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特開2024-11065鳥獣捕獲管理システム、鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニット、クライアント端末、鳥獣捕獲管理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体並びに記録した機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011065
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】鳥獣捕獲管理システム、鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニット、クライアント端末、鳥獣捕獲管理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体並びに記録した機器
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/00 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A01M23/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112751
(22)【出願日】2022-07-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】322006984
【氏名又は名称】株式会社電信
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山科 徹朗
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121BA11
2B121BA32
2B121BA58
2B121DA62
2B121DA63
2B121EA21
2B121FA02
2B121FA04
2B121FA11
2B121FA14
(57)【要約】
【課題】罠にかかった鳥獣を適切に処置するための準備を予め行い易くする。
【解決手段】鳥獣捕獲管理システム1000は、各撮像部20で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部220を備えるサーバ部200と、クライアント部300とを備える。クライアント部300のクライアント側表示部340は、各撮像部20で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄114を含む設定画面110を表示可能としており、少なくとも一のクライアント部300のクライアント側表示部340は、タイマ設定欄114で設定された時刻に各撮像部20で撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、該静止画に対し、画像解析を行った結果として、静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄170と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄172と、を含む解析結果画面180を表示可能としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、
前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、
を備えるサーバ部と、
前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、
前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、
を備える一以上のクライアント部と、
を備える鳥獣捕獲管理システムであって、
前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を表示可能としており、
前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、
前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、
該静止画に対し、画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面を表示可能としてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記数値表示欄が、前記種別表示欄で表示される鳥獣の種別として判別された可能性を表示させる可能性表示欄を含む鳥獣捕獲管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記数値表示欄が、前記静止画に含まれる鳥獣の頭数を表示させる頭数表示欄を含む鳥獣捕獲管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記解析結果画面が、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対して通知されるメールの通知メール画面である鳥獣捕獲管理システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記解析結果画面がさらに、
該静止画に含まれる鳥獣の大きさを表示させる大きさ表示欄を備えてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記設定画面が、前記撮像部と前記罠器との距離を入力する被写体距離入力欄を備えており、
前記サーバ側演算部が、前記被写体距離入力欄で指定された距離に応じて、前記罠器に補足された鳥獣の大きさを推定するよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記静止画に対する画像解析が、AIで行われてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記一以上のクライアント部は、前記タイマ設定欄で指定された時刻に、各罠器の状況をメールで前記サーバ部から通知されよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記タイマ設定欄で指定可能な時刻を、一日の内の複数回とし、
