IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼンジーレ・パット・アーゲーの特許一覧

<>
  • 特開-ニードル安全装置 図1
  • 特開-ニードル安全装置 図2
  • 特開-ニードル安全装置 図3
  • 特開-ニードル安全装置 図4
  • 特開-ニードル安全装置 図5
  • 特開-ニードル安全装置 図6
  • 特開-ニードル安全装置 図7
  • 特開-ニードル安全装置 図8
  • 特開-ニードル安全装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110418
(43)【公開日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ニードル安全装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20240807BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
A61M5/32 510P
A61M5/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014479
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】23154701
(32)【優先日】2023-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514207337
【氏名又は名称】ゼンジーレ・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】リヒャート フォースター
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ゴースヘーファー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ゾマー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン プフラング
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE14
4C066FF05
4C066LL26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】長手方向軸線を有する細長いハブ部分を備えたニードル安全装置を提供する。
【解決手段】ハブ部分10はカニューレ12、ハブ部分10に対して長手方向軸線11に沿って可動であるように配置された管状の保護要素20を備え、保護要素20は、注射領域との圧接を確立するための接触面21を備える。さらに、装置1は、少なくとも2つのロック部材31、32を備えた管状の分離可能要素30、ばね要素40を備える。ばね要素40は、接触面21がカニューレ12の先端部よりも長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間するように保護要素20を付勢する。保護要素20は、接触面21が注射領域に対する接触から解放されるとき、分離可能要素30が保護要素20から取り除かれてロック部材31、32へと分離し、分離されたロック部材31、32は、保護要素20が最終位置へと移動したときに、保護要素20が注射位置へと戻ることを阻止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射装置(100)のためのニードル安全装置(1)であって、該ニードル安全装置(1)は、
長手方向軸線(11)を有する細長いハブ部分(10)であって、実質的に前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)から延びるカニューレ(12)を備えた、ハブ部分(10)と、
前記ハブ部分(10)に対して前記長手方向軸線(11)に沿って可動であるように配置された管状の保護要素(20)であって、該保護要素(20)は、注射領域との圧接を確立するための接触面(21)を備えており、該接触面(21)は、前記ニードル安全装置(1)の初期位置において、前記カニューレ(12)の先端部(13)よりも、前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、管状の保護要素(20)と、
前記初期位置において前記保護要素(20)内に取外し可能に配置されている管状の分離可能要素(30)であって、これにより前記分離可能要素(30)は、前記保護要素(20)と一緒に前記長手方向軸線(11)に沿って可動であり、前記分離可能要素(30)は、少なくとも2つのロック部材(31,32)を備えている、管状の分離可能要素(30)と、
前記ハブ部分(10)に対して遠位の方向で前記保護要素(20)を付勢するばね要素(40)であって、これにより前記接触面(21)は、該接触面(21)が前記注射領域に圧接していないときに、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)よりも、前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、ばね要素(40)と、
を備え、
