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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110523
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】コンテナ組立装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/26 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
B65B43/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015129
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】591212408
【氏名又は名称】中洲電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇野 強
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030AA09
3E030BA02
3E030BB10
3E030BC01
3E030CA01
3E030CB01
3E030DA05
3E030GA05
(57)【要約】
【課題】より簡単かつ迅速にコンテナを組み立てて搬出することを可能とするコンテナ組立装置を提供する
【解決手段】コンテナ組立装置は、躯体と、配置空間に導入された折り畳み形態のコンテナを吊り上げてコンテナを変形させる吊り上げ装置と、吊り上げ装置によって吊り上げられたコンテナに対して、一対の第2側壁を内から外へと押圧する押圧装置と、組み立てられたコンテナを支持するとともにコンテナを配置空間から搬出空間へと送り出す搬出レールと、を備える。搬出レールは、コンテナに干渉しない非干渉位置と、コンテナを支持して送り出す搬出可能位置との間で変位する。搬出レールは、コンテナが搬出レールの高さ位置を上方に通過するときに非干渉位置に配置され、コンテナが搬出レールの高さ位置の上方に移動した後に搬出可能位置に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置空間に導入された、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを前記折り畳み形態から前記箱形態へと組み立て、組み立てた前記箱形態のコンテナを搬出空間へと送り出すためのコンテナ組立装置であって、
前記コンテナは、底壁と、内側に開口を有し、前記折り畳み形態において前記底壁上に載置される天枠と、前記底壁の横辺及び前記天枠の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部を有する一対の第1側壁と、前記天枠の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有し、前記折り畳み形態において内面が前記天枠の開口から上方に臨むように折り込まれる一対の第2側壁と、前記天枠の対向する辺にそれぞれ設けられた被係合部と、を備え、前記折り畳み形態から前記箱形態に変形する際、前記第1側壁が直状に延伸する中間形態を経て、前記第2側壁が外側に押圧されて前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着されるように構成されるものであり、
前記コンテナ組立装置は、
前記コンテナを配置する配置空間を内部に画定する躯体と、
前記配置空間に導入された折り畳み形態の前記コンテナに対して、前記天枠の対向する辺のそれぞれの前記被係合部に係合する係合片を備え、前記係合片および前記被係合部が係合した状態で前記天枠を高さ方向上方に吊り上げて前記コンテナを前記折り畳み形態から前記中間形態に変形させるように構成された吊り上げ装置と、
前記吊り上げ装置によって前記天枠が吊り上げられた前記中間形態の前記コンテナに対して、前記第2側壁を前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着するように、前記一対の第2側壁を内から外へと押圧するように作動する押圧装置と、
前記吊り上げ装置および前記押圧装置によって組み立てられた箱形態のコンテナを支持するとともに前記コンテナを前記配置空間から前記搬出空間へと送り出すように、送り出し方向に沿って延在する搬出レールと、を備え、
前記搬出レールは、前記コンテナに干渉しない非干渉位置と、前記コンテナを支持して送り出す搬出可能位置との間で変位するように構成され、
前記搬出レールは、前記コンテナが前記搬出レールの高さ位置を上方に通過するときに前記非干渉位置に配置され、前記コンテナが前記搬出レールの高さ位置の上方に移動した後に前記搬出可能位置に配置されるように動作することを特徴とするコンテナ組立装置。
【請求項2】
前記搬出レールは、基端から前記搬出空間に隣接する先端へと送り出し方向に沿って延在する長手部材と、前記送り出し方向に亘って前記長手部材に回転可能に取着された複数のローラとを備え、
前記搬出レールは、基端側のローラよりも先端側のローラを鉛直下方に配置し、重力によって前記コンテナを送り出し方向に摺動させるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項3】
前記搬出レールは、前記非干渉位置から前記搬出可能位置へと回動によって変位するように前記躯体によって回動可能に保持されており、かつ、可撓性の帯状体を介して前記吊り上げ装置に対して鉛直下方側に連結されており、
前記吊り上げ装置の前記係合片の昇降動作に従って、前記帯状体が、撓み変形しつつ、前記搬出レールを回動させるように作用することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項4】
前記搬出レールは、前記非干渉位置から前記搬出可能位置へと回動によって変位するように前記躯体によって回動可能に保持されており、かつ、可撓性の帯状体を介して前記吊り上げ装置に対して鉛直下方側に連結されており、
前記吊り上げ装置の前記係合片の昇降動作に従って、前記帯状体が、撓み変形しつつ、前記搬出レールを回動させるように作用することを特徴とする請求項2に記載のコンテナ組立装置。
【請求項5】
前記搬出レールは、初期形態において前記搬出可能位置に位置しており、上昇する前記コンテナの前記天枠が前記搬出レールに当接することによって、前記搬出可能位置から前記非干渉位置へと回動して変位するように構成され、
前記コンテナの底壁が前記搬出レールよりも高い位置にある状態で、前記帯状体が前記搬出レールを前記非干渉位置から前記搬出可能位置へと回動させることを特徴とする請求項4に記載のコンテナ組立装置。
【請求項6】
前記係合片は、前記係合片が前記コンテナに干渉しない退避位置と、前記退避位置から突出して前記被係合部に係合し得る係合可能位置との間で変位するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のコンテナ組立装置。
【請求項7】
前記吊り上げ装置は、前記係合片に連結された可撓性の紐状体と、前記紐状体を高さ方向上方に牽引する牽引手段と、を備え、
前記係合片は、対向する前記被係合部に向けて斜め上方に傾斜する案内路に配置され、前記紐状体によって高さ方向上方に吊り上げられると同時に、前記退避位置から前記係合可能位置へと斜め上方にスライド移動することを特徴とする請求項6に記載のコンテナ組立装置。
【請求項8】
前記帯状体と前記紐状体とが、前記係合片を介して高さ方向に連続する長尺体を形成していることを特徴とする請求項7に記載のコンテナ組立装置。
【請求項9】
前記搬出空間には、前記配置空間から搬出された前記箱形態のコンテナを所定の搬送先に搬送するための搬送路が設けられ、
前記搬出可能位置の搬出レールの先端と、前記搬送路の基端とが、前記コンテナを送り出し可能であるように連続していることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項10】
前記吊り上げ装置は、前記係合片に先端が連結され、前記係合片を高さ方向上方に牽引するための可撓性の紐状体を備え、
前記押圧装置は、シリンダチューブおよびロッドを備えるシリンダと、前記ロッドの先端に固定され、前記ロッドが前記シリンダチューブから伸長することによって前記一対の第2側壁を内から外へと押圧するように構成された押圧体とを備え、
