(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110604
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】床見切材
(51)【国際特許分類】
E04F 19/02 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
E04F19/02 T
E04F19/02 S
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015280
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 寛典
(72)【発明者】
【氏名】岸田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】奥出 沙織
(57)【要約】
【課題】流用性の高い床見切材を提供する。
【解決手段】帯状に設けられた表面部1と、表面部1の下面の幅方向Xにおける中間部分から下方に突出するように帯状に設けられた脚部2aとを備えた床見切材10aであって、脚部2aの長さ方向Yに沿う一方の側面には、高さ方向Zの中間部分に溝条Cが長さ方向Yに沿って1つ又は複数設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に設けられた表面部と、
上記表面部の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように帯状に設けられた脚部とを備えた床見切材であって、
上記脚部の長さ方向に沿う一方の側面には、高さ方向の中間部分に溝条が長さ方向に沿って1つ又は複数設けられていることを特徴とする床見切材。
【請求項2】
請求項1に記載された床見切材において、
上記脚部の上記溝条が設けられた部分は、軟質樹脂により形成されていることを特徴とする床見切材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された床見切材において、
上記脚部は、使用する床材の厚さに応じて、上記溝条で折り曲げるように設けられていることを特徴とする床見切材。
【請求項4】
請求項3に記載された床見切材において、
上記脚部は、上記溝条で該溝条が外側を向くようにU字状に折り曲げた際に該脚部の先端が上記表面部の下面に接触可能に設けられていることを特徴とする床見切材。
【請求項5】
請求項1又は2に記載された床見切材において、
上記脚部は、使用する床材の厚さに応じて、上記溝条で切断されるように設けられていることを特徴とする床見切材。
【請求項6】
請求項1又は2に記載された床見切材において、
上記脚部の長さ方向に沿う他方の側面には、上記溝条に対応して、高さ方向の中間部分に他の溝条が長さ方向に沿って設けられていることを特徴とする床見切材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床見切材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
床見切材は、例えば、互いに異なる種類の隣り合う床材の突き合わせた部分に設置して、隣り合う床材のそれぞれの端部を見映えよく納めるように構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、1組の立上り片が突設された受け材と、1組の溝が設けられた見切材とからなる床見切が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示された床見切では、床見切を設置する床材の厚さが1つに決まってしまい、流用性に乏しいので、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流用性の高い床見切材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る床見切材は、帯状に設けられた表面部と、上記表面部の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように帯状に設けられた脚部とを備えた床見切材であって、上記脚部の長さ方向に沿う一方の側面には、高さ方向の中間部分に溝条が長さ方向に沿って1つ又は複数設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、帯状の表面部の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように脚部が帯状に設けられ、その脚部の長さ方向に沿う一方の側面における高さ方向の中間部分には、長さ方向に沿う溝条が1つ又は複数設けられているので、脚部を溝条で折り曲げない又は切断しない態様と、脚部を溝条で折り曲げる又は切断する態様との2種類の態様を取ることができる。さらに、溝条が複数設けられている場合には、脚部を溝条で折り曲げる又は切断する態様が溝条の個数に合わせて複数の種類になる。これにより、脚部の高さを床材の厚さに合わせて調整することができるので、流用性の高い床見切材を提供することができる。
【0009】
上記脚部の上記溝条が設けられた部分は、軟質樹脂により形成されていてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、脚部の溝条が設けられた部分が軟質樹脂により形成されているので、脚部を溝条で容易に折り曲げ又は切断することができる。
【0011】
上記脚部は、使用する床材の厚さに応じて、上記溝条で折り曲げるように設けられていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、脚部が使用する床材の厚さに応じて溝条で折り曲げるように設けられているので、脚部の高さを床材の厚さに合わせて調整することができると共に、脚部の高さを調整するために、脚部の先端部分が不要になっても、脚部を溝条で折り曲げるだけなので、脚部の先端部分がゴミとして排出されなくすることができる。
【0013】
