(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110629
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】車両用ドアロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 79/08 20140101AFI20240808BHJP
E05B 81/20 20140101ALI20240808BHJP
E05B 81/24 20140101ALI20240808BHJP
【FI】
E05B79/08
E05B81/20 B
E05B81/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015322
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】永田 俊顕
(72)【発明者】
【氏名】渡部 正太郎
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ42
2E250KK02
2E250LL01
2E250MM01
2E250PP04
2E250PP05
2E250RR11
(57)【要約】
【課題】装置の体格が大きくなることを抑制できる車両用ドアロック装置を提供する。
【解決手段】ドアロック装置100は、ストライカに係止可能なフルラッチ位置及びストライカに係止不能なアンラッチ位置の間で回転するラッチ150と、フルラッチ位置に位置するラッチ150に係止することによりラッチ150のアンラッチ位置に向かう回転を規制する係止位置及びフルラッチ位置に位置するラッチから退避する解除位置の間で変位するポールと、クローズ方向に回転することによりラッチ150をフルラッチ位置に向けて駆動し、リリース方向R31に回転することによりポール160を解除位置に向けて駆動する駆動レバー170と、を備える。ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線は、第1方向D1に延びている。駆動レバー170は、ラッチ150及びポール160に対して、第1方向D1に並んでいる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する車体及び前記開口部を開閉する開閉体の一方に設けられ、前記車体及び前記開閉体の他方に設けられるストライカに係止することにより、前記開口部を全閉する全閉位置に前記開閉体を拘束する車両用ドアロック装置であって、
前記ストライカに係止可能なフルラッチ位置及び前記ストライカに係止不能なアンラッチ位置の間で回転し、前記フルラッチ位置から前記アンラッチ位置に向けて付勢されるラッチと、
前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回転を規制する係止位置及び前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチから退避する解除位置の間で変位し、前記解除位置から前記係止位置に向けて付勢されるポールと、
クローズ方向に回転することにより前記ラッチを前記フルラッチ位置に向けて駆動し、リリース方向に回転することにより前記ポールを前記解除位置に向けて駆動する駆動レバーと、を備え、
前記ラッチの回転軸線の延びる方向を軸方向としたとき、
前記駆動レバーの回転軸線は、前記軸方向に延び、
前記駆動レバーは、前記ラッチと前記ポールとに対して、前記軸方向に並んでいる
車両用ドアロック装置。
【請求項2】
前記ラッチは、前記駆動レバーの回転範囲に向かって延びるラッチ駆動軸を有し、
前記ポールは、前記駆動レバーの回転範囲に向かって延びるポール駆動軸を有し、
前記駆動レバーは、前記ラッチ駆動軸を介して前記ラッチを駆動し、前記ポール駆動軸を介して前記ポールを駆動する
請求項1に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項3】
前記駆動レバーは、前記ポールを前記解除位置に向けて回転させるための力を前記ポール駆動軸に伝達不能な退避位置及び前記ポールを前記解除位置に向けて回転させるための力を前記ポール駆動軸に伝達可能な接近位置の間を前記軸方向に変位するものであり、前記クローズ方向に回転する場合には前記退避位置に変位する
請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項4】
前記軸方向において、前記駆動レバーを前記退避位置から前記接近位置に向けて付勢するレバースプリングを備え、
前記駆動レバーは、前記軸方向と交差する第1ポール摺動面を有し、
前記ポール駆動軸は、前記駆動レバーが前記クローズ方向に回転するときに、前記第1ポール摺動面と摺動することにより、前記駆動レバーを前記接近位置から前記退避位置に変位させる
請求項3に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項5】
前記ラッチの回転範囲は、前記フルラッチ位置及び前記アンラッチ位置の間の位置であって、前記ストライカに係止可能なハーフラッチ位置を含み、
前記ポールは、前記係止位置において、前記ハーフラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回転を規制し、前記解除位置において、前記ハーフラッチ位置に位置する前記ラッチから退避するものであり、
前記駆動レバーは、前記軸方向に沿う第2ポール摺動面を有し、
前記第2ポール摺動面は、前記駆動レバーが前記リリース方向に回転するときに、前記ポール駆動軸と摺動することにより、前記ポールを前記解除位置に変位させ、前記ラッチが少なくとも前記ハーフラッチ位置を過ぎるまで、前記ポールを前記解除位置に留める
請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項6】
前記ラッチの回転軸線及び前記駆動レバーの回転軸線は平行に延びており、
前記駆動レバーが前記クローズ方向に回転することにより前記ラッチが前記フルラッチ位置まで回転した状況下において、車両用ドアロック装置を前記軸方向から見た場合、前記ラッチ駆動軸は、前記ラッチの回転軸線及び前記駆動レバーの回転軸線を結ぶ線分の延長線上に位置している
請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項7】
前記駆動レバーは、電気モータによって、前記クローズ方向及び前記リリース方向に駆動されるものであり、
車両用ドアロック装置を前記軸方向から見た場合において、前記駆動レバーの回転軸線から前記ラッチ駆動軸までの距離をアーム長としたとき、
前記駆動レバーが前記クローズ方向に回転する場合、前記アーム長は次第に短くなる
請求項2又は請求項6に記載の車両用ドアロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スライドドアを全閉位置で拘束するドアロック装置が記載されている。ドアロック装置は、ラッチと、ラッチスプリングと、ポールと、ポールスプリングと、クローズレバーと、オープンレバーと、アクティブレバーと、を備える。
【0003】
ラッチは、車体に設けられるストライカに係止するフルラッチ位置及びストライカに係止しないアンラッチ位置の間で回転する。ラッチスプリングは、ラッチをフルラッチ位置からアンラッチ位置に向かう方向に付勢している。ポールは、フルラッチ位置に位置するラッチに係止することによりラッチがフルラッチ位置からアンラッチ位置に向けて回転することを規制する規制位置及びフルラッチ位置に位置するラッチから退避する解除位置の間で回転する。ポールスプリングは、ポールを解除位置から係止位置に向かう方向に付勢している。
