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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110496
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】鋼製セグメント製造設備
(51)【国際特許分類】
E21D 11/14 20060101AFI20240808BHJP
B23K 37/04 20060101ALI20240808BHJP
【ＦＩ】
E21D11/14
B23K37/04 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023015079
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】596118530
【氏名又は名称】テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩和
(72)【発明者】
【氏名】垣内 翔太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇斗
【テーマコード（参考）】
2D155
【Ｆターム（参考）】
2D155EB10
2D155KB04
(57)【要約】
【課題】鋼製セグメント製造作業の作業性を良好にできる鋼製セグメント製造設備を提供する。
【解決手段】鋼製セグメントを製造するための本発明の鋼製セグメント製造設備１は、鋼製セグメントを把持するための把持手段２と、把持手段２を第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転させる第１の回転体３と、第１の回転体３を回転可能に支持する第１の回転支持手段４と、把持手段２を第１の回転中心線Ｃ１と直交する第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転させる第２の回転体５と、第２の回転体を回転可能に支持する第２の回転支持手段６と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図１
【解決手段】鋼製セグメントを製造するための本発明の鋼製セグメント製造設備１は、鋼製セグメントを把持するための把持手段２と、把持手段２を第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転させる第１の回転体３と、第１の回転体３を回転可能に支持する第１の回転支持手段４と、把持手段２を第１の回転中心線Ｃ１と直交する第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転させる第２の回転体５と、第２の回転体を回転可能に支持する第２の回転支持手段６と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製セグメントを製造するための鋼製セグメント製造設備であって、
鋼製セグメントを把持するための把持手段と、
把持手段を第１の回転中心線を回転中心として回転させる第１の回転体と、
第１の回転体を回転可能に支持する第１の回転支持手段と、
把持手段を第１の回転中心線と直交する第２の回転中心線を回転中心として回転させる第２の回転体と、
第２の回転体を回転可能に支持する第２の回転支持手段と、
を備えたことを特徴とする鋼製セグメント製造設備。
鋼製セグメントを把持するための把持手段と、
把持手段を第１の回転中心線を回転中心として回転させる第１の回転体と、
第１の回転体を回転可能に支持する第１の回転支持手段と、
把持手段を第１の回転中心線と直交する第２の回転中心線を回転中心として回転させる第２の回転体と、
第２の回転体を回転可能に支持する第２の回転支持手段と、
を備えたことを特徴とする鋼製セグメント製造設備。
【請求項2】
第１の回転支持手段は、第１の回転体の回転抵抗調整手段を備え、
第２の回転支持手段は、第２の回転体の回転抵抗調整手段を備えたことを特徴とする請求項１に記載の鋼製セグメント製造設備。
第２の回転支持手段は、第２の回転体の回転抵抗調整手段を備えたことを特徴とする請求項１に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項3】
把持手段は、鋼製セグメントの主桁に形成されたリング間継手のための連結孔に連結されて鋼製セグメントを把持するための連結部を備えたことを特徴とする請求項１に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項4】
移動手段と、移動手段選択手段とを備え、
移動手段は、
作業床上を一方向に移動可能なように設けられた一方向移動手段と、
作業床上を一方向と直交する他方向に移動可能なように設けられた他方向移動手段とを備え、
移動手段選択手段は、一方向移動手段及び他方向移動手段のうちの一方の移動手段を作業床から離して他方の移動手段のみによる移動を可能とすることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか一項に記載の鋼製セグメント製造設備。
移動手段は、
作業床上を一方向に移動可能なように設けられた一方向移動手段と、
作業床上を一方向と直交する他方向に移動可能なように設けられた他方向移動手段とを備え、
移動手段選択手段は、一方向移動手段及び他方向移動手段のうちの一方の移動手段を作業床から離して他方の移動手段のみによる移動を可能とすることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか一項に記載の鋼製セグメント製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルを掘削するシールド工法で用いられる鋼製セグメントを製造するための鋼製セグメント製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼材を製缶加工して構成される鋼製セグメントの製造設備が知られている。
鋼製セグメントの製造設備として、一対の回転ジグを備えた製造設備が知られている。即ち、仮組立後の鋼製セグメントの各継手板に一対の回転ジグをそれぞれ着脱可能に連結し、一対の回転ジグにより、鋼製セグメントを回転させながら、溶接や塗装などのセグメント製造作業を行う製造設備が知られている（特許文献１参照）。
鋼製セグメントのサイズや形状は、壁面が構築されるトンネルのサイズや形状に応じて様々である。
例えば、図１０に示すように、シールドトンネルの１リングＳＲを構成する鋼製セグメントとして、Ａ型セグメントＳＡ、Ｂ型セグメントＳＢ１、Ｂ型セグメントＳＢ２、Ｋ型セグメントＳＫがある。
図１１乃至図１４に示すように、鋼製セグメントは、円弧形の板状に形成されて互いに対向する一対の主桁Ｍ，Ｍと、互いに対向する一対の継手板Ｐ，Ｐと、円弧状に湾曲する板面を有するように形成されたスキンプレートＳとを備え、一対の主桁Ｍ，Ｍと一対の継手板Ｐ，Ｐとで形成された枠体の一方の開口がスキンプレートＳで塞がれて、枠体の他方の開口がそのまま開口部Ａに構成された筐体、言い換えれば、少なくとも、一対の主桁Ｍ，Ｍと一対の継手板Ｐ，ＰとスキンプレートＳとで囲まれた湾曲凹部を有するように構成された筐体と、筐体の一対の主桁Ｍ，Ｍ間に設置される複数の縦リブＶ，Ｖ…とを備えた構成である。
図１１に示すように、Ａ型セグメントＳＡは、主桁Ｍの板面と継手板Ｐの板面との成す角度が直角である一対の継手板Ｐ，Ｐを備えたセグメントである。
図１２に示すように、Ｂ型セグメントＳＢ１は、主桁Ｍの板面と継手板Ｐの板面との成す角度が直角である一方の継手板Ｐと、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ１（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板Ｐ１（Ｐ）とを備えたセグメントである。
図１３に示すように、Ｂ型セグメントＳＢ２は、主桁Ｍの板面と継手板Ｐの板面との成す角度が直角である一方の継手板Ｐと、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ２（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板Ｐ２（Ｐ）とを備えたセグメントである。
図１４に示すように、Ｋ型セグメントＳＫは、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ１１（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない一方の継手板Ｐ１１（Ｐ）と、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ２２（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板Ｐ２２（Ｐ）とを備えたセグメントである。
尚、各鋼製セグメントの継手板Ｐには、セグメント間継手のための連結孔ＳＨが形成されており、各鋼製セグメントの主桁Ｍには、リング間継手のための連結孔ＲＨが形成されている。
鋼製セグメントの製造設備として、一対の回転ジグを備えた製造設備が知られている。即ち、仮組立後の鋼製セグメントの各継手板に一対の回転ジグをそれぞれ着脱可能に連結し、一対の回転ジグにより、鋼製セグメントを回転させながら、溶接や塗装などのセグメント製造作業を行う製造設備が知られている（特許文献１参照）。
鋼製セグメントのサイズや形状は、壁面が構築されるトンネルのサイズや形状に応じて様々である。
