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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110592
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】クレンジング料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20240808BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240808BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240808BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240808BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240808BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/86
A61K8/92
A61Q1/14
A61Q19/10
A61K8/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015255
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志津田 有成
(72)【発明者】
【氏名】村上 大
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC442
4C083AD042
4C083AD662
4C083BB13
4C083CC22
4C083CC23
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】塗布する際の垂れ落ちがなく、塗り広げやすく、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性およびその後のすすぎ性が良好であり、優れた保湿性を有するクレンジング料を提供すること。
【解決手段】
(a)HLB値が7~13であって、炭素数10~18の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、および、HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のソルビタン脂肪酸モノエステル、から選ばれる成分を1~10質量%、
(b)HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを15~35質量%
(c)ベヘン酸およびエイコサン二酸からなる混合脂肪酸の、グリセリンエステルまたはポリグリセリンエステルを0.5~2.5質量%、
(d)油剤を40~80質量%、
含有するクレンジング料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)HLB値が7~13であって、炭素数10~18の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、および、HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のソルビタン脂肪酸モノエステル、から選ばれる成分を1~10質量%、
(b)HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを15~35質量%
(c)ベヘン酸およびエイコサン二酸からなる混合脂肪酸の、グリセリンエステルまたはポリグリセリンエステルを0.5~2.5質量%、
(d)油剤を40~80質量%、
含有するクレンジング料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレンジング料に関する。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料や紫外線防止化粧料は、肌を美しく見せ、外界の刺激から肌を保護する効果を有し、現代社会の生活においては欠かせないものとなっている。しかし、これらの化粧料は油性成分や無機顔料を多量に含んでいるため、皮膚の毛穴を塞ぎ、新陳代謝を妨げ、また化粧料自体が徐々に酸化されるため、長時間の使用は肌トラブルの原因となる場合がある。このため、クレンジング料を用いてこれらの化粧料を除去する必要がある。
【0003】
化粧落とし用のクレンジング料として市販されているクレンジング料の剤型は様々であり、クリームタイプ、乳液タイプ、オイルタイプ、ジェルタイプなどがある。この中で、オイルタイプのクレンジング料は一般的に、クレンジングオイルと呼ばれており、肌上の化粧料や汚れを除去するクレンジング力が、クレンジング料の中で最も優れていることから、広く使用されている。
【0004】
しかし、クレンジングオイルは粘度が低く、手に取り顔に塗布するために手のひらを傾けた際に垂れ落ちが発生し、服を汚してしまう等の課題があった。そして、メイクアップ化粧料となじませる時のマッサージがしにくいという欠点があった。
【0005】
この課題を解決するため、特定のゲル化剤を用いて液状油を増粘させるクレンジング料が提案されている。特許文献1には垂れ落ちがなく、使用時の伸びが重くない固形状クレンジング基剤、特許文献2には垂れ落ちがなく、べたつき感のないオイルクレンジング組成物、特許文献3には垂れにくく、伸びが良く、洗い流しに優れる油性クレンジング化粧料が提案されている。
【0006】
しかし、クレンジング中の摩擦は肌トラブルの原因となるため、クレンジング料にはマッサージ性が求められるが、これらのマッサージ性は不十分であった。この点を改良したクレンジング料として、特許文献4にはたれ落ちせず、マッサージしやすく、洗い流した後のさっぱり感に優れるクレンジング料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-370930号公報
