(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110484
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
G03F7/20 503
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015043
(22)【出願日】2023-02-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】000115902
【氏名又は名称】レーザーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(72)【発明者】
【氏名】田島 敦
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197GA01
2H197GA05
2H197GA12
(57)【要約】
【課題】溶融金属の表面の振動を抑制させ、照明光の強度分布を均一化させることができる光源装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る光源装置1は、回転軸Rを有する容器10であって、回転軸Rの周りで回転する円筒状の側壁15を含む容器10と、側壁15の内面30の少なくとも一部に接触した溶融金属20と、一部に形成された凸部41及び凹部42の少なくともいずれかを含む加工部40と、を備え、レーザ光LRを照射された溶融金属20は、EUV光LEを含む光を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成する、
光源装置。
【請求項2】
前記内面は、前記回転軸から離れる方向に凹んだ部分を含み、
前記加工部は、前記凹んだ部分に形成された、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記内面は、前記回転軸の方向に沿って一端側から他端側へ順に円筒状の第1内周面、第2内周面、及び、第3内周面を含み、
前記内面の前記回転軸からの距離を半径とした場合に、
前記第2内周面は、前記第1内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、
前記加工部は、前記第2内周面に形成された、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2内周面は、前記第3内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、
前記溶融金属は、前記第2内周面の一端と前記第2内周面の他端との間に位置する、
請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記加工部は、前記回転軸の方向に延びている、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
前記一部には、複数の前記加工部が形成され、
複数の前記加工部は、前記回転軸の回転方向に等間隔で配置された、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項7】
前記加工部は、前記凸部と、前記凸部に隣接して形成された前記凹部と、を含む、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項8】
前記加工部は、パンチ痕を含む、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項9】
前記加工部は、複数の前記凸部、複数の前記凹部、並びに、複数の前記凸部及び複数の前記凹部のうち、いずれかを有する粗面領域を含み、
前記内面は、前記粗面領域及び前記粗面領域の表面粗さよりも小さい表面粗さを有する滑面領域を含む、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項10】
前記加工部は、複数の前記凸部、複数の前記凹部、並びに、複数の前記凸部及び複数の前記凹部のうち、いずれかを有する粗面領域を含み、
前記第2内周面は、前記粗面領域を含み、
前記第1内周面及び前記第3内周面の少なくともいずれかは、前記粗面領域の表面粗さよりも小さい表面粗さを有する滑面領域を含む、
請求項3に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラズマを形成するターゲット材料でコーティングされた表面を有する回転可能な円筒対称要素を含み、ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるEUV光源が記載されている。特許文献1のEUV光源は、円筒対象要素の表面に形成された凹部に、ターゲット材料の凸部を嵌合させることによって、ターゲット材料を固定させている。
【0003】
特許文献2には、プラズマを形成する材料にターゲット面を与えるように配置されたターゲットユニットと、ターゲット面に放射ビームを照射して、プラズマを形成するように配置されたレーザユニットと、を備えたEUV光源が記載されている。特許文献2のEUV光源は、プラズマ形成材料を付着させるホイールの表面に、歯状の凸部が設けられている。