【0004】
クローズレバーは、アクティブレバーから伝達される動力に基づき、ラッチをフルラッチ位置に向けて回転させる。この場合、ラッチがアンラッチ位置からフルラッチ位置に回転するため、ラッチがストライカに係止する。例えば、クローズレバーは、スライドドアが全閉位置の近傍の位置まで閉作動された後に駆動される。これに対し、オープンレバーは、アクティブレバーから伝達される動力に基づき、ポールを解除位置に向けて回転させる。この場合、ラッチがフルラッチ位置からアンラッチ位置に回転するため、ラッチがストライカに係止しなくなる。つまり、スライドドアの全閉位置での車体に対する拘束が解除される。例えば、オープンレバーは、スライドドアを全閉位置から開作動する際に駆動される。
【0005】
アクティブレバーは、第1回転方向に回転することにより、オープンレバーを駆動することなく、クローズレバーを駆動する。また、アクティブレバーは、第1回転方向の逆方向である第2回転方向に回転することにより、クローズレバーを駆動することなく、オープンレバーを駆動する。アクティブレバーは、電気モータを駆動源として回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなドアロック装置において、ラッチ及びポールの回転軸線は第1方向に延びている一方で、クローズレバー、オープンレバー及びアクティブレバーの回転軸線は第1方向とは異なる第2方向に延びている。また、ラッチ及びポールの設置位置は、クローズレバー、オープンレバー及びアクティブレバーの設置位置から離れている。こうした点で、上記のようなドアロック装置は、体格が大きくなりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
[態様1]上記課題を解決する車両用ドアロック装置は、開口部を有する車体及び前記開口部を開閉する開閉体の一方に設けられ、前記車体及び前記開閉体の他方に設けられるストライカに係止することにより、前記開口部を全閉する全閉位置に前記開閉体を拘束する車両用ドアロック装置であって、前記ストライカに係止可能なフルラッチ位置及び前記ストライカに係止不能なアンラッチ位置の間で回転し、前記フルラッチ位置から前記アンラッチ位置に向けて付勢されるラッチと、前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回転を規制する係止位置及び前記フルラッチ位置に位置する前記ラッチから退避する解除位置の間で変位し、前記解除位置から前記係止位置に向けて付勢されるポールと、クローズ方向に回転することにより前記ラッチを前記フルラッチ位置に向けて駆動し、リリース方向に回転することにより前記ポールを前記解除位置に向けて駆動する駆動レバーと、を備え、前記ラッチの回転軸線の延びる方向を軸方向としたとき、前記駆動レバーの回転軸線は、前記軸方向に延び、前記駆動レバーは、前記ラッチと前記ポールとに対して、前記軸方向に並んでいる。
【0009】
車両用ドアロック装置において、ラッチの回転軸線及び駆動レバーの回転軸線は同方向に延びている。このため、ドアロック装置は、ラッチの回転軸線及び駆動レバーの回転軸線が交差する場合に比較して、駆動レバーからラッチに対する動力の伝達経路をシンプルに構成できる。また、駆動レバーは、ラッチとポールとに対して軸方向に並んでいる。このため、ドアロック装置は、軸方向において、駆動レバーをラッチ及びポールに対して接近させて配置できる。こうして、車両用ドアロック装置は、装置の体格が大きくなることを抑制できる。
【0010】
[態様2]前記ラッチは、前記駆動レバーの回転範囲に向かって延びるラッチ駆動軸を有し、前記ポールは、前記駆動レバーの回転範囲に向かって延びるポール駆動軸を有し、前記駆動レバーは、前記ラッチ駆動軸を介して前記ラッチを駆動し、前記ポール駆動軸を介して前記ポールを駆動する態様1に記載の車両用ドアロック装置。
【0011】
車両用ドアロック装置は、駆動レバーからラッチとポールとに対して力を伝達するための構成をよりシンプルに構成できる。
[態様3]前記駆動レバーは、前記ポールを前記解除位置に向けて回転させるための力を前記ポール駆動軸に伝達不能な退避位置及び前記ポールを前記解除位置に向けて回転させるための力を前記ポール駆動軸に伝達可能な接近位置の間を前記軸方向に変位するものであり、前記クローズ方向に回転する場合には前記退避位置に変位する態様2に記載の車両用ドアロック装置。
【0012】
車両用ドアロック装置において、駆動レバーがクローズ方向に回転する場合には、駆動レバーが軸方向において退避位置に変位する。このため、車両用ドアロック装置は、駆動レバーがクローズ方向に回転する場合に、駆動レバーがポールを解除位置に向けて駆動することを抑制できる。
【0013】
[態様4]前記軸方向において、前記駆動レバーを前記退避位置から前記接近位置に向けて付勢するレバースプリングを備え、前記駆動レバーは、前記軸方向と交差する第1ポール摺動面を有し、前記ポール駆動軸は、前記駆動レバーが前記クローズ方向に回転するときに、前記第1ポール摺動面と摺動することにより、前記駆動レバーを前記接近位置から前記退避位置に変位させる態様3に記載の車両用ドアロック装置。
【0014】
車両用ドアロック装置において、駆動レバーがクローズ方向に回転する場合には、ポール駆動軸と駆動レバーの第1摺動面とが摺動する。その結果、駆動レバーは、退避位置に変位する。一方、駆動レバーがリリース方向に回転する場合には、駆動レバーは、レバースプリングの付勢力により接近位置に変位する。このため、車両用ドアロック装置は、クローズ方向に回転する場合に限り、駆動レバーを一時的に退避位置に変位させることができる。
【0015】
[態様5]前記ラッチの回転範囲は、前記フルラッチ位置及び前記アンラッチ位置の間の位置であって、前記ストライカに係止可能なハーフラッチ位置を含み、前記ポールは、前記係止位置において、前記ハーフラッチ位置に位置する前記ラッチに係止することにより前記ラッチの前記アンラッチ位置に向かう回転を規制し、前記解除位置において、前記ハーフラッチ位置に位置する前記ラッチから退避するものであり、前記駆動レバーは、前記軸方向に沿う第2ポール摺動面を有し、前記第2ポール摺動面は、前記駆動レバーが前記リリース方向に回転するときに、前記ポール駆動軸と摺動することにより、前記ポールを前記解除位置に変位させ、前記ラッチが少なくとも前記ハーフラッチ位置を過ぎるまで、前記ポールを前記解除位置に留める態様2~態様4の何れかに記載の車両用ドアロック装置。
【0016】
駆動レバーがリリース方向に回転する場合には、駆動レバーの第2ポール摺動面がポール駆動軸と摺動することにより、ポールが解除位置に変位する。こうして、ラッチがアンラッチ位置に向けて回転可能となる。ここで、ポールが解除位置から係止位置に即座に復帰すると、ハーフラッチ位置まで回転したラッチにポールが係止する可能性がある。つまり、ラッチがアンラッチ位置まで回転しなくなる可能性がある。この点、上記構成の車両用ドアロック装置は、駆動レバーをリリース方向に回転する場合、ラッチが少なくともハーフラッチ位置を過ぎるまでポールを解除位置に留めることができる。よって、車両用ドアロック装置は、駆動レバーをリリース方向に回転する場合、ラッチをアンラッチ位置まで回転させることができる。
【0017】