【特許文献2】特開2003-267835号公報
【特許文献3】特開2005-2047号公報
【特許文献4】特開2007-8882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ただし、すすぎ性と保湿性の両立は容易ではなかった。
【0009】
また、近年はクレンジングオイルの使用方法が多様化しており、ニキビの原因となる毛穴汚れや鼻の角栓の除去、ゴワつき・ザラつきを和らげることを目的としてオイルパックに用いられるケースも出てきている。オイルパックの手順は以下の通りである。まず、手にたっぷりオイルをとり、顔に塗り、そのまま5~10分置き、次に円を描くように肌をマッサージした後に洗い流す。そして、肌を温めることを目的として浴室内で行うことが推奨される場合があるが、入浴中は浴室内の湿度が高く、高温であるためにパック中に汗をかくことから、マッサージ性の維持が課題であった。そのため、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際もマッサージ性に優れるクレンジング料が求められていた。
【0010】
本発明の目的は、塗布する際の垂れ落ちがなく、塗り広げやすく、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性およびその後のすすぎ性が良好であり、優れた保湿性を有するクレンジング料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、後述の成分(a)~(d)を特定の割合で配合することで上記課題を解決することを見出して本発明を完成させた。
【0012】
(a)HLB値が7~13であって、炭素数10~18の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、および、HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のソルビタン脂肪酸モノエステル、から選ばれる成分を1~10質量%、
(b)HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを15~35質量%
(c)ベヘン酸およびエイコサン二酸からなる混合脂肪酸の、グリセリンエステルまたはポリグリセリンエステルを0.5~2.5質量%、
(d)油剤を40~80質量%、
含有するクレンジング料。
【発明の効果】
【0013】
本発明のクレンジング料は、塗布する際の垂れ落ちがなく、塗り広げやすく、浴室などの高温高湿の発生する場所でパックとして使用した際のマッサージ性およびその後のすすぎ性が良好であり、優れた保湿性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明のクレンジング料は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分を含有する。以下、各成分について説明する。
【0015】
〔(a)成分〕
本発明に用いられる(a)成分は、HLB値が7~13であって、炭素数10~18の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、および、HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のソルビタン脂肪酸モノエステル、から選ばれる成分である。なお、本明細書におけるHLB値は、小田法により算出した値である。
【0016】
HLB値が7.0~13.0である、炭素数10~18の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸モノエステルは、炭素数10~18の脂肪酸と、平均重合体2~6のポリグリセリンとのエステル化合物であることが好ましい。具体的には、カプリン酸ポリグリセリル-2(HLB=11.9)、ラウリン酸ポリグリセリル-2(HLB=10.6)、ステアリン酸ポリグリセリル-2(HLB=7.9)、オレイン酸ポリグリセリル-2(HLB=8.0)、ステアリン酸ポリグリセリル-4(HLB=10.3)、オレイン酸ポリグリセリル-4(HLB=10.4)、等が挙げられ、特にオレイン酸ポリグリセリル-2が好ましい。
【0017】
HLB値が7.0~13.0である、炭素数10~22の脂肪酸のソルビタン脂肪酸モノエステルとして具体的には、例えば、ラウリン酸ソルビタン(HLB=12.4)、パルミチン酸ソルビタン(HLB=10.1)、ステアリン酸ソルビタン(HLB=8.1)、オレイン酸ソルビタン(HLB=8.2)等が挙げられ、特にオレイン酸ソルビタンが好ましい。
【0018】
(a)成分は、1種類を単独で、または2種類以上を併せて用いることができ、ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸モノエステルを併用することが好ましい。
【0019】
本発明において、(a)成分の含有量は、組成物総量に対して、1~10質量%であり、2~8質量%が好ましく、4~6質量%がより好ましい。(a)成分の含有率が1質量%以上だと、塗布のしやすさ、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性、保湿性が高まる。10質量%以下だと、塗布のしやすさ、保湿性が高まる。
【0020】
〔(b)成分〕
本発明に用いられる(b)成分は、HLB値が7~13であって、炭素数10~22の脂肪酸のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルである。上記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとしては、例えば、POEモノイソステアリン酸グリセリル(8E.O.)(HLB=9.5)、POEモノイソステアリン酸グリセリル(10E.O.)(HLB=10.4)、POEモノイソステアリン酸グリセリル(15E.O.)(HLB=12.1)、POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル(=ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル)(HLB=10.7)、POEトリイソステアリン酸グリセリル(20E.O.)(=トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル)(HLB=7.9)、POEトリイソステアリン酸グリセリル(30E.O.)(=トリイソステアリン酸PEG-30グリセリル)(HLB=9.8)等が挙げられる。