例えば、図１０に示すように、シールドトンネルの１リングＳＲを構成する鋼製セグメントとして、Ａ型セグメントＳＡ、Ｂ型セグメントＳＢ１、Ｂ型セグメントＳＢ２、Ｋ型セグメントＳＫがある。
図１１乃至図１４に示すように、鋼製セグメントは、円弧形の板状に形成されて互いに対向する一対の主桁Ｍ，Ｍと、互いに対向する一対の継手板Ｐ，Ｐと、円弧状に湾曲する板面を有するように形成されたスキンプレートＳとを備え、一対の主桁Ｍ，Ｍと一対の継手板Ｐ，Ｐとで形成された枠体の一方の開口がスキンプレートＳで塞がれて、枠体の他方の開口がそのまま開口部Ａに構成された筐体、言い換えれば、少なくとも、一対の主桁Ｍ，Ｍと一対の継手板Ｐ，ＰとスキンプレートＳとで囲まれた湾曲凹部を有するように構成された筐体と、筐体の一対の主桁Ｍ，Ｍ間に設置される複数の縦リブＶ，Ｖ…とを備えた構成である。
図１１に示すように、Ａ型セグメントＳＡは、主桁Ｍの板面と継手板Ｐの板面との成す角度が直角である一対の継手板Ｐ，Ｐを備えたセグメントである。
図１２に示すように、Ｂ型セグメントＳＢ１は、主桁Ｍの板面と継手板Ｐの板面との成す角度が直角である一方の継手板Ｐと、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ１（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板Ｐ１（Ｐ）とを備えたセグメントである。
図１３に示すように、Ｂ型セグメントＳＢ２は、主桁Ｍの板面と継手板Ｐの板面との成す角度が直角である一方の継手板Ｐと、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ２（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板Ｐ２（Ｐ）とを備えたセグメントである。
図１４に示すように、Ｋ型セグメントＳＫは、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ１１（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない一方の継手板Ｐ１１（Ｐ）と、主桁Ｍの板面と継手板Ｐ２２（Ｐ）の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板Ｐ２２（Ｐ）とを備えたセグメントである。
尚、各鋼製セグメントの継手板Ｐには、セグメント間継手のための連結孔ＳＨが形成されており、各鋼製セグメントの主桁Ｍには、リング間継手のための連結孔ＲＨが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第６９９７３５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１の鋼製セグメント製造設備における一対の回転ジグでは、各回転ジグに取付けられた鋼製セグメントが、各回転ジグの軸線を回転中心として回転するように構成されているだけである。
即ち、特許文献１の鋼製セグメント製造設備においては、鋼製セグメントは、各回転ジグの軸線を回転中心とした回転（一軸回転）のみ許容されている構成であるので、作業時に設定可能な鋼製セグメントの姿勢のバリエーションが少ない。
従って、鋼製セグメントの溶接などの鋼製セグメント製造作業において、作業性が悪く、品質不良等が生じ易いという課題があった。
本発明は、鋼製セグメント製造作業の作業性を良好にできる鋼製セグメント製造設備を提供するものである。
即ち、特許文献１の鋼製セグメント製造設備においては、鋼製セグメントは、各回転ジグの軸線を回転中心とした回転（一軸回転）のみ許容されている構成であるので、作業時に設定可能な鋼製セグメントの姿勢のバリエーションが少ない。
従って、鋼製セグメントの溶接などの鋼製セグメント製造作業において、作業性が悪く、品質不良等が生じ易いという課題があった。
本発明は、鋼製セグメント製造作業の作業性を良好にできる鋼製セグメント製造設備を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る鋼製セグメント製造設備は、鋼製セグメントを製造するための鋼製セグメント製造設備であって、鋼製セグメントを把持するための把持手段と、把持手段を第１の回転中心線を回転中心として回転させる第１の回転体と、第１の回転体を回転可能に支持する第１の回転支持手段と、把持手段を第１の回転中心線と直交する第２の回転中心線を回転中心として回転させる第２の回転体と、第２の回転体を回転可能に支持する第２の回転支持手段と、を備えたことを特徴とするので、鋼製セグメント製造作業の作業性を良好にできる鋼製セグメント製造設備を提供できるようになった。
また、第１の回転支持手段は、第１の回転体の回転抵抗調整手段を備え、第２の回転支持手段は、第２の回転体の回転抵抗調整手段を備えたことを特徴とするので、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に維持させることができるようになる。
また、把持手段は、鋼製セグメントの主桁に形成されたリング間継手のための連結孔に連結されて鋼製セグメントを把持するための連結部を備えたことを特徴とするので、鋼製セグメントを容易に把持することができる。
また、移動手段と、移動手段選択手段とを備え、移動手段は、作業床上を一方向に移動可能なように設けられた一方向移動手段と、作業床上を一方向と直交する他方向に移動可能なように設けられた他方向移動手段とを備え、移動手段選択手段は、一方向移動手段及び他方向移動手段のうちの一方の移動手段を作業床から離して他方の移動手段のみによる移動を可能とすることを特徴とするので、人力での方向転換が容易な鋼製セグメント製造設備を得ることができるようになった。
また、第１の回転支持手段は、第１の回転体の回転抵抗調整手段を備え、第２の回転支持手段は、第２の回転体の回転抵抗調整手段を備えたことを特徴とするので、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に維持させることができるようになる。
また、把持手段は、鋼製セグメントの主桁に形成されたリング間継手のための連結孔に連結されて鋼製セグメントを把持するための連結部を備えたことを特徴とするので、鋼製セグメントを容易に把持することができる。
また、移動手段と、移動手段選択手段とを備え、移動手段は、作業床上を一方向に移動可能なように設けられた一方向移動手段と、作業床上を一方向と直交する他方向に移動可能なように設けられた他方向移動手段とを備え、移動手段選択手段は、一方向移動手段及び他方向移動手段のうちの一方の移動手段を作業床から離して他方の移動手段のみによる移動を可能とすることを特徴とするので、人力での方向転換が容易な鋼製セグメント製造設備を得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】鋼製セグメント製造設備の正面図。
【図5】（ａ）は第２の回転装置を示す図、（ｂ）は回転ロック板の正面図、（ｃ）は（ａ）図におけるＣ部の詳細を示す拡大断面図。
【図6】第１の回転装置を示す図であり、（ａ）は断面図、（ｂ）は（ａ）図の左側面図、（ｃ）は（ａ）図の右側面図。
【図7】移動手段選択機構の動作説明図。
【図8】鋼製セグメント製造設備を使用した鋼製セグメントの製造方法の説明図。
【図9】鋼製セグメント製造設備の機能説明図。
【図10】Ａ型セグメント、Ｂ型セグメント、Ｋ型セグメントで構成されたシールドトンネルの１リングを示す図。
【図11】（ａ）はＡ型セグメントの正面図、（ｂ）はＡ型セグメントの底面図。
【図12】（ａ）はＢ型セグメントＳＢ１の正面図、（ｂ）はＢ型セグメントＳＢ１の底面図。
【図13】（ａ）はＢ型セグメントＳＢ２の正面図、（ｂ）はＢ型セグメントＳＢ２の底面図。
【図14】（ａ）はＫ型セグメントＳＫの正面図、（ｂ）はＫ型セグメントＳＫの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図１に示すように、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１は、鋼製セグメントを把持するための把持手段２と、把持手段２を第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転させる第１の回転体３と、第１の回転体３を回転可能に支持する第１の回転支持手段４と、把持手段２を第１の回転中心線Ｃ１と直交する第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転させる第２の回転体５と、第２の回転体５を回転可能に支持する第２の回転支持手段６と、把持手段２、第１の回転体３、第１の回転支持手段４、第２の回転体５、第２の回転支持手段６を支持する支持手段７と、支持手段７に設けられた移動手段８及び移動手段選択手段８０とを備えて構成される。
当該鋼製セグメント製造設備１は、例えば、主として鋼材を用いて構成されている。
当該鋼製セグメント製造設備１は、例えば、主として鋼材を用いて構成されている。
【0008】
尚、本明細書においては、上、下、左、右、前、後の各方向は、各図に示した方向と定義して説明する。
当該前、後、左、右の各方向は、鋼製セグメント製造設備１に把持された仮組立後の鋼製セグメント（ＳＡ，ＳＢ１，ＳＢ２，ＳＫ）に対して複数の作業を行って製品として出荷可能な鋼製セグメントを製造するために、鋼製セグメント製造設備１が後述する複数の各作業エリアに向けて移動する際の進行方向（例えば図８に示す、取付エリアＡ１から本溶接エリアＡ２、研削仕上げエリアＡ３、取外しエリアＡ４に向けて移動する際の進行方向）を基準にした場合の前、後、左、右である。
