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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110478
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】収穫機械
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/127 20060101AFI20240808BHJP
   A01F 12/46 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A01D41/127 130
A01F12/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015032
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】乙倉 進
【テーマコード(参考)】
2B396
【Fターム(参考)】
2B396JA04
2B396JA06
2B396JC06
2B396JE01
2B396JE02
2B396JE03
2B396JE10
2B396JG03
2B396KE04
2B396KE05
2B396LA03
2B396LA25
2B396LC06
2B396LC15
2B396ML02
2B396ML10
2B396QA25
2B396QA27
2B396QA29
2B396QE02
2B396QE31
2B396RA11
(57)【要約】
【課題】品質測定器で測定される品質の信頼性が低下しにくい収穫機械を提供する。
【解決手段】収穫機械4は、グレンタンクと、品質測定器1と、規制部材3と、を備える。グレンタンクは、穀粒X1を貯留する。品質測定器1は、グレンタンクの内部空間Sp1に臨む位置に配置され、穀粒X1の品質を測定する。規制部材3は、取込装置10による穀粒X1の搬送経路30と取込口12との少なくとも一方において、品質測定器1への穀粒X1の取込量を規制する。取込装置10は、穀粒X1を搬送することにより品質測定器1の取込口12から穀粒X1を品質測定器1に取り込む。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒を貯留するグレンタンクと、
前記グレンタンクの内部空間に臨む位置に配置され、前記穀粒の品質を測定する品質測定器と、
前記穀粒を搬送することにより前記品質測定器の取込口から前記穀粒を前記品質測定器に取り込む取込装置による前記穀粒の搬送経路と前記取込口との少なくとも一方において、前記品質測定器への前記穀粒の取込量を規制する規制部材と、を備え、
収穫機械。
【請求項2】
前記規制部材は、前記搬送経路の高さを制限することで、前記品質測定器への前記穀粒の取込量を規制する、
請求項1に記載の収穫機械。
【請求項3】
前記規制部材は、前記取込装置の上方に、前記搬送経路の高さを制限する規制片を有する、
請求項2に記載の収穫機械。
【請求項4】
前記規制部材は、前記取込装置の側方を覆う側方片を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫機械。
【請求項5】
前記規制部材は、前記搬送経路の延長方向において前記取込口との間に隙間を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫機械。
【請求項6】
前記規制部材は、前記穀粒の取込量の規制レベルを調節可能である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫機械。
【請求項7】
前記搬送経路の上流側の端部に前記穀粒を案内するガイド部材を更に備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫機械。
【請求項8】
前記規制部材は、前記搬送経路の延長方向において前記ガイド部材よりも下流側に位置する、
請求項7に記載の収穫機械。
【請求項9】
前記取込装置は、外周面に螺旋状のリブが形成されている取込ローラを含み、前記取込ローラを回転させることにより前記取込ローラ上の前記穀粒を前記取込口に向けて搬送する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫機械。
【請求項10】
前記品質測定器における測定後の前記穀粒を排出する排出口を外側から覆い、前記排出口の周囲に排出空間を確保する庇部材を更に備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒を貯留するグレンタンクを備える収穫機械に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、刈取部、脱穀部、搬送装置(揚穀搬送装置)及びグレンタンク(穀粒タンク)等を備える収穫機械(コンバイン)が知られている(例えば、特許文献1参照)。グレンタンクは、タンク内空間に穀粒を貯留する。グレンタンクの側壁の上部には、穀粒投入口が形成されており、搬送装置は、この穀粒投入口を介してタンク内空間に穀粒を投入する。関連技術に係る収穫機械は、グレンタンクのタンク内空間に配置され、タンク内空間に投入される穀粒の内部品質を測定する品質測定器(穀粒内部品質測定装置)を更に備えている。
【0003】
関連技術に係る品質測定器は、タンク内空間に投入される穀粒を装置(品質測定器)内部に導入する取込口(穀粒導入口)と、装置内部に導入された穀粒の内部品質を測定する測定部と、装置内部に導入された穀粒を排出する排出口(穀粒排出口)と、を備える。測定部は、一対の電極ローラを有し、一対の電極ローラ間で穀粒を圧砕しつつ、一対の電極ローラ間の抵抗値変化に基づいて穀粒の水分量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-97502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記関連技術の構成では、グレンタンク内に貯留されている穀粒が品質測定器を埋め尽くすほどの量に達した場合に、例えば、品質測定器の取込口から大量の穀粒が品質測定器に取り込まれて測定部で穀粒が詰まるような事態が起こり得る。その結果、品質測定器での穀粒の品質測定に支障が生じ、品質測定器で測定される品質の信頼性の低下にもつながる。
【0006】
本発明の目的は、品質測定器で測定される品質の信頼性が低下しにくい収穫機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る収穫機械は、グレンタンクと、品質測定器と、規制部材と、を備える。前記グレンタンクは、穀粒を貯留する。前記品質測定器は、前記グレンタンクの内部空間に臨む位置に配置され、前記穀粒の品質を測定する。前記規制部材は、取込装置による前記穀粒の搬送経路と取込口との少なくとも一方において、前記品質測定器への前記穀粒の取込量を規制する。前記取込装置は、前記穀粒を搬送することにより前記品質測定器の前記取込口から前記穀粒を前記品質測定器に取り込む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、品質測定器で測定される品質の信頼性が低下しにくい収穫機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る収穫機械の概略左側面図である。
図2図2は、実施形態1に係る収穫機械の概略平面図である。
図3図3は、実施形態1に係る収穫機械の概略ブロック図である。
図4図4は、実施形態1に係る収穫機械のグレンタンク周辺の概略斜視図である。
図5図5は、実施形態1に係る収穫機械を示し、グレンタンクの上部を破断し、グレンタンクの内部空間を上方から見た概略平面図である。
