(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110626
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】プロテクタ
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20240808BHJP
H01R 13/56 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H02G3/04 062
H01R13/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015319
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】月森 直人
【テーマコード(参考)】
5E021
5G357
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC02
5E021GB01
5G357DA06
5G357DB03
5G357DD02
5G357DD10
5G357DD11
5G357DE08
5G357DG05
(57)【要約】
【課題】簡単な構成でコネクタ付きワイヤハーネスの電線を保護可能としたプロテクタを提供すること。
【解決手段】プロテクタ21は、電線12とコネクタ13とを有するコネクタ付きワイヤハーネス11に取り付け可能である。プロテクタ21は、第1コネクタ対応部22aと、第1電線対応部22bとを有する第1分割部材22と、第1コネクタ対応部22aとでコネクタ13を挟むように配置される第2コネクタ対応部23aと、第1電線対応部22bとでコネクタ13から外部に突出している部位の電線12を挟むように配置される第2電線対応部23bとを有し、第1分割部材22に組み付け可能な第2分割部材23と、第1コネクタ対応部22aに固定された第1弾性部材24と、第2コネクタ対応部23aに固定され、第2分割部材23が第1分割部材22に組み付けられた状態で第1弾性部材24とでコネクタ13を挟持可能な第2弾性部材25とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と前記電線に接続されたコネクタとを有するコネクタ付きワイヤハーネスに取り付け可能なプロテクタであって、
第1コネクタ対応部と、第1電線対応部とを有する第1分割部と、
前記第1コネクタ対応部とで前記コネクタを挟むように配置される第2コネクタ対応部と、前記第1電線対応部とで前記コネクタから外部に突出している部位の前記電線を挟むように配置される第2電線対応部とを有し、前記第1分割部に組み付け可能な第2分割部と、
前記第1コネクタ対応部に固定された第1弾性部材と、
前記第2コネクタ対応部に固定され、前記第2分割部が前記第1分割部に組み付けられた状態で前記第1弾性部材とで前記コネクタを挟持可能な第2弾性部材と、を備える、
プロテクタ。
【請求項2】
前記コネクタ付きワイヤハーネスは、前記電線を覆う外装部材を有するものであり、
前記第1電線対応部の一部と前記第2電線対応部の一部とは、前記外装部材に連結される連結部を構成する、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項3】
前記外装部材は、大径部と前記大径部よりも径の小さい小径部とが交互に連なって設けられた蛇腹構造を有するコルゲートチューブであり、
前記連結部は、前記大径部同士の間に入り込んで前記コルゲートチューブの長さ方向の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止突起を有する、
請求項2に記載のプロテクタ。
【請求項4】
前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記コネクタを挟持する方向と直交する方向で前記コネクタと接触可能な接触側部を有する、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項5】
前記第1分割部は、前記第2分割部とは別体の第1分割部材であり、
前記第2分割部は、前記第1分割部とは別体の第2分割部材である、
請求項1に記載のプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロテクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プロテクタとしては、例えば、電線と電線に接続されたコネクタとを有するコネクタ付きワイヤハーネスに取り付け可能なものがある(例えば、特許文献1参照)。このプロテクタは、ヒンジ部を介して連結された一対の半円筒状体を有し、コネクタとコネクタから外部に突出している部位の電線を覆うように形成されている。これにより、コネクタから外部に突出している部位の電線が急激に折り曲げられるといったことが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなプロテクタでは、コネクタを覆う部位の形状をコネクタの形状に精度良く合わせて製造する必要があった。例えば、コネクタがプロテクタに対応した専用のコネクタでは無く、汎用のコネクタであったり、コネクタに僅かな仕様変更があったりすると、そのコネクタの形状に応じて、プロテクタを精度良く製造する必要があった。
