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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110545
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】超音波探傷装置及び超音波探傷方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/265 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
G01N29/265
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015170
(22)【出願日】2023-02-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】500171268
【氏名又は名称】三菱重工パワー検査株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】竹川 勝也
(72)【発明者】
【氏名】門下 寛孝
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB01
2G047BC02
2G047GA05
2G047GA07
2G047GA19
2G047GB02
2G047GJ02
2G047GJ07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】径方向に間隔を空けて配置された円管同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管の外周面に沿って駆動源の駆動力で探触子を移動できる超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】超音波探傷装置は、駆動装置の出力軸の回転力を移動装置の入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトを備える。駆動装置は、検査対象の円管とは異なる円管に駆動装置を取り付けるための取付け部と、取付け部に対して出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有する。フレキシブルシャフトは、検査対象の円管に取り付けられた移動装置において検査対象の円管の延在方向の一方側に位置する入力軸と、検査対象の円管とは異なる円管に取り付けられた駆動装置において一方側に位置する出力軸と、に接続されて、出力軸の回転力を入力軸に伝達可能である。出力軸移動機構は、移動装置の周方向への移動に伴って移動するフレキシブルシャフトに追従した出力軸の移動を許可する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷するための超音波探傷装置であって、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管とは異なる前記円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記フレキシブルシャフトは、前記検査対象の円管に取り付けられた前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に位置する前記入力軸と、前記検査対象の円管とは異なる前記円管に取り付けられた前記駆動装置において前記一方側に位置する前記出力軸と、に接続されて、前記出力軸の回転力を前記入力軸に伝達可能であり、
前記出力軸移動機構は、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従した前記出力軸の移動を許可する
超音波探傷装置。
【請求項2】
前記フレキシブルシャフトは、U字状に屈曲された状態で前記入力軸及び前記出力軸に接続される
請求項1に記載の超音波探傷装置。
【請求項3】
前記出力軸移動機構は、前記取付け部によって前記検査対象の円管とは異なる前記円管に取り付けられたときに、前記複数配置された前記円管の配列方向に前記出力軸を移動可能に支持する
請求項1又は2に記載の超音波探傷装置。
【請求項4】
前記出力軸移動機構による前記出力軸の前記配列方向への移動可能な距離は、前記円管の直径以上である
請求項3に記載の超音波探傷装置。
【請求項5】
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷するための超音波探傷装置であって、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記フレキシブルシャフトは、前記検査対象の円管に取り付けられた前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に位置する前記入力軸と、前記移動装置よりも前記一方側で前記検査対象の円管に取り付けられた前記駆動装置において前記延在方向の他方側に位置する前記出力軸と、に接続されて、前記出力軸の回転力を前記入力軸に伝達可能であり、
前記出力軸移動機構は、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従した前記出力軸の移動を許可する
超音波探傷装置。
【請求項6】
前記出力軸移動機構は、前記出力軸の延在方向と交差する方向に延在する揺動中心軸線を中心として前記出力軸を揺動可能に軸支する
請求項1、2、又は4の何れか一項に記載の超音波探傷装置。
【請求項7】
前記駆動輪は、前記入力軸に取り付けられている
請求項1、2、又は4の何れか一項に記載の超音波探傷装置。
【請求項8】
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷装置を用いて超音波探傷するための超音波探傷方法であって、
前記超音波探傷装置は、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管とは異なる前記円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に前記入力軸が位置するように前記移動装置を前記検査対象の円管に取り付けるステップと、
前記駆動装置において前記一方側に前記出力軸が位置するように前記駆動装置を前記検査対象の円管とは異なる前記円管に対して取り付けるステップと、
前記駆動装置の前記出力軸を回転駆動することで前記フレキシブルシャフトを介して前記移動装置の前記入力軸を回転駆動して前記移動装置を前記周方向に移動させながら前記少なくとも一つの超音波探触子によって前記検査対象の円管を超音波探傷するステップと、
を備え、
前記検査対象の円管を超音波探傷するステップでは、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従するように前記出力軸移動機構によって前記出力軸を移動させる
超音波探傷方法。
【請求項9】
