(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110488
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】室内用建具枠及び室内用建具枠の施工方法
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20240808BHJP
E06B 1/52 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
E06B1/56 B
E06B1/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015059
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕貴
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011EA02
2E011EB02
(57)【要約】
【課題】様々な機能部品の取り付けにも容易に対応可能な室内用建具枠を提供すること。
【解決手段】室内壁に形成される開口部の縦側の柱材に沿って取り付けられる縦枠を有する室内用建具枠であって、縦枠は、縦枠本体と、下地材と、を含んで構成され、下地材は、縦枠本体と柱材との間に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内壁に形成される開口部の縦側の柱材に沿って取り付けられる縦枠を有する室内用建具枠であって、
前記縦枠は、縦枠本体と、下地材と、を含んで構成され、
前記下地材は、前記縦枠本体と前記柱材との間に配置される、室内用建具枠。
【請求項2】
前記下地材の少なくとも一部に、機能部品を収容する収容部が形成される、請求項1に記載の室内用建具枠。
【請求項3】
前記下地材は、前記縦枠本体の見込み寸法よりも小さい見込み寸法を有する、請求項1又は2に記載の室内用建具枠。
【請求項4】
前記下地材は、木質材もしくは樹脂材からなる、請求項1又は2に記載の室内用建具枠。
【請求項5】
室内壁に形成される開口部の縦側の柱材に沿って取り付けられる縦枠を有する室内用建具枠の施工方法であって、
前記縦枠は、縦枠本体と、下地材と、によって構成され、
前記柱材に前記下地材を取り付けた後、前記下地材の見付け面を覆うように、前記室内壁の壁板を取り付け、その後、前記下地材の見込み面に対して、前記縦枠本体を取り付ける、室内用建具枠の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内用建具枠及び室内用建具枠の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内壁に形成される開口部に取り付けられるドア枠が知られている(例えば、特許文献1参照)。このドア枠は、間柱に固定されるアルミ押出成形品からなる縦枠を有する。縦枠は、間柱に当接する固定面部と、見込み面を形成する見込面部と、固定面部と見込面部との間を接続する複数の縦面部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の縦枠は、上記の縦面部の幅によって、縦枠の見込み寸法が設定される。縦枠には、この見込み寸法に納まるように、ラッチ受け等の各種の機能部品が取り付けられる。大きな機能部品を取り付ける場合は、その機能部品の大きさに対応する見込み寸法を有する縦枠が用いられる。そのため、機能部品の大きさに応じた様々な見込み寸法を有する縦枠を用意しなくてはならない、という課題がある。
【0005】
本開示は、様々な機能部品の取り付けにも容易に対応可能な室内用建具枠及び室内用建具枠の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、室内壁に形成される開口部の縦側の柱材に沿って取り付けられる縦枠を有する室内用建具枠であって、前記縦枠は、縦枠本体と、下地材と、を含んで構成され、前記下地材は、前記縦枠本体と前記柱材との間に配置される、室内用建具枠に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】室内用建具枠を備える室内ドアの正面図である。
【
図4】室内用建具枠の戸先側の縦枠の上部を示す分解斜視図である。
【
図5】室内用建具枠の吊元側の縦枠の上部を示す分解斜視図である。
【
図7】戸先側の縦枠のラッチ受けの部分を表面側から拡大して示す斜視図である。
【
図8】戸先側の縦枠のラッチ受けの部分を裏面側から拡大して示す斜視図である。
【
