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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110627
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240808BHJP
   G16H 80/00 20180101ALI20240808BHJP
【FI】
G16H20/10
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015320
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】518342870
【氏名又は名称】株式会社ソラミチシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田浦 貴大
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】薬局の局員から患者に対してかかりつけ薬局指定の案内を行う際に、患者がメリットを感じやすい内容を提示する。
【解決手段】薬局の患者の患者情報120を取得するステップと、取得した患者情報120に基づいて複数の案内文130の中から1つの案内文を選択する選択ステップと、選択ステップによって選択された1つの案内文を提示するステップと、を含み、複数の案内文130は、それぞれ、前記薬局をかかりつけ薬局として指定することを患者に対して案内する文である、方法。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬局の患者の情報を取得するステップと、
取得した前記情報に基づいて複数の案内文の中から1つの案内文を選択する選択ステップと、
前記選択ステップによって選択された前記1つの案内文を提示するステップと、
を含み、
前記複数の案内文は、それぞれ、前記薬局をかかりつけ薬局として指定することを患者に対して案内する文である、
方法。
【請求項2】
前記複数の案内文が、
前記薬局がかかりつけ薬局として他医療者と連携し必要な情報を提供することを目的に、前記薬局をかかりつけ薬局に指定することを前記患者に提案する文を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薬局の局員、前記患者または薬局内のシステムから前記情報を受け付けるステップと、
提示された前記1つの案内文を前記局員に確認させるステップと、
かかりつけ薬局の指定を希望する前記患者のかかりつけ薬局の指定を受け付けるステップと、
前記患者が前記薬局をかかりつけ薬局として指定している旨が記載されたカードを出力するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択ステップは、
前記患者の情報に基づいて、前記患者が前記薬局をかかりつけ薬局として指定する可能性が高いか判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて可能性が高いと判断された場合に、前記情報に基づいて複数の案内文の中から1つの案内文を選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1以上の情報処理装置を備え、前記情報処理装置は請求項1から4の何れか一項に記載の方法を実行するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
2016年から、患者がどの医療機関で院外処方箋をもらった場合でも、同じ薬局で薬を受け取るようにする、いわゆる「かかりつけ薬剤師(薬局)」制度が開始されている。例えば、特許文献1には、薬局が使用する薬局端末とサーバ装置とによって、特定の薬局をかかりつけ薬局として利用する可能性があるとみなすための所定条件を満たす患者を抽出して、薬局端末に送信する支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-26640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかりつけ薬局を指定している患者の割合は低く、薬局の局員から患者に対してかかりつけ薬局指定の案内を行う際に、患者がメリットを感じやすい内容を提示することが求められる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、薬局の局員から患者に対してかかりつけ薬局指定の案内を行う際に、患者がメリットを感じやすい内容を提示する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、薬局の患者の情報を取得するステップと、取得した前記情報に基づいて複数の案内文の中から1つの案内文を選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択された前記1つの案内文を提示するステップと、を含み、前記複数の案内文は、それぞれ、前記薬局をかかりつけ薬局として指定することを患者に対して案内する文である、方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、薬局の局員から患者に対してかかりつけ薬局指定の案内を行う際に、患者がメリットを感じやすい内容を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム1の全体構成図である。
