(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110540
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】見守りシステム、管理装置、及び録画設定方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240808BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20240808BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20240808BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N5/92 010
H04N5/765
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015165
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100157967
【弁理士】
【氏名又は名称】管田 洋明
(72)【発明者】
【氏名】三浦 成彦
【テーマコード(参考)】
5C053
5C054
5G503
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA01
5C053LA11
5C053LA14
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054GB02
5C054GB05
5C054HA19
5C054HA30
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CB16
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】複数の移動体の各々が備える撮像装置を活用して見守りを行うことができるようにする。
【解決手段】管理装置は、停止スケジュール決定部と、録画設定決定部と、通信部とを備える。停止スケジュール決定部は、見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定する。録画設定決定部は、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定する。通信部は、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定に関する録画設定情報を複数の移動体の各々に搭載された撮像装置に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置とを備える見守りシステムであって、
前記管理装置は、
見守り対象エリアにおける前記複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定する停止スケジュール決定部と、
前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置の録画設定を決定する録画設定決定部と、
前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置の前記録画設定に関する録画設定情報を前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置に送信する通信部と、
を備え、
前記撮像装置は、
被写体を撮像して映像データを生成する撮像部と、
前記録画設定情報を前記管理装置から受信する通信部と、
前記録画設定情報に基づいて前記撮像部を用いて行う録画を制御する録画制御部と、
を備える、
ことを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定する停止スケジュール決定部と、
前記複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定する録画設定決定部と、
前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置の前記録画設定に関する録画設定情報を前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置に送信する通信部と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項3】
前記録画設定は、撮像範囲及び撮像期間の設定を含む、
ことを特徴とする請求項2記載の管理装置。
【請求項4】
前記見守り対象エリアは、優先順位が設けられた複数の移動体停止位置を含み、
前記停止スケジュール決定部は、前記見守り対象エリアにおける前記複数の移動体の各々の停止位置を、前記複数の移動体停止位置の中から前記優先順位と前記撮像装置の撮像可能範囲とに基づいて選択して決定する、
ことを特徴とする請求項2記載の管理装置。
【請求項5】
前記移動体は、バッテリで駆動する移動体であって、
高い優先順位が設けられた前記移動体停止位置には、前記バッテリに充電を行う充電装置が設置されている、
ことを特徴とする請求項4記載の管理装置。
【請求項6】
見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定し、
前記複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定し、