前記保護要素(20)は、前記接触面(21)を前記注射領域に圧接させたときに注射位置へと移動するように構成されており、前記注射位置において、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)は、前記接触面(21)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間しており、前記接触面(21)が前記注射領域との圧接から解放されたときに、前記分離可能要素(30)は前記保護要素(20)から取り除かれて、これにより少なくとも2つのロック部材(31,32)へと分離し、分離した前記ロック部材(31,32)は、前記保護要素(20)が最終位置へと移動したときに、前記保護要素(20)が前記注射位置へと戻ることを阻止し、前記最終位置において、前記接触面(21)は、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、ニードル安全装置(1)。
【請求項2】
前記初期位置において、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が、物質的に互いに結合されていない、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項3】
前記初期位置において、前記分離可能要素(30)は、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が一緒に保持され、かつ互いに当接しているように、前記保護要素(20)によって少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項1または2記載のニードル安全装置(1)。
【請求項4】
前記初期位置において、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が、互いに一体的に形成されている、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項5】
前記接触面(21)は開口(22)を有しており、前記保護要素(20)が前記注射位置へと移行されるときに、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)が前記開口(22)を通過する、請求項1から4までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項6】
前記保護要素(20)は、実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転しないように構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項7】
前記保護要素(20)と前記分離可能要素(30)とが、互いに対して回転することを可能にするように構成されており、任意選択的には、前記分離可能要素(30)が、前記保護要素(20)に回転可能に摺動係合している、請求項1から6までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項8】
前記ハブ部分(10)および前記分離可能要素(30)がそれぞれ保持手段(16,36)を備えており、該保持手段(16,36)は、前記保護要素(20)が前記最終位置へと移動するときに、前記分離可能要素(30)が前記ハブ部分(10)に対して所定の位置に保持されるように、互いに係合するように構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項9】
前記ハブ部分(10)および/または前記分離可能要素(30)が回転手段(17,37)を備えており、該回転手段(17,37)は、前記分離可能要素(30)が内部に配置されている前記保護要素(20)が前記初期位置から前記注射位置へと移動するときに、前記分離可能要素(30)を前記ハブ部分(10)に対して回転させ、前記ハブ部分(10)に対して前記分離可能要素(30)を回転させることにより、前記保持手段(16,36)が互いに係合する、請求項8記載のニードル安全装置(1)。
【請求項10】
前記初期位置において、前記分離可能要素(30)は、形状結合接続によって前記保護要素(20)内に取外し可能に配置されており、任意選択的には、前記保護要素(20)が突出部(25)を備え、前記分離可能要素(30)が溝(35)を備えており、前記初期位置において前記突出部(25)と前記溝(35)とが係合している、請求項1から9までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が、前記長手方向軸線(11)から見て半径方向外方に向かって移動し、これにより、前記分離可能要素(30)が前記保護要素(20)から取り外されるときに、ロック部材は互いに分離し、任意選択的には、前記ハブ部分(10)および/または前記分離可能要素(30)は、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)を半径方向外方に向かって移動させるための分離手段を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項12】
前記ハブ部分(10)が第1の当接面(14)を備え、前記保護要素(20)が第2の当接面(24)を備えており、前記最終位置において、分離された前記ロック部材(31,32)のうちの少なくとも一方のロック部材が前記第1の当接面(14)および前記第2の当接面(24)に当接するように前記接触面(21)に圧力が加えられると、その際に、分離された前記ロック部材によって、前記保護要素(20)が前記注射位置へと戻ることが阻止される、請求項1から11までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項13】
前記ばね要素(40)が、前記ハブ部分(10)および前記保護要素(20)に当接している、請求項1から12までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載のニードル安全装置(1)を備える、医療用注射装置(100)。