上記脚部は、上記溝条で該溝条が外側を向くようにU字状に折り曲げた際に該脚部の先端が上記表面部の下面に接触可能に設けられていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、例えば、脚部において、溝条の中心(溝条の底)から先端までの長さを溝条の中心(溝条の底)から表面部の下面までの長さよりも若干長くすることにより、脚部を溝条でU字状に折り曲げた際に脚部の先端が表面部の下面に接触可能に設けられている。これにより、脚部を溝条でU字状に折り曲げた際に脚部の先端が表面部の下面に引っ掛かり、脚部の先端を容易に固定することができる。
【0015】
上記脚部は、使用する床材の厚さに応じて、上記溝条で切断されるように設けられていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、脚部が使用する床材の厚さに応じて溝条で切断されるように設けられているので、脚部の高さを床材の厚さに合わせて調整することができると共に、脚部の高さを調整するために、脚部の先端部分が不要になっても、その先端部分を切断して除去するので、脚部の幅方向の大きさを維持することができる。
【0017】
上記脚部の長さ方向に沿う他方の側面には、上記溝条に対応して、高さ方向の中間部分に他の溝条が長さ方向に沿って設けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、脚部の長さ方向に沿う一方の側面及び他方の側面における高さ方向の中間部分には、溝条及び他の溝条が長さ方向に沿ってそれぞれ設けられ、横断面形状が線対称になるので、成形時の反り等が抑制され、床見切材を押出成形により容易に製造することができる。また、脚部において、溝条及び他の溝条が背中合わせに配置するので、脚部を溝条でいっそう容易に切断することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、床見切材を構成する脚部の長さ方向に沿う一方の側面における高さ方向の中間部分に溝条が長さ方向に沿って1つ又は複数設けられているので、流用性の高い床見切材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る床見切材の斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る床見切材の変形例の正面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第1の変形例の断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第2の変形例の断面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第3の変形例の断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の断面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第1の変形例の断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第2の変形例の断面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第3の変形例の断面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の第4の変形例の断面図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態に係る床見切材の正面図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の断面図である。
【
図14】本発明の第3の実施形態に係る床見切材を備えた床構造の変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0022】
《第1の実施形態》
図1~
図6は、本発明に係る床見切材及びそれを備えた床構造の第1の実施形態を示している。ここで、
図1は、本実施形態の床見切材10aの斜視図である。また、
図2は、床見切材10aの変形例としての床見切材10bの正面図である。また、
図3は、床見切材10aを備えた床構造50aの断面図である。また、
図4、
図5及び
図6は、床構造50aの第1、第2及び第3の変形例としての床構造50b、50c及び50dの断面図である。
【0023】
床見切材10aは、
図1に示すように、長さ方向Yに延びるように帯状に設けられた表面部1と、表面部1の下面の幅方向Xにおける中間部分から下方に突出するように帯状に設けられた脚部2aとを備え、略T字状の横断面を有している。
【0024】
表面部1は、
図1に示すように、下底が上底よりも長い略等脚台形の横断面を有している。ここで、表面部1の下面には、剥離紙が表面に剥離可能に設けられた両面接着テープが貼り付けられていてもよい。また、表面部1は、例えば、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂等の硬質樹脂により形成されている。
【0025】
脚部2aの長さ方向Yに沿う一方の側面(図中の左側面)には、
図1に示すように、高さ方向Zの中間部分に横断面視でV字状の溝条Cが長さ方向Yに沿って複数(例えば、2つ)設けられている。ここで、脚部2aにおいて、表面部1側(
図1中の上側)の溝条Cは、脚部2aの高さ方向Zの下から3/4の位置に設けられ、先端側(
図1中の下側)の溝条Cは、脚部2aの高さ方向Zの1/2の位置に設けられている。これにより、例えば、厚さ12mmの床材向けの床見切材10aの脚部2aでは、
図1中の上側の溝条Cで脚部2aを切断する又は折り曲げることにより、厚さ3mmの床材に対応し、
図1中の下側の溝条Cで脚部2aを切断する又は折り曲げることにより、厚さ6mmの床材に対応することができる。また、脚部2aは、