図9】室内用建具枠の吊元側の縦枠の上部を示す分解斜視図である。
【
図10】室内用建具枠の吊元側の縦枠の下部を示す分解斜視図である。
【
図11】室内用建具枠の施工方法を説明する図である。
【
図12】室内用建具枠の施工方法を説明する図である。
【
図13】室内用建具枠の施工方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る室内用建具枠を備える室内ドア1の正面図である。室内ドア1は、室内用建具枠であるドア枠2の内側に納められる。ドア枠2は、建物の室内壁100に形成される矩形の開口部に取り付けられる。
【0009】
ここで、本明細書における方向及び面について定義する。「見付け方向」とは、
図1に示すように、室内壁100の開口部に取り付けられた室内ドア1を正面から見た場合の左右方向を意味する。「見付け面」は、見付け方向に沿って配置される面であり、具体的には、室内ドア1を正面から見たときに正対する面である。見付け方向において、内側とは、見付け方向に沿って開口部の中央部に向かう側であり、外側とは、見付け方向に沿って開口部の中央部から離れる側である。「見込み方向」とは、見付方向に直交する方向であり、室内ドア1を介して隣り合う二つの室内空間を結ぶ方向を意味する。図中において、X1は、室内ドア1を介して隣り合う二つの室内空間のうちの一方の室内空間を示し、X2は、室内ドア1を介して隣り合う二つの室内空間のうちの他方の室内空間を示す。「見込み面」は、見込み方向に沿って配置される面であり、具体的には、開口部の内側に正対して配置される面である。
【0010】
図1に示す室内ドア1は、床面から天井まで上下方向一杯に延びる天井納まりの室内用建具である。室内ドア1は、建物の室内壁100に形成される開口部に納められる。開口部は、上下方向に延びて左右に離隔して配置される一対の柱材201と、横方向に延びて一対の柱材201同士を連結する梁202と、によって形成される内側の矩形の空間である。室内壁100は、柱材201の見付け面に取り付けられる石膏ボード等の壁板101a~101cを含む。
【0011】
本実施形態に示す柱材201は、軽量鉄骨からなる柱材を示している。軽量鉄骨からなる柱材は、木質角材からなる柱材に比べて細い柱材である。具体的には、一般に、木造家屋の木質角材からなる柱材には、105mm角のものが使用されるのに対し、軽量鉄骨からなる柱材には、45mm角のものが使用される。
【0012】
室内ドア1は、ドア枠2と、戸体3と、を有する。ドア枠2は、天井側に配置されて横方向に延びる上枠4と、一対の柱材201に沿って上下方向に延びる一対の縦枠5A,5Bと、を門形状に組むことによって構成される三方枠である。
【0013】
上枠4は、アルミ等の金属材によって押出成形される押出型材からなる。上枠4は、
図3に示すように、梁202の下面である見込み面202aに沿って取り付けられる平板部41と、平板部41の室内空間X1側の端部から下方に屈曲するように設けられる垂下板部42と、を一体に有する。垂下板部42は、
図3に示すように、戸体3の上端部と平板部41との間の隙間を室内空間X1側から覆うように配置される。一対の縦枠5A,5Bについては後述する。
【0014】
戸体3は、
図1における右側を吊元側とし、
図1における左側を戸先側とする開き戸の戸体である。戸体3の吊元側は、縦枠5Bの上端部及び下端部にそれぞれ取り付けられる上丁番61及び下丁番62に回転可能に支持される。戸体3は、室内空間X2に向けて回転することによって開口部を開放し、室内空間X1に向けて回転することによって開口部を閉鎖するように動作する。戸体3の戸先側には、開閉操作用のハンドル31が設けられる。戸体3の内部にはラッチ32が収容されている。ラッチ32は、ハンドル31の操作に連動して戸先側の縦枠5Aに対して出没動作するラッチボルト321(
図6参照)を有する。
【0015】
次に、ドア枠2を構成する縦枠5A,5Bについて説明する。縦枠5A,5Bは、左右対称構造であり、開口部における取り付け位置が左右に異なる以外は実質的に同一の構成を有する。そのため、以下において、縦枠5A,5Bの同一構成の部位については、同一の符号を用いて共通に説明する。
【0016】
縦枠5A,5Bは、それぞれ一対の柱材201に沿って床面から天井まで上下方向に延びている。縦枠5A,5Bは、
図2、
図4及び
図5に示すように、それぞれ、縦枠本体51と、下地材52と、端部キャップ53と、化粧板54と、を含んで構成される。
【0017】
縦枠本体51は、アルミ等の金属材によって押出成形される押出型材、木質材もしくは樹脂材からなる。本実施形態の縦枠本体51は押出型材からなり、平面部511と、壁板被覆部512と、戸当たり部513と、を一体に有する。