前記撮像部は、毎日、前記タイマ設定欄で指定された時刻に撮像を行うよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記静止画に対する画像解析の結果、
鳥獣が含まれていると判断された罠器について、前記タイマ設定欄で設置した時刻に、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対しメールで通知されると共に、
鳥獣が含まれていないと判断された罠器について、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対し通知しないよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記静止画に対する画像解析の結果、天然記念物が含まれていると判別された場合に、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対し警告を通知するよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項12】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、さらに、
前記罠器を設置した位置情報を検出可能なGPSセンサを備え、
前記一以上のクライアント部は、前記GPSセンサで検出した前記罠器の位置情報を、緯度及び経度の形式で、第三者と共有可能に構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記一以上のクライアント部のクライアント側表示部は、前記GPSセンサで検出した各罠器の位置情報を、地図上に重ねて表示可能な鳥獣対策マップ画面を表示可能としており、
前記複数の罠器の内、鳥獣を捕獲した罠器については、該捕獲した鳥獣の種別を地図上で確認可能としてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項14】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、さらに、
前記撮像部による罠器の撮像に際して、照明光を照射する照明部を備えており、
前記照明部は、前記撮像部による撮像と同期して照明光を照射可能に構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項15】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記撮像部が、赤外線画像を撮像可能に構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項16】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記電池ホルダが、防水仕様である鳥獣捕獲管理システム。
【請求項17】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記撮像部と、罠側通信部と、電池ホルダとが、一体的にまとめられた撮像ユニットを構成しており、
複数の撮像ユニットが、各罠器を設置した位置に、それぞれ一台以上配置されてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項18】
捕獲対象の鳥獣が生息する部位に設置する罠器と共に使用するための鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニットであって、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
を一体的に備え、
サーバ部からのデータを受けてクライアント部のクライアント側表示部に表示される、前記撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面で設定された時刻に、前記撮像部で撮像された静止画に対し、サーバ部で画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面を、前記クライアント側表示部に表示可能としてなる鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニット。
【請求項19】
捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
を含む撮像ユニットと、
各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、
前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、
を備えるサーバ部と、
を備える鳥獣捕獲管理システムで用いるクライアント端末であって、
前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、
前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、
を備え、
前記クライアント側表示部は、前記サーバ部のサーバ側演算部で生成される、
各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面と、
前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面と、
を表示可能としてなるクライアント端末。
【請求項20】
捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、
前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、
を備えるサーバ部と、
前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、
前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、
を備える一以上のクライアント部と、