また、各図においては、把持手段２に、鋼製セグメントとしてＡ型セグメントＳＡが把持された状態を想定して図示してある。
当該前、後、左、右の各方向は、鋼製セグメント製造設備１に把持された仮組立後の鋼製セグメント（ＳＡ，ＳＢ１，ＳＢ２，ＳＫ）に対して複数の作業を行って製品として出荷可能な鋼製セグメントを製造するために、鋼製セグメント製造設備１が後述する複数の各作業エリアに向けて移動する際の進行方向（例えば図８に示す、取付エリアＡ１から本溶接エリアＡ２、研削仕上げエリアＡ３、取外しエリアＡ４に向けて移動する際の進行方向）を基準にした場合の前、後、左、右である。
また、各図においては、把持手段２に、鋼製セグメントとしてＡ型セグメントＳＡが把持された状態を想定して図示してある。
【0009】
支持手段７は、支柱９と、装置ベース１０とを備えて構成される。
支柱９は、例えば、前支柱９Ａと後支柱９Ｂとで構成される。
前支柱９Ａ及び後支柱９Ｂは、前後で正対するように配置される。
装置ベース１０は、例えば、前支柱９Ａの下端側と後支柱９Ｂの下端側とを連結するフレーム構造体により構成される。
支柱９は、例えば、前支柱９Ａと後支柱９Ｂとで構成される。
前支柱９Ａ及び後支柱９Ｂは、前後で正対するように配置される。
装置ベース１０は、例えば、前支柱９Ａの下端側と後支柱９Ｂの下端側とを連結するフレーム構造体により構成される。
【0010】
装置ベース１０は、例えば、前支柱９Ａの下端から左右方向に延長する前側ベース１０Ａと、後支柱９Ｂの下端から左右方向に延長する後側ベース１０Ｂと、前後方向に延長して前側ベース１０Ａと後側ベース１０Ｂとを連結する左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒと、前側において左右方向に延長して左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒに連結された前側連結ベース１０Ｃと、後側において左右方向に延長して左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒに連結された後側連結ベース１０Ｄと、前側連結ベース１０Ｃの上方において左右方向に延長するように設けられた前上側ベース１０Ｅと、後側連結ベース１０Ｄの上方において左右方向に延長するように設けられた後上側ベース１０Ｆとを備えて構成される。
【0011】
図２に示すように、前側ベース１０Ａと後側ベース１０Ｂと左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒと前側連結ベース１０Ｃと後側連結ベース１０Ｄとで構成された第１の台車フレーム１０Ｘに、後述する一方向移動手段としての前後方向移動手段８Ａが取付けられる。
また、前上側ベース１０Ｅにより構成された第２の台車フレーム１０Ｙ及び後上側ベース１０Ｆにより構成された第２の台車フレーム１０Ｙに、それぞれ、後述する他方向移動手段としての左右方向移動手段８Ｂが取付けられる。
また、前上側ベース１０Ｅにより構成された第２の台車フレーム１０Ｙ及び後上側ベース１０Ｆにより構成された第２の台車フレーム１０Ｙに、それぞれ、後述する他方向移動手段としての左右方向移動手段８Ｂが取付けられる。
【0012】
前側ベース１０Ａ、後側ベース１０Ｂ、前側連結ベース１０Ｃ、後側連結ベース１０Ｄ、前上側ベース１０Ｅ、後上側ベース１０Ｆは、作業床Ｆと平行で、かつ、第２の回転中心線Ｃ２と直交する方向である左右方向に一直線状に延長するように構成される。
左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒは、作業床Ｆと平行で、かつ、第２の回転中心線Ｃ２と平行な方向である前後方向に一直線状に延長するように構成される。
左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒは、作業床Ｆと平行で、かつ、第２の回転中心線Ｃ２と平行な方向である前後方向に一直線状に延長するように構成される。
【0013】
移動手段８は、作業床Ｆ上を一方向に移動可能なように設けられた一方向移動手段としての前後方向移動手段８Ａと、作業床Ｆ上を一方向と直交する他方向に移動可能なように設けられた他方向移動手段としての左右方向移動手段８Ｂと、ガイドローラ８Ｃとを備える。
【0014】
前後方向移動手段８Ａは、例えば、前側ベース１０Ａの左端側の下面と、前側ベース１０Ａの右端側の下面と、後側ベース１０Ｂの左端側の下面と、後側ベース１０Ｂの右端側の下面とに設けられる。
当該前後方向移動手段８Ａは、作業床Ｆ上を第２の回転中心線Ｃ２に沿った前後方向に移動可能なように、移動方向が前後方向に固定された車輪を備えた例えば固定キャスタにより構成される。
当該前後方向移動手段８Ａは、作業床Ｆ上を第２の回転中心線Ｃ２に沿った前後方向に移動可能なように、移動方向が前後方向に固定された車輪を備えた例えば固定キャスタにより構成される。
【0015】
左右方向移動手段８Ｂは、例えば、前上側ベース１０Ｅの左端側の下面と、前上側ベース１０Ｅの右端側の下面と、後上側ベース１０Ｆの左端側の下面と、後上側ベース１０Ｆの右端側の下面とに設けられる。
当該左右方向移動手段８Ｂは、作業床Ｆ上を第２の回転中心線Ｃ２に沿った前後方向と直交する左右方向に移動可能なように、移動方向が左右方向に固定された車輪を備えた例えば固定キャスタにより構成される。
当該左右方向移動手段８Ｂは、作業床Ｆ上を第２の回転中心線Ｃ２に沿った前後方向と直交する左右方向に移動可能なように、移動方向が左右方向に固定された車輪を備えた例えば固定キャスタにより構成される。
【0016】
図２に示すように、ガイドローラ８Ｃは、前側ベース１０Ａの下面の左右間の中央側、及び、後側ベース１０Ｂの下面の左右間の中央側に設けられる。
図３に示すように、当該ガイドローラ８Ｃは、ガイドレール固定手段８Ｅにより作業床Ｆ上に固定されたガイドレール８Ｄの左右の縦ガイド面８ａ，８ａを転動可能なように、作業床Ｆと直交する垂直な車軸を回転中心として回転する車輪を備えた例えば固定キャスタにより構成される。
図３に示すように、当該ガイドローラ８Ｃは、ガイドレール固定手段８Ｅにより作業床Ｆ上に固定されたガイドレール８Ｄの左右の縦ガイド面８ａ，８ａを転動可能なように、作業床Ｆと直交する垂直な車軸を回転中心として回転する車輪を備えた例えば固定キャスタにより構成される。
【0017】
第２の回転支持手段６は、前側回転支持部６Ａと後側回転支持部６Ｂとを備える。
第２の回転体５の前端側が前側回転支持部６Ａに回転可能に支持されたとともに、第２の回転体５の後端側が後側回転支持部６Ｂに回転可能に支持されたことにより、第２の回転装置が構成される。
当該第２の回転装置において第２の回転体５の回転中心となる回転中心線Ｃ２は、作業床Ｆと平行で、かつ、前後方向に一直線状に延長するように構成される。
第２の回転体５の前端側が前側回転支持部６Ａに回転可能に支持されたとともに、第２の回転体５の後端側が後側回転支持部６Ｂに回転可能に支持されたことにより、第２の回転装置が構成される。
当該第２の回転装置において第２の回転体５の回転中心となる回転中心線Ｃ２は、作業床Ｆと平行で、かつ、前後方向に一直線状に延長するように構成される。
【0018】
例えば、前支柱９Ａ及び後支柱９Ｂが作業床Ｆに対して垂直になるように、前支柱９Ａが前側ベース１０Ａの左右間の中央位置から立設され、かつ、後支柱９Ｂが後側ベース１０Ｂの左右間の中央位置から立設されて、当該前支柱９Ａ及び後支柱９Ｂが所定の間隔を隔てて前後の位置で正対するように設けられている。
そして、図５（ａ）に示すように、第２の回転体５の前端側が前支柱９Ａの上端側に設けられた前側回転支持部６Ａに回転可能に支持されて、かつ、第２の回転体５の後端側が後支柱９Ｂの後側回転支持部６Ｂに回転可能に支持されたことにより、作業床Ｆと平行な水平面上に設定されて前後に延長する第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転する第２の回転体５を備えた第２の回転装置が構成される。尚、図５（ａ）は、図１の二点鎖線で囲まれた符号Ａで示した部分から、第２の回転体５及び第２の回転支持手段６で構成された第２の回転装置を抽出して示した図である。
そして、図５（ａ）に示すように、第２の回転体５の前端側が前支柱９Ａの上端側に設けられた前側回転支持部６Ａに回転可能に支持されて、かつ、第２の回転体５の後端側が後支柱９Ｂの後側回転支持部６Ｂに回転可能に支持されたことにより、作業床Ｆと平行な水平面上に設定されて前後に延長する第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転する第２の回転体５を備えた第２の回転装置が構成される。尚、図５（ａ）は、図１の二点鎖線で囲まれた符号Ａで示した部分から、第２の回転体５及び第２の回転支持手段６で構成された第２の回転装置を抽出して示した図である。
【0019】
図５（ｃ）に示すように、後側回転支持部６Ｂは、ボス６０と、ボス６０の内周面に設置されたブッシング６１と、ブッシング６１を固定するブッシング押え６２とを備えて構成される。尚、図５（ｃ）は、図５（ａ）の二点鎖線で囲まれた符号Ｃで示した部分の後側回転支持部６Ｂを拡大して示した図である。
ボス６０は、第２の回転体５の端部側の円筒状軸部５０の外径よりも大径の筒孔を備えた円筒体であり、筒孔の中心線６０Ｃが前後方向に延長するように、後支柱９Ｂの上端に設けられている。
当該ボス６０の筒孔６０Ａは、後端側から前側に延長するように形成されてブッシング６１が設置されるブッシング設置孔６０ａと、当該ブッシング設置孔６０ａよりも小径に形成された前端側孔６０ｂと、ブッシング設置孔６０ａと前端側孔６０ｂとの境界である環状壁面６０ｃとを備えて構成される。