【0004】
特許文献3及び特許文献4には、円盤状の回転体と、カバー状構造体の内部に設けられた液体状の高温プラズマ原料を貯留する貯留槽とを備え、回転体の一部が高温プラズマ原料に浸漬するEUV光源が記載されている。特許文献3のEUV光源は、回転体の表面に付着させる高温プラズマ原料の膜厚を制御している。特許文献4のEUV光源は、回転体の表面に高温プラズマ原料を付着させるための凹凸を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-077007号公報
【特許文献2】特表2015-505418号公報
【特許文献3】特開2014-216286号公報
【特許文献4】特開2014-089880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
EUV光を生成する方法として、液体状の溶融金属を坩堝等の容器に入れて回転させ、レーザ光を溶融金属に照射して発生させたプラズマからEUV光を生成する方法がある。この方法を用いた場合に、溶融金属の表面の振動により、EUV光の発光点の位置ずれが発生することがある。この場合には、照明光となるEUV光の強度分布の均一性が低減することになる。
【0007】
本開示の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、溶融金属の表面の振動を抑制させ、照明光の強度分布を均一化させることができる光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る光源装置は、回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、を備え、レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成する。
【0009】
上記光源装置では、前記内面は、前記回転軸から離れる方向に凹んだ部分を含み、前記加工部は、前記凹んだ部分に形成されてもよい。
【0010】
上記光源装置では、前記内面は、前記回転軸の方向に沿って一端側から他端側へ順に円筒状の第1内周面、第2内周面、及び、第3内周面を含み、前記内面の前記回転軸からの距離を半径とした場合に、前記第2内周面は、前記第1内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、前記加工部は、前記第2内周面に形成されてもよい。
【0011】
上記光源装置では、前記第2内周面は、前記第3内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、前記溶融金属は、前記第2内周面の一端と前記第2内周面の他端との間に位置してもよい。
【0012】
上記光源装置では、前記加工部は、前記回転軸の方向に延びてもよい。
【0013】
上記光源装置では、前記一部には、複数の前記加工部が形成され、複数の前記加工部は、前記回転軸の回転方向に等間隔で配置されてもよい。
【0014】
上記光源装置では、前記加工部は、前記凸部と、前記凸部に隣接して形成された前記凹部と、を含んでもよい。
【0015】
上記光源装置では、前記加工部は、パンチ痕を含んでもよい。
【0016】
上記光源装置では、前記加工部は、複数の前記凸部、複数の前記凹部、並びに、複数の前記凸部及び複数の前記凹部のうち、いずれかを有する粗面領域を含み、前記内面は、前記粗面領域及び前記粗面領域の表面粗さよりも小さい前記表面粗さを有する滑面領域を含んでもよい。
【0017】
上記光源装置では、前記加工部は、複数の前記凸部、複数の前記凹部、並びに、複数の前記凸部及び複数の前記凹部のうち、いずれかを有する粗面領域を含み、前記第2内周面は、前記粗面領域を含み、前記第1内周面及び前記第3内周面の少なくともいずれかは、前記粗面領域の表面粗さよりも小さい前記表面粗さを有する滑面領域を含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、溶融金属の表面の振動を抑制させ、照明光の強度分布を均一化させることができる光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態1に係る光源装置を例示した断面図である。
【
図2】実施形態1に係る光源装置の容器を例示した断面図である。
【
図3】実施形態1に係る光源装置の容器の側壁を例示した断面図である。
【
図4】実施形態1に係る光源装置の容器の内面を例示した模式図である。
【
図5】実施形態1に係る光源装置の容器の側壁を例示した断面図であり、
図7の領域Vの拡大図を示す。
【
図6】実施形態1に係る光源装置の容器の側壁を例示した断面図であり、
図7の領域Vの拡大図を示す。
【
図7】実施形態1に係る光源装置の容器を例示した断面図である。
【
図8】実施形態1の変形例1に係る光源装置の容器の側壁を例示した断面図である。
【
図9】実施形態1の変形例2に係る光源装置の容器の側壁を例示した断面図である。
