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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110571
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】打撃検出デバイス
(51)【国際特許分類】
   G10H 3/14 20060101AFI20240808BHJP
   G10H 1/00 20060101ALI20240808BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G10H3/14 A
G10H1/00 A
G01H17/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015222
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優典
(72)【発明者】
【氏名】原田 敬三
(72)【発明者】
【氏名】田中 奏
【テーマコード(参考)】
2G064
5D478
【Fターム(参考)】
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
5D478CC10
5D478CC31
5D478NN11
(57)【要約】
【課題】振動する物体が薄い膜状であっても、物体の振動の縦波を検出することができる打撃検出デバイスを提供する。
【解決手段】打撃検出デバイス1は、物体100に接触する接触部11を有し、振動に応じて変形する振動伝搬部材10と、振動伝搬部材10を支持し、物体100との間に振動伝搬部材10を位置させる支持台20と、振動伝搬部材10の互いに異なる2つの部位の変形をそれぞれ検出する2つの振動検出センサ30と、を備える。2つの振動検出センサ30によって検出される振動伝搬部材10の2つの部位は、振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向に対して交差する方向に並ぶ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の振動を検出する打撃検出デバイスであって、
前記物体に接触する接触部を有し、前記振動に応じて変形する振動伝搬部材と、
前記振動伝搬部材を支持し、前記物体との間に前記振動伝搬部材を位置させる支持台と、
前記振動伝搬部材の互いに異なる2つの部位の変形をそれぞれ検出する2つの振動検出センサと、を備え、
前記振動伝搬部材の前記2つの部位は、前記振動伝搬部材及び前記支持台の配列方向に対して交差する方向に並ぶ打撃検出デバイス。
【請求項2】
前記振動検出センサを3つ以上有し、
3つ以上の前記振動検出センサは、前記配列方向に延びる軸線を中心とする周方向に並ぶ前記振動伝搬部材の3つ以上の部位の変形をそれぞれ検出する請求項1に記載の打撃検出デバイス。
【請求項3】
前記振動伝搬部材は、前記接触部を頂点とし、前記支持台に対向する部位を底面とする錐体に形成されている請求項1又は請求項2に記載の打撃検出デバイス。
【請求項4】
前記振動検出センサが、前記振動伝搬部材と前記支持台との間に挟まれる請求項1又は請求項2に記載の打撃検出デバイス。
【請求項5】
前記振動検出センサは、弾性的に変形することで圧力を検出する圧力センサであり、前記振動伝搬部材に接触する請求項1又は請求項2に記載の打撃検出デバイス。
【請求項6】
2つの前記振動検出センサから出力された出力値の差分を演算する演算部を備える請求項1又は請求項2に記載の打撃検出デバイス。
【請求項7】
前記演算部は、前記出力値の差分、及び、2つの前記振動検出センサから出力された出力値の和分、を演算すると共に、前記出力値の差分のピーク値が現れた時間と、前記出力値の和分のピーク値が現れた時間との時間差を演算する請求項6に記載の打撃検出デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃検出デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、板状の被打撃体(パッド、振動体)への打撃に基づいて電子音を出力する電子打楽器に用いられる打撃検出デバイスが開示されている。特許文献1の打撃検出デバイスでは、板厚方向に延びる被打撃体の側面に、被打撃体の振動を検出するセンサが設けられている。これにより、センサは、板厚方向に直交する被打撃体の打面(上面)が打撃された際に被打撃体に生じる振動の縦波を検出することができる。振動の縦波は横波よりも伝搬速度が速いため、被打撃体を打撃してから電子音が出力されるまでの時間を短くすることができる。振動の縦波は、波の進行方向(打面に沿う方向)に平行する振動である。