図6図6は、実施形態1に係る収穫機械を示し、図5の領域Z1の拡大図である。
図7図7は、実施形態1に係る収穫機械を示し、グレンタンクの天井パネルを取り外した状態で、グレンタンクの内部から左側パネルを見た概略斜視図である。
図8図8は、実施形態1に係る収穫機械を示し、グレンタンクの天井パネルを取り外した状態で、グレンタンクの内部から左側パネルを見た概略斜視図である。
図9図9は、実施形態1に係る収穫機械を示し、グレンタンクの天井パネルを取り外した状態で、グレンタンクの左側パネルをグレンタンクの内側から見た側面図である。
図10図10は、実施形態1に係る収穫機械を示し、図9のA1-A1矢視図である。
図11図11は、実施形態1に係る収穫機械の品質測定器及び規制部材を示す概略斜視図である。
図12図12は、実施形態1に係る収穫機械の品質測定器及び規制部材を示す概略分解斜視図である。
図13図13は、実施形態1に係る収穫機械の品質測定器に穀粒が取り込まれる動作例を示す概略図である。
図14図14は、実施形態1に係る収穫機械の規制部材の高さを調節する例を示す概略図である。
図15図15は、実施形態1の第1変形例に係る収穫機械の規制部材を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【0011】
(実施形態1)
[1]全体構成
まず、本実施形態に係る収穫機械4の全体構成について、図1図4を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る収穫機械4は、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、搬送装置45、動力部46、運転部47、藁処理部48及び排出装置49等を、収穫機械4の本体である機体40に備えている。また、収穫機械4は、穀粒を貯留するグレンタンク2、及び穀粒の品質を測定する品質測定器1(図4参照)等を、機体40に更に備えている。搬送装置45は、脱穀部43からグレンタンク2に穀粒を搬送し、グレンタンク2の内側面20(図5等参照)に開口する投入口21(図5等参照)からグレンタンク2内に穀粒を投入する。本実施形態では、収穫機械4は、図3に示すように、制御装置51、通信端末52、収穫量センサ53、穀粒センサ54、満量センサ55、燃料タンク及びバッテリ等を、機体40に更に備えている。
【0013】
このように、本実施形態に係る収穫機械4は、少なくともグレンタンク2及び品質測定器1を備えている。図4は、グレンタンク2及び搬送装置45及び品質測定器1の外観を示す概略斜視図であって、グレンタンク2、搬送装置45及び品質測定器1以外の構成の図示を適宜省略している。
【0014】
本開示でいう「収穫機械」は、圃場にて作物の収穫作業を行う機械であって、一例として、収穫作業に加えて脱穀及び選別を行うコンバイン(コンバインハーベスタ)等を含む。収穫機械4としてのコンバインは、主として穀物の収穫作業に用いられ、圃場内を移動(走行)しながら、作物の刈り取りを行い、刈り取った作物を収穫する。特に、コンバインには、刈り取った作物全体を脱穀機(脱穀部43)に送り込む普通型(汎用)コンバインと、刈り取った作物の穂先のみを脱穀機に送り込む自脱型コンバインとがあるところ、本実施形態では、普通型コンバインを収穫機械4の例として説明する。また、本実施形態では一例として、収穫機械4は、人(オペレータ)の操作(遠隔操作を含む)により動作することとするが、これに限らず、収穫機械4は、自動運転により動作する無人機であってもよい。さらに、本実施形態では、収穫機械4は走行装置41により圃場を走行する「車両」であるが、収穫機械4は「車両」に限らない。
【0015】
本開示でいう「圃場」は、収穫機械4が収穫作業を行う領域であって、例えば、稲、麦、大豆又はそば等の収穫対象となる作物(農産物)を生育する田んぼ、畑、果樹園及び牧草地等を含む。本実施形態では一例として、収穫機械4による収穫対象が「稲」であって、圃場が稲を生育する屋外の田んぼである場合を例に挙げて説明する。
【0016】
また、本実施形態では、説明の便宜上、収穫機械4が使用可能な状態での鉛直方向を上下方向D3と定義する。さらに、図2に示すように、収穫機械4(の運転部47)に乗っている人(オペレータ)から見た方向を基準として、左右方向D1及び前後方向D2を定義する。言い換えれば、本実施形態で用いられる各方向は、いずれも収穫機械4の機体40を基準として規定される方向であって、収穫機械4の前進時に機体40が移動する方向が「前方」、収穫機械4の後退時に機体40が移動する方向が「後方」となる。同様に、収穫機械4の右旋回時に機体40の前端部が移動する方向が「右方」、収穫機械4の左旋回時に機体40の前端部が移動する方向が「左方」となる。
【0017】
さらに、本実施形態では、上下方向D3に直交する左右方向D1を「第1方向」とし、上下方向D3及び左右方向D1(第1方向)の両方に直交する前後方向D2を「第2方向」とする。つまり、第1方向(左右方向D1)及び第2方向(前後方向D2)は、いずれも水平面に沿う方向であって、かつ互いに直交する方向である。ただし、これらの方向は、収穫機械4の使用方向(使用時の方向)を限定する趣旨ではない。例えば、上下方向D3に直交する前後方向D2を「第1方向」とし、上下方向D3及び前後方向D2(第1方向)の両方に直交する左右方向D1を「第1方向」としてもよい。
【0018】
走行装置41は、収穫機械4を前後方向D2及び左右方向D1に移動させることができる。例えば、収穫機械4は、田んぼ又は畑等の圃場内を蛇行しながら収穫作業を実施する。一例として、収穫機械4は、圃場内を外側から内側に向かって右(又は左)に旋回しながら移動してもよく、この場合、収穫機械4の移動軌跡は渦巻き状の経路となる。
【0019】
刈取部42は、圃場の作物(本実施形態では一例として稲)を刈り取る。刈取部42は、リール421、カッター422、掻込オーガ423、搬送コンベア424、ロータ425及びフィーダハウス426等を有する。リール421は、回転することによって作物の穀稈をカッター422へ案内する。カッター422は、リール421によって案内された穀稈を切断する。これにより、圃場に生育されている作物は穀稈の途中で切断されることになり、少なくとも穂先を含む穀稈が収穫機械4によって刈り取られることになる。
【0020】
掻込オーガ423は、このようにして刈り取られた穀稈をフィーダハウス426に掻き込む。具体的には、掻込オーガ423は、刈り取られた穀稈を、左右方向D1に搬送し、フィーダハウス426の前方位置に集合させる横送りスクリューである。
【0021】
フィーダハウス426は、刈取部42(の掻込オーガ423)と脱穀部43との間に、刈り取られた作物(穀稈)を通すための経路の外郭を構成する。本実施形態では、脱穀部43は刈取部42の斜め上後方に位置する。フィーダハウス426は、一例として、断面矩形状である中空筒状(角筒状)であって、刈取部42から脱穀部43に向けて斜め上方に延びるように配置されている。刈取部42で刈り取られた穀稈は、フィーダハウス426の前方側に開口する取込口からフィーダハウス426へと掻き込まれ、フィーダハウス426の内部空間を通して脱穀部43へと送られる。
【0022】
搬送コンベア424は、フィーダハウス426内に配置されている。搬送コンベア424は、掻込オーガ423によってフィーダハウス426の取込口の前方位置に集められ、取込口からフィーダハウス426に掻き込まれた穀稈を、フィーダハウス426の内部を通してロータ425まで搬送する。ロータ425は、搬送コンベア424により搬送されてくる穀稈を脱穀部43へ送り込む。
【0023】
脱穀部43は、刈取部42により刈り取られた穀稈に対する脱穀処理を実行する。脱穀処理では、穀稈から穀粒を含む脱穀物を分離する。脱穀物は脱穀部43から下方の選別部44へ落下する。
【0024】
