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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110516
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】印刷媒体およびテープカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20240808BHJP
   B41J 17/32 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G09F3/00 N
B41J17/32 A
G09F3/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015115
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 篤史
(72)【発明者】
【氏名】石本 章雄
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 正志
【テーマコード(参考)】
2C068
【Fターム(参考)】
2C068AA06
2C068AA15
2C068EE03
2C068EE23
2C068EE27
(57)【要約】
【課題】台紙の幅方向の端部やラベル部に対して台紙の幅方向外側に外れた位置に検出対象部を設けずとも、単位長さ当たりのラベル部の個数を多くすることができる印刷媒体を提供する。
【解決手段】台紙203と、台紙203の長さ方向に1列に並んで台紙203に貼付された複数のラベル部205と、台紙203のうち、台紙203の長さ方向に平行な2辺を有しラベル部205に外接する仮想長方形215の内側であって、ラベル部205以外の領域であるラベル外領域213に設けられた複数の検出マーク211と、を備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙と、
前記台紙の長さ方向に1列に並んで前記台紙に貼付された複数のラベル部と、
前記台紙のうち、前記台紙の長さ方向に平行な2辺を有し前記ラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、前記ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、
を備えたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項2】
台紙と、
前記台紙の長さ方向および前記台紙の幅方向にマトリクス状に並んで前記台紙に貼付された複数のラベル部と、
前記台紙のうち、前記台紙の長さ方向に平行な2辺を有し、前記台紙の幅方向に並ぶ複数の前記ラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、前記台紙の幅方向に並ぶ複数の前記ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、
を備えたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項3】
複数の前記検出対象部として、前記台紙に印刷された複数の検出マーク、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷媒体。
【請求項4】
複数の前記検出対象部として、前記台紙に開口した複数の検出開口、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷媒体。
【請求項5】
前記台紙は、透光性であり、
前記台紙に設けられ、前記台紙よりも透光性の低い複数の第1透光性領域、を備え、
複数の前記検出対象部として、前記第1透光性領域に対して前記台紙の長さ方向に隣り合い、前記台紙で構成された複数の第2透光性領域、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷媒体。
【請求項6】
印刷媒体と、
前記印刷媒体を収容したカートリッジケースと、を備え、
前記印刷媒体は、
台紙と、
前記台紙の長さ方向に1列に並んで前記台紙に貼付された複数のラベル部と、
前記台紙のうち、前記台紙の長さ方向に平行な2辺を有し前記ラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、前記ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、
を有することを特徴とするテープカートリッジ。
【請求項7】
印刷媒体と、
前記印刷媒体を収容したカートリッジケースと、を備え、
前記印刷媒体は、
台紙と、
前記台紙の長さ方向および前記台紙の幅方向にマトリクス状に並んで前記台紙に貼付された複数のラベル部と、
前記台紙のうち、前記台紙の長さ方向に平行な2辺を有し、前記台紙の幅方向に並ぶ複数の前記ラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、前記台紙の幅方向に並ぶ複数の前記ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、