前記紐状体が前記躯体に固定された滑車に架けられるとともに、前記紐状体の基端が前記押圧体または前記ロッドに固定され、
前記ロッドの伸長動作に連動して、前記紐状体が上方に巻き上げられることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ組立装置。
【請求項11】
前記配置空間は、前記コンテナを複数段に積み重ねて配置可能であり、
前記コンテナ組立装置は、前記配置空間内の前記1または複数のコンテナを昇降させるコンテナ昇降装置をさらに備え、
前記コンテナ昇降装置によって前記1または複数のコンテナが上昇した状態で、前記1または複数のコンテナの上段のコンテナから順に1つずつ組み立てられて前記搬出空間に送り出されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のコンテナ組立装置。
【請求項12】
前記コンテナ組立装置の動作を制御する制御部をさらに備え、前記制御部によって、前記コンテナ組立装置は、
前記係合片および前記被係合部が係合した状態で、前記係合片を上昇させて前記コンテナを前記折り畳み形態から前記中間形態に変形させる第1の工程と、
前記係合片の昇降動作に連動して、前記搬出レールを前記非干渉位置から前記搬出可能位置に変位させる第2の工程と、
前記第1の工程の後であり、且つ、前記第2の工程の前または後において、前記押圧装置を作動させて、前記一対の第2側壁を内から外へと押圧して、前記コンテナを前記中間形態から前記箱形態に変形させる第3の工程と、
前記係合片を下降させて、前記係合片および前記被係合部の係合を解除するとともに、前記コンテナを前記搬出レール上に配置する第4の工程と、
前記コンテナを前記配置空間から前記搬出空間へと送り出す第5の工程と、を実行するように動作することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のコンテナ組立装置。
【請求項13】
前記配置空間に配置された前記箱形態の前記コンテナの一対の第2側壁を外側から内側へと押圧する第1押圧手段と、一対の第1側壁のヒンジ部を外側から内側へと押圧する第2押圧手段と、を備える折り畳み装置をさらに備え、前記折り畳み装置は、前記第1押圧手段によって前記第2側壁の嵌着を解除した直後、前記第2押圧手段によって前記ヒンジ部を押圧するように制御されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のコンテナ組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てるためのコンテナ組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を収納して運搬するために、筐体の壁が板状に折り重なった折り畳み形態から筐体状の箱形態へ変形する折り畳み式コンテナ(図25図27参照)が使用されている。この折り畳み式コンテナは、不使用時に折り畳み積み重ねることでスペースを節約でき、尚且つ、ビス等を用いることなく簡易に組立および折り畳みが可能であることから、工場のラインなど、種々の用途において活用されている。そして、折り畳み式コンテナを迅速かつ簡単に組み立てるために様々な試行錯誤がなされている。
【0003】
特許文献1は、折り畳み式コンテナの自動組立機を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。特許文献1の自動組立機(11)において、折り畳まれたコンテナ(1)が複数個積み重ねられたコンテナ群は、多数群が近接した状態で搬入装置(9)により搬入される。下送り装置(29)の押圧ベルト(31)が、このコンテナ群の両側面を保持した状態で、シリンダ(47)が働きロッド(49)が縮むと分離台(27)は回動し、コンテナ群の下方は開放される。この状態で下送り装置(29)がコンテナ群を下方へ送ると、最下段のコンテナ(1)はやがて底板(5)の自重により第1の側板(3)が概略伸長する。そしてプッシュ装置(54)のシリンダ(60)が働きプッシャ(56)が、第1の側板(3)を内側から押し拡げると、第2の側板(4)が下りてきて、第1の側板(4)が殆ど完全に伸長させられる。このとき支持台(51)はシリンダ(53)によって上昇しておりコンテナ(1)の底面を支持している。そして、伸長が行われた後に下降し、コンテナ(1)を搬送ベルト(57)の上に載せる。搬送ベルト(57)によりコンテナ(1)が途中まで搬送されると、拡開装置(67)のシリンダ(69)が回動アーム及びローラをコンテナ内に侵入させる。同時にこのとき押上装置(77)によってコンテナ(1)は押し上げられる。この侵入によりローラ(75)は第2の側板(4)を押す。この第2の側板(4)は、コンテナ(1)が折り畳まれた状態では水平に畳まれていたが、前記第1の側板(3)が伸長されて、自重によりある程度八分方降下している。そこへ、前記ローラ(75)によりさらに押し降ろされ拡開する。この拡開により、第2の側板(4)は、完全に拡げられ第(1)の側板(3)の間に嵌め込まれる。これによりコンテナは完全に箱型に組み立てられる。この状態でさらに押上装置(77)を下降させた上で、搬送ベルト(57)によってコンテナ(1)は搬送され、次の搬送装置へ向かって搬出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-2227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の自動組立機(コンテナ組立装置)では、折り畳み積み重ねたコンテナのうちの1つを下送り装置によって保持し下方へ送り、プッシュ装置で第1の側板を内側から押して伸長させ、さらに、コンテナを搬送ベルトで搬送した後、拡開装置をで第2の側板を押して拡開することにより、コンテナを組み立てる。コンテナを組み立てた後、さらに押上装置を下降させた上で、搬送ベルトによってコンテナが搬出される。すなわち、従来の自動組立機は、1つのコンテナを組み立ててから搬出するまでに多くの工程を要することから、迅速にコンテナを組み立てることができないことが問題として挙げられる。よって、本発明は、従来より組立から搬出までの工程を効率化し、簡易かつ迅速に1または複数のコンテナを組み立てることを可能とすることを課題とした。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より簡単かつ迅速に1または複数のコンテナを組み立てて搬出することを可能とするコンテナ組立装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態のコンテナ組立装置は、配置空間に導入された、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを前記折り畳み形態から前記箱形態へと組み立て、組み立てた前記箱形態のコンテナを搬出空間へと送り出すためのコンテナ組立装置であって、
前記コンテナは、底壁と、内側に開口を有し、前記折り畳み形態において前記底壁上に載置される天枠と、前記底壁の横辺及び前記天枠の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部を有する一対の第1側壁と、前記天枠の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有し、前記折り畳み形態において内面が前記天枠の開口から上方に臨むように折り込まれる一対の第2側壁と、前記天枠の対向する辺にそれぞれ設けられた被係合部と、を備え、前記折り畳み形態から前記箱形態に変形する際、前記第1側壁が直状に延伸する中間形態を経て、前記第2側壁が外側に押圧されて前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着されるように構成されるものであり、
前記コンテナ組立装置は、
前記コンテナを配置する配置空間を内部に画定する躯体と、
前記配置空間に導入された折り畳み形態の前記コンテナに対して、前記天枠の対向する辺のそれぞれの前記被係合部に係合する係合片を備え、前記係合片および前記被係合部が係合した状態で前記天枠を高さ方向上方に吊り上げて前記コンテナを前記折り畳み形態から前記中間形態に変形させるように構成された吊り上げ装置と、
前記吊り上げ装置によって前記天枠が吊り上げられた前記中間形態の前記コンテナに対して、前記第2側壁を前記第1側壁及び/又は前記底壁に対して嵌着するように、前記一対の第2側壁を内から外へと押圧するように作動する押圧装置と、
