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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110479
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】乾燥機および洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
D06F58/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015035
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(72)【発明者】
【氏名】山内 智博
(72)【発明者】
【氏名】乾 浩章
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA12
3B166AA24
3B166AB22
3B166AB30
3B166AB33
3B166AE01
3B166AE07
3B166BA38
3B166BA55
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166DE02
3B166DE04
3B166EA03
3B166EA12
3B166EA17
3B166EA35
3B166EA37
3B166EB02
3B166EB03
3B166EB09
3B166EB17
3B166EC02
3B166EC13
3B166EC22
3B166ED01
3B166ED02
3B166ED05
3B166ED06
3B166EE01
3B166EE07
3B166GA02
3B166GA12
(57)【要約】
【課題】水冷除湿に起因する乾燥性能の低下を抑制する乾燥機を提供する。
【解決手段】乾燥機1は、第1排気口31と、給気口と、給水口21とを有する乾燥槽3と、第1排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を給気口に供給する乾燥機構と、水冷除湿方式を用い、前記乾燥槽の空気の除湿を行う除湿機構20とを備える。乾燥機構は、第1排気口に接続された第1上流端と、給気口に接続された下流端とを有する通風路と、通風路に配置されており、通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、通風路に配置されており、通風路を流れる空気の加熱を行う加熱装置と、通風路に配置されており、通風路を流れる空気に含まれる異物の捕集を行うフィルタとを有する。除湿機構20は、給水口21で構成され、給水口21は、第1排気口31から所定の間隔だけ離間して、乾燥槽3の内面を伝い流れるように流水を供給する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1排気口と、給気口と、給水口とを有する乾燥槽と、
前記第1排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を前記給気口に供給する乾燥機構と、
水冷除湿方式を用い、前記乾燥槽の空気の除湿を行う除湿機構と、
を備え、
前記乾燥機構は、
前記第1排気口に接続された第1上流端と、前記給気口に接続された下流端とを有する通風路と、
前記通風路に配置されており、前記通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、
前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気の加熱を行う加熱装置と、
前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気に含まれる異物の捕集を行うフィルタと、
を有し、
前記除湿機構は、前記給水口で構成され、
前記給水口は、前記第1排気口から所定の間隔だけ離間して、前記乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給する、
乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥槽の内部に配置された回転槽と、
前記乾燥槽の後側中央に配置されており、前記回転槽を回転させるモータと、
を更に備え、
前記第1排気口は、前記乾燥槽の後側内面または横側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの一方側に配置されており、
前記給水口は、
前記乾燥槽の後側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの他方側に配置されており、
前記乾燥槽の後側内面において、流水が前記他方側を伝い流れるように下方向を向いている、
請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記乾燥槽の内部に配置された回転槽と、
前記乾燥槽の後側中央に配置されており、前記回転槽を回転させるモータと、
を更に備え、
前記第1排気口は、前記乾燥槽の後側内面または横側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの一方側に配置されており、
前記給水口は、