図2】情報処理装置100のハードウェア構成を示す図である。
図3】サーバ装置20の機能構成を示す図である。
図4】患者情報120を示す図である。
図5】薬局端末30の機能構成を示す図である。
図6】患者情報入力画面400を示す図である。
図7】処理の流れを示すシークエンス図である。
図8】選択ステップS6の1つの案内文を選択する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
[情報処理システムの概要]
図1は、情報処理システム1の全体構成図である。情報処理システム1は、サーバ装置20と、1つ以上の薬局端末30と、を含む。サーバ装置20と、薬局端末30とは、通信ネットワーク10を介して互いにデータの送受信が可能となるように接続されている。通信ネットワーク10は、無線方式または有線方式の通信手段であり、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆通信網、専用線等である。なお、本実施形態による情報処理システム1は、上記複数の情報管理装置によって構成されているが、本発明はこれらの装置の数を限定するものではない。そのため、情報処理システム1は、以下のような機能を備えるものであれば、1以上の装置によって構成することができる。
【0011】
サーバ装置20は、通信ネットワーク10を介して薬局端末30とデータの送受信を行うとともに、薬局端末30からの指示に応じてデータの処理を行う情報処理装置である。サーバ装置20は、患者情報の記憶、患者に提示する案内文の記憶、案内文の選択等の処理を行う。
【0012】
薬局端末30は、主に薬局の局員によって操作される情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等である。薬局端末30は、サーバ装置20に患者情報の送信、かかりつけ薬局指定情報の送信、サーバ装置20から患者情報記憶通知の受信、案内文の受信、かかりつけ薬局指定完了通知の受信、薬局指定カード作成等の処理を行う。
【0013】
図2は、サーバ装置20及び薬局端末30の実現に用いるハードウェア(以下、「情報処理装置100」と称する。)の一例を示す図である。情報処理装置100は、プロセッサ101と、主記憶装置102と、補助記憶装置103と、入力装置104と、出力装置105及び通信装置106を備える。これらは、図示しないバス等の通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
なお、情報処理装置100は、そのすべての構成が必ずしもハードウェアで実現されている必要はなく、構成の全部または一部が、例えば、クラウドシステム(cloud system)のクラウドサーバ(cloud server)のような仮想的な資源によって実現されていてもよい。
【0015】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等を用いて構成される。プロセッサ101が、主記憶装置102に格納されているプログラムを読みだして実行することにより、サーバ装置20及び薬局端末30の機能が実現される。
【0016】
主記憶装置102は、プログラムやデータを記憶する装置であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性半導体メモリ(NVRAM(Non Volatile Ram))等である。
【0017】
補助記憶装置103は、例えば、SSD(Solid State Drive)、SDメモリカード等の各種不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光学式記憶装置(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等)、クラウドサーバの記憶領域等である。補助記憶装置103に格納されているプログラムやデータは、主記憶装置102に随時読み込まれる。
【0018】
入力装置104は、情報の入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、音声入力装置(マイクロフォン等)、音声認識装置等である。入力装置104は、情報処理装置100が通信装置106を介して他の装置との間で情報の入力を受け付ける構成としてもよい。
