(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110519
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/16 20060101AFI20240808BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240808BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 E
H04N5/74 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015118
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】門谷 典和
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA22
2K203FA32
2K203FB03
2K203GA03
2K203GB02
2K203GB27
2K203HA33
2K203KA07
2K203KA47
2K203LA02
2K203LA03
2K203LA06
2K203LA13
2K203LA22
2K203LA26
2K203LA27
2K203LA29
2K203LA32
2K203LA36
2K203LA37
2K203LA52
2K203LA54
2K203LA57
2K203MA12
2K203MA32
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA52
(57)【要約】
【課題】熱源の冷却効率を高めつつ、小型化できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、光源と、光源からの光の光路に交差する第1面を有し、光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、光変調素子及び光路変更素子を収容するケースと、ケースと光路変更素子との間に配置され、第1面に第1方向に沿って第1気流を流通させる第1ファンと、ケースと光路変更素子との間に配置され、第1面に第1方向とは異なる第2方向に沿って第2気流を流通させる第2ファンと、第1気流と第2気流とが衝突して発生し、第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光の光路に交差する第1面を有し、前記光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、
前記光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、
前記光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、
前記光変調素子及び前記光路変更素子を収容するケースと、
前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、前記第1面に第1方向に沿って第1気流を流通させる第1ファンと、
前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、前記第1面に前記第1方向とは異なる第2方向に沿って第2気流を流通させる第2ファンと、
前記第1気流と前記第2気流とが衝突して発生し、前記第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1気流の流量を検出する第1風量センサーと、
前記第2気流の流量を検出する第2風量センサーと、
前記第1風量センサーの検出結果及び前記第2風量センサーの検出結果に基づいて、前記第1ファン及び前記第2ファンのうち少なくとも一方のファンを制御して、前記第1気流の流量及び前記第2気流の流量を制御する制御部と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1ファンは、前記光路変更素子に対して前記投射レンズとは反対側に配置され、
前記第2ファンは、前記光路変更素子に対して前記光変調素子とは反対側に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
光源と、
前記光源からの光の光路に交差する第1面を有し、前記光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、
前記光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、
前記光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、
前記光変調素子及び前記光路変更素子を収容するケースと、
前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、気流を流通させる1つのファンと、
前記ファンからの気流を分流した第1気流及び第2気流のうち、第1気流を第1方向に沿って前記第1面に流通させ、第2気流を前記第1方向とは異なる第2方向に沿って前記第1面に流通させる分流部と、
前記第1気流と前記第2気流とが衝突して発生し、前記第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項4に記載のプロジェクターにおいて、
前記分流部にて分流された前記第1気流を前記第1面に前記第1方向に沿って流通させる第1ダクトと、
前記分流部にて分流された前記第2気流を前記第1面に前記第2方向に沿って流通させる第2ダクトと、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記冷却器は、複数の受熱フィンを有し、前記複数の受熱フィンの間に前記第3気流を通過させて、前記複数の受熱フィンの延在方向に沿って前記ケースと前記光路変更素子との間に前記第3気流を流通させる熱交換ダクトである、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクターにおいて、
前記熱交換ダクトは、前記第1面に対する前記第1気流及び前記第2気流のそれぞれの流通方向に対して交差する方向に配置されて、前記複数の受熱フィンの間に前記第3気流を流入させる流入部を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項7に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3気流を、前記熱交換ダクトに案内する案内路を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記光変調素子に対する光入射側に配置された入射側偏光板と
前記光変調素子に対する光出射側に配置された出射側偏光板と、を備え、
前記光変調素子は、液晶パネルであり、
前記第1気流の一部と前記第2気流の一部とは、前記入射側偏光板及び前記出射側偏光板のうち少なくとも一方の偏光板の表面に沿って流通する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記ケースの内部は、密閉されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項10に記載のプロジェクターにおいて、
外部の気体を内部に導入する導入口、及び、内部の気体を外部に排出する排出口を有し、前記ケースを内部に収容する外装筐体と、
前記外装筐体と前記ケースとの間に配置されて、前記導入口を介して前記外装筐体の内部に導入した気体を前記ケースに流通させる冷却ファンと、を備え、
前記ケースは、前記ケース内の気体の熱を放熱する外面を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項12】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記光源における光出射側の部分は、前記ケース内に露出し、
前記第1気流の一部と前記第2気流の一部とは、前記光源において前記ケース内の露出した部分にて衝突する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項13】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記光源は、面状光源である、ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射された光を変調して画像を形成し、形成した画像を投射するプロジェクターが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、光源、LCDパネル、投射レンズ及び反射ミラーを含む。LCDパネルは、光源から入射する光線を変調して投影画像を形成する。反射ミラーは、LCDパネルを介して投射レンズから入射する投影画像を反射し、投影画像を投影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のプロジェクターは、比較的小型に構成できる。しかしながら、投影画像の輝度を高めるために光源から出射される光線の光量を高めると、LCDパネルの発熱量が大きくなることから、LCDパネルの冷却効率を高める必要が生じる。これに対し、LCDパネルの冷却効率を高めるために比較的大きな冷却装置をプロジェクターに採用すると、プロジェクターが大型化するという問題がある。
このため、熱源の冷却効率を高めつつ、小型化できるプロジェクターの構成が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係るプロジェクターは、光源と、前記光源からの光の光路に交差する第1面を有し、前記光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、前記光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、前記光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、前記光変調素子及び前記光路変更素子を収容するケースと、前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、前記第1面に第1方向に沿って第1気流を流通させる第1ファンと、前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、前記第1面に前記第1方向とは異なる第2方向に沿って第2気流を流通させる第2ファンと、前記第1気流と前記第2気流とが衝突して発生し、前記第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備える。
【0006】
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、光源と、前記光源からの光の光路に交差する第1面を有し、前記光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、前記光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、前記光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、前記光変調素子及び前記光路変更素子を収容するケースと、前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、気流を流通させる1つのファンと、前記ファンからの気流を分流した第1気流及び第2気流のうち、第1気流を第1方向に沿って前記第1面に流通させ、第2気流を前記第1方向とは異なる第2方向に沿って前記第1面に流通させる分流部と、前記第1気流と前記第2気流とが衝突して発生し、前記第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。