【0021】
(b)成分は、1種類を単独で、または2種類以上を併せて用いることができ、POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル、POEトリイソステアリン酸グリセリル(20E.O.)を組み合わせて使用することが好ましい。
【0022】
本発明において、(b)成分の含有量は、組成物総量に対して、15~35質量%であり、20~32質量%が好ましく、さらに25~30質量%がより好ましい。(b)成分の含有率が15質量%以上だと、パックとして使用した際のすすぎ性が高まる。35質量%以下だと、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性、保湿性が高まる。
【0023】
〔(c)成分〕
本発明に用いられる(c)成分は、ベヘン酸およびエイコサン二酸からなる混合脂肪酸の、グリセリンエステルまたはポリグリセリンエステルである。これらの混合脂肪酸のエステル化合物は、化粧品原料として市販されている製品を使用することができる。具体的な製品としては、例えば、ベヘン酸およびエイコサン二酸とグリセリンとの混合エステル(グリセリン・ベヘン酸・エイコサン二酸縮合物)である、日清オイリオグループ株式会社製の「ノムコートHK-G」;ポリグリセリンが挙げられる。(c)成分におけるグリセリンの付加モル数は2~20が好ましく、特に5~15が好ましい。
【0024】
(c)成分は、1種類を単独で、または2種類以上を併せて用いることができる。
【0025】
本発明において、(c)成分の含有量は、組成物総量に対して、0.5~2.5質量%であり、1~2質量%が好ましく、1.2~1.7質量%がより好ましい。(c)成分の含有率が0.5質量%以上だと、塗布のしやすさ、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性が高まる。2.5質量%以下だと、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性、すすぎ性が高まる。
【0026】
〔(d)成分〕
本発明に用いられる(d)成分は、油剤であり、具体的には化粧品や医薬品などに通常用いられる25℃で液体状の油である。このような液体状の油としては、例えば、エステル油、油脂、炭化水素油、シリコーン油が挙げられる。
【0027】
エステル油は、酸とアルコールとの脱水縮合物であり、酸としては、例えば、脂肪酸、多塩基酸、ヒドロキシ酸等が挙げられ、アルコールとしては、例えば、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール等が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリン、乳酸セチル等が挙げられ、特にパルミチン酸エチルヘキシルが好ましい。
【0028】
油脂としては、通常、化粧品で用いられるものが挙げられ、例えば、動植物から採取された油を脱臭、脱色等の処理に付して精製されたものが挙げられる。具体的には、例えば、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油などが挙げられ、特にオリーブ油が好ましい。
【0029】
炭化水素油としては、通常、化粧品で用いられる炭素数12以上の炭化水素油が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン等が挙げられ、特に流動イソパラフィンが好ましい。
【0030】
シリコーン油は、直鎖シリコーン油と環状シリコーン油に大別される。直鎖シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられ、環状シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、特にデカメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。
【0031】
(d)成分は1種類を単独で、または2種類以上を併せて用いることができ、エステル油、油脂を組み合わせて使用することが好ましい。
【0032】
本発明において、(d)成分の含有量は、組成物総量に対して、40~80質量%であり、45~70質量%が好ましく、さらに50.0~60.0質量%がより好ましい。(d)成分の含有率が40質量%以上だと、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性、保湿性が高まる。80質量%以下だと、塗布のしやすさ、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性、すすぎ性が高まる。
【0033】
本発明のクレンジング料には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記の(a)成分~(d)成分以外の他の成分を含有させることができる。その他任意成分としては、例えば、多価アルコール、糖類、多糖類、アミノ酸、各種界面活性剤、有機塩、無機塩、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、殺菌剤、血流促進剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、色素、香料などを適宜配合することができる。
【実施例0034】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0035】
〔実施例1~12、比較例1~4〕