を有することを特徴とするテープカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体およびテープカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1が開示するように、ラベルに対してダイカットテープの幅方向外側に外れた位置に、ラベルプリンターのマークセンサーにより検出されるセンサーマークが設けられたダイカットテープが知られている。また、特許文献2が開示するように、ラベル用紙の長さ方向に並ぶ複数の被印刷領域の相互間に、プリンターのセンサーにより検出される開口部や黒色マークが設けられたラベル用紙が知られている。さらに、特許文献3が開示するように、台紙の幅方向に複数のラベル部が貼付され、台紙の幅方向の端部に、テープ印刷装置の検出部により検出される切欠き部が設けられたテープが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-025434号公報
【特許文献2】特開2018-069579号公報
【特許文献3】特開2020-001303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、印刷媒体の幅方向におけるサーマルヘッドの印刷長さが拡大しており、印刷媒体の幅に近づいている。このため、印刷媒体の長さ方向に複数のラベル部が貼付された印刷媒体において、センサーに検出される検出対象部を、印刷媒体の幅方向の端部やラベル部に対して印刷媒体の幅方向外側に外れた位置に設けると、サーマルヘッドの印刷長さを最大限に活かした印刷を行うことができない。しかしながら、複数のラベル部の相互間に検出対象部を設けると、ラベル部相互の間隔が大きくなり、印刷媒体の単位長さ当たりのラベル部の個数が減少してしまうという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向に1列に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有しラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を備えた。
【0006】
本発明の印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向および台紙の幅方向にマトリクス状に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有し、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を備えた。
【0007】
本発明のテープカートリッジは、印刷媒体と、印刷媒体を収容したカートリッジケースと、を備え、印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向に1列に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有しラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を有する。
【0008】
本発明のテープカートリッジは、印刷媒体と、印刷媒体を収容したカートリッジケースと、を備え、印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向および台紙の幅方向にマトリクス状に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有し、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】テープカートリッジおよびテープ印刷装置の斜視図である。
図2】第1実施形態の印刷媒体を示す図である。
図3】印刷媒体に対するテープ印刷装置の印刷動作を示す図である。
図4図3に続き、印刷媒体に対するテープ印刷装置の印刷動作を示す図である。
図5図4に続き、印刷媒体に対するテープ印刷装置の印刷動作を示す図である。
図6図5に続き、印刷媒体に対するテープ印刷装置の印刷動作を示す図である。
図7】第2実施形態の印刷媒体を示す図である。
図8】第1実施形態の印刷媒体の変形例を示す図である。
図9】第2実施形態の印刷媒体の変形例を示す図である。
図10】第1実施形態の印刷媒体の他の変形例を示す図である。
図11】第2実施形態の印刷媒体の他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、印刷媒体の一実施形態について説明する。なお、以下では、各図に示したXYZ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0011】
[テープカートリッジ]
図1に基づいて、印刷媒体201を収容したテープカートリッジ101について説明する。テープカートリッジ101は、プラテンローラー103と、テープコア105と、繰出しコア107と、巻取りコア109と、これらを収容したカートリッジケース111とを備えている。
【0012】