を備える鳥獣捕獲管理システムで用いる鳥獣捕獲管理プログラムであって、
各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、
前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、
をコンピュータに実現させるための鳥獣捕獲管理プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載の鳥獣捕獲管理プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鳥獣捕獲管理システム、鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニット、クライアント端末、鳥獣捕獲管理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体並びに記録した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
畑や作物を荒らす猪や鹿、熊、猿等の獣や、カラス、鳩などの鳥を含む、有害な鳥獣(以下、「鳥獣」と呼ぶ。)を捕獲するため、捕獲器を仕掛けると共に、カメラを設置して捕獲されたことを遠隔地からでも確認できるようにした鳥獣捕獲システムが提案されている(例えば特許文献1)。このような鳥獣捕獲システムを利用することで、猟師は、鳥獣の発生しそうな複数の箇所に罠を設置し、何れかの罠で鳥獣が捕獲されると、直接現地に出向いて、罠にかかった鳥獣の、罠を外して捕獲、駆除(止め殺し)し、持ち帰って処分していた。
【0003】
しかしながら、鳥獣の種類や大きさ、数によって、罠から鳥獣を外すために必要な道具や人数が異なる。例えば猪の場合は、一人では処理が困難なため、2~3人で対応する必要があり、また専用の捕獲用具を準備する必要がある。一方でウサギのような小動物の場合は、一人でも対応できる。このため、現場に着いた時点で、準備した設備や人数が不足している場合は、捕獲作業を行えず、改めて出直す必要があるなど、無駄が生じる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-115809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的の一は、罠にかかった鳥獣を適切に処置するための準備を予め行い易くした鳥獣捕獲管理システム、鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニット、クライアント端末、鳥獣捕獲管理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体並びに記録した機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の第1の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備える一以上のクライアント部と、を備える鳥獣捕獲管理システムであって、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を表示可能としており、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、該静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面を表示可能としている。上記構成により、利用者は事前に捕獲した鳥獣の概要を把握し易くなり、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することが可能となり、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【0007】
また、本発明の第2の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記数値表示欄が、前記種別表示欄で表示される鳥獣の種別として判別された可能性を表示させる可能性表示欄を含む。
【0008】
さらに、本発明の第3の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記形態において、前記数値表示欄が、前記静止画に含まれる鳥獣の頭数を表示させる頭数表示欄を含む。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。
【0009】
さらにまた、本発明の他の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、各罠側通信部と公衆回線や専用回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備える一以上のクライアント部と、を備える鳥獣捕獲管理システムであって、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を表示可能としており、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、該静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、前記種別表示欄で表示される鳥獣の種別として判別された可能性を表示させる可能性表示欄と、を含む解析結果画面を表示可能としている。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別とその可能性を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【0010】