【
図10】比較例に係る光源装置における溶融金属の表面振動の挙動を例示したグラフであり、時間に対する溶融金属の表面の変位を示す。
【
図11】比較例に係る光源装置における溶融金属の表面振動の挙動を例示したグラフであり、時間に対する溶融金属の表面のピークからピークの大きさを示す。
【
図12】比較例に係る光源装置における溶融金属の表面振動の挙動を例示したグラフであり、時間に対する溶融金属の表面の振動数を示す。
【
図13】実施形態1に係る光源装置における溶融金属の表面振動の挙動を例示したグラフであり、時間に対する溶融金属の表面の変位を示す。
【
図14】実施形態1に係る光源装置における溶融金属の表面振動の挙動を例示したグラフであり、時間に対する溶融金属の表面のピークからピークの大きさを示す。
【
図15】実施形態1に係る光源装置における溶融金属の表面振動の挙動を例示したグラフであり、時間に対する溶融金属の表面の振動数を示す。
【
図16】比較例に係る光源装置が生成したEUV光を検出器で検出した画像を例示した図である。
【
図17】光源装置の容器内における溶融金属の表面の振動を例示した図である。
【
図18】実施形態1に係る光源装置が生成したEUV光を検出器で検出した画像を例示した図である。
【
図19】実施形態1に係る光源装置が生成したEUV光を検出器で検出した画像を例示した図である。
【
図20】実施形態1に係る光源装置において、容器内の溶融金属の表面の位置を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、溶融金属の表面の位置を示す。
【
図21】比較例に係る光源装置において、容器内の溶融金属の表面の位置を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、溶融金属の表面の位置を示す。
【
図22】実施形態1に係る光源装置において、容器内の溶融金属の表面の位置を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、溶融金属の表面の位置を示す。
【
図23】実施形態2に係る光源装置の容器の内面を例示した模式図である。
【
図24】実施形態2に係る光源装置の容器の内面を例示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本開示の好適な実施の形態を示すものであって、本開示の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
【0021】
(実施形態1)
実施形態1に係る光源装置を説明する。本実施形態の光源装置は、溶融金属を坩堝等の容器に入れて回転させ、レーザ光を溶融金属に照射して発生させたプラズマからEUV光を生成する。光源装置は、回転する容器の側壁の内面に凸部、突起等の加工部を有している。このような加工部は、あたかも海岸のテトラポットのように、溶融金属の表面波を放散させるような防波堤の機能を有している。これにより、本実施形態の光源装置は、溶融金属の表面の振動を抑制し、EUV光の発光点の位置ずれを低減させることができる。以下、図面を参照しながら、光源装置について、<光源装置の概要>、<容器の内面>及び<加工部>に分けて説明する。
【0022】
<光源装置の概要>
図1は、実施形態1に係る光源装置を例示した断面図である。
図1に示すように、光源装置1は、容器10を備えている。光源装置1は、さらに、溶融金属20及び加工部40を備えてもよい。容器10は、例えば、坩堝であり、内部で、金属を溶融させることができる。容器10は、レーザ光LRの照射によりプラズマ21を発生させるターゲットとなる溶融金属20を保持する。よって、溶融金属20は、容器10に保持されている。溶融金属20は、例えば、インジウムスズ合金(InSn)が溶融したものであるが、レーザ光LRの照射によりプラズマを発生するものであれば、InSnに限らず、スズ(Sn)、リチウム(Li)等が溶融したものでもよい。
【0023】
容器10は、回転軸Rを有し、回転軸Rを中心にして回転軸の周りで回転する。ここで、光源装置1の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を導入する。回転軸Rが延びる方向をZ軸方向とする。Z軸方向に直交する方向をX軸方向とし、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向とする。+Z軸方向を便宜上、上方とし、-Z軸方向を下方とする。なお、上方及び下方は、説明の便宜上の方向であって、実際の光源装置1が配置される方向を示すものではない。
【0024】
容器10は、例えば、上端11が開口した円筒状である。容器10の下端12は、閉じてもよい。容器10の閉じた部分を底部13という。底部13の内面を底面14と呼ぶ。容器10は、円筒状の側壁15を含む。したがって、容器10は、回転軸Rの周りで回転する円筒状の側壁15を含む。側壁15の内面30は、回転軸Rを囲むように形成されている。内面30は、例えば、円筒状である。内面30は、回転軸Rの方向において、一端及び他端を有する。内面30の上方の一端は、上端11であり、下方の他端は、下端12である。内面30には、加工部40が形成されている。