【0019】
出力装置105は、各種の情報を出力するインタフェースであり、例えば、画面表示装置(液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等)、印字装置、音声出翼装置(スピーカ等)、音声合成装置等である。出力装置105は、情報処理装置100が通信装置106を介して他の装置との間で情報の出力を行う構成としてもよい。
【0020】
通信装置106は、通信ネットワーク10を介した他の装置との間の通信を実現する有線方式または無線方式の通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Bus)モジュール、シリアル通信モジュール等である。
【0021】
[サーバ装置]
図3は、サーバ装置20が備える主な機能(ソフトウェア構成)を示す。サーバ装置20は、記憶部111と、患者情報管理部112と、選択処理部113と、案内文送信部114及び薬局指定管理部115の各機能を備える。これらの機能は、サーバ装置20のプロセッサ101がサーバ装置20の主記憶装置102に格納されているプログラムを読みだして実行することにより実現される。また、サーバ装置20は、上記の機能に加えて、オペレーティングシステム、ファイルシステム、デバイスドライバ、DBMS(DataBase Management System)等の機能を備える。
【0022】
上記の機能のうち、記憶部111は、患者情報120及び案内文130を記憶する。記憶部111は、これらのデータを、例えば、データベースのテーブルや、ファイルシステムによって管理されるファイル等として記憶する。
【0023】
患者情報120は、図4に示すように、例えば、患者ID201と、氏名202と、氏名フリガナ203と、性別204と、生年月日205と、年齢情報206と、住所207と、同居人情報208及びかかりつけ薬局指定情報209を含む。また、患者情報120は、これら情報と共に患者の薬剤服用歴(以下、「薬歴」と称する。)を含んでもよい。なお、患者情報120は、前述の情報の他に、薬局への来局回数、薬局への来局頻度、調剤予約の利用履歴などの情報を含んでいてもよい。
【0024】
案内文130は、複数の案内文を含む。案内文130は、子連れ向け案内文1301と、基本案内文1302と、若年同居向け案内文1303及び若年独居向け案内文1304を含む。なお、案内文130は、これら以外の案内文を含んでいても良い。
【0025】
子連れ向け案内文1301は、患者の子供の薬についての相談先としてかかりつけ薬局を提案する案内文である。子連れ向け案内文1301は、例えば、「子供が薬を上手に飲むことができない場合、子供に対して複数の医療機関から処方された薬を一緒に飲ませてよいかわからない場合に、患者がかかりつけ薬局を指定していれば、指定先の薬局がこれらの相談を受けることができる。また、子供が病院に搬送された際に、かかりつけ薬局として病院の医療関係者と連携して必要な情報を提供することができる。」などの内容を含む。
【0026】
基本案内文1302は、かかりつけ薬局を指定した場合の基本メリットを提案する案内文である。基本案内文1302は、例えば、「患者本人が急病で救急車によって病院に搬送され、病院に入院することになった場合に、患者本人が服薬している薬を病院の医者が把握できないことがある。そのような場合であっても、患者がかかりつけ薬局を指定していれば、指定先の薬局がかかりつけ薬局として病院の医療関係者と連携して必要な情報を提供することにより、患者が病院で安全な医療を受けられるようにサポートする。」などの内容を含む。
【0027】
若年同居向け案内文1303は、同居人及び患者本人が飲んでいる薬の種類の情報を薬局に集約することを提案する案内文である。若年同居向け案内文1303は、例えば、「患者の同居人が急病で病院に搬送された場合に、患者が病院の医者に患者の同居人が服薬している薬、過去に服薬した薬を正確に伝えることは難しい。また、患者が急病で病院に搬送された場合に、患者の同居人が病院の医者に患者が服薬している薬、過去に服薬した薬を正確に伝えることも難しい。そのような場合であっても、同居人及び患者本人が服薬している薬の情報を病院の医者に提供できるように、同居人及び患者本人が共通のかかりつけ薬局を指定して、同居人及び患者本人が飲んでいる薬の情報をかかりつけ薬局に集約することを勧める。」などの内容を含む。
【0028】
若年独居向け案内文1304は、患者に複数の薬の飲み合わせについての情報提供を提案する案内文である。若年独居向け案内文1304は、例えば、「薬には副作用や相互作用があるため、市販の風邪薬と栄養ドリンクを併用した場合に、頭痛や不眠の原因になることがある。患者本人に代わって薬の飲み合わせなどを含めた服薬管理を行うことや、患者本人が病院に搬送された際にかかりつけ薬局として病院の医療関係者と連携して必要な情報を提供することができるように、患者がかかりつけ薬局を指定することを勧める。」などの内容を含む。