さらにまた、本発明の他の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、各罠側通信部と公衆回線や専用回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備える一以上のクライアント部と、を備える鳥獣捕獲管理システムであって、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を表示可能としており、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、該静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、前記種別表示欄で表示される鳥獣の種別として判別された可能性を表示させる可能性表示欄と、を含む解析結果画面を表示可能としている。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と信憑性を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記解析結果画面が、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対して通知されるメールの通知メール画面である。
【0012】
さらにまた、本発明の第5の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記解析結果画面がさらに、該静止画に含まれる鳥獣の大きさを表示させる大きさ表示欄を備えている。
【0013】
さらにまた、本発明の第6の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記設定画面が、前記撮像部と前記罠器との距離を入力する被写体距離入力欄を備えており、前記サーバ側演算部が、前記被写体距離入力欄で指定された距離に応じて、前記罠器に補足された鳥獣の大きさを推定するよう構成している。
【0014】
さらにまた、本発明の第7の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記静止画に対する画像解析が、AIで行われている。
【0015】
さらにまた、本発明の第8の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記一以上のクライアント部は、前記タイマ設定欄で指定された時刻に、各罠器の状況をメールで前記サーバ部から通知されよう構成している。
【0016】
さらにまた、本発明の第9の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記タイマ設定欄で指定可能な時刻を、一日の内の複数回とし、前記撮像部は、毎日、前記タイマ設定欄で指定された時刻に撮像を行うよう構成している。
【0017】
さらにまた、本発明の第10の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記静止画に対する画像解析の結果、鳥獣が含まれていると判断された罠器について、前記タイマ設定欄で設置した時刻に、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対しメールで通知されると共に、鳥獣が含まれていないと判断された罠器について、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対し通知しないよう構成している。上記構成により、鳥獣を捕獲した罠器についてのみ通知されるようにして、ユーザの確認の手間を省くことができる。
【0018】
さらにまた、本発明の第11の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記静止画に対する画像解析の結果、天然記念物が含まれていると判別された場合に、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対し警告を通知するよう構成している。上記構成により、誤って天然記念物を捕獲した場合に、速やかに放逐できるようにして、貴重な天然記念物の保護と有害な鳥獣の駆除を両立できる。
【0019】
さらにまた、本発明の第12の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、さらに、前記罠器を設置した位置情報を検出可能なGPSセンサを備え、前記一以上のクライアント部は、前記GPSセンサで検出した前記罠器の位置情報を、緯度及び経度の形式で、第三者と共有可能に構成している。上記構成により、罠器の設置位置を緯度及び経度で特定できるため、例えば罠器で補足した鳥獣の捕獲を他の捕獲業者に委託する場合に、位置情報を容易に送信して共有することが可能となる。特に山林には住所が設定されておらず、場所の特定が極めて困難であるところ、GPSセンサで緯度及び経度を用いることで、第三者との位置情報の共有が容易となり、代行を依頼しやすい。また罠器を設置した本人であっても、GPSを利用して経路案内を行うこともでき、より便利に使用できる。さらにGPSセンサに加えて加速度線センサも付加することで、撮像ユニットの設置時に滑落等のアクシデントが生じても加速度センサ等で認知し、GPSセンサで場所を特定して救出活動が迅速に行える利点も得られる。
【0020】
さらにまた、本発明の第13の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記一以上のクライアント部のクライアント側表示部は、前記GPSセンサで検出した各罠器の位置情報を、地図上に重ねて表示可能な鳥獣対策マップ画面を表示可能としており、前記複数の罠器の内、鳥獣を捕獲した罠器については、該捕獲した鳥獣の種別を地図上で確認可能としている。上記構成により、どの鳥獣がどの地点に生息しているかを確認可能な鳥獣の生態系マップを得ることができ、害獣駆除の対策を講じる際の指針等に利用できる。
【0021】
さらにまた、本発明の第14の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、さらに、前記撮像部による罠器の撮像に際して、照明光を照射する照明部を備えており、前記照明部は、前記撮像部による撮像と同期して照明光を照射可能に構成している。上記構成により、照明部の点灯期間を必要最小限に抑えて、省電力化による電池の長寿命化を図ることができる。
【0022】
さらにまた、本発明の第15の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記撮像部が、赤外線画像を撮像可能に構成している。上記構成により、暗闇でも撮像可能で、山中などの照明のない部位でも鳥獣を補足可能とできる。
【0023】