【0005】
本開示の目的は、簡単な構成でコネクタ付きワイヤハーネスの電線を保護可能としたプロテクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のプロテクタは、電線と前記電線に接続されたコネクタとを有するコネクタ付きワイヤハーネスに取り付け可能なプロテクタであって、第1コネクタ対応部と、第1電線対応部とを有する第1分割部と、前記第1コネクタ対応部とで前記コネクタを挟むように配置される第2コネクタ対応部と、前記第1電線対応部とで前記コネクタから外部に突出している部位の前記電線を挟むように配置される第2電線対応部とを有し、前記第1分割部に組み付け可能な第2分割部と、前記第1コネクタ対応部に固定された第1弾性部材と、前記第2コネクタ対応部に固定され、前記第2分割部が前記第1分割部に組み付けられた状態で前記第1弾性部材とで前記コネクタを挟持可能な第2弾性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示のプロテクタによれば、簡単な構成でコネクタ付きワイヤハーネスの電線を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態におけるコネクタ付きワイヤハーネスとプロテクタの斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態におけるコネクタ付きワイヤハーネスとプロテクタの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態におけるコネクタ付きワイヤハーネスとプロテクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のプロテクタは、
[1]電線と前記電線に接続されたコネクタとを有するコネクタ付きワイヤハーネスに取り付け可能なプロテクタであって、第1コネクタ対応部と、第1電線対応部とを有する第1分割部と、前記第1コネクタ対応部とで前記コネクタを挟むように配置される第2コネクタ対応部と、前記第1電線対応部とで前記コネクタから外部に突出している部位の前記電線を挟むように配置される第2電線対応部とを有し、前記第1分割部に組み付け可能な第2分割部と、前記第1コネクタ対応部に固定された第1弾性部材と、前記第2コネクタ対応部に固定され、前記第2分割部が前記第1分割部に組み付けられた状態で前記第1弾性部材とで前記コネクタを挟持可能な第2弾性部材と、を備える。
【0010】
同構成によれば、第1分割部に第2分割部が組み付けられた状態で、第1コネクタ対応部に固定された第1弾性部材と第2コネクタ対応部に固定された第2弾性部材とはコネクタを挟持可能であるため、第1分割部と第2分割部とはコネクタに対して固定される。コネクタを挟持する部位が第1弾性部材と第2弾性部材であるため、例えば、第1コネクタ対応部と第2コネクタ対応部とがコネクタと精度良く嵌合する形状である必要がない。そして、第1電線対応部と第2電線対応部とはコネクタから外部に突出している部位の電線を挟むように配置されるため、コネクタから外部に突出している部位の電線が急激に折り曲げられるといったことが防止される。よって、簡単な構成のプロテクタで、コネクタ付きワイヤハーネスの電線を保護することができる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記コネクタ付きワイヤハーネスは、前記電線を覆う外装部材を有するものであり、前記第1電線対応部の一部と前記第2電線対応部の一部とは、前記外装部材に連結される連結部を構成することが好ましい。
【0012】
同構成によれば、第1電線対応部の一部と第2電線対応部の一部とは、外装部材に連結される連結部を構成するため、コネクタから外部に突出している電線を外装部材まで保護することができる。すなわち、第1電線対応部及び第2電線対応部と外装部材とで、電線を連続して保護することができる。
【0013】
[3]上記[2]において、前記外装部材は、大径部と前記大径部よりも径の小さい小径部とが交互に連なって設けられた蛇腹構造を有するコルゲートチューブであり、
前記連結部は、前記大径部同士の間に入り込んで前記コルゲートチューブの長さ方向の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止突起を有することが好ましい。
【0014】
同構成によれば、連結部は、大径部同士の間に入り込んでコルゲートチューブの長さ方向の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止突起を有するため、例えば、粘着テープ等を用いることなく、コルゲートチューブとの連結を良好に維持することができる。