図1に示すように、溝条Cが設けられた軟質樹脂により形成された軟質部分Sと、軟質部分S以外の上記硬質樹脂により形成された硬質部分とを備えている。なお、上記軟質材料としては、塩化ビニル、スチレンエラストマー等が好適に用いられるが、弾性変形が可能な軟質樹脂であればこれに限られず、種々の樹脂を用いることができる。また、上記軟質材料としては、例えばブチルゴム、シリコーンゴム及びクロロプレンゴム等を用いることもできるが、長期の使用を想定した場合はエラストマー系の樹脂又は塩化ビニル系が最も好適に用いられる。また、軟質部分Sは、後述する床見切材10bのように、溝条Cの底部を中心に底部毎に設けられていてもよい。
【0026】
また、床見切材10aの変形例としての床見切材10bは、
図2に示すように、帯状に設けられた表面部1と、表面部1の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように帯状に設けられた脚部2bとを備え、略T字状の横断面を有している。なお、床見切材10bは、上述した床見切材10aの脚部2aの高さを低くして、溝条Cの個数を変更しただけの構成になっている。
【0027】
脚部2bの長さ方向に沿う一方の側面(図中の左側面)には、
図2に示すように、高さ方向の中間部分に横断面視でV字状の溝条Cが長さ方向に沿って1つ設けられている。ここで、脚部2bにおいて、溝条Cの底からその先端までの長さを溝条Cの底から表面部1の下面までの長さよりも若干長く設計して、脚部2bを溝条Cで溝条Cが外側を向くようにU字状に折り曲げた際に脚部2bの先端が表面部1の下面に接触可能に設けられている。これにより、脚部2bを溝条CでU字状に折り曲げた際には、脚部2bの先端が表面部1の下面に引っ掛かるので、脚部2bの先端を容易に固定することができる。具体的に、例えば、厚さ6mmの床材向けの床見切材10bの脚部2bでは、溝条Cの底からその先端までの長さが2.75mmであり、溝条Cの底から表面部1の下面までの長さが2.7mmである。そして、脚部2bでは、溝条Cで脚部2bを切断する又は折り曲げることにより、厚さ3mmの床材に対応することができる。また、脚部2bは、
図2に示すように、溝条Cの底部が設けられた軟質樹脂により形成された軟質部分Sと、軟質部分S以外の硬質樹脂により形成された硬質部分とを備えている。
【0028】
上述した床見切材10a(10b)は、例えば、硬質樹脂及び軟質樹脂を個別のダイスから同時に押し出して成形する押出成形により製造することができる。
【0029】
また、上述した床見切材10a(10b)は、後述するように、互いに隣り合う第1床材と第2床材との間に設けられ、床構造50a、50b、50c及び50dを構成している。
【0030】
具体的に、床構造50aは、
図3に示すように、互いに隣り合うように設けられた第1床材20a及び第2床材30aと、第1床材20a及び第2床材30aの間に設けられた床見切材10aaとを備え、床見切材10aaの表面部1(
図1参照)が第1床材20a及び第2床材30aの各上面に当接するように設けられ、床見切材10aaの脚部2a(
図1参照)が第1床材20a及び第2床材30aの間に配置するように設けられている。
【0031】
第1床材20a及び第2床材30aは、例えば、中密度繊維板(medium density fiberboard、以下、「MDF」とも称する)等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ12mm程度に形成されている。
【0032】
床見切材10aaは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造50aにおいて、
図3に示すように、脚部2a(
図1参照)が溝条Cで折れ曲がらないように設けられている。ここで、床見切材10aaの脚部2a(
図1参照)は、
図3に示すように、各溝条Cの内部に設けられた接着剤5(例えば、酢酸ビニル系等)により、第1床材20aの側面に固定されている。なお、床見切材10aaの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、第1床材20a及び第2床材30aの各上面端部に固定されている。
【0033】
また、床構造50bは、
図4に示すように、互いに隣り合うように設けられた第1床材20b及び第2床材30bと、第1床材20b及び第2床材30bの間に設けられた床見切材10abとを備え、床見切材10abの表面部1(
図1参照)が第1床材20b及び第2床材30bの各上面に当接するように設けられ、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)が第1床材20b及び第2床材30bの間に配置するように設けられている。
【0034】
第1床材20b及び第2床材30bは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ6mm程度に形成されている。
【0035】
床見切材10abは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造50bにおいて、
図4に示すように、脚部2a(
図1参照)が先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられている。ここで、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)は、
図4に示すように、表面部1側の溝条Cの内部に設けられた接着剤5により、第1床材20bの側面に固定されている。なお、床見切材10abの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、第1床材20b及び第2床材30bの各上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2aを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、例えば、カッターナイフ等を用いたり、手で引きちぎったりして、脚部2aを先端側の溝条Cで切断して、脚部2aの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0036】
