(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110649
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/22 20060101AFI20240808BHJP
B65D 1/26 20060101ALI20240808BHJP
B65D 1/34 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B65D43/22 100
B65D1/26
B65D1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015353
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高山 晃一
【テーマコード(参考)】
3E033
3E084
【Fターム(参考)】
3E033AA09
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA18
3E033DA08
3E033DD01
3E033EA05
3E033FA04
3E033GA03
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA25
3E084AA26
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA03
3E084DB13
3E084EC04
3E084EC05
3E084FC04
3E084FC09
3E084GA06
3E084GB06
3E084LA18
3E084LB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】包装用容器に外方から衝撃が加わっても、容器本体から蓋体が外れることを抑制する。
【解決手段】包装用容器は、容器本体と、容器本体に被さる蓋体と、を備え、容器本体は、底面部と、底面部から立ち上がる第1周壁部と、第1周壁部から下方に折り返された第1垂下部と、第1垂下部から外方に向けて設けられた第1フランジと、を有し、蓋体は、天面部と、天面部から容器本体側に垂下する第2周壁部と、第1垂下部の外側で第2周壁部から下方に延びる第2垂下部と、第2垂下部から外方に向けて設けられた第2フランジと、を有し、第1垂下部は、第1垂下部から外方に凸部を有する第1波形状を有し、第2垂下部は、第2垂下部から内方に凸部を有する第2波形状を有し、第1フランジは、一部が第1フランジの水平面に対して垂直方向に変形する本体固定部を有し、第2フランジは、一部が第2フランジの水平面に対して垂直方向に変形する蓋体固定部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に被さる蓋体と、を備え、
前記容器本体は、
底面部と、前記底面部から立ち上がる第1周壁部と、前記第1周壁部から下方に折り返された第1垂下部と、前記第1垂下部から外方に向けて設けられた第1フランジと、を有し、
前記蓋体は、
天面部と、前記天面部から前記容器本体側に垂下する第2周壁部と、前記第1垂下部の外側で前記第2周壁部から下方に延びる第2垂下部と、前記第2垂下部から外方に向けて設けられた第2フランジと、を有し、
前記第1垂下部は、前記第1垂下部から外方に凸部を有する第1波形状を有し、
前記第2垂下部は、前記第2垂下部から内方に凸部を有する第2波形状を有し、
前記第1フランジは、前記第1フランジの一部が前記第1フランジの水平面に対して垂直方向に変形する本体固定部を有し、
前記第2フランジは、前記第2フランジの一部が前記第2フランジの水平面に対して垂直方向に変形する蓋体固定部を有し、
閉蓋状態で、前記第2波形状の凸部は、前記第1波形状の凸部よりも下側に位置するとともに、前記第2波形状の凸部と前記第1波形状の凸部とは、互いに上下方向に重なる位置関係となり、前記本体固定部と前記蓋体固定部とが嵌合する、包装用容器。
【請求項2】
前記容器本体及び前記蓋体は、略矩形状であり、
前記本体固定部は、第1本体固定部及び第2本体固定部を含み、
前記蓋体固定部は、第1蓋体固定部及び第2蓋体固定部を含み、
前記第1本体固定部と前記第2本体固定部との間に前記第1波形状が設けられ、
前記第1蓋体固定部と前記第2蓋体固定部との間に前記第2波形状が設けられる、請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記容器本体と前記蓋体とを接続するヒンジ部をさらに有し、
前記第1波形状及び前記第2波形状は、前記ヒンジ部に対向する位置に設けられる、請求項1に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記第1垂下部は、前記本体固定部の近傍に前記第1垂下部の外方に凸部を有する第3波形状をさらに有し、
