントを備えていてよく、注射位置においてカニューレの先端部が接触面よりも長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間しており、ガイド軌道は、接触面が注射領域に圧接していることによってガイドピンが注射位置へ移動するように構成されている。ガイド軌道は、注射位置から最終位置へと延びる第2のガイドセグメントをさらに備えていてよく、接触面が注射領域との圧接から解放された場合に、ガイドピンが最終位置へと移動する。したがって、注射後は、カニューレはニードル安全装置内に安全に保管されていてよい。第1のガイドセグメントおよび第2のガイドセグメントは、部分的に重なっていてよい。
【0020】
任意選択的に、初期位置および最終位置において、接触面が、カニューレの先端部よりも長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間している。したがって、ニードル安全装置が初期位置または最終位置にある場合に、第2の管状要素は、カニューレの先端部と指との接触を阻止することができる。例えば、人間の指がカニューレの先端部に接近した場合、指は直ちにカニューレの先端部に接触するのではなく、最初に接触面に接触する。
【0021】
さらに、ガイド軌道は、ガイドピンが初期位置から注射位置へと移動する場合に、第1の管状要素が長手方向軸線を中心として第1の角度だけ回転し、かつガイドピンが注射位置から最終位置へと移動する場合に、第1の管状要素が長手方向軸線を中心として第2の角度だけ回転するように構成されていてもよい。
【0022】
ガイド軌道は、ガイドピンが初期位置から注射位置を介して最終位置へと移動する間に、第1の管状要素が長手方向軸線を中心として1つの方向でハブ部分に対して回転するように構成されていてもよい。したがって、第1の管状要素は、ガイドピンが初期位置から注射位置へと移動する場合に、長手方向軸線を中心として第1の角度だけ回転することができ、第1の管状要素は、ガイドピンが注射位置から最終位置へと移動する場合に、長手方向軸線を中心として同一の回転方向で第2の角度だけ回転することができる。例えば、回転方向の短い反転が排除される必要はない。この構成は、特に、注射位置への到達後に第1の管状要素が誤ってその初期位置へ戻るように回転させられることを阻止することが判った。
【0023】
さらに、接触面は開口を有していてよく、ガイドピンが初期位置から注射位置へと移動する場合に、カニューレの先端部がこの開口を通過する。したがって、開口は、第2の管状要素内への人間の指の挿入を回避する直径を有していてよい。
【0024】
第1の管状要素および第2の管状要素は、互いに対して回転することを許容するように構成されていてよく、任意選択的に、第1の管状要素が第2の管状要素に回転可能に摺動係合している。したがって、注射領域がねじれを受けることを特に阻止することができる。これは、接触面を有する第2の管状要素によって、ハブ部分に対する第1の管状要素の回転を、注射領域から切り離すことができるためである。これにより、注射プロセスは、患者にとってより快適になる。
【0025】
第2の管状要素は、実質的にハブ部分に対して回転できないように構成されていてよい。このことは、第1の管状要素の回転がニードル安全装置の外側から影響を受け得ないことを保証することができる。例えば、第2の管状要素は、ハブ部分に直接係合していてよい。代替的には、ハブ部分に固定的に取り付けられている中間要素が、第2の管状要素がハブ部分に対して回転することができないことを保証することができる。
【0026】
さらに、第1の管状要素および第2の管状要素がラッチ手段を備えていてよく、このラッチ手段は、第1の管状要素が長手方向軸線を中心として1つの方向で第2の管状要素に対して回転することを許容し、かつ別の方向での回転を阻止するように構成されている。したがって、ガイドピンを保持するガイド軌道の最終位置に対して付加的に、第1の管状要素がロックされていない初期位置に戻ることを阻止するための付加的なロック手段が提供されている。その結果、例えば、最終位置におけるガイドピンとガイド軌道との係合がガイドピンを保持できなかった場合に、第1の管状要素が、ロックされていない初期位置に戻ることを阻止することができる冗長性が与えられている。例えば、ラッチ手段は、互いに対して支持される斜面を備えていてよく、斜面がアンダカットを有しているので、斜面の互いに対する相対運動後に、これらの斜面はロックされ、逆回転を実施することはできない。
【0027】