[態様6]前記ラッチの回転軸線及び前記駆動レバーの回転軸線は平行に延びており、前記駆動レバーが前記クローズ方向に回転することにより前記ラッチが前記フルラッチ位置まで回転した状況下において、車両用ドアロック装置を前記軸方向から見た場合、前記ラッチ駆動軸は、前記ラッチの回転軸線及び前記駆動レバーの回転軸線を結ぶ線分の延長線上に位置している態様2~態様5の何れかに記載の車両用ドアロック装置。
【0018】
ラッチをフルラッチ位置に向けて回転させるために必要なトルクは、ラッチがアンラッチ位置の近くに位置している場合よりも、ラッチがフルラッチ位置の近くに位置している場合のほうが、大きくなる傾向がある。この点、車両用ドアロック装置において、駆動レバーの回転によりラッチがフルラッチ位置まで回転したとき、ラッチ駆動軸は、ラッチの回転軸線及び駆動レバーの回転軸線を結ぶ線分の延長線上に位置している。よって、駆動レバーからラッチ駆動軸に伝達される力のうち、ラッチの回転方向の成分は、ラッチがフルラッチ位置の近くに位置するときほど大きくなる。その結果、車両用ドアロック装置は、ラッチをフルラッチ位置に向けて回転させるときの駆動レバーの作動効率を高めることができる。
【0019】
[態様7]前記駆動レバーは、電気モータによって、前記クローズ方向及び前記リリース方向に駆動されるものであり、車両用ドアロック装置を前記軸方向から見た場合において、前記駆動レバーの回転軸線から前記ラッチ駆動軸までの距離をアーム長としたとき、前記駆動レバーが前記クローズ方向に回転する場合、前記アーム長は次第に短くなる態様2~態様6の何れかに記載の車両用ドアロック装置。
【0020】
駆動レバーの回転軸線からラッチ駆動軸までの距離であるアーム長は、ラッチがフルラッチ位置に向かって回転するにつれて次第に短くなる。一方で、ラッチを回転させるために駆動レバーがラッチ駆動軸に伝達する力は、ラッチがフルラッチ位置に向かって回転するにつれて次第に大きくなる。したがって、車両用ドアロック装置は、駆動レバーをクローズ方向に回転させるときに、電気モータが出力するトルクの変動を抑制できる。つまり、車両用ドアロック装置は、電気モータの回転速度の変動を抑制できる。このため、車両用ドアロック装置は、電気モータの回転速度の変化に応じて、電気モータの作動音が変化することを抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
車両用ドアロック装置は、装置の体格が大きくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、ドアロック装置を備える車両の模式図である。
【
図2】
図2は、ドアロック装置とストライカとの斜視図である。
【
図3】
図3は、ドアロック装置の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、ドアロック装置の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、ドアロック装置の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、ドアロック装置の駆動レバーの底面図である。
【
図9】
図9は、アンラッチ状態のドアロック装置の正面図である。
【
図10】
図10は、ハーフラッチ状態のドアロック装置の正面図である。
【
図11】
図11は、クローズ作動中のドアロック装置の正面図である。
【
図12】
図12は、クローズ作動中のドアロック装置の正面図である。
【
図13】
図13は、クローズ作動中のドアロック装置の側面図である。
【
図14】
図14は、クローズ作動中のドアロック装置の正面図である。
【
図15】
図15は、クローズ作動中のドアロック装置の側面図である。
【
図16】
図16は、クローズ作動中のドアロック装置の正面図である。
【
図17】
図17は、クローズ作動中のドアロック装置の側面図である。
【
図18】
図18は、フルラッチ状態のドアロック装置の正面図である。
【
図19】
図19は、フルラッチ状態のドアロック装置の側面図である。
【
図20】
図20は、リリース作動中のドアロック装置の正面図である。
【
図21】
図21は、リリース作動中のドアロック装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、車両用ドアロック装置(以下「ドアロック装置」ともいう。)を備える車両の一実施形態について説明する。
<本実施形態の構成>
図1に示すように、車両10は、車体20と、スライドドア30と、を備える。
【0024】
<車体20>
図1に示すように、車体20は、側面に開口するドア開口部21を有する。車体20は、ストライカ22と、アッパレール23と、センターレール24と、ロアレール25と、ウェザーストリップ26と、を有する。
【0025】
ドア開口部21は、車両10に対して乗車したり降車したりするユーザが通過する部位である。ストライカ22は、ドア開口部21の後端であって、ドア開口部21の上下方向における中央部に配置されている。ストライカ22は、車両10の上下方向における平面視において、U字状をなしている。ストライカ22は、剛性の高い金属材料によって構成されることが好ましい。アッパレール23、センターレール24及びロアレール25は、前後方向に延びている。アッパレール23は、ドア開口部21の上方に配置されている。ロアレール25は、ドア開口部21の下方に配置されている。センターレール24は、ドア開口部21の後方であって、アッパレール23の下方かつロアレール25の上方に配置されている。ウェザーストリップ26は、ドア開口部21の縁に沿って配置されている。ウェザーストリップ26は、弾性を有するエラストマーによって構成されることが好ましい。
【0026】
<スライドドア30>
図1に示すように、スライドドア30は、ドア本体31と、ドア駆動装置32と、ドアロック装置100と、を備える。
【0027】
ドア本体31は、ドア開口部21に応じた形状をなしている。ドア本体31は、アッパレール23、センターレール24及びロアレール25を介して車体20に支持されている。ドア本体31は、アッパレール23、センターレール24及びロアレール25に沿って移動することにより、車体20に対して前後方向にスライドする。
【0028】
ドア駆動装置32は、例えば、駆動源としての電気モータと、電気モータの出力軸の回転運動をドア本体31の前後運動に変換する変換機構と、を含んで構成される。ドア駆動装置32は、ドア本体31の内部に収容されている。ドア駆動装置32は、ドア開口部21を全開する全開位置及びドア開口部21を全閉する全閉位置の間でスライドドア30を開閉作動する。本実施形態において、スライドドア30の開方向は前方であり、スライドドア30の閉方向は後方である。
【0029】
なお、スライドドア30が全閉位置に位置するとき、ウェザーストリップ26は車体20とスライドドア30との間で弾性的に圧縮される。こうして、ウェザーストリップ26は、車体20とスライドドア30との隙間を塞ぐ。
【0030】
<ドアロック装置100>
図1に示すように、ドアロック装置100は、ドア本体31の後端であって、ドア本体31の上下方向における中央部に配置されている。つまり、ドアロック装置100は、スライドドア30が全閉位置に位置するときに、ストライカ22と向かい合う位置に配置されている。
【0031】
図2及び
図3に示すように、ドアロック装置100は、メインベース110と、サブベース120と、インナーケース130と、ドアロック駆動部140と、を備える。
図4及び