【請求項15】
前記医療用注射装置(100)はハウジング(110)を備えており、該ハウジング(110)は、前記保護要素(20)が実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転しないように、前記保護要素(20)に係合する、請求項14記載の医療用注射装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用注射装置のためのニードル安全装置、およびニードル安全装置を含む医療用注射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動注射器またはペン型注入器のような一部の医療用注射装置のためには、医療用注射装置の意図的なかつ/または意図しない再使用が起こり得ないことの保証が必要となることが多い。その理由は多岐にわたっていてよく、例えば、問題の医療用注射装置は、アレルギー性ショックの発生時にアドレナリンのような緊急薬物を注射する自動注射器のように、ただ一度の注射手順を対象とし得るからである。さらに、衛生関連上の理由も考えられることが理解される。これに関して、特に注射後の交差汚染は、使用済みニードルによって人が負傷し汚染される状況では、避けなければならない。
【0003】
さらに、一部の医療用注射装置、特に非医療従事者によっても操作される医療用注射装置、例えば再び自動注射器またはペン型注入器のためには、例えば、使用者の負傷、汚染および/またはカニューレの汚染を阻止するために、カニューレとの意図しない接触が起こり得ないことを保証しなければならない。
【0004】
医療用注射装置の再使用を阻止し、かつ医療用注射装置のカニューレとの偶発的な接触を阻止するために、様々な解決手段、特にニードル安全装置が従来技術から知られている。概して、公知のニードル安全装置は、ニードルの周囲に配置されたスリーブが設けられており、これによって同ニードルとの意図しない接触が阻止されるという原理に基づくものである。さらに、スリーブは、注射を行うことができるように、注射領域に接触するや否や移動させられるように構成されている一方で、注射後のスリーブの再移動は、例えばロック手段によって阻止されている。しかし、従来技術の特定の解決手段、または既存のニードル安全装置は、幾つかの欠点を有しており、これらの欠点のうちの一部を下記に挙げる。
【0005】
第1に、医療用注射装置のための一部の既存のニードル安全装置は、注射領域にねじれを生じさせる。これは例えば、ニードルを取り囲んでいるスリーブが、例えばロックを生じさせるために、注射中に医療用注射装置に対して回転するからである。この回転は、患者にとって通常は不快に感知され、最悪の場合には、患者に注射を中断させてしまう。
【0006】
第2に、一部のニードル安全装置は、カニューレが永続的に接触を防止されているように注射後にスリーブを位置固定することを目的としたロック手段が再び解放されることを許容している。その1つの理由は、スリーブのロックをもたらした運動が、例えばスリーブをロックされていない初期状態に戻るように回転させることによって、手動で逆戻しされ得ることである。別の理由は、ロック手段自体が再び手動でロック解除され得ることが考えられる。例えば、ロックアームの解放によるか、または米国特許第9,907,916号明細書に記載された実施形態におけるように、ピンを、このピンが保持されるべき最終位置から出るように移動させることによるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本開示の目的は、少なくとも部分的に上述の欠点を克服する、医療用注射装置のためのニードル安全装置および医療用注射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項に定義されているような、医療用注射装置のためのニードル安全装置および医療用注射装置によって、少なくとも部分的に達成される。本開示の別の態様は、従属請求項において定義されている。
【0009】
特に、本発明のこの目的は、医療用注射装置のためのニードル安全装置によって達成される。ニードル安全装置は、医療用注射装置の再使用を阻止し、かつカニューレのような穿刺手段との偶発的な接触を阻止するように機能することができ、任意選択的に、ニードル安全装置は、付加的な機能を提供することができる。医療用注射装置は、自動注射器、ペン型注入器および/またはシリンジであってよい。しかし、好適には、医療用注射装置は自動注射器である。なぜならば、自動注射器は特に、再使用が阻止され、かつ穿刺手段との偶発的な接触が回避されることに依拠するからである。これは例えば、自動注射器が、例えば緊急事態において、通常は非医療従事者によって操作されるからである。
【0010】
ニードル安全装置は、長手方向軸線を有する細長いハブ部分を備え、ハブ部分は、実質的に長手方向軸線に沿ってこのハブ部分から延びるカニューレを備えている。ハブ部分が実質的に円筒形の形状を有している場合、ハブ部分の長手方向軸線は、ハブ部分の長手方向中心軸線であってもよい。カニューレは、中空ニードルまたは注射針と称することもできる。さらに、カニューレは、ハブ部分に直接的または間接的に取り付けられていてよい。上記カニューレは、ニードル配列の一部であってよい。さらに、例えば医療用注射装置内の液体貯蔵器の貫通を実現することができるように、カニューレがハブ部分に対して可動であるように設計されていてよいことが理解される。
【0011】