【
図6】第1実施形態における画像投射ユニットを示す断面図。
【
図7】第1実施形態における第1熱交換ダクトを示す斜視図。
【
図8】第1実施形態における第1熱交換ダクトを示す斜視図。
【
図9】第1実施形態における画像投射ユニットを示す断面図。
【
図10】第1実施形態の変形における第2熱交換ダクトが無い場合の第3気流の流通方向を示す図。
【
図11】第1実施形態の変形における第1熱交換ダクトが無い場合の第3気流の流通方向を示す図。
【
図12】第1実施形態の変形におけるプロジェクターの構成を示す模式図。
【
図13】第2実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。
【
図14】第3実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。
【
図15】第4実施形態におけるプロジェクターが備えるファン、分流部、第1ダクト及び第2ダクトを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1Aの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Aは、光源31から出射された光を変調して画像信号に応じた画像光を形成し、形成した画像光を被投射面に拡大投射する画像表示装置である。プロジェクター1Aは、
図1に示すように、外装筐体2A、画像投射ユニット3A、制御部11、電源部12、熱輸送部材13、放熱部材14及び冷却ファン15を備える。
【0009】
以下の説明では、互いに直交する三方向を+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。これらのうち、+X方向は、+Y方向から見て画像投射ユニット3Aの光源31が照明光を出射する方向である。+Z方向は、+Y方向から見て画像投射ユニット3Aの投射レンズ40が画像光を投射する方向である。+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。更に、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。
【0010】
[外装筐体の構成]
外装筐体2Aは、プロジェクター1Aの外装を構成し、画像投射ユニット3A、制御部11、電源部12、熱輸送部材13、放熱部材14及び冷却ファン15を内部に収容する。外装筐体2Aは、導入口21及び排出口22を有する。
導入口21は、外装筐体2Aの外部の気体を外装筐体2Aの内部に導入する。本実施形態では、導入口21は、外装筐体2Aにおいて+X方向を向く面に設けられている。
排出口22は、外装筐体2Aの内部の気体を外装筐体2Aの外部に排出する。本実施形態では、排出口22は、外装筐体2Aにおいて+Z方向を向く面に設けられている。
【0011】
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット3Aは、外装筐体2A内に収容され、制御部11から入力する画像信号に応じた画像光を投射する。画像投射ユニット3Aは、
図1に示すように、光源31、リフレクター32、第1レンズ33、入射側偏光板34、光変調素子35、カラーフィルター36、出射側偏光板37、第2レンズ38、光路変更素子39、投射レンズ40、第1ファン41、第2ファン42、第1風量センサー43、第2風量センサー44及びケース45を備える。
【0012】
画像投射ユニット3Aには、+X方向に沿う光軸Ax1と、+Z方向に沿う光軸Ax2とが設定されている。光軸Ax1と光軸Ax2とは直交する。
光源31、リフレクター32、第1レンズ33、入射側偏光板34、光変調素子35、カラーフィルター36、出射側偏光板37、第2レンズ38及び光路変更素子39は、光軸Ax1上に配置されている。
光路変更素子39及び投射レンズ40は、光軸Ax2上に配置されている。光路変更素子39は、光軸Ax1と光軸Ax2とが交差する部分に配置されている。
【0013】
[光源の構成]
光源31は、白色の照明光を出射する。光源31は、少なくとも1つの発光素子311と、発光素子311を支持する支持体312と、を備える。
発光素子311は、例えば白色光を出射するLED(Light Emitting Diode)によって構成され、支持体312に配置されている。
支持体312は、発光素子311を支持するとともに、発光素子311の熱を受熱する基板で構成される。支持体312は、後述する熱輸送部材13と接続されている。
【0014】
[リフレクター及び第1レンズの構成]
リフレクター32は、光源31から出射された照明光の進行方向を揃える。リフレクター32は、四角錐台形状のリフレクター、回転楕円面を有する楕円面リフレクター、及び、回転放物面を有する放物面リフレクターのうちの1つであってもよい。また、リフレクター32は、内部に空間が形成された中空のリフレクターであってもよく、内部に透光性材料が充填された中実のリフレクターであってもよい。
第1レンズ33は、光源31から出射されてリフレクター32を介して入射する照明光を集光する。第1レンズ33は、フレネルレンズによって構成されており、入射する光を短距離で効果的に拡径する。すなわち、第1レンズ33は、第1フレネルレンズである。第1レンズ33の光出射面332は、ケース45の内部に露出し、後述する第1ファン41からの第1気流A1及び第2ファン42からの第2気流A2は、光出射面332に接触可能である。すなわち、第1レンズ33は、ケース45の第1開口部451を閉塞するように、ケース45の内面45Aに固定される。
【0015】
[入射側偏光板の構成]
入射側偏光板34は、第1レンズ33に対して第1レンズ33の光出射側に離間し、かつ、光変調素子35に対して光変調素子35の光入射側に離間して、ケース45内に配置されている。すなわち、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、及び、入射側偏光板34と光変調素子35との間には、第1気流A1と第2ファン42からの第2気流A2とが流通可能である。
入射側偏光板34は、第1レンズ33から入射する照明光のうち、第1直線偏光光を透過し、第2直線偏光光を吸収する。第1直線偏光光及び第2直線偏光光のうち、一方の直線偏光光はp偏光光であり、他方の直線偏光光はs偏光光である。
本実施形態では、プロジェクター1Aの構成の簡略化のため、光源31は、p偏光光及びs偏光光を含む光を出射する。このため、第2直線偏光光を吸収する入射側偏光板34は、光源31から出射された白色光が入射することによって発熱することから、入射側偏光板34は、ケース45内に配置される熱源HSの1つである。
【0016】
[光変調素子の構成]
光変調素子35は、入射側偏光板34に対して入射側偏光板34の光出射側に離間し、かつ、第2レンズ38に対して第2レンズ38の光入射側に離間して、ケース45内に収容されている。すなわち、入射側偏光板34と光変調素子35との間には、第1気流A1及び第2気流A2が流通可能である。
【0017】
光変調素子35は、入射側偏光板34から入射する照明光を、制御部11から入力する画像信号に基づいて変調する。本実施形態では、光変調素子35は、液晶パネルである。詳述すると、光変調素子35は、入射側偏光板34から入射する照明光の進行方向に沿って、照明光を変調した変調光を出射する透過型液晶パネルである。
光変調素子35は、光入射面351及び光出射面352を有する。
光入射面351は、光源31からの光の光路に交差する面であり、光変調素子35が有する第1面に相当する。光入射面351には、入射側偏光板34から照明光が入射する。
光出射面352は、光入射面351とは反対側に設けられて、変調光を出射する。
光変調素子35は、照明光の入射及び電力の供給によって発熱する他、光変調素子35が有する液晶は、熱によって劣化する。このため、光変調素子35は、ケース45内に配置される熱源HSの1つである。
【0018】
[カラーフィルターの構成]
カラーフィルター36は、光出射面352に配置されている。詳しい図示を省略するが、カラーフィルター36は、光変調素子35によって構成される1つの画素に応じて配置されるフィルター要素を複数有する。フィルター要素は、赤用フィルター、緑用フィルター及び青用フィルターによって構成され、赤用フィルター、緑用フィルター及び青用フィルターは、対応する画素のサブ画素に応じて設けられる。なお、赤用フィルターは、赤色光を透過させ、緑色光及び青色光を遮蔽するフィルターであり、緑用フィルターは、緑色光を透過させ、赤色光及び青色光を遮蔽するフィルターであり、青用フィルターは、青色光を透過させ、赤色光及び緑色光を遮蔽するフィルターである。
しかしながら、このようなフィルターに限らず、カラーフィルター36は、各画素に応じて設けられる単色のフィルターであってもよい。
【0019】
[出射側偏光板の構成]
出射側偏光板37は、カラーフィルター36を介して光出射面352に固定されている。出射側偏光板37は、第2レンズ38に対して第2レンズ38の光入射側に離間して配置されている。このため、出射側偏光板37と第2レンズ38との間には、第1気流A1及び第2気流A2が流通可能である。
出射側偏光板37の偏光透過軸と入射側偏光板34の偏光透過軸とが互いに直交している場合、出射側偏光板37は、光変調素子35によって変調された光を透過させ、光変調素子35によって変調されなかった光を吸収する。
出射側偏光板37の偏光透過軸と入射側偏光板34の偏光透過軸とが互いに平行である場合、出射側偏光板37は、光変調素子35によって変調された光を吸収し、光変調素子35によって変調されなかった光を透過させる。このため、出射側偏光板37も、ケース45内に配置される熱源HSの1つである。
このような出射側偏光板37から出射される光が、投射レンズ40によって投射される画像光である。
【0020】
[第2レンズの構成]
第2レンズ38は、出射側偏光板37に対して出射側偏光板37の光出射側に離間して配置され、かつ、光路変更素子39に対して光路変更素子39の光入射側に離間して、ケース45内に収容されている。このため、出射側偏光板37と第2レンズ38との間には、第1気流A1及び第2気流A2が流通可能である。
第2レンズ38は、出射側偏光板37から出射された画像光を集光して、光路変更素子39に入射させる。第2レンズ38は、フレネルレンズによって構成されている。すなわち、第2レンズ38は、第2フレネルレンズである。
【0021】
[光路変更素子の構成]
光路変更素子39は、光源31から出射された光の光路において第2レンズ38と投射レンズ40との間に配置されている。すなわち、光路変更素子39は、当該光路において光変調素子35と投射レンズ40との間に配置されている。光路変更素子39は、反射ミラーによって構成されており、-X方向かつ+Z方向を向く第1面391と、+X方向かつ-Z方向を向く第2面392と、を有する。
光路変更素子39は、第2レンズ38から+X方向に入射する画像光を第1面391にて+Z方向に反射して、画像光の進行方向を90°変更する。すなわち、光路変更素子39は、光変調素子35が出射した光の光路を変更する。
光路変更素子39によって光路が変更された画像光は、投射レンズ40に入射する。
【0022】
[投射レンズの構成]
投射レンズ40は、光路変更素子39から+Z方向に入射する画像光を被投射面に投射する。図示を省略するが、投射レンズ40は、複数のレンズと、複数のレンズが収容される鏡筒401とを備えた組レンズとして構成できる。鏡筒401における光入射側の端部は、ケース45と接続され、光出射側の端部は、外装筐体2Aの外部に露出する。
【0023】
[第1ファン及び第2ファンの概略構成]