【0015】
[4]上記[1]から上記[3]のいずれか1つにおいて、前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記コネクタを挟持する方向と直交する方向で前記コネクタと接触可能な接触側部を有することが好ましい。
【0016】
同構成によれば、第1弾性部材及び第2弾性部材は、コネクタを挟持する方向と直交する方向でコネクタと接触可能な接触側部を有するため、コネクタを挟持する方向と直交する方向のコネクタのがたつきを抑制できる。
【0017】
[5]上記[1]から上記[4]のいずれか1つにおいて、前記第1分割部は、前記第2分割部とは別体の第1分割部材であり、前記第2分割部は、前記第1分割部とは別体の第2分割部材であることが好ましい。
【0018】
同構成によれば、第1分割部は、第2分割部とは別体の第1分割部材であり、第2分割部は、第1分割部とは別体の第2分割部材であるため、第1分割部材と第2分割部材とを相対向する側から組み付けることができる。よって、例えば、第1分割部と第2分割部とがヒンジ部を介して連結されており第1分割部と第2分割部とを回動させる構成と異なり、第1弾性部材と第2弾性部材とでコネクタを良好に挟持することができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のプロテクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」や「真円」は、厳密に平行や直交や真円の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交や真円の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
(コネクタ付きワイヤハーネス11の構成)
図1から
図3に示すように、コネクタ付きワイヤハーネス11は、2本の電線12と、コネクタ13と、外装部材としてのコルゲートチューブ14とを有する。電線12は、芯線と、該芯線の外周を覆う絶縁被覆とを有する被覆電線である。コネクタ13は、樹脂製のハウジング13aを有し、図示しない外部コネクタと嵌合可能な四角筒状に形成されている。コネクタ13は、2本の電線12の端部に接続される。コルゲートチューブ14は、2本の電線12を覆うことで電線12を保護する。詳しくは、
図3に示すように、コルゲートチューブ14は、樹脂製であり、大径部14aと大径部14aよりも径の小さい小径部14bとが交互に連なって設けられた蛇腹構造を有する。そして、コルゲートチューブ14は、2本の電線12をまとめて覆っている。
【0021】
(プロテクタ21の構成)
プロテクタ21は、第1分割部としての第1分割部材22と、第2分割部としての第2分割部材23と、第1弾性部材24と、第2弾性部材25とを備える。
【0022】
(第1分割部材22の構成)
図2に示すように、第1分割部材22は、第1コネクタ対応部22aと、第1電線対応部22bとを有する。第1分割部材22は、樹脂製である。第1分割部材22の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールなどの合成樹脂が使用可能である。第1コネクタ対応部22aは、上壁部22cと、上壁部22cの幅方向の両端から下方に延びる一対の下延部22dとを有する。下延部22dの下端には、幅方向の外側からさらに下方に延びる一対の第1雄係止部22eが設けられている。第1電線対応部22bは、第1コネクタ対応部22aの後端から後方に延びて設けられている。なお、本実施形態の第1電線対応部22bは、後方の斜め上方に延びている。第1電線対応部22bは、下方が開口するように横断面形状が半円形状に形成されている。第1電線対応部22bの後端における下端には、幅方向の外側からさらに下方に延びる一対の第2雄係止部22fが設けられている。
【0023】
(第2分割部材23の構成)
第2分割部材23は、第2コネクタ対応部23aと、第2電線対応部23bとを有する。第2分割部材23は、樹脂製である。第2分割部材23の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールなどの合成樹脂が使用可能である。第2コネクタ対応部23aは、下壁部23cと、下壁部23cの幅方向の両端から上方に延びる一対の上延部23dとを有する。上延部23dの上端には、幅方向の外側で上下方向に貫通する第1係止孔23eを有した第1雌係止部23fが設けられている。第2電線対応部23bは、第2コネクタ対応部23aの後端から後方に延びて設けられている。なお、本実施形態の第2電線対応部23bは、後方の斜め上方に延びている。第2電線対応部23bは、上方が開口するように横断面形状が半円形状に形成されている。第2電線対応部23bの後端における上端には、幅方向の外側で上下方向に貫通する第2係止孔23gを有した第2雌係止部23hが設けられている。
【0024】