前記乾燥槽の後側内面において、前記モータの回転軸に対して前記一方側に配置されており、
前記乾燥槽の後側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの他方側を流水が伝い流れるように横方向または斜め横下方向を向いている、
請求項1に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記給水口は、前記モータの回転軸の位置よりも上に配置されている、請求項2または3に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記乾燥槽は、第2排気口を有し、
前記通風路は、前記第1上流端よりも上流側に、前記第2排気口に接続された第2上流端を有し、
前記乾燥機構は、前記第1排気口および前記第2排気口から空気を取り込み、
前記流水と前記第2排気口との距離は、前記流水と前記第1排気口との距離よりも小さい、
請求項1~3のいずれか1項に記載の乾燥機。
【請求項6】
前記第2排気口の大きさは、前記第1排気口の大きさよりも小さい、
請求項5に記載の乾燥機。
【請求項7】
第1排気口と、給気口と、給水口とを有する洗濯乾燥槽と、
前記第1排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を前記給気口に供給する乾燥機構と、
水冷除湿方式を用い、前記洗濯乾燥槽の空気の除湿を行う除湿機構と、
を備え、
前記乾燥機構は、
前記第1排気口に接続された第1上流端と、前記給気口に接続された下流端とを有する通風路と、
前記通風路に配置されており、前記通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、
前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気の加熱を行う加熱装置と、
前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気に含まれる異物の捕集を行うフィルタと、
を有し、
前記除湿機構は、前記給水口で構成され、
前記給水口は、前記第1排気口から所定の間隔だけ離間して、前記洗濯乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給する、
洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乾燥機および洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、乾燥機が記載されている。特許文献1に記載の乾燥機は、外槽の循環口から吸入口の間に循環風路および送風ダクトを設け、循環風路から送風ダクトの間に送風ファンおよびヒータを設けている(乾燥機構)。これにより、外槽の空気が循環口から取り出されて加熱され、加熱された空気が吸入口から外槽に戻される。このような乾燥機構では、糸くず等の異物を捕集するフィルタが設けられることがある。
【0003】
また、特許文献1には、散水孔から外槽の内周面を伝うように給水し、この給水により乾燥風が冷却されて除湿される水冷除湿技術が開示されている(除湿機構)。この水冷除湿技術により、乾燥時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03-205100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示の乾燥機では、外槽(本開示の乾燥槽に相当)の循環口(本開示の第1排気口に相当)と散水孔(本開示の給水口に相当)とが近い。そのため、水冷除湿の冷却性能を上けるために、冷却水量を増やしたり、乾燥風量を増やしたりすると、冷却水の一部が、乾燥機構のフィルタまで到達し、フィルタに付着し、フィルタが湿ることが考えられる。フィルタが湿ると、空気が通過し難くなり、乾燥機構の乾燥性能が低下してしまう。
【0006】
本開示は、水冷除湿に起因する乾燥性能の低下を抑制する乾燥機および洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示に係る乾燥機は、第1排気口と、給気口と、給水口とを有する乾燥槽と、前記第1排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を前記給気口に供給する乾燥機構と、水冷除湿方式を用い、前記乾燥槽の空気の除湿を行う除湿機構とを備える。前記乾燥機構は、前記第1排気口に接続された第1上流端と、前記給気口に接続された下流端とを有する通風路と、前記通風路に配置されており、前記通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気の加熱を行う加熱装置と、前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気に含まれる異物の捕集を行うフィルタとを有する。前記除湿機構は、前記給水口で構成され、前記給水口は、前記第1排気口から所定の間隔だけ離間して、前記乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給する。
【0008】