前記検査対象の円管を超音波探傷するステップでは、U字状に屈曲された状態で前記入力軸及び前記出力軸に接続された前記フレキシブルシャフトを介して前記出力軸の回転力を前記入力軸に伝達することで前記移動装置を前記周方向に移動させる
請求項8に記載の超音波探傷方法。
【請求項10】
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷装置を用いて超音波探傷するための超音波探傷方法であって、
前記超音波探傷装置は、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に前記入力軸が位置するように前記移動装置を前記検査対象の円管に取り付けるステップと、
前記駆動装置において前記延在方向の他方側に前記出力軸が位置するように、且つ、前記駆動装置が前記移動装置よりも前記一方側に位置するように前記駆動装置を前記検査対象の円管に対して取り付けるステップと、
前記駆動装置の前記出力軸を回転駆動することで前記フレキシブルシャフトを介して前記移動装置の前記入力軸を回転駆動して前記移動装置を前記周方向に移動させながら前記少なくとも一つの超音波探触子によって前記検査対象の円管を超音波探傷するステップと、
を備え、
前記検査対象の円管を超音波探傷するステップでは、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従するように前記出力軸移動機構によって前記出力軸を移動させる
超音波探傷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波探傷装置及び超音波探傷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に対して超音波探傷を行うことで、被検体の内部を検査する超音波探傷装置が知られている。例えば被検体としての配管の超音波探傷を行うことができる超音波探傷装置として、配管の外周面に沿って探触子を移動させることで探傷範囲を変更可能に構成された超音波探傷装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-008845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ボイラにおける熱交換器等のように、被検体としての配管が径方向に間隔を空けて複数配置された装置が知られている。このような装置では、隣り合う配管同士の間隔が比較的狭い場合には、配管の外周面に沿って探触子を移動させようとしても探触子を移動するためのモータ等の駆動源の大きさが隣り合う配管同士の間を通過できない場合がある。このような場合には、例えば駆動源を取り外して手動で探触子を移動させる等の対応をするようにしていた。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷する場合に、隣り合う円管同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管の外周面に沿って駆動源の駆動力で探触子を移動できる超音波探傷装置及び超音波探傷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置は、
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷するための超音波探傷装置であって、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管とは異なる前記円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記フレキシブルシャフトは、前記検査対象の円管に取り付けられた前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に位置する前記入力軸と、前記検査対象の円管とは異なる前記円管に取り付けられた前記駆動装置において前記一方側に位置する前記出力軸と、に接続されて、前記出力軸の回転力を前記入力軸に伝達可能であり、
前記出力軸移動機構は、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従した前記出力軸の移動を許可する。
【0007】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置は、
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷するための超音波探傷装置であって、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記フレキシブルシャフトは、前記検査対象の円管に取り付けられた前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に位置する前記入力軸と、前記移動装置よりも前記一方側で前記検査対象の円管に取り付けられた前記駆動装置において前記延在方向の他方側に位置する前記出力軸と、に接続されて、前記出力軸の回転力を前記入力軸に伝達可能であり、
前記出力軸移動機構は、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従した前記出力軸の移動を許可する。
【0008】
(3)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷装置を用いて超音波探傷するための超音波探傷方法であって、
前記超音波探傷装置は、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管とは異なる前記円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に前記入力軸が位置するように前記移動装置を前記検査対象の円管に取り付けるステップと、
前記駆動装置において前記一方側に前記出力軸が位置するように前記駆動装置を前記検査対象の円管とは異なる前記円管に対して取り付けるステップと、
前記駆動装置の前記出力軸を回転駆動することで前記フレキシブルシャフトを介して前記移動装置の前記入力軸を回転駆動して前記移動装置を前記周方向に移動させながら前記少なくとも一つの超音波探触子によって前記検査対象の円管を超音波探傷するステップと、
を備え、
前記検査対象の円管を超音波探傷するステップでは、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従するように前記出力軸移動機構によって前記出力軸を移動させる。
【0009】
(4)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、
径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷装置を用いて超音波探傷するための超音波探傷方法であって、
前記超音波探傷装置は、
少なくとも一つの超音波探触子と、
回転力の入力軸と、前記入力軸に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪とを有し、前記駆動輪の回転によって前記少なくとも一つの超音波探触子を複数の前記円管の内の検査対象の円管の外周面に沿って周方向に移動するように構成される移動装置と、