前記吊り上げ装置および前記押圧装置によって組み立てられた箱形態のコンテナを支持するとともに前記コンテナを前記配置空間から前記搬出空間へと送り出すように、送り出し方向に沿って延在する搬出レールと、を備え、
前記搬出レールは、前記コンテナに干渉しない非干渉位置と、前記コンテナを支持して送り出す搬出可能位置との間で変位するように構成され、
前記搬出レールは、前記コンテナが前記搬出レールの高さ位置を上方に通過するときに前記非干渉位置に配置され、前記コンテナが前記搬出レールの高さ位置の上方に移動した後に前記搬出可能位置に配置されるように動作することを特徴とする。
【0008】
本発明の一形態のコンテナ組立装置によれば、吊り上げ装置によって配置空間に導入された折り畳み形態のコンテナの天枠を高さ方向上方に吊り上げることで、その自重によってコンテナを折り畳み形態から中間形態へと変形させ、次いで、押圧装置によって第2側壁を内から外へと押圧することによってコンテナを中間形態から箱形態へと変形させることができる。さらに、搬出レールが、コンテナが搬出レールの高さ位置を上方に通過するときに非干渉位置に配置され、コンテナが前記搬出レールの高さ位置の上方に移動した後に搬出可能位置に配置されるように動作する。これにより、コンテナ組立装置は、コンテナを搬出レールの上方に吊り上げて箱形態へと変形させた後、コンテナを降して搬出レール上に配置して、配置空間から搬出空間へと搬出することが可能である。したがって、コンテナ組立装置は、従来より組立から搬出までの工程を効率化し、かつ、より簡単かつ迅速に1または複数のコンテナを組み立てることを可能とするものである。
【0009】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記搬出レールは、基端から前記搬出空間に隣接する先端へと送り出し方向に沿って延在する長手部材と、前記送り出し方向に亘って前記長手部材に回転可能に取着された複数のローラとを備え、前記搬出レールは、基端側のローラよりも先端側のローラを鉛直下方に配置し、重力によって前記コンテナを送り出し方向に摺動させるように傾斜していることを特徴とする。すなわち、搬出レールが傾斜していることにより、搬出レールに動力を付与することなく、コンテナを搬出空間に効率的に送り出すことが可能である。
【0010】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記搬出レールは、前記非干渉位置から前記搬出可能位置へと回動によって変位するように前記躯体によって回動可能に保持されており、かつ、可撓性の帯状体を介して前記吊り上げ装置に対して鉛直下方側に連結されており、前記吊り上げ装置の前記係合片の昇降動作に従って、前記帯状体が、撓み変形しつつ、前記搬出レールを回動させるように作用することを特徴とする。すなわち、本発明のコンテナ組立装置は、可撓性の帯状体が吊り上げ装置と搬出レールとを連結し、コンテナを昇降させるための係合片の昇降動作に従って帯状体が搬出レールに作用することから、簡易な構造で、搬出レールを吊り上げ装置の動作に連動させることが可能である。
【0011】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記搬出レールは、初期形態において前記搬出可能位置に位置しており、上昇する前記コンテナの前記天枠が前記搬出レールに当接することによって、前記搬出可能位置から前記非干渉位置へと回動して変位するように構成され、前記コンテナの底壁が前記搬出レールよりも高い位置にある状態で、前記帯状体が前記搬出レールを前記非干渉位置から前記搬出可能位置へと回動させることを特徴とする。すなわち、本発明のコンテナ組立装置は、簡易な構造で、搬出レールを吊り上げ装置の動作に連動させて変位させることが可能である。
【0012】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記係合片は、前記係合片が前記コンテナに干渉しない退避位置と、前記退避位置から突出して前記被係合部に係合し得る係合可能位置との間で変位するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記吊り上げ装置は、前記係合片に連結された可撓性の紐状体と、前記紐状体を高さ方向上方に牽引する牽引手段と、を備え、前記係合片は、対向する前記被係合部に向けて斜め上方に傾斜する案内路に配置され、前記紐状体によって高さ方向上方に吊り上げられると同時に、前記退避位置から前記係合可能位置へと斜め上方にスライド移動することを特徴とする。すなわち、紐状体によって各係合片が吊り上げられる力によって、各係合片が案内路に沿って斜め上方にスライド移動することで、退避位置から係合可能位置へと変位することができる。これにより、吊り上げ装置の構造を簡易化することができる。
【0014】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記帯状体と前記紐状体とが、前記係合片を介して高さ方向に連続する長尺体を形成していることを特徴とする。すなわち、帯状体および紐状体が一体的に連動して、吊り上げ装置および搬出レールの動作を効果的に連動させることができる。
【0015】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、 前記吊り上げ装置は、前記係合片に先端が連結され、前記係合片を高さ方向上方に牽引するための可撓性の紐状体を備え、前記押圧装置は、シリンダチューブおよびロッドを備えるシリンダと、前記ロッドの先端に固定され、前記ロッドが前記シリンダチューブから伸長することによって前記一対の第2側壁を内から外へと押圧するように構成された押圧体とを備え、前記紐状体が前記躯体に固定された滑車に架けられるとともに、前記紐状体の基端が前記押圧体または前記ロッドに固定され、前記ロッドの伸長動作に連動して、前記紐状体が上方に巻き上げられることを特徴とする。すなわち、押圧装置の動作と吊り上げ装置の動作とを連動させることで、コンテナ組立装置をより簡易な構造とすることが可能である。
【0016】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記搬出空間には、前記配置空間から搬出された前記箱形態のコンテナを所定の搬送先に搬送するための搬送路が設けられ、前記搬出可能位置の搬出レールの先端と、前記搬送路の基端とが、前記コンテナを送り出し可能であるように連続していることを特徴とする。すなわち、搬出空間に搬出されたコンテナを所定の搬送先に迅速に搬送することが可能である。
【0017】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記配置空間は、前記コンテナを複数段に積み重ねて配置可能であり、前記コンテナ組立装置は、前記配置空間内の前記1または複数のコンテナを昇降させるコンテナ昇降装置をさらに備え、前記コンテナ昇降装置によって前記1または複数のコンテナが上昇した状態で、前記1または複数のコンテナの上段のコンテナから順に1つずつ組み立てられて前記搬出空間に送り出されることを特徴とする。すなわち、本発明のコンテナ組立装置は、複数のコンテナを、1つずつ連続して、組み立てて搬出空間に送り出すことが可能である。
【0018】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、上記形態のコンテナ組立装置において、前記コンテナ組立装置の動作を制御する制御部をさらに備え、前記制御部によって、前記コンテナ組立装置は、
前記係合片および前記被係合部が係合した状態で、前記係合片を上昇させて前記コンテナを前記折り畳み形態から前記中間形態に変形させる第1の工程と、
前記係合片の昇降動作に連動して、前記搬出レールを前記非干渉位置から前記搬出可能位置に変位させる第2の工程と、
前記第1の工程の後であり、且つ、前記第2の工程の前または後において、前記押圧装置を作動させて、前記一対の第2側壁を内から外へと押圧して、前記コンテナを前記中間形態から前記箱形態に変形させる第3の工程と、
前記係合片を下降させて、前記係合片および前記被係合部の係合を解除するとともに、前記コンテナを前記搬出レール上に配置する第4の工程と、
前記コンテナを前記配置空間から前記搬出空間へと送り出す第5の工程と、を実行するように動作することを特徴とする。
【0019】