第1ファン41及び第2ファン42は、ケース45内に収容され、ケース45内の気体を吸引して、ケース45内の熱源HSに流通する気流を発生させる。
第1ファン41は、光路変更素子39とケース45の内面45Aとの間に配置されている。詳述すると、第1ファン41は、光路変更素子39の第2面392と、ケース45の内面45Aのうち+Z方向を向く内面45A1との間に配置されている。すなわち、第1ファン41は、光路変更素子39に対して投射レンズ40とは反対側に配置されている。
【0024】
第1ファン41は、遠心力ファンであり、吸気部411と、吸気部411の延長面と略直交する送出部412と、を有する。第1ファン41は、吸気部411が+Z方向を向き、送出部412が-X方向を向くように配置される。このため、第1ファン41は、第2面392と内面45A1との間に流入した気体を吸引して、-X方向に流通する第1気流A1を発生させる。熱源HSに流通した第1気流A1については、後に詳述する。
【0025】
第2ファン42は、光路変更素子39とケース45の内面45Aとの間に配置されている。詳述すると、第2ファン42は、光路変更素子39の第2面392と、ケース45の内面45Aのうち-X方向を向く内面45A2との間に配置されている。すなわち、第2ファン42は、光路変更素子39に対して光変調素子35とは反対側に配置されている。
第2ファン42は、遠心力ファンであり、吸気部421と、吸気部421の延長面と略直交する送出部422と、を有する。第2ファン42は、吸気部421が-X方向を向き、送出部422が+Z方向を向くように配置される。このため、第2ファン42は、第2面392と内面45A2との間に流入した気体を吸引して、+Z方向に流通する第2気流A2を発生させる。熱源HSに流通した第2気流A2については、後に詳述する。
【0026】
[第1風量センサー及び第2風量センサーの構成]
第1風量センサー43は、第1ファン41から流通する第1気流A1の風量を検出し、第2風量センサー44は、第2ファン42から流通する第2気流A2の風量を検出する。各風量センサー43,44は、検出した気流A1,A2の風量を制御部11に出力する。
第1風量センサー43及び第2風量センサー44は、ケース45内に配置されている。
詳述すると、第1風量センサー43は、第1気流A1の流路上で、かつ、ケース45内の熱源HSのうち、第1気流A1の流路における最も上流側に位置する熱源HS近傍の位置に設けられている。具体的に、第1風量センサー43は、熱源HSである出射側偏光板37の近傍に設置された第2レンズ38に対する+Z方向の位置に配置されている。
第2風量センサー44は、第2気流A2の流路上で、かつ、ケース45内の熱源HSのうち、第2気流A2の流路における最も上流側に位置する熱源HS近傍の位置に設けられている。具体的に、第2風量センサー44は、第2レンズ38に対する-Z方向の位置に配置されている。
【0027】
[ケースの構成]
ケース45は、光変調素子35、光路変更素子39、第1ファン41及び第2ファン42を収容する。詳述すると、ケース45は、入射側偏光板34、光変調素子35、カラーフィルター36、出射側偏光板37、第2レンズ38、光路変更素子39、第1ファン41、第2ファン42、第1風量センサー43及び第2風量センサー44を収容する。更に、ケース45には、後述する熱交換ダクト46が配置される。
【0028】
図2は、+Y方向かつ+Z方向から見たケース45を示す斜視図であり、
図3は、-Y方向かつ-Z方向から見たケース45を示す斜視図である。
ケース45は、
図2及び
図3に示すように、塵埃等が内部に侵入しづらい略直方体形状の密閉筐体である。このため、ケース45の内部は密閉されており、ケース45内に収容された光変調素子35等の光学部品に塵埃が付着しづらい構成となっている。
ケース45は、
図1~
図3に示すように、内面45A、外面45B、第1開口部451及び第2開口部452を有する他、
図1に示すように、仕切部453を有する。
【0029】
第1開口部451は、ケース45の外面45Bのうち-X方向を向く外面45B1に設けられている。第1開口部451は、リフレクター32から第1レンズ33に入射する照明光が通過する開口部である。第1開口部451は、内面45Aに固定される第1レンズ33によって閉塞される。
第2開口部452は、ケース45の外面45Bのうち+Z方向を向く外面45B2に設けられている。第2開口部452は、光路変更素子39から投射レンズ40に入射する画像光が通過する開口部である。第2開口部452は、投射レンズ40によって閉塞される。
【0030】
仕切部453は、ケース45内に設けられている。仕切部453は、光路変更素子39の第2面392と内面45Aとを接続して、ケース45内において光路変更素子39に対する光入射側とは反対側の空間SPを略均等に二分する。光路変更素子39と仕切部453と第1ファン41とにより囲まれる第1空間SP1の容積と、光路変更素子39と仕切部453と第2ファン42とにより囲まれる第2空間SP2の容積とは、略同じである。
第1ファン41は、仕切部453に対して投射レンズ40とは反対側の第1空間SP1配置され、第2ファン42は、仕切部453に対して投射レンズ40側の第2空間SP2に配置される。
【0031】
図4は、第1熱交換ダクト46Aを取り外した状態のケース45を+Y方向から見た平面図である。
ケース45は、
図4に示すように、第3開口部454及び第4開口部455を有する。
第3開口部454及び第4開口部455は、
図4に示すように、ケース45の外面45Bのうち+Y方向を向く外面45B3に設けられている。第3開口部454及び第4開口部455は、後述する第1熱交換ダクト46Aによって閉塞される。
第3開口部454は、+Z方向に長い矩形状の開口部であり、外面45B3において-X方向の部分に配置されている。換言すると、第3開口部454は、入射側偏光板34、光変調素子35、カラーフィルター36及び出射側偏光板37に対する+Y方向に設けられている。第3開口部454は、熱源HSを冷却した第3気流のうち一部の気流が通過する開口部である。
【0032】
第4開口部455は、仕切部453を挟む2つの二等辺三角形状の開口部4551,4552によって形成され、外面45B3において+X方向の部分に配置されている。
開口部4551は、仕切部453に対して-X方向かつ-Z方向に設けられ、第1空間SP1に開口している。開口部4551は、後述する第1熱交換ダクト46Aを流通して冷却された第3気流の一部を、第1空間SP1に流入させる。
開口部4552は、仕切部453に対して+X方向かつ+Z方向に設けられ、第2空間SP2に開口している。開口部4552は、後述する第1熱交換ダクト46Aを流通して冷却された第3気流の一部を、第2空間SP2に流入させる。
【0033】
図5は、第2熱交換ダクト46Bを取り外した状態のケース45を-Y方向から見た平面図である。
ケース45は、
図5に示すように、第5開口部456及び第6開口部457を有する。
第5開口部456及び第6開口部457は、
図5に示すように、ケース45の外面45Bのうち-Y方向を向く外面45B4に設けられている。第5開口部456及び第6開口部457は、後述する第2熱交換ダクト46Bによって閉塞される。
第5開口部456は、+Z方向に長い矩形状の開口部であり、外面45B4において-X方向の部分に配置されている。換言すると、第5開口部456は、入射側偏光板34、光変調素子35、カラーフィルター36及び出射側偏光板37に対する-Y方向に設けられている。第5開口部456は、熱源HSを冷却した第3気流のうち一部の気流が通過する開口部である。
【0034】
第6開口部457は、仕切部453を挟む2つの二等辺三角形状の開口部4571,4572によって形成され、外面45B4において+X方向の部分に配置されている。
開口部4571は、仕切部453に対して-X方向かつ-Z方向に設けられ、第1空間SP1に開口している。開口部4571は、後述する第2熱交換ダクト46Bを流通して冷却された第3気流の一部を、第1空間SP1に流入させる。
開口部4572は、仕切部453に対して+X方向かつ+Z方向に設けられ、第2空間SP2に開口している。開口部4572は、後述する第2熱交換ダクト46Bを流通して冷却された第3気流の一部を、第2空間SP2に流入させる。
【0035】
図6は、光変調素子35の配置位置におけるケース45の内部を示す画像投射ユニット3Aの断面図である。詳述すると、
図6は、光変調素子35の配置位置におけるXY平面に沿う画像投射ユニット3Aの断面を示す図である。
ケース45は、上記構成の他、
図6に示すように、内面45Aの一部である壁部45A3によって形成される第1案内路458と、内面45Aの一部である壁部45A4によって形成される第2案内路459と、を有する。第1案内路458及び第2案内路459は、案内路に相当する。
【0036】
第1案内路458及び第2案内路459のそれぞれは、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、入射側偏光板34と光変調素子35との間、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間に設けられている。
第1案内路458は、第3開口部454と接続されている。第1案内路458は、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、入射側偏光板34と光変調素子35との間、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間にて、第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生する第3気流のうち、+Y方向に流通する第3気流を後述する第1熱交換ダクト46Aに案内する。
第2案内路459は、第5開口部456と接続されている。第2案内路459は、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、入射側偏光板34と光変調素子35との間、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間にて、第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生する第3気流のうち、-Y方向に流通する第3気流を後述する第2熱交換ダクト46Bに案内する。
【0037】
このようなケース45は、熱伝導性が良好な金属等の材料によって構成されている。ケース45は、外装筐体2A内に露出する外面45Bにて、ケース45内の気体から受熱した熱を放熱する。すなわち、ケース45は、ケース45内の気体の熱を放熱する外面45Bを有する。
なお、ケース45内の気流については、後に詳述する。
【0038】
[熱交換ダクトの構成]
画像投射ユニット3Aは、
図6に示すように、ケース45に設けられる2つの熱交換ダクト46を備える。2つの熱交換ダクト46は、第3気流を冷却する冷却器に相当する。
2つの熱交換ダクト46のそれぞれには、詳しくは後述するが、第1レンズ33、入射側偏光板34、光変調素子35、出射側偏光板37及び第2レンズ38から受熱した第3気流が流通する。各熱交換ダクト46は、流通する第3気流から受熱した熱を、ケース45外に放熱する。
【0039】
2つの熱交換ダクト46は、第1熱交換ダクト46A及び第2熱交換ダクト46Bを含み、第1熱交換ダクト46Aの構成と第2熱交換ダクト46Bの構成とは同じである。
第1熱交換ダクト46Aは、光路変更素子39に対して+Y方向に配置され、
図4に示した第3開口部454及び第4開口部455を+Y方向から覆うように、外面45B3に配置される。
第2熱交換ダクト46Bは、光路変更素子39に対して-Y方向に配置され、
図5に示した第5開口部456及び第6開口部457を-Y方向から覆うように、外面45B4に配置される。
【0040】
図7は、第1熱交換ダクト46Aをケース45側から見た斜視図であり、