選別部44は、脱穀部43から落下する脱穀物から、穀粒を選別する選別処理を実行する。選別部44は、例えば、脱穀物に対して斜め下方から風を当てつつ脱穀物をふるいにかけることにより、脱穀物から穀粒を選別する。
【0025】
脱穀部43は、例えば、穀稈を脱穀部43の前部から後方へ搬送しつつ穀稈に対する脱穀処理を実行する。同様に、選別部44は、例えば、脱穀物を選別部44の前部から後方へ搬送しつつ脱穀物に対する選別処理を実行する。
【0026】
搬送装置45は、横搬送部451(図4参照)、縦搬送部452及び投入部453等を有する。横搬送部451は、選別部44(及び脱穀部43)の下方に配置され、穀粒を左右方向D1に沿って搬送する横送りスクリューである。本実施形態では一例として、横搬送部451は、脱穀部43で脱穀された穀粒を、縦搬送部452の入口に搬送するスクリューコンベアである。縦搬送部452は、横搬送部451の出口と、グレンタンク2の上部に設けられた投入部453とをつないでおり、穀粒を上下方向D3に沿って搬送する。つまり、縦搬送部452は、横搬送部451の出口に接続された下端部から、投入部453に接続された上端部へと穀粒を搬送することで、横搬送部451で搬送された穀粒を、更に上下方向D3に沿って上方へと搬送する。
【0027】
投入部453は、縦搬送部452の出口(上端部)につながっており、縦搬送部452にて搬送された穀粒をグレンタンク2内に投入する。つまり、縦搬送部452の上端部まで搬送された穀粒は、投入部453にてグレンタンク2内へ投入される。その結果、穀粒は、横搬送部451及び縦搬送部452にて、脱穀部43から(選別部44を経て)投入部453まで搬送され、投入部453にてグレンタンク2内へ投入される。
【0028】
グレンタンク2は、脱穀部43での脱穀処理にて得られる脱穀物(穀粒等)を貯留するタンク(容器)である。グレンタンク2は、脱穀部43に対して、機体40の幅方向である左右方向D1に並べて配置されている。本実施形態では一例として、機体40を左右方向D1において略均等に二分したときに、その左側部分に脱穀部43(及び選別部44)が位置し、右側部分にグレンタンク2が位置する。
【0029】
排出装置49は、グレンタンク2内の穀粒を収穫機械4の周囲の任意の場所へ排出する。排出装置49は、排出搬送路490及び搬送機構493等を有する。排出搬送路490は、グレンタンク2内の貯留物(穀粒)を排出するための経路である。排出搬送路490は、上下方向D3に延びる縦搬送路491と、上下方向D3に直交する方向(水平方向)に延びる横搬送路492と、を含んでいる。縦搬送路491の下端部はグレンタンク2につながっており、縦搬送路491の上端部は横搬送路492につながっている。これにより、グレンタンク2内の貯留物は、縦搬送路491を通して上方に搬送され、更に横搬送路492を通して水平方向に搬送され、横搬送路492の先端部から排出される。
【0030】
また、縦搬送路491は、グレンタンク2の開閉時の回転軸としても機能する。つまり、グレンタンク2は、縦搬送路491の中心軸を中心として、水平面内で回転可能に構成されている。これにより、グレンタンク2は、閉姿勢と開姿勢との間で移動(回転)可能となり、例えば、選別部44の揺動軸受けのメンテナンス等に際して、グレンタンク2を開姿勢とすることでメンテナンス等の作業空間を確保しやすくなる。図2等では、グレンタンク2が閉姿勢にある状態を示している。
【0031】
搬送機構493は、例えば、排出搬送路490内で回転することにより、排出搬送路490を通して穀粒を搬送するスクリュー(オーガ)である。つまり、縦搬送路491内では、搬送機構493としての縦オーガが回転することで穀粒を搬送し、横搬送路492内では、搬送機構493としての横オーガが回転することで穀粒を搬送する。
【0032】
藁処理部48は、脱穀処理にて発生する排藁(ワラ)等の排出物を排出する。つまり、脱穀部43での脱穀処理にて脱穀物(穀粒を含む)と分離された藁等は、排出物として藁処理部48へと搬送される。藁処理部48は、排出物を機体40の外部に排出するための排出口481(図1参照)を有する。藁処理部48は、例えば、脱穀部43の後方、つまり機体40の左後部に配置され、排出口481が後方に向けて開口する。藁処理部48は、排ワラカッター等を有し、排出物に対する裁断処理等を行った上で、排出口481から排出物を排出する。ただし、藁処理部48が裁断処理等を行うことは必須でない。
【0033】
動力部46は、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、搬送装置45、藁処理部48及び排出装置49等の駆動源である。動力部46は、動力源として、例えばディーゼルエンジン等のエンジンを有する。また、動力部46は、エンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源を有していてもよい。本実施形態では一例として、動力部46は、グレンタンク2の前方に配置されている。
【0034】
運転部47には、操作者(オペレータ)が着席する運転座席、並びに、操作者により操作されるハンドル、各種の操作レバー及び各種の操作スイッチ等の操作装置が設けられている。本実施形態では、運転部47は、収穫機械4の機体40の右側部分におけるグレンタンク2の前方(図2参照)に配置されている。さらに、運転部47は、刈取部42の後方であって、かつ動力部46の上方(図1参照)に位置する。
【0035】
ここで、収穫機械4の運転部47の種類としては、キャビンタイプ、キャノピータイプ及びフロアタイプ等がある。キャビンタイプの運転部47は、キャビンを備え、キャビンの内部のキャビン空間に操作者(オペレータ)が搭乗する。キャノピータイプの運転部47は、キャノピー(屋根)を備え、キャノピーの下方の空間に操作者が搭乗する。フロアタイプの運転部47は、キャビン及びキャノピー等を備えておらず、上方に開放された空間に操作者が搭乗する。本実施形態では一例として、運転部47がキャノピータイプである場合を例として説明する。
【0036】
制御装置51は、操作装置が受け付ける操作に応じて、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、搬送装置45、動力部46、藁処理部48及び排出装置49等を制御する。制御装置51は、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構成とし、種々の処理(情報処理)を実行する。本実施形態では、制御装置51は、収穫機械4全体の制御を行う統合コントローラであって、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)からなる。ただし、制御装置51は、統合コントローラと別に設けられていてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、制御装置51は、品質測定器1、収穫量センサ53、穀粒センサ54及び満量センサ55に接続されている。そのため、制御装置51は、品質測定器1の測定結果、並びに、収穫量センサ53、穀粒センサ54及び満量センサ55の各々の検知結果を取得可能である。本実施形態では、品質測定器1、収穫量センサ53、穀粒センサ54及び満量センサ55は、いずれもグレンタンク2に配置されている。品質測定器1、収穫量センサ53、穀粒センサ54及び満量センサ55の配置の詳細については、「[2]グレンタンク及び搬送装置周辺の構成」の欄で説明する。
【0038】
品質測定器1は、グレンタンク2の内部空間Sp1(図5参照)に臨む位置に配置され、脱穀部43で脱穀された穀粒の品質を測定する装置である。本開示でいう「品質」は、穀粒の水分含有量、タンパク質含有量又はアミロース含有量等の内部品質を含む。品質測定器1は、穀粒の品質に応じた電気信号を、測定結果として制御装置51に出力する。本実施形態では一例として、品質測定器1は、穀粒の水分含有量(水分量)を測定する水分計を含む。具体的には、品質測定器1は、モータ動力等で駆動する一対の電極ローラを備え、一対の電極ローラ間で穀粒を粉砕(圧砕)しつつ、一対の電極ローラ間の電気抵抗値の変化に基づいて、穀粒の水分含有量を測定する。