ブッシング６１は、外径がボス６０のブッシング設置孔６０ａの径に対応する寸法に形成されたとともに、内径が第２の回転体５の端部側の円筒状軸５０の外径に対応する寸法に形成された円筒部材である。当該ブッシング６１は、ボス６０のブッシング設置孔６０ａの後端開口から挿入されて当該ブッシング設置孔６０ａに設置される。
ブッシング６１は、例えば、機械的強度や耐摩耗性、耐熱性に優れたＭＣナイロン等の合成樹脂製のものが使用される。
ブッシング押え６２は、ボス６０の後端面６０ｄにねじ６３等で取付けられる円環状部６２ａと、円環状部６２ａの内周縁より前方に延長してブッシング設置孔６０ａに設置されたブッシング６１の後端面６１ｂと接触する円環状押え部６２ｂとを備えた円環状部材である（図６（ｂ）参照）。
ボス６０は、第２の回転体５の端部側の円筒状軸部５０の外径よりも大径の筒孔を備えた円筒体であり、筒孔の中心線６０Ｃが前後方向に延長するように、後支柱９Ｂの上端に設けられている。
当該ボス６０の筒孔６０Ａは、後端側から前側に延長するように形成されてブッシング６１が設置されるブッシング設置孔６０ａと、当該ブッシング設置孔６０ａよりも小径に形成された前端側孔６０ｂと、ブッシング設置孔６０ａと前端側孔６０ｂとの境界である環状壁面６０ｃとを備えて構成される。
ブッシング６１は、外径がボス６０のブッシング設置孔６０ａの径に対応する寸法に形成されたとともに、内径が第２の回転体５の端部側の円筒状軸５０の外径に対応する寸法に形成された円筒部材である。当該ブッシング６１は、ボス６０のブッシング設置孔６０ａの後端開口から挿入されて当該ブッシング設置孔６０ａに設置される。
ブッシング６１は、例えば、機械的強度や耐摩耗性、耐熱性に優れたＭＣナイロン等の合成樹脂製のものが使用される。
ブッシング押え６２は、ボス６０の後端面６０ｄにねじ６３等で取付けられる円環状部６２ａと、円環状部６２ａの内周縁より前方に延長してブッシング設置孔６０ａに設置されたブッシング６１の後端面６１ｂと接触する円環状押え部６２ｂとを備えた円環状部材である（図６（ｂ）参照）。
【0020】
前側回転支持部６Ａも後側回転支持部６Ｂと同様に構成される。即ち、前側回転支持部６Ａと後側回転支持部６Ｂとが前後対称に構成される。
以上のように、第２の回転体５の両端が前側回転支持部６Ａと後側回転支持部６Ｂとに回転可能に支持されたことで、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転する第２の回転体５を備えた第２の回転装置が構成される。
以上のように、第２の回転体５の両端が前側回転支持部６Ａと後側回転支持部６Ｂとに回転可能に支持されたことで、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転する第２の回転体５を備えた第２の回転装置が構成される。
【0021】
前側回転支持部６Ａ及び後側回転支持部６Ｂのうちの一方、例えば図５（ｃ）に示すように、後側回転支持部６Ｂには、第２の回転体５の回転抵抗を調整するための回転抵抗調整手段６Ｃを設けた構成とした。
回転抵抗調整手段６Ｃは、第２の回転体５の後端面から後方に突出するように設けられた軸部６５と、当該軸部６５が貫通する中央孔を備えたブレーキ板６６と、軸部６５の先端（後端）側のねじ部に螺着された調整ナット６７とを備えた構成である。
ブレーキ板６６は、軸部６５と一緒に回転してかつ軸部６５の軸線に沿った方向に移動可能なように、係合部６６ａを介して軸部６５に取付けられている。
調整ナット６７としては、例えば、ダブルナットを用いる。
即ち、回転抵抗調整手段６Ｃは、調整ナット６７を締めてブレーキ板６６を前方に移動させて、ブッシング６１の後端面６１ｂとボス６０の環状壁面６０ｃとの摩擦力を調整することにより、第２の回転体５の回転抵抗を調整可能なように構成された機構である。
回転抵抗調整手段６Ｃは、第２の回転体５の後端面から後方に突出するように設けられた軸部６５と、当該軸部６５が貫通する中央孔を備えたブレーキ板６６と、軸部６５の先端（後端）側のねじ部に螺着された調整ナット６７とを備えた構成である。
ブレーキ板６６は、軸部６５と一緒に回転してかつ軸部６５の軸線に沿った方向に移動可能なように、係合部６６ａを介して軸部６５に取付けられている。
調整ナット６７としては、例えば、ダブルナットを用いる。
即ち、回転抵抗調整手段６Ｃは、調整ナット６７を締めてブレーキ板６６を前方に移動させて、ブッシング６１の後端面６１ｂとボス６０の環状壁面６０ｃとの摩擦力を調整することにより、第２の回転体５の回転抵抗を調整可能なように構成された機構である。
【0022】
また、第２の回転体５の一端側、例えば図５（ａ）に示すように、第２の回転体５の後側回転支持部６Ｂ側には、第２の回転体５が回転しないようにするための回転ロック機構７０を備える。
回転ロック機構７０は、第２の回転体５に固定された回転ロック板７０Ａと、後側回転支持部６Ｂのボス６０に固定された回転ロック手段７０Ｂとを備える。
回転ロック板７０Ａは、例えば図５（ｂ）に示すように、第２の回転体５の回転中心線Ｃ２を回転中心として第２の回転体５とともに回転するように設けられた円板状部材７１と、当該円板状部材７１の円板の外周側に周方向に沿って所定の間隔を隔てて貫通するように設けられた複数のロック孔７２，７２…と備えたロック孔付き円板状部材により構成される。
回転ロック板７０Ａは、例えば円板の円の中央側に第２の回転体５の一端部が貫通する中央貫通孔７３（図５（ｃ）参照）を備え、当該中央貫通孔７３に第２の回転体５の一端部を貫通させた状態で、第２の回転体５の外周面に溶接やボルトナット等の固定手段を用いて固定されている。
回転ロック手段７０Ｂは、例えば図５（ａ）に示すように、ロック部材７４と、ロック部材７４を後側回転支持部６Ｂのボス６０に固定するための固定部材７５とを備える。
ロック部材７４は、複数のロック孔７２，７２…の中心を繋いで形成される円周（第２の回転中心線Ｃ２を中心とする円周）と対向するように設けられて、前後方向に進退可能に設けられた軸材７６と、軸材７６を進退自在に保持するホルダ７７と、軸材７６を進退させるための操作部材７８とを備え、ホルダ７７が固定部材７５を介してボス６０に固定されている。
尚、図５（ａ）では、ロック部材７４の断面を示すために、ロック部材７４を上方に位置させた構成のものを図示した。
例えば、ホルダ７７は、筒孔の内周面に雌ねじ部が形成された円筒部材により構成され、軸材７６は、ホルダ７７の筒孔の雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を備えたねじ部材により構成され、操作部材７８は、軸材７６の一端側に設けられた操作レバーにより構成される。
そして、操作部材７８を操作して、軸材７６を前方に移動させて複数のロック孔７２，７２…のうちの１つのロック孔７２に挿入させることで、第２の回転体５が回転しないように回転ロックされる。
回転ロックを解除する場合には、操作部材７８を操作して、軸材７６をロック孔７２よりも後方に移動させてロック孔７２から抜く。
回転ロック機構７０は、第２の回転体５に固定された回転ロック板７０Ａと、後側回転支持部６Ｂのボス６０に固定された回転ロック手段７０Ｂとを備える。
回転ロック板７０Ａは、例えば図５（ｂ）に示すように、第２の回転体５の回転中心線Ｃ２を回転中心として第２の回転体５とともに回転するように設けられた円板状部材７１と、当該円板状部材７１の円板の外周側に周方向に沿って所定の間隔を隔てて貫通するように設けられた複数のロック孔７２，７２…と備えたロック孔付き円板状部材により構成される。
回転ロック板７０Ａは、例えば円板の円の中央側に第２の回転体５の一端部が貫通する中央貫通孔７３（図５（ｃ）参照）を備え、当該中央貫通孔７３に第２の回転体５の一端部を貫通させた状態で、第２の回転体５の外周面に溶接やボルトナット等の固定手段を用いて固定されている。
回転ロック手段７０Ｂは、例えば図５（ａ）に示すように、ロック部材７４と、ロック部材７４を後側回転支持部６Ｂのボス６０に固定するための固定部材７５とを備える。
ロック部材７４は、複数のロック孔７２，７２…の中心を繋いで形成される円周（第２の回転中心線Ｃ２を中心とする円周）と対向するように設けられて、前後方向に進退可能に設けられた軸材７６と、軸材７６を進退自在に保持するホルダ７７と、軸材７６を進退させるための操作部材７８とを備え、ホルダ７７が固定部材７５を介してボス６０に固定されている。
尚、図５（ａ）では、ロック部材７４の断面を示すために、ロック部材７４を上方に位置させた構成のものを図示した。
例えば、ホルダ７７は、筒孔の内周面に雌ねじ部が形成された円筒部材により構成され、軸材７６は、ホルダ７７の筒孔の雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を備えたねじ部材により構成され、操作部材７８は、軸材７６の一端側に設けられた操作レバーにより構成される。
そして、操作部材７８を操作して、軸材７６を前方に移動させて複数のロック孔７２，７２…のうちの１つのロック孔７２に挿入させることで、第２の回転体５が回転しないように回転ロックされる。
回転ロックを解除する場合には、操作部材７８を操作して、軸材７６をロック孔７２よりも後方に移動させてロック孔７２から抜く。
【0023】
第２の回転体５の前後の中間部には、第１の回転支持手段４と連結された連結体５４を備える。
例えば図５（ａ）に示すように、第２の回転体５が前後に分けて設けられて、前後の第２の回転体５，５と第１の回転支持手段４とが連結体５４を介して連結されている。