本発明のさらなる形態のコンテナ組立装置は、前記配置空間に配置された前記箱形態の前記コンテナの一対の第2側壁を外側から内側へと押圧する第1押圧手段と、一対の第1側壁のヒンジ部を外側から内側へと押圧する第2押圧手段と、を備える折り畳み装置をさらに備え、前記折り畳み装置は、前記第1押圧手段によって前記第2側壁の嵌着を解除した直後、前記第2押圧手段によって前記ヒンジ部を押圧するように制御されることを特徴とする。すなわち、折り畳み装置によって、1または複数のコンテナの折り畳み作業をも迅速化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコンテナ組立装置は、簡易かつ迅速にコンテナを組み立てて、配置空間から搬出空間に搬出することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置を含むコンテナ組立搬送システムの概略斜視図。
図2図1のコンテナ組立搬送システムの側面図。
図3図1のコンテナ組立装置の概略斜視図。
図4図3のコンテナ組立装置の正面図。
図5図3のコンテナ組立装置の平面図。
図6図3のコンテナ組立装置の側面図。
図7図4のコンテナ組立装置のA-A断面図。
図8図7のコンテナ組立装置のB-B拡大断面図。
図9図3のコンテナ組立装置の吊り上げ動作後の吊り上げ装置および搬出レールを模式的に示す部分拡大斜視図。
図10図9のコンテナ組立装置の断面図。
図11図3のコンテナ組立装置の押圧装置のコンテナに対する動作を示す模式図であって、(a)押圧ローラが底壁に当接した形態、および(b)押圧ローラが一対の第2側壁を押圧する形態を示す。
図12図3のコンテナ組立装置の搬出レールの回動動作を模式的に示す断面(正面)図であって、(a)搬出可能位置から非干渉位置へと変位する形態、(b)非干渉位置に変位した形態、および(c)帯状体の作用によって非干渉位置から搬出可能位置へと変位する形態を示す。
図13図3のコンテナ組立装置のコンテナ昇降装置の昇降動作を模式的に示す概略正面図。
図14】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、折り畳み形態のコンテナを複数段に積み重ねて配置空間に配置した第1(初期)形態を模式的に示す正面図。
図15】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、配置空間内の折り畳み形態のコンテナ群を、コンテナ昇降装置によって上昇させるとともに、搬出レールを搬出可能位置から非干渉位置へと変位させる工程を示す正面図。
図16】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、配置空間内の折り畳み形態のコンテナ群を、コンテナ昇降装置によって所定の高さ位置まで上昇させた第2形態を模式的に示す正面図。
図17図16のコンテナ組立装置の第2形態において、コンテナと吊り上げ装置との関係を模式的に示す断面図。
図18図16のコンテナ組立装置の形態において、コンテナ組立装置の被係合部に係合片が掛止する動作を模式的に示す断面図。
図19】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、コンテナを吊り上げて中間形態に変形させるとともに、押圧装置によってコンテナを中間形態から箱形態へと組み立てた第3形態を模式的に示す正面図。
図20】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、コンテナ昇降装置によってコンテナ群を下降させた第4形態を模式的に示す正面図。
図21】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、箱形態のコンテナを下降させるとともに、帯状体の作用によって、搬出レールを非干渉位置から搬出可能位置へと変位させる、第5形態を模式的に示す正面図。
図22】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、箱形態のコンテナを搬出レール上に配置した第6形態を模式的に示す正面図。
図23図22の第6形態のコンテナ組立装置の側面図。
図24】本発明の一実施形態のコンテナ組立装置において、箱形態のコンテナを配置空間から搬出空間へと搬出した第7形態を模式的に示す正面図。
図25】本発明の一実施形態で例示される折り畳み式のコンテナの箱形態の斜視図。
図26図25のコンテナの変形途中の形態の斜視図。
図27図25のコンテナの折り畳み形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、上下左右方向は、相互に入れ替えて解釈されてもよい。
【0023】
本実施形態のコンテナ組立装置100は、折り畳み形態および箱形態に相互に変形する折り畳み式のコンテナを組み立てる用途に用いられる。また、コンテナ組立装置100は、コンテナの搬送先まで延在する搬送路200と協働して、コンテナ組立搬送システムを構成するものである。なお、搬送路200は、コンテナを搬送可能であればよく、任意の形態を取り得る。そして、本実施形態のコンテナ組立装置100は、電源(図示せず)によって電力を供給されることで自動で駆動され、ユーザーによるスイッチや制御盤(図示せず)等の操作によって、複数のコンテナを連続して組み立てることを可能とするものである。ここで、折り畳み式コンテナは、搬送などで一般的に使用されるものであるが、限定を目的とせず、図25乃至図27のコンテナ10として例示される。本発明の対象とする折り畳み式のコンテナは、コンテナ10の形態に限定されるものではない。
【0024】
図25に示すとおり、箱状のコンテナ10は、矩形板状の底壁11と、該底壁11に対向配置され、内側に開口を有する天枠12と、底壁11横辺および天枠12横辺の間で互いに対向する一対の第1側壁13と、底壁11縦辺および天枠12縦辺の間で互いに対向する一対の第2側壁14とを備える。天枠12の対向する横辺(または縦辺でもよい)の各々には、取っ手をなす凹状の2つの被係合部17が形成されている。コンテナ10は、図25に示す上方に開口した筐体状の箱形態から、図26に示す変形途中の形態を経て、図27に示す板状に折り重なった折り畳み形態へと相互に変形可能である。図26に示すように、一対の第1側壁13は、底壁11の横辺及び天枠12の横辺に上端縁および下端縁がそれぞれ回動式に連結されるとともに、上端縁および下端縁の間で内側にのみ自在に屈折可能とするヒンジ部13aを有する。また、図26に示すように、一対の第2側壁14は、天枠12の縦辺に回動式に上端縁が連結されるとともに下端縁に自由端を有する。また、第2側壁14の両側端縁および下端縁には、一対の第1側壁13の側端縁および底壁11の縦辺に嵌着される嵌合部15がそれぞれ設けられている。なお、図26において、第1側壁13が部分的に屈折している場合、第2側壁14が第1側壁13の上端縁に当接することから、第2側壁14は底壁11側に回動しない。
【0025】
図25の箱形態のコンテナ10では、一対の第2側壁14が直状の第1側壁13および底壁11の少なくとも一方に対して固着することによって、コンテナ10が箱状を維持している。また、図27の折り畳み形態のコンテナ10では、底壁11の上に天枠12が載置されている。そして、該天枠12の開口の内側で、一対の第1側壁13がヒンジ部13aを介して内側に「く」字状に屈折して折り畳まれ、且つ、折り畳まれた第1側壁13の上方で、一対の第2側壁14が、その内面が天枠12の開口から上方に臨むように折り込まれている。そして、図25乃至図27に示すように、折り畳み形態から箱形態にコンテナ10が変形する際、第1側壁13が屈折した状態から直状に延伸する中間形態を経て、第2側壁14が外側に押圧されて第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌合部15を介して嵌着される。
【0026】
図面を参照して、本実施形態のコンテナ組立装置100およびコンテナ組立搬送システムの構成について説明する。図1は、本実施形態のコンテナ組立搬送システムの概略斜視図である。図2は、コンテナ組立搬送システムの概略側面図である。図3は、コンテナ組立装置100の概略斜視図である。図4は、コンテナ組立装置100の正面図である。図5は、コンテナ組立装置100の平面図である。図6は、コンテナ組立装置100の側面図である。図7は、コンテナ組立装置100のA-A断面図である。図8は、コンテナ組立装置100のB-B断面図である。なお、図1乃至図8は、コンテナ組立装置100の初期形態を示している。
【0027】