【0039】
収穫量センサ53は、収穫機械4で収穫された穀粒量、つまり収穫量(収量)を検知するセンサである。この種のセンサは、一例として、歪みゲージ又は圧電素子等の衝撃検出部を含み、搬送装置45によってグレンタンク2へ向けて搬送された穀粒が、衝撃検出部に衝突した際の衝撃力を検出する。もちろん、収穫機械4の収穫量の取得手法は、これに限定されない。穀粒センサ54及び満量センサ55は、いずれもグレンタンク2に貯留されている穀粒の量を検知するためのセンサである。穀粒センサ54及び満量センサ55は、一例として、グレンタンク2の内側面に取り付けられ、グレンタンク2に貯留された穀粒を検知する。
【0040】
制御装置51は、取得した品質測定器1の測定結果、並びに、収穫量センサ53、穀粒センサ54及び満量センサ55の各々の検知結果の情報を、適宜の手段で出力可能である。例えば、制御装置51は、これらの情報を、運転部47に設置された表示装置に表示させたり、記録媒体に書き込んだり、通信端末52にて外部(サーバ等)に送信したり、印刷したりすることによって、出力する。さらに、制御装置51は、これらの情報を、例えば、搬送装置45及び品質測定器1等の制御に用いることも可能である。
【0041】
例えば、制御装置51は、基本的には品質測定器1を常時駆動し、穀粒の品質を随時測定している。つまり、品質測定器1は、穀粒を常時取り込む状態にあり、取り込んだ穀粒の品質を随時測定する。一方で、制御装置51は、グレンタンク2内の穀粒センサ54にて穀粒が検知されると、品質測定器1を停止させ、品質測定器1への穀粒の取り込みを停止させる。すなわち、品質測定器1は、グレンタンク2内に配置される穀粒センサ54にて穀粒が検知されると、品質の測定を停止する。これにより、グレンタンク2内に貯留されている穀粒の量に応じて、品質測定器1の動作を停止することが可能となる。
【0042】
また、満量センサ55は、グレンタンク2内の穀粒が満量に達したことを検知するセンサである。そのため、制御装置51は、グレンタンク2内の満量センサ55にて穀粒が検知されると、その旨(満量に達した旨)をオペレータに通知する。あるいは、制御装置51は、グレンタンク2内の満量センサ55にて穀粒が検知されると、搬送装置45を停止させ、グレンタンク2への穀粒の投入を強制的に停止してもよい。
【0043】
通信端末52は、収穫機械4の外部のサーバ等と通信を行う。ここでは、通信端末52は、収穫機械4の稼働状況、収穫機械4の現在位置、作物の収穫量(収量)、作物の食味(水分含有量又はタンパク質含有量等を含む)、作業時間又は作業効率等に関する情報を、サーバ等に適宜送信する。本実施形態では、通信端末52は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて、収穫機械4の現在位置を検出可能に構成されている。また、通信端末52は、収穫機械4の運転支援又は自動運転等に係る制御情報をサーバ等から受信してもよい。
【0044】
[2]グレンタンク及び搬送装置周辺の構成
次に、本実施形態に係る収穫機械4におけるグレンタンク2及び搬送装置45周辺の構成について、図4図14を参照して説明する。また、以下では、グレンタンク2が閉姿勢にある状態での方向を用いて説明することとする。
【0045】
図5は、グレンタンク2の上部を破断し、グレンタンク2の内部空間Sp1を上方から見た概略平面図である。図6は、図5の領域Z1の拡大図である。図7及び図8は、グレンタンク2の天井パネル206を取り外した状態で、グレンタンク2の内部から左側パネル204を見た概略斜視図である。図9は、グレンタンク2の天井パネル206を取り外した状態で、グレンタンク2の左側パネル204をグレンタンク2の内側(つまり右側)から見た側面図である。図10は、図9のA1-A1矢視図である。
【0046】
本実施形態では、グレンタンク2は、図4及び図5に示すように、底パネル201、前側パネル202、後側パネル203、左側パネル204、右側パネル205及び天井パネル206を有し、大まかな形状として、前後方向D2に長さを有する直方体状に形成されている。本実施形態では一例として、グレンタンク2の構成部材(底パネル201、前側パネル202、後側パネル203、左側パネル204、右側パネル205及び天井パネル206)は十分な剛性を有する金属製である。ただし、これに限らず、グレンタンク2の構成部材の少なくとも一部が、樹脂製等であってもよい。
【0047】
底パネル201は、平面視において、前後方向D2(第2方向)に長さを有する矩形状のパネルである。前側パネル202は、底パネル201の外周縁のうちの前側の辺から上方に立ち上がる矩形状に形成されたパネルである。後側パネル203は、底パネル201の外周縁のうちの後側の辺から上方に立ち上がる矩形状のパネルである。左側パネル204は、底パネル201の外周縁のうちの左側の辺から上方に立ち上がる矩形状のパネルである。右側パネル205は、底パネル201の外周縁のうちの右側の辺から上方に立ち上がる矩形状のパネルである。これにより、底パネル201の上方の空間においては、四方(前後左右)が、前側パネル202、後側パネル203、左側パネル204及び右側パネル205で囲まれることになる。さらに、天井パネル206は、前側パネル202、後側パネル203、左側パネル204及び右側パネル205で囲まれた空間の上面を塞ぐ、平面視において矩形状に形成されたパネルである。
【0048】
すなわち、グレンタンク2は、底パネル201、前側パネル202、後側パネル203、左側パネル204、右側パネル205及び天井パネル206で囲まれた内部空間Sp1を有し、この内部空間Sp1に穀粒を貯留可能に構成されている。前側パネル202と後側パネル203とは前後方向D2(第2方向)において対向する。左側パネル204と右側パネル205とは左右方向D1(第1方向)において対向する。底パネル201と天井パネル206とは上下方向D3において対向する。このように構成されるグレンタンク2の中心C1は、図5に示すように、内部空間Sp1内に位置することになる。図5で示す中心C1は、実体を伴わない仮想点である。
【0049】
ここで、グレンタンク2の内部空間Sp1には、上述したようにグレンタンク2の上部に設けられた投入部453から穀粒が投入される。本実施形態では一例として、図4に示すように、グレンタンク2における左側パネル204の上端部に投入部453が設けられている。具体的には、左側パネル204の上端部における前後方向D2の中央部には、投入口21(図7等参照)が形成されており、投入部453は、左側パネル204の投入口21に対応する位置に取り付けられている。投入口21は、グレンタンク2の内側面20(図7等参照)に開口しており、投入部453は、投入口21からグレンタンク2内に穀粒を投入する。つまり、グレンタンク2の内部空間Sp1に臨む左側パネル204の表面がグレンタンク2の内側面20(左内側面)を構成し、当該内側面20に開口する投入口21から、グレンタンク2の内部空間Sp1に穀粒が投入される。
【0050】
本実施形態では、投入口21は、前後方向D2に長さを有する長方形上に形成されており(図7等参照)、投入部453は、投入口21の全体をグレンタンク2の外側から覆うようにグレンタンク2に固定されている。つまり、投入部453は、図4に示すように、左側パネル204から外側(左方)に突出する形で、左側パネル204に固定されている。投入部453は、縦搬送部452の上端部につながっているので、脱穀部43で脱穀された穀粒は、(選別部44で選別されて)横搬送部451及び縦搬送部452にて、投入部453へと搬送(供給)される。そのため、投入部453は、脱穀部43で脱穀された穀粒を、グレンタンク2の内側面20に開口する投入口21からグレンタンク2内に投入することになる。