即ち、前側の第２の回転体５０の一端部側の円筒状軸部５０が前側回転支持部６Ａに回転可能に支持されて、かつ、後側の第２の回転体５の一端部側の円筒状軸部５０が後側回転支持部６Ａに回転可能に支持され、前後の第２の回転体５，５の他端部が連結体５４を介して第１の回転支持手段４に連結された構成となっている。
そして、例えば図６に示すように、第１の回転支持手段４には、第２の回転中心線Ｃ２と直交する第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転する第１の回転体３の一端（右端）側が回転可能に支持される。
さらに、第１の回転支持手段４より突出する第１の回転体３の他端（左端）側に、ブラケット３２を介して把持手段２が取付けられる。
例えば図５（ａ）に示すように、第２の回転体５が前後に分けて設けられて、前後の第２の回転体５，５と第１の回転支持手段４とが連結体５４を介して連結されている。
即ち、前側の第２の回転体５０の一端部側の円筒状軸部５０が前側回転支持部６Ａに回転可能に支持されて、かつ、後側の第２の回転体５の一端部側の円筒状軸部５０が後側回転支持部６Ａに回転可能に支持され、前後の第２の回転体５，５の他端部が連結体５４を介して第１の回転支持手段４に連結された構成となっている。
そして、例えば図６に示すように、第１の回転支持手段４には、第２の回転中心線Ｃ２と直交する第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転する第１の回転体３の一端（右端）側が回転可能に支持される。
さらに、第１の回転支持手段４より突出する第１の回転体３の他端（左端）側に、ブラケット３２を介して把持手段２が取付けられる。
【0024】
第２の回転体５の前後の中間部に設けられた連結体５４を介して第２の回転体５と連結された第１の回転支持手段４は、図４，図６に示すように、上述した後側回転支持部６Ｂや前側回転支持部６Ａと同様な構成であり、かつ、上述した回転抵抗調整手段６Ｃと同様な構成の回転抵抗調整手段６Ｄを備えた構成となっている。
尚、第１の回転支持手段４の構成は、後側回転支持部６Ｂや前側回転支持部６Ａと同様であり、また、回転抵抗調整手段６Ｄの構成は、回転抵抗調整手段６Ｃの構成と同様であるため、説明を省略する。
尚、第１の回転支持手段４の構成は、後側回転支持部６Ｂや前側回転支持部６Ａと同様であり、また、回転抵抗調整手段６Ｄの構成は、回転抵抗調整手段６Ｃの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0025】
つまり、鋼製セグメント製造設備１は、図６に示すように、第１の回転体３が第１の回転支持手段４により回転可能に支持された第１の回転装置を備え、当該第１の回転装置の第１の回転支持手段４が回転抵抗調整手段６Ｄを備えた構成となっている。
尚、図６（ａ）は、図４の二点鎖線で囲まれた符号Ｂで示した部分から第１の回転装置を抽出して拡大した図である。
尚、図６（ａ）は、図４の二点鎖線で囲まれた符号Ｂで示した部分から第１の回転装置を抽出して拡大した図である。
【0026】
図３，４に示すように、把持手段２は、鋼製セグメントにおける互いに対向する一対の主桁Ｍ，Ｍのうちの一方の主桁Ｍに連結される連結部２１Ａを有した一方側連結アーム２１と、他方の主桁Ｍに連結される連結部２２Ａを有した他方側連結アーム２２と、一方側連結アーム２１と他方側連結アーム２２と第１の回転体３とに連結された連結フレーム２３とを備える。
連結フレーム２３は、例えば一直線状に延長する棒状部材により形成され、棒状部材の延長方向一端と延長方向他端との間の中央部分が例えばブラケット３２を介して第１の回転体３の左端（他端）側に連結されている。
また、連結フレーム２３の延長方向一端には、例えばブラケット２４を介して一方側連結アーム２１が固定状態に連結されている。
さらに、連結フレーム２３の延長方向他端には、ヒンジ機構２５を介して他方側連結アーム２２が回動可能に連結されている。
また、連結フレーム２３の延長方向一端側と延長方向他端側とには、それぞれ、鋼製セグメントのスキンプレートＳの外面を支持するための支持体２３Ａ，２３Ａが設けられている。この支持体２３Ａは、例えば、ねじ機構により進退自在に構成されている。
連結フレーム２３は、例えば一直線状に延長する棒状部材により形成され、棒状部材の延長方向一端と延長方向他端との間の中央部分が例えばブラケット３２を介して第１の回転体３の左端（他端）側に連結されている。
また、連結フレーム２３の延長方向一端には、例えばブラケット２４を介して一方側連結アーム２１が固定状態に連結されている。
さらに、連結フレーム２３の延長方向他端には、ヒンジ機構２５を介して他方側連結アーム２２が回動可能に連結されている。
また、連結フレーム２３の延長方向一端側と延長方向他端側とには、それぞれ、鋼製セグメントのスキンプレートＳの外面を支持するための支持体２３Ａ，２３Ａが設けられている。この支持体２３Ａは、例えば、ねじ機構により進退自在に構成されている。
【0027】
即ち、把持手段２は、鋼製セグメントの主桁Ｍに形成されたリング間継手のための連結孔ＲＨに連結されて鋼製セグメントを把持するための連結部２１Ａ，２２Ａを有した連結アーム２１，２２を備えているので、当該連結部２１Ａ，２２Ａに、ボルト及びナット等の連結手段２０（図１参照）を使用して鋼製セグメントを容易に取付けることができる。
また、一方側連結アーム２１及び他方側連結アーム２２のうち一方である他方側連結アーム２２がヒンジ機構２５を介して回動可能に構成されているので、鋼製セグメントの取付作業を容易に行える。
また、一方側連結アーム２１及び他方側連結アーム２２のうち一方である他方側連結アーム２２がヒンジ機構２５を介して回動可能に構成されているので、鋼製セグメントの取付作業を容易に行える。
【0028】
鋼製セグメントを把持手段２に把持させる際には、例えば、把持手段２を図９（ａ）に示す状態（連結フレーム２３が水平方向に延長する状態）にした後に、鋼製セグメントのスキンプレートＳの外面が支持体２３Ａ，２３Ａで支持された状態とし、かつ、一方側連結アーム２１の先端側に設けられた連結部２１Ａを鋼製セグメントの一方の主桁Ｍの外面に接触させるとともに、他方側連結アーム２２の先端側に設けられた連結部２２Ａを鋼製セグメントの他方の主桁Ｍの外面に接触させる。
その後、連結部２１Ａが一方の主桁Ｍに形成されたリング間継手のための連結孔ＲＨにボルト及びナット等の連結手段２０により連結されるとともに、連結部２２Ａが他方の主桁Ｍに形成されたリング間継手のための連結孔ＲＨにボルト及びナット等の連結手段２０により連結されることによって、鋼製セグメントが把持手段２に把持された状態となる。
従って、このように把持手段２に把持された鋼製セグメントが、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転可能となり、かつ、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転可能となる（図９（ｂ）～図９（ｆ）参照）。
その後、連結部２１Ａが一方の主桁Ｍに形成されたリング間継手のための連結孔ＲＨにボルト及びナット等の連結手段２０により連結されるとともに、連結部２２Ａが他方の主桁Ｍに形成されたリング間継手のための連結孔ＲＨにボルト及びナット等の連結手段２０により連結されることによって、鋼製セグメントが把持手段２に把持された状態となる。
従って、このように把持手段２に把持された鋼製セグメントが、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として回転可能となり、かつ、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転可能となる（図９（ｂ）～図９（ｆ）参照）。
【0029】
図６に示すように、第１の回転支持手段４の外側には連結体５５を備え、図４に示すように、当該連結体５５の連結フランジ５６と連結体５４とが連結され、当該連結体５５の連結フランジ５７とカウンターウエイト取付アーム２８とが連結されている。
カウンターウエイト取付アーム２８は、第１の回転中心線Ｃ１に沿って把持手段２から離れる方向に延長するように設けられている。
当該カウンターウエイト取付アーム２８の延長端側には、カウンターウエイト取付部２７が設けられ、このカウンターウエイト取付部２７にカウンターウエイト２６が増減可能に取付けられる構成となっている。
カウンターウエイト取付アーム２８は、第１の回転中心線Ｃ１に沿って把持手段２から離れる方向に延長するように設けられている。
当該カウンターウエイト取付アーム２８の延長端側には、カウンターウエイト取付部２７が設けられ、このカウンターウエイト取付部２７にカウンターウエイト２６が増減可能に取付けられる構成となっている。
【0030】
尚、カウンターウエイト２６は、把持手段２に鋼製セグメントが把持された状態において、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として回転しないようにバランスをとるための構成である。
即ち、把持手段２に鋼製セグメントが把持された状態においては、カウンターウエイト２６でバランスさせた後に、回転抵抗調整手段６Ｃにより調整された摩擦力によって、鋼製セグメントが把持された把持手段２を自己保持させることができるように構成されている。
一方、把持手段２から鋼製セグメントを外した状態では、カウンターウエイト２６が残ってバランスが崩れるため、把持手段２に対する鋼製セグメントの着脱作業は、回転ロック機構７０により第２の回転中心線Ｃ２を回転中心とした回転をロックした状態としてから行う。
即ち、第２の回転装置は、回転ロック機構７０及び回転抵抗調整手段６Ｃを備えた構成とした。