前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置の前記録画設定に関する録画設定情報を前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置に送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする録画設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体が備える撮像装置を活用して見守りを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラを監視カメラとして利用する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、監視装置と周辺画像送信装置とにより構成されるセキュリティシステムが記載されている。当該システムでは、監視装置は、車両に電力供給を行う給電装置が設置された監視対象領域の状態を監視する。周辺画像送信装置は、給電装置から電力供給を受けて車載バッテリを充電するための充電制御部、及び、車両周辺の画像を撮像するための車載カメラ、を備えた車両に搭載され、当該車両が監視対象領域内で駐車されているとき、車載カメラを介して撮像される周辺画像を監視装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のセキュリティシステムは、1つの車両の車載カメラを監視カメラとして用いることが想定され得るため、その車両を移動させてしまうと、それまで駐車していた位置付近の監視ができなくなってしまう。
【0006】
また、特許文献1に記載のセキュリティシステムは、比較的に小規模なホームセキュリティの補助として1つの車両の車載カメラを用いるシステムであり得るので、複数の車両の各々の車載カメラを用いる大規模なセキュリティシステムの構築は想定されていない。
【0007】
昨今、駐車場等では監視カメラの設置が普及しつつあるものの、監視範囲は一部のエリアだけ(例えば、駐車場の入口を含む一部のエリアだけ)に限定されていることが多い。そのため、監視が不十分になる虞がある。
【0008】
1つの側面において、本発明は、複数の移動体の各々が備える撮像装置を活用して見守りを行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の1つの態様の見守りシステムは、管理装置と、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置とを備える。管理装置は、停止スケジュール決定部と、録画設定決定部と、通信部とを備える。停止スケジュール決定部は、見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定する。録画設定決定部は、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定する。管理装置の通信部は、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定に関する録画設定情報を複数の移動体の各々に搭載された撮像装置に送信する。撮像装置は、撮像部と、通信部と、録画制御部とを備える。撮像部は、被写体を撮像して映像データを生成する。撮像装置の通信部は、録画設定情報を管理装置から受信する。録画制御部は、録画設定情報に基づいて撮像部を用いて行う録画を制御する。
【0010】
本開示の1つの態様の管理装置は、停止スケジュール決定部と、録画設定決定部と、通信部とを備える。停止スケジュール決定部は、見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定する。録画設定決定部は、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定する。通信部は、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定に関する録画設定情報を複数の移動体の各々に搭載された撮像装置に送信する。
【0011】
本開示の1つの態様の録画設定方法は、見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定し、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定し、複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の前記録画設定に関する録画設定情報を複数の移動体の各々に搭載された撮像装置に送信する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0012】
複数の移動体の各々が備える撮像装置を活用して見守りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】コンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【
図5】管理装置において実行される処理を例示するフローチャートである。
【
図7】見守り対象エリア情報である駐車場情報を例示する図である。
【
図8】駐車スケジュール一覧情報を例示する図である。
【
図9】見守り対象エリアである駐車場における車両の駐車例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、見守りシステム1の構成を例示する図である。
【0016】
図1に例示した見守りシステム1は、管理装置10と、複数の車両20の各々に搭載された撮像装置30とを備える。管理装置10と各撮像装置30は、無線又は有線により通信ネットワーク40に接続され、当該通信ネットワーク40を介して通信可能である。なお、車両20は、移動体の一例である。
【0017】