さらに、ニードル安全装置は、ハブ部分に対して長手方向軸線に沿って可動であるように配置された管状の保護要素を備えており、保護要素は、注射領域との圧接を確立するための接触面を備えている。この接触面は、ニードル安全装置の初期位置において、カニューレの先端部よりも、長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間している。管状の保護要素により、カニューレの先端部を意図しない接触から保護することが可能になる。特に、初期位置において、つまり注射プロセスを開始する前に、保護要素は、カニューレの先端部との接触を阻止することができる。例えば、人間の指がカニューレの先端部に接近したとき、指は直ちにカニューレの先端部に接触するのではなく、最初に接触面に接触する。上記保護要素は、カニューレを取り囲んでいてよいことが理解される。
【0012】
さらに、ニードル安全装置は、管状の分離可能要素を備えており、この分離可能要素は、保護要素と一緒に長手方向軸線に沿って可動であるように、初期位置において保護要素内に取外し可能に配置されており、分離可能要素は、少なくとも2つのロック部材を備えている。例えば、管状の分離可能要素は、初期位置において保護要素に取外し可能に取り付けられていてよい。この場合に、管状の分離可能要素は、直接的または間接的に取り付けられていてよい。例示的には、管状の保護要素の内面は、例えば形状結合によって、管状の分離可能要素の外面に取外し可能に係合することができる。
【0013】
さらに、ニードル安全装置はばね要素を備えており、ばね要素は、保護要素をハブ部分に対して遠位の方向に付勢しており、これにより接触面は、接触面が注射領域に圧接していないときに、カニューレの先端部よりも長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間している。保護要素の上述の付勢により、特に接触面が注射領域に圧接していないとき、すなわち、注射が行われていないときに、カニューレの先端部との偶発的な接触を阻止することができる。ばね要素はコイルばねであってもよい。しかしながら、異なるばね要素も考えられることが理解される。
【0014】
保護要素は、接触面を注射領域に圧接させたときに、注射位置へと移動するように構成されており、注射位置において、カニューレの先端部は、接触面よりも長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間しており、接触面が注射領域との圧接から解放されたときに、分離可能要素は保護要素から取り除かれ、これにより少なくとも2つのロック部材に分離する。分離されたロック部材は、保護要素が最終位置へと移動したときに、保護要素が注射位置へと戻ることを阻止する。最終位置において、接触面は、カニューレの先端部よりも長手方向軸線に沿ってハブ部分からさらに離間している。注射位置においてカニューレの先端部が接触面よりも長手方向軸線に沿ってハブ部分から離間していることにより、カニューレの先端部を注射領域へ挿入することができる。さらに、分離可能要素は、例えばハブ部分によって保持されることによって、保護要素から取り外されることができる一方で、ばね要素は、保護要素をハブ部分に対して遠位の方向に付勢する。さらに、分離可能要素は、分離可能要素が保護要素から取り外された後に解放される分離可能要素における予荷重によって、例えば少なくとも2つのロック部材に分離することができる。さらに、分離可能要素は、分離可能要素および/またはハブ部分におけるそれぞれの手段により、例えば少なくとも2つのロック部材に分離することができる。例えば、分離されたロック部材は、分離によって、長手方向軸線方向での保護要素の可動性が制限されるようにロック部材を配置させるという点で、保護要素が注射位置へ戻ることを阻止することができる。保護要素が注射位置へ戻ることを阻止する分離されたロック部材は、ニードル安全装置が医療用注射装置の再利用を防止する役割を持つことを可能にする。
【0015】
記載されたニードル安全装置は、先行技術に対していくつかの利点を有しており、それらの利点のうち2つの利点が以下に詳細に示されている。
【0016】
第1に、本ニードル安全装置は、回転スリーブのガイド軌道を通って摺動するガイドピンに依存しないので、ニードル安全装置は、注射領域にねじれを生じさせない構成を可能にする。これにより、患者にとって注射プロセスをより快適にすることができる。
【0017】
第2に、管状の分離可能要素は、特にガイドピンがガイド軌道に係合する装置と比較して、ニードル安全装置が初期位置に意図的にかつ意図せずに戻ることをより困難にする。これは、分離されたロック部材が再結合されて、保護要素内に再び配置される必要があるからである。これは極めて困難であることが証明されており、結果として再利用に対するニードル安全装置の高レベルの安全性をもたらす。
【0018】
記載された利点は、異なる表現で以下に記載されたものにも適用できることが理解される。
【0019】
任意選択的に、初期位置において、少なくとも2つのロック部材は、互いに物質的に結合されていない。例示的には、ロック部材は互いに当接していてもよい。さらに例示的には、初期位置において、ロック部材には、保護要素内で互いに対して予荷重が加えられていてよい。したがって、分離可能要素は、保護要素から分離可能要素を取り除いた後に上記予荷重が解放されることにより、少なくとも2つのロック部材へ分離することができる。互いに物質的に結合されていないことにより、ロック部材の分離をより確実に行うことができる。
【0020】
初期位置において、分離可能要素は、少なくとも2つのロック部材が一緒に保持され、かつ互いに当接しているように、保護要素によって少なくとも部分的に取り囲まれていてよい。この構成は、特に分離可能要素が保護要素によって少なくとも部分的に取り囲まれていることにより、保護要素からの分離可能要素の望ましくない取外しの回避を可能にする。さらに、この構成は、保護要素から分離可能要素を取り除いた後に分離可能要素がロック部材へと容易に分離することを可能にする。