尚、鋼製セグメントが把持された把持手段２の重心位置に第１の回転中心線Ｃ１が位置されるため、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心とした回転に対する回転ロック機構は設けていない。
即ち、第１の回転装置は、回転ロック機構を備えず、回転抵抗調整手段６Ｄを備えた構成とした。
即ち、把持手段２に鋼製セグメントが把持された状態においては、カウンターウエイト２６でバランスさせた後に、回転抵抗調整手段６Ｃにより調整された摩擦力によって、鋼製セグメントが把持された把持手段２を自己保持させることができるように構成されている。
一方、把持手段２から鋼製セグメントを外した状態では、カウンターウエイト２６が残ってバランスが崩れるため、把持手段２に対する鋼製セグメントの着脱作業は、回転ロック機構７０により第２の回転中心線Ｃ２を回転中心とした回転をロックした状態としてから行う。
即ち、第２の回転装置は、回転ロック機構７０及び回転抵抗調整手段６Ｃを備えた構成とした。
尚、鋼製セグメントが把持された把持手段２の重心位置に第１の回転中心線Ｃ１が位置されるため、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心とした回転に対する回転ロック機構は設けていない。
即ち、第１の回転装置は、回転ロック機構を備えず、回転抵抗調整手段６Ｄを備えた構成とした。
【0031】
移動手段選択手段８０は、一方向移動手段としての前後方向移動手段８Ａを使用するか、他方向移動手段としての左右方向移動手段８Ｂを使用するかを、択一的に選択できるように構成された機構である。
図７に示すように、移動手段選択手段８０は、第１調整手段と第２調整手段とで構成される。
第１調整手段は、例えば、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆ）に形成された貫通孔を貫通して下端が第１の台車フレーム１０Ｘ（前側連結ベース１０Ｃ又は後側連結ベース１０Ｄ）に連結された第１ボルト８１と、第２の台車フレーム１０Ｙの上面よりも上方に突出するボルトの上端側に螺着された第１ナット８２とで構成される。
第２調整手段は、例えば、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆ）に形成された貫通孔の上端に固定された第２ナット８３と、当該ナットに螺着されてかつ貫通孔に挿入されて下端が第１の台車フレーム１０Ｘ（前側連結ベース１０Ｃ又は後側連結ベース１０Ｄ）上面に接触可能に構成された第２ボルト８４とで構成される。
例えば、図２に示すように、移動手段選択手段８０は、前上側ベース１０Ｅの左右両端
側、及び、後上側ベース１０Ｅの左右両端側の合計４か所に配置されている。
また、移動手段選択手段８０は、例えば、第１ボルト８１が前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆの両端部側の位置に配置され、かつ、第２ボルト８４が前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆの中央側寄りの位置に配置されている。
図７に示すように、移動手段選択手段８０は、第１調整手段と第２調整手段とで構成される。
第１調整手段は、例えば、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆ）に形成された貫通孔を貫通して下端が第１の台車フレーム１０Ｘ（前側連結ベース１０Ｃ又は後側連結ベース１０Ｄ）に連結された第１ボルト８１と、第２の台車フレーム１０Ｙの上面よりも上方に突出するボルトの上端側に螺着された第１ナット８２とで構成される。
第２調整手段は、例えば、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆ）に形成された貫通孔の上端に固定された第２ナット８３と、当該ナットに螺着されてかつ貫通孔に挿入されて下端が第１の台車フレーム１０Ｘ（前側連結ベース１０Ｃ又は後側連結ベース１０Ｄ）上面に接触可能に構成された第２ボルト８４とで構成される。
例えば、図２に示すように、移動手段選択手段８０は、前上側ベース１０Ｅの左右両端
側、及び、後上側ベース１０Ｅの左右両端側の合計４か所に配置されている。
また、移動手段選択手段８０は、例えば、第１ボルト８１が前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆの両端部側の位置に配置され、かつ、第２ボルト８４が前上側ベース１０Ｅ又は後上側ベース１０Ｆの中央側寄りの位置に配置されている。
【0032】
移動手段選択手段８０の動作について、図４，図７に基づいて説明する。
尚、図７においては、第２の台車フレーム１０Ｙとしての後上側ベース１０Ｆに設けられた移動手段選択手段８０を図示している。
移動手段選択手段８０は、図４に示す状態において、前後方向移動手段８Ａの車輪、及び、左右方向移動手段８Ｂの車輪が、作業床Ｆに接触した状態である。この状態を初期状態とする。
次に、初期状態から、前後方向移動手段８Ａを使用する状態とする場合、図７（ａ）に示すように、第１ボルト８１の上端側に締結された第１ナット８２を緩めるか取り外した状態で、第２ボルト８４を回して下方にねじ込む。尚、他の３箇所の移動手段選択手段８０も同様に操作する。これにより、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ及び後上側ベース１０Ｆ）が上方に移動して、すべての左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…の車輪が、作業床Ｆ上から浮き上がった状態となる。
以上により、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…の車輪だけが作業床Ｆ上に接触した状態となるので、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…のみによる前後方向移動が可能となる。
即ち、前後方向移動可能状態に設定される。
次に、図７（ａ）に示す前後方向移動可能状態から左右方向移動可能状態とする場合、まず、第２ボルト８４を緩めたり取り外すことによって、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ及び後上側ベース１０Ｆ）が下方に移動して、すべての左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…の車輪が作業床Ｆ上に接触し、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…の車輪、及び、左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…の車輪が、ともに作業床Ｆ上に接触した初期状態となる。
その後、さらに、第１の台車フレーム１０Ｘを構成する左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒと前側連結ベース１０Ｃと後側連結ベース１０Ｄの上端面が、第２の台車フレーム１０Ｙの下端面に接触するまで、第１ボルト８１の上端側に螺着されている第１ナット８２を回して下方に移動させていく。これにより、第１ボルト８１及び第１の台車フレーム１０Ｘが上方に移動し、第１の台車フレーム１０Ｘに取付けられている前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…が作業床Ｆ上から浮き上がった状態となる。
以上により、左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…だけが作業床Ｆ上に接触した状態となるので、左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…のみによる左右方向移動が可能となる。
即ち、左右方向移動可能状態に設定される。
尚、図７においては、第２の台車フレーム１０Ｙとしての後上側ベース１０Ｆに設けられた移動手段選択手段８０を図示している。
移動手段選択手段８０は、図４に示す状態において、前後方向移動手段８Ａの車輪、及び、左右方向移動手段８Ｂの車輪が、作業床Ｆに接触した状態である。この状態を初期状態とする。
次に、初期状態から、前後方向移動手段８Ａを使用する状態とする場合、図７（ａ）に示すように、第１ボルト８１の上端側に締結された第１ナット８２を緩めるか取り外した状態で、第２ボルト８４を回して下方にねじ込む。尚、他の３箇所の移動手段選択手段８０も同様に操作する。これにより、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ及び後上側ベース１０Ｆ）が上方に移動して、すべての左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…の車輪が、作業床Ｆ上から浮き上がった状態となる。
以上により、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…の車輪だけが作業床Ｆ上に接触した状態となるので、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…のみによる前後方向移動が可能となる。
即ち、前後方向移動可能状態に設定される。
次に、図７（ａ）に示す前後方向移動可能状態から左右方向移動可能状態とする場合、まず、第２ボルト８４を緩めたり取り外すことによって、第２の台車フレーム１０Ｙ（前上側ベース１０Ｅ及び後上側ベース１０Ｆ）が下方に移動して、すべての左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…の車輪が作業床Ｆ上に接触し、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…の車輪、及び、左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…の車輪が、ともに作業床Ｆ上に接触した初期状態となる。