図5に示すように、ドアロック装置100は、ラッチ150と、ポール160と、駆動レバー170と、補助レバー180と、を備える。また、ドアロック装置100は、ラッチ支持軸191と、ポール支持軸192と、レバー支持軸193と、ラッチスプリング194と、ポールスプリング195と、レバースプリング196と、を備える。
【0032】
以降の説明では、ラッチ支持軸191の軸方向を第1方向D1とし、第1方向D1と直交する方向を第2方向D2とし、第1方向D1及び第2方向D2の両方向と直交する方向を第3方向D3とする。本実施形態において、第2方向D2は、車両10の下方に相当している。
【0033】
<メインベース110、サブベース120及びインナーケース130>
図3に示すように、メインベース110は、メインプレート111及び支持プレート112を有する。メインプレート111は、第1方向D1を板厚方向とする矩形板状をなしている。メインプレート111には、ストライカ22が通過する溝が設けられている。メインプレート111は、ドア本体31に固定される部位である。支持プレート112は、メインプレート111と同じく、第1方向D1を板厚方向とする板状をなしている。支持プレート112は、メインプレート111と第1方向D1に間隔をあけて位置している。メインベース110は、例えば、金属板を曲げ加工することにより成形すればよい。
【0034】
図4及び
図5に示すように、サブベース120は、サブプレート121及び複数の固定プレート122を有する。サブプレート121は、第1方向D1を板厚方向とする板状をなしている。サブプレート121には、ストライカ22が通過する切り欠き及びドアロック装置100の構成部品が通る複数の貫通孔が設けられている。複数の固定プレート122は、第1方向D1を板厚方向とする板状をなしている。複数の固定プレート122は、サブプレート121と第1方向D1にずれて位置している。複数の固定プレート122は、メインベース110のメインプレート111における支持プレート112を向く面に固定されている。その結果、第1方向D1において、サブベース120のサブプレート121とメインベース110のメインプレート111との間には空間が存在している。サブベース120は、例えば、金属板をプレス加工することにより成形すればよい。
【0035】
インナーケース130は、サブベース120と同等の形状をなしている。インナーケース130は、ドアロック装置100の構成部品の一部を位置決めするための構成である。インナーケース130は、メインベース110のメインプレート111とサブベース120のサブプレート121との間に配置されている。インナーケース130は、例えば、樹脂材料による射出成形品であればよい。なお、インナーケース130は、省略することも可能である。
【0036】
<ドアロック駆動部140>
図2に示すように、ドアロック駆動部140は、電気モータ141と、ギアケース142と、を有する。ギアケース142の内部には、電気モータ141の出力軸の回転速度を減速する減速機構が収容されている。このため、ドアロック駆動部140の出力軸の回転速度は、電気モータ141の出力軸の回転速度よりも減速される。ドアロック駆動部140は、メインベース110の支持プレート112に固定されている。図示を省略するが、ドアロック駆動部140の出力軸は、第1方向D1を軸方向としている。
【0037】
<ラッチ150、ラッチ支持軸191及びラッチスプリング194>
図4及び
図5に示すように、ラッチ150は、ラッチ本体151と、ラッチ駆動軸152と、ラッチ付勢軸153と、を有する。ラッチ本体151は、第1方向D1を板厚方向としている。ラッチ本体151は、剛性の高い金属材料によって構成されることが好ましい。
【0038】
ラッチ本体151は、基部154と、基部154から延びる第1延設部155と、第1延設部155から延びる第2延設部156と、基部154から第2延設部156と略同方向に延びる第3延設部157と、を有する。また、ラッチ本体151は、ストライカ22が進入する係合溝158を有する。第1延設部155、第2延設部156及び第3延設部157は、第1方向D1と直交する方向に延びている。第1延設部155及び第2延設部156の先端は爪状をなしている。係合溝158は、ラッチ本体151において、第2延設部156及び第3延設部157の間の空間である。係合溝158の幅は、ストライカ22の軸径よりも僅かに大きくなっている。
【0039】
ラッチ駆動軸152及びラッチ付勢軸153は、ラッチ本体151から同方向に延びている。詳しくは、ラッチ駆動軸152は、ラッチ本体151の第1延設部155から第1方向D1に延びている。一方、ラッチ付勢軸153は、ラッチ本体151の基部154から第1方向D1に延びている。ラッチ駆動軸152及びラッチ付勢軸153は、円柱状をなしている。ラッチ駆動軸152の長さは、ラッチ付勢軸153の長さよりも長くなっている。
図3に示すように、ラッチ150は、メインベース110のメインプレート111とインナーケース130との間に配置されている。このとき、ラッチ付勢軸153は、サブベース120を避けて、メインベース110の支持プレート112に向かって延びている。
【0040】
図4及び
図5に示すように、ラッチ支持軸191は、ラッチ本体151の基部154を第1方向D1に貫通することにより、ラッチ150を回転可能に支持している。ラッチ支持軸191の第1端はベースのメインプレート111に固定され、ラッチ支持軸191の第2端はサブベース120のサブプレート121を貫通している。こうして、ラッチ150は、ストライカ22に係止可能なフルラッチ位置及びストライカ22に係止不能なアンラッチ位置の間で回転することが可能となる。
【0041】
ラッチスプリング194は、いわゆるアークスプリングである。
図7に示すように、ラッチスプリング194は、インナーケース130に収容される状態で、ラッチ付勢軸153を付勢している。こうして、ラッチスプリング194は、ラッチ150を第1回転方向R11に付勢している。ラッチスプリング194は、コイルスプリングなど、他の形状のスプリングであってもよい。
【0042】
<ポール160及びポール支持軸192>
図4及び
図5に示すように、ポール160は、ポール本体161と、ポール駆動軸162と、を有する。ポール本体161は、剛性の高い金属材料によって構成することが好ましい。ポール本体161は、第1方向D1を板厚方向としている。ポール本体161の先端は爪状をなしている。ポール本体161は、第1方向D1に貫通する矩形孔163を有する。矩形孔163は、ポール本体161の先端部に位置している。ポール駆動軸162は円柱状をなしている。ポール駆動軸162は、ポール本体161の先端部から第1方向D1に延びている。
図3に示すように、ポール160は、メインベース110のメインプレート111とインナーケース130との間に配置されている。このとき、ポール160は、ラッチ150と第2方向D2に並んでいる。また、ポール駆動軸162は、サブベース120を避けて、メインベース110の支持プレート112に向かって延びている。
【0043】
図4及び
図5に示すように、ポール支持軸192は、ポール本体161の基端部を第1方向D1に貫通することにより、ポール160を回転可能に支持している。ポール支持軸192の第1端はベースのメインプレート111に固定され、ポール支持軸192の第2端はサブベース120のサブプレート121を貫通している。こうして、ポール160は、ラッチ150に係止する係止位置及びラッチ150から退避する解除位置の間を回転することが可能となる。ポール160が係止位置においてラッチ150に係止する場合、ラッチ150のアンラッチ位置に向かう回転が規制される。