【0018】
平面部511は、
図2に示す柱材201の見込み寸法L1よりも小さい見込み寸法を有する平板材からなり、下地材52に取り付けるための取り付け面を構成する。
図4及び
図5に示すように、平面部511の上端部には、端部キャップ53の取り付け部となる切り欠き部511aが形成される。切り欠き部511aは、平面部511の上端から下方に向けて略矩形に切り欠かれた形状を有する。平面部511は、室内空間X1側の端部及び室内空間X2側の端部に、それぞれ平面部511から見付け方向の内側に向けて立ち上がるように延びる第1側壁部511b及び第2側壁部511cを有する。平面部511には、下地材52に対してねじ固定するための図示しない複数のねじ穴が形成される。
【0019】
壁板被覆部512は、平面部511における室内空間X2側の第2側壁部511cから室内空間X2側に向けて突出している。壁板被覆部512は、平面部511の厚みよりも厚い。壁板被覆部512は、平面部511よりも見付け方向の内側に突出するように配置される。平面部511及び壁板被覆部512のそれぞれの見付け方向の外側の面は、見込み方向に沿って略面一状に配置される。壁板被覆部512は、平面部511よりも見付け方向の外側には突出していない。壁板被覆部512の室内空間X2に面する端面512aは細幅な面であり、縦枠本体51における室内空間X2側の見付け面を形成する。
【0020】
戸当たり部513は、平面部511における室内空間X1側の端部から室内空間X1側及び見付け方向の内側に向けて突出している。戸当たり部513は、
図2に示すように、戸体3が閉じられた状態で、戸体3の戸先側及び吊元側の端部を室内空間X1側から覆うように配置される。
【0021】
戸当たり部513は、
図4及び
図5に示すように、第1壁部513aと、第2壁部513bと、第3壁部513cと、第4壁部513dと、第5壁部513eと、によって形成される。
【0022】
第1壁部513aは、平面部511の室内空間X1側の第1側壁部511bから、室内空間X1に向けて、平面部511と平行に延びている。第1壁部513aは、平面部511を室内空間X1に向けて延長するように設けられる。
【0023】
第2壁部513bは、第1壁部513aの室内空間X1側の端部から、見付け方向の内側に向けて延びている。
【0024】
第3壁部513cは、第2壁部513bの見付け方向の内側の端部から、室内空間X2に向けて、第1壁部513aと平行に延びている。第3壁部513cの見込み方向の寸法は、第1壁部513aの見込み寸法よりも小さい。
【0025】
第4壁部513dは、第3壁部513cの室内空間X2側の端部から、第1壁部513aに向けて、第2壁部513bと平行に延びている。第4壁部513dは、第1壁部513aの手前で第5壁部513eに接続されている。
【0026】
第5壁部513eは、第4壁部513dとの接続部から、室内空間X2に向けて、第1壁部513aと平行に延びて第1側壁部511bに接続されている。
【0027】
戸当たり部513は、第1壁部513a、第2壁部513b、第3壁部513c、第4壁部513d、第5壁部513e、及び第1側壁部511bによって囲まれる中空部513fを有する。
図2に示すように、縦枠5Aにおける戸当たり部513の第4壁部513dには、ゴム等の弾性部材からなるヒレ部514が設けられている。ヒレ部514は、戸体3の戸先側の端部に対して室内空間X1側から当接している。ヒレ部514は、戸当たり部513と戸体3との隙間を封止するとともに、戸体3が勢いよく閉じられたときの衝撃を緩和する。
【0028】
図2に示すように、縦枠本体51の見込み寸法L2は、柱材201の見込み寸法L1よりも大きい。縦枠本体51は、縦枠5A,5Bが柱材201に取り付けられた状態で、柱材201の室内空間X1,X2側の各見付け面201a,201bよりも、室内空間X1側及び室内空間X2側にそれぞれ突出する。具体的には、縦枠本体51は、柱材201の室内空間X1側の見付け面201aから、室内空間X1側に向けて戸当たり部513の一部が突出し、柱材201の室内空間X2側の見付け面201bから、室内空間X2側に向けて壁板被覆部512の全体が突出している。
【0029】
縦枠本体51は、従来の縦面部のような見付け寸法を増大させるための部位を持たない。そのため、縦枠本体51は、戸当たり部513の部位以外は、実質的に壁板被覆部512の見付け寸法と略同一の見付け寸法を有する扁平な金属製の板状部材である。
【0030】
下地材52は、縦枠本体51の裏面側に配置される。詳しくは、下地材52は、縦枠本体51の平面部511における見付け方向の外側の面に配置される。下地材52は、