任意選択的に、ラッチ手段は、ガイドピンが注射位置へと移動している場合に、ガイドピンが初期位置へと戻ることを阻止し、かつ/またはラッチ手段は、ガイドピンが最終位置から出るように移動することを阻止する。これは、特に重要な位置に対する付加的なロック手段の提供を可能にし、これにより、ニードル安全装置の安全性および/または信頼性を高めている。
【0028】
ばね要素が、ハブ部分と第2の管状要素とに当接していてよい。この構成は、ばね要素が第1の管状要素の回転に影響を与えることを阻止するという点で有利であることが証明されている。
【0029】
任意選択的に、第1の管状要素は、実質的に長手方向軸線に沿って第2の管状要素に対して移動させることができない。このことは、ガイド軌道とガイドピンとに外部からアクセス不能であることを確実に保証する。
【0030】
さらに、ハブ部分は、実質的に円筒形であってよい。このことは、ハブ部分における第1の管状要素の特に安定したガイドを可能にする。
【0031】
さらに、上述の目的は、上記のようなニードル安全装置を備えた医療用注射装置によって達成される。医療用注射装置は、上述のようなニードル安全装置を備えているので、ニードル安全装置に関して説明された特徴および/または利点は、医療用注射装置にも当てはまり得ると理解される。
【0032】
医療用注射装置はハウジングを備えていてよく、ハウジングは、実質的に第2の管状要素がハブ部分に対して回転しないように第2の管状要素と係合しており、任意選択的にハブ部分が、ハウジングに固定されている。
【0033】
以下に、添付図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本開示によるニードル安全装置を初期状態で示す斜視図である。
【
図2】注射プロセス中のニードル安全装置を示す斜視図である。
【
図3】注射プロセスの終了後のニードル安全装置を示す斜視図である。
【
図4】ニードル安全装置のガイド軌道を示す詳細図である。
【
図5】ニードル安全装置を初期状態で示す断面図である。
【
図6】注射プロセス中のニードル安全装置を示す断面図である。
【
図7】ニードル安全装置の第1の管状要素を示す斜視図である。
【
図8】ニードル安全装置のハブ部分に配置された第1の管状要素を示す斜視図である。
【
図9】本開示による医療用注射装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1~
図9はいずれも、本開示によるニードル安全装置1の全体または一部を示している。
【0036】
図1に示したように、ニードル安全装置1は、長手方向軸線11を有する細長いハブ部分10を備えている。ハブ部分10が実質的に円筒形の形状を有しているので、ハブ部分10の長手方向軸線11をハブ部分10の長手方向中心軸線11と称することもできることが理解される。
【0037】
特に
図5および
図6に示したように、ハブ部分10は、ハブ部分10から長手方向軸線11に沿って延びるカニューレ12を備えている。カニューレ12は、カニューレ12を取り囲むキャリア部分を介して間接的にハブ部分10に取り付けられている。さらに、カニューレ12は、医療用注射装置内の液体貯蔵器の貫通を実現するために、ハブ部分10に対して可動である。
【0038】
さらに、
図8において詳細に示したように、ハブ部分10は、長手方向軸線11から見て、ハブ部分10から外方に向かって延びるガイドピン13をさらに備えている。特に、ガイドピン13は、長手方向軸線11から見てハブ部分10から外方に向かって、長手方向軸線11に対して実質的に垂直に突出している。さらに、
図4に示したように、ガイドピン13は、長手方向軸線11に対して実質的に垂直に延びる、実質的に平坦な摺動面を備えている。
【0039】
ニードル安全装置1は、第1の管状要素20をさらに備えている。第1の管状要素20は、長手方向軸線11に沿って移動するようにハブ部分10上に可動に配置されている。この第1の管状要素20は、例えば、
図8に具体的に詳細に示されている。第1の管状要素20は、ガイドピン13に摺動可能に係合するガイド軌道21を備えている。上記ガイド軌道21は、ガイドピン13がガイド軌道21に沿って移動する場合に、第1の管状要素20がハブ部分10に対して回転するように構成されている。ガイド軌道21は、ガイドピン13を保持するように構成された最終位置22を備えている。例示的に
図3および
図4では、ガイドピン13が最終位置22に到達している。これにより