【0051】
具体的に、投入部453は、図5及び図6に示すように、回転体454と、カバー455と、を有している。回転体454は、上下方向D3に沿った回転軸Ax1(図6参照)を中心に回転する板状の羽根部材である。本実施形態では、回転体454は、スクリューコンベアからなる縦搬送部452の上方に位置しており、縦搬送部452の回転軸と同一軸を回転軸として、縦搬送部452と共に回転する。カバー455は、投入部453の外郭を構成し、投入口21との間に回転体454の回転領域が収まる空間を形成する。本実施形態では一例として、カバー455は、平面視において三角形状に形成されている。
【0052】
このような構成により、投入部453は、図6に示すように、回転体454が一方向(ここでは反時計回り方向)R1に回転することで、回転体454にて穀粒X1を押し出すようにして穀粒X1を投てきする。回転体454の回転領域の周囲はカバー455で覆われているため、回転体454が投てきした穀粒X1が飛散する範囲は、カバー455によって投入口21側に絞られることになる。その結果、投入部453は、穀粒X1を投入口21からグレンタンク2内へ投入することが可能となる。
【0053】
特に、図6に示すように、平面視において、カバー455の後端と回転体454の回転軸Ax1とを結ぶ仮想直線VL1と、カバー455の後端を通りかつカバー455の内周面に沿った仮想直線VL2と、を設定した場合、少なくとも仮想直線VL1,VL2の間には穀粒X1が投てきされる。つまり、グレンタンク2の内部空間Sp1において、平面視における仮想直線VL1,VL2の間の領域には、投入部453にて投入口21からグレンタンク2内に投入された穀粒X1の主たる経路X11が存在する。このように、本実施形態に係る投入部453では、投入口21からグレンタンク2内に投入される穀粒X1は、主として投入口21から右斜め後方に向けて飛ばされることになる。
【0054】
また、本実施形態では、カバー455の一部には、収穫量センサ53が取り付けられている。これにより、収穫量センサ53は、投入部453がグレンタンク2内に投入する穀粒の量に基づいて、収穫機械4で収穫された穀粒量、つまり収穫量(収量)を検知する。
【0055】
品質測定器1は、図7図12に示すように、ケース11を有しており、ケース11内に品質測定器1の本体(電極ローラ等)を有している。ケース11は、上下方向D3に長さを有する直方体状に形成されており、品質測定器1の外郭を構成する。ケース11の右側面の上部には取込口12が形成され、ケース11の右側面の下部には排出口13が形成されている。取込口12は、品質測定器1内に穀粒を取り込むための開口部である。排出口13は、品質を測定した穀粒をグレンタンク2内に排出するための開口部である。本実施形態では、品質測定器1は、その内部で穀粒を粉砕して穀粒の品質を測定するので、取込口12から取り込まれた穀粒は、品質測定器1内で粉砕され、粉砕後の穀粒が排出口13から排出されることになる。
【0056】
品質測定器1は、穀粒を品質測定器1に取り込むための取込装置10を有している。取込装置10は、穀粒を搬送することにより、品質測定器1の取込口12から穀粒を品質測定器1に取り込む。本実施形態では一例として、取込装置10は、外周面に螺旋状のリブが形成されている取込ローラ14を含む。取込装置10は、取込ローラ14を回転させることにより取込ローラ14上の穀粒を取込口12に向けて搬送する。
【0057】
具体的に、取込装置10は、ケース11の右側面から右方に突出する一対の取込ローラ14を有している。一対の取込ローラ14は、取込口12の直下に位置しており、回転駆動されることにより、穀粒を取込口12に取り込むように動作する。つまり、品質測定器1は、取込装置10としての一対の取込ローラ14を回転させることにより、穀粒の取り込み、及び品質の測定を行う。ここで、各取込ローラ14の外周面には螺旋状のリブが形成されている。一対の取込ローラ14の上方に穀粒が載置された状態で、一対の取込ローラ14が回転すると、各取込ローラ14のリブによって穀粒は一対の取込ローラ14上を取込口12側(つまり左方)へと移動する。その結果、一対の取込ローラ14が回転すると取込口12から品質測定器1への穀粒の取り込みが行われ、一対の取込ローラ14が停止すると品質測定器1への穀粒の取り込みが停止する。
【0058】
本実施形態では、品質測定器1は、グレンタンク2の左側パネル204に取り付けられている。品質測定器1は、右側面視において、投入口21の後方かつ下方となる位置(つまり斜め下後方)に配置されている。また、本実施形態では、品質測定器1は、グレンタンク2の左側パネル204のうち、左方に窪んだ凹部207内に配置されている。つまり、グレンタンク2の内側面20(左内側面)には、左側パネル204の凹部207によって部分的に窪みが形成されており、この凹部207の分だけ内部空間Sp1が左方へ拡大されている。本実施形態では一例として、凹部207は、平面視において、台形状に形成されている(図5参照)。品質測定器1は、凹部207の上面(天井面)に対して、ボルト等の締結具にて固定されることにより、グレンタンク2内(内部空間Sp1)に配置される。
【0059】
ここで、品質測定器1は、上下方向D3に直交する第1方向(左右方向D1)において、グレンタンク2の中心C1(図5参照)から見て投入口21と同じ側に配置されている。すなわち、本実施形態では、グレンタンク2における投入口21と品質測定器1との位置関係として、第1方向において、グレンタンク2の中心C1から見て両者が同じ側となるような位置関係を採用している。本実施形態では、第1方向が左右方向D1であって、かつ投入口21は左側パネル204の内側面20(左内側面)に形成されている。そのため、品質測定器1においても、投入口21と同じく左側パネル204に配置される。言い換えれば、投入口21と品質測定器1とは、いずれもグレンタンク2の内部空間Sp1における左右方向D1(第1方向)の同一面(左側面)に配置されている。
【0060】
この構成によれば、投入口21からグレンタンク2に投入される穀粒が直接的に品質測定器1に当たりにくくなる。そのため、定常的に品質測定器1に衝撃及び振動が加わりにくくなり、収穫機械4の使用期間が長期間になっても、品質測定器1の信頼性が低下しにくい、という利点がある。
【0061】
また、本実施形態では、図5に示すように、第1方向(左右方向D1)において、品質測定器1からグレンタンク2の中心C1までの距離L1は、投入口21からグレンタンク2の中心C1までの距離L2よりも大きい(L1>L2)。つまり、品質測定器1は、投入口21に比べて左方にセットバックした位置にあるため、平面視において、グレンタンク2の中心C1を通る中心線Lc1から見て、投入口21よりも遠くに位置することになる。この構成によれば、投入口21からグレンタンク2に投入される穀粒がより品質測定器1に当たりにくくなり、品質測定器1の信頼性がより低下しにくい、という利点がある。
【0062】
また、本実施形態に係る収穫機械4は、ガイド部材6を更に備えている。ガイド部材6は、投入口21からグレンタンク2内に投入された穀粒を、品質測定器1の取込装置10上に案内する部材である。このようなガイド部材6を設けることで、投入口21から投入された穀粒が品質測定器1に直接的に当たることを回避しながらも、品質測定器1に穀粒を効率的に取り込むことが可能になる。
【0063】