回転力の出力軸と、前記出力軸を回転駆動する駆動源とを有する駆動装置と、
前記出力軸の前記回転力を前記入力軸に伝達するためのフレキシブルシャフトと、
を備え、
前記駆動装置は、前記検査対象の円管に前記駆動装置を取り付けるための取付け部と、前記取付け部に対して前記出力軸の移動を可能とする出力軸移動機構と、を有し、
前記移動装置において前記検査対象の円管の延在方向の一方側に前記入力軸が位置するように前記移動装置を前記検査対象の円管に取り付けるステップと、
前記駆動装置において前記延在方向の他方側に前記出力軸が位置するように、且つ、前記駆動装置が前記移動装置よりも前記一方側に位置するように前記駆動装置を前記検査対象の円管に対して取り付けるステップと、
前記駆動装置の前記出力軸を回転駆動することで前記フレキシブルシャフトを介して前記移動装置の前記入力軸を回転駆動して前記移動装置を前記周方向に移動させながら前記少なくとも一つの超音波探触子によって前記検査対象の円管を超音波探傷するステップと、
を備え、
前記検査対象の円管を超音波探傷するステップでは、前記移動装置の前記周方向への移動に伴って移動する前記フレキシブルシャフトに追従するように前記出力軸移動機構によって前記出力軸を移動させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、径方向に間隔を空けて複数配置された円管を超音波探傷する場合に、隣り合う円管同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管の外周面に沿って駆動源の駆動力で探触子を移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】一実施形態に係る超音波探傷装置の全体構成を示す図であり、移動装置と駆動装置とを同じ円管に配置した場合について示す図である。
図1B】一実施形態に係る超音波探傷装置の全体構成を示す図であり、移動装置と駆動装置とを異なる円管に配置した場合について示す図である。
図2】一実施形態に係る移動装置の模式的な平面図である。
図3図2のIII-III矢視図である。
図4】円管に取り付けられた一実施形態に係る移動装置を円管の延在方向から見た模式的な図である。
図5図4のV-V矢視図である。
図6】円管に取り付けられた一実施形態に係る移動装置を円管の延在方向から見た模式的な図である。
図7図6のVII-VII矢視図である。
図8】一実施形態に係る駆動装置の模式的な斜視図である。
図9】一実施形態に係る駆動装置の模式的な正面図である。
図10】一実施形態に係る駆動装置が円管に取り付けられた状態を説明するための模式的な正面図である。
図11】超音波探傷装置による超音波探傷の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0013】
図1Aは、一実施形態に係る超音波探傷装置の全体構成を示す図であり、後述する移動装置と駆動装置とを同じ円管に配置した場合について示す図である。
図1Bは、一実施形態に係る超音波探傷装置の全体構成を示す図であり、後述する移動装置と駆動装置とを異なる円管に配置した場合について示す図である。
図2は、一実施形態に係る移動装置の模式的な平面図である。
図3は、図2のIII-III矢視図である。
図4は、円管に取り付けられた一実施形態に係る移動装置を円管の延在方向から見た模式的な図である。
図5は、図4のV-V矢視図である。
図6は、円管に取り付けられた一実施形態に係る移動装置を円管の延在方向から見た模式的な図である。
図7は、図6のVII-VII矢視図である。
図8は、一実施形態に係る駆動装置の模式的な斜視図である。
図9は、一実施形態に係る駆動装置の模式的な正面図である。
図10は、一実施形態に係る駆動装置が円管に取り付けられた状態を説明するための模式的な正面図である。
【0014】
一実施形態に係る超音波探傷装置1は、円管又は円柱を超音波探傷するための超音波探傷装置である。一実施形態に係る超音波探傷装置1は、例えばボイラの熱交換器に使用されている、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷するのに適した超音波探傷装置である。
一実施形態に係る超音波探傷装置1は、例えばフェイズドアレイ法による超音波探傷やTOFD法による超音波探傷を実施可能な装置である。
一実施形態に係る超音波探傷装置1は、少なくとも一つの超音波探触子2と、少なくとも一つの超音波探触子を複数の円管80の内の検査対象の円管81(以下、検査対象円管81とも称する)の外周面80aに沿って周方向に移動するように構成される移動装置3と、移動装置3を検査対象円管81の外周面80aに沿って周方向に移動させるための駆動源である電動モータ51を有する駆動装置5と、駆動装置5からの駆動力を移動装置3に伝達するためのフレキシブルシャフト7とを備えている。
すなわち、一実施形態に係る超音波探傷装置1では、超音波探触子2を保持していて検査対象円管81の外周面80aに沿って周方向に移動可能な移動装置3と、駆動源を有する駆動装置5とが別々に設けられていて、フレキシブルシャフト7によって伝達された駆動装置5からの駆動力で移動装置3だけが図1A及び図1Bの矢印aで示すように検査対象円管81の周方向に沿って移動するように構成されている。具体的には、移動装置3、及び駆動装置5は、以下のように構成されている。
なお、以下の説明では、円管80又は検査対象円管81の延在方向(軸線方向)を単に軸方向とも称し、円管80又は検査対象円管81の周方向を単に周方向とも称し、円管80又は検査対象円管81の径方向を単に径方向とも称する。
【0015】
(移動装置3)
図2から図7によく示すように、一実施形態に係る移動装置3は、一対の超音波探触子2の内の一方の超音波探触子2を保持して検査対象円管81に取り付けられる第1ユニット31と、他方の超音波探触子2を保持して検査対象円管81に取り付けられる第2ユニット32とを含んでいる。
第1ユニット31及び第2ユニット32はそれぞれ、超音波探触子2の保持部33と、検査対象円管81に取り付けられた時に検査対象円管81に巻き付くように構成された巻付き腕部34とを備えている。
なお、説明の便宜上、図1から図10までの各図において超音波探触子2や後述するエンコーダ41に接続されているケーブルについては図示を省略している。
【0016】
(巻付き腕部34)
巻付き腕部34は、検査対象円管81に取り付けられたときに周方向に沿って配置された複数のリンク部材35を有する。巻付き腕部34は、リンク部材35の延在方向(図2及び図3における図示左右方向)に沿って隣り合うリンク部材35同士が該延在方向と直交する方向(図2における図示上下方向、図3における紙面の法線方向)に延在する中心軸線Ax1を中心に互いに回動可能に連結されている。なお、図2及び図3では、巻付き腕部34の各リンク部材35が後述する不図示のバネの付勢力に抗して図2及び図3における図示左右方向に展開された状態を示している。
【0017】