【0029】
患者情報管理部112は、通信ネットワーク10を介して薬局端末30から送信される患者情報120を受信し、記憶部111に記憶させる。そして、患者情報管理部112は、患者情報120を記憶部111に記憶させると、薬局端末30に患者情報登録通知を送信する。
【0030】
選択処理部113は、記憶部111に記憶させた患者情報120を取得して、患者情報120の患者がかかりつけ薬局を指定しているか否かを判定する。判定の結果、患者がかかりつけ薬局を指定している場合、選択処理部113は、薬局端末30に指定不可通知を送信する。一方、患者がかかりつけ薬局を指定していない場合、選択処理部113は、患者情報120に基づいて、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定する。判定の結果、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高い場合、選択処理部113は、患者情報120に基づいて患者にかかりつけ薬局を指定する案内を行う際に効果的な案内文を案内文130の中から1つ選択する。なお、選択処理部113が行う処理において、患者情報120に基づいて、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定する処理は必須ではない。つまり、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定していないと判定した後、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定することなく、患者情報120に基づいて患者にかかりつけ薬局を指定する案内を行う際に効果的な案内文を案内文130の中から1つ選択してもよい。
【0031】
初めに、選択処理部113は、患者情報120のかかりつけ薬局指定情報209を参照し、患者がかかりつけ薬局を指定しているか否かを判定する。かかりつけ薬局指定情報209が済(指定済み)であれば、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定済みであると判定する。一方、かかりつけ薬局指定情報209が未(未指定)であれば、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定していないと判定する。
【0032】
続いて、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定していないと判定した場合、患者情報120を参照し、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定する。例えば、住所207が特定住所に該当していれば、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いと判定する。ここで、特定住所とは、任意に設定できる住所の情報であり、あらかじめ薬局の近所の住所を登録しておく。一方、選択処理部113は、住所207が特定住所に該当していなければ、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高くないと判定する。なお、選択処理部113は、住所207以外の患者情報120を参照して、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定しても良い。ここで、住所207以外の患者情報120とは、例えば、薬局への来局回数、薬局への来客頻度、薬歴、調剤予約の利用履歴、患者の電話番号やメールアドレスなどである。
【0033】
続いて、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いと判定した場合、患者情報120の年齢情報206及び同居人情報208を参照し、患者の年齢及び同居人について判定する。そして、選択処理部113は、判定の結果に基づいて患者にかかりつけ薬局の案内を行う際に効果的な案内文を案内文130の中から1つ選択する。
【0034】
選択処理部113は、同居人情報208を参照し、同居人情報208が子供有であれば、患者が子供と同居していると判定する。また、選択処理部113は、同居人情報208が家族有であれば、患者が家族と同居していると判定する。そして、選択処理部113は、同居人情報208が独居であれば、患者が独り暮らしであると判定する。
【0035】
選択処理部113は、年齢情報206を参照し、予め設定された特定年齢と比較することによって、患者が特定年齢以下かどうかを判定する。ここで、特定年齢とは任意に設定できる整数の数値であり、本実施形態では40(歳)とする。選択処理部113は、年齢情報206が40より大きい場合は、患者が特定年齢以下ではないと判定する。一方、選択処理部113は、年齢情報206が40以下である場合は、患者が特定年齢以下であると判定する。