本実施形態では一例として、ガイド部材6は、一部が投入口21からグレンタンク2内に投入された穀粒の経路X11(図6参照)上に位置し、衝突した穀粒を経路X11外に案内する。すなわち、ガイド部材6の一部は、投入部453によってグレンタンク2内に投入される穀粒の経路X11上に配置されている。これにより、投入部453によって投入口21から投入(投てき)された穀粒の一部が、ガイド部材6の一部に衝突し、勢いを失って経路X11外へと案内されることになる。この構成では、ガイド部材6は、経路X11から穀粒を逸らしてやることで、投入部453によって投入される穀粒の勢いを利用して、品質測定器1の取込装置10へと穀粒を案内することができる。
【0064】
具体的には、図7及び図8に示すように、ガイド部材6は、筒状部61と、保持部62と、を有している。筒状部61は、一例として、円筒状に形成された中空筒状の樹脂部材であって、長手方向の両端面が開放されている。保持部62は、筒状部61を保持するための部材であって、一例として、保持金具からなる。保持部62は、左側パネル204に対して筒状部61を保持(支持)する。
【0065】
ここで、筒状部61は、品質測定器1における取込装置10(一対の取込ローラ14)の上方に、斜め姿勢で保持されている。つまり、筒状部61は、その下側の開口面を取込装置10としての一対の取込ローラ14に対向させつつ、取込装置10から斜め右上方に延びるような姿勢で保持されている。筒状部61の上端部には、穀粒を導入するための入口部63が形成されている。さらに、筒状部61のうち一対の取込ローラ14に対向する下側の開口面は、穀粒を排出する出口部64(図10参照)を構成する。これにより、ガイド部材6は、入口部63から筒状部61内に導入された穀粒を、筒状部61の内部を通して出口部64まで案内し、出口部64から取込装置10(一対の取込ローラ14)上へと排出する。
【0066】
より詳細には、本実施形態では、図10に示すように、一対の取込ローラ14は、その先端部が凹部207から右方へ突出しており、筒状部61の出口部64は、一対の取込ローラ14のうち凹部207から右方へ突出した部位の上方に対向するように配置される。そのため、一対の取込ローラ14から斜め右上方に延びるような姿勢の筒状部61の上端部に形成された入口部63は、凹部207の外側(右側)に位置することになる。そして、入口部63は、筒状部61の上端部において、周面の一部に開口する形に形成されている。本実施形態では一例として、筒状部61のうち斜め上前方となる部位が部分的に切り欠かれた形状となることで、入口部63が形成されている。さらに、入口部63側(上側)の筒状部61の開口面は、保持部62によって塞がれている。
【0067】
このような構成のガイド部材6は、品質測定器1から、第1方向(左右方向D1)におけるグレンタンク2の中心C1側に突出する。ここで、投入口21は、第1方向(左右方向D1)においてガイド部材6の先端と品質測定器1との間に位置する。つまり、図6及び図10に示すように、投入口21から見て、ガイド部材6の先端は左右方向D1(第1方向)における右側に位置し、品質測定器1は左右方向D1(第1方向)における左側に位置する。このような位置関係によれば、投入口21から見て、第1方向の反対側に位置するガイド部材6の先端から品質測定器1(の取込装置10)まで穀粒を案内することが可能となる。
【0068】
また、品質測定器1と投入口21とは、上下方向D3及び第1方向(左右方向D1)の両方に直交する第2方向(前後方向D2)に並べて配置される。ガイド部材6は、第2方向(前後方向D2)における投入口21側に向けて開口し、穀粒を導入する入口部63を有する。つまり、本実施形態では、品質測定器1は投入口21の後方に位置するところ、ガイド部材6の入口部63は、投入口21側となる前方に向けて開口している。そのため、投入口21からグレンタンク2内に投入された穀粒は、その経路X11上に位置するガイド部材6の入口部63から筒状部61に導入される。そして、筒状部61に導入された穀粒は、筒状部61内を通して出口部64から取込装置10としての一対の取込ローラ14上へと落下する。このようにして、ガイド部材6は、穀粒を品質測定器1の取込装置10へと案内することが可能である。
【0069】
さらに、ガイド部材6は、入口部63よりも下方であって、品質測定器1における穀粒の取込口12の上方となる位置に出口部64を有し、入口部63から出口部64に穀粒を通過させるように構成されている。ここで、入口部63は、上下方向D3において投入口21と同じ位置、又は投入口21よりも下方に配置される。本実施形態では、図9に示すように、入口部63の上下方向D3の高さH1は、投入口21の上下方向D3の高さH2と一部重複する。つまり、入口部63は、その一部が上下方向D3において投入口21と同じ位置に配置され、残りの部位が投入口21よりも下方に配置されている。このような入口部63と投入口21との位置関係によれば、投入口21からグレンタンク2内に投入される穀粒を入口部63にて捕捉しやすくなり、ガイド部材6にて品質測定器1に穀粒を案内しやすくなる。
【0070】
また、上述した通り、グレンタンク2内に穀粒センサ54及び満量センサ55が配置されている。本実施形態では一例として、穀粒センサ54及び満量センサ55は、いずれもグレンタンク2の内部空間Sp1に臨む表面が、穀粒からの圧力を受けて押し込まれることにより、穀粒を検知するセンサである。つまり、グレンタンク2の内部空間Sp1においては穀粒が徐々に堆積されるので、穀粒センサ54の位置まで穀粒が達すると穀粒センサ54が穀粒を検知する。同様に、満量センサ55の位置まで穀粒が達すると満量センサ55が満量を検知する。本実施形態では更に、満量センサ55とは別の(第2の)満量センサ56が、品質測定器1の上方に配置されている。この満量センサ56は、投入口21と同じ高さに配置される。
【0071】
ところで、本実施形態に係る収穫機械4は、図11図14に示すように、品質測定器1への穀粒X1の取込量を規制する規制部材3を更に備えている。規制部材3は、取込装置10による穀粒X1の搬送経路30と取込口12との少なくとも一方において、品質測定器1への穀粒X1の取込量を規制する。本実施形態では、取込装置10は、上述したように一対の取込ローラ14を有し、一対の取込ローラ14の上方に穀粒X1が載置された状態で、穀粒X1を、各取込ローラ14のリブによって一対の取込ローラ14上を取込口12側へと搬送する。つまり、取込装置10による穀粒X1の搬送経路30は、図13及び図14に示すように、一対の取込ローラ14の上方に形成されることになる。
【0072】
本開示でいう「規制」は、何かしら制限を設けることを意味する。すなわち、規制部材3は、穀粒X1の搬送経路30と取込口12との少なくとも一方に配置され、単位時間当たりに通過可能な穀粒X1の量(通過量)を制限することにより、単位時間当たりに品質測定器1に取り込まれる穀粒X1の量(取込量)を制限する。具体的に、規制部材3は、穀粒X1の搬送経路30と取込口12との少なくとも一方において、穀粒X1の移動方向に直交する断面積を狭め、穀粒X1の移動を阻害することによって、穀粒X1の取込量を規制する。
【0073】
規制部材3は、搬送経路30と取込口12との少なくとも一方において穀粒X1の取込量を規制すればよいところ、本実施形態では一例として、搬送経路30において穀粒X1の取込量を規制することとする。つまり、取込口12に至るまでの搬送経路30において、規制部材3が穀粒X1の取込量を規制する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る収穫機械4は、穀粒X1を貯留するグレンタンク2と、品質測定器1と、規制部材3と、を備えている。品質測定器1は、グレンタンク2の内部空間Sp1に臨む位置に配置され、穀粒X1の品質を測定する。規制部材3は、取込装置10による穀粒X1の搬送経路30と取込口12との少なくとも一方において、品質測定器1への穀粒X1の取込量を規制する。取込装置10は、穀粒X1を搬送することにより品質測定器1の取込口12から穀粒X1を品質測定器1に取り込む。
【0075】