【0021】
初期位置において、少なくとも2つのロック部材は、互いに一体的に形成されていてよい。ここで「一体的に形成」とは、少なくとも1つの位置において少なくとも2つのロック部材の間の材料境界を特定することが不可能である態様に関していてよい。少なくとも2つのロック部材を互いに一体的に形成することにより、ニードル安全装置の組み立てを簡素化できることが判った。さらに、望ましくない分離をより容易に回避することができる。
【0022】
さらに、接触面は開口を有していてよく、保護要素が注射位置へと移行されているときに、カニューレの先端部がこの開口を通過する。これにより、開口は、保護要素内への人間の指の挿入を回避する直径を有していてよい。
【0023】
さらに、保護要素は、実質的にハブ部分に対して回転しないように構成されていてよい。したがって、注射領域がねじれることを特に防止することができる。これにより、注射プロセスが患者にとってより快適になる。例示的には、保護要素は、ハブ部分に直接に係合することができる。代替的には、ハブ部分に固定的に取り付けられた、ハウジングのような中間要素は、保護要素がハブ部分に対して回転できないことを保証することができる。
【0024】
保護要素および分離可能要素は、互いに対して回転することを可能にするように構成されていてもよく、任意選択的には、分離可能要素は、保護要素に回転可能に摺動係合している。この回転は、例えば、分離可能要素を保護要素から確実に取り外すために使用することができる。
【0025】
ハブ部分および分離可能要素はそれぞれ保持手段を備えていてよく、保持手段は、保護要素が最終位置へと移動したときに、分離可能要素がハブ部分に対して所定の位置に保持されているように、互いに係合するように構成されている。保護要素は、注射位置から最終位置へと移動することが理解される。保護要素が注射位置から最終位置へと移動するときにハブ部分に対して所定の位置に保持されることにより、分離可能要素を保護要素から確実に取り外すことができる。例えば、保持手段はそれぞれ、互いに係合するように構成されている当接面を備えていてよい。
【0026】
任意選択的に、ハブ部分および/または分離可能要素は回転手段を備えており、回転手段は、分離可能要素が内部に配置されている保護要素が初期位置から注射位置へと移動するときに、分離可能要素をハブ部分に対して回転させる。ハブ部分に対して分離可能要素を回転させることにより、保持手段が互いに係合する。好適には、回転手段は、長手方向軸線を中心としてハブ部分に対して分離可能要素を回転させるように構成されている。ハブ部分に対して分離可能要素を回転させることによって保持手段が互いに係合する特徴により、一方では、保護要素からの分離可能要素の意図しない取外しが生じることを回避することができ、他方では、ニードル安全装置を最終位置から初期位置へと移動させることが特に困難となる。したがって、ニードル安全装置の全体的な安全性を向上させることができる。
【0027】
さらに、初期位置において、分離可能要素は、形状結合接続によって保護要素内に取外し可能に配置されていてよく、任意選択的には、保護要素が突出部を備えており、分離可能要素が溝を備えており、初期位置において、突起と溝とが係合している。例えば、突出部は保護要素の内側に設けられていてよく、溝は分離可能要素の外側に設けられていてよい。形状結合接続は、一方では確実な接続を可能にし、他方では容易な解放を保証することが判った。さらに、このような結合は、特に、分離可能要素と保護要素との間に上記の回転性を提供することを可能にする。
【0028】
少なくとも2つのロック部材が、長手方向軸線から見て半径方向外方に向かって移動することができ、これにより、分離可能要素が保護要素から取り除かれるときに、ロック部材は互いに分離する。任意選択的には、ハブ部分および/または分離可能要素は、少なくとも2つのロック部材を半径方向外方に向かって移動させるための分離手段を有している。上記分離により、保護要素が最終位置へと移動したときに、保護要素が注射位置へ戻ることを阻止するようにロック部材が位置決めされているようにすることができる。例示的に、上記分離手段は、例えば、重力によって少なくとも2つのロック部材を半径方向外方へ押し付ける斜面状の要素であってもよい。
【0029】
任意選択的には、ハブ部分が第1の当接面を備えており、保護要素が第2の当接面を備えており、最終位置において、分離されたロック部材のうちの少なくとも一方のロック部材が第1の当接面および第2の当接面に当接するように接触面に圧力が加えられると、その際に、分離された上記ロック部材によって、保護要素が注射位置に戻ることが阻止される。したがって、ニードル安全装置の再利用が防止される。
【0030】
ばね要素は、ハブ部分および保護要素に当接していてよい。この構成は、ばね要素が分離可能要素の回転に影響を与えることを防止する点で有利であることが判った。
【0031】
さらに、上述の目的は、上記のようなニードル安全装置を備えた医療用注射装置によって達成される。医療用注射装置は、上述のようなニードル安全装置を備えているので、ニードル安全装置に関して説明された特徴および/または利点は、医療用注射装置にも適用できることが理解される。
【0032】
医療用注射装置はハウジングを備えていてよく、ハウジングは、保護要素が実質的にハブ部分に対して回転しないように、保護要素に係合する。
【0033】
以下に、添付図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明によるニードル安全装置の注射前の斜視図である。
図2】注射前のニードル安全装置を示す断面図である。