【0036】
選択処理部113は、患者の年齢及び同居人について判定した結果に基づき、案内文130の中から案内文を1つ選択する。選択処理部113は、患者が子供と同居していると判定した場合、子連れ向け案内文1301を選択する。また、選択処理部113は、患者が子供と同居しておらず、特定年齢以下ではないと判定した場合、基本案内文1302を選択する。また、選択処理部113は、患者が子供と同居しておらず、特定年齢以下であり、家族と同居していると判定した場合、若年同居向け案内文1303を選択する。また、選択処理部113は、患者が子供と同居しておらず、特定年齢以下であり、独り暮らしであると判定した場合、若年独居向け案内文1304を選択する。
【0037】
案内文送信部114は、選択処理部113が案内文130の中から選択した案内文を薬局端末30へ送信する。
【0038】
薬局指定管理部115は、薬局端末30から送信される患者情報120を受信する。そして、薬局指定管理部115は、受信した患者情報120の患者ID201を参照して、記憶部111に記憶されている同じ患者ID201を有する患者情報120のデータを選択する。そして、薬局指定管理部115は、選択した患者情報120のうち、かかりつけ薬局指定情報209の情報を更新する。そして、薬局指定管理部115は、選択した患者情報120の情報更新が完了したら、薬局端末30へ指定完了通知を送信する。
【0039】
[薬局端末]
図5は、薬局端末30が備える主な機能(ソフトウェア構成)を示す。薬局端末30は、患者情報受付部301と、患者情報送信部302と、患者情報登録通知受信部303と、指定不可通知受信部304と、案内文受信部305と、案内文表示部306と、薬局指定受付部307と、薬局指定送信部308と、指定完了通知受信部309及びカード作成処理部310の各機能を備える。これらの機能は、薬局端末30のプロセッサ101が薬局端末30の主記憶装置102に格納されているプログラムを読みだして実行することにより実現される。
【0040】
患者情報受付部301は、患者の患者情報120の入力を受け付ける。
【0041】
図6に、患者情報120の入力を受け付ける際に薬局端末30が表示する画面(以下、患者情報入力画面400と称する。)の一例を示す。患者情報入力画面400は、患者IDの表示欄401、氏名の設定欄402、氏名フリガナの設定欄403、性別の設定欄404、生年月日の設定欄405、年齢の設定欄406、住所(郵便番号)の設定欄407、同居人情報の表示欄408、かかりつけ薬局指定状況の表示欄409、薬歴入力ボタン410、設定ボタン411及びキャンセルボタン412を有する。なお、患者情報入力画面400で設定可能な内容は、上記に限るものではない。例えば、薬局への来局回数、薬局への来客頻度、薬歴、調剤予約の利用履歴の他、電話番号やメールアドレスなどの患者の連絡先情報を設定可能にしてもよい。
【0042】
患者情報送信部302は、患者情報受付部301が受け付けた患者情報120をサーバ装置20へ送信する。
【0043】
患者情報登録通知受信部303は、サーバ装置20から送信される患者情報登録通知を受信する。そして、患者情報登録通知受信部303は、薬局端末30が表示する画面に、サーバ装置20に患者情報120が登録されたことを示す通知を表示する。
【0044】
指定不可通知受信部304は、サーバ装置20から送信される指定不可通知を受信する。そして、指定不可通知受信部304は、薬局端末30が表示する画面に、患者が既にかかりつけ薬局を指定していて、かかりつけ薬局指定の案内が不要であることを示す通知を表示する。
【0045】
案内文受信部305は、サーバ装置20から送信される案内文を受信する。
【0046】
案内文表示部306は、薬局端末30が表示する画面に、案内文受信部305が受信した案内文を表示する。
【0047】
薬局指定受付部307は、患者のかかりつけ薬局の指定を受け付ける。薬局指定受付部307は、薬局端末30が表示する画面に、患者情報入力画面400を表示させ、患者情報120の入力を受け付ける。
【0048】
薬局指定送信部308は、薬局指定受付部307が受け付けた患者情報120をサーバ装置20へ送信する。
【0049】
指定完了通知受信部309は、サーバ装置20から送信される指定完了通知を受信する。そして、指定完了通知受信部309は、薬局端末30が表示する画面に、サーバ装置20の記憶部111に記憶された患者情報120の更新が完了し、患者のかかりつけ薬局指定が完了したことを示す通知を表示する。
【0050】
カード作成処理部310は、薬局端末30の出力装置105に患者情報120のうち患者ID201、氏名202及び氏名フリガナ203等を送信し、かかりつけ薬局を指定している旨及びかかりつけ薬局に指定した薬局の連絡先が記載されたカードに患者ID201、氏名202及び氏名フリガナ203を印字する。