前記第2垂下部は、前記蓋体固定部の近傍に前記第2垂下部の内方に第1線状の凸部をさらに有し、
閉蓋状態で、前記第1線状の凸部は、前記第3波形状の凸部よりも下側に位置するとともに、前記第1線状の凸部と前記第3波形状の凸部とは、互いに上下方向に重なる位置関係となる、請求項1に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記第1垂下部は、前記第3波形状を挟むように設けられた第2線状の凸部及び第3線状の凸部をさらに有し、
前記第2垂下部は、前記第1線状の凸部を挟むように設けられた第4線状の凸部及び第5線状の凸部をさらに有し、
閉蓋状態で、前記第4線状の凸部及び前記第5線状の凸部は、前記第2線状の凸部及び前記第3線状の凸部よりも下側に位置するとともに、前記第4線状の凸部及び前記第5線状の凸部と前記第2線状の凸部及び前記第3線状の凸部とは、互いに上下方向に重なる位置関係となる、請求項4に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品などを収容する包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包装用容器は、食品等を入れる容器本体と、この容器本体にヒンジ部を介して設けられた蓋体と、からなり、蓋体が容器本体の横から容器本体の上まで移動させて蓋体を閉じている。例えば、特許文献1のように、包装用容器のコーナー部において、容器本体と蓋体との双方に突起を形成して、互いに嵌合させることにより、蓋をした状態を維持することが知られている。
【0003】
ところで、食品を包装用容器に収容して自動販売機で販売する場合、ユーザが食品を選択すると、包装用容器が自動販売機の内部にぶつかりながら落下する。このとき、包装用容器に外方から大きな衝撃が加わることで、容器本体から蓋が外れてしまうことが生じる。そのため、容器本体に蓋を閉じた後、容器本体と蓋とを熱融着することで固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装用容器において、容器本体と蓋体とを熱融着して密封することにより、食品を容器本体に収容する際の手間が増加してしまう。また、ユーザが包装用容器から食品を取り出す際に、容器本体と蓋体とが固く接着されることで開けづらく、蓋体を摘んで開封する際に力の加わり方によっては蓋を破損させるという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態では、包装用容器に外方から衝撃が加わっても、容器本体から蓋体が外れることを抑制することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る包装用容器は、容器本体と、容器本体に被さる蓋体と、を備え、容器本体は、底面部と、底面部から立ち上がる第1周壁部と、第1周壁部から下方に折り返された第1垂下部と、第1垂下部から外方に向けて設けられた第1フランジと、を有し、蓋体は、天面部と、天面部から容器本体側に垂下する第2周壁部と、第1垂下部の外側で第2周壁部から下方に延びる第2垂下部と、第2垂下部から外方に向けて設けられた第2フランジと、を有し、第1垂下部は、第1垂下部から外方に凸部を有する第1波形状を有し、第2垂下部は、第2垂下部から内方に凸部を有する第2波形状を有し、第1フランジは、第1フランジの一部が第1フランジの水平面に対して垂直方向に変形する本体固定部を有し、第2フランジは、第2フランジの一部が第2フランジの水平面に対して垂直方向に変形する蓋体固定部を有し、閉蓋状態で、第2波形状の凸部は、第1波形状の凸部よりも下側に位置するとともに、第2波形状の凸部と第1波形状の凸部とは、互いに上下方向に重なる位置関係となり、本体固定部と蓋体固定部とが嵌合する。
【0008】
上記の構成において、容器本体及び蓋体は、略矩形状であり、本体固定部は、第1本体固定部及び第2本体固定部を含み、蓋体固定部は、第1蓋体固定部及び第2蓋体固定部を含み、第1本体固定部と第2本体固定部との間に第1波形状が設けられ、第1蓋体固定部と第2蓋体固定部との間に第2波形状が設けられる。
【0009】
上記の構成において、容器本体と蓋体とを接続するヒンジ部をさらに有し、第1波形状及び第2波形状は、ヒンジ部に対向する位置に設けられる。
【0010】
上記の構成において、第1垂下部は、本体固定部の近傍に第1垂下部の外方に凸部を有する第3波形状をさらに有し、第2垂下部は、蓋体固定部の近傍に第2垂下部の内方に第1線状の凸部をさらに有し、閉蓋状態で、第1線状の凸部は、第3波形状の凸部よりも下側に位置するとともに、第1線状の凸部と第3波形状の凸部とは、互いに上下方向に重なる位置関係となる。
【0011】