図3】注射中のニードル安全装置を示す断面図である。
図4】注射後のニードル安全装置を示す断面図である。
図5】注射後のニードル安全装置を示す断面図である。
図6】装置を再び作動させようとするときの、注射後のニードル安全装置を示す断面図である。
図7】ニードル安全装置の管状の分離可能要素を示す斜視図である。
図8】注射後の本発明によるニードル安全装置を示す斜視図である。
図9】注射後の本開示による医療用注射装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1図9は、本開示によるニードル安全装置1の全体または一部を示している。ニードル安全装置1は、長手方向中心軸11を有する細長いハブ部分10を備えている。
【0036】
例えば図2に詳細に示したように、ハブ部分10は、ハブ部分10から実質的に長手方向軸線11に沿って延びるカニューレ12を備えている。特に、カニューレ12は、カニューレ12に固定的に取り付けられたキャリヤ要素を介して間接的にハブ部分に取り付けられている。さらに、カニューレは、医療用注射装置100内の液体貯蔵部の貫通を実現するために、ハブ部分に対して可動に設計されている。
【0037】
さらに、ハブ部分10は、ハブ部分10に対して長手方向軸線11に沿って可動であるように配置されている管状の保護要素20を備えている。保護要素20は、注射領域との圧接を確立するための接触面21を備えており、例えば図1および図2に示されているニードル安全装置1の初期位置において、接触面21は、カニューレ12の先端部13よりも、長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間している。接触面21は開口22を有しており、保護要素20が注射位置へ移行しているときに、カニューレ12の先端部13がこの開口22を通過する(図3を参照)。
【0038】
さらに、ハブ部分10は、管状の分離可能要素30を備えている。この管状の分離可能要素30は、初期位置において保護要素20に取外し可能に配置されており、これにより、分離可能要素30は、保護要素20と一緒に長手方向軸線11に沿って可動である。分離可能要素30は、少なくとも2つのロック部材31,32を備えている。
【0039】
さらに、ハブ部分10は、ハブ部分10に対して遠位の方向に保護要素20を付勢するばね要素40を備えており、これにより接触面21は、接触面21が注射領域(例えば図1および図2を参照)に圧接していないときに、カニューレ12の先端部13よりも、長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間している。ばね要素40は、ハブ部分10および保護要素20に当接している。
【0040】
保護要素20は、注射位置へと移動するように構成されている。注射位置は例えば図3に示されており、接触面21を注射領域に圧接させたときに、図示されているように、注射位置において、カニューレ12の先端部13は、接触面21よりも、長手方向軸線11に沿ってハブ部分10からさらに離間している。
【0041】
さらに、図3および図4に図示したように、接触面21が注射領域との圧接から解放されたときに、分離可能要素30が保護要素20から取り除かれ、これにより、少なくとも2つのロック部材31,32に分離される。特に、分離可能要素30が保護要素20から取り除かれるときに、少なくとも2つのロック部材31,32は長手方向軸線11から見て半径方向外方に向かって移動し、これによって互いに分離する。
【0042】
これにより、図6に示したように、分離されたロック部材31,32は、保護要素20が最終位置へと移動したときに、保護要素20が注射位置へ戻ることを阻止する。
【0043】
最終位置(図5および図8を参照)では、接触面21は、長手方向軸線11に沿って、カニューレ12の先端部13よりもハブ部分10からさらに離間している。
【0044】
図7に図示されているように、初期位置では、少なくとも2つのロック部材31,32は互いに実質的に結合されていない。むしろ、当業者が図1および図2から理解するように、初期位置において分離可能要素30は、少なくとも2つのロック部材31,32が一緒に保持されかつ互いに当接するように、保護要素20によって取り囲まれている。
【0045】
保護要素20は、実質的にハブ部分10に対して回転しないように構成されている。例示的に、図8では、保護要素20の突出部が医療用注射装置のハウジング110のガイド手段に係合しており、これにより、保護要素20は、実質的にハウジング110に取り付けられているハブ部分10に対して回転しない。
【0046】
さらに、保護要素20および分離可能要素30は、互いに対する回転を可能にするように構成されており、分離可能要素30は、保護要素20に回転可能に摺動係合している。特に、初期位置において、分離可能要素30は、形状結合によって保護要素20内に取外し可能に配置されている。保護要素20が突出部25を備え、分離可能要素30が溝35を備えており、初期位置において、突出部25と溝35とが係合している。この係合は、保護要素20および分離可能要素30が互いに対して回転することを可能にする。
【0047】
さらに、ハブ部分10および分離可能要素30はそれぞれ、保持手段16,36を備えている。保持手段16,36は、保護要素20が最終位置(図3および図4を参照)へと移動するときに、分離可能要素30がハブ部分10に対して所定の位置に保持されるように、互いに係合するように構成されている。
【0048】
当業者には、図4では分離可能要素30が保護要素20から分離された直後の状態が示されているのに対し、図5では、保護要素20がばね要素40によって完全に戻され、かつロック部材31,32が重力によってハウジング110内に落下した状態が示されていることが理解される。