【0051】
[処理の流れ]
続いて、情報処理システム1において行われる処理、及び情報処理システム1を用いた方法について説明する。
【0052】
図7は、薬局において局員が情報処理システム1を用いて患者に対しかかりつけ薬局指定の案内をする際に行う処理の流れを説明するシークエンス図である。以下、図7を用いて、かかりつけ薬局指定の案内の処理について説明する。
【0053】
初めに、薬局を訪れた患者は、薬局の局員に対し患者情報120を提供する(S1)。患者は、処方箋や保険証を薬局の局員に提出することにより、患者情報120を局員に提供する。患者が薬局を初めて訪れた場合、または、患者の患者情報120の登録内容に変更がある場合には、患者は、患者情報入力画面400に相当する記入フォーマットが記載された紙を局員から受け取る。そして、患者は、受け取った紙に患者情報120を記入し、局員に提出することで患者情報120を提供する。なお、患者が薬局を初めて訪れた場合、または、患者の患者情報120の登録内容に変更がある場合において、患者は、記入フォーマットが記載された紙の代わりに、患者情報入力画面400が表示されたスマートフォンやタブレット端末などの薬局端末30を局員から受け取り、薬局端末30に対して患者情報120を入力してもよい。
【0054】
次に、局員は、患者から提供された患者情報120及び薬歴を薬局端末30に入力する(S2)。なお、S1において患者が薬局端末30に患者情報120を直接入力した場合、局員は、薬局端末30に入力された患者情報120に対して薬歴を追加で入力する。また、薬局端末30が薬局のレセプトコンピュータ(診療報酬明細書(レセプトデータ)を作成するためのコンピュータ)に接続されている場合、局員は、患者から提供された患者情報120をレセプトコンピュータに入力する。薬局端末30がレセプトコンピュータから患者情報120を取り込んだ後、局員は、薬局端末30に薬歴を入力する。
【0055】
次に、薬局端末30の患者情報送信部302は、薬局端末30に入力された、または取り込まれた患者情報120をサーバ装置20に送信する(S3)。
【0056】
次に、サーバ装置20の患者情報管理部112は、受信した患者情報120を記憶部111に記憶させる(S4)。そして、患者情報管理部112は、患者情報120の記憶部111への記憶が完了したら、薬局端末30に患者情報登録通知を送信する。続いて、薬局端末30の患者情報登録通知受信部303が患者情報登録通知を受信すると、患者情報登録通知受信部303は、薬局端末30が表示する画面にサーバ装置20に患者情報120が登録されたことを示す通知を表示させる。
【0057】
次に、サーバ装置20の選択処理部113は、記憶部111に記憶させた患者情報120を取得する。そして、選択処理部113は、患者情報120のかかりつけ薬局指定情報209を参照して、患者がかかりつけ薬局指定をしているかを判定する(S5)。かかりつけ薬局指定情報209が登録済みの場合(S5:YES)、選択処理部113は、薬局端末30に対して指定不可通知を送信する。そして、指定不可通知を受信した薬局端末30の指定不可通知受信部304は、患者にかかりつけ薬局指定の案内が不要である通知を薬局端末30が表示する画面に表示させる。
【0058】
一方、かかりつけ薬局指定情報209が未指定の場合(S5:NO)、選択処理部113は、取得した患者情報120の住所207を参照して、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定する。患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高くないと判定した場合、選択処理部113は、判定処理を終了する。一方、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いと判定した場合、選択処理部113は、取得した患者情報120の年齢情報206及び同居人情報208を参照して、患者にかかりつけ薬局指定の案内をする際に用いると効果的であると推測される案内文を案内文130の中から1つ選択する(S6)。なお、選択処理部113は、患者がかかりつけ薬局を指定する可能性が高いか否かを判定することなく、取得した患者情報120の年齢情報206及び同居人情報208を参照して、患者にかかりつけ薬局指定の案内をする際に用いると効果的であると推測される案内文を案内文130の中から1つ選択してもよい。
【0059】
図8は、選択処理部113が複数の案内文130の中から1つの案内文を選択する処理の流れを説明するフローチャート図である。以下、図8を用いて、処理の流れについて説明する。
【0060】