また、振動の横波は、波の進行方向(打面に沿う方向)に直交する振動である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-138196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の打撃検出デバイスでは、メッシュやフィルム等からなる薄い膜状に形成される被打撃体(物体)に振動の縦波を検出するセンサを設けることができない、すなわち被打撃体の振動の縦波を検出できない、という問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、物体(被打撃体)が薄い膜状であっても物体の振動の縦波を検出することができる打撃検出デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物体の振動を検出する打撃検出デバイスであって、前記物体に接触する接触部を有し、前記振動に応じて変形する振動伝搬部材と、前記振動伝搬部材を支持し、前記物体との間に前記振動伝搬部材を位置させる支持台と、前記振動伝搬部材の互いに異なる2つの部位の変形をそれぞれ検出する2つの振動検出センサと、を備え、前記振動伝搬部材の前記2つの部位は、前記振動伝搬部材及び前記支持台の配列方向に対して交差する方向に並ぶ打撃検出デバイスである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被打撃体が薄い膜状であっても被打撃体の振動の縦波を検出することができる打撃検出デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係る打撃検出デバイスを示す側断面図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る打撃検出デバイスのブロック図である。
図4図1の打撃検出デバイスの動作の第一例を示す図である。
図5図1の打撃検出デバイスの動作の第二例を示す図である。
図6図1図2の打撃検出デバイスを物体に対して配置する一例を示す図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る打撃検出デバイスの変形例を示す側断面図である。
図8】本発明の第二実施形態に係る打撃検出デバイスを示す平断面図である。
図9図8の打撃検出デバイスを物体に対して配置する一例を示す図である。
図10図9に例示した打撃検出デバイスの配置状態において、振動の伝播方向(角度θ)と、第一圧力差分、第二圧力差分、第三圧力差分(3つの出力値)と、の関係を示すグラフである。
図11図1図2の打撃検出デバイスを物体に対して配置する別の例を示す図である。
図12図1図2の打撃検出デバイスを物体に対して配置する別の例を示す図である。
図13】本発明の他の実施形態に係る打撃検出デバイスを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一実施形態)
以下、図1図6を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示す第一実施形態の打撃検出デバイス1は、物体100の振動を検出する。第一実施形態における物体100は、板状あるいは膜状に形成され、打撃されることで振動する被打撃体である。板状あるいは膜状の物体100は、スティック等によって打撃される打面100aを有する。以下の説明では、物体100のうち打面100aの反対側に向く面を裏面100bと呼ぶことがある。物体100は、不図示の基台に支持される。基台は、例えばドラムのシェルなどであってよい。
【0010】
打撃検出デバイス1は、振動伝搬部材10と、支持台20と、2つの振動検出センサ30と、を備える。
振動伝搬部材10は、物体100に接触する接触部11を有する。振動伝搬部材10は、物体100の振動に応じて変形する。振動伝搬部材10は、例えばスポンジなどのように弾性的に変形する。
【0011】
支持台20は、振動伝搬部材10を支持して、当該振動伝搬部材10を物体100との間に位置させる。すなわち、支持台20は、物体100との間に振動伝搬部材10を挟む。
【0012】
2つの振動検出センサ30は、振動伝搬部材10の互いに異なる2つの部位の変形を検出する。2つの振動検出センサ30の検出対象となる振動伝搬部材10の2つの部位は、振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向(以下、Z軸方向とも呼ぶ。)に交差する方向に並ぶ。
【0013】
以下、第一実施形態の打撃検出デバイス1についてより具体的に説明する。
【0014】
第一実施形態の振動伝搬部材10は、接触部11を頂点とし、支持台20に対向する部位12(以下、支持台20の対向部位12と呼ぶ。)を底面とする錐体(錐台体)に形成されている。振動伝搬部材10は、例えば四角錐や三角錐などの角錐に形成されてもよいが、第一実施形態では円錐に形成されている。