【0049】
さらに、ハブ部分10と分離可能要素30とは、分離可能要素30は、分離可能要素30が内部に配置されている保護要素20が初期位置から注射位置へと移動するときに、分離可能要素30をハブ部分10に対して回転させる回転手段17,37を備えている。ハブ部分10に対して分離可能要素30を回転させることにより、保持手段16,36が互いに係合する(図2および図3を参照)。
【0050】
特に、当業者は、図1図4から、ハブ部分10の保持手段16が、ハブ部分10によって形成された周方向の当接面であり、分離可能要素30の保持手段36に当接するように構成されていることを理解する。さらに、図1に示したように、ハブ部分10の回転手段17は、部分的に湾曲したガイド軌道であり、このガイド軌道は、ハブ部分10に対する分離可能要素30の回転を達成することができるように、分離可能要素30の回転手段37に当接するように構成されている。
【0051】
さらに、図4図6および図7に示されているように、分離可能要素30の保持手段36は、管状の分離可能要素30の内側に形成されたリブの第1の端部に形成された当接面である。リブは、長手方向軸線11に対して実質的に平行に延びている。分離可能要素30の回転手段37は、上記リブの第2の端部に形成された当接面である。したがって、分離可能要素30の保持手段36と、分離可能要素30の回転手段37とは一体的に形成されている。
【0052】
さらに、ハブ部分10は、長手方向軸線11に対して平行に、かつハブ部分10の保持手段16である周方向の当接面を貫通して延びる長手方向の切欠きを有している(図1参照)。したがって、初期位置において、分離可能要素30は保護要素20内に配置されており、これにより、一体的に形成された保持手段36および回転手段37は、長手方向の切欠きを通って摺動することができる。
【0053】
さらに、例えば図2および図3に示したように、ハブ部分10は第1の当接面14を備えており、保護要素20が第2の当接面24を備えている。最終位置において、分離されたロック部材31,32のうちの少なくとも一方のロック部材が第1の当接面14および第2の当接面24に当接するように接触面21に圧力が加えられると、その際に保護要素20は、分離されたロック部材によって注射位置へ戻ることを阻止される。この状況は図6に示されている。
【0054】
図9は、上述のようなニードル安全装置1を備えた、本開示による医療用注射装置100を示している。上述のように、医療用注射装置100はハウジング110を備えており、ハウジング110は、保護要素20が実質的にハブ部分10に対して回転しないように、保護要素20と係合する。
【符号の説明】
【0055】
1 ニードル安全装置
10 細長いハブ部分
11 長手方向軸線
12 カニューレ
13 カニューレの先端部
14 第1の当接面
16 保持手段
17 回転手段
20 管状の保護要素
21 接触面
22 接触面の開口
24 第2の当接面
25 突出部
30 管状の分離可能要素
31 第1のロック部材
32 第2のロック部材
35 溝
36 保持手段
37 回転手段
40 ばね要素
100 医療用注射装置
110 ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射装置(100)のためのニードル安全装置(1)であって、該ニードル安全装置(1)は、
長手方向軸線(11)を有する細長いハブ部分(10)であって、実質的に前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)から延びるカニューレ(12)を備えた、ハブ部分(10)と、
前記ハブ部分(10)に対して前記長手方向軸線(11)に沿って可動であるように配置された管状の保護要素(20)であって、該保護要素(20)は、注射領域との圧接を確立するための接触面(21)を備えており、該接触面(21)は、前記ニードル安全装置(1)の初期位置において、前記カニューレ(12)の先端部(13)よりも、前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、管状の保護要素(20)と、
前記初期位置において前記保護要素(20)内に取外し可能に配置されている管状の分離可能要素(30)であって、これにより前記分離可能要素(30)は、前記保護要素(20)と一緒に前記長手方向軸線(11)に沿って可動であり、前記分離可能要素(30)は、少なくとも2つのロック部材(31,32)を備えている、管状の分離可能要素(30)と、
前記ハブ部分(10)に対して遠位の方向で前記保護要素(20)を付勢するばね要素(40)であって、これにより前記接触面(21)は、該接触面(21)が前記注射領域に圧接していないときに、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)よりも、前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、ばね要素(40)と、
を備え、
前記保護要素(20)は、前記接触面(21)を前記注射領域に圧接させたときに注射位置へと移動するように構成されており、前記注射位置において、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)は、前記接触面(21)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間しており、前記接触面(21)が前記注射領域との圧接から解放されたときに、前記分離可能要素(30)は前記保護要素(20)から取り除かれて、これにより少なくとも2つのロック部材(31,32)へと分離し、分離した前記ロック部材(31,32)は、前記保護要素(20)が最終位置へと移動したときに、前記保護要素(20)が前記注射位置へと戻ることを阻止し、前記最終位置において、前記接触面(21)は、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)よりも前記長手方向軸線(11)に沿って前記ハブ部分(10)からさらに離間している、ニードル安全装置(1)。