上記の構成において、第1垂下部は、第3波形状を挟むように設けられた第2線状の凸部及び第3線状の凸部をさらに有し、第2垂下部は、第1線状の凸部を挟むように設けられた第4線状の凸部及び第5線状の凸部をさらに有し、閉蓋状態で、第4線状の凸部及び第5線状の凸部は、第2線状の凸部及び第3線状の凸部よりも下側に位置するとともに、第4線状の凸部及び第5線状の凸部と第2線状の凸部及び第3線状の凸部とは、互いに上下方向に重なる位置関係となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、包装用容器に外方から衝撃が加わっても、容器本体から蓋体が外れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器を示す上面図である。
【
図2】包装用容器をA1-A2線で切断した断面図である。
【
図3】包装用容器が閉蓋状態の場合の長辺部における断面図である。
【
図4A】包装容器が閉蓋状態の場合の長辺部の波形状の上面図である。
【
図4B】包装容器が閉蓋状態の場合の長辺部の波形状の上面図である。
【
図5】容器本体のコーナー部を拡大した拡大図である。
【
図8A】包装用容器の閉蓋工程を説明する図である。
【
図8B】包装用容器の閉蓋工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付して、説明が重複する場合にはその説明を省略する場合がある。また、図面においては、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
【0015】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0016】
本明細書において、包装用容器が実際に底面部を下にして載置される際の鉛直上向方向又は鉛直上向きに近い方向を「上」又は「上方」とし、「下」又は「下方」とは、「上」又は「上方」の反対方向をいう。また、説明に図面を使用する場合において、図面上の上方又は下方であるものを、説明の便宜上「上方」又は「下方」と呼ぶ場合がある。また、「上方」又は「下方」は、蓋体が閉じている場合を基準として説明し、蓋体が開いている場合には、「上方」と「下方」とが逆転する場合がある。また、「外方」とは、包装用容器の内側から外側へ向かう方向をいい、「内方」とは、包装用容器の外側から内側へ向かう方向をいう。また、「垂下」とは、鉛直方向に下方に延びる場合に限定されず、傾斜角度をもって下方に延びる場合も含む。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る包装用容器1を示す上面図である。また、
図2は、
図1に示す包装用容器1をA1-A2線で切断した断面図である。包装用容器1は、容器本体10と、容器本体10に被さる蓋体20と、を備える。
図1及び
図2は、蓋体20が開いた状態の包装用容器1を示している。包装用容器1は、容器本体10と蓋体20とを接続するヒンジ部30と、をさらに有する。
【0018】
容器本体10及び蓋体20は、上面視で角が面取りされている略矩形の全体形状を有する。容器本体10は、2つの長辺部11a、11bと2つの短辺部12a、12bとを有する。容器本体10は、互いに隣り合う長辺部11a、11bと短辺部12a、12bとの間に、4つのコーナー部13a~13dを有する。本実施形態では、4つのコーナー部13a~13dのうち、ヒンジ部30の近傍に位置する長辺部11bに対向する長辺部11aを挟む2つのコーナー部13a、13bは、平面視において長辺部及び短辺部に対して斜めにカットされた形状を有する。また、コーナー部13a、13bには、本体固定部14a、14bが設けられる。
【0019】
容器本体10は、底面部16と、周壁部17と、垂下部18と、フランジ19と、を有する。容器本体10は、底面部16及び周壁部17によって、上方向に開口された開口部111を有する。容器本体10は、当該開口部111に収容される食品(例えば、冷凍食品)などの内容物が収容されるように構成される。
【0020】
容器本体10の底面部16は、テーブルなどの載置面に載せる際に、載置面と接触する部位である。周壁部17は、底面部16の外縁から上方へ立ち上がるにつれて上面視における径が大きくなるように、外側に拡がって形成されている。ただし、周壁部17に補強のため一部に補強用のリブなどを設けた場合は、局所的に上方に拡径しない部分を有していてもよい。
【0021】
垂下部18は、周壁部17の外縁から下方に折り返されている。垂下部18は、容器本体10の長辺部11a、11b、短辺部12a、12b、コーナー部13a~13dにおいて形成されている。長辺部11aにおける垂下部18において、外方に突出する凸部151を複数有する波形状15が形成される。波形状15は、複数の凸部151が水平方向に並んで設けられることで構成される。
【0022】
フランジ19は、垂下部18から外方に向けて設けられている。フランジ19は、ヒンジ部30と接続された長辺部11b以外の垂下部18と接続されて設けられている。フランジ19の上面及び下面には、細かな凹凸加工やエンボス加工が施されていてもよい。フランジ19には、本体固定部14a、14bが形成される。