その後、さらに、第１の台車フレーム１０Ｘを構成する左右の連結ベース１０Ｌ，１０Ｒと前側連結ベース１０Ｃと後側連結ベース１０Ｄの上端面が、第２の台車フレーム１０Ｙの下端面に接触するまで、第１ボルト８１の上端側に螺着されている第１ナット８２を回して下方に移動させていく。これにより、第１ボルト８１及び第１の台車フレーム１０Ｘが上方に移動し、第１の台車フレーム１０Ｘに取付けられている前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…が作業床Ｆ上から浮き上がった状態となる。
以上により、左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…だけが作業床Ｆ上に接触した状態となるので、左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…のみによる左右方向移動が可能となる。
即ち、左右方向移動可能状態に設定される。
【0033】
つまり、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１によれば、移動手段８と、移動手段選択手段８０と、を備え、移動手段８は、作業床Ｆ上を一方向に移動可能なように設けられた一方向移動手段としての前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…と、作業床Ｆ上を一方向と直交する他方向に移動可能なように設けられた他方向移動手段としての左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…とを備え、移動手段選択手段８０は、前後方向移動手段８Ａ,８Ａ…及び左右方向移動手段８Ｂ,８Ｂ…のうちの一方の移動手段を作業床Ｆから離して他方の移動手段のみによる移動を可能とする機能を備えた構成とした。
【0034】
本出願人は、移動手段として自在キャスタを用いた鋼製セグメント製造設備を試作したが、当該自在キャスタを用いた鋼製セグメント製造設備では、鋼製セグメント製造設備の重量が重いため、当該鋼製セグメント製造設備を人力で方向転換させることが困難であることが判明した。
そこで、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１のように、移動手段８として固定キャスタを用い、かつ、移動手段選択手段８０を設けて、前後方向移動可能状態、左右方向移動可能状態、初期状態を選択できるように構成したので、人力での方向転換が容易で、かつ、作業時に停止させることも可能な鋼製セグメント製造設備１を得ることができるようになった。
そこで、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１のように、移動手段８として固定キャスタを用い、かつ、移動手段選択手段８０を設けて、前後方向移動可能状態、左右方向移動可能状態、初期状態を選択できるように構成したので、人力での方向転換が容易で、かつ、作業時に停止させることも可能な鋼製セグメント製造設備１を得ることができるようになった。
【0035】
次に、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１を使用した鋼製セグメント製造方法について、図８，図９に基づいて説明する。
尚、図８では、取付エリアＡ１、本溶接エリアＡ２、研削仕上げエリアＡ３、取外しエリアＡ４を備えた作業エリアＷＡにおいて、鋼製セグメントが製造される場合の製造手順を例示している。
まず、鋼製セグメント製造設備１を取付エリアＡ１に移動させて、仮組立後の鋼製セグメントを把持手段２に取付ける。
尚、仮組立後の鋼製セグメントとは、例えば、継手板、主桁、縦リブ、スキンプレート、図外の吊手板等の鋼製セグメント構成部品を予め製作しておいて、図８の仮組立エリアＡ０において、これら構成部品を所定の状態に組立てた後にスポット溶接などの仮溶接で仮付けを行うことにより製作された鋼製セグメントのことである。
取付エリアＡ１において把持手段２に鋼製セグメントが取付けられた鋼製セグメント製造設備１を、本溶接エリアＡ２まで移動させて、本溶接作業を行う。
本溶接作業が終了後、本溶接作業を経た鋼製セグメントが取付けられた鋼製セグメント製造設備１を研削仕上げエリアＡ３まで移動させて、鋼製セグメントの溶接部に対する研削仕上げ作業を行う。
研削仕上げ作業後、研削仕上げ作業を経た鋼製セグメントが取付けられた鋼製セグメント製造設備１を取外しエリアＡ４まで移動させた後、鋼製セグメント製造設備１の把持手段２から鋼製セグメントを取外して、鋼製セグメントの製品検査が行なわれた後に、搬出される。
尚、図８では、取付エリアＡ１、本溶接エリアＡ２、研削仕上げエリアＡ３、取外しエリアＡ４を備えた作業エリアＷＡにおいて、鋼製セグメントが製造される場合の製造手順を例示している。
まず、鋼製セグメント製造設備１を取付エリアＡ１に移動させて、仮組立後の鋼製セグメントを把持手段２に取付ける。
尚、仮組立後の鋼製セグメントとは、例えば、継手板、主桁、縦リブ、スキンプレート、図外の吊手板等の鋼製セグメント構成部品を予め製作しておいて、図８の仮組立エリアＡ０において、これら構成部品を所定の状態に組立てた後にスポット溶接などの仮溶接で仮付けを行うことにより製作された鋼製セグメントのことである。
取付エリアＡ１において把持手段２に鋼製セグメントが取付けられた鋼製セグメント製造設備１を、本溶接エリアＡ２まで移動させて、本溶接作業を行う。
本溶接作業が終了後、本溶接作業を経た鋼製セグメントが取付けられた鋼製セグメント製造設備１を研削仕上げエリアＡ３まで移動させて、鋼製セグメントの溶接部に対する研削仕上げ作業を行う。
研削仕上げ作業後、研削仕上げ作業を経た鋼製セグメントが取付けられた鋼製セグメント製造設備１を取外しエリアＡ４まで移動させた後、鋼製セグメント製造設備１の把持手段２から鋼製セグメントを取外して、鋼製セグメントの製品検査が行なわれた後に、搬出される。
【0036】
上述した鋼製セグメント製造方法において、取付エリアＡ１では、例えば図９（ａ）に示すように、把持手段２の連結フレーム２３を水平状態に設定するとともに、図外の揚重機などで吊上げた仮組立後の例えば鋼製セグメントＳＡを把持手段２に取付ける。
そして、本溶接エリアＡ２、研削仕上げエリアＡ３においては、例えば図９（ｂ）～（ｆ）に示すように、第１の回転中心線Ｃ１や第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として把持手段２に取付けられた鋼製セグメントを回転させることができるので、作業時に設定可能な鋼製セグメントの姿勢のバリエーションが増えるため、鋼製セグメントＳＡに対する溶接作業や研削作業を容易かつ効率的に行えるようになる。
例えば、図９に示すように、作業員Ｗが鋼製セグメント製造設備１の右側に位置して作業を行う場合、把持手段２に取付けられた鋼製セグメントの姿勢を様々に変更できるようになるとともに、作業員が同じ作業位置で作業を行うことが可能となり、鋼製セグメントＳＡに対する溶接作業や研削作業を容易かつ効率的に行えるようになる。
例えば、水平状態の把持手段２に取付けられた鋼製セグメントＳＡを図９（ｂ）に示すように第２の回転中心線Ｃ２を回転中心としてＲ２方向に回転させて、図９（ｂ）に示す鋼製セグメントＳＡの姿勢にて作業を行うことが可能となる。
また、図９（ｂ）に示す状態から、図９（ｃ）に示すように、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心としてＲ１方向に回転させることで、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させて作業を行うことが可能となる。
また、図９（ｂ）に示す状態から、図９（ｄ）に示すように、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心としてＲ２方向に回転させることで、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させて作業を行うことが可能となる。
また、図９（ｅ），（ｆ）に示すように、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心としてＲ１方向に回転させたり、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心としてＲ２方向に回転させることによって、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させて作業を行うことが可能となる。
そして、本溶接エリアＡ２、研削仕上げエリアＡ３においては、例えば図９（ｂ）～（ｆ）に示すように、第１の回転中心線Ｃ１や第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として把持手段２に取付けられた鋼製セグメントを回転させることができるので、作業時に設定可能な鋼製セグメントの姿勢のバリエーションが増えるため、鋼製セグメントＳＡに対する溶接作業や研削作業を容易かつ効率的に行えるようになる。
例えば、図９に示すように、作業員Ｗが鋼製セグメント製造設備１の右側に位置して作業を行う場合、把持手段２に取付けられた鋼製セグメントの姿勢を様々に変更できるようになるとともに、作業員が同じ作業位置で作業を行うことが可能となり、鋼製セグメントＳＡに対する溶接作業や研削作業を容易かつ効率的に行えるようになる。