複数のリンク部材35の内、図2及び図3において最も図示左側に配置されたリンク部材35と保持部33とは、中心軸線Ax1と平行な中心軸線Ax2を中心に互いに回動可能に連結されている。
図4から図7に示すように、巻付き腕部34は、リンク部材35の延在方向に沿って隣り合うリンク部材35同士が不図示のバネの付勢力によって中心軸線Ax1を中心に互いに回動して、検査対象円管81に取り付けられた時に該付勢力によって検査対象円管81に巻き付くように構成されている。
同様に、図2及び図3において最も図示左側に配置されたリンク部材35と保持部33とは、不図示のバネの付勢力によって中心軸線Ax2を中心に互いに回動して、検査対象円管81に取り付けられた時に該付勢力によって保持部33が保持する超音波探触子2を検査対象円管81の外周面80aに向かって押圧するように構成されている。
なお、中心軸線Ax1、Ax2は、巻付き腕部34が検査対象円管81に取り付けられたときに検査対象円管81の軸方向と平行となる。
【0018】
巻付き腕部34は、中心軸線Ax1と平行な回転軸線を中心に回転可能な複数の車輪36を有する。第1ユニット31及び第2ユニット32はそれぞれ、これら複数の車輪36が検査対象円管81の外周面80aに接触して回転することによって検査対象円管81の外周面80aを周方向に移動可能となっている。
【0019】
(連結部38)
一実施形態に係る移動装置3では、中心軸線Ax1の延在方向に離間して配置された第1ユニット31と第2ユニット32とは、連結部38によって連結されている。これにより、第1ユニット31及び第2ユニット32に取り付けられた一対の超音波探触子2は、移動装置3とともに検査対象円管81の外周面80a上を周方向に移動する際に、周方向及び軸方向についての互いの相対位置が変化しないように互いに結合される。
また、一実施形態に係る移動装置3は、一対の超音波探触子2の周方向位置が同じ位置になるように、検査対象円管81の外周を周方向に沿って移動可能に構成されている。
【0020】
(入力軸39及び駆動輪37)
一実施形態に係る移動装置3では、第1ユニット31は、回転力が入力される入力軸39を有する。第1ユニット31に設けられた複数の車輪36の一部は、駆動輪37であり、駆動輪37は、入力軸39に取り付けられている。
すなわち、一実施形態に係る移動装置3では、入力軸39に入力された回転力が増速や減速がされずに駆動輪37に伝達されるように構成されている。これにより、移動装置3に減速機(変速機)を設けなくてもよいので、移動装置3を小型化できる。そのため、検査対象円管81と検査対象円管81と隣り合う円管80との間隔が比較的小さくても、移動装置3と該円管80との干渉する可能性を低減できる。
【0021】
入力軸39には、後述するフレキシブルシャフト7の他端72が接続され、後述する駆動装置5からの回転力がフレキシブルシャフト7を介して入力されるように第1ユニット31は構成されている。
【0022】
なお、一対の超音波探触子2による超音波探傷ではなく、1つの超音波探触子2による超音波探傷を行う場合には、連結部38による第1ユニット31と第2ユニット32との連結を解除し、第1ユニット31だけで超音波探傷を行うようにしてもよい。この場合には、次に述べるエンコーダ41は、第1ユニット31に設けられているとよい。
【0023】
(エンコーダ41)
一実施形態に係る移動装置3は、検査対象円管81における超音波探触子2の周方向への移動距離を計測するためのエンコーダ41を有する。
一実施形態に係る移動装置3では、例えば図2に示すようにエンコーダ41は第2ユニット32に設けられているが、上述したように第1ユニット31に設けられていてもよい。
【0024】
このように構成される移動装置3は、検査対象円管81に取り付けられると、リンク部材35の延在方向に沿って隣り合うリンク部材35同士が不図示のバネの付勢力によって検査対象円管81に巻き付くことができる。そして、移動装置3が検査対象円管81に取り付けられると、保持部33が保持する超音波探触子2は、検査対象円管81の外周面80aに向かって押圧される。
そして、後述する駆動装置5からの回転力がフレキシブルシャフト7を介して入力軸39に入力されると駆動輪37が回転駆動されて、移動装置3は、検査対象円管81の周方向に移動する。
図5及び図7に示す例では、一対の超音波探触子2が検査対象円管81の突合せ溶接部80bを挟んで軸方向に離間して配置された様子を示している。
【0025】
一実施形態に係る移動装置3は、検査対象円管81に対して超音波探触子2を配置すれば、検査対象円管81の周方向に超音波探触子2を移動可能であるが、超音波探触子2が軸方向には移動しないように構成されている。
なお、一実施形態に係る移動装置3は、入力軸39とフレキシブルシャフト7の他端72との接続を解除し、手動で移動装置3を検査対象円管81の周方向に移動させながら超音波探傷を行うことも可能である。
【0026】
(駆動装置5)
図8から図10によく示すように、一実施形態に係る駆動装置5は、移動装置3を検査対象円管81の外周面80aに沿って周方向に移動させるための駆動源である電動モータ51と、減速機52と、回転力の出力軸53と、駆動装置5を取り付け可能な部材等に駆動装置5を取り付けるための取付け部54と、取付け部54に対して出力軸53の移動を可能とする出力軸移動機構55と、を有する。
【0027】
(電動モータ51及び減速機52)
一実施形態に係る駆動装置5では、電動モータ51は、電動モータ51の不図示の出力軸の回転を減速させるための減速機52と一体的に構成された、いわゆる減速機付きモータである。減速機52には、回転力を外部に出力するための出力軸53が減速機52の筐体の外部に突出するように設けられている。
出力軸53には、後述するフレキシブルシャフト7の一端71が接続され、出力軸53の回転力(回転トルク)をフレキシブルシャフト7を介して移動装置3の入力軸39に入力可能である。
一実施形態に係る駆動装置5では、電動モータ51及び減速機52は、出力軸移動機構55を介して取付け部54に取り付けられている。
【0028】
(取付け部54)
一実施形態に係る駆動装置5では、取付け部54は、出力軸移動機構55が取り付けられる本体部541と、本体部541に対して移動可能に取り付けられた腕部542と、本体部541に対して腕部542を移動可能に取り付けるためのリンク部543とを有する。
本体部541は、例えば平面視において矩形形状を有する板状の部材である。
説明の便宜上、駆動装置5について、x方向、y方向、及びz方向を以下のように定義する。
本体部541の板厚方向をz方向とし、z方向から見たとき、すなわち平面視において本体部541の長手方向をx方向とし、短手方向をy方向とする。
【0029】
リンク部543は、本体部541におけるy方向の両端部分にそれぞれ取り付けられていて、リンク部543の一端がx軸と平行である中心軸線c1を中心に本体部541に対して揺動可能である。
それぞれのリンク部543の他端には、腕部542がx軸と平行である中心軸線c2を中心に揺動可能に取り付けられている。
【0030】
腕部542には、例えば図8から図10における図示下側に例えば磁石544が取り付けられている。
【0031】