【0023】
蓋体20は、2つの長辺部21a、21bと2つの短辺部22a、22bとを有する。蓋体20は、互いに隣り合う長辺部21a、21bと短辺部22a、22bとの間に、4つのコーナー部23a~23dを有する。また、コーナー部23a、23bには、蓋体固定部24a、24bが設けられる。
【0024】
蓋体20は、天面部26と、周壁部27と、垂下部28と、フランジ29と、を有する。蓋体20は、天面部26及び周壁部27によって、開口された開口部112を有する。
【0025】
周壁部27は、天面部26の外縁から上方に垂上(蓋体20を閉じた状態では下方に垂下)するにつれて上面視における径が大きくなるように外側に広がって形成されている。ただし、周壁部17に補強のため一部に補強用のリブなどを設けた場合は、局所的に上方に拡径しない部分を有していてもよい。
【0026】
蓋体20を閉じた状態で、周壁部27の外縁からさらに下方に垂下する部分を垂下部28と呼ぶ。垂下部28は、蓋体20の長辺部21a、21b、短辺部22a、22b、コーナー部23a~23dにおいて形成されている。長辺部21aにおける垂下部28において、内方に突出する凸部251を複数有する波形状25を有する。波形状25は、複数の凸部251が水平方向に並んで設けられることで構成される。
【0027】
フランジ29は、垂下部28から外方に向けて設けられている。フランジ29は、ヒンジ部30と接続された長辺部21b以外の垂下部18と接続されて設けられている。フランジ29の上面及び下面には、細かな凹凸加工やエンボス加工が施されていてもよい。また、長辺部11bと長辺部21bとを接続するようにヒンジ部30が形成されている。
【0028】
図3は、包装用容器1が閉蓋状態の場合の長辺部11a、21aを交差する方向における断面図である。
図3に示すように、容器本体10において、周壁部17と垂下部18との間には接続部171が設けられている。接続部171は、蓋体20の周壁部27と垂下部18との間に設けられた接続部271と当接する。閉蓋状態の場合、蓋体20の垂下部28における凸部251は、容器本体10の垂下部18における凸部151よりも下側に位置する。また、凸部251と凸部151とは、互いに上下に重なる位置関係となる。また、凸部251は、垂下部18と接する。凸部151は、垂下部28と接する。また、接続部171が、接続部271と接する場合、凸部151と凸部251とは互いに離隔する。また、フランジ19は、フランジ29と重なる。
【0029】
図4A及び
図4Bは、包装用容器1が閉蓋状態の場合の長辺部11a、21aの波形状15、25の上面図である。
図4Aに示すように、複数の凸部151は、所定のピッチL1で配置されており、複数の凸部251は、所定のピッチL2で配置されている。ピッチL1とは、互いに隣り合う凸部151の頂点P1の長さをいい、ピッチL2とは、互いに隣り合う凸部251の頂点P2の長さをいう。ここでは、ピッチL1とピッチL2とは、略同じ長さである。
図4Aに示すように、垂下部18から外方に突出する凸部151の頂点P1と、垂下部28から内方に突出する凸部251の頂点P2とは、長辺部11a、21aが延びる方向と交差する方向に並ぶように配置されている。また、所定のピッチL1のうち、凸部151の傾斜面が占める割合は50%以上であることが好ましく、所定のピッチL2のうち、凸部251の傾斜面が占める割合は50%以上であることが好ましい。
【0030】
図4Aでは、波形状15、25において、垂下部18に形成される凸部151と、垂下部28に形成される凸部251とが、互いに上下方向に重なる位置関係となる例を示すが、これに限定されない。凸部151と、凸部251とは、水平方向に位置をずらして配置されることにより、凸部151及び凸部251の全長ではなく、一部が互いに上下方向に重なる位置関係であってもよい。例えば、
図4Bに示すように、垂下部18から外方に突出する凸部151の頂点P1と、垂下部28から内方に突出する凸部251の頂点P2とは、長辺部11a、21aが延びる方向でずれて配置されていてもよい。例えば、頂点P1を基準として、所定のピッチL1に対して50%未満の長さで、頂点P2がずれていてもよい。
図4A及び
図4Bにおいて、隣接する凸部151は離隔し、隣接する凸部251は離隔する例について示したが、隣接する凸部151、及び隣接する凸部251は離隔せず、より近接していてもよい。また、凸部151の形状及び凸部251の形状は、外方に向かって湾曲している例について示したが、垂下部18、28と接する面を有していてもよい。
【0031】