さらにまた、本発明の第16の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記電池ホルダが、防水仕様である。上記構成により、山中などに設置され風雨に晒される罠ユニットに対して、安定的に電池から電力を供給できる。
【0024】
さらにまた、本発明の第17の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、上記何れかの形態において、前記撮像部と、罠側通信部と、電池ホルダとが、一体的にまとめられた撮像ユニットを構成しており、複数の撮像ユニットが、各罠器を設置した位置に、それぞれ一台以上配置されている。上記構成により、各罠器を設置した位置に、一台の撮像ユニットを設置するだけで、必要な機材の設置が済み、設置作業の大幅な省力化が図られる。
【0025】
さらにまた、本発明の第18の形態に係る鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニットは、捕獲対象の鳥獣が生息する部位に設置する罠器と共に使用するための鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニットであって、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、を一体的に備え、サーバ部からのデータを受けてクライアント部のクライアント側表示部に表示される、前記撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面で設定された時刻に、前記撮像部で撮像された静止画に対し、サーバ部で画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面を、前記クライアント側表示部に表示可能としている。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【0026】
さらにまた、本発明の第19の形態に係るクライアント端末は、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、を含む撮像ユニットと、各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、を備える鳥獣捕獲管理システムで用いるクライアント端末であって、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備え、前記クライアント側表示部は、前記サーバ部のサーバ側演算部で生成される、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面と、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面と、を表示可能としている。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【0027】
さらにまた、本発明の第20の形態に係る鳥獣捕獲管理プログラムは、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備える一以上のクライアント部と、を備える鳥獣捕獲管理システムで用いる鳥獣捕獲管理プログラムであって、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、をコンピュータに実現させるための鳥獣捕獲管理プログラムである。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【0028】
さらにまた、本発明の第21の形態に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器は、上記鳥獣捕獲管理プログラムを記録したものである。記録媒体には、CD-ROM、CD-R、CD-RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW、Blu-ray(登録商標)、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記憶した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る鳥獣捕獲管理システムのシステム構成を示す概略図である。
図2図1の鳥獣捕獲管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
図3】撮像ユニットの外観を示す斜視図である。
図4図3の撮像ユニットの扉を開けた状態を示す正面図である。
図5図4の電池ホルダの蓋を開けた状態を示す正面図である。
図6】変形例に係る鳥獣捕獲管理システムの撮像ユニットを示す模式図である。
図7】設定画面の一例を示すイメージ図である。
図8】鳥獣対策マップ画面を示すイメージ図である。
図9図8の鳥獣対策マップ画面において、センサ一覧表示欄で選択した撮像ユニットと対応する位置にマップ表示欄が更新される状態を示すイメージ図である。
図10図9のマップ表示欄上にポップアップ表示画面を表示させた状態を示すイメージ図である。
図11】詳細表示画面の一例を示すイメージ図である。
図12】クライアント側表示部に表示される解析結果画面の一例を示すイメージ図である。
図13】実施形態2に係る鳥獣捕獲管理システムにおいて、クライアント側表示部に表示される解析結果画面の一例を示すイメージ図である。
図14】クライアント部に送信される通知メールの一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに限定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
【0031】
本発明の実施形態1に係る鳥獣捕獲管理システム1000を、図1図2に示す。これらの図において、図1は本発明の一実施形態に係る鳥獣捕獲管理システム1000のシステム構成を示す概略図、図2図1の鳥獣捕獲管理システム1000のシステム構成を示すブロック図を、それぞれ示している。これらの図に示す鳥獣捕獲管理システム1000は、複数の罠器TPと、各罠器TPの設置場所(以下、適宜「罠サイトTS」と呼ぶ。)に配置された撮像ユニット100と、サーバ部200と、一以上のクライアント部300で構成される。なお、各罠サイトTSに設置される罠器TPと撮像ユニット100を合わせて、罠ユニットTUと呼ぶ。