本開示の乾燥機によれば、水冷除湿方式の除湿機構における給水口が、第1排気口から所定の間隔だけ離間して、乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給するので、流水が第1排気口から乾燥機構の通風路に取り込まれることを抑制することができ、乾燥機構のフィルタが湿ることを抑制することができる。そのため、水冷除湿に起因する乾燥機構の乾燥性能の低下を抑制することができる。
【0009】
(2)(1)に記載の乾燥機は、前記乾燥槽の内部に配置された回転槽と、前記乾燥槽の後側中央に配置されており、前記回転槽を回転させるモータとを更に備えていてもよい。前記第1排気口は、前記乾燥槽の後側内面または横側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの一方側に配置されていてもよい。前記給水口は、前記乾燥槽の後側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの他方側に配置されており、前記乾燥槽の後側内面において、流水が前記他方側を伝い流れるように下方向を向いていてもよい。
【0010】
これによれば、第1排気口から所定の間隔だけ離間して、乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給することができる。
【0011】
(3)(1)に記載の乾燥機は、前記乾燥槽の内部に配置された回転槽と、前記乾燥槽の後側中央に配置されており、前記回転槽を回転させるモータとを更に備えていてもよい。前記第1排気口は、前記乾燥槽の後側内面または横側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの一方側に配置されていてもよい。前記給水口は、前記乾燥槽の後側内面において、前記モータの回転軸に対して前記一方側に配置されており、前記乾燥槽の後側内面において、前記モータの回転軸に対して左側および右側のうちの他方側を流水が伝い流れるように横方向または斜め横下方向を向いていてもよい。
【0012】
これによれば、第1排気口から所定の間隔だけ離間して、乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給することができる。
【0013】
(4)(2)または(3)に記載の乾燥機において、前記給水口は、前記モータの回転軸の位置よりも上に配置されている。
【0014】
これによれば、乾燥槽の空気が流水と触れる機会を増やすことができ、水冷除湿性能を高めることができる。
【0015】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載の乾燥機において、前記乾燥槽は、第2排気口を有し、前記通風路は、前記第1上流端よりも上流側に、前記第2排気口に接続された第2上流端を有し、前記乾燥機構は、前記第1排気口および前記第2排気口から空気を取り込んでもよい。前記流水と前記第2排気口との距離は、前記流水と前記第1排気口との距離よりも小さくてもよい。
【0016】
これによれば、第2排気口から通風路の第2上流端に取り込まれる空気は、流水によって冷却され、第1排気口から通風路の第1上流端に取り込まれる空気よりも冷たい。そのため、第2上流端に取り込まれる空気と第1上流端に取り込まれる空気とが、通風路の合流点で合流すると、第1上流端に取り込まれる空気は、第2上流端に取り込まれる空気によって冷やされ、除湿される。このように、乾燥機構が除湿機能を備えるので、除湿性能を高めることができ、その結果、乾燥性能を高めることができる。
【0017】
(6)(5)に記載の乾燥機において、前記第2排気口の大きさは、前記第1排気口の大きさよりも小さくてもよい。
【0018】
これによれば、流水が第2排気口から通風路に取り込まれることを抑制することができる。
【0019】
(7)本開示に係る洗濯乾燥機は、第1排気口と、給気口と、給水口とを有する洗濯乾燥槽と、前記第1排気口から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を前記給気口に供給する乾燥機構と、水冷除湿方式を用い、前記洗濯乾燥槽の空気の除湿を行う除湿機構とを備える。前記乾燥機構は、前記第1排気口に接続された第1上流端と、前記給気口に接続された下流端とを有する通風路と、前記通風路に配置されており、前記通風路において上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる送風機と、前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気の加熱を行う加熱装置と、前記通風路に配置されており、前記通風路を流れる空気に含まれる異物の捕集を行うフィルタとを有する。前記除湿機構は、前記給水口で構成され、前記給水口は、前記第1排気口から所定の間隔だけ離間して、前記洗濯乾燥槽の内面を伝い流れるように流水を供給する。
【0020】
本開示の洗濯乾燥機によれば、上述した乾燥機と同様の構成を備えるので、水冷除湿に起因する乾燥性能の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、乾燥機および洗濯乾燥機において、水冷除湿に起因する乾燥性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の第1実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を断面的に示す模式図である。