図5は、包装用容器1の容器本体10のコーナー部13aを拡大した拡大図である。4つのコーナー部13a~13dのうち、ヒンジ部30の近傍に位置する長辺部11bに対向する長辺部11aを挟む2つのコーナー部13a、13bにおける垂下部18は、平面視において長辺部及び短辺部に対して斜めにカットされた形状を有する。コーナー部13aの垂下部18において、外方に突出する線状の凸部142a~142dが形成されている。線状の凸部142a、142bは、線状の凸部142c、142dと離間して形成されている。また、線状の凸部142bと線状の凸部142cとの間には、外方に突出する凸部143a、143bが形成されている。線状の凸部142a~142dの水平方向における長さは、凸部の151、143a、143bの水平方向における長さよりも長ければよい。線状の凸部142aは、短辺部12aに沿って配置されており、線状の凸部142b、142cは、コーナー部13aにおける垂下部28に沿って配置されている。線状の凸部142dは、長辺部11aにおける垂下部28に沿って配置されている。
【0032】
コーナー部13aのフランジ19には、本体固定部14aが形成されている。本体固定部14aは、フランジ19の一部が垂直方向に変形することで形成されている。容器本体10を平面視するとき、本体固定部14aは、略四角形を有する。本体固定部14aの断面形状については後に詳細に説明する。
【0033】
図6は、包装用容器1の蓋体20のコーナー部23aを拡大した拡大図である。4つのコーナー部23a~23dのうち、ヒンジ部30の近傍に位置する長辺部21bに対向する長辺部21aを挟む2つのコーナー部23a、23bにおける垂下部28は、平面視において斜めにカットされた形状を有する。コーナー部23aの垂下部28において、内方に突出する線状の凸部242a~243aが形成されている。線状の凸部242aは、線状の凸部242bと離間して形成されている。また、線状の凸部242aと線状の凸部242bとの間には、線状の凸部243aが形成されている。線状の凸部243aの水平方向における長さは、凸部の242a、242bの水平方向における長さよりも長ければよい。また、コーナー部23aのフランジ29には、蓋体固定部24aが形成されている。蓋体固定部24aは、フランジ29の一部が垂直方向に変形することで形成されている。蓋体20を平面視するとき、蓋体固定部24aは、略円形を有する。蓋体固定部24aの断面形状については後に詳細に説明する。なお、本体固定部と蓋体固定部とを合わせて固定部と呼ぶ場合がある。線状の凸部142aは、短辺部12aに沿って配置されており、線状の凸部142b、142cは、コーナー部13aにおける垂下部28に沿って配置されている。線状の凸部142dは、長辺部11aにおける垂下部28に沿って配置されている。
【0034】
図7Aは、
図6に示す蓋体20のコーナー部23aのB1-B2線における断面図である。
図7Aでは、閉蓋状態の蓋体20のコーナー部13aの断面図である。周壁部27と垂下部28との間には接続部271が形成されている。垂下部28において内方に突出する線状の凸部243aが形成されている。垂下部28から外方に向けてフランジ29が設けられている。フランジ29には、フランジ29の一部がフランジの水平面に対して垂直方向に変形する蓋体固定部24aが形成される。蓋体固定部24aは、フランジ29の水平面に対して底面部16側に変形する凹部の形を有している。
【0035】
図7Bは、
図5に示す容器本体10のコーナー部13aのB1-B2線における断面図である。周壁部17と垂下部18との間には接続部171が形成されている。垂下部18において外方に突出する凸部143aが形成されている。なお、凸部143aは、B1-B2線における断面図において、奥行き方向に位置するため、点線で示している。垂下部18から外方に向けてフランジ19が設けられている。フランジ19には、フランジ19の一部がフランジ19の水平面に対して垂直方向に変形する本体固定部14aが形成される。閉蓋状態で、本体固定部14aは、フランジ19の水平面に対して底面部16側に変形する凹部の形を有している。
【0036】
次に、包装用容器1の使用方法について、
図8A及び
図8Bを参照して説明する。開蓋状態の包装用容器1を作業用カウンターなどに置き、容器本体10の開口部111に所望の食品を入れる。蓋体20のフランジ29を、容器本体10のフランジ19に重ねるように、蓋体20を容器本体10の上に移動させる。
【0037】
蓋体20のコーナー部23aの垂下部28に形成された凸部242a、242b、243aのそれぞれを、容器本体10のコーナー部13aの垂下部18に形成された凸部142a~142d、143a、143bのそれぞれに当てて下方に移動させる。このとき、
図8Aに示すように、凸部142a~142d、143a、143bの傾斜に沿って、凸部242a、242b、243aの傾斜に滑らせることで、
図8Bに示すように、凸部242a、242b、243aは、凸部142a~142d、143a、143bの下方に位置するように配置される。このとき、凸部242a、242b、243aは、垂下部18と接する。また、凸部142a~142d、143a、143bは、垂下部28と接する。最後に、本体固定部14aに、蓋体固定部24aを嵌合させることにより、蓋体20を容器本体10に固定することができる。これにより、容器本体10に、蓋体20を閉じた状態を維持することができる。