【0044】
<駆動レバー170、レバー支持軸193及びレバースプリング196>
図4~
図6に示すように、駆動レバー170は、平板部171と、膨出部172と、屈曲部173と、ラッチ摺動面174と、第1ポール退避面175と、第1ポール摺動面176と、第2ポール摺動面177と、を備える。また、駆動レバー170は、係合孔178を備える。駆動レバー170は、例えば、金属板をプレス加工することにより成形すればよい。
【0045】
平板部171は、第1方向D1を板厚方向とする板状をなしている。平板部171は、第1方向D1から見たとき、扇状をなしている。係合孔178は、平板部171を第1方向D1に貫通している。係合孔178は、第1方向D1から見て、六角形状をなしている。膨出部172は、平板部171に対して第1方向D1に膨らむ部分である。屈曲部173は、平板部171の係合孔178から離れた外縁から第1方向D1に屈曲する部分である。
【0046】
図6に示すように、ラッチ摺動面174は、平板部171の第1方向D1に沿う面である。平板部171を第1方向D1から見たとき、ラッチ摺動面174は、直線状に延びている。第1ポール退避面175は、第1方向D1と直交する平面であり、膨出部172の底面である。第1ポール摺動面176は、第1ポール摺動面176aと、第1ポール摺動面176bと、を含む。第1ポール摺動面176aは第1方向D1と直交しない平面であり、第1ポール摺動面176bは第1方向D1と直交する平面である。第1ポール摺動面176aは膨出部172の底面であり、第1ポール摺動面176bは平板部171の底面である。第1ポール摺動面176aは、第1ポール退避面175及び第1ポール摺動面176bを接続している。第2ポール摺動面177は、屈曲部173の第1方向D1に沿う面である。第2ポール摺動面177は、第2ポール摺動面177aと、第2ポール摺動面177bと、を含む。第1方向D1から見たとき、第2ポール摺動面177aは、ラッチ摺動面174と略平行に延びている。一方、第2ポール摺動面177bは、係合孔178の軸線を中心とする円弧状に延びている。また、第2ポール摺動面177aは、第2ポール摺動面177bと接続している。第1ポール摺動面176及び第2ポール摺動面177は「ポール摺動面」に相当している。
【0047】
図4及び
図5に示すように、レバー支持軸193は、柱状をなす軸部193aと、軸部193aの先端に位置する頭部193bと、を有する。軸部193aの軸方向と直交する断面形状は六角形状をなしている。つまり、軸部193aの断面形状は、駆動レバー170の係合孔178の形状と対応している。軸部193aの外径は、駆動レバー170の係合孔178の内径よりも僅かに小さくなっている。頭部193bは、円板状をなしている。頭部193bの外径は、駆動レバー170の係合孔178の内径よりも大きくなっている。レバー支持軸193は、駆動レバー170の係合孔178を挿通した状態で、ドアロック駆動部140の出力軸に接続している。ここで、駆動レバー170の係合孔178の断面形状及びレバー支持軸193の軸部193aの断面形状は、ともに非円形である。このため、駆動レバー170は、レバー支持軸193に対して、相対回転不能となっている。言い換えれば、駆動レバー170は、レバー支持軸193とともに回転可能となっている。一方、駆動レバー170は、レバー支持軸193に対して、レバー支持軸193の軸方向である第1方向D1に変位可能となっている。
【0048】
レバースプリング196は、いわゆるコイルスプリングである。レバースプリング196には、駆動レバー170とともにレバー支持軸193が挿通されている。つまり、レバースプリング196は、ドアロック駆動部140と駆動レバー170との間で圧縮されている。よって、レバースプリング196は、駆動レバー170をレバー支持軸193の頭部193bに向けて付勢している。
【0049】
図8に示すように、駆動レバー170は、第1方向D1において、サブベース120との間に間隔が生じた状態でレバー支持軸193に支持されている。この点で、駆動レバー170は、第1方向D1において、ラッチ150及びポール160と間隔をあけた状態で並んでいるといえる。
図7及び
図8に示すように、第1方向D1において、ラッチ駆動軸152及びポール駆動軸162は、駆動レバー170の回転範囲に向かって延びている。このため、駆動レバー170が回転すると、駆動レバー170は、ラッチ駆動軸152及びポール駆動軸162に接触し得る。駆動レバー170がレバー支持軸193に支持される状態では、駆動レバー170の膨出部172は、ラッチ150及びポール160に底面を向けている。つまり、第1方向D1において、第1ポール退避面175とポール160との距離は、第1ポール摺動面176とポール160との距離よりも長くなっている。
【0050】
上述したように、駆動レバー170は、レバー支持軸193に対して、第1方向D1に変位することができる。以降では、第1方向D1において、ポール160に最も接近するときの駆動レバー170の位置を接近位置といい、ポール160から退避するときの駆動レバー170の位置を退避位置という。
【0051】
<補助レバー180及びポールスプリング195>
図4及び
図5に示すように、補助レバー180は、中間プレート181、連結プレート182及び係止プレート183を有する。補助レバー180は、例えば、金属板を曲げ加工することにより成形すればよい。
【0052】
中間プレート181は、第1方向D1を板厚方向とする板状をなしている。連結プレート182及び係止プレート183は、中間プレート181から第1方向D1に沿って延びている。ただし、連結プレート182及び係止プレート183の延びる方向は逆方向となっている。
【0053】
図7に示すように、補助レバー180の中間プレート181には、ポール支持軸192が第1方向D1に貫通している。こうして、補助レバー180は、ポール支持軸192によって回転可能に支持されている。ポール支持軸192はポール160を回転可能に支持しているため、補助レバー180及びポール160は同一の軸線回りに回転する。また、第1方向D1において、補助レバー180の連結プレート182は、ポール160の矩形孔163に挿入されている。このため、補助レバー180に作用するトルクはポール160にも作用し、ポール160に作用するトルクは補助レバー180にも作用する。
【0054】
ポールスプリング195は、いわゆるコイルスプリングである。ポールスプリング195のコイルの第1端から延びる部分はサブベース120に係止し、ポールスプリング195のコイルの第2端から延びる部分は補助レバー180の係止プレート183に係止している。こうして、ポールスプリング195は、補助レバー180を第2回転方向R22に付勢している。ポール160と補助レバー180とは一体に回転可能であるため、ポールスプリング195は、ポール160を第2回転方向R22に付勢しているといえる。
【0055】
<本実施形態の作用>
ドアロック装置100は、スライドドア30の閉作動時にラッチ150をストライカ22に係止させるクローズ作動と、スライドドア30の開作動時にストライカ22に対するラッチ150の係止を解除させるリリース作動と、を実施する。以下、クローズ作動時及びリリース作動時におけるドアロック装置100の作用について説明する。
【0056】
<クローズ作動時のドアロック装置100の作用>
スライドドア30が全開位置などに位置する場合には、