第2分割部材23は、第1分割部材22と組み付け可能である。第2分割部材23は、第1雌係止部23fの第1係止孔23eに第1雄係止部22eが嵌まって係止されることと、第2雌係止部23hの第2係止孔23gに第2雄係止部22fが嵌まって係止されることによって、第1分割部材22と組み付けられる。
【0025】
第2コネクタ対応部23aは、第2分割部材23が第1分割部材22に組み付けられた状態で、第1コネクタ対応部22aとでコネクタ13の一部であってコネクタ13の後端側を挟むように配置される。なお、第1コネクタ対応部22a及び第2コネクタ対応部23aは、組み付けられた状態で、四角筒状をなしている。第2電線対応部23bは、第2分割部材23が第1分割部材22に組み付けられた状態で、第1電線対応部22bとでコネクタ13から外部に突出している部位の電線12を挟むように配置される。なお、第1電線対応部22b及び第2電線対応部23bは、組み付けられた状態で、円筒状をなしている。
【0026】
また、
図3に示すように、第1電線対応部22bの一部と第2電線対応部23bの一部とは、コルゲートチューブ14に連結される連結部26を構成している。詳しくは、第1電線対応部22bの後端部と第2電線対応部23bの後端部とは、コルゲートチューブ14の端部を覆いつつコルゲートチューブ14に連結される連結部26を構成している。連結部26は、大径部14a同士の間に入り込んでコルゲートチューブ14の長さ方向の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止突起26aを有する。なお、本実施形態の位置ずれ防止突起26aは、連結部26の内周面の全体から突出している。言い換えると、位置ずれ防止突起26aは、第1電線対応部22b及び第2電線対応部23bの各々の内面において周方向の全体から突出している。また、位置ずれ防止突起26aは、連結部26の長さ方向であってコルゲートチューブ14の長さ方向に離れて2つ設けられている。
【0027】
(第1弾性部材24の構成)
第1弾性部材24は、ゴム等の弾性部材よりなり、第1コネクタ対応部22aに固定されている。詳しくは、第1弾性部材24は、第1コネクタ対応部22aの先端側における内面に固定されている。第1弾性部材24は、第1コネクタ対応部22aにおける上壁部22cに固定されている。また、第1弾性部材24は、第1コネクタ対応部22aにおける一対の下延部22dの内面に固定された接触側部24aを有する。
【0028】
(第2弾性部材25の構成)
第2弾性部材25は、ゴム等の弾性部材よりなり、第2コネクタ対応部23aに固定されている。詳しくは、第2弾性部材25は、第2コネクタ対応部23aの先端側における内面に固定されている。第2弾性部材25は、第2コネクタ対応部23aにおける下壁部23cに固定されている。また、第2弾性部材25は、第2コネクタ対応部23aにおける一対の上延部23dの内面に固定された接触側部25aを有する。
【0029】
第2弾性部材25は、第2分割部材23が第1分割部材22に組み付けられた状態で、第1弾性部材24とでコネクタ13を挟持する。言い換えると、第1弾性部材24と第2弾性部材25とは、第1分割部材22と第2分割部材23とが組み付けられた状態で、コネクタ13を上下方向に挟持する。また、接触側部24a,25aは、第2分割部材23が第1分割部材22に組み付けられた状態で、第1分割部材22と第2分割部材23とがコネクタ13を挟持する方向と直交する方向、すなわち幅方向でコネクタ13と接触する。
【0030】
次に、上記のように構成されたプロテクタ21の作用について説明する。
プロテクタ21は、コネクタ付きワイヤハーネス11に取り付けられることで、コネクタ13から外部に突出している部位の電線12であって、コルゲートチューブ14に覆われるまでの外部に露出している電線12を覆う。これにより、例えば、コネクタ13から外部に突出している部位の電線12が急激に折り曲げられるといったことが防止される。また、例えば、電線12に外部の何らかの部材が接触することで電線12が損傷するといったことが防止される。
【0031】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第1分割部材22に第2分割部材23が組み付けられた状態で、第1コネクタ対応部22aに固定された第1弾性部材24と第2コネクタ対応部23aに固定された第2弾性部材25とはコネクタ13を挟持可能である。よって、第1分割部材22に第2分割部材23が組み付けられた状態で、第1分割部材22と第2分割部材23とはコネクタ13に対して固定される。コネクタ13を挟持する部位が第1弾性部材24と第2弾性部材25であるため、例えば、第1コネクタ対応部22aと第2コネクタ対応部23aとがコネクタ13と精度良く嵌合する形状である必要がない。よって、例えば、汎用のコネクタ13であったり、コネクタ13に僅かな仕様変更があったりした場合でも、プロテクタ21の形状を変更することなくプロテクタ21をコネクタ13に組み付けることができる。そして、第1電線対応部22bと第2電線対応部23bとはコネクタ13から外部に突出している部位の電線12を挟むように配置されるため、コネクタ13から外部に突出している部位の電線12が急激に折り曲げられるといったことが防止される。よって、簡単な構成のプロテクタ21で、コネクタ付きワイヤハーネス11の電線12を保護することができる。