管理装置10は、例えば、見守り対象エリアにおける各車両20の駐車位置及び駐車期間を決定し、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定を決定し、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定に関する録画設定情報を各車両20に搭載された撮像装置30に送信する。なお、車両20の駐車位置及び駐車期間は、移動体の停止位置及び停止期間の一例である。
【0018】
撮像装置30は、例えば、管理装置10から録画設定情報を受信し、当該録画設定情報に基づいて被写体(当該撮像装置30が搭載された車両20の周辺範囲)の録画を制御する。なお、撮像装置30は、撮像機能を備えた車載装置と言うこともできる。
【0019】
このような構成の見守りシステム1では、各車両20に搭載された撮像装置30を活用して、対象エリアの見守り(監視も含む)が可能である。以下、見守りシステム1について、より詳細に説明する。
【0020】
図2は、管理装置10の機能構成を例示する図である。
【0021】
図2に例示した管理装置10は、制御部101と、記憶部102と、通信部103とを備える。
【0022】
制御部101は、管理装置10の各部を制御する。また、制御部101は、駐車スケジュール決定部111と、録画設定決定部112とを含む。なお、駐車スケジュール決定部111は、停止スケジュール決定部の一例である。
【0023】
駐車スケジュール決定部111は、見守り対象エリアにおける各車両20の駐車位置及び駐車期間を決定する。見守り対象エリアは、優先順位が設けられた複数の車両駐車位置を含んでいてもよい。この場合、駐車スケジュール決定部111は、見守り対象エリアにおける各車両20の駐車位置を、複数の車両駐車位置の中から、その優先順位と撮像装置30の撮像可能範囲(撮影可能範囲)とに基づいて選択して決定してもよい。なお、優先順位が設けられた複数の車両駐車位置においては、例えば、見守りの必要性が高い範囲を録画可能な車両駐車位置ほど高い優先順位が設けられていてもよい。複数の車両駐車位置は、複数の移動体停止位置の一例である。
【0024】
録画設定決定部112は、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定を決定する。録画設定は、撮像範囲(撮影範囲)及び撮像期間(撮影期間)の設定を含む。撮像範囲は、撮像画角(撮影画角)及び撮像方向(撮影方向)を示すものでもある。撮像期間は、駐車スケジュール決定部111により決定された駐車期間でもある。
【0025】
記憶部102は、車両情報、見守り対象エリア情報、駐車スケジュール一覧情報、及び録画設定一覧情報等を記憶する。車両情報は、複数の車両20に関する情報である。見守り対象エリア情報は、見守り対象エリアに含まれる複数の車両駐車位置に関する情報である。駐車スケジュール一覧情報は、見守り対象エリアにおける各車両20の駐車位置及び駐車期間の一覧情報である。録画設定一覧情報は、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定の一覧情報である。車両情報、見守り対象エリア情報、駐車スケジュール一覧情報、及び録画設定一覧情報の具体例については後述する。
【0026】
通信部103は、通信ネットワーク40を介して、外部装置(例えば撮像装置30)と通信を行う。例えば、通信部103は、録画設定決定部112により決定された、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定に関する録画設定情報を、各車両20に搭載された撮像装置30に送信する。これにより、例えば、撮像装置30Aの録画設定に関する録画設定情報が撮像装置30Aに送信され、撮像装置30Bの録画設定に関する録画設定情報が撮像装置30Bに送信されるといった具合に、各撮像装置30に当該撮像装置30の録画設定に関する録画設定情報が送信される。
【0027】
図3は、撮像装置30の機能構成を例示する図である。
【0028】
図3に例示した撮像装置30は、制御部301と、撮像部302と、現在位置検出部303と、表示部304と、記憶部305と、通信部306とを含む。
【0029】
制御部301は、撮像装置30の各部を制御する。また、制御部301は、録画制御部311を含む。録画制御部311は、通信部306が管理装置10から受信した録画設定情報に基づいて、撮像部302を用いて行う録画を制御する。より詳しくは、録画設定情報に基づいて撮像部302に撮像を行わせ、生成された映像データを記憶部305に記憶させるように制御する。
【0030】
撮像部302は、被写体(撮像装置30が搭載された車両20の周辺範囲)を撮像して映像データを生成する。撮像部302は、撮像範囲が可変のもの、又は、固定のものである。撮像範囲が可変の撮像部302は、例えば、360度カメラのように、車両周辺の360度の範囲内の任意の範囲を撮像可能なもの、又は、可変焦点レンズ(バリフォーカルレンズ)を備えたカメラ(以下、「バリフォーカルカメラ」と言う)のように、車両周辺の一部の範囲内の任意の範囲を撮像可能なものである。撮像範囲が固定の撮像部302は、例えば、固定焦点レンズを備えたカメラ(以下、「ノーマルカメラ」と言う)のように、車両周辺の一部の範囲のみを撮像可能なものである。なお、撮像範囲が可変の撮像部302の場合、撮像部302の撮像範囲は、録画制御部311により制御される。また、何れの撮像部302であれ、撮像部302の撮像期間は、録画制御部311により制御される。
【0031】
現在位置検出部303は、現在位置を検出する。
【0032】
表示部304は、各種の表示を行う。
【0033】
記憶部305は、録画設定情報、及び映像データ等を記憶する。録画設定情報は、通信部306が管理装置10から受信したものである。映像データは、撮像部302により生成されたものである。
【0034】