図2図1に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。
図3図1に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
図4】本開示の第1実施形態の第1変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。
図5】本開示の第1実施形態の第2変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。
図6】本開示の第2実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を断面的に示す模式図である。
図7図6に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。
図8図6に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
図9】本開示の第2実施形態の第1変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。
図10】本開示の第2実施形態の第1変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
図11】本開示の第2実施形態の第2変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。
図12】本開示の第2実施形態の第2変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0024】
また、以下では、本開示の実施形態として、洗濯機能および乾燥機能を備える洗濯乾燥機について例示するが、本開示はこれに限定されず、洗濯機能を備えず、乾燥機能のみを備える乾燥機にも適用可能である。この場合、洗濯乾燥機を乾燥機と読み替え、洗濯乾燥槽を乾燥槽と読み替えればよい。
【0025】
[第1実施形態]
(洗濯乾燥機)
図1は、本開示の第1実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を断面的に示す模式図である。図1および後述の図面には、XYZ直交座標系が示されている。X方向は洗濯乾燥機の左右方向であり、Y方向は洗濯乾燥機の前後方向であり、Z方向は洗濯乾燥機の上下方向である。
【0026】
図1に示す洗濯乾燥機1は、いわゆるドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機1は、筐体2の内部に、洗濯乾燥槽3と、回転槽4と、排水路7と、モータ8と、制御装置9と、乾燥機構10と、除湿機構20とを備える。
【0027】
筐体2の前面には、回転槽4に洗濯乾燥対象物を出し入れするための扉2Aが設けられている。扉2Aが閉じているとき、洗濯乾燥槽3は、例えばゴム部材で構成されたパッキンを介して扉2Aによって密閉される。
【0028】
洗濯乾燥槽3は、洗濯動作時には水を溜める洗濯槽として機能し、乾燥動作時には乾燥槽として機能する。洗濯乾燥槽3の上部には、洗濯動作時、洗濯乾燥槽3に水を給水するための給水路(図示省略)が設けられており、給水路には、給水制御のための給水弁(図示省略)が設けられている。また、洗濯乾燥槽3の下部には、洗濯動作時、洗濯乾燥槽3の水を排水するための排水路7が設けられており、排水路7には、排水制御のための排水弁7Aが設けられている。
【0029】
洗濯乾燥槽3の内部には、回転槽4が設けられており、洗濯乾燥槽3の後側中央には、モータ8が設けられている。回転槽4は、洗濯動作時および乾燥動作時、モータ8によって回転される。洗濯乾燥槽3の下部は、洗濯動作時および乾燥動作時に振動を防止する防振機構によって支持されていてもよい。
【0030】
乾燥機構10は、乾燥動作時、洗濯乾燥槽3から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を洗濯乾燥槽3に戻す。乾燥機能の詳細は後述する。
【0031】
除湿機構20は、乾燥動作時、水冷除湿方式を用い、洗濯乾燥槽3の空気の除湿を行う。除湿機構20の詳細は後述する。
【0032】
制御装置9は、洗濯乾燥機1の全体制御を行う。例えば、制御装置9は、洗濯動作および乾燥動作の制御を行う。また、制御装置9は、給水弁、排水弁7A、モータ8、乾燥機構10および除湿機構20の制御を行う。
【0033】
制御装置9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサで構成される。制御装置9の各種機能は、例えば記憶部に格納された所定のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現される。制御装置9の各種機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のメモリで構成される。記憶部は、制御装置9の各種機能を実現する所定のソフトウェア(プログラム)を記憶する。
【0034】
(乾燥機構)