(出力軸移動機構55)
一実施形態に係る駆動装置5では、出力軸移動機構55は、直動装置551と回転装置556とを有する。
直動装置551は、ある方向に沿って互いに移動可能に構成された基部552と、移動部553とを有する。
一実施形態に係る駆動装置5では、基部552は、取付け部54の本体部541の内、z方向の一方側である図8から図10における図示上側を向いた面に固定されている。
移動部553は、基部552、すなわち本体部541に対してy方向に移動可能である。
なお、基部552、すなわち本体部541に対する移動部553のy方向への移動可能な距離は、例えば検査対象円管81の直径以上であってもよい。
また、直動装置551は、基部552、すなわち本体部541に対して移動部553がx方向にも移動可能に構成されていてもよい。
【0032】
回転装置556は、中心軸線c3を中心に互いに回動可能に構成された基部557と回転部558とを有する。
一実施形態に係る駆動装置5では、基部557は、直動装置551の移動部553の内、z方向の一方側である図8から図10における図示上側を向いた面に固定されている。
回転部558は、基部557、すなわち本体部541に対してz方向と平行である中心軸線c3を中心に回動可能である。
回転部558の内、z方向の一方側である図8から図10における図示上側を向いた面には、減速機52が固定されている。
なお、基部557、すなわち本体部541に対して中心軸線c3を中心に回転部558が回動可能な角度範囲は、例えば90度以上であるとよい。
【0033】
このように構成される駆動装置5では、出力軸53は、本体部541に対してy方向に移動可能であるとともに、z方向と平行である中心軸線c3を中心に回動して揺動可能である。
なお、駆動装置5は、さらに出力軸53の不図示の中心軸線と中心軸線c3とを含む仮想平面内で揺動可能に構成されていてもよい。
【0034】
駆動装置5は、例えば図1A図1B、及び図10に示すように、本体部541のx方向が円管81の軸方向と一致するように配置された取付け部54を曲面である円管80の外周面80aに対して腕部542に取り付けられた磁石544によって固定できる。すなわち、図10に示すように、円管80の外周面80aの形状に合わせて、本体部541に対して腕部542を移動させることで、磁石544を円管80の外周面80aに吸着させることができる。
【0035】
なお、上述の説明では、駆動装置5は取付け部54に設けられた磁石544の磁力によって駆動装置5を取り付け可能な部材等に取り付けることができるように構成されている。しかし、取付け部54の構成は上述した構成に限定されない。例えば、検査対象円管81を挟んで本体部541とは反対側の位置に配置した部材と本体部541とによって検査対象円管81を挟み込むようにすることで、駆動装置5を検査対象円管81に取り付けることができるように取付け部54を構成してもよい。
【0036】
(フレキシブルシャフト7)
フレキシブルシャフト7は、可撓性を有する軸状の部材であり、フレキシブルシャフト7の一端71と他端72との相対的な移動を許容するとともに、回転力(回転トルク)を伝達可能である。
一実施形態に係る超音波探傷装置1では、フレキシブルシャフト7の一端71は駆動装置5の出力軸53に接続され、他端72は移動装置3の入力軸39に接続されている。
【0037】
なお、一実施形態に係る超音波探傷装置1はさらに、不図示の制御装置を備えている。制御装置は、超音波探触子2によって被検体(例えば上述した検査対象円管81)の超音波探傷を行うことによって得られる探傷データを取得して処理するための装置であり、例えばコンピュータ等、及び得られた探傷データを記憶するための記憶装置を含んでいる。
【0038】
(超音波探傷装置1による超音波探傷について)
以下、上述した超音波探傷装置1による超音波探傷について説明する。
図11は、上述した超音波探傷装置1による超音波探傷の手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、幾つかの実施形態に係る超音波探傷方法は、移動装置3を取り付けるステップS1と、駆動装置5を取り付けるステップS2と、超音波探傷を行うステップS3とを備える。
【0039】
なお、以下で説明する移動装置3を取り付けるステップS1と駆動装置5を取り付けるステップS2とは、何れのステップを先に実施してもよい。また、移動装置3を取り付けるステップS1及び駆動装置5を取り付けるステップS2を実施する際に、フレキシブルシャフト7は、入力軸39及び出力軸53の双方に予め接続されていてもよく、入力軸39又は出力軸53何れか一方だけに予め接続されていてもよく、移動装置3を取り付けるステップS1及び駆動装置5を取り付けるステップS2を実施した後にフレキシブルシャフト7を入力軸39及び出力軸53に接続するようにしてもよい。
【0040】
(移動装置3を取り付けるステップS1)
移動装置3を取り付けるステップS1は、移動装置3を検査対象円管81に取り付けるステップである。移動装置3を取り付けるステップS1では、超音波探傷を行う作業員は、例えば図1A図1B、及び図4から図7に示すように、移動装置3を検査対象円管81に取り付ける。
移動装置3を取り付けるステップS1では、移動装置3において検査対象円管81の延在方向の一方側に入力軸39が位置するように移動装置3を検査対象円管81に取り付ける。
説明の便宜上、入力軸39の延在方向の内、入力軸39におけるフレキシブルシャフト7の他端72との接続部の軸端39aが向いている方向を検査対象円管81の延在方向の一方側とし、その反対の方向を検査対象円管81の延在方向の他方側とする。
例えば図1A図5、及び図7では、図示下方が検査対象円管81の延在方向の一方側であり、図示上方が検査対象円管81の延在方向の他方側である。また、例えば図1Bでは、図示上方が検査対象円管81の延在方向の一方側であり、図示下方が検査対象円管81の延在方向の他方側である。
移動装置3が検査対象円管81に取り付けられると、入力軸39の延在方向が検査対象円管81の軸方向と平行となる。
【0041】
(駆動装置5を取り付けるステップS2)
駆動装置5を取り付けるステップS2は、駆動装置5を取り付け可能な部材等に駆動装置5を取り付けるステップである。駆動装置5を取り付けるステップS2では、例えば図1Aに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81に取り付けてもよい。また、駆動装置5を取り付けるステップS2では、例えば図1Bに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81とは異なる円管80に取り付けてもよい。
【0042】
駆動装置5を取り付けるステップS2において、例えば図1Aに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81に取り付ける場合について説明する。