図4には、カニューレ12を繰り返し露出させようとする試みがどのように阻止されるかが図示されている。詳細には、ガイドピン13は、ガイド軌道の対応領域に当接しており、これによりガイドピン13を最終位置22に保持しており、これによりガイドピン13がガイド軌道21の別の部分に戻ることが阻止されている。
【0040】
ガイドピン13が備える実質的に平坦な摺動面によって、ガイド軌道21の所定の区分において、例えば、実質的に円筒形のガイド要素に比べて良好な摺動の実現を達成することができる。これは、例えば、ガイドピンとガイド軌道との間に面接触を形成することにより達成することができる。この態様は、例えば
図4を参照した場合に当業者によって理解されるであろう。
【0041】
さらに、ニードル安全装置1は、第2の管状要素30を備えており、この第2の管状要素30は、第1の管状要素20と一緒に長手方向軸線11に沿って可動であるように第1の管状要素20上に配置されている。第1の管状要素20は、第2の管状要素30によって取り囲まれている。さらに、第2の管状要素30は、注射領域との圧接を確立するための接触面31を備えている。上記接触面31は開口32を有しており、ガイドピン13が初期位置24から注射位置25へと移動する場合に、カニューレ12の先端部14がこの開口32を通過する。
【0042】
さらに、ニードル安全装置1はばね要素40を備えており、ばね要素40は、第2の管状要素30をハブ部分10に対して遠位の方向に付勢し、これにより、接触面31が注射領域に圧接していない場合に、接触面31は、カニューレ12の先端部14よりも、長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間している。特に、コイルばねであるばね要素40は、ハブ部分10および第2の管状要素30に当接する。
【0043】
図1~
図4に示したように、ガイド軌道21は、初期位置24から注射位置25へと延びる第1のガイドセグメント23を備えている。上記注射位置25において、カニューレ12の先端部14は、接触面31よりも長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間している。ガイド軌道21は、接触面31が注射領域に圧接していることによってガイドピン13が注射位置25に移動するように構成されている。さらに、ガイド軌道21は、注射位置25から最終位置22へと延びる第2のガイドセグメント26を備えており、接触面31が注射領域との圧接から解放された場合に、ガイドピン13が最終位置22へと移動する。
【0044】
図1および
図3に図示されているように、初期位置24および最終位置22において、接触面31が、カニューレ12の先端部14よりも長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間している。したがって、カニューレ12の先端部14との意図しない接触が阻止されている。
【0045】
さらに、
図1~
図3に示すように、さらにガイド軌道21は、ガイドピン13が初期位置24から注射位置25へと移動する場合に、第1の管状要素20が長手方向軸線11を中心として第1の角度だけ回転し、ガイドピン13が注射位置25から最終位置22へと移動する場合に、第1の管状要素20が長手方向軸線11を中心として第2の角度だけ回転するように構成されている。特に、ガイド軌道21は、ガイドピン13が初期位置24から注射位置25を介して最終位置22に移動する間に、第1の管状要素20が長手方向軸線11を中心として1つの方向でハブ部分10に対して回転するように構成されている。
【0046】
第1の管状要素20および第2の管状要素30は、互いに対して回転することを許容するように構成されており、第1の管状要素20は、第2の管状要素30に回転可能に摺動係合している。特に、
図1~
図3に図示したように、第1の管状要素20の突出部は、第2の管状要素30の切欠きに摺動可能に係合している。
【0047】
さらに、明示されていないが、
図1~
図3からは、第2の管状要素30がハブ部分10に対して回転することができないように構成されていることが理解される。例えば、このことは、第2の管状要素30が回転されていないのに対して、第2の管状要素30の切欠き内において第1の管状要素20の突出部が異なる位置にあることから推測することができる。詳細には、
図5および
図6に示されているように、ハウジング110が第2の管状要素30に係合し、これにより、第2の管状要素30はハブ部分10に対して実質的に回転しないようになっている。
【0048】
さらに、
図2および