次に、図1図3を参照して、乾燥機構10について説明する。図2は、図1に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図であり、図3は、図1に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
【0035】
乾燥機構10は、通風路(ダクト)11と、送風機12と、加熱装置13と、第1フィルタ14Aと、第2フィルタ14Bと、第1温度湿度センサ15Aと、第2温度湿度センサ15Bとを備える。
【0036】
乾燥機構10は、洗濯乾燥槽3の第1排気口31から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱し、加熱した空気を洗濯乾燥槽3の給気口33に供給する。第1排気口31は、例えば図2に示すように、洗濯乾燥槽3の後側内面(または横側内面)において、モータ8の回転軸8Aに対して右側に配置されている。給気口33は、例えば図1に示すように、洗濯乾燥槽3の上側に配置されている。
【0037】
通風路11は、第1上流端111と下流端とを有し、洗濯乾燥槽3の後側から上側に延在する。通風路11の第1上流端111は、洗濯乾燥槽3の第1排気口31に接続されており、通風路11の下流端は、洗濯乾燥槽3の給気口33に接続されている。通風路11には、上流側から順に、第1温度湿度センサ15A、第1フィルタ14A、送風機12、第2フィルタ14B、加熱装置13および第2温度湿度センサ15Bが配置されている。
【0038】
送風機12は、通風路11において、上流から下流に向けて流れる空気流を発生させる。これにより、洗濯乾燥槽3における空気が通風路11に取り込まれる。
【0039】
加熱装置13は、例えばヒータであり、通風路11を流れる空気を加熱する。このようにして、加熱された空気は、洗濯乾燥槽3に戻される。
【0040】
第1フィルタ14Aは、第2フィルタ14Bよりも荒い網目を有するフィルタであり、通風路を流れる空気に含まれる、糸くず等の異物であって、比較的に大きな異物を捕集する。第2フィルタ14Bは、第1フィルタ14Aよりも細かい網目を有するフィルタであり、第1フィルタ14Aで捕集できない比較的に小さな異物を捕集する。
【0041】
第1温度湿度センサ15Aは、通風路11において、加熱装置13よりも上流側に配置されており、加熱前の空気の温度および湿度を測定する。一方、第2温度湿度センサ15Bは、通風路11において、加熱装置13よりも下流側に配置されており、加熱後の空気の温度および湿度を測定する。これらの測定結果は、例えば制御装置9による乾燥機構10および除湿機構20の動作制御に利用される。
【0042】
なお、通風路11には、筐体2の外部へ排気するための排気口16が設けられていてもよい。排気口16には、空気を通風路11内に循環させるか、排気口16から外部へ排気させるかを切り換える排気切換弁16Aが設けられてる。
【0043】
(除湿機構)
次に、図1図3を参照して、除湿機構20について説明する。除湿機構20は、水冷除湿方式を用い、洗濯乾燥槽3の内面に流水を伝い流すことにより、流水に触れた湿った空気を冷却して除湿を行う。除湿機構20は、給水口21で構成されている。給水口21は、給水口21に水を給水するための給水路22に接続されており、給水路22には、給水制御のための給水弁22Aが設けられている。
【0044】
例えば図2に示すように、給水口21は、洗濯乾燥槽3の後側内面の上方に配置されており、第1排気口31から所定の間隔だけ離間して、洗濯乾燥槽3の内面を伝い流れるように流水を供給する(図1および図2の矢印参照)。
【0045】
具体的には、給水口21は、洗濯乾燥槽3の後側内面において、モータ8の回転軸8Aに対して左側に配置されており、給水口21から流れる流水がモータ8の回転軸8Aの左側を伝い流れるように下方向を向いている。すなわち、給水口21は、モータ8の回転軸8Aに対して、第1排気口31と反対側に配置されており、給水口21から流れる流水は、モータ8の回転軸8Aに対して、第1排気口31と反対側を伝い流れる。
【0046】
なお、給水口21と第1排気口31との配置は、左右反対であってもよい。すなわち、洗濯乾燥槽3の後側内面において、モータ8の回転軸8Aに対して、第1排気口31が左側に配置されており、給水口21が右側に配置されていてもよい。この場合、給水口21から流れる流水は、モータ8の回転軸8Aの右側を伝い流れればよい。
【0047】
このように、第1排気口31と所定の距離だけ離間して流水を流すことにより、流水が第1排気口31から通風路11に取り込まれることを抑制することができ、乾燥機構10のフィルタ14A,14Bが湿ることを抑制することができる。そのため、フィルタ14A,14Bが湿ることに起因する乾燥機構10の乾燥性能の低下を抑制することができる。
【0048】
また、給水口21は、モータ8の回転軸8Aよりも上方に設けられていてもよい。これにより、洗濯乾燥槽3の空気が流水と触れる機会を増やすことができ、水冷除湿性能を高めることができる。
【0049】
給水口21、給水路22および給水弁22Aは、上述した洗濯動作時に洗濯槽に給水するための給水口、給水路および給水弁と兼用であってもよい。この場合、制御装置9によって、洗濯動作時の給水と乾燥動作時の給水との制御が行われる。
【0050】
或いは、給水口21、給水路22および給水弁22Aは、洗濯動作時に洗濯槽に給水するための給水口、給水路および給水弁とは別に設けられてもよい。この場合、左右方向に複数の給水口21が配置されてもよい。これにより、流水を帯状に伝い流すことができ、洗濯乾燥槽3の空気が流水と触れる機会を増やすことができ、水冷除湿性能を高めることができる。