図1および図2に示すように、コンテナ組立搬送システムは、コンテナ組立装置100と、該コンテナ組立装置100の搬出空間S2に連設された箱形態のコンテナ10を所定の搬送先(例えば、作業場所)に搬送するための搬送路200とを備える。コンテナ組立搬送システムは、コンテナ組立装置100の配置空間S1の複数のコンテナ10を1つずつ折り畳み形態から箱形態に組み立てるとともに、箱形態のコンテナ10を配置空間S1から搬出空間S2へと搬出し、そして、搬出されたコンテナ10を所定の搬送先に搬送することを可能とする。すなわち、折り畳み形態のままコンテナ組立装置100に投入された複数のコンテナ10は、1つずつ順番に組み立てられて、搬送先へと自動的に搬送される。
【0028】
図1乃至図6に示すように、コンテナ組立装置100は、1または複数のコンテナ10を配置する配置空間S1を内部に画定する躯体(図示略)と、該配置空間S1に対して設けられた吊り上げ装置110と、該配置空間S1の上方に設けられた押圧装置130と、該配置空間S1の正面視両側に設けられた一対の搬出レール150と、吊り上げ装置110(係合片114)および搬出レール150を連結するための帯状体160と、該配置空間S1の下部に設けられたコンテナ昇降装置170と、を備える。また、図示しないが、コンテナ組立装置100は、電源から電力を供給される電力供給部と、コンテナ組立装置100の各構成要素の動作を制御する制御部(プロセッサ)と、ユーザーからの指示を入力するための制御盤とを備え得る。
【0029】
躯体は、縦横および高さ方向に延びる矩形状のフレームを備える。しかしながら、図面において、各構成要素を描写する便宜上、躯体の全体像の描写を省略し、一部分(頂部フレーム101)のみを描写している。そして、躯体の内側にコンテナ10を配置するための配置空間S1が形成されている。躯体は、吊り上げ装置110、押圧装置130、搬出レール150およびコンテナ昇降装置170を相互に動作可能に支持および連結するものである。配置空間S1は、平面視において1つのコンテナ10を配置可能な面積を有し、かつ、正面視において複数のコンテナ10を配置可能な高さを有している。
【0030】
吊り上げ装置110は、配置空間S1にあるコンテナ10の天枠12を保持(掛止)して、1つのコンテナ10を高さ方向上方に吊り上げるように構成されている。吊り上げ装置110は、高さ方向に昇降移動する一対の昇降体111と、各昇降体111に保持され、配置空間S1に導入された折り畳み形態のコンテナ10に対して、天枠12の対向する辺のそれぞれの被係合部17に係合する複数の係合片114と、各係合片114を高さ方向に吊り上げ可能に連結する複数の可撓性の紐状体115と、配置空間S1の4隅で立設され、各昇降体111の両端を保持するとともに昇降体111の鉛直方向に沿った昇降をガイドする複数の昇降レール117と、該紐状体115を巻き上げて複数の係合片114を鉛直上方に牽引するように動作する牽引手段とを備える。すなわち、吊り上げ装置110は、係合片114および被係合部17が係合した状態で天枠12を高さ方向上方に吊り上げてコンテナ10を折り畳み形態から中間形態に変形させるように構成されている。
【0031】
各昇降体111は、板状を成し、正面から見て前後の一対の昇降レール117に架け渡され、一対の昇降レール117に沿って摺動可能に支持されている。各昇降レール117は、鉛直方向に沿って延びている。また、本実施形態では、正面から見て左右から配置空間S1を挟むように一対の昇降体111が同じ高さに配置されている。各昇降レール117は、コンテナ10を折り畳み形態から中間形態へと変形させるまで天枠12を上昇させることが可能な長さを有している。そして、各昇降体111の両端部が昇降レール117に摺動可能に保持されている。図3および図4に示すように、初期形態では、昇降体111が昇降レール117の下端に配置されている。そして、紐状体115が、高さ方向に張力状態で連続して延びており、その先端(下端)側部位において、係合片114を介して昇降体111に連結されている。また、本実施形態では、片方の昇降体111の組に対して、コンテナ10を安定した姿勢で吊り上げることができるように、2条の紐状体115が用いられた。換言すると、積み重なった複数のコンテナ10を安定して吊り上げるために配置空間S1の4隅近傍で延びる4条の紐状体115が用いられた。
【0032】
各紐状体115は、配置空間S1の上部で躯体に固定された複数の滑車102に架けられ、その基端が、押圧装置130の押圧体135の基部136に連結されている。すなわち、紐状体115の基端が、押圧装置130のシリンダ131のロッド133に(間接的に)連結されていることで、紐状体115が、シリンダ131の動作(ロッド133の伸長動作)に連動して巻き上げられる。つまり、紐状体115は、押圧装置130のシリンダ131の動作に連動して、高さ方向の昇降体111の組を牽引するように機能する。換言すると、牽引手段は、シリンダ131および滑車102から構成され、シリンダ131のロッド133の伸縮動作を利用するものである。しかしながら、牽引手段は、躯体に固定されたウインチ等であってもよい。
【0033】
各昇降体111には、図7に示すように、コンテナ10の天枠12の対向する各横辺の2箇所に対として設けられた一対の被係合部17に対応する位置(正面から見て前後方向に一致する位置)に、一対の係合片114が保持されている。そして、各係合片114には、各紐状体115の下端が接続されている。
【0034】
図7および図8に示すように、係合片114は、凹状の被係合部17に下方から引っ掛かって掛止可能な爪状のプレートである。各係合片114は、昇降体111に形成された保持部112によって抜け止めされた状態で保持されている。そして、係合片114は、係合片114が(配置空間S1の)コンテナ10に干渉しない退避位置と、係合片114が退避位置から配置空間S1に突出して被係合部17に係合し得る係合可能位置との間で変位するように構成されている。つまり、係合片114が保持部112に収まった位置が退避位置をなし、係合片114の一部が配置空間S1に進入するように突出した位置が係合可能位置をなす。図8および図10に示すように、係合片114は、係合可能位置において、保持部112の抜け止め部(図示せず)と係合することで係止されるように構成されている。また、保持部112には、対向する被係合部17に向けて斜め上方に傾斜する案内路113が形成されている。係合片114は案内路113上に配置され、係合片114のスライド方向が案内路113によって案内される。
【0035】
次に、図9および図10を参照して、吊り上げ装置110の吊り上げ動作について説明する。図9は、吊り上げ動作後の吊り上げ装置110(および搬出レール150)を模式的に示す部分拡大斜視図であり、図10は、その断面図である。コンテナ組立装置100の初期形態から、4条の紐状体115が同時かつ同速度で巻き上げられると、張力状態の紐状体115によって係合片114が鉛直上方に持ち上げられる。そして、係合片114は、紐状体115によって高さ方向上方に吊り上げられると同時に、斜め上方にスライド移動し、配置空間S1へと突出する。すなわち、紐状体115によって各係合片114が吊り上げられる力によって、各係合片114が案内路113に沿って斜め上方にスライド移動することで、退避位置から係合可能位置へと変位する。そして、図10に示すように、紐状体115によって吊り上げられた各係合片114が昇降体111の抜け止め部(図示せず)に係止される。そして、係合片114が突出した状態で、紐状体115をさらに巻き上げることで、図9および図10に示すように、一対の昇降体111が、張力状態の紐状体115によって鉛直上方に吊り上げられ、初期の高さ位置(昇降レール117の下端部)から所定の高さ位置に移動して停止する。後述するとおり、複数の係合片114がコンテナ10の複数の被係合部17にそれぞれ掛止した状態で張力状態の紐状体115が牽引されることによって、コンテナ10が折り畳み形態から中間形態へと変形する。
【0036】
他方、牽引手段(シリンダ131)の動作によって、紐状体115が下方に送り出されると、重力で昇降体111が昇降レール117の下端部に戻るとともに、各係合片114が案内路113に沿って係合可能位置から退避位置へとスライド移動する。その結果、吊り上げ装置110が初期形態へと復帰する。
【0037】