図8に示したように、第1の管状要素20および第2の管状要素30は、ラッチ手段29,39を備えている。ラッチ手段29,39は、第1の管状要素20が長手方向軸線11を中心として1つの方向で第2の管状要素30に対して回転することを許容し、別の方向に回転することを阻止するように構成されている。特に、ラッチ手段29,39は、ガイドピン13が注射位置25に移動している場合に、ガイドピン13が初期位置24へと戻ることを阻止し、ガイドピン13が最終位置22から出るように移動することを阻止する。
【0049】
当業者であれば
図1~
図3から判るように、第1の管状要素20は、第2の管状要素30に対して長手方向軸線11に沿って実質的に移動させることができない。
【0050】
図9には、上述したようなニードル安全装置1を備えた医療用注射装置100が図示されている。図示したように、ハブ部分10が、ハウジング110に固定されている。しかし、
図5および
図6とは異なり、第2の管状要素30が実質的にハブ部分10に対して回転しないように第2の管状要素30に係合するハウジング110の部分は示されていない。
【符号の説明】
【0051】
1 ニードル安全装置
10 細長いハブ部分
11 長手方向軸線
12 カニューレ
13 ガイドピン
14 カニューレの先端部
20 第1の管状要素
21 ガイド軌道
22 最終位置
23 第1のガイドセグメント
24 初期位置
25 注射位置
26 第2のガイドセグメント
29 ラッチ手段
30 第2の管状要素
31 接触面
32 接触面の開口
39 ラッチ手段
40 ばね要素
100 医療用注射装置
110 ハウジング
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射装置(100)のためのニードル安全装置(1)であって、該ニードル安全装置(1)は、
長手方向軸線(11)を有する細長いハブ部分(10)であって、実質的に前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)から延びるカニューレ(12)と、前記長手方向軸線(11)から見て前記ハブ部分(10)から外方に向かって延びるガイドピン(13)とを備える、ハブ部分(10)と、
前記長手方向軸線(11)に沿って移動するように前記ハブ部分(10)上に可動に配置されている第1の管状要素(20)であって、前記ガイドピン(13)に摺動可能に係合するガイド軌道(21)を備え、該ガイド軌道(21)は、前記ガイドピン(13)が前記ガイド軌道(21)に沿って移動する場合に、前記第1の管状要素(20)が前記ハブ部分(10)に対して回転するように構成されており、前記ガイド軌道(21)が、前記ガイドピン(13)を保持するように構成された最終位置(22)を備えている、第1の管状要素(20)と、
前記第1の管状要素(20)と一緒に前記長手方向軸線(11)に沿って可動であるように前記第1の管状要素(20)上に配置されている第2の管状要素(30)であって、前記第1の管状要素(20)が、前記第2の管状要素(30)によって少なくとも部分的に取り囲まれており、前記第2の管状要素(30)が、注射領域との圧接を確立するための接触面(31)を備えている、第2の管状要素(30)と、
ばね要素(40)であって、前記第1の管状要素(20)および/または前記第2の管状要素(30)を前記ハブ部分(10)に対して遠位の方向に付勢し、これにより、前記接触面(31)が前記注射領域に圧接していない場合に、前記接触面(31)が前記カニューレ(12)の先端部(14)よりも、前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、ばね要素(40)と、
を備える、ニードル安全装置(1)。
【請求項2】
前記ガイド軌道(21)は、
初期位置(24)から注射位置(25)へと延びる第1のガイドセグメント(23)であって、前記注射位置(25)において前記カニューレ(12)の前記先端部(14)が前記接触面(31)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間しており、前記ガイド軌道(21)は、前記接触面(31)が前記注射領域に圧接していることによって前記ガイドピン(13)が前記注射位置(25)へと移動するように構成されている、第1のガイドセグメント(23)と、
前記注射位置(25)から前記最終位置(22)へと延びる第2のガイドセグメント(26)であって、前記接触面(31)が前記注射領域との圧接から解放された場合に、前記ガイドピン(13)が前記最終位置(22)へと移動する、第2のガイドセグメント(26)と、