振動伝搬部材10の接触部11(頂点)の形状は、例えば、当該接触部11が接触する物体100の部位の形状にあわせて形成されてよい。具体的に、接触部11が接触する物体100の部位が平坦面である場合、振動伝搬部材10接触部11(頂点)は平坦面に形成されてよい。すなわち、振動伝搬部材10が錐台体に形成されてよい。また、例えば、振動伝搬部材10自体は錐体に形成され、接触部11(頂点)が物体100の平坦面に押し付けられた状態において接触部11が弾性的に変形して平坦になることで、振動伝搬部材10が錐台体になってもよい。
【0015】
第一実施形態の振動検出センサ30は、弾性的に変形することで圧力を検出する圧力センサである。圧力センサは、例えば、弾性的に変形可能な圧電素子の厚さ方向の両端に電極を設けて構成される。圧力センサである振動検出センサ30は、振動伝搬部材10の表面に接触する。これにより、振動検出センサ30は、振動伝搬部材10の変形に伴って、振動検出センサ30に作用する圧力の変化を検出することができる。
具体的に、第一実施形態の振動検出センサ30は、その厚さ方向(振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向)に弾性的に圧縮(伸長)することで圧力を検出する圧力センサである。圧電素子には、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)が用いられてよい。
【0016】
第一実施形態において、2つの振動検出センサ30は、振動伝搬部材10と支持台20との間に挟まれる。すなわち、支持台20は、2つの振動検出センサ30を介して振動伝搬部材10を支持する。振動伝搬部材10の対向部位12には、当該対向部位12に対向する各振動検出センサ30の面全体が接触する。2つの振動検出センサ30は、対向部位12のうち互いに異なる2つの部位に接触する。図1において、2つの振動検出センサ30は、振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向(Z軸方向)に直交する方向に並んでいるが、少なくとも当該配列方向に交差する方向に並んでいればよい。
【0017】
前述したように、振動検出センサ30は、厚さ方向に弾性的に圧縮(伸長)する圧力センサである。このため、支持台20は、各振動検出センサ30全体を振動伝搬部材10との間に挟む。また、支持台20の弾性率が振動検出センサ30よりも高い。
【0018】
第一実施形態において、圧力センサである2つの振動検出センサ30は、それぞれ圧電素子の両側に電極を設けて構成されている。なお、2つの振動検出センサ30は、例えば単一の圧電素子の両側に設けられる電極をそれぞれ2つに分けることで構成されてもよい。
【0019】
前述したように、第一実施形態の振動伝搬部材10は円錐状に形成されている。このため、図2に示すように、支持台20は、Z軸方向から見て、振動伝搬部材10の対向部位12(底面)に対応する円形状に形成されている。また、2つの振動検出センサ30は、Z軸方向から見て、それぞれ半円状に形成される。半円状である2つの振動検出センサは、全体で振動伝搬部材10の対向部位12(底面)に対応する円形状となるように並べられている。
【0020】
以上のように構成される打撃検出デバイス1の動作について、図4図5を参照して説明する。
図4図5に示すように、打撃検出デバイス1は、振動伝搬部材10の接触部11を物体100の裏面100bに接触させ、かつ、振動伝搬部材10が物体100と支持台20との間に挟まれるように、物体100に対して取り付けられる。なお、支持台20は、例えば物体100を支持する不図示の基台に固定されるとよい。接触部11は、例えば物体100の打面100aに接触してもよい。
【0021】
このように打撃検出デバイス1が物体100に取り付けられることで、2つの振動検出センサ30は、物体100の打面100a(裏面100b)に沿う方向に並ぶ。すなわち、2つの振動検出センサ30によって変形が検出される振動伝搬部材10の異なる2つの部位が物体100の打面100aに沿う方向に並ぶ。図4図5において2つの振動検出センサ30が並ぶ方向は、物体100の打面100aに平行しているが、例えば打面100aに対して傾斜してもよい。2つの振動検出センサ30が並ぶ方向は、少なくとも物体100の打面100aに直交しなければよい。
【0022】
図4図5に示す状態において、物体100の打面100aを打撃することに伴って物体100が振動すると、当該振動は物体100の打面100aに沿って伝播する。この物体100の振動が振動伝搬部材10の接触部11を通過すると、振動伝搬部材10の接触部11が、振動伝搬部材10のうち支持台20側に位置する対向部位12に対して変位する。
【0023】