押圧装置130は、吊り上げ装置110によって天枠12が吊り上げられた中間形態のコンテナ10に対して、第2側壁14を第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌着するように、一対の第2側壁14を内から外へと押圧するように作動するものである。本実施形態では、図3に示すように、押圧装置130は、配置空間S1の上方で躯体の頂部フレーム101(一部のみを描写)に固定されている。すなわち、コンテナ組立装置100の初期形態において、押圧体135が、組み立てられるコンテナ10の上方に配置される。図6および図11に示すように、押圧装置130は、シリンダ131と、押圧体135とを備える。シリンダ131は、電動シリンダであり、シリンダチューブ132と、該シリンダチューブ132の下端から突出および縮退動作するロッド133とを備える。シリンダ131は、紐状体115を巻き上げて昇降体111(または係合片114)を上方に牽引するための牽引手段としても機能する。
【0038】
押圧体135は、シリンダ131のロッド133先端に固定された基部136と、該基部136に回動可能に支持された一対の押圧アーム137と、各押圧アーム137の先端に設けられた押圧ローラ138とを備える。基部136の上面には、4本の紐状体115の基端部分が固定されている。一対の押圧アーム137は、コンテナ10の搬送方向(コンテナ10の一対の第2側壁14が対向する方向)に沿って回動するように基部136に軸支されている。また、側面視において、一対の押圧アーム137は、ハ字状の原姿勢を維持するようにバネ(図示せず)で付勢されている。つまり、一対の押圧アーム137は、互いに離隔する方向に開くように弾性変位可能である。押圧ローラ138は、押圧アーム137の先端に設けられており、コンテナ10の底壁11上を転がるとともに、第2側壁14を押圧するように構成されている。
【0039】
次に、図11を参照して、押圧装置130のコンテナ10に対する動作について説明する。コンテナ組立装置100の初期形態において、押圧装置130の押圧体135が、配置空間S1に干渉しない位置に退避している。押圧装置130が動作を開始すると、シリンダ131のシリンダチューブ132からロッド133が下方に突出して、押圧体135が下降する。押圧体135が下降すると、仮想線で示す底壁11表面に押圧体135が当接する(図11(a))。当接した状態でさらに押圧体135が下降することにより、押圧ローラ138が底壁11上を外側に転がるとともに、一対の押圧アーム137が拡開するように弾性的に回動する。そして、図11(b)に示すように、一対の押圧ローラ138が、コンテナ10の第2側壁14を内から外へと押圧する。この押圧力によって、第2側壁14が外側に押圧されて第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌合部15を介して嵌着される。押圧体135の下降を伴う一連の押圧動作に連動して、昇降体111が上昇するように動作する。
【0040】
一連の押圧動作の完了後、押圧装置130が、上記動作と反対の動作をすることにより、初期形態に復帰する。特には、押圧動作完了後、ロッド133が縮退することで押圧体135が上昇し、押圧ローラ138が内側に転がるとともに一対の押圧アーム137が元のハ字状に復帰する。そして、ロッド133が完全に縮退すると、一対の押圧アーム137がコンテナ10の天枠12の上方に移動し、かつ、昇降体111が昇降レール117の下端に移動し、押圧装置130および吊り上げ装置110が初期位置に復帰する。
【0041】
搬出レール150は、吊り上げ装置110および押圧装置130によって組み立てられた箱形態のコンテナ10を支持するとともにコンテナを配置空間S1から搬出空間S2へと送り出すように構成されている。一対の搬出レール150は、コンテナ組立装置100の正面視において、配置空間S1の両側に平行に配置され、送り出し方向に沿って延在している。搬出レール150は、コンテナ10の昇降に連動して、配置空間S1外部のコンテナ10に干渉しない非干渉位置と、配置空間S1内部でコンテナ10を支持して送り出す搬出可能位置との間で変位するように構成されている。また、搬出レール150は、コンテナ10が搬出レール150の高さ位置を上方に通過するときに非干渉位置に配置され、組み立てられる一のコンテナ10が搬出レール150の高さ位置の上方に移動した後に搬出可能位置に配置されるように動作する。換言すると、搬出レール150は、コンテナ10を上昇させる工程において非干渉位置に配置され、少なくとも、吊り上げ装置110がコンテナ10を中間形態に変形させた後の時点で搬出可能位置に配置されるように動作する。
【0042】
各搬出レール150は、基端(正面側)から搬出空間S2に隣接する先端へと送り出し方向に沿って延在する長手部材151と、送り出し方向に亘って長手部材151に回転可能に取着された複数のローラ152とを備える。図7に示すように、搬出レール150の長手部材151は、先端側に近づくにつれて幅狭になっており、基端側のローラ152よりも先端側のローラ152が鉛直下方側に配置されている。すなわち、搬出レール150の搬送面(ローラ面)は、重力によってコンテナ10を送り出し方向に摺動させるように傾斜している。また、各搬出レール150は、図8に示すように、躯体に固定された支持体153によって回動軸154を介して回動可能に支持されている。搬出レール150は、ローラ面が水平方向外側を向くとともに配置空間S1外部に配置される非干渉位置(図9および図10参照)と、ローラ面が鉛直上方を向くとともに配置空間S1内部に配置される搬出可能位置(図8参照)との間の範囲で回動可能である。すなわち、搬出レール150は、非干渉位置から搬出可能位置へと回動によって変位するように躯体によって回動可能に保持され、かつ、非干渉位置または搬出可能位置を維持するように係止される。
【0043】
また、各搬出レール150は、可撓性の帯状体160を介して吊り上げ装置110に対して鉛直下方側に連結されている。吊り上げ装置110の係合片114の昇降動作に従って、帯状体160が、撓み変形しつつ、搬出レール150を回動させるように作用する。本実施形態では、帯状体160は、原形を維持可能な程度の硬さを有する弾性材料のシートから構成されている。複数(本実施形態では4本)の帯状体160の上端が、複数(本実施形態では4つ)の係合片114にそれぞれ接続されている。他方、各搬出レール150には、係合片114の真下の搬送方向の2箇所において被連結部155が設けられている。これら複数の被連結部155に、複数の帯状体160の下端がそれぞれ接続されている。各帯状体160は、配置空間S1外部に延びるようにガイドされて配置されている。そして、帯状体160と紐状体115とが、係合片114を介して高さ方向に連続する長尺体を形成している。
【0044】
図12を参照して、コンテナ組立装置100の搬出レール150のコンテナ10に対する動作を説明する。図12(a)は、搬出レール150が搬出可能位置から非干渉位置へと変位する形態を示し、図12(b)は、搬出レール150が非干渉位置に変位した形態を示し、および図12(c)は、搬出レール150が帯状体160の作用によって非干渉位置から搬出可能位置へと変位する形態を示す。また、図12では、コンテナ10が仮想線で示されている。
【0045】
コンテナ組立装置100の初期形態では、搬出レール150が搬出可能位置にある。このとき、昇降体111が昇降レール117の最下位置にあり、帯状体160が外方および下方に弛むように撓み変形している。搬出レール150は、図12(a)に示すように、初期形態の搬出可能位置から、搬送方向に延伸する回動軸154を中心に、上方に自由に回動可能である。特には、折り畳み形態のコンテナ10がコンテナ昇降装置170によって持ち上げられると、搬出レール150が、コンテナ10の天枠12との当接によって上方に回動して、非干渉位置へと変位する。図12(b)に示すように、搬出レール150は、非干渉位置において、コンテナ10に干渉しない位置に退避する。すなわち、吊り上げ装置110は、少なくとも1つのコンテナ10を搬出レール150に干渉させずに、搬出レール150の上方に牽引することができる。このとき、帯状体160は、係合片114の上昇に従って、上方に引っ張られるように張力状態へと撓み変形する。図12(c)に示すように、係合片114が所定の高さまで上昇した後、係合片114が下降を開始すると、帯状体160が搬出レール150に作用して、搬出レール150を非干渉位置から搬出可能位置へと回動させる。特には、張力状態の帯状体160が弛む方向に弾性変形する際に生じる搬出レール150に加わる力の変化によって、帯状体160の弾性変形に連動して、搬出レール150が搬出可能位置へと回動を開始する。
【0046】