この場合、駆動装置5を取り付けるステップS2では、駆動装置5において検査対象円管81の延在方向の他方側に出力軸53が位置するように、且つ、駆動装置5が移動装置3よりも検査対象円管81の一方側に位置するように駆動装置5を検査対象円管81に対して取り付ける。すなわち、駆動装置5を取り付けるステップS2では、駆動装置5は、回転装置556の中心軸線c3よりも検査対象円管81の他方側に出力軸53が位置するように検査対象円管81に対して取り付けられる。
【0043】
図1Aに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81に取り付けた場合、検査対象円管81の延在方向の他方側を向いた出力軸53と、検査対象円管81の延在方向の一方側を向いた入力軸39とがフレキシブルシャフト7で接続されることとなる。
【0044】
駆動装置5を取り付けるステップS2において、例えば図1Bに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81とは異なる円管80に取り付ける場合について説明する。
この場合、駆動装置5を取り付けるステップS2では、駆動装置5において検査対象円管81の一方側に出力軸53が位置するように駆動装置5を検査対象円管81とは異なる円管80に対して取り付ける。すなわち、駆動装置5を取り付けるステップS2では、駆動装置5は、回転装置556の中心軸線c3よりも検査対象円管81の一方側に出力軸53が位置するように検査対象円管81に対して取り付けられる。
なお、この場合には、図1Bに示すように駆動装置5を検査対象円管81の1つ隣の円管80に取り付けてもよく、図示はしていないが、検査対象円管81の2つ以上隣に位置する円管80に取り付けてもよい。
【0045】
図1Bに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81とは異なる円管80に取り付けた場合、検査対象円管81の延在方向の一方側を向いた出力軸53と、検査対象円管81の延在方向の一方側を向いた入力軸39とがフレキシブルシャフト7で接続されることとなる。この場合、フレキシブルシャフト7は、U字状に屈曲された状態で入力軸39及び出力軸53に接続されることとなる。
【0046】
(超音波探傷を行うステップS3)
超音波探傷を行うステップS3は、駆動装置5の出力軸53を回転駆動することでフレキシブルシャフト7を介して移動装置3の入力軸39を回転駆動して移動装置3を周方向に移動させながら超音波探触子2によって検査対象円管81を超音波探傷するステップである。すなわち超音波探傷を行うステップS3では、駆動装置5の電動モータ51を駆動して移動装置3を周方向に移動させながら検査対象円管81を超音波探傷する。
【0047】
超音波探傷を行うステップS3では、移動装置3の周方向への移動に伴って移動するフレキシブルシャフト7に追従するように出力軸移動機構55によって出力軸53を移動させることができる。
例えば、図1Aでは、回転装置556によって出力軸53が中心軸線c3を中心に揺動した状態を示している。
例えば、図1Bでは、直動装置551によって出力軸53がy方向の一方側(図示左側)に移動した状態を示している。
【0048】
なお、図1Bに示すように、駆動装置5を移動装置3が取り付けられる検査対象円管81とは異なる円管80に取り付けた場合、駆動装置5を取り付けるステップS2では、U字状に屈曲された状態で入力軸39及び出力軸53に接続されたフレキシブルシャフト7を介して出力軸53の回転力を入力軸39に伝達することで移動装置3を周方向に移動させることができる。
【0049】
(まとめ)
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷するための超音波探傷装置1である。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、少なくとも一つの超音波探触子2を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、回転力の入力軸39と、入力軸39に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪37とを有し、駆動輪37の回転によって少なくとも一つの超音波探触子2を複数の円管80の内の検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動するように構成される移動装置3を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、回転力の出力軸53と、出力軸53を回転駆動する駆動源(電動モータ51)とを有する駆動装置5を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、出力軸53の回転力を入力軸39に伝達するためのフレキシブルシャフト7を備える。駆動装置5は、検査対象の円管80(検査対象円管81)とは異なる円管80に駆動装置5を取り付けるための取付け部54と、取付け部54に対して出力軸53の移動を可能とする出力軸移動機構55と、を有する。フレキシブルシャフト7は、検査対象の円管80(検査対象円管81)に取り付けられた移動装置3において検査対象の円管80(検査対象円管81)の延在方向の一方側に位置する入力軸39と、検査対象の円管80(検査対象円管81)とは異なる円管80に取り付けられた駆動装置5において一方側に位置する出力軸53と、に接続されて、出力軸53の回転力を入力軸39に伝達可能である。出力軸移動機構55は、移動装置3の周方向への移動に伴って移動するフレキシブルシャフト7に追従した出力軸53の移動を許可する。
【0050】
上記(1)の構成によれば、超音波探触子2を検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動させるための移動装置3と、駆動装置5とを分離したので、移動装置3を小型化できる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に、隣り合う円管80同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管80の外周面80aに沿って駆動源(電動モータ51)の駆動力で超音波探触子2を移動できる。また、上記(1)の構成によれば、移動装置3から分離した駆動装置5からの駆動力をフレキシブルシャフト7を介して移動装置3に伝達するようにしたので、駆動装置5の配置の自由度が上がる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に駆動装置5を配置し易くなる。
【0051】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、フレキシブルシャフト7は、U字状に屈曲された状態で入力軸39及び出力軸53に接続されるとよい。
【0052】
上記(1)の構成では、移動装置3が検査対象の円管80(検査対象円管81)を周方向に移動するため、フレキシブルシャフト7の長さがある程度必要である。そのため、比較的長くなるフレキシブルシャフト7の取り回しを工夫する必要がある。