通信部306は、通信ネットワーク40を介して、外部装置(例えば管理装置10)と通信を行う。例えば、通信部306は、管理装置10から録画設定情報を受信する。
【0035】
なお、管理装置10や撮像装置30は、
図4に例示するハードウェア構成を有するコンピュータ50により実現されてもよい。
【0036】
図4は、コンピュータ50のハードウェア構成を例示する図である。
【0037】
図4に例示したコンピュータ50は、プロセッサ501、メモリ502、記憶装置503、読取装置504、通信インタフェース506、及び入出力インタフェース507を含み、それらは、データバス508を介して相互にデータの送受信が可能に接続されている。
【0038】
プロセッサ501は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ501は、メモリ502を利用して、プログラム(例えば、後述する処理の手順を記述したプログラム)を実行することで、管理装置10の制御部101や、撮像装置30の制御部301として機能する。
【0039】
なお、プロセッサ501には、カメラ511、GPS機器512が接続されていてもよい。カメラ511は、例えばCCDやCMOS等のイメージセンサを含む。GPS機器512は、現在位置を検出するセンサを含む。コンピュータ50により撮像装置30を実現する場合には、カメラ511、GPS機器512が、撮像部302、現在位置検出部303の機能を提供してもよい。この場合のカメラ511は、360度カメラ、バリフォーカルカメラ、又はノーマルカメラであってもよい。なお、GPSは、Global Positioing Systemの略称である。CCDは、Charge Coupled Deviceの略称である。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。
【0040】
メモリ502は、例えば半導体メモリであり、RAM領域及びROM領域を含む。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。ROMは、Read Only Memoryの略称である。
【0041】
記憶装置503は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、又は外部記憶装置である。コンピュータ50により管理装置10を実現する場合には、記憶装置503が記憶部102の機能を提供してもよい。コンピュータ50により撮像装置30を実現する場合には、記憶装置503が記憶部305の機能を提供してもよい。
【0042】
読取装置504は、プロセッサ501の指示に従って着脱可能記憶媒体505にアクセスする。着脱可能記憶媒体505は、例えば、半導体デバイス(USBメモリ等)、磁気的作用により情報が入出力される媒体(磁気ディスク等)、光学的作用により情報が入出力される媒体(CD-ROM、DVD等)などにより実現される。なお、USBは、Universal Serial Busの略称である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
【0043】
通信インタフェース506は、プロセッサ501の指示に従って、各種の通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク40)を介して通信する。コンピュータ50により管理装置10を実現する場合には、通信インタフェース506が通信部103の機能を提供してもよい。コンピュータ50により撮像装置30を実現する場合には、通信インタフェース506が通信部306の機能を提供してもよい。
【0044】
入出力インタフェース507は、入力デバイス513、出力デバイス514とのインタフェースを提供する。入力デバイス513は、キーボード、マウス装置、ボタンスイッチ、タッチパネル等である。出力デバイス514は、表示装置、オーディオ出力装置等である。コンピュータ50により撮像装置30を実現する場合には、出力デバイス514が表示部304の機能を提供してもよい。
【0045】
コンピュータ50のプロセッサ501により実行されるプログラムは、例えば、下記の形態で提供される。
(1)記憶装置503に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体505により提供される。
(3)プログラムサーバから通信ネットワークを介して提供される。
【0046】
なお、コンピュータ50のハードウェア構成は、例示であり、実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、構成の一部が、削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。また、例えば、上述の機能構成の一部又は全部の機能が、FPGA、SoC、ASIC、PLDなどによるハードウェアとして実装されてもよい。なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。SoCは、System-on-a-chipの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。PLDは、Programmable Logic Deviceの略称である。
【0047】
次に、見守りシステム1において実行される処理について、管理装置10で実行される処理を中心に説明する。ここでは、一例として、複数の車両20が、車両運用事業者が運用するタクシー、トラック、バス等の車両であるとする。また、見守り対象エリアは、車両運用事業者が運用する車両の待機場所等となる駐車場(その周辺も含む)であるとする。
【0048】
図5は、管理装置10において実行される処理を例示するフローチャートである。
図6は、車両情報を例示する図である。