初めに、選択処理部113は、患者情報120の同居人情報208を参照して、患者が子供と同居していないかを判定する(S6-1)。同居人情報208が子供と同居していると判定した場合(S6-1:NO)、選択処理部113は、案内文として子連れ向け案内文1301を選択する。
【0061】
患者が子供と同居していないと判定した場合(S6-1:YES)、選択処理部113は、患者の年齢情報206を参照して、患者が特定年齢以下かどうかを判定する(S6-2)。ここで、本実施形態において、特定年齢は、40(歳)に設定されている。年齢情報206が40よりも大きい(患者が特定年齢以下ではないと判定した)場合(S6-2:NO)、選択処理部113は、案内文として基本案内文1302を選択する。
【0062】
年齢情報206が40以下(患者が特定年齢以下であると判定した)の場合(S6-2:YES)、選択処理部113は、同居人情報208を参照して、患者が独り暮らしかどうかを判定する(S6-3)。患者が家族と同居していると判定した場合(S6-3:NO)、選択処理部113は、案内文として若年同居向け案内文1303を選択する。一方、患者が独り暮らしであると判定した場合(S6-3:YES)、選択処理部113は、若年独居向け案内文1304を選択する。
【0063】
図7に戻り、次に、案内文送信部114は、選択した案内文を薬局端末30へ送信する(S7)。
【0064】
次に、薬局端末30の案内文受信部305は、サーバ装置20の案内文送信部114から送信される案内文を受信する。そして、薬局端末30の案内文表示部306は、受信した案内文を表示させることにより、案内文を提示する(S8)。
【0065】
次に、案内文表示部306は、局員に案内文の確認を促す通知を薬局端末30の画面に表示させる(S9)。そして、局員は、表示された案内文を確認する。
【0066】
次に、薬局端末30は、受信した案内文を紙に出力する(S10)。なお、薬局端末30がスマートフォンやタブレット端末など携帯可能な端末の場合、本処理を実行しないものとしても良い。
【0067】
次に、局員は、薬局端末30が受信した案内文を用いて患者にかかりつけ薬局指定の案内を行う(S11)。
【0068】
局員の案内を受けた患者がかかりつけ薬局の指定を希望しない場合(S12:NO)、局員は患者に対して案内をやめる。一方、患者がかかりつけ薬局の指定を希望する場合(S12:YES)、局員は、薬局端末30に患者情報120を入力し、かかりつけ薬局指定情報209の情報を指定状態に更新する(S13)。
【0069】
次に、薬局端末30の薬局指定送信部308は、入力された患者情報120をサーバ装置20へ送信する(S14)。
【0070】
次に、サーバ装置20の薬局指定管理部115は、受信した患者情報120の患者ID201を参照し、記憶部111に記憶されている同じ患者ID201を有する患者情報120のデータを選択して、患者情報120を更新する(S15)。
【0071】
次に、薬局指定管理部115は、薬局端末30に対して指定完了通知を送信する(S16)。そして、指定完了通知を受信した薬局端末30の指定完了通知受信部309は、患者のかかりつけ薬局指定が完了したことを示す通知を画面に表示させる。
【0072】
次に、薬局端末30のカード作成処理部310は、薬局の連絡先及び患者情報120の一部が記載されたカードを作成する(S17)。例えば、局員があらかじめ、かかりつけ薬局を指定している旨とその薬局の連絡先が記載されたカードを準備しておき、カード作成処理部310は、患者ID201及び氏名202等の情報を出力装置105によってカードに印字することで、患者の情報と、その患者がかかりつけ薬局を指定していること及びその薬局の連絡先が記載されたカードを作成する。
【0073】
次に、局員は、薬局端末30によって作成されたカードを受領する(S18)。そして、局員は受領したカードを患者に配布する(S19)。
【0074】
なお、上述した処理の少なくとも一部、もしくは全てを人が行うこととしてもよい。
【0075】
[効果]
本実施形態に係る方法は、薬局の患者の患者情報120を取得するステップと、取得した患者情報120に基づいて複数の案内文130の中から1つの案内文を選択する選択ステップと、選択ステップによって選択された1つの案内文を提示するステップと、を含み、複数の案内文130は、それぞれ、前記薬局をかかりつけ薬局として指定することを患者に対して案内する文である。
【0076】
以上の方法によれば、薬局の局員が患者から取得した患者情報120をサーバ装置20に送信すると、サーバ装置20の選択処理部113は、複数の案内文130の中から、薬局の局員が患者に対してかかりつけ薬局の指定案内をする際に使用すると患者がかかりつけ薬局を指定するメリットを感じやすい案内文を患者情報120に基づいて1つ選択する。次に、サーバ装置20の案内文送信部114は、選択した案内文を薬局端末30に送信する。そして、薬局端末30の案内文表示部306は、受信した案内文を表示することにより提示する。したがって、局員が患者に対してかかりつけ薬局の指定案内を行う際に、局員は、患者がかかりつけ薬局を指定するメリットを感じやすい案内文を提示することができる。その結果、患者は、かかりつけ薬局を指定しようという気持ちになりやすく、かかりつけ薬局を指定する患者が増加しやすい。