を備える、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項3】
前記初期位置(24)および前記最終位置(22)において、前記接触面(31)が、前記カニューレ(12)の前記先端部(14)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、請求項2記載のニードル安全装置(1)。
【請求項4】
前記ガイド軌道(21)は、前記ガイドピン(13)が前記初期位置(24)から前記注射位置(25)へと移動する場合に、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として第1の角度だけ回転し、前記ガイドピン(13)が前記注射位置(25)から前記最終位置(22)へと移動する場合に、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として第2の角度だけ回転するように構成されている、請求項2または3記載のニードル安全装置(1)。
【請求項5】
前記ガイド軌道(21)は、前記ガイドピン(13)が前記初期位置(24)から前記注射位置(25)を介して前記最終位置(22)へと移動する間に、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として1つの方向で前記ハブ部分(10)に対して回転するように構成されている、請求項2記載のニードル安全装置(1)。
【請求項6】
前記接触面(31)が開口(32)を有しており、前記ガイドピン(13)が前記初期位置(24)から前記注射位置(25)へと移動する場合に、前記カニューレ(12)の前記先端部(14)が前記開口(32)を通過する、請求項2記載のニードル安全装置(1)。
【請求項7】
前記第1の管状要素(20)および前記第2の管状要素(30)は、互いに対して回転することを許容するように構成されており、任意選択的に前記第1の管状要素(20)が前記第2の管状要素(30)に回転可能に摺動係合している、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項8】
前記第2の管状要素(30)は、実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転することができないように構成されている、請求項7記載のニードル安全装置(1)。
【請求項9】
前記第1の管状要素(20)と前記第2の管状要素(30)とがラッチ手段(29,39)を備え、該ラッチ手段(29,39)は、前記第1の管状要素(20)が前記長手方向軸線(11)を中心として1つの方向で前記第2の管状要素(30)に対して回転することを許容し、かつ別の方向での回転を阻止するように構成されている、請求項8記載のニードル安全装置(1)。
【請求項10】
前記ラッチ手段(29,39)は、前記ガイドピン(13)が注射位置(25)へと移動している場合に、前記ガイドピン(13)が初期位置(24)へと戻ることを阻止し、かつ/または前記ラッチ手段(29,39)は、前記ガイドピン(13)が最終位置(22)から出るように移動することを阻止する、請求項9記載のニードル安全装置(1)。
【請求項11】
前記ばね要素(40)が、前記ハブ部分(10)と前記第2の管状要素(30)とに当接する、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項12】
前記第1の管状要素(20)は、実質的に前記長手方向軸線(11)に沿って前記第2の管状要素(30)に対して移動させることができない、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項13】
前記ハブ部分(10)が、実質的に円筒形である、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項14】
請求項1記載のニードル安全装置(1)を備えた医療用注射装置(100)。
【請求項15】
前記医療用注射装置(100)がハウジング(110)を備え、該ハウジング(110)は、前記第2の管状要素(30)が実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転しないように前記第2の管状要素(30)に係合しており、任意選択的に前記ハブ部分(10)が、前記ハウジング(110)に固定されている、請求項14記載の医療用注射装置(100)。
【外国語明細書】