図2に示すように、縦枠本体51と柱材201との間に配置される。縦枠本体51は、平面部511において、図示しないねじによって、下地材52の見付け方向の内側に面する見込み面52aに取り付けられる。
【0031】
下地材52は、矩形の横断面を有する角材からなる。下地材52は、アルミ等の金属材によって押出成形される押出型材、木質材もしくは樹脂材からなる。下地材52が木質材や樹脂材からなる場合は、下地材52に対する切断等の加工及びねじ打ちが容易である。本実施形態の下地材52は、縦枠本体51の見込み寸法よりも小さい見込み寸法を有する。具体的には、下地材52は、縦枠本体51の平面部511の見込み寸法と略同一の見込み寸法を有する。下地材52の見込み寸法は、柱材201の見込み寸法よりも小さい。縦枠本体51の平面部511の室内空間X1側の端部には、見付け方向の外側に向けて突出する係止片511dが設けられている。下地材52は、縦枠本体51の裏面側において、平面部511と係止片511dとに当接している。これによって、縦枠本体51と下地材52とは、見込み方向及び見付け方向に互いに位置決めされている。
【0032】
図4及び
図5に示すように、端部キャップ53は、縦枠本体51の上端部に取り付けられる。端部キャップ53は、アルミ等の金属材もしくは樹脂材からなる。端部キャップ53は、縦枠本体51の壁板被覆部512から戸当たり部513に亘る縦枠本体51の上端面に当接する端面板531と、端面板531に一体に設けられて下方に突出する突出板532と、によって構成される。突出板532は、縦枠本体51の平面部511の上端部に設けられる切り欠き部511aの形状に対応する形状を有する。端部キャップ53は、端面板531によって戸当たり部513の中空部513fを被蓋する。突出板532は、平面部511の切り欠き部511a内に嵌合して収容される。
【0033】
化粧板54は、アルミ等の金属材によって押出成形される押出型材、木質材もしくは樹脂材からなる。化粧板54は、意匠性を向上させる観点から、縦枠本体51と同じ材質であることが好ましい。化粧板54は、縦枠本体51の平面部511の見込み寸法と略同一の見込み寸法を有する。化粧板54は、平面部511に対して見付け方向の内側から取り付けられる。詳しくは、化粧板54は、
図4及び
図5に示すように、見込み方向の両端部に、それぞれ縦枠本体51に向けて突出する係止爪541を有する。縦枠本体51の平面部511の第1側壁部511b及び第2側壁部511cには、化粧板54の係止爪541を係止する突条部511eが、縦枠本体51の長さ方向に沿って設けられている。化粧板54は、係止爪541を縦枠本体51の突条部511eに係止することによって、平面部511を被覆し、平面部511に設けられるねじ等の固定部品等を目隠しする。
【0034】
縦枠本体51に取り付けられた化粧板54は、
図2に示すように、縦枠本体51の壁板被覆部512の見込み面512b及び戸当たり部513の第5壁部513eに対して略面一状に配置され、縦枠5A,5Bの見付け方向の内側の意匠面を形成する。
【0035】
図2に示すように、室内壁100には、見付け壁板101a,101b及び見込み壁板101cが貼設される。見付け壁板101a,101bは、柱材201の室内空間X1に面する見付け面201a及び室内空間X2に面する見付け面201bにそれぞれ貼設される。見込み壁板101cは、柱材201の室内空間X1側において、柱材201と縦枠本体51との間に挿入されるように貼設される。
【0036】
見付け壁板101aの見付け方向の内側の端部は、柱材201の見込み面201cと略面一状になるように配置され、下地材52の室内空間X1側の見付け面52bを覆っていない。見付け壁板101bは、柱材201の見付け面201bから下地材52の室内空間X2側の見付け面52cを覆うように配置される。見付け壁板101bの見付け方向の内側の端部は、縦枠本体51の壁板被覆部512に当接もしくは近接している。見込み壁板101cは、柱材201と縦枠本体51の戸当たり部513との間に、室内空間X1側から挿入されている。
【0037】
見込み壁板101cは、柱材201の見込み面201c、戸当たり部513の第1壁部513a及び下地材52の室内空間X1側の見付け面52bによって室内空間X1側に開放する隙間を埋めるように配置され、下地材52の室内空間X1側の見付け面52bを覆っている。見込み壁板101cの室内空間X1側の端部は、見付け壁板101aと略面一状になるように配置されている。
【0038】
図1、
図6~