【0025】
光源装置1は、容器10の他、ヒータ16、及び、コレクターミラー17を備えてもよい。ヒータ16の加熱によって、容器10内に、溶融金属20を形成することができる。コレクターミラー17は、生成されたEUV光LEを反射する。EUV光LEは、レーザ光LRが溶融金属20を照射することにより発生したプラズマ21から生成される。
【0026】
光源装置1は、レーザ光LRを生成する励起用レーザLSを備えてもよいし、光源装置1の外部に設置した励起用レーザLSからのレーザ光LRを用いてもよい。レーザ光LRは、レンズ18で集光され、溶融金属20を照射する。レーザ光LRは、例えば、IRレーザ光である。レーザ光LRを照射された溶融金属20は、EUV光LEを含む光を生成する。溶融金属20から生成されたEUV光LEは、照明光として検査装置19等の光学装置に出射する。
【0027】
<容器の内面>
図2は、実施形態1に係る光源装置1の容器10を例示した断面図である。
図3は、実施形態1に係る光源装置1の容器10の側壁15を例示した断面図である。
図4は、実施形態1に係る光源装置1の容器10の内面30を例示した模式図である。
【0028】
図2~
図4に示すように、回転軸Rを含む面で切った内面30の断面は、凹部を有する。すなわち、内面30は、回転軸Rから離れる方向に凹んだ部分を含む。したがって、内面30の中央部は、上部及び下部に対して凹んでいる。側壁15の内面30は、回転軸Rの方向に沿って上端11から下端12へ順に、円筒状の第1内周面31、円筒状の第2内周面32、及び、円筒状の第3内周面33を含む。第1内周面31の上端は、内面30の上端11と一致してもよい。第1内周面31の下端は、第2内周面32の上端と一致してもよい。第2内周面32の下端は、第3内周面33の上端と一致してもよい。第3内周面33の下端は、内面30の下端12と一致してもよい。
【0029】
側壁15の内面30の回転軸Rからの距離を半径とした場合に、第2内周面32は、第1内周面31の半径よりも大きい半径を有する部分を含む。例えば、第2内周面32の半径は、どこでも、第1内周面31のどこの半径よりも大きい。また、第2内周面32は、第3内周面33の半径よりも大きい半径を有する部分を含む。例えば、第2内周面32は、どこでも、第3内周面33のどこの半径よりも大きい。
【0030】
溶融金属20は、容器10における側壁15の内面30の少なくとも1部に接触している。溶融金属20は、容器10が回転軸Rの周りで回転すると、遠心力により、内面30の凹んだ部分に集まる。例えば、溶融金属20は、第2内周面32に集まる。したがって、溶融金属20は、第2内周面32に接触する。側壁15の内面30において、第2内周面32は、溶融金属20が接触する部分である。第1内周面31は、溶融金属20が接触しない部分である。第3内周面33は、溶融金属20が接触しない部分である。したがって、溶融金属20は、第2内周面32の上端と下端との間に位置している。レーザ光LRは、第2内周面32に配置された溶融金属20を照射する。
【0031】
<加工部>
加工部40は、内面30の少なくとも一部に形成されている。例えば、加工部40は、内面30における溶融金属20が接触した部分に形成されている。具体的には、加工部40は、凹んだ部分に形成されている。加工部40は、第2内周面32に形成されてもよい。加工部40は、第1内周面31及び第3内周面33に形成されなくてもよい。したがって、加工部40は、第2内周面32の上端から下端までの間に位置している。なお、加工部40は、第1内周面31及び第3内周面33に形成されてもよい。
【0032】
加工部40は、パンチを押し付けることにより形成されたパンチ跡(Punch Mark)を含んでもよい。この場合には、加工部40の形成時に新たな材料を付加する必要がないので、容器10の重量バランスを維持することができる。加工部40は、パンチ痕の集合体でもよい。なお、加工部40は、内面30から突出していれば、パンチ跡に限らず、溶射等により微細な部材を凸状になるように内面30に接着させたものでもよい。加工部40は、回転軸Rの方向に延びた形状でもよい。すなわち、加工部40は、回転軸Rの回転方向に直交する方向に延びた形状でもよい。このような形状とすることにより、溶融金属20の表面振動を効率よく抑制させることができる。
【0033】
図5及び
図6は、実施形態1に係る光源装置1の容器10の側壁15を例示した断面図であり、
図7の領域Vの拡大図を示す。
図5に示すように、加工部40は、凸部41と、凸部41に隣接して形成された凹部42とを含んでもよい。例えば、加工部40がパンチ跡を含む場合には、加工部40は、凹部42を挟むように形成された複数の凸部41を含んでもよい。このような形状とすることにより、溶融金属20の表面振動を効率よく抑制させることができる。また、
図6に示すように、加工部40は、凸部41のみを含んでもよい。このような構成でも、溶融金属20の表面振動を抑制させることができる。
【0034】