また、床構造50cは、
図5に示すように、互いに隣り合うように設けられた第1床材20c及び第2床材30cと、第1床材20c及び第2床材30cの間に設けられた床見切材10abとを備え、床見切材10abの表面部1(
図1参照)が第1床材20c及び第2床材30cの各上面に当接するように設けられ、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)が第1床材20c及び第2床材30cの間に配置するように設けられている。
【0037】
第1床材20c及び第2床材30cは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ12mm程度に形成されている。ここで、第1床材20cの第2床材30c側の側面には、
図5に示すように、雄実Jaが設けられている。また、第2床材30cの第1床材20c側の側面には、
図5に示すように、雌実Jbが第1床材20cの雄実Jaと嵌合するように設けられている。
【0038】
床見切材10abは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造50cにおいて、
図5に示すように、雄実Jaの上側において、脚部2a(
図1参照)が先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられている。なお、床見切材10abの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、第1床材20c及び第2床材30cの各上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2aを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、脚部2aを先端側の溝条Cで切断して、脚部2aの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0039】
また、床構造50dは、
図6に示すように、互いに隣り合うように設けられた第1床材20d及び第2床材30dと、第1床材20d及び第2床材30dの間に設けられた床見切材10abとを備え、床見切材10abの表面部1(
図1参照)が第1床材20d及び第2床材30dの各上面に当接するように設けられ、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)が第1床材20d及び第2床材30dの間に配置するように設けられている。
【0040】
第1床材20d及び第2床材30dは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ6mm程度に形成されている。ここで、第1床材20dの第2床材30d側の側面、及び第2床材30dの第1床材20d側の側面には、
図6に示すように、雌実Jbが設けられている。
【0041】
床見切材10abは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造50dにおいて、
図6に示すように、脚部2a(
図1参照)が先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられている。なお、床見切材10abの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、第1床材20d及び第2床材30dの各上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2aを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、脚部2aを先端側の溝条Cで切断して、脚部2aの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の床見切材10aによれば、帯状の表面部1の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように脚部2aが帯状に設けられ、脚部2aの長さ方向に沿う一方の側面における高さ方向の中間部分には、長さ方向に沿う溝条Cが2つ設けられているので、脚部2aを折り曲げない又は切断しない(例えば、厚さ12mm程度の床材に対応する)態様と脚部2aを2つの溝条Cの何れか1つで折り曲げる又は切断する(例えば、厚さ3mm程度又は厚さ6mm程度の床材に対応する)2つの態様との3種類の態様を取ることができる。これにより、脚部2aの高さを床材の厚さに合わせて調整することができるので、流用性の高い床見切材10aを提供することができる。
【0043】
また、本実施形態の床見切材10bによれば、帯状の表面部1の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように脚部2bが帯状に設けられ、脚部2bの長さ方向に沿う一方の側面における高さ方向の中間部分には、長さ方向に沿う溝条Cが1つ設けられているので、脚部2bを折り曲げない又は切断しない(例えば、厚さ6mm程度の床材に対応する)態様と脚部2bを溝条Cで折り曲げる又は切断する(例えば、厚さ3mm~5mm程度の床材に対応する)態様との2種類の態様を取ることができる。これにより、脚部2bの高さを床材の厚さに合わせて調整することができるので、流用性の高い床見切材10bを提供することができる。
【0044】
また、本実施形態の床見切材10a及び10bによれば、脚部2a及び2bの少なくとも溝条Cが設けられた部分が軟質樹脂により形成されているので、脚部2a及び2bを溝条Cで容易に折り曲げ又は切断することができる。
【0045】
また、本実施形態の床見切材10bによれば、脚部2bにおいて、溝条Cの中心(溝条の底)から先端までの長さを溝条の中心(溝条の底)から表面部1の下面までの長さよりも若干長くすることにより、脚部2bを溝条CでU字状に折り曲げた際に脚部2bの先端が表面部1の下面に接触可能に設けられている。これにより、脚部2bを溝条CでU字状に折り曲げた際に脚部2bの先端が表面部1の下面に引っ掛かり、脚部2bの先端を容易に固定することができる。