物体100の振動が、打面100aに沿って2つの振動検出センサ30が並ぶ方向において振動伝搬部材10の接触部11を通過すると、振動伝搬部材10の接触部11は、例えば図4に示すように、物体100の振動の縦波により、対向部位12に対して2つの振動検出センサ30の並び方向(図4図5において左右方向)に変位する。この接触部11の変位に伴って振動伝搬部材10が変形した際、2つの振動検出センサ30に作用する圧力は互いに逆符号となる。図4において、2つの振動検出センサ30に接する2つの矢印は、各振動検出センサ30に作用する圧力の向きを示している。図4に示す例では、右側の振動検出センサ30がその厚さ方向に圧縮され、左側の振動検出センサ30がその厚さ方向に伸長される。したがって、打撃検出デバイス1は、これら2つの振動検出センサ30が検出する圧力(圧力値)の差分を出力することで、振動の縦波を検出することができる。
【0024】
また、打撃に伴って物体100に生じた振動が振動伝搬部材10の接触部11を通過すると、振動伝搬部材10の接触部11は、図5に示すように、物体100の振動の横波により、対向部位12に対して振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向(すなわち2つの振動検出センサ30の並び方向に交差する方向)に変位する。当該接触部11の変位に伴って振動伝搬部材10が変形した際、2つの振動検出センサ30に作用する圧力は互いに同符号となる。図5において、2つの振動検出センサ30に接する2つの矢印は、各振動検出センサ30に作用する圧力の向きを示している。図5に示す例では、2つの振動検出センサ30の両方がその厚さ方向に圧縮される。これにより、打撃検出デバイス1は、2つの振動検出センサ30が検出する圧力(圧力値)の和分(圧力を足し合わせたもの)を出力することで、振動の横波を検出することができる。
【0025】
上記したように振動の縦波及び横波を検出する2つの振動検出センサ30は、例えば予め一定方向に変形した状態(予め圧力が作用した状態)を基準として、それぞれ振動に伴って振動検出センサ30に作用する圧力を検出してもよい。
【0026】
図3に示すように、第一実施形態の打撃検出デバイス1は、処理部40と、出力部50と、をさらに備える。処理部40は、2つの振動検出センサ30から出力された出力値を処理する。出力部50は、処理部40から出力された処理結果に基づいて、不図示のスピーカー等から電子音を出力する。すなわち、打撃検出デバイス1は、電子音を出力する電子打楽器に適用可能に構成されている。
前述したように、第一実施形態の振動検出センサ30は、当該振動検出センサ30に作用する圧力を検出する。このため、処理部40は、2つの振動検出センサ30から出力される「出力値」は、圧力を示す値である。以下の説明では、「出力値」を「圧力値」として説明する。
【0027】
処理部40は、演算部と、特定部と、を有する。
演算部は、2つの振動検出センサ30から出力された圧力値の差分を演算する。圧力値の差分の演算は、物体100の振動の縦波の検出に相当する。また、演算部は、2つの振動検出センサ30から出力された圧力値の和分を演算する。圧力値の和分の演算は、物体100の振動の横波の検出に相当する。さらに、演算部は、上記した圧力値の差分のピーク値が現れた時間と、圧力値の和分のピーク値が現れた時間との時間差を演算する。
ここで、圧力値の差分のピーク値は、物体100への打撃に伴う物体100の振動の縦波のピーク値に相当する。また、圧力値の和分のピーク値は、物体100への打撃に伴う物体100の振動の横波のピーク値に相当する。このため、演算部が、圧力値の差分のピーク値が現れた時間と、圧力値の和分のピーク値が現れた時間との時間差を演算することは、物体100に接触する接触部11に到達した振動の縦波と横波との時間差を演算することを意味する。
【0028】
特定部は、演算部から出力された「時間差」、及び、物体100における振動の伝搬速度(縦波及び横波の伝搬速度)に基づいて、図6に示すように、物体100のうち振動伝搬部材10の接触部11(図1参照)が接触する接触位置101から物体100が打撃された打撃位置までの距離L0を特定する。図6において、符号102で示す二点鎖線は、物体100の接触位置101から距離L0だけ離れた円弧状の領域であり、当該円弧状の領域102に物体100の打撃位置が含まれる。
また、特定部は、演算部において演算された圧力値の差分及び/又は差分のピーク値に基づいて、物体100が打撃された強さ(大きさ)を特定してよい。
【0029】
図3に示す出力部50は、特定部から出力された距離L0に応じて、異なる音色の電子音を出力する。例えば、特定部から出力された距離L0より打撃位置を特定することで、打撃位置に応じて異なる音色の電子音を出力する。また、特定部において特定された物体100が打撃された強さ(大きさ)に応じたベロシティ(音量)の電子音を出力する。
【0030】