【0038】
また、包装用容器1から食品を取り出す際には、蓋体20のフランジ29をつまみ、上方に移動させることで本体固定部14aから蓋体固定部24aを外す。さらに、フランジ29を上方に移動させることで、凸部142a~142d、143a、143bの傾斜に沿って、凸部242a、242b、243aの傾斜に滑らせることで、容器本体10から蓋体20を取り外すことができる。これにより、容器本体10から食品を取りだすことができる。
【0039】
以上説明したとおり、包装用容器1の長辺部11a、21aにおいて、波形状15、25を有している。例えば、食品を包装用容器1に収容して自動販売機で販売する場合、包装用容器1が自動販売機の内部にぶつかりながら落下して、包装用容器1に外方から大きな衝撃が加わっても、波形状15、25がばねとして機能する。これにより、大きな衝撃を吸収することができる。また、コーナー部に2つの固定部を設けている。これにより、外方から大きな衝撃が加わっても、容器本体10と蓋体20とが水平方向にずれることを抑制することができる。これらにより、容器本体10から蓋体20が外れてしまうことや、包装用容器1が破損することを抑制することができる。
【0040】
また、容器本体10と蓋体20とを熱融着して密封するという作業を省略することができるため、食品の包装作業を短縮化することができる。さらに、ユーザが包装用容器1から食品を取り出す際にも、容器本体10から蓋体20を外しやすくすることができるため、蓋体20をつまんで開封する際に、蓋体20を破損させることを抑制することができる。
【0041】
本発明の一実施形態に係る包装用容器1は、例えば真空成型、熱板圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型等のシート成型で、合成樹脂シートを熱成型することにより形成されることができる。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で、単層や多層のシートを使用してもよく、有色又は無色透明でも、不透明であってもよく、非発泡樹脂製であってもよい。さらに、シートの表面または裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。
【0042】
(変形例)
以上、一実施形態について説明したが、一実施形態は、以下のように様々な形態に変形することもできる。また、上述した実施形態および以下に説明する変形例とは、矛盾を生じない限り、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0043】
本実施形態では、ヒンジ部30の対向側に2カ所の固定部を設ける例について説明したが、これに限定されない。ヒンジ部30を設けずに、4つのコーナー部13a~13d、23a~23dの近傍のそれぞれに固定部を設けてもよい。この場合、2つの長辺部11a、11b、21a、21bのそれぞれに、波形状15、25を設けることが好ましい。また、4つのコーナー部13a~13d、23a~23dのそれぞれにおける垂下部18、28の形状、及び固定部は、
図5~
図8Bの説明を参照すればよい。
【0044】
本実施形態では、容器本体10及び蓋体20の双方における長辺部11a、21aにおいて複数の凸部151、251が水平方向に並んで配置されることで、一つの波形状15、25が形成される例を示すが、これに限定されない。長辺部11aにおいて、複数の凸部151が水平方向に並んだ波形状が複数形成され、複数の波形状が互いに離間して形成され、長辺部21aにおいて、複数の凸部251が水平方向に並んだ波形状が複数形成され、複数の波形状が互いに離間して形成される構成であってもよい。
【0045】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、各実施形態の組み合わせ若しくは設計変更を行ったもの、又は、処理の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0046】
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0047】
1:包装用容器、10:容器本体、11a、11b:長辺部、12a、12b:短辺部、13a~13d:コーナー部、14a、14b:本体固定部、15:波形状、16:底面部、17:周壁部、18:垂下部、19:フランジ、20:蓋体、21a、21b:長辺部、22a、22b:短辺部、23a~23d:コーナー部、24a、24b:蓋体固定部、25:波形状、26:天面部、27:周壁部、28:垂下部、29:フランジ、30:ヒンジ部、111:開口部、142a~142d:凸部、143a、143b:凸部、151:凸部、171:接続部、242a、242b:凸部、243a:凸部、251:凸部、271:接続部