図7は、見守り対象エリア情報である駐車場情報を例示する図である。
図8は、駐車スケジュール一覧情報を例示する図である。
図9は、見守り対象エリアである駐車場における車両20の駐車例を示す図である。
図10は、録画設定一覧情報を例示する図である。
【0049】
図5に例示した処理では、S101において、管理装置10の制御部101(駐車スケジュール決定部111)は、見守り対象エリアである駐車場における各車両20の駐車スケジュール(駐車位置及び駐車期間)を決定する。この決定は、例えば、予め記憶部102に記憶されている車両情報と駐車場情報とに基づいて行われる。
【0050】
車両情報は、
図6に例示したように、複数の車両20の各々についての車両ID、車両登録番号、搭載する撮像装置30の種別(搭載カメラ種別)、及び搭載する撮像装置30の撮像範囲設定可否に関する情報を含む。なお、撮像範囲設定可否において、「〇」は撮像範囲(撮像画角及び撮像方向)を設定可能であることを示し、「△」は撮像画角のみを設定可能であることを示し、「×」は撮像範囲を設定不可であることを示す。例えば、撮像装置30が360度カメラの場合は撮像範囲設定可否が「〇」となり、バリフォーカルカメラの場合は撮像範囲設定可否が「△」となり、ノーマルカメラの場合は撮像範囲設定可否が「×」となる。
図6に例示した車両情報では、例えば、車両IDが「1」の車両20は、車両登録番号が「〇〇〇-〇〇〇〇」、搭載カメラ種別が「360度カメラ」、撮像範囲設定可否が「〇」であることを示している。
【0051】
駐車場情報は、
図7に例示したように、駐車場に含まれる複数の車両駐車位置の各々についての駐車位置No、優先順位、充電装置の有無に関する情報を含む。なお、優先順位の数字は、その値が小さいほど優先順位が高いことを示し、「1」が最も高い優先順位であることを示す。優先順位においては、例えば、見守りの必要性が高い範囲を録画可能な車両駐車位置ほど高い優先順位が設けられるようにしてもよい。この場合、駐車場に予め設置されている監視カメラの撮影範囲に含まれない範囲(監視カメラの死角範囲)を、見守りの必要性が高い範囲としてもよい。充電装置は、車両20が電気自動車等である場合の当該車両20への充電用電力の供給を行う装置である。
図7に例示した駐車場情報では、例えば、駐車位置Noが「A1」の車両駐車位置は、優先順位が「1」、充電装置の有無が「有」であることを示している。
【0052】
S101では、このような車両情報と駐車場情報とに基づいて、駐車場における各車両20の駐車スケジュール(駐車位置及び駐車期間)が決定される。この決定では、例えば、複数の車両20の各々に搭載された撮像装置30の少なくとも2つ以上によって、常に駐車場(その周辺も含む)の全体が死角無く撮像され得るように、各車両20の駐車位置及び駐車期間が決定される。この場合は、より広範な撮像範囲を設定可能な撮像装置30を搭載した車両20の駐車位置が、優先順位の高い車両駐車位置になるように決定されてもよい。なお、駐車場における各車両20の駐車位置は、駐車場情報に示されている複数の車両駐車位置の中から選択されて決定される。
【0053】
このようにしてS101で決定された各車両20の駐車スケジュール(駐車位置及び駐車期間)は、駐車スケジュール一覧情報として記憶部102に記憶される。駐車スケジュール一覧情報は、
図8に例示したように、1日分(0時から次の日の0時までの分)の各車両20についての、駐車場での駐車位置及び駐車期間、並びに稼働期間に関する情報が含まれる。
図8に例示した駐車スケジュール一覧情報では、例えば、車両IDが「1」の車両20は、0時から7時までは駐車位置No「A1」の車両駐車位置で駐車し、7時から21時までは稼働し(駐車場外へ移動し)、21時から0時までは駐車位置No「A4」の車両駐車位置で駐車することを示している。
【0054】
このような駐車スケジュール一覧情報は、例えば、前もって各車両20のドライバーに通知され、各ドライバーは、自身が運転する車両20の駐車スケジュールに従って当該車両20を駐車場に駐車する。これにより、例えば、22時における駐車場では、
図9に例示したように、駐車位置No「A1」の車両駐車位置に車両ID「3」の車両20が駐車し、駐車位置No「A2」の車両駐車位置に車両ID「5」の車両20が駐車し、駐車位置No「A3」の車両駐車位置に車両ID「7」の車両20が駐車し、駐車位置No「A4」の車両駐車位置に車両ID「1」の車両20が駐車するようになる。なお、
図9に例示した駐車場において、駐車位置Noが「A1」、「A2」等の車両駐車位置は、駐車場に予め設置されている監視カメラ60の死角となる範囲を録画可能な車両駐車位置でもある。
【0055】
S101が終了すると、次に、S102において、制御部101(録画設定決定部112)は、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定(撮像範囲及び撮像期間の設定を含む)を決定する。この決定は、例えば、車両情報と、S101で決定された各車両20の駐車スケジュール(駐車位置及び駐車期間)とに基づいて行われる。この決定では、撮像期間として駐車期間が設定されるように決定される。また、例えば、撮像範囲が可変の撮像装置30(例えば、360度カメラやバリフォーカルカメラ)に対しては、撮像範囲として、最も広範な撮像範囲が設定されるように決定されてもよいし、駐車位置周辺の一部が壁等のために見守りが不要な場合には、その一部の範囲を除いた撮像範囲が設定されるように決定されてもよい。
【0056】
このようにしてS102で決定された、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定は、録画設定一覧情報として記憶部102に記憶される。録画設定一覧情報は、