処理部40の演算部は、例えば、2つの振動検出センサ30から出力された圧力値の差分だけを演算してもよい、すなわち、物体100の振動の縦波だけを検出してもよい。また、演算部は、上記した圧力値の差分のピーク値を演算してよい。処理部40の特定部は、演算部において演算された圧力値の差分のピーク値に基づいて、物体100が打撃された強さ(大きさ)を特定してよい。そして、出力部50は、処理部40から出力された圧力値の差分(振動の縦波)に応じたタイミングで、特定部において特定された物体100が打撃された強さ(大きさ)に応じたベロシティ(音量)の電子音を出力してよい。
振動の縦波は横波より伝搬速度が速いため、上記のように振動の縦波のみを利用する場合には、振動の縦波及び横波の両方を利用する場合と比較して、物体100を打撃してから電子音を出力するまでの時間を短くすることができる。
【0031】
第一実施形態の打撃検出デバイス1は、例えば図6に示すように、Z軸方向(物体100の厚さ方向)から見て、物体100の中央領域から離れた周縁領域において物体100に取り付けられることが好ましい。物体100はその中央領域において打撃されることが多いため、打撃検出デバイス1を物体100の周縁領域に取り付けることで、物体100の接触位置101及びその近傍の領域が打撃されることを抑制できる。物体100の接触位置101及びその近傍領域が打撃されないことで、振動の縦波及び横波が接触位置101に到達する時間差を好適に検出することができる。
また、打撃検出デバイス1は、2つの振動検出センサ30が中央領域から周縁領域に向かう方向(図6において径方向)に並ぶように、物体100に取り付けられることが好ましい。このように打撃検出デバイス1が物体100に取り付けられることで、物体100(打面100a)の大半が2つの振動検出センサ30の並び方向の一方側に位置する。これにより、物体100における打撃位置を特定しやすくなる。
【0032】
以上説明したように、第一実施形態の打撃検出デバイス1は、振動伝搬部材10の互いに異なる2つの部位の変形をそれぞれ検出する2つの振動検出センサ30を有し、2つの部位が振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向(Z軸方向)に対して交差する方向に並んでいる。これにより、物体100(被打撃体)が薄い膜状であっても、物体100の振動の縦波を検出することができる。
【0033】
また、第一実施形態の打撃検出デバイス1において、振動伝搬部材10は、接触部11を頂点とし、支持台20に対向する対向部位12を底面とする錐体に形成されている。このため、接触部11と物体100(打面100a)との接触面積を小さくすることができる。これにより、物体100の振動特性が振動伝搬部材10の接触によって変化することを抑制できる。
【0034】
また、第一実施形態の打撃検出デバイス1においては、振動検出センサ30が振動伝搬部材10と支持台20との間に挟まれる。具体的には、厚さ方向に弾性的に圧縮(伸長)する振動検出センサ30全体が、振動伝搬部材10と支持台20との間に挟まれる。また、支持台20の弾性率が振動検出センサ30よりも高い。このため、物体100から振動伝搬部材10に伝わった振動(圧力変動)に応じて、振動検出センサ30を積極的に圧縮(伸長)させることができる。これにより、各振動検出センサ30が物体100の振動を高い感度で検出することができる。
【0035】
また、第一実施形態の打撃検出デバイス1において、振動検出センサ30は、弾性的に変形することで圧力を検出する圧力センサであり、振動伝搬部材10に接触する。これにより、振動検出センサ30が振動伝搬部材10の変形に追従しやすいため、当該振動検出センサ30により物体100の振動を高い感度で検出することができる。
【0036】
また、第一実施形態の打撃検出デバイス1においては、演算部が2つの振動検出センサ30から出力された出力値(圧力値)の差分を演算することで、物体100の振動の縦波を検出することができる。また、振動の縦波を検出できることで、物体100を打撃してから電子音を出力するまでの時間をより短くすることができる。
【0037】
また、第一実施形態の打撃検出デバイス1においては、演算部が、圧力値の差分のピーク値が現れた時間と、圧力値の和分のピーク値が現れた時間との時間差を演算する。これにより、少なくとも2つの振動検出センサ30の並び方向において、物体100のうち接触位置101から打撃位置までの距離L0を特定することができる。そして、当該距離L0を特定できることで、当該距離L0に応じて電子打楽器から出力される電子音の音色を変えることができる。言い換えれば、物体100の打撃位置に応じて電子打楽器から出力される電子音の音色を変えることができる。
【0038】
第一実施形態において、振動検出センサ30は、例えば、その厚さ方向に反るように弾性的に撓み変形することで圧力を検出する圧力センサであってもよい。このような圧力センサには、例えば、撓み変形可能なベース板の一方の面に圧電素子を重ねたユニモルフタイプの圧力センサ、あるいは、ベース板の両面に圧電素子を重ねたバイモルフタイプの圧力センサが用いられてよい。
【0039】