【0046】
また、本実施形態の床構造50a(50b、50c、50d)によれば、床見切材10aの脚部2aが互いに隣り合う第1床材20a(20b、20c、20d)及び第2床材30a(30b、30c、30d)の間に配置された状態で床見切材10aの表面部1が第1床材20a(20b、20c、20d)及び第2床材30a(30b、30c、30d)の各上面に当接するので、第1床材20a(20b、20c、20d)の上面の第2床材30a(30b、30c、30d)側の端部、及び第2床材30a(30b、30c、30d)の上面の第1床材20a(20b、20c、20d)側の端部に床見切材10aの表面部1の下面を貼り付けることにより、互いに隣り合う第1床材20a(20b、20c、20d)及び第2床材30a(30b、30c、30d)の間に床見切材10aが固定設置された床構造50a(50b、50c、50d)を構成することができる。
【0047】
また、本実施形態の床構造50aによれば、床見切材10aの脚部2aが各溝条Cで折れ曲がらないように設けられ、各溝条Cの内部に接着剤5が設けられているので、各溝条Cで折れ曲がらない状態での脚部2aの高さと同程度以上の厚さの第1床材20a及び第2床材30aの間に床見切材10aを設置することができると共に、第1床材20a及び第2床材30aの間から床見切材10aの脚部2aを抜け難くすることができる。
【0048】
また、本実施形態の床構造50bによれば、床見切材10aの脚部2aが先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられているので、その溝条Cで折れ曲がられた状態での脚部2aの高さと同程度以上の厚さの第1床材20b及び第2床材30bの間に床見切材10aを設置することができる。
【0049】
また、本実施形態の床構造50cによれば、第1床材20cの第2床材30c側の側面に雄実Jaが設けられ、第2床材30cの第1床材20c側の側面に雌実Jbが設けられているので、互いに隣り合う第1床材20c及び第2床材30cが雄実Ja及び雌実Jbを介して連結されている。そして、第1床材20c及び第2床材30cの間に設置される床見切材10aは、その脚部2aが雄実Jaの上側において先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられているので、雄実Ja及び雌実Jbを介して連結された第1床材20c及び第2床材20cの間においても、床見切材10aを設置することができる。
【0050】
また、本実施形態の床構造50dによれば、床見切材10aの脚部2aが先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられているので、その溝条Cで折れ曲がられた状態での脚部2aの高さと同程度以上の厚さの第1床材20d及び第2床材30dの間に床見切材10aを設置することができる。
【0051】
《第2の実施形態》
図7~
図11は、本発明に係る床見切材及びそれを備えた床構造の第2の実施形態を示している。ここで、
図7は、本実施形態の床見切材10aを備えた床構造60aの断面図である。また、
図8、
図9、
図10及び
図11は、床構造60aの第1、第2、第3及び第4の変形例としての床構造60b、60c、60d及び60eの断面図である。なお、以下の各実施形態において、
図1~
図6と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0052】
上記第1の実施形態では、互いに隣り合う第1床材と第2床材との間に床見切材が設けられた床構造50a、50b、50c及び50dを例示したが、本実施形態では、互いに隣り合う床材と壁材との間に床見切材が設けられた床構造60a、60b、60c、60d及び60eを例示する。
【0053】
具体的に、床構造60aは、
図7に示すように、互いに隣り合うように設けられた床材20e及び壁材Wと、床材20e及び壁材Wの間に設けられた床見切材10aaとを備え、床見切材10aaの表面部1(
図1参照)が床材20eの上面及び壁材Wの表面に当接するように設けられ、床見切材10aaの脚部2a(
図1参照)が床材20e及び壁材Wの間に配置するように設けられている。
【0054】
床材20eは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ12mm程度に形成されている。また、床材20eは、
図7に示すように、床見切材10aaの脚部2a(
図1参照)の各溝条Cが設けられた一方の側面側に配置されている。ここで、床材20eの壁材Wと反対側の側面には、
図7に示すように、雌実Jbが設けられている。なお、床材20eの壁材Wと反対側には、
図7に示すように、雌実Jbと嵌合する雄実Jaを側面に有する他の床材20mが設けられている。
【0055】
壁材Wは、例えば、石膏ボード等からなる無機質基材と、その無機質基材上に設けられた壁紙等からなる表面化粧層とを備えている。
【0056】
床見切材10aaは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造60aにおいて、
図7に示すように、脚部2a(
図1参照)が各溝条Cで折れ曲がらないように設けられている。ここで、床見切材10aaの脚部2a(
図1参照)は、
図7に示すように、各溝条Cの内部に設けられた接着剤5により、床材20eの側面に固定されている。なお、床見切材10aaの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、床材20eの上面端部に固定されている。
【0057】
また、床構造60bは、
図8に示すように、互いに隣り合うように設けられた床材20f及び壁材Wと、床材20f及び壁材Wの間に設けられた床見切材10abとを備え、床見切材10abの表面部1(