図10に例示したように、各車両20についての車両ID、駐車位置No、搭載されている撮像装置30の撮像期間、撮像範囲(撮像方向、撮像画角)に関する情報が含まれる。なお、撮像方向において「設定不可」は、搭載されている撮像装置30の撮像方向が可変でないことを示す。また、撮像画角において「設定不可」は、搭載されている撮像装置30の撮像画角が可変でないことを示す。
図10に例示した録画設定一覧情報では、例えば、車両IDが「1」の車両20に搭載された撮像装置30の録画設定として、撮像期間が、駐車位置No「A1」での0時から7時までの期間と駐車位置No「A4」での21時から0時までの期間であると共に、その撮像期間における撮像方向、撮像画角が、全方位、360度であることを示している。
【0057】
S102が終了すると、次に、S103において、通信部103は、S102で決定された、各車両20に搭載された撮像装置30の録画設定に関する録画設定情報を、各車両20に搭載された撮像装置30に送信する。これにより、例えば、撮像装置30Aの録画設定に関する録画設定情報が撮像装置30Aに送信され、撮像装置30Bの録画設定に関する録画設定情報が撮像装置30Bに送信されるといった具合に、各撮像装置30に当該撮像装置30の録画設定に関する録画設定情報が送信される。
【0058】
S103が終了すると、
図5に例示した処理が終了する。
【0059】
一方、各車両20に搭載された撮像装置30では、通信部306が管理装置10から録画設定情報を受信すると、制御部301(録画制御部311)は、その録画設定情報に基づいて、撮像部302を用いて行う録画を制御する。より詳しくは、録画設定情報が示す録画設定(撮像範囲及び撮像期間の設定を含む)に従って撮像部302に撮像を行わせ、生成された映像データを記憶部305に記憶させるように制御する。
【0060】
このようにして各車両20に搭載された撮像装置30の記憶部305に記憶された映像データは、例えば、管理装置10から撮像装置30への要求に応じて撮像装置30から管理装置10へ送信され、管理装置10の記憶部102に記憶される。これにより、管理装置10は、各車両20に搭載された撮像装置30から受信した映像データによって、例えば、1日分の見守り対象エリアである駐車場(その周辺も含む)の全体が死角無く撮像された映像データを取得することができる。このような映像データによって、対象エリアである駐車場(その周辺も含む)の見守りが可能になり、例えば、不審者の有無、不審車両の有無、事故や事件に巻き込まれた人(女性、子供、高齢者等)の有無、害獣の有無等の確認が可能になる。
【0061】
以上のように、実施の形態によれば、複数の車両20の各々が備える撮像装置30を活用して見守りを行うことができる。
【0062】
なお、実施の形態では、車両20の駐車位置が駐車スケジュールに従っていない場合に、当該車両20に搭載された撮像装置30の表示部304に警告表示を行うようにしてもよい。このような警告表示は、例えば、駐車スケジュールに示された駐車期間における車両駐車位置の位置情報と、撮像装置30の現在位置検出部303により検出された位置情報とを比較し、両者が異なる場合に、行われるようにしてもよい。この場合の比較は、撮像装置30で行われてもよいし、管理装置10で行われてもよい。前者の場合は、例えば、駐車スケジュールに示された駐車期間における車両駐車位置の位置情報が管理装置10から撮像装置30に送信されて比較が行われてもよい。後者の場合は、例えば、撮像装置30の現在位置検出部303により検出された位置情報が撮像装置30から管理装置10に送信されて比較が行われ、その比較結果が管理装置10から撮像装置30に送信されるようにしてもよい。
【0063】
また、実施の形態において、車両20は、自動運転車両であってもよい。この場合は、予め車両20に当該車両20の駐車スケジュールが登録され、当該駐車スケジュールに従って車両20が自律的に所定の駐車期間に所定の駐車位置に駐車するようにしてもよい。
【0064】
また、実施の形態において、車両20は、バッテリで駆動する車両であってもよい。この場合、高い優先順位が設けられた車両駐車位置には、バッテリに充電を行う充電装置が設置されていてもよい。例えば、
図7に例示した駐車場情報に示されているように、優先順位が「1」~「4」という高い優先順位が設けられた車両駐車位置には、充電装置が設置されていてもよい。
【0065】
また、実施の形態では、移動体として車両20を適用した例を説明したが、移動体として、例えば、無人で飛行することが可能なドローンを適用してもよい。
【0066】
なお、以上までに説明した実施の形態には、下記のプログラムや当該プログラムを記録した記録媒体の実施の形態も含まれている。
【0067】
見守り対象エリアにおける複数の移動体の各々の停止位置及び停止期間を決定し、
前記複数の移動体の各々に搭載された撮像装置の録画設定を決定し、
前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置の前記録画設定に関する録画設定情報を前記複数の移動体の各々に搭載された前記撮像装置に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 見守りシステム
10 管理装置
20 車両
40 通信ネットワーク
50 コンピュータ
60 監視カメラ
101 制御部
102 記憶部
103 通信部
111 駐車スケジュール決定部
112 録画設定決定部
301 制御部
302 撮像部
303 現在位置検出部
304 表示部
305 記憶部
306 通信部
311 録画制御部
501 プロセッサ
502 メモリ
503 記憶装置
504 読取装置
505 着脱可能記憶媒体
506 通信インタフェース
507 入出力インタフェース
508 データバス
511 カメラ
512 GPS機器
513 入力デバイス
514 出力デバイス