テープコア105には、テープ状の印刷媒体201が巻回されている。繰出しコア107には、インクリボン113が巻回されている。繰出しコア107から繰り出されたインクリボン113は、巻取りコア109に巻き取られる。カートリッジケース111には、ヘッド挿通孔115が、Z方向に貫通して設けられている。また、カートリッジケース111の-X方向の面には、Z方向に延在するテープ送出口117が設けられている。テープコア105から繰り出された印刷媒体201は、テープ送出口117からカートリッジケース111外に送り出される。
【0013】
[テープ印刷装置]
図1に基づいて、テープカートリッジ101が装着されるテープ印刷装置1について説明する。テープ印刷装置1は、装置ケース3と、装着部カバー5とを備えている。装置ケース3の+Z方向の面には、キーボード7と、ディスプレー9と、カートリッジ装着部11とが設けられている。
【0014】
キーボード7は、ユーザーからの入力操作を受け付ける。ディスプレー9は、キーボード7からの入力結果のほか、各種情報を表示する。カートリッジ装着部11は、+Z方向が開放された凹部である。カートリッジ装着部11には、テープカートリッジ101が着脱可能に装着される。装着部カバー5は、装置ケース3の+Y方向の端部に回動可能に取り付けられており、カートリッジ装着部11を開閉する。
【0015】
カートリッジ装着部11の底面からは、プラテン軸13と、繰出し軸15と、巻取り軸17とが、+Z方向に突出している。カートリッジ装着部11にテープカートリッジ101が装着されると、プラテン軸13、繰出し軸15および巻取り軸17が、それぞれ、プラテンローラー103、繰出しコア107および巻取りコア109と係合する。
【0016】
テープ印刷装置1に備えられたモーター(図示省略)が第1回転方向に回転すると、印刷媒体201がテープ送出口117からカートリッジケース111外へ送り出されると共にインクリボン113が巻取りコア109に巻き取られるように、プラテンローラー103および巻取りコア109が回転する。なお、このとき印刷媒体201が送られる方向を、第1送り方向D1(図3参照)という。モーターが第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転すると、印刷媒体201がカートリッジケース111内に引き戻されると共にインクリボン113が繰出しコア107に巻き戻されるように、プラテンローラー103および繰出しコア107が回転する。なお、このとき印刷媒体201が送られる方向を、第2送り方向D2(図3参照)という。第2送り方向D2は、第1送り方向D1とは反対方向である。
【0017】
カートリッジ装着部11には、サーマルヘッド19と、ヘッドカバー21とが設けられている。サーマルヘッド19は、発熱素子(図示省略)を備え、印刷媒体201に印刷を行う。ヘッドカバー21は、サーマルヘッド19を部分的に覆っている。
【0018】
カートリッジ装着部11にテープカートリッジ101が装着されると、サーマルヘッド19およびヘッドカバー21がヘッド挿通孔115に挿通される。続いて、装着部カバー5が閉められると、図示省略したヘッド移動機構により、サーマルヘッド19がプラテンローラー103に向かって移動する。これにより、サーマルヘッド19とプラテンローラー103との間に、印刷媒体201およびインクリボン113が挟持される。この状態でプラテンローラー103および巻取りコア109が回転すると、印刷媒体201およびインクリボン113が送られる。このとき、サーマルヘッド19が発熱することで、インクリボン113のインクが印刷媒体201に転写され、キーボード7からの入力結果に基づく印刷画像が印刷媒体201に印刷される。
【0019】
装置ケース3の-X方向の面には、テープ排出口23が設けられている。テープ排出口23からは、印刷済みの印刷媒体201が排出される。カートリッジ装着部11とテープ排出口23との間には、カッター25が設けられている。カッター25は、印刷媒体201を印刷媒体201の幅方向に切断する。これにより、印刷媒体201の印刷済み部分が切り離される。なお、図1では図示省略したが、サーマルヘッド19とカッター25との間には、後述するセンサー27(図3参照)が設けられている。
【0020】
[第1実施形態]
図2に基づいて、印刷媒体の第1実施形態である印刷媒体201Aについて説明する。なお、印刷媒体201Aと後述する第2実施形態の印刷媒体201Bとを特に区別しない場合には、両者をまとめて印刷媒体201という。印刷媒体201Aは、台紙203と、台紙203に貼付された複数のラベル部205とを備えている。
【0021】
台紙203は、テープ状に形成されている。すなわち、台紙203は、細長い略長方形状に形成されている。台紙203の長さは、例えば約8mである。台紙203の幅は、種々のものが用意されているが、その最大幅は、例えば約36mmである。また、本実施形態では、台紙203の長さ方向を、X方向とし、台紙203の幅方向を、Z方向とする。なお、台紙203の長さ方向は、印刷媒体201Aの長さ方向と同じであり、台紙203の幅方向は、印刷媒体201Aの幅方向と同じである。台紙203の素材は、特に限定されず、例えば、紙製でもよく、樹脂製でもよい。
【0022】
複数のラベル部205は、台紙203の長さ方向に1列に並んで台紙203に貼付されている。なお、本実施形態では、複数のラベル部205は、略等間隔に並んでいるが、これに限定されず、非等間隔でもよい。