【0077】
また、本実施形態に係る方法において、複数の案内文130が、薬局がかかりつけ薬局として他医療者と連携し必要な情報を提供することを目的に、薬局をかかりつけ薬局に指定することを患者に提案する文を含む。
【0078】
以上の方法によれば、サーバ装置20の選択処理部113が患者の年齢情報206及び同居人情報208に基づいて、若年独居向け案内文1304、若年独居向け案内文1303、基本案内文1302及び子連れ向け案内文1301を含む案内文130の中から案内文を1つ選択する。これらの案内文は、薬局がかかりつけ薬局として他医療者と連携し必要な情報を提供することを目的に、薬局をかかりつけ薬局に指定することを患者に提案することを含むため、薬局の局員が患者に対してこれらの案内文を用いてかかりつけ薬局指定の案内を行うことで、患者がかかりつけ薬局を指定しようという気持ちになりやすくなる。
【0079】
また、本実施形態に係る方法において、薬局の局員、患者またはレセプトコンピュータから患者情報120を受け付けるステップと、提示された1つの案内文を局員に確認させるステップと、かかりつけ薬局の指定を希望する患者のかかりつけ薬局の指定を受け付けるステップと、患者が薬局をかかりつけ薬局として指定している旨が記載されたカードを出力するステップと、を含む。
【0080】
以上の方法によれば、サーバ装置20の選択処理部113は、薬局端末30が薬局の局員、患者またはレセプトコンピュータから患者情報120を受け付け、患者情報120に基づいて複数の案内文130の中から1つを選択し、選択した1つの案内文を薬局端末30へと送信する。続いて、薬局端末30の案内文表示部306は、1つの案内文を表示し、局員に1つの案内文を確認させる。そして、局員は、患者がかかりつけ薬局の指定を希望する場合、薬局端末30を介して患者情報120を更新することでかかりつけ薬局の指定を行う。最後に、薬局端末30のカード作成処理部310は、患者が薬局をかかりつけ薬局として指定している旨が記載されたカードを出力し、局員がそのカードを患者に配布する。したがって、患者はかかりつけ薬局を指定している旨が記載されたカードを所持することとなり、患者が患者を診察する医師にカードを提示することで、医師は、かかりつけ薬局に連絡をして必要な情報を入手することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る方法において、選択ステップは、患者の患者情報120に基づいて、患者が薬局をかかりつけ薬局として指定する可能性が高いか判断する判断ステップと、判断ステップにおいて可能性が高いと判断された場合に、患者情報120に基づいて複数の案内文130の中から1つの案内文を選択するステップと、を含む。
【0082】
以上の方法によれば、サーバ装置20の選択処理部113は、患者の患者情報120に基づいて、患者が薬局をかかりつけ薬局として指定する可能性が高いか判断し、指定する可能性が高い場合に、患者情報120に基づいて複数の案内文130の中から1つの案内文を選択する。したがって、局員は、かかりつけ薬局を指定する可能性が高い患者に対して、患者情報120に基づいて選択された案内文を用いてかかりつけ薬局指定の案内を行うことができる。
【0083】
[変形例]
情報処理システム1において、サーバ装置20または薬局端末30は、運営分析機能部(不図示)を有していてもよい。運営分析機能部は、例えば、以下のような処理を行う。運営分析機能部は、サーバ装置20に記憶された複数の患者情報120を参照して、一定の期間内にS6において選択処理を行った患者数(以下、案内患者数と称する)と、同じ期間内にS15において患者情報を更新した(つまり薬局をかかりつけ薬局として指定した)患者数(以下、薬局指定済み患者数と称する)をそれぞれ算出する。そして、運営分析機能部は、薬局指定済み患者数を案内患者数で除算することによって、一定の期間内における案内患者数に対する薬局指定済み患者数の割合を算出する。
【0084】
前述の実施形態において、サーバ装置20は、選択処理部113が選択した案内文を薬局端末30に送信していた。しかしながら、サーバ装置20は、患者が所持しているスマートフォンやタブレット端末等にインストールされた電子お薬手帳アプリと連携することによって、選択処理部113が選択した案内文を電子お薬手帳アプリに送信してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…情報処理システム
20…サーバ装置
30…薬局端末
130…案内文
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8