【請求項2】
前記初期位置において、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が、物質的に互いに結合されていない、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項3】
前記初期位置において、前記分離可能要素(30)は、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が一緒に保持され、かつ互いに当接しているように、前記保護要素(20)によって少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項1または2記載のニードル安全装置(1)。
【請求項4】
前記初期位置において、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が、互いに一体的に形成されている、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項5】
前記接触面(21)は開口(22)を有しており、前記保護要素(20)が前記注射位置へと移行されるときに、前記カニューレ(12)の前記先端部(13)が前記開口(22)を通過する、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項6】
前記保護要素(20)は、実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転しないように構成されている、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項7】
前記保護要素(20)と前記分離可能要素(30)とが、互いに対して回転することを可能にするように構成されており、任意選択的には、前記分離可能要素(30)が、前記保護要素(20)に回転可能に摺動係合している、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項8】
前記ハブ部分(10)および前記分離可能要素(30)がそれぞれ保持手段(16,36)を備えており、該保持手段(16,36)は、前記保護要素(20)が前記最終位置へと移動するときに、前記分離可能要素(30)が前記ハブ部分(10)に対して所定の位置に保持されるように、互いに係合するように構成されている、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項9】
前記ハブ部分(10)および/または前記分離可能要素(30)が回転手段(17,37)を備えており、該回転手段(17,37)は、前記分離可能要素(30)が内部に配置されている前記保護要素(20)が前記初期位置から前記注射位置へと移動するときに、前記分離可能要素(30)を前記ハブ部分(10)に対して回転させ、前記ハブ部分(10)に対して前記分離可能要素(30)を回転させることにより、前記保持手段(16,36)が互いに係合する、請求項8記載のニードル安全装置(1)。
【請求項10】
前記初期位置において、前記分離可能要素(30)は、形状結合接続によって前記保護要素(20)内に取外し可能に配置されており、任意選択的には、前記保護要素(20)が突出部(25)を備え、前記分離可能要素(30)が溝(35)を備えており、前記初期位置において前記突出部(25)と前記溝(35)とが係合している、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも2つのロック部材(31,32)が、前記長手方向軸線(11)から見て半径方向外方に向かって移動し、これにより、前記分離可能要素(30)が前記保護要素(20)から取り外されるときに、ロック部材は互いに分離し、任意選択的には、前記ハブ部分(10)および/または前記分離可能要素(30)は、前記少なくとも2つのロック部材(31,32)を半径方向外方に向かって移動させるための分離手段を有している、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項12】
前記ハブ部分(10)が第1の当接面(14)を備え、前記保護要素(20)が第2の当接面(24)を備えており、前記最終位置において、分離された前記ロック部材(31,32)のうちの少なくとも一方のロック部材が前記第1の当接面(14)および前記第2の当接面(24)に当接するように前記接触面(21)に圧力が加えられると、その際に、分離された前記ロック部材によって、前記保護要素(20)が前記注射位置へと戻ることが阻止される、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項13】
前記ばね要素(40)が、前記ハブ部分(10)および前記保護要素(20)に当接している、請求項1記載のニードル安全装置(1)。
【請求項14】
請求項1記載のニードル安全装置(1)を備える、医療用注射装置(100)。
【請求項15】
前記医療用注射装置(100)はハウジング(110)を備えており、該ハウジング(110)は、前記保護要素(20)が実質的に前記ハブ部分(10)に対して回転しないように、前記保護要素(20)に係合する、請求項14記載の医療用注射装置(100)。
【外国語明細書】