振動検出センサ30が撓み変形で圧力を検出する場合、図7に示すように、支持台20は、各振動検出センサ30の一部(例えば半分)を振動伝搬部材10との間に挟んでもよい。支持台20の硬さは、振動検出センサ30の撓み変形を阻害しない程度の硬さであるとよい。このような構成では、物体100に伝わる振動に応じた振動伝搬部材10の変形に伴って、各振動検出センサ30を積極的に撓み変形させることができる。
また、支持台20の硬さは、例えば、振動検出センサ30の撓み変形に追従して変形する程度の硬さであるとよい。
【0040】
図7に例示した構成において、例えば、物体100の振動が、2つの振動検出センサ30の並び方向(左右方向)において振動伝搬部材10の接触部11を通過した際には、物体の振動の縦波により、振動伝搬部材10の接触部11が左右方向に変位する。この接触部11の変位に伴って、2つの振動検出センサ30に作用する圧力は互いに逆符号となり、2つの振動検出センサ30が撓む方向が互いに逆向きになる。例えば、左側の振動検出センサ30が矢印W11で示すように上向きに撓む場合、右側の振動検出センサ30が矢印W22で示すように下向きに撓む。また、左側の振動検出センサ30が矢印W12で示すように下向きに撓む場合、右側の振動検出センサ30が矢印W21で示すように上向きに撓む。
【0041】
また、物体100の振動が、2つの振動検出センサ30の並び方向に振動伝搬部材10の接触部11を通過した際には、物体の振動の横波により、接触部11が上下方向(振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向)に変位する。この接触部11の変位に伴って、2つの振動検出センサ30に作用する圧力は互いに同符号となり、2つの振動検出センサ30が撓む方向が互いに同じ向きになる。例えば、左側の振動検出センサ30が矢印W11で示すように上向きに撓む場合、右側の振動検出センサ30も矢印W21で示すように上向きに撓む。また、左側の振動検出センサ30が矢印W12で示すように下向きに撓む場合、右側の振動検出センサ30も矢印W22で示すように下向きに撓む。
【0042】
図7に例示した構成では、弾性的に撓み変形する振動検出センサ30の一部が、振動伝搬部材10と支持台20との間に挟まれる。また、支持台20の硬さは、振動検出センサ30の撓み変形を阻害しない程度の硬さである。これにより、物体100から振動伝搬部材10に伝わった振動(圧力変動)に応じて、振動検出センサ30を積極的に圧縮(伸長)させることができる。すなわち、振動検出センサ30が物体100の振動を高い感度で検出することができる。
また、図7に例示した構成では、支持台20の硬さが、振動検出センサ30の撓み変形に追従して変形する程度の硬さである。これにより、振動検出センサ30が撓み変形した際に、支持台20に起因して振動検出センサ30がダメージを受けることを効果的に抑制できる。すなわち、振動検出センサ30の保護を図ることができる。
【0043】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図8図10を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0044】
図8に示すように、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dは、3つの振動検出センサ30を有する。3つの振動検出センサ30は、Z軸方向(振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向)に延びる軸線A1を中心とする周方向に並ぶ振動伝搬部材10の3つの部位の変形をそれぞれ検出する。
具体的に、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dでは、第一実施形態と同様に、3つの振動検出センサ30が振動伝搬部材10と支持台20との間に挟まれる。これら3つの振動検出センサ30は、Z軸方向に延びる軸線A1を中心とする周方向に並んでいる。軸線A1は、例えば錐体に形成された振動伝搬部材10の軸線であってよい(図1参照)。
【0045】
各振動検出センサ30は、周方向において隣り合う振動検出センサ30の間隔が小さくなるように、Z軸方向から見て扇状に形成されている。周方向における各振動検出センサ30の開き角度は、120度である。
以下の説明では、3つの振動検出センサ30を、第一振動検出センサ30A、第二振動検出センサ30B、第三振動検出センサ30C、と呼ぶことがある。
【0046】
第二実施形態の打撃検出デバイス1Dは、第一実施形態と同様に物体100に取り付けられた状態で、振動伝搬部材10の接触部11が接触する物体100の接触位置101において振動が通過する方向(振動の伝播方向)を特定することができる。以下、この点について説明する。
【0047】