すなわち、本実施形態では、単位時間当たりに品質測定器1に取り込まれる穀粒X1の量(取込量)が、規制部材3によって規制される。そのため、例えば、グレンタンク2内に貯留されている穀粒X1が品質測定器1の取込口12を埋め尽くすほどの量に達した場合でも、品質測定器1の取込口12から一度に大量の穀粒X1が品質測定器1に取り込まれることを回避可能となる。したがって、品質測定器1内の測定部で穀粒X1が詰まるような事態を回避しやすくなり、品質測定器1での穀粒X1の品質測定に支障が生じにくくなる。結果的に、品質測定器1で測定される品質の信頼性が低下しにくい収穫機械4を提供することが可能となる。
【0076】
規制部材3についてより詳細に説明する。規制部材3は、図11及び図12に示すように、品質測定器1のケース11に対して、ボルト等の締結具71にて取り外し可能に固定される。図12では、規制部材3のみの拡大図を吹出内に示している。ここで、規制部材3は、ケース11のうち、取込口12が設けられた右側面であって、取込装置10に対応する位置に取り付けられる。
【0077】
規制部材3は、規制片31と、一対の側方片32と、一対の取付片33と、を有している。規制片31は、前後方向D2に長さを有し、上下方向D3に直交する平板状の部材である。一対の側方片32は、規制片31の長手方向(前後方向D2)の両端縁から下方に向けて突出する平板状の部材である。一対の取付片33は、一対の側方片32における品質測定器1のケース11側の端縁(左端縁)から前後方向D2の両側に向けて突出する平板状の部材である。本実施形態では一例として、規制片31、一対の側方片32及び一対の取付片33は、一枚の金属板を折り曲げ加工することにより連続一体に形成されている。
【0078】
上記構成により、規制片31及び一対の側方片32は、右側面視において、下方に開放された略C字状の部材を成す。そして、規制部材3は、これら規制片31及び一対の側方片32で囲まれた領域に取込装置10(一対の取込ローラ14)が位置するように、一対の取付片33にて品質測定器1のケース11に取り付けられる。言い換えれれば、規制部材3は、取込装置10の少なくとも一部を上方から覆うように配置される。
【0079】
ここで、各取付片33には、上下方向D3に長さを有する長孔34が形成されている。長孔34は、締結具71を通すための孔であって、長孔34を通して締結具71をケース11に締め付けることにより、規制部材3がケース11に固定される。長孔34が上下方向D3に長さを有することで、ケース11に対する規制部材3の上下方向D3の相対位置(高さ)を調節可能である。図13では、締結具71の図示を省略している。
【0080】
このような規制部材3は、搬送経路30の高さを制限することで、品質測定器1への穀粒X1の取込量を規制する。つまり、規制部材3は、取込装置10を上方から覆うように配置されるので、取込装置10(一対の取込ローラ14)上に形成される穀粒X1の搬送経路30の高さを制限することになる。その結果、制限された搬送経路30の高さを超える量の穀粒X1が搬送経路30を同時に通過することがなくなり、品質測定器1への穀粒X1の取込量が確実に規制される。
【0081】
さらに、規制部材3は、取込装置10の上方に、搬送経路30の高さを制限する規制片31を有する。そのため、取込装置10から規制片31までの高さによって、搬送経路30の高さが制限されることになり、品質測定器1への穀粒X1の取込量が確実に規制される。ここで、規制片31に乗り上げた穀粒X1については、取込装置10上から零れ落ちるため、取込装置10上での詰まりの原因となることも回避可能である。
【0082】
要するに、図13に示すように、ガイド部材6から取込装置10上に排出された穀粒X1は、取込装置10によって取込装置10上の搬送経路30を取込口12側(図13では左方)へと移動する。ここで、取込装置10の少なくとも一部を規制片31が覆っていることにより、取込装置10から規制片31の下面までの高さを超える穀粒X1は、規制片31を通過することができない。よって、取込装置10によって取込口12から取り込まれる穀粒X1の取込量が、規制部材3にて規制されることになる。
【0083】
また、規制部材3は、取込装置10の側方を覆う(一対の)側方片32を有する。そのため、取込装置10(一対の取込ローラ14)に対して側方から穀粒X1が接触することを回避可能となり、穀粒X1の巻き込みを抑制することができる。よって、例えば、グレンタンク2内に貯留されている穀粒X1が品質測定器1の取込口12を埋め尽くすほどの量に達した場合でも、穀粒X1を取込装置10から保護することができ、取込装置10に穀粒X1が巻き込まれて穀粒X1が砕けることを回避しやすくなる。
【0084】
また、本実施形態では、図13に示すように、規制部材3は、搬送経路30の延長方向において取込口12との間に隙間35を有する。具体的に、規制部材3のうち、少なくとも搬送経路30の延長方向(左右方向D1)において取込口12と重複する位置に位置する規制片31と、品質測定器1のケース11の右側面と、の間に隙間35が確保される。この隙間35があることにより、規制部材3は、取込ローラ14と一体に回転するスクレーパ15(図14参照)との干渉を回避することが可能である。スクレーパ15は、例えば、一方の取込ローラ14の基端部に設けられており、取込口12周辺に固着する異物(穀粒X1を含む)を削ぎ落すようにして除去する。規制部材3の隙間35がスクレーパ15の「逃がし」として機能するため、スクレーパ15と規制部材3との干渉を回避できる。
【0085】
また、図14に示すように、規制部材3は、穀粒X1の取込量の規制レベルを調節可能である。ここでいう「規制レベル」は、穀粒X1の取込量を規制する程度を表しており、規制レベルが緩いほど、穀粒X1の取込量が多くなる。このような規制レベルは、例えば、収穫対象となる穀粒X1のサイズ(種類)に応じて調節される。具体的に、本実施形態では、取付片33に形成された長孔34によって、ケース11に対する規制部材3の上下方向D3の相対位置(高さ)を調節することで、穀粒X1の取込量の規制レベルを調節することが可能である。長孔34であれば、規制部材3の上下方向D3の高さは無段階で調節可能であるため、規制レベルを無段階で調節可能となる。
【0086】
例えば、図14の上段に示すように、規制部材3が可動範囲の下端位置に取り付けられた状態では、穀粒X1の取込量の規制レベルは最もきつくなり、規制部材3を通過可能な穀粒X1の量が少なくなり、穀粒X1の取込量が少なくなる。反対に、図14の下段に示すように、規制部材3が可動範囲の上端位置に取り付けられた状態では、穀粒X1の取込量の規制レベルは最も緩くなり、規制部材3を通過可能な穀粒X1の量が多くなって、穀粒X1の取込量が多くなる。一例として、収穫機械4が自脱型コンバインであって、「稲」又は「麦」等を収穫対象とする場合には、取込装置10から規制片31までの高さを4mm程度に調節することが好ましい。一方、収穫機械4が普通型コンバインであって、「大豆」等を収穫対象とする場合には、取込装置10から規制片31までの高さを8mm程度に調節することが好ましい。
【0087】
また、本実施形態に係る収穫機械4は、上述したようにグレンタンク2内に投入された穀粒X1を、品質測定器1の取込装置10上に案内するガイド部材6を更に備えている。このガイド部材6は、搬送経路30の上流側の端部に穀粒X1を案内する。すなわち、規制部材3は、ガイド部材6で搬送経路30の上流側の端部に案内された穀粒X1について、品質測定器1への取込量を規制することになる。よって、規制部材3で取込量を規制しつつも、ガイド部材6にて搬送経路30に積極的に穀粒X1を案内することで、品質測定器1への安定した穀粒X1の取り込みが可能となる。
【0088】