【0023】
ラベル部205は、印刷媒体201Aのうち、テープ印刷装置1により印刷が行われる部分である。すなわち、テープ印刷装置1は、印刷媒体201Aのうち、ラベル部205に印刷を行うが、台紙203には印刷を行わない。ラベル部205のうち、テープ印刷装置1により印刷が行われる領域を、印刷領域207いう。ラベル部205は、印刷後、台紙203から剥がされ、他の物品に貼付される。なお、ラベル部205の形状は、特に限定されるものではなく、図2に示した三角形のほか、例えば、三角形以外の多角形、円形或いは楕円形でもよい。
【0024】
台紙203の長さ方向において、ラベル部205とラベル部205との中間位置に相当する箇所を、切断予定箇所209という。印刷媒体201Aは、カッター25により、切断予定箇所209、すなわち、ラベル部205とラベル部205との中間位置で、切断される。
【0025】
台紙203には、複数のラベル部205に1対1に対応して、複数の検出マーク211が設けられている。検出マーク211は、台紙203に例えば黒色で印刷されたものであり、センサー27により検出される検出対象部として機能する。なお、検出マーク211の形状は、特に限定されるものではなく、図2に示した台紙203の幅方向に長い長方形のほか、例えば、長方形以外の多角形、円形或いは楕円形でもよい。また、検出マーク211が印刷される面は、特に限定されるものではなく、図2に示したようにラベル部205が貼付された面でもよく、図示省略したがラベル部205が貼付された面とは反対側の面でもよい。
【0026】
検出マーク211は、ラベル外領域213に設けられている。ラベル外領域213は、台紙203のうち、仮想長方形215の内側であって、ラベル部205以外の領域である。
【0027】
ここで、仮想長方形215とは、台紙203の長さ方向に平行な2辺を有し、ラベル部205に外接した仮想的な長方形を意味する。すなわち、仮想長方形215を構成する4辺のうち、2辺は、台紙203の長さ方向に平行であり、他の2辺は、台紙203の幅方向に平行である。仮想長方形215を構成する4辺のうち、+X方向の1辺は、ラベル部205の+X方向の端部と接し、-X方向の1辺は、ラベル部205の-X方向の端部と接し、+Z方向の1辺は、ラベル部205の+Z方向の端部と接し、-Z方向の1辺は、ラベル部205の-Z方向の端部と接する。本実施形態では、検出マーク211は、台紙203において、台紙203の幅方向の中間位置に設けられているが、これに限定されず、ラベル外領域213であれば、台紙203の幅方向においていずれの位置に設けられてもよい。
【0028】
なお、台紙203の長さ方向における印刷領域207の寸法を、印刷領域寸法L1という。また、台紙203の長さ方向において、検出マーク211の-X方向の端部と、印刷領域207の-X方向の端部との寸法を、印刷前寸法L2という。なお、-X方向は、印刷媒体201Aの先端側に相当する。また、台紙203の長さ方向において、印刷領域207の+X方向の端部と、その印刷領域207に対して+X方向に位置する切断予定箇所209との寸法を、印刷後寸法L3という。
【0029】
印刷領域寸法L1、印刷前寸法L2および印刷後寸法L3は、テープカートリッジ101の種類ごとに決められた値である。なお、異なる種類のテープカートリッジ101には、異なる種類の印刷媒体201Aが収容されている。テープ印刷装置1は、印刷領域寸法L1、印刷前寸法L2および印刷後寸法L3を、テープカートリッジ101の種類ごとに記憶している。テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ101の種類を検出することにより、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ101に収容された印刷媒体201Aの印刷領域寸法L1、印刷前寸法L2および印刷後寸法L3を取得する。
【0030】
[印刷動作]
図3ないし図6に基づいて、印刷媒体201Aに対するテープ印刷装置1の印刷動作について説明する。テープ印刷装置1は、サーマルヘッド19とカッター25との間に設けられたセンサー27を備えている。センサー27としては、例えば、透過型の光センサー或いは反射型の光センサーを用いることができる。センサー27は、台紙203の幅方向において、印刷媒体201Aに設けられた検出マーク211が通過する位置に設けられている。なお、印刷媒体201Aの送り方向において、サーマルヘッド19による印刷位置と、センサー27による検出位置との距離を、ヘッドセンサー間距離Sといい、サーマルヘッド19による印刷位置と、カッター25による切断位置との距離を、ヘッドカッター間距離Cという。ヘッドセンサー間距離Sおよびヘッドカッター間距離Cは、テープ印刷装置1に記憶されている。
【0031】
図3に示すように、テープ印刷装置1は、印刷動作を開始すると、印刷媒体201Aを第1送り方向D1或いは第2送り方向D2に送り、センサー27により検出マーク211、より具体的には検出マーク211の-X方向の端部、を検出する。本実施形態では、前回の印刷動作で、カッター25により印刷媒体201Aが切断され印刷媒体201Aの送りが終了した時点では、センサー27に対して検出マーク211の-X方向の端部が、-X方向に位置している(図6参照)。このため、テープ印刷装置1は、印刷動作を開始すると、印刷媒体201Aを+X方向すなわち第2送り方向D2に送って、検出マーク211を検出する。