図7は、実施形態1に係る光源装置1の容器10を例示した断面図である。
図7に示すように、第2内周面32には、複数の加工部40が形成されてもよい。なお、図が煩雑にならないように、いくつかの符号を省略している。他の図でも符号を省略する場合がある。複数の加工部40は、回転軸Rの回転方向に等間隔で配置されてもよい。このような配置とすることにより、溶融金属20の表面振動の抑制を向上させることができる。また、容器10の回転のバランスを向上させることができる。図では、16個の加工部40が第2内周面32に等間隔で配置されている。なお、側壁15の内面30に少なくとも1つの加工部40が形成されれば、内面30に形成される加工部40の個数は限定されない。
【0035】
(変形例1)
図8は、実施形態1の変形例1に係る光源装置1の容器10aの側壁15aを例示した断面図である。
図8に示すように、変形例1の容器10aにおいて、回転軸Rを囲むように形成された内面30aは、回転軸Rとの距離が一定の円筒状の部分を含んでもよい。側壁15aの内面30aは、回転軸R方向に沿って上端11から下端12へ順に円筒状の第1内周面31a、第2内周面32a、及び、第3内周面33aを含む。この例では、側壁15aの内面30aの回転軸Rからの距離を半径とした場合に、第1内周面31a、第2内周面32a及び第3内周面33aの半径は、同じ大きさを有する。なお、同じ大きさとは、厳密に同じ大きさだけでなく、測定誤差を含む範囲で同じ大きさを含む。
【0036】
溶融金属20は、容器10aが回転軸Rの周りで回転すると、遠心力により、第1内周面31a、第2内周面32a及び第3内周面33aまで拡がる。そして、溶融金属20は、第1内周面31a、第2内周面32a及び第3内周面33aに接触する。内面30aにおいて、第1内周面31a、第2内周面32a及び第3内周面33aは、溶融金属20が接触する部分である。したがって、溶融金属20は、第1内周面31aの上端と第3内周面33aの下端との間に位置している。
【0037】
加工部40は、第2内周面32aに形成されている。加工部40は、第1内周面31a及び第3内周面33aに形成されてもよい。したがって、加工部40は、第2内周面32aの上端と下端との間に位置してもよいし、第1内周面31aの上端と第3内周面33aの下端との間に位置してもよい。
【0038】
(変形例2)
図9は、実施形態1の変形例2に係る光源装置1の容器10bの側壁15bを例示した断面図である。
図9に示すように、変形例2の容器10bにおいて、回転軸Rを囲むように形成された内面30bは、下方ほど外側に拡がった形状を含んでもよい。容器10bにおいて、側壁15bの内面30bは、回転軸R方向に沿って上端11から下端12へ順に円筒状の第1内周面31b、第2内周面32b、及び、第3内周面33bを含む。この例では、側壁15bの内面30bの回転軸Rからの距離を半径とした場合に、第3内周面33bは、第2内周面32bの半径よりも大きい半径を有する部分を含む。また、第2内周面32bは、第1内周面31bの半径よりも大きい半径を有する部分を含む。
【0039】
溶融金属20は、容器10bが回転軸Rの周りで回転すると、遠心力により、第2内周面32bまで拡がる。そして、溶融金属20は、第2内周面32b及び第3内周面33bに接触する。内面30bにおいて、第2内周面32b及び第3内周面33bは、溶融金属20が接触する部分である。第1内周面31bは、溶融金属20が接触しない部分である。したがって、溶融金属20は、第2内周面32bの上端と第3内周面33bの下端との間に位置している。
【0040】
加工部40は、第2内周面32bに形成されている。加工部40は、第3内周面33bに形成されてもよい。加工部40は、第1内周面31bに形成されていない。したがって、加工部40は、第2内周面32bの上端と下端との間に位置してもよいし、第2内周面32bの上端と第3内周面33bの下端との間に位置してもよい。
【0041】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の光源装置1は、容器10の内面30に凸部41及び凹部42の少なくともいずれかを含む加工部40を有している。加工部40は、溶融金属20の表面振動を抑制させ、溶融金属20の表面位置を安定化させる。これにより、プラズマ21の位置変動を抑制し、光源装置1から取り出すEUV光LEの強度分布を均一化させることができる。
【0042】
加工部40は、例えば、パンチ跡でもよい。これにより、余分な材料を付加することがないので、容器10のバランスを保持することができる。
【0043】
加工部40は、回転軸Rの方向に延びた形状でもよい。このような構成とすることにより、溶融金属20の流れを効率的に抑制することができる。また、加工部40は、回転軸Rの回転方向に等間隔で配置されてもよい。これにより、容器10の重量バランスを維持することができる。側壁15の内面は凹んだ部分を有する。よって、溶融金属20を集めて維持することを容易にする。また、溶融金属20の量を低減させることができる。
【0044】
図10~
図12は、比較例に係る光源装置における溶融金属20の表面振動の挙動を例示したグラフであり、