【0051】
流水、および除湿機構20によって除湿された水分は、洗濯乾燥槽3の下部に流れ、排水路7を介して排水される。このとき、制御装置9により排水弁7Aの開閉タイミングを制御することにより、流水および除湿された水分を洗濯乾燥槽3の下部に一旦溜め、乾燥動作時に発生する糸くず(リント)とともに除去するようにしてもよい。
【0052】
以上説明したように、第1実施形態の洗濯乾燥機1によれば、水冷除湿方式の除湿機構20における給水口21が、第1排気口31から所定の間隔だけ離間して、洗濯乾燥槽3の内面を伝い流れるように流水を供給する。これにより、流水が第1排気口31から乾燥機構10の通風路11に取り込まれることを抑制することができ、乾燥機構10のフィルタ14A,14Bが湿ることを抑制することができる。そのため、水冷除湿に起因する乾燥機構10の乾燥性能の低下を抑制することができる。
【0053】
(第1変形例)
図4は、本開示の第1実施形態の第1変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。図4に示すように、給水口21は、左右方向に帯広の形状であってもよい。これにより、流水を帯状に伝い流すことができ、洗濯乾燥槽3の空気が流水と触れる機会を増加することができ、水冷除湿性能を高めることができる。
【0054】
(第2変形例)
図5は、本開示の第1実施形態の第2変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図である。図5に示すように、洗濯乾燥槽3の後側内面において、モータ8の回転軸8Aに対して、第1排気口31が右側に配置されており、給水口21が同じ右側に配置されており、給水口21は、給水口21から流れる流水がモータ8の回転軸8Aの反対の左側を伝い流れるように横方向または斜め横下方向を向いていてもよい。すなわち、給水口21は、モータ8の回転軸8Aに対して、第1排気口31と同じ側に配置されており、給水口21から流れる流水は、モータ8の回転軸8Aに対して、第1排気口31と反対側を伝い流れる。
【0055】
[第2実施形態]
(洗濯乾燥機)
次に、本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態の洗濯乾燥機は、上述した第1実施形態の洗濯乾燥機1と比較して、乾燥機構10の構成が異なる。
【0056】
図6は、本開示の第2実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を断面的に示す模式図である。図6に示す第2実施形態の洗濯乾燥機1Aは、図1に示す第1実施形態の洗濯乾燥機1において、乾燥機構10に代えて乾燥機構10Aを備える。第2実施形態の洗濯乾燥機1Aのその他の構成は、第1実施形態の洗濯乾燥機1と同一である。
【0057】
(乾燥機構)
乾燥機構10Aは、図1に示す乾燥機構10と比較して、通風路11に代えて通風路11Aを備える。乾燥機構10Aのその他の構成は、図1に示す乾燥機構10と同一である。以下、図6図8を参照して、乾燥機構10Aおよび通風路11Aについて説明する。図7は、図6に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図であり、図8は、図6に示す洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
【0058】
通風路11Aは、第1上流端111から更に上流側に延在し、第1上流端111よりも上流側に第2上流端112を有する。第2上流端112は、洗濯乾燥槽3の第2排気口32に接続されており、乾燥機構10は、洗濯乾燥槽3の第1排気口31および第2排気口32から空気を取り込む。
【0059】
第2排気口32は、例えば図7に示すように、洗濯乾燥槽3の後側内面において、下側の排水路7近傍に配置されている。すなわち、第2排気口32は、流水(例えば図7の矢印参照)近傍に配置されている。換言すれば、流水と第2排気口32との距離は、流水と第1排気口31との距離よりも小さい。
【0060】
このような構成により、第2排気口32から通風路11Aの第2上流端112に取り込まれる空気は、流水によって冷却され、第1排気口31から通風路11Aの第1上流端111に取り込まれる空気よりも冷たい。そのため、図6に示すように、第2上流端112に取り込まれる空気と第1上流端111に取り込まれる空気とが、通風路11Aの合流点Pで合流すると、第1上流端111に取り込まれる空気は、第2上流端112に取り込まれる空気によって冷やされ、除湿される。除湿された水分は、通風路11Aおよび第2排気口32を介して排水路7に排水される。このように、乾燥機構10Aは、除湿機能を備えるので、除湿性能を高めることができ、その結果、乾燥性能を高めることができる。
【0061】
第2排気口32の大きさは、第1排気口31の大きさと同等、または第1排気口31の大きさよりも小さくてもよい。第2排気口32の大きさが第1排気口31の大きさよりも小さいと、流水が第2排気口32から通風路11Aに取り込まれることを抑制することができる。
【0062】
この第2実施形態の洗濯乾燥機1Aでも、第1実施形態の洗濯乾燥機1と同様に、水冷除湿に起因する乾燥機構10の乾燥性能の低下を抑制することができる。