コンテナ昇降装置170は、躯体によって包囲された配置空間S1の下側部分に配置されている。コンテナ昇降装置170は、台車18に複数段に積み重ねられた折り畳み形態のコンテナ10を、台車18とともに昇降させるように構成されている。図13は、コンテナ昇降装置170の昇降動作を模式的に示す概略正面図である。図13に示すように、コンテナ昇降装置170は、台車18を下方から持ち上げるための昇降台171と、該昇降台171を鉛直方向に沿って昇降させるための昇降シャフト172と、昇降台171に固定され、昇降台171の昇降移動を駆動するモータ173とを備える。昇降シャフト172には、高さ方向に亘って歯が形成されている。昇降シャフト172の歯と、モータ173の出力シャフトのギヤと噛合するように構成されている。そして、モータ173の回転によって、昇降台171が昇降シャフト172に沿って昇降するように制御される。
【0047】
なお、コンテナ組立装置100は、配置空間S1に配置された箱形態のコンテナ10を折り畳み形態に変形させるための折り畳み装置(図示せず)を追加的に備えてもよい。折り畳み装置は、各コンテナ10の一対の第2側壁14を外側から内側へと押圧する第1押圧手段と、一対の第1側壁13のヒンジ部13aを外側から内側へと押圧する第2押圧手段と、を備える。折り畳み装置は、第1押圧手段によって第2側壁14の嵌着を解除した直後、第2押圧手段によってヒンジ部13aを押圧するように制御される。各コンテナ10は、ヒンジ部13aの押圧によって、自重により折り畳み形態へと変形する。
【0048】
続いて、図14から図24を参照して、本実施形態のコンテナ組立装置100を用いて、折り畳み形態のコンテナ10を組み立てて搬出する方法について説明する。各工程は、制御部による制御によって実行される。なお、各図において、説明の便宜上、コンテナ10の描写を簡素化する。
【0049】
まず、ユーザーは、複数の折り畳み形態のコンテナ10を台車18に積み重ねて、組立および搬送するコンテナ10群を準備する。そして、ユーザーは、台車18ごとコンテナ10群をコンテナ組立装置100に投入する。コンテナ組立装置100の正面から、コンテナ10を搭載した台車18ごと押し込むことによって、コンテナ10を配置空間S1に導入することができる。これにより、複数の折り畳み形態のコンテナ10が配置空間S1に積み重ねて配置される。図14は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、折り畳み形態のコンテナ10を複数段に積み重ねて配置空間S1に配置した第1(初期)形態を模式的に示している。
【0050】
そして、ユーザーによる操作等によってコンテナ組立装置100が起動すると、コンテナ昇降装置170が作動し、台車18とともに複数のコンテナ10が持ち上げられる。図15に示すように、最上段のコンテナ10が搬出レール150に当接し、搬出レール150を搬出可能位置から非干渉位置へと回動させる。そして、コンテナ10群が、所定の高さ位置まで上昇して停止する。
【0051】
図16は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、配置空間S1内の折り畳み形態のコンテナ10群を、コンテナ昇降装置170によって所定の第1の高さ位置まで上昇させた第2形態を示している。第2形態では、一対の搬出レール150が非干渉位置に配置されている。図17に示すとおり、配置空間S1の第1の高さ位置において、最上段の折り畳み形態のコンテナ10の各被係合部17が、各係合片114に対向するように配置されている。この時点で、各係合片114は、配置空間103から後退した退避位置にあり、コンテナ10に干渉していない。なお、最上段のコンテナ10の高さ位置がセンサによって検出されることで、制御部によりコンテナ昇降装置170の動作が制御されてもよい。
【0052】
次いで、牽引手段(シリンダ131)が作動し、押圧体135の下降とともに、紐状体115の巻き上げを開始する(図16の矢印参照)。係合片114および昇降体111が、張力状態の紐状体115によって支持されているので、巻上げの開始とともに上方へと牽引される。係合片114が、上方に牽引されると同時に、対向する被係合部17に向けて斜め上方にスライドして、保持部112から突出する。そして、図18に示すように、係合片114がコンテナ10の天枠12の下に潜り込んで被係合部17に掛止する。この係合状態のまま、さらに紐状体115によって係合片114が上方に牽引されると、昇降体111の上昇とともに、最上段のコンテナ10の天枠12が吊り上げられる。昇降体111が上昇すると、係合片114と搬出レール150との間の距離が大きくなり、帯状体160が延びるように弾性変形する。コンテナ10の底壁11が浮き上がるまで吊り上げられると、コンテナ10はその自重によって第1側壁13が伸長した中間形態へと変形する。同時に、押圧体135の押圧アーム137が下降し、コンテナ10の内側へと進入する。コンテナ10が所定の第2の高さ位置に移動すると、シリンダ131が停止し、押圧装置130による押圧工程が完了する。なお、コンテナ10の高さ位置がセンサによって検出されることで、制御部によりシリンダ131の動作が制御されてもよい。
【0053】
図19は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、コンテナ10を吊り上げて中間形態に変形させるとともに、押圧装置130によってコンテナ10を中間形態から箱形態へと組み立てた第3形態を示している。第3形態では、押圧装置130の押圧体135がコンテナ10の中まで下降して、押圧ローラ138が一対の第2側壁14を外側に押圧するように作動している。この押圧装置130による押圧工程は、吊り上げ装置110によるコンテナ10の吊り上げ工程と連動して、または同時的に実行される。具体的には、図11に示したように、押圧体135が下降することで、係合片114でコンテナ10を引き上げるとともに、押圧ローラ138が底壁11上を転がりながら、一対の押圧アーム137が広がるように回動して、押圧ローラ138が一対の第2側壁14を内側から外側へ押圧する。そして、一対の第2側壁14が、第1側壁13及び/又は底壁11に対して嵌合部15を介して嵌着される。その結果、図19に示すように、コンテナ10が箱形態へと組み立てられる。
【0054】
次に、コンテナ昇降装置170が作動し、残りの折り畳み形態のコンテナ10群が、搬出レール150の下方の所定の第3の高さ位置まで下降する。図20は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、コンテナ昇降装置170によってコンテナ10群を下降させた第4形態を示している。
【0055】
次いで、牽引手段(シリンダ131)が紐状体115を下方に送り出す方向に作動し、昇降体111とともに箱形態のコンテナ10を鉛直に降下させる。図21は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、箱形態のコンテナ10を下降させるとともに、帯状体160の作用によって、搬出レール150を非干渉位置から搬出可能位置へと変位させる、第5形態を示している。図12で示したとおり、係合片114の下降動作に従って、帯状体160が弾性復帰するとともに搬出レール150が搬出可能位置へと回動する。そして、搬出レール150が、箱形態のコンテナ10を下方から支持可能となる。さらに、係合片114が下降することで、コンテナ10が搬出レール150上に載置され、かつ、係合片114がコンテナ10の被係合部17から離脱する。最終的に、昇降体111が昇降レール117の最下位置に移動して初期位置に復帰する。
【0056】
図22および図23は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、箱形態のコンテナ10を搬出レール150上に配置した第6形態の正面図および側面図を示している。図23に示すように、コンテナ10は、搬送方向に傾斜する搬出レール150上に載置されているので、自重によって搬出先へと移動する。
【0057】
図24は、一実施形態のコンテナ組立装置100において、箱形態のコンテナ10を配置空間S1から搬出空間S2へと搬出した第7形態を示している。図24に示すように、配置空間S1で組み立てられた箱形態のコンテナ10が、搬出レール150から搬出空間S2の搬送路200へと搬出され、最終的に所定の搬出先へと搬送される。以上の工程により、1つのコンテナ10の組み立てから搬出までの一連の工程が完了する。コンテナ組立装置100が連続して作動することによって、2つ目以降のコンテナ10も同様の工程で組み立てられて搬出される。