図10は、時間に対する溶融金属20の表面の変位を示し、
図11は、時間に対する溶融金属20の表面のピークからピークの大きさを示し、
図12は、時間に対する溶融金属20の表面の振動数を示す。
図13~
図15は、実施形態1に係る光源装置1における溶融金属20の表面振動の挙動を例示したグラフであり、
図13は、時間に対する溶融金属20の表面の変位を示し、
図14は、時間に対する溶融金属20の表面のピークからピークの大きさを示し、
図15は、時間に対する溶融金属20の表面の振動数を示す。
【0045】
図10~
図12に示すように、容器10の内面30に加工部40が形成されてない比較例の光源装置では、溶融金属20の表面の変位、変位のピークからピークまでの大きさ、及び、振動数は、いずれも大きくなっている。これらの値は、溶融金属20の表面の振動に起因する。これに対して、
図13~
図15に示すように、容器10の内面30に加工部40が形成された光源装置1では、溶融金属20の表面の変位、ピークからピークの大きさ、及び、振動数は、いずれも低減されている。
【0046】
本実施形態の光源装置1のように、容器10の内面30に形成された加工部40は、溶融金属20の表面振動を抑制させ、溶融金属20の表面位置を安定化させることができる。これにより、プラズマ21の位置変動を抑制し、光源装置1から取り出すEUV光LEの強度分布を均一化させることができる。
【0047】
次に、溶融金属20の表面振動を解析する。
図16は、比較例に係る光源装置が生成したEUV光LEを検出器で検出した画像を例示した図である。
図16の画像は、検出器として、例えば、TDI(Time Delay Integration)を用いて検出されたものであり、横軸は、EUV光LEで照明された位置を示し、縦軸は、時間を示している。
【0048】
図16に示すように、検出器は、矢印で示した3サイクルの強度変化を観測する。矢印の部分のEUV光LEの強度は減少している。これにより、この部分の輝度は低下している。例えば、溶融金属20の表面が回転軸Rを中心とした半径方向に変位すると、レーザ光LRのフォーカスがずれ、EUV光LEの強度は変化する。EUV光LEの強度が変動する周波数は、例えば、310Hzである。一方、坩堝等の容器10の回転周波数は、例えば、330Hzである。したがって、
図17に示すように、容器10が1回転する間に、溶融金属20の表面の位置は、1周期の変動を行う。
【0049】
溶融金属20の波は、下記の(1)式及び(2)式の流体力学の方程式によって計算される。
【0050】
【0051】
【0052】
溶融金属20の長波は、容器10の回転よりも20Hz遅い周波数で容器10内を移動する。ここで、長波は、波長(1/k)>>hを満たすものである。溶融金属20の短波(高いkの波、短波長リプル)は、急速に広がって減衰する。したがって、前のレーザ光LRのショットによる短波は、レーザ光LRが照射された領域を急速に離れる。よって、短波は、次のレーザ光LRのショットの表面に影響を与えない。このような理由から、EUV光LEの均一性のためには、長波を抑制する必要がある。
【0053】
本実施形態の加工部40は、溶融金属20の表面波を反射する機能を有するので、溶融金属20の長波を含む表面波を低減することができ、表面振動を抑制することができる。これにより、加工部40は、300Hz程度の輝度変動を低減させることができる。
【0054】
図18は、実施形態1に係る光源装置1が生成したEUV光LEを検出器で検出した画像を例示した図である。
図18に示すように、本実施形態の光源装置1は、比較例で観測された表面振動による300Hzの輝度変動を低減させることができる。
【0055】
次に、溶融金属20の表面振動の抑制により輝度変動が低減されるフラット期間と、輝度が変動する変動期間とが混在する場合を説明する。容器10の内面30に加工部40が形成されていても、容器10及び溶融金属20の条件によっては、フラット期間と変動期間とが混在する場合がある。
【0056】
図19は、実施形態1に係る光源装置1が生成したEUV光LEを検出器で検出した画像を例示した図である。
図19は、各検出期間P1~P16において、EUV光LEを検出器で検出した画像IM1~IM16を示している。画像IM1~IM16において、横軸は、EUV光LEで照明された位置を示し、縦軸は、時間を示す。
【0057】
画像IM1及び画像IM11~IM15は、各検出期間中の輝度の変動が低減されたフラット期間に検出されたフラット画像(Flat image)である。画像IM2~IM10及び画像IM16は、各検出期間中の輝度が変動した変動期間に検出された変動画像(Fluctuated image)である。
【0058】
図19は、画像IM1、画像IM2、画像IM10、画像IM11及び画像IM16について、検出期間における時間を横軸にし、輝度を縦軸にしたグラフG1、グラフG2、グラフG10、グラフG11及びグラフG16も示している。
図19のグラフG1及びG11に示すように、フラット画像は、輝度の変動が低減されている。一方、グラフG2、G10及びG16に示すように、変動画像は、輝度が変動している。