その点、上記(2)の構成によれば、比較的長くなるフレキシブルシャフト7を無理なく配置できるとともに、移動装置3の周方向への移動にフレキシブルシャフト7を追従させ易くなる。これにより、移動装置3の周方向への移動範囲を比較的大きくすることができ、超音波探触子2による周方向の探傷範囲を比較的大きくすることができる。
【0053】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、出力軸移動機構55は、取付け部54によって検査対象の円管80(検査対象円管81)とは異なる円管80に取り付けられたときに、複数配置された円管80の配列方向(例えばy方向)に出力軸53を移動可能に支持するとよい。
【0054】
上記(3)の構成によれば、移動装置3の周方向への移動にフレキシブルシャフト7を追従させ易くなる。これにより、移動装置3の周方向への移動範囲を比較的大きくすることができ、超音波探触子2による周方向の探傷範囲を比較的大きくすることができる。
【0055】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、出力軸移動機構55による出力軸53の配列方向(例えばy方向)への移動可能な距離は、円管80の直径以上であるとよい。
【0056】
上記(4)の構成によれば、移動装置3の周方向への移動にフレキシブルシャフト7をさらに追従させ易くなる。これにより、移動装置3の周方向への移動範囲をさらに大きくすることができ、超音波探触子2による周方向の探傷範囲をさらに大きくすることができる。
【0057】
(5)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷するための超音波探傷装置1である。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、少なくとも一つの超音波探触子2を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、回転力の入力軸39と、入力軸39に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪37とを有し、駆動輪37の回転によって少なくとも一つの超音波探触子2を複数の円管80の内の検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動するように構成される移動装置3を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、回転力の出力軸53と、出力軸53を回転駆動する駆動源(電動モータ51)とを有する駆動装置5を備える。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置1は、出力軸53の回転力を入力軸39に伝達するためのフレキシブルシャフト7を備える。駆動装置5は、検査対象の円管80(検査対象円管81)に駆動装置5を取り付けるための取付け部54と、取付け部54に対して出力軸53の移動を可能とする出力軸移動機構55と、を有する。フレキシブルシャフト7は、検査対象の円管80(検査対象円管81)に取り付けられた移動装置3において検査対象の円管80(検査対象円管81)の延在方向の一方側に位置する入力軸39と、移動装置3よりも一方側で検査対象の円管80(検査対象円管81)に取り付けられた駆動装置5において延在方向の他方側に位置する出力軸53と、に接続されて、出力軸53の回転力を入力軸39に伝達可能である。出力軸移動機構55は、移動装置3の周方向への移動に伴って移動するフレキシブルシャフト7に追従した出力軸53の移動を許可する。
【0058】
上記(5)の構成によれば、超音波探触子2を検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動させるための移動装置3と、駆動装置5とを分離したので、移動装置3を小型化できる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に、隣り合う円管80同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管80の外周面80aに沿って駆動源(電動モータ51)の駆動力で超音波探触子2を移動できる。また、上記(5)の構成によれば、移動装置3から分離した駆動装置5からの駆動力をフレキシブルシャフト7を介して移動装置3に伝達するようにしたので、駆動装置5の配置の自由度が上がる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に駆動装置5を配置し易くなる。
【0059】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、出力軸移動機構55は、出力軸53の延在方向と交差する方向に延在する揺動中心軸線(中心軸線c3)を中心として出力軸53を揺動可能に軸支するとよい。
【0060】
上記(6)の構成によれば、移動装置3の周方向への移動にフレキシブルシャフト7を追従させ易くなる。これにより、移動装置3の周方向への移動範囲を比較的大きくすることができ、超音波探触子2による周方向の探傷範囲を比較的大きくすることができる。
【0061】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、駆動輪37は、入力軸39に取り付けられているとよい。
【0062】
上記(7)の構成によれば、移動装置3に減速機を設ける必要がないので、移動装置3を小型化できる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に、隣り合う円管80同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管80の外周面80aに沿って駆動源(電動モータ51)の駆動力で超音波探触子2を移動できる。
【0063】
(8)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷装置1を用いて超音波探傷するための超音波探傷方法である。超音波探傷装置1は、少なくとも一つの超音波探触子2を備える。超音波探傷装置1は、回転力の入力軸39と、入力軸39に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪37とを有し、駆動輪37の回転によって少なくとも一つの超音波探触子2を複数の円管80の内の検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動するように構成される移動装置3を備える。超音波探傷装置1は、回転力の出力軸53と、出力軸53を転駆動する駆動源(電動モータ51)とを有する駆動装置5を備える。超音波探傷装置1は、出力軸53の回転力を入力軸39に伝達するためのフレキシブルシャフト7を備える。駆動装置5は、検査対象の円管80(検査対象円管81)とは異なる円管80に駆動装置5を取り付けるための取付け部54と、取付け部54に対して出力軸53の移動を可能とする出力軸移動機構55とを有する。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、移動装置3において検査対象の円管80(検査対象円管81)の延在方向の一方側に入力軸39が位置するように移動装置3を検査対象の円管80(検査対象円管81)に取り付けるステップとS1、駆動装置5において上記一方側に出力軸53が位置するように駆動装置5を検査対象の円管80(検査対象円管81)とは異なる円管80に対して取り付けるステップS2と、駆動装置5の出力軸53を回転駆動することでフレキシブルシャフト7を介して移動装置3の入力軸39を回転駆動して移動装置3を周方向に移動させながら少なくとも一つの超音波探触子2によって検査対象の円管80(検査対象円管81)を超音波探傷するステップS3とを備える。検査対象の円管80(検査対象円管81)を超音波探傷するステップS3では、移動装置3の周方向への移動に伴って移動するフレキシブルシャフト7に追従するように出力軸移動機構55によって出力軸53を移動させる。