【0032】
各罠器TPは、捕獲対象の鳥獣が生息すると予想される複数の部位、すなわち各罠サイトTSに、それぞれ設置されている。このような罠器TPとしては、箱罠、くくり罠、囲い罠等、既存の罠を適宜利用できる。また捕獲対象の鳥獣は、イノシシ、シカ、サル、クマ等の獣や、カラス、ハト等の鳥が挙げられる。
(撮像ユニット100)
【0033】
撮像ユニット100は、各罠サイトTSにそれぞれ配置される。すなわち鳥獣捕獲管理システム1000は、複数の撮像ユニット100を含む。撮像ユニット100の外観を、図3図5に示す。これらの図に示す撮像ユニット100は、外観を箱形に形成している。箱形の外装ケース10は、一面を開口させ、開口端を扉部12で閉塞している。このような外装ケース10や扉部12は、軽量で耐候性に優れた樹脂製とすることが好ましい。扉部12は、ヒンジなどを用いて開閉式としており、内部に罠側通信部30や電池ホルダ40を収納している。また外装ケース10の下部には、撮像部20を設けている。このように撮像ユニット100は、撮像部20と、罠側通信部30と、電池ホルダ40といった部材を、一体的に構成している。このように、必要な部材を予めまとめておくことで、設置時には各罠サイトTSに一台の撮像ユニット100を設置するだけで足り、設置作業の省力化に資する。特に、罠を仕掛ける猟師は高齢化が進んでいるため、できるだけ小型軽量化を図り、持ち運びやすく、かつ設置しやすくすることで、扱い易い鳥獣捕獲管理システム1000とできる。一例として、外装ケース10の寸法は幅90mm、長さ90mm、高さ185mm、重量を600gとしている(後述する外部に突出した撮像部20を含まず)。このサイズ感であれば、撮像ユニット100を各罠サイトTSに設営するため、複数個を持って山中に入ることも可能である。また外装ケース10の内部で、一般ユーザが触れる必要のない部分は、適宜、容易に開けることのできない構造とすることで、誤って電子回路を触って故障させたり、感電するなどの事態などを回避できる。例えば罠側通信部30等は、特殊な工具でなければ開けないボックスで構成する。また撮像ユニット100は、金具や紐、ワイヤなどを用いて、各罠サイトTSの所望の位置、例えば木の枝などに固定される。各撮像ユニット100は、撮像部20と、罠側通信部30と、電池ホルダ40と、GPSセンサ50とを備える。
(撮像部20)
【0034】
各撮像部20は、罠器TPの近傍にそれぞれ設置される。撮像部20は、静止画を撮像するカメラであり、好ましくはCCDやCMOS等のカラーのイメージセンサが利用できる。動画像でなく静止画とすることで、データ量を制限して処理の負荷を軽減し、低消費電力化にも寄与し得る。撮像する静止画のサイズは、静止画に含まれる鳥獣の種別や数を判別できるサイズであれば足りる。例えばQVGAやVGA等とする。
【0035】
また撮像部20として、可視光での撮像の他、赤外線画像を撮像可能なIRカメラとすることもできる。これにより、暗闇でも撮像可能とし、山中などでも鳥獣を補足可能とできる。
【0036】
撮像部20は、図1に示すように各罠サイトTSにおいて、罠器TPの全景が写るような位置及び姿勢に固定することが好ましい。例えば木の枝の上や岩の上など、罠器TPの近傍で罠器TPよりも高い位置に固定することが好ましい。
【0037】
図4の撮像部20は、外装ケース10の下部に、傾動自在に固定されている。このように撮像部20を傾動可能とすることで、外装ケース10を木の枝などに固定する際の姿勢とは別に、撮像部20の角度を調整しやすくなり、撮像部20の視野内に罠器TPの全景を含め易くできる。
(照明部60)
【0038】
また撮像ユニット100は、照明部60を備えてもよい。照明部60は、撮像部20による罠器TPの撮像に際して、照明光を照射する。照明部60は、その光源に発光ダイオードや半導体レーザ等の半導体発光素子を用いることで、低消費電力とし、また長寿命で球切れによる交換の手間を省力化できる利点が得られる。また照明光の波長は、可視光とする他、赤外光としてもよい。これにより、撮影時の発光によって鳥獣が警戒する事態を抑制できる。また撮像部20が赤外線画像を撮像可能とすることで、暗闇でも撮像可能で、山中などの照明のない部位でも鳥獣を補足可能とできる。
【0039】
また照明部60は、撮像部20による撮像と同期して照明光を照射可能としてもよい。これにより、照明部60の点灯期間を必要最小限に抑えて、省電力化による電池の長寿命化を図ることができる。
【0040】
図4の例では、撮像部20に照明部60を組み込んだ一体型としている。照明部60は、撮像部20のイメージセンサの周囲に設けたリング照明としている。このように照明部60を撮像部20と一体に設ける構成に限らず、照明部60は撮像部20と別体としてもよい。これにより照明光の角度を撮像部20とは別に調整し易くして、照明の自由度を増すことができる。
[変形例]
【0041】
なお以上の例では、図3等に示したように、撮像部20や罠側通信部30、電池ホルダ40等の部材を一体型とする例を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、複数の部材を別個に構成してもよいことはいうまでもない。一例として、変形例に係る鳥獣捕獲管理システムを図6に示す。なお変形例に係る鳥獣捕獲管理システムにおいて、実施形態1と同じ部材については同じ符号を付して、詳細説明を適宜省略する。図6に示す鳥獣捕獲管理システムでは、撮像部20’を撮像ユニット100’から分離して別部材としている。このようにすることで、撮像部20’を小型化でき、また撮像部20’のみの設置位置をより柔軟に設定できる利点が得られる。例えば撮像部20を一体化した撮像ユニット100は若干大型化するところ、撮像部20’のみを分離することでより小型、軽量化して、木の枝などに取り付けやすくできる。また撮像部20’を複数用意し、一の撮像ユニット100’にこれら複数の撮像部20’を接続するよう構成してもよい。これにより、異なる角度から罠器TPを撮像した静止画を付加できるので、一の静止画のみで鳥獣の種別や頭数を判別する構成と比べて、精度を向上できる利点も得られる。
【0042】