図1参照)が床材20fの上面及び壁材Wの表面に当接するように設けられ、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)が床材20f及び壁材Wの間に配置するように設けられている。
【0058】
床材20fは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ6mm程度に形成されている。また、床材20fは、
図8に示すように、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)の各溝条Cが設けられた一方の側面側に配置されている。ここで、床材20fの壁材Wと反対側の側面には、
図8に示すように、雌実Jbが設けられている。なお、床材20fの壁材Wと反対側には、
図8に示すように、雌実Jbと嵌合する雄実Jaを側面に有する他の床材20nが設けられている。
【0059】
床見切材10abは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造60bにおいて、
図8に示すように、脚部2a(
図1参照)が先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられている。ここで、床見切材10abの脚部2aは、
図8に示すように、表面部1側の溝条Cの内部に設けられた接着剤5により、床材20fの側面に固定されている。なお、床見切材10abの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、床材20fの上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2aを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、脚部2aを先端側の溝条Cで切断して、脚部2aの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0060】
また、床構造60cは、
図9に示すように、互いに隣り合うように設けられた床材20g及び壁材Wと、床材20g及び壁材Wの間に設けられた床見切材10abとを備え、床見切材10abの表面部1(
図1参照)が床材20fの上面及び壁材Wの表面に当接するように設けられ、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)が床材20g及び壁材Wの間に配置するように設けられている。
【0061】
床材20gは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ12mm程度に形成されている。また、床材20gは、
図8に示すように、床見切材10abの脚部2a(
図1参照)の各溝条Cが設けられた一方の側面側に配置されている。ここで、床材20gの壁材W側の側面には、
図9に示すように、雄実Jaが設けられている。
【0062】
床見切材10abは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造60cにおいて、
図9に示すように、雄実Jaの上側において、脚部2a(
図1参照)が先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられている。なお、床見切材10abの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、床材20gの上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2aを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、脚部2aを先端側の溝条Cで切断して、脚部2aの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0063】
また、床構造60dは、
図10に示すように、互いに隣り合うように設けられた床材20h及び壁材Wと、床材20h及び壁材Wの間に設けられた床見切材10bcとを備え、床見切材10bcの表面部1(
図2参照)が床材20hの上面及び壁材Wの表面に当接するように設けられ、床見切材10bcの脚部2b(
図2参照)が床材20h及び壁材Wの間に配置するように設けられている。
【0064】
床材20hは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ12mm程度に形成されている。また、床材20hは、
図10に示すように、床見切材10bcの脚部2b(
図2参照)の溝条Cが設けられた一方の側面側に配置されている。ここで、床材20hの壁材W側の側面には、
図10に示すように、雄実Jaが設けられている。
【0065】
床見切材10bcは、上述した床見切材10bにより構成され、床構造60dにおいて、
図10に示すように、雄実Jaの上側において、脚部2b(
図2参照)が雄実Jaに沿って溝条Cで折れ曲がるように設けられている。なお、床見切材10bcの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、床材20hの上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2bを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、脚部2bを先端側の溝条Cで切断して、脚部2bの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0066】
また、床構造60eは、
図11に示すように、互いに隣り合うように設けられた床材20i及び壁材Wと、床材20i及び壁材Wの間に設けられた床見切材10acとを備え、床見切材10acの表面部1(
図1参照)が床材20iの上面及び壁材Wの表面に当接するように設けられ、床見切材10acの脚部2a(
図1参照)が床材20i及び壁材Wの間に配置するように設けられている。
【0067】
床材20iは、例えば、MDF等からなる木質基材と、その木質基材上に設けられた樹脂フィルム等からなる表面化粧層とを備え、厚さ12mm程度に形成されている。また、床材20iは、