図7に示すように、ラッチ150は、ラッチスプリング194の付勢力によって、ラッチ150の回転範囲において最も第1回転方向R11に回転するアンラッチ位置に位置している。また、ポール160は、ポールスプリング195の付勢力によって、ポール160の回転範囲において最も第2回転方向R22に回転する係止位置に位置している。また、駆動レバー170は、駆動レバー170の回転範囲において最もリリース方向R31に回転している。さらに、
図8に示すように、駆動レバー170は、第1方向D1において、最もラッチ150及びポール160に接近する接近位置に位置している。言い換えれば、駆動レバー170は、レバー支持軸193の頭部193bに接している。
【0057】
図9に示すように、ドア駆動装置32によりスライドドア30が全閉位置の近傍まで閉作動されると、ストライカ22がラッチ150の第2延設部156に接触する。ストライカ22がラッチ150の第2延設部156に接触した後も、スライドドア30の閉作動が継続されると、ストライカ22がラッチ150の第2延設部156を押すことにより、ラッチ150がアンラッチ位置から第2回転方向R12に回転し始める。このとき、ポール160は、ラッチ150の第1延設部155と摺動しつつ、第1回転方向R21に回転する。
【0058】
図10に示すように、ポール160がラッチ150の第1延設部155と摺動しなくなると、ポール160がポールスプリング195の付勢力に従い、第2回転方向R22に回転する。つまり、ポール160は、ラッチ150の第1延設部155に係止する係止位置に復帰する。このため、ラッチ150は、アンラッチ位置に向けて第1回転方向R11に回転できなくなる。以降では、
図10に示すラッチ150の位置をハーフラッチ位置という。ラッチ150がハーフラッチ位置まで回転すると、ドア駆動装置32によるスライドドア30の駆動が終了され、ドアロック駆動部140はクローズ作動を開始する。
【0059】
なお、ドア駆動装置32がスライドドア30の駆動を終了するタイミング、つまり、ドアロック駆動部140がクローズ作動を開始するタイミングは、ラッチ150がハーフラッチ位置に到達する前であってもよい。例えば、ドアロック駆動部140がクローズ作動を開始するタイミングは、ラッチ150の第1延設部155との摺動によって、ポール160が第1回転方向R11に回転し始めるタイミングであってもよい。
【0060】
図11に示すように、クローズ作動において、ドアロック駆動部140は、駆動レバー170をクローズ方向R32に回転させる。すると、駆動レバー170のラッチ摺動面174がラッチ150のラッチ駆動軸152に接触する。駆動レバー170がラッチ駆動軸152に接触した後は、駆動レバー170の回転に応じて、駆動レバー170からラッチ駆動軸152に力(以下「ラッチ駆動力F」ともいう。)が伝達される。よって、ラッチ150は、ラッチ駆動力Fにより第2回転方向R12に回転する。また、駆動レバー170からラッチ駆動力Fが伝達される際には、駆動レバー170のラッチ摺動面174とラッチ駆動軸152とが摺動する。なお、以降の図では、一部の図面を除きラッチ駆動力Fの図示を省略している。
【0061】
図12及び
図13に示すように、駆動レバー170がクローズ方向R32に回転する場合には、第1方向D1から見たときに、駆動レバー170の第1ポール退避面175とポール駆動軸162とが重なる。ただし、
図13に示すように、第1方向D1において、駆動レバー170の第1ポール退避面175とポール駆動軸162との間には、隙間が存在している。このため、駆動レバー170からポール駆動軸162に力が伝達されない。
【0062】
図14及び
図15に示すように、駆動レバー170のクローズ方向R32への回転が継続されると、第1方向D1から見たときに、駆動レバー170の第1ポール摺動面176aとポール駆動軸162とが重なる。
図15に示すように、第1方向D1において、駆動レバー170の第1ポール摺動面176aとポール駆動軸162との間には隙間が存在していない。このため、
図14及び
図15に示す状態から駆動レバー170がクローズ方向R32に回転すると、駆動レバー170の第1ポール摺動面176aとポール駆動軸162の先端が摺動する。ここで、駆動レバー170の第1ポール摺動面176aは、駆動レバー170の回転方向に対して傾いている。また、ポール160は、第1方向D1に変位不能にポール支持軸192に支持されている一方で、駆動レバー170は、第1方向D1に変位可能にレバー支持軸193に支持されている。
【0063】
したがって、
図14及び
図15に示す状態から駆動レバー170がクローズ方向R32に回転すると、第1方向D1において、駆動レバー170がポール160から離れる方向に変位する。ここで、駆動レバー170がクローズ方向R32に回転する場合には、ポール160を第1回転方向R21に回転させるほどの力が駆動レバー170から伝達されない。その結果、ポール160は、第2回転方向R12に回転するラッチ150の第2延設部156と摺動する状態が維持される。
【0064】
図16及び
図17に示すように、駆動レバー170のクローズ方向R32への回転が継続されると、第1方向D1から見たときに、駆動レバー170の第1ポール摺動面176bとポール駆動軸162とが重なる。
図17に示すように、駆動レバー170の第1ポール摺動面176bは、第1方向D1と直交している。このため、駆動レバー170の第1ポール摺動面176bとポール駆動軸162とが摺動する場合には、駆動レバー170の第1方向D1における位置が変化しない。以降では、
図16及び
図17に示す駆動レバー170の第1方向D1における位置を退避位置という。退避位置は、駆動レバー170が回転しても、ポール160を解除位置に向けて回転させるための力をポール駆動軸162に伝達不能な位置である。
【0065】
なお、
図17に示すように、駆動レバー170が退避位置に変位する場合には、第1方向D1において、駆動レバー170がポール160から遠ざかるだけでなくラッチ150からも遠ざかる。ただし、ラッチ駆動軸152はポール駆動軸162よりも長いため、駆動レバー170が退避位置に変位する場合であっても、第1方向D1において、駆動レバー170のラッチ摺動面174とラッチ駆動軸152とは摺動できる位置関係にある。
【0066】
図18に示す位置まで駆動レバー170がクローズ方向R32に回転すると、ラッチ150及びポール160の摺動関係が変化する。詳しくは、ポール160がラッチ150の第2延設部156と摺動しなくなることで、ポール160は、ポールスプリング195の付勢力に従い、第2回転方向R22に回転する。つまり、ポール160は、ラッチ150の第2延設部156に係止する係止位置に復帰する。このため、ラッチ150は、アンラッチ位置に向けて第1回転方向R11に回転できなくなる。以降では、
図18に示すラッチ150の位置をフルラッチ位置という。ラッチ150がフルラッチ位置まで回転すると、駆動レバー170が停止される。つまり、ドアロック装置100によるクローズ作動が完了する。ラッチ150がフルラッチ位置まで回転すると、スライドドア30が全閉位置において車体20に拘束される。
【0067】
図18に細線で示すように、ラッチ150がフルラッチ位置まで回転した状況下において、ラッチ駆動軸152は、ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線を結ぶ線分の延長線上に位置している。
【0068】
また、
図18及び