図8に示すように、戸体3の戸先側に配置される縦枠5Aにおいて、戸体3のラッチ32に対応する部位に、機能部品であるラッチ受け7が設けられる。縦枠5Aの下地材52は、ラッチ受け7に対応する部位において切り欠かれている。これによって、縦枠5Aの下地材52には、機能部品であるラッチ受け7を収容するための収容部520が形成される。
【0039】
本実施形態の収容部520は、ラッチ受け7の上方と下方とに2分割されて離隔して配置された二つの下地材52の間の空間によって形成されている。これによれば、二つの下地材52の長さを適宜調整することによって、所望のサイズの収容部520を容易に形成可能である。図示しないが、収容部520は、下地材52に形成された溝部もしくは凹部からなるものであってもよい。収容部520は、下地材52に複数形成されてもよい。
【0040】
図8に示すように、縦枠本体51の平面部511には、取り付け孔511fが形成される。ラッチ受け7は、ラッチ受け本体71を取り付け孔511fに見付け方向の内側から挿入するとともに、ラッチ受け本体71の上下に張り出した表面板72を取り付け孔511fの上下の平面部511に当接させている。ラッチ受け7は、表面板72及び平面部511を貫通する一対のねじ73によって、下地材52に固定される。
【0041】
縦枠5A,5Bの見付け寸法は、下地材52の見付け寸法を、縦枠5A,5Bに取り付けられる機能部品の見付け寸法に応じて適宜変更することによって容易に変更可能である。これによって、縦枠5A,5Bには、様々な見付け寸法を有する機能部品を取り付けることができる。縦枠本体51を変更する必要がないため、縦枠5A,5Bは、一種類の縦枠本体51で様々な機能部品に対応することができる。取り付けられる機能部品のサイズに関わらず、
図2に示す縦枠本体51の見付け面の寸法W2は変わらない。そのため、取り付けられる機能部品によって縦枠5A,5Bの意匠が変わることはない。
【0042】
下地材52は、一枚板からなるものに限らず、複数枚の積層された板材からなるものであってもよい。板材の枚数を変更することによって、縦枠5A,5Bに取り付けられる機能部品の見付け寸法に対応する厚みを有する下地材52を容易に構成することができる。
【0043】
図9及び
図11は、戸体3の吊元側に配置される縦枠5Bを示す。この縦枠5Bの上端部及び下端部には、機能部品としての上丁番61及び下丁番62が取り付けられている。
【0044】
図9に示すように、上丁番61は、縦枠本体51に取り付けられる取付板611と、取付板611の上端部から見付方向の内側及び室内空間X2側に張り出すように設けられる上面板612と、上面板612の室内空間X2の端部から下方に向けて突出する軸部613と、を有する。上丁番61は、取付板611に設けられるねじ孔611a、端部キャップ53の突出板532に設けられるねじ孔532a、及び縦枠本体51の平面部511に設けられるねじ孔511gを貫通するねじ61aを下地材52にねじ込むことによって、縦枠本体51の上端部に固定される。
【0045】
図10に示すように、下丁番62は、縦枠本体51に取り付けられる取付板621と、取付板621の下端部から見付方向の内側及び室内空間X2側に張り出すように設けられる下面板622と、下面板622の室内空間X2の端部から上方に向けて突出する軸部623と、を有する。下丁番62は、取付板621に設けられるねじ孔621a、及び縦枠本体51の平面部511に設けられるねじ孔511gを貫通するねじ62aを下地材52にねじ込むことによって、縦枠本体51の下端部に固定される。縦枠本体51には、上丁番61及び下丁番62の取り付け後、平面部511を覆うように化粧板54が取り付けられる。
【0046】
このように、縦枠本体51の裏面側に下地材52が配置されることによって、平面部511に対して見付け方向の内側から機能部品を容易にねじ止めすることができる。
【0047】
次に、
図11~
図13を参照して、縦枠5A,5Bの施工方法について説明する。
図11~
図13では縦枠5Bの施工方法を示すが、縦枠5Aの施工方法は、
図11~
図13と左右対称であるため省略する。
【0048】
まず、
図11に示すように、柱材201の見付け方向の内側の見込み面201cの所定位置に、ねじ501によって下地材52を固定する。
図8に示すように、機能部品の収容部520が、下地材52を上下に二分割することによって形成される場合は、収容部520となる空間の上下にそれぞれ下地材52を固定する。
【0049】
次に、
図12に示すように、下地材52が取り付けられた柱材201の両見付け面201a,201bに、それぞれ見付け壁板101a,101bを貼設するとともに、下地材52の室内空間X1側の見付け面52bを覆うように、見込み壁板101cを貼設する。