第二実施形態の打撃検出デバイス1Dでは、演算部が、第一振動検出センサ30A及び第二振動検出センサ30Bから出力された圧力値の和分と、第三振動検出センサ30Cから出力された圧力値と、の差分(第一圧力差分)を演算する。これにより、図8においてD1方向(及びその逆方向)に伝播する振動の縦波を最も高い感度で検出することができる。演算される第一圧力差分の大きさは、振動が接触位置101に向けて伝播する方向(振動の伝播方向)が、D1方向(及びその逆方向)を基準として、接触位置101を中心に周方向にずれるにしたがって小さくなり、振動の伝播方向がD1方向(及びその逆方向)から周方向に±90度ずれた位置で最も小さくなる。
【0048】
また、演算部は、第二振動検出センサ30B及び第三振動検出センサ30Cから出力された圧力値の和分と、第一振動検出センサ30Aから出力された圧力値と、の差分(第二圧力差分)を演算する。これにより、図8においてD2方向(及びその逆方向)に伝播する振動の縦波を最も高い感度で検出することができる。演算される第二圧力差分の大きさは、振動が接触位置101に向けて伝播する方向(振動の伝播方向)が、D2方向(及びその逆方向)を基準として、接触位置101を中心に周方向にずれるにしたがって小さくなり、振動の伝播方向がD2方向(及びその逆方向)から周方向に±90度ずれた位置で最も小さくなる。
【0049】
また、演算部は、第一振動検出センサ30A及び第三振動検出センサ30Cから出力された圧力値の和分と、第二振動検出センサ30Bから出力された圧力値(第三圧力差分)と、の差分を演算する。これにより、図8においてD3方向(及びその逆方向)に伝播する振動の縦波を最も高い感度で検出することができる。演算される第三圧力差分の大きさは、振動が接触位置101に向けて伝播する方向(振動の伝播方向)が、D3方向(及びその逆方向)を基準として、接触位置101を中心に周方向にずれるにしたがって小さくなり、振動の伝播方向がD3方向(及びその逆方向)から周方向に±90度ずれた位置で最も小さくなる。
【0050】
また、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dでは、第一実施形態と同様に、演算部が、第一~第三振動検出センサ30A~30Cから出力された圧力値の和分(圧力値の総計)を演算する。これにより、物体100の接触位置101を通過する振動の横波を検出することができる。
【0051】
そして、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dでは、物体100の接触位置101から物体100が打撃された打撃位置までの距離及び方向を特定することができる。以下、この点について説明する。
【0052】
前述した第一圧力差分、第二圧力差分、第三圧力差分のピーク値が現れる時間、すなわち、振動の縦波が物体100の接触位置101に到達する時間は、同じである。演算部は、第一圧力差分、第二圧力差分、第三圧力差分のピーク値が現れる時間(縦波の到達時間)と、圧力値の総計のピーク値が現れた時間(横波の到達時間)との時間差を演算する。特定部は、演算部から出力された「時間差」、及び、物体100における振動の伝搬速度(縦波及び横波の伝搬速度)に基づいて、図9に示すように、物体100の接触位置101から打撃位置までの距離L1を特定する。
【0053】
演算部において演算された第一圧力差分、第二圧力差分、第三圧力差分の3つの出力値(圧力差分値)の大きさの比率は、物体100の接触位置101に向かう振動の伝播方向(角度θの大きさ)に応じて所定の法則で変化する。特定部は、当該法則を利用することで、演算部から出力された第一圧力差分、第二圧力差分、第三圧力差分の3つの出力値(圧力差分値)の比率に基づいて、基準線RLからの角度θを特定する。
例えば、第一圧力差分、第二圧力差分、第三圧力差分の3つの出力値(圧力差分値)の大きさの比率は、図10に例示するように角度θに応じて変化する。図10においては、符号PD1が第一圧力差分、符号PD2が第二圧力差分、符号PD3が第三圧力差分、をそれぞれ示している。これにより、これら3つの出力値PD1,PD2,PD3の比率に基づいて、角度θを特定することができる。
これにより、振動の伝播方向、すなわち接触位置101を基準とした打撃位置の方向を特定することができる。なお、図9においては、接触位置101から延びる基準線RLの方向が、D1方向に対応しているが、これに限ることはない。
以上のようにして、物体100の接触位置101から打撃位置までの距離及び方向を特定することができる。すなわち、打撃位置103を特定することができる。
【0054】
図9に例示するように、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dは、第一実施形態と同様にZ軸方向(物体100の厚さ方向)から見て、物体100の中央領域から離れた周縁領域において物体100に取り付けられることが好ましい。
【0055】