【0032】
図4に示すように、テープ印刷装置1は、検出マーク211を検出した後、第1距離分、印刷媒体201Aを第1送り方向D1に送る。第1距離とは、台紙203の長さ方向において、印刷前寸法L2(図2参照)から、ヘッドセンサー間距離Sを引いた差に相当する。テープ印刷装置1は、印刷媒体201Aを第1距離分送った時点から、サーマルヘッド19により、ラベル部205の印刷領域207に対する印刷を開始する。
【0033】
図5に示すように、テープ印刷装置1は、印刷媒体201Aを第1距離分送った後、第2距離分、印刷媒体201Aを第1送り方向D1に送る。第2距離とは、印刷領域寸法L1(図2参照)に相当する。テープ印刷装置1は、印刷媒体201Aを第2距離分送った時点で、サーマルヘッド19によるラベル部205の印刷領域207に対する印刷を終了する。
【0034】
図6に示すように、テープ印刷装置1は、印刷媒体201Aを第2距離分送った後、第3距離分、印刷媒体201Aを第1送り方向D1に送る。第3距離とは、印刷後寸法L3(図2参照)と、ヘッドカッター間距離Cとの和に相当する。テープ印刷装置1は、印刷媒体201Aを第3距離分送った時点で、カッター25により印刷媒体201Aを切断予定箇所209で切断する。カッター25による印刷媒体201Aの切断後、テープ印刷装置1は印刷動作を終了する。
【0035】
このように、ラベル部205ごとに設けられた検出マーク211の検出に基づいて、サーマルヘッド19によるラベル部205の印刷領域207に対する印刷およびカッター25による印刷媒体201Aの切断が行われる。このため、ラベル部205の印刷領域207に対して、印刷画像が位置ずれして印刷されることを抑制することができ、また、切断予定箇所209に対して位置ずれした箇所で印刷媒体201Aが切断されることを抑制することができる。
【0036】
以上のように、第1実施形態の印刷媒体201Aは、台紙203と、複数のラベル部205と、複数の検出マーク211とを備えている。複数のラベル部205は、台紙203の長さ方向に1列に並んで台紙203に貼付されている。複数の検出マーク211は、台紙203のうち、ラベル外領域213に設けられている。ラベル外領域213は、仮想長方形215の内側であって、ラベル部205以外の領域である。仮想長方形215は、台紙203の長さ方向に平行な2辺を有し、ラベル部205に外接したものである。
【0037】
この構成によれば、検出マーク211がラベル外領域213に設けられていることで、検出マーク211が台紙203の長さ方向に並んだ複数のラベル部205の相互間に設けられた構成に比べて、ラベル部205相互の間隔を小さくすることができる。したがって、台紙203の幅方向の端部やラベル部205に対して台紙203の幅方向外側に外れた位置に検出マーク211を設けずとも、印刷媒体201Aの単位長さ当たりのラベル部205の個数を多くすることができる。
【0038】
[第2実施形態]
図7に基づいて、印刷媒体の第2実施形態である印刷媒体201Bについて説明する。なお、印刷媒体201Aと同様に構成されている点については、説明を省略する。
【0039】
印刷媒体201Bは、複数のラベル部205が台紙203の長さ方向および台紙203の幅方向にマトリクス状に並んで台紙203に貼付されている点で、複数のラベル部205が台紙203の長さ方向に1列に並んで台紙203に貼付された印刷媒体201Aと相違する。すなわち、印刷媒体201Bでは、複数のラベル部205が複数の列に分かれ、各列において、複数のラベル部205が台紙203の長さ方向に並ぶと共に、複数列の相互間において、ラベル部205が台紙203の幅方向に並んでいる。なお、複数のラベル部205の列数は、複数であれば特に限定されるものではなく、図7に示した2列のほか、3列でもよい。また、図7に示したラベル部205は、凹八角形状、すなわち大小2つの長方形が台紙203の長さ方向に連なった形状に形成されているが、上述したように、ラベル部205の形状は、特に限定されるものではない。
【0040】
台紙203には、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205ごとに、検出マーク211が設けられている。検出マーク211は、ラベル外領域213に設けられている。ラベル外領域213は、台紙203のうち、仮想長方形215の内側であって、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205以外の領域である。
【0041】
ここで、仮想長方形215とは、台紙203の長さ方向に平行な2辺を有し、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205に外接した仮想的な長方形を意味する。すなわち、仮想長方形215を構成する4辺のうち、2辺は、台紙203の長さ方向に平行であり、他の2辺は、台紙203の幅方向に平行である。仮想長方形215を構成する4辺のうち、+X方向の1辺は、台紙203の幅方向に並ぶ各ラベル部205の+X方向の端部と接し、-X方向の1辺は、台紙203の幅方向に並ぶ各ラベル部205の-X方向の端部と接する。また、仮想長方形215を構成する4辺のうち、+Z方向の1辺は、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205のなかで最も+Z方向に位置するラベル部205の+Z方向の端部と接し、-Z方向の1辺は、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205のなかで最も-Z方向に位置するラベル部205の-Z方向の端部と接する。