図8は、第1熱交換ダクト46Aをケース45とは反対側から見た斜視図である。すなわち、
図7は、第1熱交換ダクト46Aを-Y方向から見た斜視図であり、
図8は、第1熱交換ダクト46Aを+Y方向から見た斜視図である。なお、
図7及び
図8においては、複数の受熱フィン463のうち一部の受熱フィン463について符号を付し、複数の放熱フィン465のうち一部の放熱フィン465について符号を付す。
第1熱交換ダクト46Aは、
図7及び
図8に示すように、略直方体形状に形成されている。熱交換ダクト46Aは、
図7に示すように、第1面461、凹部462及び複数の受熱フィン463を有する。
第1面461は、ケース45の外面45B3と接触し、第3開口部454及び第4開口部455を+Y方向にて覆う。
【0041】
凹部462は、第1面461に設けられている。凹部462は、+Y方向に第1面461から凹んでいる。すなわち、凹部462は、ケース45から離間する方向に第1面461から凹んでいる。
第1熱交換ダクト46Aの凹部462における-X方向の部分は、後述する第3気流を複数の受熱フィン463の間に流入させる流入部4621である。第1熱交換ダクト46Aがケース45に取り付けられた場合、流入部4621は、各熱源HSに対して+Y方向に配置される。例えば、流入部4621は、光変調素子35の光入射面351に対する+Y方向に配置される。+Y方向は、光入射面351において+Z方向に流通する第1気流A1と-Z方向に流通する第2気流A2のそれぞれの流通方向に対して交差する方向に相当する。
【0042】
複数の受熱フィン463のそれぞれは、凹部462内に設けられ、+X方向に沿って延在し、+Z方向に沿って並んで配置されている。このため、複数の受熱フィン463の間には、気流が流通可能な流路が設けられている。複数の受熱フィン463のそれぞれは、凹部462の底部と接続されており、複数の受熱フィン463のそれぞれは、流入部4621から凹部462内に流入して、複数の受熱フィン463の間を流通する第3気流から受熱する。
【0043】
第1熱交換ダクト46Aは、
図8に示すように、第2面464及び複数の放熱フィン465を更に有する。
第2面464は、第1熱交換ダクト46Aにおいて第1面461とは反対側の面である。すなわち、第2面464は、+Y方向を向く。
複数の放熱フィン465は、第2面464から+Y方向に突出して第2面464に設けられている。複数の放熱フィン465のそれぞれは、+X方向に沿って延在し、+Z方向に沿って並んで配置されている。複数の放熱フィン465には、複数の受熱フィン463によって第3気流から受熱された熱が伝達され、複数の放熱フィン465は、伝達された第3気流の熱をケース45の外部に放熱する。
【0044】
第2熱交換ダクト46Bは、第1熱交換ダクト46Aと同様の構成を有し、第1熱交換ダクト46Aに対して光軸Ax1又は光軸Ax2を中心とする対称に配置される。
すなわち、第2熱交換ダクト46Bは、
図6に示すように、第1面461、凹部462、複数の受熱フィン463、第2面464及び複数の放熱フィン465を更に有する。
第2熱交換ダクト46Bの第1面461は、+Y方向を向き、外面45B4と接触して、
図5に示した第5開口部456及び第6開口部457を-Y方向にて覆う。
第2熱交換ダクト46Bの凹部462は、第1面461から-Y方向に凹んでいる。
第2熱交換ダクト46Bの複数の受熱フィン463のそれぞれは、凹部462内にて+X方向に沿って延在し、+Z方向に沿って並んでいる。
第2熱交換ダクト46Bの第2面464は、-Y方向を向く。
第2熱交換ダクト46Bの複数の放熱フィン465のそれぞれは、第2面464に設けられ、+X方向に沿って延在し、+Z方向に沿って並んでいる。
【0045】
[ケース内の気体の流れ]
図1に示すように、第1ファン41が駆動すると、+Z方向を向く吸気部411にて吸引された気体が-X方向を向く送出部412から送出されて、第1気流A1が-X方向に流通する。-X方向に流通した第1気流A1は、内面45Aに沿って流通して、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、入射側偏光板34と光変調素子35との間、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間を+Z方向に流通する。
第2ファン42が駆動すると、-X方向を向く吸気部421にて吸引された気体が+Z方向を向く送出部422から送出されて、第2気流A2が+Z方向に流通する。+Z方向に流通した第2気流A2は、内面45Aに沿って-X方向に流通する。そして、第2気流A2は、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、入射側偏光板34と光変調素子35との間、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間を-Z方向に流通する。
【0046】
図6にて示すように、各熱源HSに沿って+Z方向に流通する第1気流A1と、各熱源HSに沿って-Z方向に流通する第2気流A2とは、互いに衝突して、乱流である第3気流A3を発生させる。第3気流A3は、熱源HSの表面に沿って流通して、各熱源HSから受熱する。
例えば、入射側偏光板34と光変調素子35との間にて第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生した第3気流A3は、入射側偏光板34と光変調素子35の光入射面351とに沿って流通して、入射側偏光板34及び光変調素子35から受熱する。第1レンズ33と入射側偏光板34との間にて発生した第3気流A3、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間にて発生した第3気流A3も同様である。
【0047】
このように熱源HSから受熱した第3気流A3のうち、+Y方向に流通する第3気流A31は、第1案内路458及び第3開口部454を+Y方向に通過して、第1熱交換ダクト46Aの流入部4621から凹部462内に流入する。
同様に、熱源HSから受熱した第3気流A3のうち、-Y方向に流通する第3気流A32は、第2案内路459及び第5開口部456を-Y方向に流通して、第2熱交換ダクト46Bの流入部4621から凹部462内に流入する。
【0048】
図9は、XY平面に沿う画像投射ユニット3Aの断面を示す図である。換言すると、
図9は、第1熱交換ダクト46Aを流通する第3気流A31と、第2熱交換ダクト46Bを流通する第3気流A32とを示す図である。
第1熱交換ダクト46Aの凹部462内に流入した第3気流A31は、
図9に示すように、第1熱交換ダクト46Aの複数の受熱フィン463の間を流通し、複数の受熱フィン463によって受熱されて冷却される。複数の受熱フィン463にて受熱された第3気流A31の熱は、複数の放熱フィン465によってケース45外に放熱される。
冷却された第3気流A31のうち、一部の第3気流A311は、第1ファン41によって吸引されて、
図4に示した開口部4551を-Y方向に通過し、第1空間SP1に流入する。
冷却された第3気流A31のうち、他の第3気流A312は、第2ファン42によって吸引されて、開口部4552を-Y方向に通過し、第2空間SP2に流入する。
【0049】
第2熱交換ダクト46Bの凹部462内に流入した第3気流A32は、
図9に示すように、第2熱交換ダクト46Bの複数の受熱フィン463の間を流通し、複数の受熱フィン463によって受熱されて冷却される。複数の受熱フィン463にて受熱された第3気流A32の熱は、複数の放熱フィン465によってケース45外に放熱される。
冷却された第3気流A32のうち、一部の第3気流A321は、第1ファン41によって吸引されて、
図5に示した開口部4571を+Y方向に通過し、第1空間SP1に流入する。
冷却された第3気流A32のうち、他の第3気流A322は、第2ファン42によって吸引されて、開口部4572を+Y方向に通過し、第2空間SP2に流入する。
【0050】
第1空間SP1に流入した第3気流A311,A321は、再び第1ファン41によって吸引されて、
図1に示したように、第1気流A1として第1ファン41から-X方向に送出される。
第2空間SP2に流入した第3気流A312,A322は、再び第2ファン42によって吸引されて、
図1に示したように、第2気流A2として第2ファン42から+Z方向に送出される。
このようにして、ケース45内の気体は、第1ファン41及び第2ファン42によって上記各熱源HSを冷却しつつ、冷却器である熱交換ダクト46A,46Bを流通する過程にて冷却されて、ケース45内を循環する。
【0051】
[制御部の構成]
図1に示す制御部11は、プロジェクター1Aの動作を制御する。例えば、制御部11は、光源31の点灯を制御する他、光変調素子35に画像信号を出力する。また例えば、制御部11は、冷却ファン15を制御する。
更に、制御部11は、第1風量センサー43によって検出された第1気流A1の風量と、第2風量センサー44によって検出された第2気流A2の風量とに基づいて、第1ファン41及び第2ファン42のうち少なくとも一方のファンを制御する。具体的に、制御部11は、検出された第1気流A1の風量と、検出された第2気流A2の風量とが同じになるように、第1ファン41及び第2ファン42のそれぞれを制御する。
なお、第1気流A1の風量と第2気流A2の風量とが同じとは、第1気流A1の風量と第2気流A2の風量とが略同じである場合も含む。
【0052】
[電源部の構成]
電源部12は、外装筐体2Aの内部に配置され、外部から供給される電力を変圧し、変圧した電力をプロジェクター1Aの各構成に供給する。例えば、電源部12は、制御部11、光源31、光変調素子35に電力を供給する。
【0053】
[熱輸送部材及び放熱部材の構成]
熱輸送部材13は、光源31の支持体312と放熱部材14とを接続し、支持体312に伝達された発光素子311の熱を放熱部材14に伝達する。熱輸送部材13は、例えばヒートパイプによって構成できる。
放熱部材14は、熱輸送部材13によって輸送された発光素子311の熱を放熱する。具体的に、放熱部材14は、輸送された発光素子311の熱を、外装筐体2A内を流通する冷却気体に伝達する。放熱部材14は、例えばヒートシンクによって構成できる。本実施形態では、放熱部材14は、外装筐体2Aの内部における排出口22の近傍で、かつ、冷却ファン15によって冷却気体が流通する位置に配置されている。
【0054】
[冷却ファンの構成]
冷却ファン15は、外装筐体2Aの内面とケース45との間に配置されている。冷却ファン15は、導入口21を介して外装筐体2Aの外部の気体を外装筐体2Aの内部に冷却気体として導入し、導入した冷却気体を外装筐体2A内にて流通させる。例えば、冷却ファン15は、導入口21を介して外装筐体2Aの内部に導入した気体をケース45に流通させる。
このため、各熱交換ダクト46A,46Bの複数の放熱フィン465に冷却気体が流通する他、ケース45の外面45Bに沿って冷却気体が流通する。これにより、複数の放熱フィン465及びケース45が冷却され、ひいては、ケース45内の気体が冷却される。
この他、冷却気体は、制御部11及び電源部12に沿って流通し、これにより、制御部11及び電源部12が冷却される。
更に、冷却ファン15は、外装筐体2Aの内部の冷却気体を放熱部材14に流通させて、放熱部材14、ひいては、光源31を冷却する。放熱部材14に流通した冷却気体は、排出口22から外装筐体2Aの外部に排出される。
【0055】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Aは、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Aは、光源31、光変調素子35、光路変更素子39、投射レンズ40、第1ファン41、第2ファン42、ケース45及び熱交換ダクト46を備える。