図19に示す位置まで駆動レバー170がクローズ方向R32に回転すると、駆動レバー170の第1ポール摺動面176bがポール駆動軸162と摺動しなくなる。すると、ポール駆動軸162が駆動レバー170を第1方向D1に押さなくなるため、駆動レバー170は、レバースプリング196の付勢力に従い、接近位置に復帰する。つまり、駆動レバー170は、第1方向D1において、ポール160に接近する方向に変位する。駆動レバー170が接近位置に復帰すると駆動レバー170の第2ポール摺動面177bがポール駆動軸162と向かい合う。接近位置は、駆動レバー170が回転することにより、ポール160を解除位置に向けて回転させるための力をポール駆動軸162に伝達可能な位置である。
【0069】
続いて、クローズ作動時において、ラッチ150に対するラッチ駆動力Fの作用態様の変化に付いて説明する。
本実施形態のドアロック装置100において、ラッチ150と駆動レバー170とは異なる回転軸線回りに回転する。このため、駆動レバー170がラッチ駆動軸152に伝達する力、すなわちラッチ駆動力Fの全てがラッチ150を回転させるトルクになるとは限らない。また、ラッチ駆動力Fのうち、ラッチ150を回転させるトルクとなる成分(以下「回転方向成分」という。)は、駆動レバー170の回転に応じて変化する。詳しくは、
図11に示すように、ラッチ150がハーフラッチ位置に位置するときに回転方向成分は最も小さくなり、
図18に示すように、ラッチ150がフルラッチ位置に位置するときに回転方向成分は最も大きくなる。同様に、駆動レバー170の回転軸線からラッチ駆動軸152までの距離であるアーム長Lnは、駆動レバー170の回転に応じて変化する。詳しくは、
図11に示すように、ラッチ150がハーフラッチ位置に位置するときにアーム長Lnは最も長くなり、
図18に示すように、ラッチ150がフルラッチ位置に位置するときにアーム長Lnは最も短くなる。
【0070】
<リリース作動時のドアロック装置100の作用>
図18に示すように、スライドドア30が全閉位置に位置する場合には、ラッチ150は、ラッチ150の回転範囲において最も第2回転方向R12に回転するフルラッチ位置に位置している。また、ポール160は、フルラッチ位置に位置するラッチ150に係止する係止位置に位置している。また、駆動レバー170は、駆動レバー170の回転範囲において最もクローズ方向R32に回転している。さらに、駆動レバー170は、第1方向D1において、最もラッチ150及びポール160に接近する接近位置に位置している。
【0071】
ドア駆動装置32によりスライドドア30を開作動させる場合には、ストライカ22に対するラッチ150の係止状態を解除する必要がある。このため、ドア駆動装置32がスライドドア30を開作動させる前に、ドアロック装置100がリリース作動を実施する。
【0072】
図18に示すように、リリース作動において、ドアロック駆動部140は、駆動レバー170をリリース方向R31に回転させる。すると、駆動レバー170の第2ポール摺動面177aがポール160のポール駆動軸162に接触する。駆動レバー170がポール駆動軸162に接触した後は、駆動レバー170の回転に応じて、駆動レバー170からポール駆動軸162に力が伝達される。よって、ポール160は、ポール駆動軸162を介して駆動レバー170から伝達される力により第1回転方向R21に回転する。また、駆動レバー170からポール160に力が伝達される際には、駆動レバー170の第2ポール摺動面177aとポール駆動軸162とが摺動する。駆動レバー170の回転に応じて、駆動レバー170におけるポール駆動軸162との摺動位置が変化する。
【0073】
図20に示すように、ポール160が解除位置まで回転すると、ポール160がラッチ150の第2延設部156に係止しなくなる。その結果、ラッチ150は、ラッチスプリング194の付勢力により、第1回転方向R11に回転可能な状態となる。ただし、ラッチ150が第1回転方向R11に回転する場合には、ラッチ駆動軸152が駆動レバー170のラッチ摺動面174に接触するため、ラッチ駆動軸152は即座にアンラッチ位置まで回転することはない。
【0074】
図21に示すように、駆動レバー170の回転が継続されると、駆動レバー170の第2ポール摺動面177aとポール駆動軸162との摺動が完了し、駆動レバー170の第2ポール摺動面177bとポール駆動軸162との摺動が開始する。
図21に示すように、第2ポール摺動面177bとポール駆動軸162が摺動する場合には、駆動レバー170はポール160を解除位置に留める。このため、ポール160が係止位置に復帰できない状態が維持される。図示を省略するが、ラッチ150がハーフラッチ位置を過ぎると、駆動レバー170の第2ポール摺動面177bとポール駆動軸162とが摺動しなくなる。その結果、ポール160は、係止位置に復帰する。ポール160が係止位置に復帰するタイミングは、ラッチ150がハーフラッチ位置を過ぎたタイミングであるため、ポール160がハーフラッチ位置に位置するラッチ150に係止することはない。
【0075】
図9に示すように、ラッチ150がアンラッチ位置まで回転すると、駆動レバー170が停止される。つまり、ドアロック装置100によるリリース作動が完了する。ラッチ150がアンラッチ位置まで回転すると、スライドドア30の車体20に対する拘束が解除される。つまり、ドア駆動装置32は、スライドドア30を開作動可能となる。
【0076】
<本実施形態の効果>
(1)ドアロック装置100において、ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線は同方向に延びている。このため、ドアロック装置100は、ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線が交差する場合に比較して、駆動レバー170からラッチ150に対する動力の伝達経路をシンプルに構成できる。したがって、電気モータ141の動力がラッチ150に伝わるまでの伝達効率が高くなりやすく、ドアロック駆動部140は、減速比を大きくしなくてもラッチ150を駆動するためのトルクを確保しやすい。その結果、電気モータ141からラッチ150までの動力伝達部材の体格を大きくする必要がなくなる。また、駆動レバー170は、ラッチ150及びポール160に対して第1方向D1に並んでいる。このため、第1方向D1において、駆動レバー170をラッチ150及びポール160に対して接近させて配置できる。よって、ドアロック装置100は、装置の体格が大きくなることを抑制できる。
【0077】
(2)駆動レバー170は、ラッチ本体151から延びるラッチ駆動軸152を介してラッチ150を駆動したり、ポール本体161から延びるポール駆動軸162を介してポール160を駆動したりできる。このため、ドアロック装置100は、駆動レバー170からラッチ150及びポール160に対して力を伝達するための構成をよりシンプルに構成できる。
【0078】
(3)駆動レバー170は、第1方向D1において、接近位置及び退避位置の間で変位可能に構成される。そして、ドアロック装置100がクローズ作動を実施する場合、すなわち、駆動レバー170がクローズ方向R32に回転する場合には、駆動レバー170は第1方向D1において退避位置に変位する。このため、ドアロック装置100は、クローズ作動時には、駆動レバー170をポール駆動軸162に干渉させることなく、駆動レバー170でラッチ150を駆動できる。
【0079】