【0059】
図20は、実施形態1に係る光源装置1において、容器10内の溶融金属20の表面の位置を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、溶融金属20の表面の位置を示す。
図22において、縦軸は、上側ほど内面30からの高さは低く、下側ほど内面30からの高さは高いことを示す。つまり、グラフの上側ほど内面30上の溶融金属20は薄く、グラフの下側ほど内面30上の溶融金属20は厚い。
【0060】
図20に示すように、溶融金属20は、時間の経過とともに減少し、表面の位置は、内面30に近づく。所定の期間ごとに、溶融金属20は、補充される。溶融金属20の表面が所定の位置よりも高い場合には、表面の振動は大きい。よって、溶融金属20の表面の変位は大きい。この場合には、検出器は、変動画像を検出する。
【0061】
一方、溶融金属20の表面が所定の位置以下の場合には、表面の振動は小さい。よって、溶融金属20の表面の変位は小さい。この場合には、検出器は、フラット画像を検出する。このように、加工部40による表面の振動を抑制する効果は、表面の位置が所定の位置以下の場合に出現する場合がある。
【0062】
図21は、比較例に係る光源装置1において、容器10内の溶融金属20の表面の位置を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、溶融金属20の表面の位置を示す。
図23において、縦軸は、上側ほど内面30からの高さは低く、下側ほど内面30からの高さは高いことを示す。比較例の容器には、加工部40が形成されていない。
【0063】
図21に示すように、溶融金属20は、時間の経過とともに減少し、表面の位置は、内面30に近づく。例えば、40分程度の所定の期間ごとに、溶融金属20は、補充される。溶融金属20の表面が所定の位置よりも高い場合には、表面の振動は大きい。よって、溶融金属20の表面の変位は大きい。例えば、変位幅は、10μmである。この場合には、検出器は、変動画像を検出する。
【0064】
一方、溶融金属20の表面が所定の位置以下の場合には、表面の振動は小さい。よって、溶融金属20の表面の変位は小さい。例えば、変位幅は、1μmである。この場合には、検出器は、フラット画像を検出する。
【0065】
図22は、実施形態1に係る光源装置1において、容器10内の溶融金属20の表面の位置を例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、溶融金属20の表面の位置を示す。
図24において、縦軸は、上側ほど内面30からの高さは低く、下側ほど内面30からの高さは高いことを示す。本実施形態の容器10は、加工部40を有している。
【0066】
図22に示すように、溶融金属20は、時間の経過とともに減少し、表面の位置は、内面30に近づく。例えば、35分程度の所定の期間ごとに、溶融金属20は、補充される。溶融金属20の表面が所定の位置よりも高い場合には、表面の振動は大きい。よって、溶融金属20の表面の変位は大きい。例えば、変位幅は、10μmである。この場合には、検出器は、変動画像を検出する。
【0067】
一方、溶融金属20の表面が所定の位置以下の場合には、表面の振動は小さい。よって、溶融金属20の表面の変位は小さい。例えば、変位幅は、1μmである。この場合には、検出器は、フラット画像を検出する。
【0068】
このように、比較例及び実施形態1のどちらも、フラット期間及び変動期間を有している。しかしながら、実施形態1の場合には、フラット期間が出現される溶融金属20の量が、比較例の場合よりも大きくすることができる。例えば、比較例では、3グラム程度まで溶融金属20が減少した場合にフラット期間が出現するが、実施形態1では、3.5グラム程度でフラット期間が出現する。よって、実施形態1の場合には、補充間隔を拡げることができる。また、実施形態1の変動期間の変動量は、比較例の変動期間の変動量よりも小さくすることができる。
【0069】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る光源装置を説明する。本実施形態の光源装置は、容器10の側壁15の内面30に粗面領域を含む。
図23及び
図24は、実施形態2に係る光源装置の容器の内面を例示した模式図である。
【0070】
図23に示すように、本実施形態の容器10cにおいて、側壁15cの内面30cにおける第2内周面32cは、加工部40を含んでいる。加工部40は、複数の凸部41、複数の凹部42、並びに、複数の凸部41及び複数の凹部42のうち、いずれかを有する粗面領域43を含む。第2内周面32cの粗面領域43以外の部分は、滑面領域44を含んでもよい。滑面領域44は、粗面領域43の表面粗さよりも小さい表面粗さを有する。すなわち、滑面領域44は、粗面領域43よりも滑らかな面である。粗面領域43は、滑面領域44よりも粗い面である。
【0071】
表面粗さを示すパラメータは、任意の尺度を用いて測定されてもよい。第1内周面31c及び第3内周面33cは、滑面領域44を含んでもよい。したがって、本実施形態の内面30cは、粗面領域43及び滑面領域44を含む。第2内周面32cは、粗面領域43及び滑面領域44を含む。