図10に示すように、床見切材10acの脚部2a(
図1参照)の各溝条Cが設けられていない他方の側面側に配置されている。ここで、床材20iの壁材W側の側面には、
図11に示すように、雌実Jbが設けられている。
【0068】
床見切材10acは、上述した床見切材10aにより構成され、床構造60eにおいて、
図11に示すように、脚部2a(
図1参照)の先端側が雌実Jb内に入り込んだ状態に先端側の溝条Cで折れ曲がるように設けられている。なお、床見切材10acの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、床材20iの上面端部に固定されている。また、本実施形態では、脚部2aを先端側の溝条Cで折り曲げた構成を例示したが、脚部2aを先端側の溝条Cで切断して、脚部2aの先端側を破断部Bとしてもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施形態の床構造60aによれば、床見切材10aaの脚部2aが互いに隣り合う床材20e及び壁材Wの間に配置された状態で床見切材10aaの表面部1が床材20eの上面、及び壁材Wの表面に当接するので、床材20eの上面の壁材W側の端部に床見切材10aaの表面部1の下面を貼り付けることにより、互いに隣り合う床材20e及び壁材Wの間に床見切材10aaが固定された床構造60aを構成することができる。
【0070】
また、本実施形態の床構造60aによれば、床見切材10aaの脚部2aの各溝条Cが設けられた一方の側面側に床材20eが配置され、その脚部2aが各溝条Cで折れ曲がらないように設けられ、各溝条Cの内部に接着剤5が設けられているので、各溝条Cで折れ曲がらない状態での脚部2aの高さと同程度以上の厚さの床材20e及び壁材Wの間に床見切材10aa(10a)を設置することができると共に、床材20e及び壁材Wの間から床見切材10aaの脚部2aを抜け難くすることができる。
【0071】
また、本実施形態の床構造60bによれば、床見切材10abの脚部2aの各溝条Cが設けられた一方の側面側に床材20fが配置され、その床見切材10abの脚部2aがその先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられているので、その溝条Cで折れ曲がられた状態での脚部2aの高さと同程度以上の厚さの床材20f及び壁材Wの間に床見切材10ab(10a)を設置することができる。
【0072】
また、本実施形態の床構造60cによれば、床材20gの壁材W側の側面に雄実Jaが設けられ、床材20g及び壁材Wの間に設置される床見切材10abは、その脚部2aが雄実Jaの上側においてその先端側の溝条CでU字状に折れ曲がるように設けられているので、壁材W側の側面に雄実Jaが設けられた床材20g及び壁材Wの間においても、床見切材10ab(10a)を設置することができる。
【0073】
また、本実施形態の床構造60dによれば、床材20hの壁材W側の側面に雄実Jaが設けられ、床材20h及び壁材Wの間に設置される床見切材10bcは、その脚部2aが雄実Jaの上側において雄実Jaに沿って溝条Cで折れ曲がるように設けられているので、壁材W側の側面に雄実Jaが設けられた床材20h及び壁材Wの間においても、床見切材10bc(10b)を設置することができる。
【0074】
また、本実施形態の床構造60eによれば、床見切材10acの脚部2aの各溝条Cが設けられていない他方の側面側に床材20iが配置され、床材20iの壁材W側の側面に雌実Jbが設けられ、床見切材10acの脚部2aは、その脚部2aの先端側がその雌実Jb内に入り込んだ状態で折れ曲がるように設けられているので、先端側の溝条Cで折れ曲がった脚部2aの先端側を床材20iの雌実Jb内に収容した状態で床材20i及び壁材Wの間に床見切材10ac(10a)を設置することができる。
【0075】
《第3の実施形態》
図12~
図14は、本発明に係る床見切材及びそれを備えた床構造の第3の実施形態を示している。ここで、
図12は、本実施形態の床見切材10cの正面図である。また、
図13は、床見切材10cを備えた床構造50eの断面図である。また、
図14は、床構造50eの変形例の床構造50fの断面図である。
【0076】
上記各実施形態では、脚部2a(2b)の長さ方向に沿う一方の側面に溝条Cが設けられた床見切材10a(10b)及びそれを備えた床構造を例示したが、本実施形態では、脚部2cの長さ方向に沿う一方の側面及び他方の側面に溝条Cがそれぞれ設けられた床見切材10c及びそれを備えた床構造50e(50f)を例示する。
【0077】
床見切材10cは、
図12に示すように、帯状に設けられた表面部1と、表面部1の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように帯状に設けられた脚部2cとを備え、略T字状の横断面を有している。なお、表面部1の表面には、樹脂製の化粧シートが貼り付けられていてもよい。
【0078】
脚部2cの長さ方向に沿う一方の側面及び他方の側面には、
図12に示すように、高さ方向Zの中間部分に横断面視でU字状の溝条C及び他の溝条Cが長さ方向に沿って1つずつ設けられている。ここで、脚部2cにおいて、各溝条Cは、
図12に示すように、脚部2cの高さ方向の1/2の位置に設けられている。これにより、後述するように、厚さ12mmの床材向けの床見切材10cの脚部2cでは、溝条Cで脚部2cを切断することにより、厚さ6mmの床材に対応することができる。また、脚部2cは、
図12に示すように、溝条Cが設けられた軟質樹脂により形成された軟質部分Sと、軟質部分S以外の硬質樹脂により形成された硬質部分とを備えている。ここで、軟質部分Sには、
図12に示すように、各溝条Cの表面部1側に、側方に突出する突出部Pが長さ方向に沿って設けられている。なお、
図12では、軟質部分Sと硬質部分との境界が破線で示されている。
【0079】
上述した床見切材10cは、例えば、硬質樹脂及び軟質樹脂を個別のダイスから同時に押し出して成形する押出成形により製造することができる。