光変調素子35は、プロジェクター1Aに1つ設けられている。光変調素子35は、光源31からの光を画像信号に基づいて変調する。光変調素子35は、光源31からの光の光路に交差する光入射面351を有する。光入射面351は、第1面に相当する。
光路変更素子39は、光変調素子35が出射した光の光路を変更する。
投射レンズ40は、光路変更素子39にて光路が変更された光を投射する。
【0056】
ケース45は、光変調素子35及び光路変更素子39を収容する。詳述すると、ケース45は、光変調素子35、光路変更素子39、第1ファン41及び第2ファン42を収容する。
第1ファン41は、ケース45の内面45A1と、光路変更素子39において光入射側とは反対側の第2面392との間に配置されている。第1ファン41は、光入射面351に+Z方向に沿って第1気流A1を流通させる。+Z方向は、第1方向に相当する。
第2ファン42は、ケース45の内面45A2と光路変更素子39の第2面392との間に配置されている。第2ファン42は、光入射面351に-Z方向に沿って第2気流A2を流通させる。-Z方向は、第1方向とは異なる第2方向に相当する。
熱交換ダクト46は、冷却器に相当する。熱交換ダクト46は、第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生し、光入射面351から吸熱した第3気流A3を冷却する。
【0057】
このような構成によれば、第1ファン41からの第1気流A1は、光入射面351に+Z方向に沿って流通し、第2ファン42からの第2気流A2は、光入射面351に-Z方向に沿って流通して、第1気流A1と第2気流A2とは、光入射面351にて互いに衝突する。第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生した第3気流A3は、熱源HSの1つである光変調素子35の熱を光入射面351から吸熱し、吸熱した第3気流A3は、熱交換ダクト46によって冷却される。このため、光入射面351にて発生した乱流である第3気流A3によって、光入射面351から効率よく吸熱できるので、光変調素子35を効率よく冷却できる。
【0058】
また、第1ファン41及び第2ファン42は、ケース45内において光路変更素子39に対する光入射側とは反対側の空間SPに配置されている。すなわち、第1ファン41及び第2ファン42は、ケース45内において光が通過しない空間SPに配置されている。これにより、ケース45と光路変更素子39との間のデッドスペースを利用して第1ファン41及び第2ファン42を配置できる。従って、ケース45を小型に形成でき、プロジェクター1Aの小型化を図ることができる。
【0059】
プロジェクター1Aでは、第1風量センサー43、第2風量センサー44及び制御部11を備える。
第1風量センサー43は、第1気流A1の流量を検出し、第2風量センサー44は、第2気流A2の流量を検出する。
制御部11は、第1風量センサー43の検出結果及び第2風量センサー44の検出結果に基づいて、第1ファン41及び第2ファン42のうち少なくとも一方のファンを制御して、第1気流A1の流量及び第2気流A2の流量を制御する。
このような構成によれば、光入射面351における第1気流A1と第2気流A2との衝突位置を制御できる。このため、例えば第1気流A1と第2気流A2との衝突位置を、光入射面351において高温となる位置に設定できる。従って、光変調素子35の冷却効率を高めることができる。
【0060】
プロジェクター1Aでは、第1ファン41は、光路変更素子39に対して投射レンズ40とは反対側に配置され、第2ファン42は、光路変更素子39に対して光変調素子35とは反対側に配置されている。
このような構成によれば、ケース45内に光変調素子35、光路変更素子39、第1ファン41及び第2ファン42をコンパクトに配置できる。従って、プロジェクター1Aを小型化できる。
【0061】
プロジェクター1Aでは、冷却器としての熱交換ダクト46は、複数の受熱フィン463を有する。熱交換ダクト46は、複数の受熱フィン463の間に第3気流A3を通過させて、+X方向に沿ってケース45と光路変更素子39との間の空間SPに第3気流A3を流通させる。+X方向は、複数の受熱フィン463の延在方向である。
このような構成によれば、光変調素子35の熱を吸熱した第3気流A3は、熱交換ダクト46が有する複数の受熱フィン463の間を+X方向に沿って流通する。このとき、第3気流A3は、受熱フィン463に熱を放熱することによって冷却されて、ケース45と光路変更素子39との間の空間SPに流通する。これによれば、第3気流A3に伝達された光変調素子35の熱を熱交換ダクト46に効率よく放熱できるので、第1気流A1及び第2気流A2のそれぞれの温度を低く維持できる。従って、第1気流A1と第2気流A2の衝突による光変調素子35の冷却効率を高めることができる。
【0062】
プロジェクター1Aでは、熱交換ダクト46A,46Bは、流入部4621を有する。
第1熱交換ダクト46Aの流入部4621は、光入射面351に対する第1気流A1及び第2気流A2のそれぞれの流通方向に対して交差する+Y方向に配置されて、第1熱交換ダクト46Aの複数の受熱フィン463の間に第3気流A3を流入させる。
第2熱交換ダクト46Bの流入部4621は、光入射面351に対する第1気流A1及び第2気流A2のそれぞれの流通方向に対して交差する-Y方向に配置されて、第2熱交換ダクト46Bの複数の受熱フィン463の間に第3気流A3を流入させる。
【0063】
ここで、+Z方向に流通する第1気流A1と-Z方向に流通する第2気流A2とが光入射面351にて衝突すると、第3気流A3は、+Z方向及び-Z方向のそれぞれに交差する±Y方向に流通する。
これに対し、第1熱交換ダクト46Aは、光変調素子35に対する+Y方向に流入部4621を有し、第2熱交換ダクト46Bは、光変調素子35に対する-Y方向に流入部4621を有することにより、第3気流A3を効率よく熱交換ダクト46A,46Bに流通させることができる。
また、第3気流A3は、流路抵抗が低い流入部4621に流入するため、第1気流A1と第2気流A2との衝突位置は、流入部4621近傍の位置となる。このため、流入部4621の位置を調節して、流入部4621を熱源HSにおいて高温となる位置に配置することによって、高温となる位置に第1気流A1と第2気流A2との衝突位置を設定できる。従って、熱源HSの冷却効率を高めることができる。
【0064】
プロジェクター1Aでは、第3気流A3を第1熱交換ダクト46Aに案内する第1案内路458と、第3気流A3を第2熱交換ダクト46Bに案内する第2案内路459と、を備える。第1案内路458及び第2案内路459のそれぞれは、案内路に相当する。
このような構成によれば、案内路458,459によって、第3気流A3を各熱交換ダクト46A,46Bの流入部4621に効率よく流通させることができる。従って、第3気流A3を円滑に各熱交換ダクト46A,46Bに流通させることができるので、第3気流A3から複数の受熱フィン463への光変調素子35の熱の放熱を促進できる。
【0065】
プロジェクター1Aは、入射側偏光板34及び出射側偏光板37を備える。
入射側偏光板34は、液晶パネルである光変調素子35に対する光入射側に配置されている。出射側偏光板37は、光変調素子35に対する光出射側に配置されている。
第1気流A1の一部と第2気流A2の一部とは、入射側偏光板34及び出射側偏光板37のうち少なくとも一方の偏光板の表面に沿って流通する。本実施形態では、第1気流A1の一部と第2気流A2の一部とは、入射側偏光板34における光入射側の面と光出射側の面とのそれぞれに沿って流通する他、出射側偏光板37における光入射側の面と光出射側の面とのそれぞれに沿って流通する。
このような構成によれば、第1気流A1及び第2気流A2を流通させることによって、各偏光板34,37の冷却効率を高めることができる。
【0066】
プロジェクター1Aでは、ケース45の内部は、密閉されている。すなわち、ケース45は、密閉筐体である。
このような構成によれば、ケース45の内部に塵埃が侵入することを抑制できるので、光変調素子35に塵埃が付着することを抑制できる。また、密閉されたケース45であっても、冷却器である熱交換ダクト46による第3気流A3の冷却効果を維持できる。更に、第1ファン41及び第2ファン42は、密閉されたケース45内に配置されるので、各ファン41,42の騒音が外部に漏出することを抑制でき、プロジェクター1Aの静粛性を高めることができる。
【0067】
プロジェクター1Aは、外装筐体2A及び冷却ファン15を備える。
外装筐体2Aは、ケース45を内部に収容する。外装筐体2Aは、外装筐体2Aの外部の気体を外装筐体2Aの内部に導入する導入口21と、外装筐体2Aの内部の気体を外装筐体2Aの外部に排出する排出口22と、を有する。
冷却ファン15は、外装筐体2Aとケース45との間に配置されている。冷却ファン15は、導入口21を介して外装筐体2Aの内部に導入した気体をケース45に流通させる。ケース45は、ケース45内の気体の熱を放熱する外面45Bを有する。
このような構成によれば、ケース45内の気体の熱は、ケース45の外面45Bから放熱される。ケース45には、導入口21から導入された気体が冷却ファン15によって流通するので、ケース45の外面45Bによる放熱を促進でき、ケース45から熱が伝達された気体を、排出口22から外装筐体2Aの外部に排出できる。従って、ケース45内の冷却効果を高めることができる他、外装筐体2A内の温度を低く維持できる。
【0068】
[第1実施形態の第1変形例]
上記したプロジェクター1Aでは、画像投射ユニット3Aは、2つの熱交換ダクト46A,46Bを備えるとした。そして、+Y方向に流通する第3気流A31は、第1案内路458及び第3開口部454を介して第1熱交換ダクト46Aに流通し、-Y方向に流通する第3気流A32は、第2案内路459及び第5開口部456を介して第2熱交換ダクト46Bに流通するとした。
しかしながら、これに限らず、第1熱交換ダクト46A及び第2熱交換ダクト46Bのうち、一方の熱交換ダクトは無くてもよい。
【0069】
図10は、第2熱交換ダクト46Bが無い場合の第3気流A3の流通方向を示す図であり、
図11は、第1熱交換ダクト46Aが無い場合の第3気流A3の流通方向を示す図である。
例えば
図10に示すように、第2熱交換ダクト46Bが設けられていない場合には、ケース45に壁部45A4及び第2案内路459を省略できる他、
図5に示した第5開口部456及び第6開口部457を省略できる。
また例えば
図11に示すように、第1熱交換ダクト46Aが設けられていない場合には、壁部45A3及び第1案内路458を省略できる他、
図4に示した第3開口部454及び第4開口部455を省略できる。
【0070】
[第1実施形態の第2変形例]
上記したプロジェクター1Aでは、導入口21は、外装筐体2Aにおいて+X方向を向く側面に設けられているとした。しかしながら、これに限らず、外装筐体2Aの内部に導入された冷却気体が排出口22から外装筐体2Aの外部に排出される過程にて、ケース45の外面45B及び各熱交換ダクト46A,46Bに流通可能であれば、外装筐体2Aにおける導入口21の位置は、上記に限定されない。
【0071】
図12は、プロジェクター1Aの変形であり、導入口21を異なる位置に配置したプロジェクター1Bの構成を示す模式図である。
例えば、
図12に示すように、プロジェクター1Bは、外装筐体2Aに代えて、外装筐体2Bを備える他は、プロジェクター1Aと同様の構成及び機能を備える。外装筐体2Bは、導入口21の位置が異なる他は、外装筐体2Aと同様の構成及び機能を備える。
導入口21は、外装筐体2Bにおいて-Z方向を向く側面に設けられている。すなわち、導入口21は、ケース45に対して排出口22とは反対側に設けられている。
このようなプロジェクター1Bにおいても、導入口21から外装筐体2Bの内部に導入された冷却気体が排出口22から外装筐体2Bの外部に排出される過程にて、冷却気体をケース45の外面45B及び熱交換ダクト46A,46Bに流通させることができる。