ここで、規制部材3は、図13に示すように、搬送経路30の延長方向においてガイド部材6よりも下流側に位置する。言い換えれば、ガイド部材6によって案内される穀粒X1は、搬送経路30において規制部材3よりも上流側に投下されることになる。このように、搬送経路30の延長方向(左右方向D1)におけるケース11からの規制部材3の出代(突出量)は、ガイド部材6からの穀粒X1の投下位置に応じて設定されている。したがって、ガイド部材6にて案内される穀粒X1が、規制部材3を通らずに取込口12に到達することを防止でき、規制部材3による取込量の規制を確実に行うことができる。
【0089】
また、本実施形態に係る収穫機械4は、図11及び図12に示すように、庇部材8を更に備える。庇部材8は、品質測定器1における測定後の穀粒X1を排出する排出口13を外側から覆い、排出口13の周囲に排出空間を確保する。庇部材8は、例えば、ケース11(の右側面)から斜め下方に張り出した平板状の部材である。このような庇部材8によれば、排出口13の周囲には、少なくとも下方が開放された排出空間が確保される。したがって、例えば、グレンタンク2内に貯留されている穀粒X1が品質測定器1の排出口13を埋め尽くすほどの量に達した場合でも、品質測定器1の排出口13が穀粒X1で塞がることを回避でき、品質測定器1からの穀粒X1の排出を可能となる。
【0090】
[3]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0091】
実施形態1の第1変形例として、図15に示すように、規制部材3は、取込口12において穀粒X1の取込量を規制する構成であってもよい。この規制部材3は、規制片31及び一対の側方片32に代えて、遮蔽片36を有している。遮蔽片36は、取込口12の上部を覆うことにより、実質的に取込口12を通過可能な穀粒X1の量を制限し、取込量を規制する。さらに、規制部材3は、搬送経路30と取込口12との両方において穀粒X1の取込量を規制してもよい。
【0092】
また、収穫機械4は、普通型コンバインに限らず、自脱型コンバインであってもよいし、コンバイン以外の収穫機械であってもよい。
【0093】
また、規制部材3についての具体的形状及び寸法等は、実施形態1で示した例に限らない。搬送経路30の延長方向(左右方向D1)におけるケース11からの規制部材3の出代(突出量)が、調節可能であってもよい。
【0094】
また、規制部材3は、段階的に高さを調節可能であってもよいし、高さ調節用の目盛り等が付されていてもよい。さらに、取込装置10についても、一対の取込ローラ14を有することは必須ではない。また、庇部材8は収穫機械4に必須の構成ではない。
【0095】
また、穀粒センサ54及び満量センサ55の構成は、上記構成に限らず、例えば、光学式等、非接触で穀粒を検知する方式のセンサであってもよい。
【0096】
また、品質測定器1は、上下方向D3に直交する第1方向(左右方向D1)において、グレンタンク2の中心C1から見て投入口21と同じ側に配置されていればよく、グレンタンク2の内部空間Sp1における左側面に配置されることは必須ではない。例えば、品質測定器1を支持する搬送装置45がグレンタンク2の右側に位置する場合、投入口21と品質測定器1とは、いずれもグレンタンク2の内部空間Sp1における左右方向D1(第1方向)の同一面となる右側面に配置されていてもよい。
【0097】
また、第1方向が左右方向D1であることも必須ではなく、例えば、第1方向が前後方向D2であってもよい。この場合、品質測定器1は、前後方向D2において、グレンタンク2の中心C1から見て投入口21と同じ側に配置されることになる。つまり、品質測定器1を支持する搬送装置45がグレンタンク2の前側に位置する場合、投入口21と品質測定器1とは、いずれもグレンタンク2の内部空間Sp1における前後方向D2の同一面となる前面(又は後面)に配置されていてもよい。
【0098】
また、品質測定器1は、上下方向D3に直交する第1方向において、グレンタンク2の中心C1から見て投入口21と同じ側に配置されることは、そもそも必須ではない。
【0099】
ガイド部材6等についての具体的形状及び寸法等は、実施形態1で示した例に限らない。さらに、収穫機械4がガイド部材6を備えることも必須ではない。
【0100】
また、運転部47は、キャノピータイプに限らず、例えば、キャビンタイプ又はフロアタイプ等であってもよい。
【0101】
(実施形態2)
本実施形態に係る収穫機械4は、品質測定器1が穀粒のタンパク質含有量を測定する点で、実施形態1に係る収穫機械4と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0102】
本実施形態に係る収穫機械4では、品質測定器1は、投入口21からグレンタンク2内に投入された穀粒を取り込んで、穀粒のタンパク質含有量を測定する。本実施形態においても、規制部材3により品質測定器1への穀粒の取込量は規制されている。
【0103】
品質測定器1は、穀粒の品質を測定する装置であればよく、測定対象である品質も、穀粒の水分含有量(実施形態1)、及びタンパク質含有量(実施形態2)に限らず、例えば、アミロース含有量、又はこれらの組み合わせ等であってもよい。
【0104】
実施形態2の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0105】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0106】
<付記1>
穀粒を貯留するグレンタンクと、
前記グレンタンクの内部空間に臨む位置に配置され、前記穀粒の品質を測定する品質測定器と、
前記穀粒を搬送することにより前記品質測定器の取込口から前記穀粒を前記品質測定器に取り込む取込装置による前記穀粒の搬送経路と前記取込口との少なくとも一方において、前記品質測定器への前記穀粒の取込量を規制する規制部材と、を備え、
収穫機械。
【0107】
<付記2>
前記規制部材は、前記搬送経路の高さを制限することで、前記品質測定器への前記穀粒の取込量を規制する、
付記1に記載の収穫機械。
【0108】
<付記3>
前記規制部材は、前記取込装置の上方に、前記搬送経路の高さを制限する規制片を有する、
付記2に記載の収穫機械。
【0109】
<付記4>
前記規制部材は、前記取込装置の側方を覆う側方片を有する、
付記1~3のいずれかに記載の収穫機械。
【0110】
<付記5>
前記規制部材は、前記搬送経路の延長方向において前記取込口との間に隙間を有する、
付記1~4のいずれかに記載の収穫機械。
【0111】
<付記6>
前記規制部材は、前記穀粒の取込量の規制レベルを調節可能である、
付記1~5のいずれかに記載の収穫機械。
【0112】
<付記7>
前記搬送経路の上流側の端部に前記穀粒を案内するガイド部材を更に備える、
付記1~6のいずれかに記載の収穫機械。
【0113】
<付記8>
前記規制部材は、前記搬送経路の延長方向において前記ガイド部材よりも下流側に位置する、
付記7に記載の収穫機械。
【0114】
<付記9>
前記取込装置は、外周面に螺旋状のリブが形成されている取込ローラを含み、前記取込ローラを回転させることにより前記取込ローラ上の前記穀粒を前記取込口に向けて搬送する、
付記1~8のいずれかに記載の収穫機械。
【0115】
<付記10>
前記品質測定器における測定後の前記穀粒を排出する排出口を外側から覆い、前記排出口の周囲に排出空間を確保する庇部材を更に備える、
付記1~9のいずれかに記載の収穫機械。
【符号の説明】
【0116】
1 品質測定器
2 グレンタンク
3 規制部材
4 収穫機械
6 ガイド部材
8 庇部材
10 取込装置
12 取込口
13 排出口
30 搬送経路
31 規制片
32 側方片
35 隙間
14 取込ローラ
X1 穀粒
Sp1 内部空間
図1
図2
図3
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図5
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