第二実施形態の打撃検出デバイス1Dによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dでは、3つの振動検出センサ30は、Z軸方向(振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向)に延びる軸線A1を中心とする周方向に並ぶ振動伝搬部材10の3つの部位の変形をそれぞれ検出する。これにより、物体100の接触位置101を通過する物体100の振動の伝播方向が様々であっても、振動の縦波を検出することができる。
【0056】
また、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dでは、前述したように物体100における打撃位置103を特定することができる。これにより、物体100における打撃位置(打撃領域)に応じて、異なる音色の電子音を出力部50から出力することができる。
【0057】
第二実施形態において、周方向に並ぶ振動検出センサ30の数は、例えば4つ以上であってもよい。周方向に並ぶ振動検出センサ30の数が多い程、物体100の接触位置101を通過する振動の伝播方向を高い精度で特定することができる。ただし、振動検出センサ30の数が過度に増えると、演算部における演算量が増えることで、物体100を打撃してから電子音が出力されるまでの時間が長くなってしまう。このため、振動検出センサ30の数は、過度に増やさないことが好ましい。
【0058】
上記した第二実施形態のように物体100の打撃位置を特定することは、第二実施形態の打撃検出デバイス1Dに限らず、例えば2つの振動検出センサ30を備える第一実施形態の打撃検出デバイス1を用いて行うことも可能である。この場合、図11図12に示すように、物体100に第一実施形態の打撃検出デバイス1を2つ取り付ければよい。図11図12において、2つの打撃検出デバイス1は、それぞれ物体100の周縁領域に取り付けられる。2つの打撃検出デバイス1は、物体100の周方向に並ぶように位置する。そして、一方の打撃検出デバイス1における2つの振動検出センサ30の並び方向と、他方の打撃検出デバイス1における2つの振動検出センサ30の並び方向と、が互いに直交している。
【0059】
図11に示すように、周方向における2つの打撃検出デバイス1の間隔が小さい場合、一方の打撃検出デバイス1における2つの振動検出センサ30だけが、中央領域から周縁領域に向かう方向(図11において径方向)に並んでよい。
一方、図12に示すように、周方向における2つの打撃検出デバイスの間隔を、周方向における角度で90度とした場合、両方の打撃検出デバイス1における2つの振動検出センサ30が、中央領域から周縁領域に向かう方向(図12において径方向)に並んでよい。
図11図12に例示するように配置された2つの打撃検出デバイス1を利用することにより、第二実施形態と同様の方法で、物体100の各接触位置101から打撃位置までの距離及び方向を特定することができる、すなわち打撃位置103を特定することができる。
【0060】
また、図11図12に例示するように配置された2つの打撃検出デバイス1を利用する場合には、例えば、第一実施形態で示した手法を利用することで、打撃位置103を特定することもできる。すなわち、特定部が、第一実施形態と同様に、各打撃検出デバイス1が接触する物体100の接触位置101から打撃位置を含む円弧状の領域102A,102Bまでの距離L0A,L0Bを特定する。そして、特定部は、これら2つの円弧状の領域102A,102Bが交わる点を打撃位置103として特定する。
【0061】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0062】
本発明において、振動検出センサ30が振動伝搬部材10に接触する場合、振動検出センサ30は、少なくとも接触部11を除く振動伝搬部材10の表面に接触すればよい。また、2つの振動検出センサ30が振動伝搬部材10及び支持台20の配列方向に交差する方向に並んでいればよい。振動検出センサ30は、例えば振動伝搬部材10のうち支持台20との間に挟まれない部位に接触してもよい。振動検出センサ30は、例えば図13に示すように、錐体に形成された振動伝搬部材10の側面13に接触してもよい。
【0063】
本発明において、複数の振動検出センサ30は、少なくとも振動伝搬部材10の互いに異なる複数の部位の変形を検出できればよく、例えば振動伝搬部材10に接触しなくてもよい。振動検出センサ30は、例えば非接触で振動伝搬部材10の変形を検出するセンサであってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1,1D…打撃検出デバイス、10…振動伝搬部材、11…接触部、12…対向部位、20…支持台、30…振動検出センサ、40…処理部、50…出力部、100…物体、A1…軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図13