【0072】
図24に示すように、容器10dにおいて、側壁15dの内面30dにおける第2内周面32dは、粗面領域43を含み、第1内周面31c及び第3内周面33cは、滑面領域44を含んでもよい。すなわち、粗面領域43は、第2内周面32dの上端と下端との間に形成されてもよい。このような構成とすることにより、溶融金属20の表面の振動を抑制させ、EUV光LEの強度分布を均一化することができる。
【0073】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。また、実施形態の概要及び実施形態1の各構成は、適宜、組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 光源装置
10、10a、10b、10c、10d 容器
11 上端
12 下端
13 底部
14 底面
15、15a、15b、15c、15d 側壁
16 ヒータ
17 コレクターミラー
18 レンズ
19 検査装置
20 溶融金属
21 プラズマ
30、30a、30b、30c、30d 内面
31、31a、31b、31c、31d 第1内周面
32、32a、32b、32c、32d 第2内周面
33、33a、33b、33c、33d 第3内周面
40 加工部
41 凸部
42 凹部
43 粗面領域
44 滑面領域
LE EUV光
LR レーザ光
LS 励起用レーザ
R 回転軸
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む複数の加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成する、
光源装置。
【請求項2】
前記内面は、前記回転軸から離れる方向に凹んだ部分を含み、
前記複数の加工部は、前記凹んだ部分に形成された、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記内面は、前記回転軸の方向に沿って一端側から他端側へ順に円筒状の第1内周面、第2内周面、及び、第3内周面を含み、
前記内面の前記回転軸からの距離を半径とした場合に、
前記第2内周面は、前記第1内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、
前記複数の加工部は、前記第2内周面に形成された、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2内周面は、前記第3内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、
前記溶融金属は、前記第2内周面の一端と前記第2内周面の他端との間に位置する、
請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記複数の加工部は、前記回転軸の方向に延びている、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成し、
前記一部には、複数の前記加工部が形成され、
複数の前記加工部は、前記回転軸の回転方向に等間隔で配置された、
光源装置。
【請求項7】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成し、
前記加工部は、前記凸部と、前記凸部に隣接して形成された前記凹部と、を含む、
光源装置。
【請求項8】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成し、
前記加工部は、パンチ痕を含む、
光源装置。
【請求項9】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成し、
前記加工部は、複数の前記凸部、複数の前記凹部、並びに、複数の前記凸部及び複数の前記凹部のうち、いずれかを有する粗面領域を含み、
前記内面は、前記粗面領域及び前記粗面領域の表面粗さよりも小さい表面粗さを有する滑面領域を含む、
光源装置。
【請求項10】
回転軸を有する容器であって、前記回転軸の周りで回転する円筒状の側壁を含む前記容器と、
前記側壁の内面の少なくとも一部に接触した溶融金属と、
前記一部に形成された凸部及び凹部の少なくともいずれかを含む加工部と、
を備え、
レーザ光を照射された前記溶融金属は、EUV光を含む光を生成し、
前記内面は、前記回転軸の方向に沿って一端側から他端側へ順に円筒状の第1内周面、第2内周面、及び、第3内周面を含み、
前記内面の前記回転軸からの距離を半径とした場合に、
前記第2内周面は、前記第1内周面の前記半径よりも大きい前記半径を有する部分を含み、
前記加工部は、前記第2内周面に形成され、
前記加工部は、複数の前記凸部、複数の前記凹部、並びに、複数の前記凸部及び複数の前記凹部のうち、いずれかを有する粗面領域を含み、
前記第2内周面は、前記粗面領域を含み、
前記第1内周面及び前記第3内周面の少なくともいずれかは、前記粗面領域の表面粗さよりも小さい表面粗さを有する滑面領域を含む、
光源装置。