【0058】
すなわち、制御部によって、コンテナ組立装置100は、以下の工程を実行するように動作する。
【0059】
(工程1)コンテナ昇降装置170(モータ173)を作動させ、台車18とともに複数のコンテナ10を第1の高さまで上昇させ、停止させる。コンテナ10群の上昇の過程において、搬出レール150が搬出可能位置(初期位置)から非干渉位置へと変位する。
【0060】
(工程2)吊り上げ装置110の牽引手段を作動させ、係合片114および被係合部17が係合した状態で、係合片114を上昇させて1つのコンテナ10を吊り上げて折り畳み形態から中間形態に変形させる。コンテナ10は、底壁11が搬出レール150の上方に位置する第2の高さ位置まで吊り上げられる。
【0061】
(工程3)押圧装置130を作動させて、コンテナ10の一対の第2側壁14を内から外へと押圧して、コンテナ10を中間形態から箱形態に変形させる。その後、吊り上げ装置110を作動させ、係合片114を下降させて箱形態のコンテナ10の下降を開始させる。本実施形態では、工程2および工程3が連動して実行される。
【0062】
(工程4)コンテナ昇降装置170(モータ173)を作動させ、台車18とともに残りのコンテナ10群を第3の高さ位置まで下降させ、停止させる。第3の高さ位置では、残りのコンテナ10群のうち最上段のコンテナ10が、搬出レール150の下方に配置される。
【0063】
(工程5)係合片114の昇降動作に連動して、搬出レール150を非干渉位置から搬出可能位置に変位させる。工程5は、工程2のコンテナ10を上昇させる工程中に実行されてもよい。
【0064】
(工程6)吊り上げ装置110の牽引手段を作動させ、昇降体111とともに係合片114を下降させて、係合片114および被係合部17の係合を解除するとともに、コンテナ10を搬出レール150上に配置する。
【0065】
(工程7)搬出レール150上のコンテナ10を配置空間S1から搬出空間S2へと送り出す。コンテナ10は、重力で傾斜する搬出レール150上を摺動して、搬出空間S2の搬送路200へと移載される。なお、本実施形態では、搬出レール150を傾斜させることで、動力を用いずにコンテナ10を搬出することを可能としたが、搬出レールは、動力によって駆動するコンベヤなどであってもよい。
【0066】
上記工程1~7は、本実施形態のコンテナ組立装置100の制御方法の例示にすぎず、本発明において、上記工程のいくつかは、必要に応じて、同時に実行されたり、省略されたり、その順番を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0067】
以下、本発明に係る一実施形態のコンテナ組立装置100の作用効果について説明する。
【0068】
本実施形態のコンテナ組立装置100によれば、吊り上げ装置110によって配置空間S1に導入された折り畳み形態のコンテナ10の天枠12を高さ方向上方に吊り上げることで、その自重によってコンテナ10を折り畳み形態から中間形態へと変形させ、次いで、押圧装置130によって第2側壁14を内から外へと押圧することによってコンテナ10を中間形態から箱形態へと変形させることができる。さらに、搬出レール150が、コンテナ10が搬出レール150の高さ位置を上方に通過するときに非干渉位置に配置され、コンテナ10が搬出レール150の高さ位置の上方に移動した後に搬出可能位置に配置されるように動作する。これにより、コンテナ組立装置100は、コンテナ10を搬出レール150の上方に吊り上げて箱形態へと変形させた後、コンテナ10を降して搬出レール150上に配置して、配置空間S1から搬出空間S2へと搬出することが可能である。したがって、コンテナ組立装置100は、従来より組立から搬出までの工程を効率化し、かつ、より簡単かつ迅速に1または複数のコンテナ10を組み立てることを可能とするものである。
【0069】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲の下で、種々の実施形態や変形例を取り得る。
【0070】
(1)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態ででは、吊り上げ装置の係合片は、コンテナの天枠の横辺の被係合部と係合するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンテナの天枠の縦辺に形成された被係合部と係合するように構成されてもよい。また、被係合部は、コンテナの天枠の辺の2箇所に形成され、これに対応するように、昇降体ごとに2つの係合片が形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被係合部は、コンテナの天枠の辺の1箇所に設けられてもよく、または、3箇所以上に設けられてもよい。また、天枠の辺全体を被係合部とし、被係合部の任意の箇所に係合するように1または複数の係合片が設けられてもよい。
【0071】
(2)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態ででは、コンテナ組立装置は、複数段に積み重なった複数のコンテナを投入可能に形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンテナ組立装置は、1つのコンテナのみを投入可能に構成されてもよい。
【0072】
(3)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、コンテナ組立装置は、昇降体が昇降レールを摺動するとともに、紐状体による牽引によって係合片が上昇することで、コンテナを吊り上げるように構成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンテナ組立装置から、紐状体および昇降レールが省略されてもよい。このとき、係合片は、例えばモータ等により、高さ方向に移動するように駆動され得る。また、係合片は、例えばモータ等により、退避位置から係合可能位置へと移動するように駆動され得る。
【0073】
(4)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、係合片は、プレート状の掛止爪として、被係合部に掛止するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被係合部を孔や凹部とし、係合片をピンや凸部としてもよい。また、係合片は、天枠を挟んで掴むように構成されてもよい。
【0074】
(5)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。上記実施形態では、コンテナ組立装置は、自動で駆動されるように構成されたが、操作レバーおよびハンドルを追加することで、ユーザーによって手動で操作されるように構成されてもよい。また、各構成要素の動作は、機械的な相互作用に基づく動作から電力による動作に置き換えられてもよく、また、その逆も可能である。
【0075】
(6)本発明のコンテナ組立装置は、上記形態に限定されることはない。本実施形態のコンテナ組立装置には、コンテナ群を昇降させるコンテナ昇降装置が設けられたが、コンテナ昇降装置を省略して、コンテナ群を昇降させる代わりに、吊り上げ装置を昇降させて、コンテナと係合片との相対高さ位置が調整されてもよい。
【0076】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0077】
10 コンテナ
11 底壁
12 天枠
13 第1側壁
13a ヒンジ部
14 第2側壁
15 嵌合部
17 被係合部
18 台車
100 コンテナ組立装置
101 頂部フレーム
102 滑車(牽引手段)
110 吊り上げ装置
111 昇降体
112 保持部
113 案内路
114 係合片
115 紐状体
117 昇降レール
130 押圧装置
131 シリンダ(牽引手段)
132 シリンダチューブ
133 ロッド
135 押圧体
136 基部
137 押圧アーム
138 押圧ローラ
150 搬出レール
151 長手部材
152 ローラ
153 支持体
154 回動軸
155 被連結部
160 帯状体
170 コンテナ昇降装置
171 昇降台
172 昇降シャフト
173 モータ
200 搬送路
S1 配置空間
S2 搬出空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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