(4)ドアロック装置100がクローズ作動を実施する場合、すなわち、駆動レバー170がクローズ方向R32に回転する場合には、ポール駆動軸162と駆動レバー170の第1ポール摺動面176a,176bと摺動する。その結果、駆動レバー170は、第1方向D1において、接近位置から退避位置に変位したり、退避位置に留められたりする。このため、ドアロック装置100は、新たな構成部品を追加することなく、クローズ方向R32に回転する駆動レバー170を退避位置に変位させることができる。
【0080】
(5)ドアロック装置100がクローズ作動を実施する場合には、ラッチ150がフルラッチ位置に向かって回転する。そして、ラッチ150がハーフラッチ位置からフルラッチ位置に向かって回転する場合には、ラッチスプリング194の弾性変形量が次第に増大する。また、ラッチ150がハーフラッチ位置からフルラッチ位置に向かって回転する場合には、スライドドア30が全閉位置に向かって移動する点で、ウェザーストリップ26の弾性変形量が次第に増大する。こうした点で、ラッチ150をフルラッチ位置の付近で第2回転方向R12に回転させるのに必要なトルクは、ラッチ150をハーフラッチ位置の付近で第2回転方向R12に回転させるのに必要なトルクよりも大きくなる傾向がある。
【0081】
この点、ラッチ150がフルラッチ位置まで回転したとき、ラッチ駆動軸152は、ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線を結ぶ線分の延長線上に位置している。一方、ラッチ150がハーフラッチ位置及びフルラッチ位置の手前の位置の間に位置するとき、ラッチ駆動軸152は、ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線を結ぶ線分の延長線上に位置していない。つまり、駆動レバー170からラッチ駆動軸152に伝達される力であるラッチ駆動力Fのうち、ラッチ150の回転方向成分は、ラッチ150がフルラッチ位置の近くに位置するときほど大きくなる。このため、ドアロック装置100は、ラッチ150をフルラッチ位置に向けて回転させるときの駆動レバー170の作動効率を高めることができる。
【0082】
(6)ドアロック装置100がクローズ作動を実施する場合には、駆動レバー170の回転に応じて、駆動レバー170におけるラッチ駆動軸152との接点が次第に変化する。詳しくは、駆動レバー170の回転軸線からラッチ駆動軸152までの距離であるアーム長Lnは、ラッチ150がハーフラッチ位置からフルラッチ位置に向かって回転するにつれて次第に短くなる。その一方で、上述したように、ラッチ150を回転させるために駆動レバー170がラッチ駆動軸152に伝達する力であるラッチ駆動力Fは、ラッチ150がハーフラッチ位置からフルラッチ位置に向かって回転するにつれて次第に大きくなる。つまり、ラッチ150がハーフラッチ位置からフルラッチ位置に回転する場合には、ラッチ駆動力Fが大きくなる一方でアーム長Lnが短くなる。その結果、ドアロック装置100がクローズ作動しているときに、駆動レバー170を駆動する電気モータ141のトルクの変動を抑制できる。つまり、ドアロック装置100は、電気モータ141の回転速度の変動を抑制できる。このため、ドアロック装置100は、電気モータ141の回転速度の変化に応じて、電気モータ141の作動音が変化することを抑制できる。
【0083】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0084】
・車体20は、ドア開口部21の前端部に固定されるストライカ22を有してもよい。この場合、ドアロック装置100は、上記のストライカ22に係止できるように、ドア本体31の前端部に設置されることが好ましい。
【0085】
・ドアロック装置100は、ドア駆動装置32とラッチ支持軸191との間に、遊星歯車機構などの減速機構を備えてもよい。
・ポール160は、係止位置及び解除位置の間を直動するように構成することもできる。
【0086】
・上記実施形態において、駆動レバー170は、クローズ方向R32に回転するときに、ポール駆動軸162と摺動することによって、第1方向D1における位置が退避位置に変化する。他の実施形態において、駆動レバー170は、例えば、サブベース120の切り起こしなどと摺動することによって、第1方向D1における位置が退避位置に変化するようにしてもよい。
【0087】
・ポール160の構造及び駆動レバー170の構造は、次の条件を満たすのであれば適宜に変更可能である。第1に、駆動レバー170がクローズ方向R32に回転するときに、駆動レバー170から伝達される力に基づきポール160が解除位置に向かって回転しないこと。第2に、駆動レバー170がリリース方向R31に回転するときに、駆動レバー170から伝達される力に基づきポール160が解除位置まで回転すること。第3に、駆動レバー170がリリース方向R31に回転するときに、ラッチ150がハーフラッチ位置を通過するまで、ポール160が係止位置に復帰しないこと。
【0088】
・一例として、駆動レバー170は、第1方向D1において、退避位置及び接近位置の間で変位できなくてもよい。この場合、ポール駆動軸162は、クローズ方向R32に回転する駆動レバー170との接触により倒れる一方、リリース方向R31に回転する駆動レバー170との接触により倒れないように構成してもよい。
【0089】
・ラッチ150と駆動レバー170とは、同一の回転軸線上で回転するように構成してもよい。この場合、駆動レバー170がクローズ方向R32に回転するときに、駆動レバー170の回転に応じてアーム長Lnが変化しないようにできる。また、駆動レバー170からラッチ駆動軸152に伝達される力であるラッチ駆動力Fの回転方向成分が変化しないようにできる。
【0090】
・ストライカ22をドア本体31に設置するとともに、ドアロック装置100を車体20に設置してもよい。
・上記実施形態において、ラッチ150の回転軸線及び駆動レバー170の回転軸線は、ともに第1方向D1に延びている。ドアロック装置100の製造時における誤差などにより、ラッチ150の回転軸線は駆動レバー170の回転軸線に対して僅かに傾いていてもよい。ラッチ150の回転軸線及びポール160の回転軸線についても同様である。
【0091】
・スライドドア30の開方向は後方であってもよい。つまり、スライドドア30の閉方向は前方であってもよい。
・開閉体は、車両10の任意の開口部を開閉する開閉体であってもよい。例えば、開閉体は、運転席及び助手席にアクセスするための開口部を開閉するフロントドアであってもよいし、車体20の後部に開口する開口部を開閉するバックドアであってもよい。また、開閉体は、エンジンルームにアクセスするための開口部を開閉するボンネットパネルであってもよい。そして、ドアロック装置100は、こうした開閉体を車体20に対して拘束するために用いることができる。
【符号の説明】
【0092】
10…車両
20…車体
21…ドア開口部
22…ストライカ
30…スライドドア
100…ドアロック装置
110…メインベース
120…サブベース
130…インナーケース
140…ドアロック駆動部
141…電気モータ
150…ラッチ
152…ラッチ駆動軸
153…ラッチ付勢軸
160…ポール
162…ポール駆動軸
170…駆動レバー
174…ラッチ摺動面
175…第1ポール退避面
176(176a,176b)…第1ポール摺動面(ポール摺動面)
177(177a,177b)…第2ポール摺動面(ポール摺動面)
191…ラッチ支持軸
192…ポール支持軸
193…レバー支持軸
194…ラッチスプリング
195…ポールスプリング
196…レバースプリング