なお、導入口21から冷却ファン15に向かって流通する冷却気体は、+Z方向に沿って流通することから、冷却気体は、各熱交換ダクト46A,46Bに対して+Z方向に沿って流通する。このため、各熱交換ダクト46A,46Bの複数の放熱フィン465のそれぞれは、+Z方向に沿って延在し、かつ、+X方向に並んでいることが好ましい。
【0072】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備えるが、光源の構成が異なる他、光源の一部がケース内に配置されている点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
[プロジェクターの概略構成]
図13は、本実施形態に係るプロジェクター1Cの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Cは、
図13に示すように、画像投射ユニット3A、熱輸送部材13及び放熱部材14に代えて、画像投射ユニット3Cを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成及び機能を備える。なお、プロジェクター1Cは、外装筐体2Aに代えて、上記した外装筐体2Bを備えていてもよい。
画像投射ユニット3Cは、画像投射ユニット3Aと同様に、制御部11から入力する画像信号に応じた画像光を投射する。画像投射ユニット3Cは、光源31及びリフレクター32に代えて、光源47を備える他は、第1実施形態に係る画像投射ユニット3Aと同様の構成を備える。
【0074】
[光源の構成]
光源47は、光源31と同様に、白色の照明光を出射する。光源47は、複数の発光素子471、基板472及び放熱部材473を備える面状光源である。
複数の発光素子471は、発光素子311と同様に、例えば白色光を出射するLEDによって構成され、基板472にY軸及びZ軸のそれぞれに沿って配置されている。
基板472は、+X方向を向く面4721にて複数の発光素子471を支持するとともに、各発光素子471から受熱する。基板472において面4721とは反対側の面4722には、放熱部材473が配置される。
放熱部材473は、複数のフィン4731を有し、冷却ファン15によって外装筐体2A内を流通する冷却気体に基板472から伝達される各発光素子471の熱を各フィン4731にて放熱する。
図13では、見易さを考慮して、各フィン4731は、Y軸に沿って延在し、かつ、Z軸に沿って並んで図示されているが、冷却気体の流通方向に沿うZ軸に沿って延在し、かつ、Y軸に沿って並んでいる。
【0075】
このような光源47において、基板472は、ケース45の第1開口部451をケース45の外側から閉塞する。このため、光源47における光出射側の部分は、ケース45内に露出している。具体的に、各発光素子471は、第1開口部451内に配置されている。すなわち、各発光素子471は、ケース45内に配置される熱源HSの1つである。
なお、本実施形態では、第1レンズ33は、ケース45内に配置される。
【0076】
[ケース内の気体の流れ]
ケース45内において、第1ファン41からの第1気流A1と、第2ファン42からの第2気流A2とは、基板472と第1レンズ33との間、第1レンズ33と入射側偏光板34との間、入射側偏光板34と光変調素子35との間、及び、出射側偏光板37と第2レンズ38との間に流通する。すなわち、第1ファン41からの第1気流A1の一部と、第2ファン42からの第2気流A2の一部とは、光源47においてケース45内の露出した発光素子471の配置位置にて衝突する。
これにより、第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生した乱流である第3気流A3は、発光素子471、入射側偏光板34、光変調素子35及び出射側偏光板37に接触して受熱する。上記のように、発光素子471、入射側偏光板34、光変調素子35及び出射側偏光板37のそれぞれは、ケース45内に配置される熱源HSである。
各熱源HSから受熱した第3気流A3のうち、+Y方向に流通する第3気流A31は、第1案内路458及び第3開口部454を+Y方向に流通して、第1熱交換ダクト46Aの凹部462内に流入する。そして、第3気流A31は、複数の受熱フィン463の間を流通して冷却された後、空間SP1,SP2に流入して、再びファン41,42によって吸引される。
各熱源HSから受熱した第3気流のうち、-Y方向に流通する第3気流A32は、第2案内路459及び第5開口部456を-Y方向に流通して、第2熱交換ダクト46Bの凹部462内に流入する。そして、第3気流A32は、複数の受熱フィン463の間を流通して冷却された後、空間SP1,SP2に流入して、再びファン41,42によって吸引される。
【0077】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Cは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Cでは、光源47における光出射側の部分は、ケース45内に露出している。
第1ファン41からの第1気流A1の一部と、第2ファン42からの第2気流A2の一部とは、光源47においてケース45内の露出した部分にて衝突する。
このような構成によれば、熱源HSの1つである光源47の発光素子471に第1気流A1及び第2気流A2を流通させることができ、第1気流A1及び第2気流A2の他、第3気流A3によって光源47を冷却できる。従って、光源47の冷却効率を高めることができる。
【0078】
プロジェクター1Cでは、光源47は、面状光源である。
このような構成によれば、光源47から出射された照明光を拡大する光学部材を設ける必要がない。従って、光源47から光変調素子35までの光路を短縮でき、ひいては、プロジェクター1Cを小型化できる。
【0079】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備えるが、第1ファン41及び第2ファン42に代えて1つのファンを備える点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
[プロジェクターの概略構成]
図14は、本実施形態に係るプロジェクター1Dの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Dは、第1実施形態に係る画像投射ユニット3Aに代えて、
図14に示す画像投射ユニット3Dを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成及び機能を備える。
画像投射ユニット3Dは、第1ファン41、第2ファン42、第1風量センサー43及び第2風量センサー44に代えて、ファン48を備える他は、第1実施形態に係る画像投射ユニット3Aと同様の構成及び機能を備える。
【0081】
[ファンの構成]
ファン48は、両吸込型の遠心力ファンによって構成されている。ファン48は、ケース45内において光路変更素子39に対する光入射側とは反対側の空間SPに配置されている。詳述すると、ファン48は、仕切部453に嵌め込まれている。
ファン48は、第1吸気部481、第2吸気部482及び送出部483を有する。
第1吸気部481は、ファン48において-X方向かつ-Z方向を向く面に設けられている。第1吸気部481は、第1空間SP1内に露出し、第1空間SP1内の気体を吸引する。
第2吸気部482は、ファン48において、第1吸気部481が設けられた面とは反対側に設けられている。すなわち、第2吸気部482は、ファン48において+X方向かつ+Z方向を向く面に設けられている。第2吸気部482は、第2空間SP2内に露出し、第2空間SP2内の気体を吸引する。
【0082】
送出部483は、+X方向かつ-Z方向を向き、第1吸気部481及び第2吸気部482にて吸引した気体を+X方向かつ-Z方向に送出する。送出部483は、仕切部453によって略均等に二分されている。このため、送出部483から送出された気流は、第1空間SP1と第2空間SP2とに仕切部453によって分流される。
第1空間SP1に送出された気流は、第1気流A1として内面45Aに沿って流通して、各熱源HSに+Z方向に沿って流通する。
一方、送出部483から第2空間SP2に送出された気流は、第2気流A2として内面45Aに沿って流通して、各熱源HSに-Z方向に沿って流通する。
すなわち、分流部に相当する仕切部453は、ファン48からの気流を分流した第1気流A1及び第2気流A2のうち、第1気流A1を+X方向に沿って光入射面351に流通させ、第2気流A2を-X方向に沿って光入射面351に流通させる。
【0083】
図示を省略するが、第1実施形態にて示したように、各熱源HSに流通した第1気流A1及び第2気流A2は、衝突して乱流である第3気流を発生させる。各熱源HSから受熱した第3気流は、熱交換ダクト46A,46Bの各受熱フィン463間を流通して冷却される。熱交換ダクト46A,46Bを流通した第3気流のうち、一部の第3気流は、第1空間SP1に流入し、残りの第3気流は、第2空間SP2に流入する。
そして、第1空間SP1に流入した第3気流は、再び第1吸気部481にて吸引され、第2空間SP2に流入した第3気流は、再び第2吸気部482にて吸引され、送出部483から第1気流A1及び第2気流A2として送出される。
【0084】
[第3実施形態の効果]
以上説明した第3実施形態に係るプロジェクター1Dは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Dは、光源31、光変調素子35、光路変更素子39、投射レンズ40、ケース45、ファン48、仕切部453及び熱交換ダクト46を備える。
【0085】
光変調素子35は、プロジェクター1Dに1つ設けられている。光変調素子35は、光源31からの光を画像信号に基づいて変調する。光変調素子35は、光源31からの光の光路に交差する光入射面351を有する。光入射面351は、第1面に相当する。
光路変更素子39は、光変調素子35が出射した光の光路を変更する。
投射レンズ40は、光路変更素子39にて光路が変更された光を投射する。
ケース45は、光変調素子35、光路変更素子39及びファン48を収容する。
ファン48は、プロジェクター1Dに1つ設けられている。ファン48は、ケース45の内面45Aと光路変更素子39の第2面392との間の空間SPに配置され、気流を流通させる。
仕切部453は、分流部に相当する。仕切部453は、ファン48からの気流を分流した第1気流A1及び第2気流A2のうち、第1気流A1を+X方向に沿って光入射面351に流通させ、第2気流A2を-X方向に沿って光入射面351に流通させる。+X方向は第1方向に相当し、-X方向は第1方向とは異なる第2方向に相当する。
熱交換ダクト46は、冷却器に相当する。熱交換ダクト46は、第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生した第3気流A3のうち、光入射面351から吸熱した第3気流A3を冷却する。
【0086】
このような構成によれば、仕切部453によって、1つのファン48から流通する気流は、第1気流A1と第2気流A2とに分流される。第1気流A1は、光入射面351に+Z方向に沿って流通し、第2気流A2は、光入射面351に-Z方向に沿って流通して、第1気流A1と第2気流A2とは、光入射面351にて互いに衝突する。第1気流A1と第2気流A2とが衝突して発生した第3気流A3は、熱源HSの1つである光変調素子35の熱を光入射面351から吸熱し、吸熱した第3気流A3は、熱交換ダクト46によって冷却される。このため、光入射面351にて発生した乱流である第3気流A3によって、光入射面351から効率よく吸熱できるので、光変調素子35を効率よく冷却できる。