【0050】
次に、
図13に示すように、見付け壁板101a及び見込み壁板101cによって挟まれた下地材52に対して、見付け方向の内側から縦枠本体51の平面部511を当接させて取り付ける。縦枠本体51は、平面部511を貫通するねじ502を下地材52にねじ込むことによって、下地材52に固定される。下地材52はねじ打ちが可能な材質からなるため、例えば、柱材201が鉄骨柱等であっても、縦枠本体51を容易にねじ止めすることができる。その後、縦枠本体51に各種の機能部品、化粧板54等を取り付けることによって、ドア枠2に縦枠5A,5Bが形成される。
【0051】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
【0052】
本実施形態は、室内壁100に形成される開口部の縦側の柱材201に沿って取り付けられる縦枠5A,5Bを有する室内用建具枠としてのドア枠2であって、縦枠5A,5Bは、縦枠本体51と、下地材52と、を含んで構成され、下地材52は、縦枠本体51と柱材201との間に配置される。
【0053】
これによれば、縦枠本体51を変えることなく、下地材52の見付け寸法を変えるだけで、様々な見付け寸法を有する機能部品を縦枠5A,5Bに取り付けることができる。縦枠本体は、取り付けられる機能部品のサイズに関わらず一種類で済むため、取り付けられる機能部品によって縦枠本体51の見付け寸法が変わることはなく、縦枠5A,5Bの意匠が変わることはない。
【0054】
本実施形態において、下地材52の少なくとも一部に、機能部品を収容する収容部520が形成される。
【0055】
これによれば、縦枠本体51と柱材201との間に、機能部品を収容することができる。収容する機能部品のサイズに応じて下地材52の見付け寸法を変えることによって、収容部520の大きさを容易に変更することができる。
【0056】
本実施形態において、下地材52は、縦枠本体51の見込み寸法よりも小さい見込み寸法を有する。
【0057】
これによれば、縦枠5A,5Bをコンパクトに構成することができる。
【0058】
本実施形態において、下地材52は、木質材もしくは樹脂材からなる。
【0059】
これによれば、柱材201が鉄骨柱等であっても、縦枠本体51を下地材52に対して容易にねじ止めすることができる。そのため、鉄筋もしくは鉄骨構造の建物の室内壁にも、縦枠5A,5Bを取り付け可能である。
【0060】
本実施形態は、室内壁100に形成される開口部の縦側の柱材201に沿って取り付けられる縦枠5A,5Bを有する室内用建具枠としてのドア枠2の施工方法であって、縦枠5A,5Bは、縦枠本体51と、縦枠本体51の見込み寸法よりも小さい見込み寸法を有する下地材52と、によって構成され、柱材201に下地材52を取り付けた後、下地材52の見付け面52b,52cを覆うように、室内壁100の壁板101a,101b,101cを取り付け、その後、下地材52の見込み面52aに対して、縦枠本体51を取り付ける。
【0061】
これによれば、縦枠本体51を変えることなく、下地材52の見付け寸法を変えるだけで、様々な見付け寸法を有する機能部品を縦枠5A,5Bに取り付けることができる室内用建具枠としてのドア枠2を、建物の室内壁100の開口部に容易に施工することができる。
【0062】
以上の実施形態では、機能部品として、ラッチ受け7、上丁番61及び下丁番62を例示したが、本開示の室内用建具枠に取り付けられる機能部品はこれらに限定されず、室内用建具の種類に応じて様々な機能部品を取り付けることができる。
【0063】
以上の実施形態では、縦枠本体51の見込み寸法よりも小さい見込み寸法を有する下地材52を例示したが、下地材52はこのようなものに限定されない。下地材52は、縦枠本体51の見込み寸法と同一の見込み寸法を有するものであってもよいし、縦枠本体51の見込み寸法よりも大きい見込み寸法を有するものであってもよい。
【0064】
以上の実施形態では、室内用建具枠としてのドア枠2を備える室内ドア1を例示したが、本開示の室内用建具枠は、室内ドア1のドア枠2に限定されない。室内用建具枠は、室内に設置される引き戸、開き戸等の室内用建具枠に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
2 ドア枠(室内用建具枠)、 5A,5B 縦枠、 51 縦枠本体、 52 下地材、 520 収容部、 61 上丁番(機能部品)、 62 下丁番(機能部品)、 7 ラッチ受け(機能部品)、 100 室内壁、 101 壁板、 101a,101b 見付け壁板、 101c 見込み壁板、 201 柱材