【0032】
(2)第1電線対応部22bの一部と第2電線対応部23bの一部とは、コルゲートチューブ14に連結される連結部26を構成するため、コネクタ13から外部に突出している電線12をコルゲートチューブ14まで保護することができる。すなわち、第1電線対応部22b及び第2電線対応部23bとコルゲートチューブ14とで、電線12を連続して保護することができる。
【0033】
(3)連結部26は、大径部14a同士の間に入り込んでコルゲートチューブ14の長さ方向の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止突起26aを有するため、例えば、粘着テープ等を用いることなく、コルゲートチューブ14との連結を良好に維持することができる。
【0034】
(4)第1弾性部材24及び第2弾性部材25は、コネクタ13を挟持する方向と直交する方向でコネクタ13と接触可能な接触側部24a,25aを有するため、コネクタ13を挟持する方向と直交する方向のコネクタ13のがたつきを抑制できる。
【0035】
(5)第1分割部としての第1分割部材22と第2分割部としての第2分割部材23とは、別体であるため、互いに相対向する側から組み付けることができる。よって、例えば、第1分割部と第2分割部とがヒンジ部を介して連結されており第1分割部と第2分割部とを回動させる構成と異なり、第1弾性部材24と第2弾性部材25とでコネクタ13を良好に挟持することができる。
【0036】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1電線対応部22bの一部と第2電線対応部23bの一部とは、コルゲートチューブ14に連結される連結部26を構成するとしたが、連結部26を有していない構成としてもよい。連結部26を有していなくても、コネクタ13から外部に突出している直後の部位の電線12を保護することができる。
【0037】
・上記実施形態では、連結部26は、コルゲートチューブ14の長さ方向の位置ずれを防ぐ位置ずれ防止突起26aを有するとしたが、これに限定されず、位置ずれ防止突起26aを有していない構成としてもよい。例えば、位置ずれ防止突起26aを有していない構成としながら、連結部26とコルゲートチューブ14とを粘着テープで固定してもよい。
【0038】
・上記実施形態では、第1弾性部材24及び第2弾性部材25は、コネクタ13と接触する接触側部24a,25aを有するとしたが、これに限定されず、接触側部24a,25aを有していない構成としてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、第1分割部としての第1分割部材22と第2分割部としての第2分割部材23とは、別体であるとしたが、これに限定されず、第1分割部と第2分割部とがヒンジ部を介して連結されている構成としてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、第1電線対応部22b及び第2電線対応部23bは、後方の斜め上方に延びているとしたが、これに限定されず、例えば、上下に傾かずに延びていてもよいし、幅方向に傾いて延びていてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、外装部材は、コルゲートチューブ14であるとしたが、これに限定されず、例えば、電線12を覆う金属パイプやホース等の他の外装部材に変更してもよい。
【0042】
・上記実施形態では、コネクタ付きワイヤハーネス11は、2本の電線12を有するとしたが、これに限定されず、1本の電線12のみを有する構成としてもよいし、3本以上の電線12を有する構成としてもよい。
【0043】
・上記実施形態のコネクタ付きワイヤハーネス11は、電線12の外周を覆うとともにコルゲートチューブ14に覆われる電磁シールド部材を有していてもよい。電磁シールド部材としては、例えば、導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線等を用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
11 コネクタ付きワイヤハーネス
12 電線
13 コネクタ
13a ハウジング
14 コルゲートチューブ(外装部材)
14a 大径部
14b 小径部
21 プロテクタ
22 第1分割部材(第1分割部)
22a 第1コネクタ対応部
22b 第1電線対応部
22c 上壁部
22d 下延部
22e 第1雄係止部
22f 第2雄係止部
23 第2分割部材(第2分割部)
23a 第2コネクタ対応部
23b 第2電線対応部
23c 下壁部
23d 上延部
23e 第1係止孔
23f 第1雌係止部
23g 第2係止孔
23h 第2雌係止部
24 第1弾性部材
24a 接触側部
25 第2弾性部材
25a 接触側部
26 連結部
26a 位置ずれ防止突起