また、ケース45と光路変更素子39との間のデッドスペースを利用してファン48を配置できるので、ケース45を小型に形成でき、プロジェクター1Dの小型化を図ることができる。
【0087】
[第3実施形態の変形]
上記したプロジェクター1Dでは、画像投射ユニット3Dは、光源31及びリフレクター32を備えるとした。しかしながら、これに限らず、画像投射ユニット3Dは、光源31及びリフレクター32に代えて、第2実施形態に係る面状光源である光源47を備えていてもよい。
また、仕切部453は、ファン48からの気流を第1気流A1と第2気流A2とに分流する分流部として機能すればよく、必ずしも光路変更素子39の光入射側とは反対側の空間SPを第1空間SP1と第2空間SP2とに2分しなくてもよい。この場合、ファン48は、両吸込型の遠心力ファンでなくてもよい。例えば、ファン48は、片吸込型の遠心力ファンでもよく、軸流ファンでもよい。
【0088】
[第4実施形態]
次に、本開示の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成を備えるが、1つのファンから送出されて分流された第1気流A1及び第2気流A2を熱源HSに導くダクトを備える他、熱源HSにおける第1気流A1の流通方向と第2気流A2の流通方向とが直交する点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】
[プロジェクターの概略構成]
図15は、本実施形態に係るプロジェクター1Eが備えるファン49、分流部50、第1ダクト51及び第2ダクト52を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Eは、ファン48と、2つの熱交換ダクト46のうち一方の熱交換ダクトとに代えて、
図15に示すファン49、分流部50、第1ダクト51及び第2ダクト52を備える他は、第3実施形態に係るプロジェクター1Dと同様の構成を備える。
なお、本実施形態では、ケース45は、分流部としての仕切部453を備えない。
【0090】
ファン49は、ファン48と同様に、ケース45内において光路変更素子39に対する光入射側とは反対側の空間SPに配置されている。ファン49は、第1熱交換ダクト46Aにて冷却されて光路変更素子39に対する光入射側とは反対側の空間SP内に流入した気体を吸引して分流部50に送出する。
分流部50は、ファン49から送出された気流を、第1気流A1と第2気流A2とに分流する。
【0091】
第1ダクト51及び第2ダクト52は、分流部50から分流された気流が流通可能に分流部50に接続されている。
第1ダクト51には、分流部50にて分流された第1気流A1が流通する。第1ダクト51は、内部を流通する第1気流A1を熱源HSに対して第1方向D1に流通させる。例えば、第1ダクト51は、第1気流A1を光変調素子35の光入射面351に第1方向D1に沿って流通させる。第1方向D1は、例えば+X方向又は-X方向である。
第2ダクト52には、分流部50にて分流された第2気流A2が流通する。第2ダクト52は、内部を流通する第2気流A2を熱源HSに対して第2方向D2に流通させる。例えば、第2ダクト52は、第2気流A2を光変調素子35の光入射面351に第2方向D2に沿って流通させる。第2方向D2は、熱源HSの光入射側から見て第1方向D1に直交する方向であり、例えば+Y方向又は-Y方向である。
熱源HSに流通した第1気流A1と第2気流A2とは、熱源HSの表面にて衝突して、乱流である第3気流を発生させる。第3気流は、熱源HSの表面から受熱した後、熱交換ダクト46に流通して冷却された後、再びファン49によって吸引される。
このように、ケース45内の気体は、熱源HSから受熱し、熱交換ダクト46によって冷却されつつ、ファン49によってケース45内を循環する。
【0092】
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Eは、第3実施形態に係るプロジェクター1Dと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Eでは、1つのファン49と、分流部50と、第1ダクト51と、第2ダクト52と、を有する。
第1ダクト51は、分流部50にて分流された第1気流A1を光入射面351に第1方向D1に沿って流通させる。
第2ダクト52は、分流部50にて分流された第2気流A2を光入射面351に第2方向D2に沿って流通させる。上記のように、第2方向D2は、例えば光変調素子35の光入射側から見て第1方向D1に直交する方向である。
このような構成によれば、第1ダクト51及び第2ダクト52によって、分流部50にて分流された第1気流A1及び第2気流A2を、光入射面351に効率よく流通させることができる。
【0093】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記第1~第3実施形態では、ケース45内に収容される熱源HSに対して、第1気流A1は、+Z方向に沿って流通し、第2気流A2は、+Z方向とは反対方向である-Z方向に沿って流通するとした。しかしながら、これに限らず、例えば上記第4実施形態にて示した各気流A1,A2の流通方向のように、熱源HSに対する第1気流A1の流通方向と、熱源HSに対する第2気流A2の流通方向とが異なり、各気流A1,A2が熱源HSの表面にて衝突すればよい。また、熱源HSに対する第1気流A1の流通方向は、+Z方向とは異なる方向であってもよく、熱源HSに対する第2気流A2の流通方向は、-Z方向とは異なる方向であってもよい。
【0094】
上記各実施形態では、第1気流A1及び第2気流A2は、熱源HSの1つである光変調素子35の光入射面351に沿って流通するとした。しかしながら、これに限らず、第1気流A1及び第2気流A2は、光入射面351に代えて、或いは加えて、光変調素子35の光出射面352に沿って流通してもよい。
【0095】
上記各実施形態では、第1気流A1及び第2気流A2は、光変調素子35の他、第1レンズ33、入射側偏光板34、出射側偏光板37及び第2レンズ38に流通するとした。しかしながら、これに限らず、第1レンズ33、入射側偏光板34、出射側偏光板37及び第2レンズ38のうち少なくとも1つの光学部品には、第1気流A1及び第2気流A2のそれぞれが流通しなくてもよい。この場合、当該少なくとも1つの光学部品には、第1気流A1及び第2気流A2のうち、一方の気流のみが流通してもよい。
また、上記第2実施形態では、第1気流A1の一部及び第2気流A2の一部は、光源47に流通するとした。しかしながら、これに限らず、光源47には、第1気流A1及び第2気流A2のうち少なくとも一方の気流は流通しなくてもよい。
【0096】
上記第1及び第2実施形態では、画像投射ユニット3A,3Cは、第1風量センサー43及び第2風量センサー44を備え、制御部11は、各風量センサー43,44による検出結果に基づいて、第1ファン41及び第2ファン42のうち少なくとも一方のファンを制御するとした。しかしながら、これに限らず、風量センサーは無くてもよく、制御部11は、風量センサーによる検出結果に基づいて各ファン41,42を制御しなくてもよい。
【0097】
上記第1及び第2実施形態では、第1ファン41は、ケース45の内面45A1と光路変更素子39の第2面392との間の第1空間SP1に配置され、第2ファン42は、ケース45の内面45A2と光路変更素子39の第2面392との間の第2空間SP2に配置されるとした。しかしながら、これに限らず、第1ファン41及び第2ファン42のうち、少なくとも一方は、ケース45の内面45Aと光路変更素子39との間であって、光路変更素子39に対する+Y方向又は-Y方向に配置されていてもよい。
【0098】
上記各実施形態では、プロジェクター1A,1B,1C,1D,1Eは、冷却器としての熱交換ダクト46を備えるとした。しかしながら、ケース45内を流通する気流を冷却可能であれば、冷却器の構成は上記に限定されない。
また、上記のように、プロジェクター1A,1B,1C,1D,1Eが備える熱交換ダクト46は、1つでもよい。
【0099】
上記各実施形態では、熱交換ダクト46は、気流を凹部462内の複数の受熱フィン463に流通させる流入部4621を有し、流入部4621は、熱源HSに対して第1気流A1及び第2気流A2のそれぞれの流通方向に交差する方向に配置されているとした。しかしながら、これに限らず、例えばケース45が熱交換ダクト46に気流を導く導入部を有する場合等、流入部4621は、熱源HSに対して第1気流A1及び第2気流A2のそれぞれの流通方向に交差する方向に必ずしも配置されていなくてもよい。
【0100】
上記各実施形態では、ケース45は、壁部45A3,45A4によって形成されて、第3気流A3を熱交換ダクト46に導く第1案内路458及び第2案内路459を有するとした。しかしながら、これに限らず、第3気流A3が熱交換ダクト46に流通しさえすれば、ケース45は、必ずしも案内路を備えなくてもよい。
【0101】
上記各実施形態では、ケース45は、内部が密閉された密閉筐体であるとした。しかしながら、これに限らず、ケース45の内部は、必ずしも密閉されていなくてもよい。
【0102】
上記各実施形態では、外装筐体2A,2B内に配置された冷却ファン15は、外装筐体2A,2Bの導入口21から外装筐体2A,2Bの内部に導入した冷却気体を、ケース45の外面45Bに流通させるとした。しかしながら、これに限らず、冷却ファン15は、ケース45の外面45Bに冷却気体を流通させなくてもよい。
【0103】
上記各実施形態では、ケース45は、ケース45内において光路変更素子39に対する光入射側とは反対側の空間SPを第1空間SP1と第2空間SP2とに分ける仕切部453を有するとした。しかしながら、これに限らず、仕切部453は無くてもよい。
また、仕切部453によって仕切られる第1空間SP1の容積と第2空間SP2の容積とは略同じであるとした。しかしながら、これに限らず、第1空間SP1の容積と第2空間SP2の容積とは同じでなくてもよい。
【0104】
上記各実施形態では、画像投射ユニット3A,3C,3Dは、光変調素子35の光出射面352に設けられるカラーフィルター36を備えるとした。しかしながら、これに限らず、カラーフィルター36は、光変調素子35の光入射面351に設けられていてもよく、カラーフィルター36は、光出射面352から光変調素子35の光出射側に離間して設けられていてもよい。更に、プロジェクターが白黒画像を投射する場合には、カラーフィルター36は無くてもよい。
【0105】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
光源と、
前記光源からの光の光路に交差する第1面を有し、前記光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、
前記光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、
前記光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、
前記光変調素子及び前記光路変更素子を収容するケースと、
前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、前記第1面に第1方向に沿って第1気流を流通させる第1ファンと、
前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、前記第1面に前記第1方向とは異なる第2方向に沿って第2気流を流通させる第2ファンと、
前記第1気流と前記第2気流とが衝突して発生し、前記第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
【0106】