【0042】
以上のように、第2実施形態の印刷媒体201Bは、台紙203と、複数のラベル部205と、複数の検出マーク211とを備えている。複数のラベル部205は、台紙203の長さ方向および台紙203の幅方向にマトリクス状に並んで台紙203に貼付されている。複数の検出マーク211は、台紙203のうち、ラベル外領域213に設けられている。ラベル外領域213は、仮想長方形215の内側であって、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205以外の領域である。仮想長方形215は、台紙203の長さ方向に平行な2辺を有し、台紙203の幅方向に並ぶ複数のラベル部205に外接したものである。
【0043】
この構成によれば、検出マーク211がラベル外領域213に設けられていることで、検出マーク211が台紙203の長さ方向に並んだ複数のラベル部205の相互間に設けられた構成に比べて、ラベル部205相互の間隔を小さくすることができる。したがって、台紙203の幅方向の端部やラベル部205に対して台紙203の幅方向外側に外れた位置に検出マーク211を設けずとも、印刷媒体201Aの単位長さ当たりのラベル部205の個数を多くすることができる。
【0044】
[その他の変形例]
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。また、実施形態や変形例を、それぞれ組み合わせた構成でもよい。
【0045】
印刷媒体201Aは、センサー27に検出される検出対象部として、検出マーク211を備えた構成に限定されず、図8に示すように、検出開口217を備えた構成でもよい。同様に、印刷媒体201Bは、検出対象部として、図9に示すように、検出開口217を備えた構成でもよい。検出開口217は、台紙203に開口した貫通穴である。検出開口217の形状は、特に限定されるものではなく、図8図9に示した長方形のほか、例えば、長方形以外の多角形、円形或いは楕円形でもよい。なお、印刷媒体201Aや印刷媒体201Bが検出対象部として検出開口217を備えた構成では、台紙203は、非透光性であることが好ましい。
【0046】
印刷媒体201Aは、検出対象部として、図10に示すように、台紙203で構成された第2透光性領域221を備えた構成でもよい。同様に、印刷媒体201Bは、検出対象部として、図11に示すように、台紙203で構成された第2透光性領域221を備えた構成でもよい。
【0047】
図10および図11に示した変形例では、台紙203は、透光性である。また、台紙203には、複数のラベル部205に加え、複数の貼付部219が貼付されている。貼付部219は、台紙203よりも透光性が低く、第1透光性領域として機能する。台紙203のうち、貼付部219に対して台紙203の長さ方向すなわち-X方向に隣り合う領域が、第2透光性領域221として機能する。なお、貼付部219の形状は、特に限定されるものではなく、図10図11に示した長方形のほか、例えば、長方形以外の多角形、円形或いは楕円形でもよい。貼付部219は、ラベル部205と同じ素材で構成されてもよく、ラベル部205とは異なる素材で構成されてもよい。
【0048】
貼付部219が貼付される面は、特に限定されるものではなく、図10図11に示したようにラベル部205が貼付された面でもよく、図示省略したがラベル部205が貼付された面とは反対側の面でもよい。もっとも、ラベル部205が貼付された面に貼付部219が貼付された構成の方が、ラベル部205が貼付された面とは反対側の面に貼付部219が貼付された構成に比べ、印刷媒体201がプラテンローラー103などに引っ掛かることが抑制されるため、好ましい。なお、台紙203よりも透光性が低い第1透光性領域としては、貼付部219に限定されず、例えば、台紙203に黒色などで印刷された部分を第1透光性領域として機能させてもよい。
【0049】
台紙203の幅方向における検出マーク211などの検出対象部の位置は、印刷媒体201間で共通である必要はなく、テープカートリッジ101の種類ごとに異なる構成でもよい。これにより、ラベル部205の形状に応じた位置に、検出対象部を設けることができる。この場合、テープ印刷装置1は、台紙203の幅方向に移動可能なセンサー27を備え、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ101の種類を検出することにより、テープカートリッジ101の種類に応じた位置にセンサー27を移動させればよい。
【0050】
印刷媒体201は、カートリッジケース111に収容されたテープカートリッジ101として提供される態様に限定されず、印刷媒体201それ自体として提供される態様でもよい。
【0051】
[付記]