【0064】
上記(8)の方法によれば、超音波探触子2を検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動させるための移動装置3と、駆動装置5とを異なる円管80に取り付けるようにしたので、移動装置3から駆動装置5を分離して、移動装置3を小型化できる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に、隣り合う円管80同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管80の外周面80aに沿って駆動源(電動モータ51)の駆動力で超音波探触子2を移動できる。また、上記(8)の方法によれば、駆動装置5からの駆動力をフレキシブルシャフト7を介して移動装置3に伝達するようにしたので、駆動装置5の配置の自由度が上がる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に駆動装置5を配置し易くなる。
【0065】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の方法において、検査対象の円管80(検査対象円管81)を超音波探傷するステップS3では、U字状に屈曲された状態で入力軸39及び出力軸53に接続されたフレキシブルシャフト7を介して出力軸53の回転力を入力軸39に伝達することで移動装置3を周方向に移動させるとよい。
【0066】
上記(8)の方法では、移動装置3が検査対象の円管80(検査対象円管81)を周方向に移動するため、フレキシブルシャフト7の長さがある程度必要である。そのため、比較的長くなるフレキシブルシャフト7の取り回しを工夫する必要がある。
その点、上記(9)の方法によれば、比較的長くなるフレキシブルシャフト7を無理なく配置できるとともに、移動装置3の周方向への移動にフレキシブルシャフト7を追従させ易くなる。これにより、移動装置3の周方向への移動範囲を比較的大きくすることができ、超音波探触子2による周方向の探傷範囲を比較的大きくすることができる。
【0067】
(10)本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷装置1を用いて超音波探傷するための超音波探傷方法である。超音波探傷装置1は、少なくとも一つの超音波探触子2を備える。超音波探傷装置1は、回転力の入力軸39と、入力軸39に入力された回転力よって回転駆動される駆動輪37とを有し、駆動輪37の回転によって少なくとも一つの超音波探触子2を複数の円管80の内の検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動するように構成される移動装置3を備える。超音波探傷装置1は、回転力の出力軸53と、出力軸53を回転駆動する駆動源(電動モータ51)とを有する駆動装置5を備える。超音波探傷装置1は、出力軸53の回転力を入力軸39に伝達するためのフレキシブルシャフト7を備える。駆動装置5は、検査対象の円管80(検査対象円管81)に駆動装置5を取り付けるための取付け部54と、取付け部54に対して出力軸53の移動を可能とする出力軸移動機構55と、を有する。本開示の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、移動装置3において検査対象の円管80(検査対象円管81)の延在方向の一方側に入力軸39が位置するように移動装置3を検査対象の円管80(検査対象円管81)に取り付けるステップS1と、駆動装置5において延在方向の他方側に出力軸53が位置するように、且つ、駆動装置5が移動装置3よりも一方側に位置するように駆動装置5を検査対象の円管80(検査対象円管81)に対して取り付けるステップS2と、駆動装置5の出力軸53を回転駆動することでフレキシブルシャフト7を介して移動装置3の入力軸39を回転駆動して移動装置3を周方向に移動させながら少なくとも一つの超音波探触子2によって検査対象の円管80(検査対象円管81)を超音波探傷するステップS3と、を備える。検査対象の円管80(検査対象円管81)を超音波探傷するステップS3では、移動装置3の周方向への移動に伴って移動するフレキシブルシャフト7に追従するように出力軸移動機構55によって出力軸53を移動させる。
【0068】
上記(10)の方法によれば、超音波探触子2を検査対象の円管80(検査対象円管81)の外周面80aに沿って周方向に移動させるための移動装置3と、駆動装置5とを検査対象の円管80(検査対象円管81)の延在方向に離して取り付けるようにしたので、移動装置3から駆動装置5を分離して、移動装置3を小型化できる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に、隣り合う円管80同士の間隔が比較的狭い場合であっても円管80の外周面80aに沿って駆動源(電動モータ51)の駆動力で超音波探触子2を移動できる。また、上記(10)の方法によれば、駆動装置5からの駆動力をフレキシブルシャフト7を介して移動装置3に伝達するようにしたので、駆動装置5の配置の自由度が上がる。これにより、径方向に間隔を空けて複数配置された円管80を超音波探傷する場合に駆動装置5を配置し易くなる。
【0069】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0070】
1 超音波探傷装置
2 超音波探触子
3 移動装置
5 駆動装置
7 フレキシブルシャフト
31 第1ユニット
32 第2ユニット
33 保持部
34 巻付き腕部
35 リンク部材
36 車輪
37 駆動輪
38 連結部
39 入力軸
39a 接続部の軸端
41 エンコーダ
51 電動モータ
52 減速機
53 出力軸
54 取付け部
43 取付け部
55 出力軸移動機構
71 一端
72 他端
80 円管
80a 外周面
80b 突合せ溶接部
81 検査対象の円管(検査対象円管)
541 本体部
542 腕部
543 リンク部
544 磁石
551 直動装置
552 基部
553 移動部
556 回転装置
557 基部
558 回転部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11