【0080】
また、上述した床見切材10cは、後述するように、互いに隣り合う第1床材と第2床材との間に設けられ、床構造50e及び50fを構成している。
【0081】
具体的に、床構造50eは、
図13に示すように、互いに隣り合うように厚さ12mm程度に設けられた第1床材20a及び第2床材30aと、第1床材20a及び第2床材30aの間に設けられた床見切材10caとを備え、床見切材10caの表面部1(
図12参照)が第1床材20a及び第2床材30aの各上面に当接するように設けられ、床見切材10caの脚部2c(
図12参照)が第1床材20a及び第2床材30aの間に配置するように設けられている。
【0082】
床見切材10caは、上述した床見切材10cにより構成され、床構造50eにおいて、
図13に示すように、脚部2c(
図12参照)が溝条Cで折れ曲がらないように設けられている。ここで、脚部2cの各突出部P(
図12参照)は、
図13に示すように、その根元で折れ曲がるように変形している。なお、床見切材10caの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、第1床材20a及び第2床材30aの各上面端部に固定されている。また、床見切材10caの脚部2cは、例えば、その表面に接着剤を塗布して、第1床材20a及び第2床材30aの各側面に固定されていてもよい。
【0083】
また、床構造50fは、
図14に示すように、互いに隣り合うように厚さ6mm程度に設けられた第1床材20b及び第2床材30bと、第1床材20b及び第2床材30bの間に設けられた床見切材10cbとを備え、床見切材10cbの表面部1(
図12参照)が第1床材20b及び第2床材30bの各上面に当接するように設けられ、床見切材10cbの脚部2c(
図12参照)が第1床材20b及び第2床材30bの間に配置するように設けられている。
【0084】
床見切材10cbは、上述した床見切材10cにより構成され、床構造50fにおいて、
図14に示すように、脚部2c(
図12参照)が、例えば、カッターナイフ等を用いたり、手で引きちぎったりして、溝条Cで切断され、破断部Bを有している。ここで、脚部2cの各突出部P(
図12参照)は、
図14に示すように、その根元で折れ曲がるように変形している。なお、床見切材10cbの表面部1は、例えば、その下面に貼り付けされた両面接着テープにより、第1床材20b及び第2床材30bの各上面端部に固定されている。また、床見切材10cbの脚部2cは、例えば、その表面に接着剤を塗布して、第1床材20b及び第2床材30bの各側面に固定されていてもよい。
【0085】
なお、本実施形態では、互いに隣り合う第1床材及び第2床材の間に床見切材10cを配置する床構造50e(50f)を例示したが、上記第2の実施形態のように、床見切材10cを互いに隣り合う床材及び壁材の間に配置してもよい。
【0086】
以上説明したように、本実施形態の床見切材10cによれば、帯状の表面部1の下面の幅方向における中間部分から下方に突出するように脚部2cが帯状に設けられ、脚部2cの長さ方向に沿う一方の側面及び他方の側面における高さ方向の中間部分には、長さ方向に沿う溝条Cが1つずつ設けられているので、脚部2cを切断しない(例えば、厚さ12mm程度の床材に対応する)態様と脚部2cを溝条Cで切断する(例えば、厚さ6mm程度の床材に対応する)態様との2種類の態様を取ることができる。これにより、脚部2cの高さを床材の厚さに合わせて調整することができるので、流用性の高い床見切材10cを提供することができる。
【0087】
また、本実施形態の床見切材10cによれば、脚部2cの少なくとも溝条Cが設けられた部分が軟質樹脂により形成されているので、脚部2cを溝条Cで容易に切断することができる。
【0088】
また、本実施形態の床見切材10cによれば、脚部2cの長さ方向に沿う一方の側面及び他方の側面における高さ方向の中間部分には、溝条C及び他の溝条Cが長さ方向に沿ってそれぞれ設けられ、横断面形状が線対称になるので、成形時の反り等が抑制され、床見切材10cを押出成形により容易に製造することができる。また、脚部2cにおいて、溝条C及び他の溝条Cが背中合わせに配置するので、脚部2cを溝条Cでいっそう容易に切断することができる。
【0089】
また、本実施形態の床見切材10cを備えた床構造50e(50f)によれば、床見切材10cの脚部2cが互いに隣り合う第1床材20a(20b)及び第2床材30a(30b)の間に配置された状態で床見切材10cの表面部1が第1床材20a(20b)及び第2床材30a(30b)の各上面に当接するので、第1床材20a(20b)の上面の第2床材30a(30b)側の端部、及び第2床材30a(30b)の上面の第1床材20a(20b)側の端部に床見切材10cの表面部1の下面を貼り付けることにより、互いに隣り合う第1床材20a(20b)及び第2床材30a(30b)の間に床見切材10cが固定設置された床構造50e(50f)を構成することができる。
【0090】
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、表面部及び脚部を備えて略T字状の横断面を有する床見切材を例示したが、例えば、床材及び壁材の間に設置する床見切材の場合には、表面部の幅方向の一方側を切断して略L字状の横断面を有する床見切材等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上説明したように、本発明は、流用性の高い床見切材を提供することができるので、極めて有用である。
【符号の説明】
【0092】
C 溝条(他の溝条)
Ja 雄実
Jb 雌実
W 壁材
1 表面部
2a,2b,2c 脚部
5 接着剤
10a,10aa,10ab,10ac,10b,10bc,10c,10ca,10cb 床見切材
20a,20b,20c,20d 第1床材
20e,20f,20g,20h,20i 床材
30a,30b,30c,30d 第2床材
50a,50b,50c,50d,50e,50f 床構造
60a,60b,60c,60d,60e 床構造