以下、印刷媒体およびテープカートリッジについて付記する。
印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向に1列に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有しラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を備えた。
【0052】
この構成によれば、検出対象部がラベル外領域に設けられていることで、検出対象部が台紙の長さ方向に並んだ複数のラベル部の相互間に設けられた構成に比べて、ラベル部相互の間隔を小さくすることができる。したがって、台紙の幅方向の端部やラベル部に対して台紙の幅方向外側に外れた位置に検出対象部を設けずとも、印刷媒体の単位長さ当たりのラベル部の個数を多くすることができる。
【0053】
印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向および台紙の幅方向にマトリクス状に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有し、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を備えた。
【0054】
この構成によれば、検出対象部がラベル外領域に設けられていることで、検出対象部が台紙の長さ方向に並んだ複数のラベル部の相互間に設けられた構成に比べて、ラベル部相互の間隔を小さくすることができる。したがって、台紙の幅方向の端部やラベル部に対して台紙の幅方向外側に外れた位置に検出対象部を設けずとも、印刷媒体の単位長さ当たりのラベル部の個数を多くすることができる。
【0055】
この場合、複数の検出対象部として、台紙に印刷された複数の検出マーク、を備えたことが好ましい。
【0056】
この構成によれば、台紙に検出対象部を設けたことにより台紙の強度や走行性が低下することを、抑制することができる。
【0057】
この場合、複数の検出対象部として、台紙に開口した複数の検出開口、を備えたことが好ましい。
【0058】
この構成によれば、台紙に検出開口を開口させるという簡易な構成で、台紙に検出対象部を設けることができる。
【0059】
この場合、台紙は、透光性であり、台紙に設けられ、台紙よりも透光性の低い複数の第1透光性領域、を備え、複数の検出対象部として、第1透光性領域に対して台紙の長さ方向に隣り合い、台紙で構成された複数の第2透光性領域、を備えたことが好ましい。
【0060】
この構成によれば、台紙が透光性である場合に、台紙よりも透光性の低い第1透光性領域を台紙に設けることで、台紙で構成された第2透光性領域を、検出対象部として機能させることができる。
なお、貼付部219は、「第1透光性領域」の一例である。
【0061】
テープカートリッジは、印刷媒体と、印刷媒体を収容したカートリッジケースと、を備え、印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向に1列に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有しラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、ラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を有する。
【0062】
この構成によれば、検出対象部がラベル外領域に設けられていることで、検出対象部が台紙の長さ方向に並んだ複数のラベル部の相互間に設けられた構成に比べて、ラベル部相互の間隔を小さくすることができる。したがって、台紙の幅方向の端部やラベル部に対して台紙の幅方向外側に外れた位置に検出対象部を設けずとも、印刷媒体の単位長さ当たりのラベル部の個数を多くすることができる。
【0063】
テープカートリッジは、印刷媒体と、印刷媒体を収容したカートリッジケースと、を備え、印刷媒体は、台紙と、台紙の長さ方向および台紙の幅方向にマトリクス状に並んで台紙に貼付された複数のラベル部と、台紙のうち、台紙の長さ方向に平行な2辺を有し、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部に外接する仮想長方形の内側であって、台紙の幅方向に並ぶ複数のラベル部以外の領域であるラベル外領域に設けられた複数の検出対象部と、を有する。
【0064】
この構成によれば、検出対象部がラベル外領域に設けられていることで、検出対象部が台紙の長さ方向に並んだ複数のラベル部の相互間に設けられた構成に比べて、ラベル部相互の間隔を小さくすることができる。したがって、台紙の幅方向の端部やラベル部に対して台紙の幅方向外側に外れた位置に検出対象部を設けずとも、印刷媒体の単位長さ当たりのラベル部の個数を多くすることができる。
【符号の説明】
【0065】
101:テープカートリッジ、111:カートリッジケース、201:印刷媒体、205:ラベル部、211:検出マーク、213:ラベル外領域、215:仮想長方形、217:検出開口、219:貼付部、221:第2透光性領域。
図1
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図10
図11