例えば、水平状態の把持手段２に取付けられた鋼製セグメントＳＡを図９（ｂ）に示すように第２の回転中心線Ｃ２を回転中心としてＲ２方向に回転させて、図９（ｂ）に示す鋼製セグメントＳＡの姿勢にて作業を行うことが可能となる。
また、図９（ｂ）に示す状態から、図９（ｃ）に示すように、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心としてＲ１方向に回転させることで、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させて作業を行うことが可能となる。
また、図９（ｂ）に示す状態から、図９（ｄ）に示すように、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心としてＲ２方向に回転させることで、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させて作業を行うことが可能となる。
また、図９（ｅ），（ｆ）に示すように、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心としてＲ１方向に回転させたり、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心としてＲ２方向に回転させることによって、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させて作業を行うことが可能となる。
【0037】
尚、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１においては、第１の回転支持手段４が第１の回転体３の回転抵抗調整手段６Ｄを備えるとともに、第２の回転支持手段６が第２の回転体５の回転抵抗調整手段６Ｃを備えた構成としたので、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に維持させることができるようになる。
例えば、調整ナット６７を緩めてブッシング６１の後端面６１ｂとボス６０の環状壁面６０ｃとの摩擦力を小さくすることで、把持手段２に取付けられた鋼製セグメントを、Ｒ１方向に回転させたり、Ｒ２方向に回転させることで、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させることが可能となる。
また、調整ナット６７を締めてブッシング６１の後端面６１ｂとボス６０の環状壁面６０ｃとの摩擦力を大きくすることで、把持手段２に取付けられた鋼製セグメントの姿勢を、例えば上述した図９（ｂ）、図９（ｃ）、図９（ｄ）、図９（ｅ）、図９（ｆ）に示したような姿勢に維持することが可能となる。
例えば、調整ナット６７を緩めてブッシング６１の後端面６１ｂとボス６０の環状壁面６０ｃとの摩擦力を小さくすることで、把持手段２に取付けられた鋼製セグメントを、Ｒ１方向に回転させたり、Ｒ２方向に回転させることで、鋼製セグメントＳＡの姿勢を変化させることが可能となる。
また、調整ナット６７を締めてブッシング６１の後端面６１ｂとボス６０の環状壁面６０ｃとの摩擦力を大きくすることで、把持手段２に取付けられた鋼製セグメントの姿勢を、例えば上述した図９（ｂ）、図９（ｃ）、図９（ｄ）、図９（ｅ）、図９（ｆ）に示したような姿勢に維持することが可能となる。
【0038】
即ち、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１を用いて鋼製セグメントの製造作業を行えば、各作業エリアにおいて、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として、あるいは、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として、鋼製セグメントを回転させることができるようになって、かつ、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に維持させた状態で作業を行うことができるようになったので、製造作業を容易かつ効率的に行うことができるようになる。
即ち、作業時に設定可能な鋼製セグメントの姿勢のバリエーションが多くなるため、鋼製セグメント製造作業の作業性が良好になり、品質不良等も生じ難くなる。
即ち、作業時に設定可能な鋼製セグメントの姿勢のバリエーションが多くなるため、鋼製セグメント製造作業の作業性が良好になり、品質不良等も生じ難くなる。
【0039】
尚、図８に示すように、作業エリアＷＡの作業床Ｆには、取付エリアＡ１から取外しエリアＡ４まで直線状に連続する往路のガイドレール８Ｄが設けられているとともに、取外しエリアＡ４の横位置Ａ４Ｓから取付エリアＡ１の横位置Ａ１Ｓまで直線状に連続する復路のガイドレール８Ｄが設けられている。
従って、鋼製セグメント製造設備１を取付エリアＡ１から往路のガイドレール８Ｄに沿って取外しエリアＡ４まで往路移動させる際、あるいは、鋼製セグメント製造設備１を取外しエリアＡ４の横位置Ａ４Ｓから復路のガイドレール８Ｄに沿って取付エリアＡ１の横位置Ａ１Ｓまで移動させる際には、移動手段選択手段８０を操作して、前後方向移動可能状態に設定した後に、移動させる。
また、各エリアにおいて、作業を行う際には、移動手段選択手段８０を操作して、初期状態にすることで、鋼製セグメント製造設備１が移動しないように設定する。
また、鋼製セグメント製造設備１を取外しエリアＡ４から取外しエリアＡ４の横位置Ａ４Ｓまで移動させる際、あるいは、鋼製セグメント製造設備１を取付エリアＡ１の横位置Ａ１Ｓから取付エリアＡ１まで移動させる際には、移動手段選択手段８０を操作して、左右方向移動可能状態に設定した後に、移動させる。
従って、鋼製セグメント製造設備１を取付エリアＡ１から往路のガイドレール８Ｄに沿って取外しエリアＡ４まで往路移動させる際、あるいは、鋼製セグメント製造設備１を取外しエリアＡ４の横位置Ａ４Ｓから復路のガイドレール８Ｄに沿って取付エリアＡ１の横位置Ａ１Ｓまで移動させる際には、移動手段選択手段８０を操作して、前後方向移動可能状態に設定した後に、移動させる。
また、各エリアにおいて、作業を行う際には、移動手段選択手段８０を操作して、初期状態にすることで、鋼製セグメント製造設備１が移動しないように設定する。
また、鋼製セグメント製造設備１を取外しエリアＡ４から取外しエリアＡ４の横位置Ａ４Ｓまで移動させる際、あるいは、鋼製セグメント製造設備１を取付エリアＡ１の横位置Ａ１Ｓから取付エリアＡ１まで移動させる際には、移動手段選択手段８０を操作して、左右方向移動可能状態に設定した後に、移動させる。
【0040】
また、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１を用いた鋼製セグメントの製造方法においては、図８に示すように、鋼製セグメント製造設備１を往路と復路とで循環させるようにすることで、作業効率が向上する。
また、図８に示すように、鋼製セグメント製造設備１を往路と復路とで循環させるようにした循環製造ルートを複数ルート設けるようにすることで、さらに、作業効率が向上する。
図８では、鋼製セグメント製造設備１を２つ使用して、２つの循環製造ルートで製造作業を並行して行う例を例示している。
また、図８に示すように、鋼製セグメント製造設備１を往路と復路とで循環させるようにした循環製造ルートを複数ルート設けるようにすることで、さらに、作業効率が向上する。
図８では、鋼製セグメント製造設備１を２つ使用して、２つの循環製造ルートで製造作業を並行して行う例を例示している。
【0041】
以上説明したように、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備１によれば、第１の回転中心線Ｃ１を回転中心として、又は、第２の回転中心線Ｃ２を回転中心として、鋼製セグメントを回転できるように構成したので、鋼製セグメントの姿勢について設定可能なバリエーションを多くできるようになるため、鋼製セグメント製造作業の作業性を良好にできるようになり、品質不良等の発生を抑制できるようになる。
【0042】
また、把持手段２は、鋼製セグメントの主桁Ｍに形成されたリング間継手のための連結孔ＲＨに連結されて鋼製セグメントを把持するための連結部２１Ａ，２２Ａを備えたので、Ａ型セグメントＳＡ、Ｂ型セグメントＳＢ１、Ｂ型セグメントＳＢ２、Ｋ型セグメントＳＫのいずれのタイプの鋼製セグメントであっても、容易に把持することができる。
【符号の説明】
【0043】
１ 鋼製セグメント製造設備、２ 把持手段、３ 第１の回転体、
４ 第１の回転支持手段、５ 第２の回転体、６ 第２の回転支持手段、
６Ｃ 第２の回転体の回転抵抗調整手段、６Ｄ 第１の回転体の回転抵抗調整手段、
８ 移動手段、８Ａ 前後方向移動手段（一方向移動手段）、
８Ｂ 左右方向移動手段（他方向移動手段）、２１Ａ，２２Ａ 把持手段の連結部、
８０ 移動手段選択手段、Ｆ 作業床、Ｍ 主桁、ＲＨ 連結孔、
ＳＡ Ａ型セグメント（構成セグメント）。
４ 第１の回転支持手段、５ 第２の回転体、６ 第２の回転支持手段、
６Ｃ 第２の回転体の回転抵抗調整手段、６Ｄ 第１の回転体の回転抵抗調整手段、
８ 移動手段、８Ａ 前後方向移動手段（一方向移動手段）、
８Ｂ 左右方向移動手段（他方向移動手段）、２１Ａ，２２Ａ 把持手段の連結部、
８０ 移動手段選択手段、Ｆ 作業床、Ｍ 主桁、ＲＨ 連結孔、
ＳＡ Ａ型セグメント（構成セグメント）。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】