各成分を表1~3に示す質量部で配合し、70℃で均一に攪拌混合して常温まで放冷して調製された実施例1~12および比較例1~4のクレンジング料について下記評価方法により評価を行った。
【0036】
<評価方法>
(1)塗布のしやすさ
メイクアップ化粧料で化粧した20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、各クレンジング料5gを手に取り、顔に塗布する際の垂れ落ちのなさ、塗り広げやすさについて下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を塗布のしやすさに優れるクレンジング料と判定した。
2点:顔に塗布する際に垂れ落ちなく、塗り広げやすいと感じた場合。
1点:顔に塗布する際に垂れ落ちはややあるが塗り広げやすい、もしくは垂れ落ちはないがやや塗り広げにくいと感じた場合。
0点:顔に塗布する際に垂れ落ちがある、もしくは塗り広げにくいと感じた場合。
【0037】
<評点の合計による5段階評価>
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0038】
(2)浴室などの高温高湿の場所でパックした後のマッサージ性の評価
メイクアップ化粧料で化粧した20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、各クレンジング料5gを顔に塗布し、浴室などの高温高湿の場所で10分間パックした後にマッサージした時の感触について下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性に優れるクレンジング料と判定した。
2点:マッサージしやすいと感じた場合。
1点:ややマッサージしにくいと感じた場合。
0点:マッサージしにくいと感じた場合。
【0039】
<評点の合計による5段階評価>
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0040】
(3)パック、マッサージした後のすすぎ性
メイクアップ化粧料で化粧した20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、各クレンジング料5gを顔に塗布し、浴室などの高温高湿の場所で10分間パックし、マッサージした後の洗い流しやすさについて下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上をパック、マッサージした後のすすぎ性に優れるクレンジング料と判定した。
2点:容易にすすぐことが出来、すすぎやすいと感じた場合。
1点:ややすすぎにくいと感じた場合。
0点:すすぎにくいと感じた場合。
【0041】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0042】
(4)すすぎ後の保湿性
メイクアップ化粧料で化粧した20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、各クレンジング料5gを顔に塗布し、浴室などの高温高湿の場所で10分間パック、マッサージ、すすいだ後の保湿性について下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上をすすぎ後の保湿性に優れるクレンジング材料と判定した。
【0043】
2点:潤っていると感じた場合。
1点:やや潤いが足りないと感じた場合。
0点:潤いが足りないと感じた場合。
【0044】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表1、2に示されるように、実施例1~12の各クレンジング料は、塗布する際の垂れ落ちがなく、塗り広げやすく、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性およびその後のすすぎ性が良好であり、優れた保湿性を有するクレンジング料と評価された。
【0049】
特に、(a)成分としてオレイン酸ポリグリセリル-2、オレイン酸ソルビタンを併用し、計5.0質量%、(b)成分としてヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルを併用し、計27.0質量%、(c)成分として(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルを1.5質量%、(d)成分としてオリーブ果実油、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピルを併用し、計58.0質量%含有する実施例2のクレンジング料は、すべての評価項目において、非常に良好な評価が得られた。
【0050】
一方、表3に示されるように、比較例1~4のクレンジング料については、以下のとおり、すべての評価項目おいて十分な有効性の認められたものは見られなかった。
【0051】
例えば(a)成分を含有していない比較例1のクレンジング料は、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性が不十分であると評価された。(c)成分を含有していない比較例2のクレンジング料は、塗布のしやすさ、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性が不十分であると評価された。(b)成分の配合量が過剰である比較例3のクレンジング料は、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性、保湿性が不十分であると評価された。(b)成分の配合量が不十分である比較例4のクレンジング料は、すすぎ性が不十分であると評価された。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上、詳述したように、本発明により、塗布する際の垂れ落ちがなく、塗り広げやすく、浴室などの高温高湿の場所でパックとして使用した際のマッサージ性およびその後のすすぎ性が良好であり、優れた保湿性を有するクレンジング料を提供することができる。