【0063】
更に、第2実施形態の洗濯乾燥機1Aによれば、上述したように、乾燥機構10Aが除湿機能を備えるので、除湿性能を高めることができ、その結果、乾燥性能を高めることができる。
【0064】
なお、第2実施形態の洗濯乾燥機1Aでも、上述した第1実施形態の第1変形例のように、給水口21の形状を帯広形状に変更可能である(図4参照)。また、第2実施形態の洗濯乾燥機1Aでも、上述した第1実施形態の第2変形例のように、給水口21の配置および流水の経路を変更可能である(図5参照)。
【0065】
(第1変形例)
図9は、本開示の第2実施形態の第1変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図であり、図10は、本開示の第2実施形態の第1変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。
【0066】
上述した第2実施形態では、図7に示すように、第2排気口32が、洗濯乾燥槽3の後側内面において下側の排水路7近傍に配置され、第1排気口31に対して上下方向(Z方向)の下側に配置され、図8に示すように、第2排気口32と第1排気口31との間の通風路11Aが上下方向(Z方向)に延在する形態を例示した。第2排気口32および通風路11Aの配置はこれに限定されず、図9に示すように、第2排気口32が、洗濯乾燥槽3の後側内面において左側の流水(矢印参照)近傍に配置され、第1排気口31に対して左右方向(X方向)の横側に配置され、図10に示すように、第2排気口32と第1排気口31との間の通風路11Aが左右方向(X方向)に延在する形態であってもよい。
【0067】
このような構成でも、第2排気口32から通風路11Aの第2上流端112に取り込まれる冷却空気による、第1排気口31から通風路11Aの第1上流端111に取り込まれる空気の除湿効果が得られる。このように、乾燥機構10Aは、除湿機能を備えるので、除湿性能を高めることができ、その結果、乾燥性能を高めることができる。
【0068】
(第2変形例)
図11は、本開示の第2実施形態の第2変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側内面の一例を示す平面図であり、図12は、本開示の第2実施形態の第2変形例に係る洗濯乾燥機における洗濯乾燥槽の後側外面の一例を示す平面図である。上述した第2実施形態の第1変形例では、図10に示すように、第2排気口32と第1排気口31との間の通風路11Aが左右方向(X方向)に直線状に延在する形態であった。しかし、図12に示すように、第2実施形態の第2変形例では、第2排気口32と第1排気口31との間の通風路11Aが、下側に湾曲するように曲線状に延在する形態であってもよい。この場合、通風路11Aの最下点近傍に、通風路11Aに溜まる水を抜くための水抜孔34を設けてもよい。
【0069】
この第2実施形態の第2変形例でも、上述した第2実施形態の第1変形例と同様に、乾燥機構10Aは、除湿機能を備えるので、除湿性能を高めることができ、その結果、乾燥性能を高めることができる。
【0070】
更に、第2実施形態の第2変形例によれば、第2排気口32と第1排気口31との間の通風路11Aが、下側に湾曲するように曲線状に延在する形態であり、またその距離が長くなるので、流水が第2排気口32から通風路11Aに取り込まれたとしても、フィルタ14A,14Bに到達することをより抑制することができる。そのため、乾燥機構10のフィルタ14A,14Bが湿ることをより抑制することができ、水冷除湿に起因する乾燥機構10の乾燥性能の低下を抑制することができる。
【0071】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、乾燥機構および除湿機構を備えるドラム式の洗濯乾燥機について説明した。しかし、本開示の特徴は、これに限定されず、乾燥機能および除湿機能を有する縦型の洗濯乾燥機における乾燥機構および除湿機構にも適応可能である。
【0072】
また、上述した実施形態では、乾燥機構および除湿機構を備える洗濯乾燥機について説明した。しかし、本開示の特徴は、これに限定されず、乾燥機能付き洗濯機、衣類等の乾燥機、食器等の洗浄乾燥機、等の乾燥機能および除湿機能を有する種々の機器における乾燥機構および除湿機構にも適用可能であり、また、除湿器、空気清浄器、等の乾燥機能および除湿機能を有する種々の機器における乾燥機構および除湿機構にも適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1,1A 洗濯乾燥機(乾燥機)
2 筐体
2A 扉
3 洗濯乾燥槽(乾燥槽)
4 回転槽
7 排水路
7A 排水弁
8 モータ
8A 回転軸
9 制御装置
10,10A 乾燥機構
11,11A 通風路
12 送風機
13 加熱装置
14A 第1フィルタ
14B 第2フィルタ
15A 第1温度湿度センサ
15B 第2温度湿度センサ
16 排気口
16A 排気切換弁
20 除湿機構
21 給水口
22 給水路
22A 給水弁
31 第1排気口
32 第2排気口
33 給気口
34 水抜孔
111 第1上流端
112 第2上流端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12