このような構成によれば、第1ファンからの第1気流は、第1面に第1方向に沿って流通し、第2ファンからの第2気流は、第1面に第2方向に沿って流通し、第1気流と第2気流とは、第1面にて互いに衝突する。第1気流と第2気流とが衝突して発生した第3気流は、熱源である光変調素子の熱を第1面から吸熱し、吸熱した気流は、冷却器によって冷却される。このため、第1面にて発生した乱流である第3気流によって、第1面から効率よく吸熱できるので、光変調素子を効率よく冷却できる。
また、ケースと光路変更素子との間のデッドスペースを利用して第1ファン及び第2ファンを配置できるので、ケースを小型に形成でき、プロジェクターの小型化を図ることができる。
【0107】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1気流の流量を検出する第1風量センサーと、
前記第2気流の流量を検出する第2風量センサーと、
前記第1風量センサーの検出結果及び前記第2風量センサーの検出結果に基づいて、前記第1ファン及び前記第2ファンのうち少なくとも一方のファンを制御して、前記第1気流の流量及び前記第2気流の流量を制御する制御部と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1面における第1気流と第2気流との衝突位置を制御できる。このため、例えば第1気流と第2気流との衝突位置を、第1面において高温となる位置に設定できる。従って、光変調素子の冷却効率を高めることができる。
【0108】
[付記3]
付記1又は付記2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1ファンは、前記光路変更素子に対して前記投射レンズとは反対側に配置され、
前記第2ファンは、前記光路変更素子に対して前記光変調素子とは反対側に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、ケース内に光変調素子、光路変更素子、第1ファン及び第2ファンをコンパクトに配置できる。従って、プロジェクターを小型化できる。
【0109】
[付記4]
光源と、
前記光源からの光の光路に交差する第1面を有し、前記光源からの光を画像信号に基づいて変調する1つの光変調素子と、
前記光変調素子が出射した光の光路を変更する光路変更素子と、
前記光路変更素子にて光路が変更された光を投射する投射レンズと、
前記光変調素子及び前記光路変更素子を収容するケースと、
前記ケースと前記光路変更素子との間に配置され、気流を流通させる1つのファンと、
前記ファンからの気流を分流した第1気流及び第2気流のうち、第1気流を第1方向に沿って前記第1面に流通させ、第2気流を前記第1方向とは異なる第2方向に沿って前記第1面に流通させる分流部と、
前記第1気流と前記第2気流とが衝突して発生し、前記第1面から吸熱した第3気流を冷却する冷却器と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【0110】
このような構成によれば、分流部によって、1つのファンから流通する気流は、第1気流と第2気流とに分流され、第1気流は、第1面に第1方向に沿って流通し、第2気流は、第1面に第2方向に沿って流通して、第1気流と第2気流とは、第1面にて互いに衝突する。第1気流と第2気流とが衝突して発生した第3気流は、熱源である光変調素子の熱を第1面から吸熱し、吸熱した気流は、冷却器によって冷却される。このため、第1面にて発生した乱流である第3気流によって、第1面から効率よく吸熱できるので、光変調素子を効率よく冷却できる。
また、ケースと光路変更素子との間のデッドスペースを利用してファンを配置できるので、ケースを小型に形成でき、プロジェクターの小型化を図ることができる。
【0111】
[付記5]
付記4に記載のプロジェクターにおいて、
前記分流部にて分流された前記第1気流を前記第1面に前記第1方向に沿って流通させる第1ダクトと、
前記分流部にて分流された前記第2気流を前記第1面に前記第2方向に沿って流通させる第2ダクトと、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1ダクト及び第2ダクトによって、分流部にて分流された第1気流及び第2気流を、第1面に効率よく流通させることができる。
【0112】
[付記6]
付記1から付記5のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記冷却器は、複数の受熱フィンを有し、前記複数の受熱フィンの間に前記第3気流を通過させて、前記複数の受熱フィンの延在方向に沿って前記ケースと前記光路変更素子との間に前記第3気流を流通させる熱交換ダクトである、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、光変調素子の熱を吸熱した第3気流は、熱交換ダクトが有する複数の受熱フィンの間を受熱フィンの延在方向に沿って流通する。このとき、第3気流は、受熱フィンに熱を放熱することによって冷却されて、ケースと光路変更素子との間の空間に流通する。これによれば、気流に伝達された光変調素子の熱を冷却器に効率よく放熱できるので、第1気流及び第2気流のそれぞれの温度を低く維持できる。従って、第1気流と第2気流の衝突による光変調素子の冷却効率を高めることができる。
【0113】
[付記7]
付記6に記載のプロジェクターにおいて、
前記熱交換ダクトは、前記第1面に対する前記第1気流及び前記第2気流のそれぞれの流通方向に対して交差する方向に配置されて、前記複数の受熱フィンの間に前記第3気流を流入させる流入部を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
ここで、第1方向に流通する第1気流と第2方向に流通する第2気流とが第1面にて衝突すると、第3気流は、第1方向及び第2方向のそれぞれに交差する方向に流通する。
これに対し、熱交換ダクトは、第1面に対する各気流の流通方向に交差する方向に流入部を有することにより、第3気流を効率よく熱交換ダクトに流通させることができる。
また、第3気流は、流路抵抗が低い流入部に流入するため、第1気流と第2気流との衝突位置は、流入部近傍の位置となる。このため、流入部の位置を調節することによって、第1気流と第2気流との衝突位置を制御できる。
【0114】
[付記8]
付記7に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3気流を、前記熱交換ダクトに案内する案内路を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、案内路によって、第3気流を熱交換ダクトの流入部に効率よく流通させることができる。従って、第3気流を円滑に熱交換ダクトに流通させることができるので、第3気流から複数の受熱フィンへの光変調素子の熱の放熱を促進できる。
【0115】
[付記9]
付記1から付記8のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光変調素子に対する光入射側に配置された入射側偏光板と
前記光変調素子に対する光出射側に配置された出射側偏光板と、を備え、
前記光変調素子は、液晶パネルであり、
前記第1気流の一部と前記第2気流の一部とは、前記入射側偏光板及び前記出射側偏光板のうち少なくとも一方の偏光板の表面に沿って流通する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1気流及び第2気流を流通させることによって、上記少なくとも一方の偏光板の冷却効率を高めることができる。
【0116】
[付記10]
付記1から付記9のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記ケースの内部は、密閉されている、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、ケースの内部に塵埃が侵入することを抑制できるので、光変調素子に塵埃が付着することを抑制できる。また、密閉されたケースであっても、冷却器による第3気流の冷却効果を維持できる。更に、第1ファン及び第2ファンは、密閉されたケース内に配置されるので、各ファンの騒音が外部に漏出することを抑制でき、プロジェクターの静粛性を高めることができる。
【0117】
[付記11]
付記10に記載のプロジェクターにおいて、
外部の気体を内部に導入する導入口、及び、内部の気体を外部に排出する排出口を有し、前記ケースを内部に収容する外装筐体と、
前記外装筐体と前記ケースとの間に配置されて、前記導入口を介して前記外装筐体の内部に導入した気体を前記ケースに流通させる冷却ファンと、を備え、
前記ケースは、前記ケース内の気体の熱を放熱する外面を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、ケース内の熱は、ケースの外面から放熱される。ケースには、導入口から導入された気体が冷却ファンによって流通するので、ケースの外面による放熱を促進でき、ケースから熱が伝達された気体を、排出口から外装筐体の外部に排出できる。従って、ケース内の冷却効果を高めることができる他、外装筐体内の温度を低く維持できる。
【0118】
[付記12]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光源における光出射側の部分は、前記ケース内に露出し、
前記第1気流の一部と前記第2気流の一部とは、前記光源において前記ケース内の露出した部分にて衝突する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、熱源である光源に第1気流及び第2気流を流通させることができ、第1気流及び第2気流の他、第3気流によって光源を冷却できる。従って、光源の冷却効率を高めることができる。
【0119】
[付記13]
付記1から付記12のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光源は、面状光源である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、光源が面状光源であることにより、光源から出射された照明光を拡大する光学部材を設ける必要がない。従って、光源から光変調素子までの光路を短縮でき、ひいては、プロジェクターを小型化できる。
【符号の説明】
【0120】
1A,1B,1C,1D,1E…プロジェクター、11…制御部、12…電源部、13…熱輸送部材、14…放熱部材、15…冷却ファン、2A,2B…外装筐体、21…導入口、22…排出口、3A,3C,3D…画像投射ユニット、31…光源、311…発光素子、312…支持体、32…リフレクター、33…第1レンズ、34…入射側偏光板、35…光変調素子、351…光入射面(第1面)、352…光出射面、36…カラーフィルター、37…出射側偏光板、38…第2レンズ、39…光路変更素子、391…第1面、392…第2面、40…投射レンズ、41…第1ファン、411…吸気部、412…送出部、42…第2ファン、421…吸気部、422…送出部、43…第1風量センサー、44…第2風量センサー、45…ケース、45A,45A1,45A2…内面、45A3,45A4…壁部、45B,45B1,45B2,45B3,45B4…外面、451…第1開口部、452…第2開口部、453…仕切部(分流部)、454…第3開口部、455…第4開口部、4551,4552…開口部、456…第5開口部、457…第6開口部、4571,4572…開口部、458…第1案内路、459…第2案内路、46…熱交換ダクト、461…第1面、462…凹部、4621…流入部、463…受熱フィン、464…第2面、465…放熱フィン、46A…第1熱交換ダクト、46B…第2熱交換ダクト、47…光源、471…発光素子、472…基板、473…放熱部材、4731…フィン、48…ファン、481…第1吸気部、482…第2吸気部、483…送出部、49…ファン、50…分流部、51…第1ダクト、52…第2ダクト、SP…空間、SP1…第1空間、SP2…第2空間。