さらに撮像部20と撮像ユニット100の接続は、有線式とする他、無線式としてもよい。無線式とすることで、撮像部20と撮像ユニット100の配線作業を不要として、設置時の負担を軽減できる。また経年使用による断線のリスクも低減できる。
(罠側通信部30)
【0043】
実施形態1の説明に戻ると、罠側通信部30は、撮像ユニット100を外部のサーバ部200とデータ通信させるための通信モジュールである。具体的には、罠側通信部30は、撮像部20と接続され、撮像部20で撮像した静止画を、サーバ部200に対してデータ送信する。このような罠側通信部30は、公衆回線を使った無線接続とすることが好ましく、例えばLPWA(Low Power Wide Area)、LPWAN等の既存の遠距離通信方式が利用できる。またLTE通信のためのSIMスロットを備えていてもよい。さらには、罠サイトTSの近傍に中継器を設置し、中継器と各罠サイトTSの罠側通信部30との通信をbluetooth(登録商標)や無線LAN、Zigbee(登録商標)などの近距離通信とし、中継器とサーバ部200との通信を、LPWA方式、LWm2m、5Gなどとしてもよい。
(電池ホルダ40)
【0044】
電池ホルダ40は、撮像部20や罠側通信部30等に駆動電力を供給する電池BTを保持するための部材である。電池ホルダ40は、撮像部20や罠側通信部30とハーネスなどで電気接続されている。電池ホルダ40が収納する電池BTは、入手しやすい乾電池、例えば単三電池や単四電池等の規格化された電池を好適に利用できる。図5の例では、単三電池を4本、直列に接続して使用している。また電池としてニッケル水素電池等の二次電池を用いてもよい。あるいは、18650等のリチウムイオン二次電池を用いてもよい。あるいは電池駆動に代えて、又はこれに加えて、太陽電池を付加してもよい。
【0045】
電池ホルダ40は、防水仕様とすることが好ましい。これにより、長期間屋外に置かれ、雨風や台風に晒されるリスクのある撮像ユニット100に対しても、安定的に電力を供給できる。図4の例では、外装ケース10の扉部12と開口端との間に、パッキンを配置して防水構造を実現している。さらに図5に示すように、外装ケース10に収納された電池ホルダ40も蓋42付きとして、電池BTを保護している。
(GPSセンサ50)
【0046】
さらに撮像ユニット100は、GPSセンサ50を備えていてもよい。GPSセンサ50は、罠器TPを設置した位置情報を検出可能する。GPSセンサ50で検出した罠器TPの位置情報は、緯度及び経度の形式でサーバ部200を介してクライアント部300に対して送信可能としている。これによりクライアント部300は、緯度及び経度の形式で表現された位置情報を、第三者と共有できる。例えば罠器TPで補足した鳥獣の捕獲を他の捕獲業者に委託する場合に、位置情報を容易に送信して共有することが容易となる。特に山林には住所が設定されておらず、第三者に場所を説明することが極めて困難であるところ、GPSセンサ50で検出した緯度及び経度を用いることで、第三者との位置情報の共有が容易となり、代行を依頼しやすい。また罠器TPを設置した本人であっても、GPSを利用して経路案内を行うこともでき、より便利に使用できる。さらに、撮像ユニット100の設置時に滑落等のアクシデントが生じても、GPSセンサ50で場所を特定にて救出活動が迅速に行える利点も得られる。
【0047】
以上の撮像ユニット100は、各罠サイトTSに設置した後、電源スイッチを入れるのみで起動する。細かな設定、例えばカメラのホワイトバランス調整やピント調整などは自動化する。これにより、電気機器に詳しくないユーザ、例えば高齢者などであっても、使いやすい鳥獣捕獲管理システムを構築できる。従来は、罠器の監視機能が無い場合は、毎日など定期的に各罠サイトTSに出向いて確認する必要があった。また既存の鳥獣捕獲管理システムでは、初期設定作業が複雑であり、IT等に詳しくないユーザでは設営が容易でなく、使いこなすことも難しいという問題があった。これに対し本実施形態1に係る鳥獣捕獲管理システム1000では、極力自動化して設定作業を低減し、ユニット化した撮像ユニット100を罠サイトTSに設置し、電源を入れると共に、後述するタイマ設定のみで利用可能としている。また設置済みの罠器に対しても、撮像ユニット100を付加することで、容易に鳥獣捕獲管理システムを構築できる。
(サーバ部200)
【0048】
一方、サーバ部200は、図2に示すように、サーバ側通信部210と、サーバ側演算部220と、サーバ側保存部230を備える。サーバ側通信部210は、各罠側通信部30と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うための通信モジュールである。通信方式は、有線LAN、無線LAN等の規格化された通信方式や専用のプロトコルを適宜利用できる。
【0049】
サーバ側演算部220は、各種の演算処理を行うための部材である。例えばサーバ側演算部220は、サーバ側通信部210が各罠側通信部30とデータ通信を行うことで各撮像部20で撮像された静止画を収集し、画像解析を行う。好ましくは、深層学習などのAI技術を用いて、予め多数の静止画から学習された学習済みデータを利用する。このようなサーバ側演算部220は、CPUやGPU、SoC等が適宜利用できる。
【0050】
サーバ側保存部230は、静止画を保存する。保存された静止画は、クライアント部300からの要求に応じて、読み出され、クライアント部300に適宜ダウンロードされる。このようなサーバ側保存部230は、ハードディスクやSSDなどの記憶素子が適宜利用できる。
(クライアント部300)
【0051】
クライアント部300は、クライアント側通信部310と、クライアント側表示部340と、クライアント側演算部320を備える。クライアント側通信部310は、サーバ側通信部210と公衆回線を使って無線でデータ通信を行う。クライアント側表示部340は、ディスプレイ等の表示画面であり、LCDや有機EL等が利用できる。クライアント側演算部320は、各種の処理を行うための部材である。例えばクライアント側通信部310でサーバ側通信部210とデータ通信を行って取得した情報を、クライアント側表示部340に表示させる。
【0052】
これらのサーバ部200とクライアント部300は、サーバ側通信部210とクライアント側通信部310とでデータ通信を行うことで、サーバ側演算部220で行った演算処理結果をクライアント部300のクライアント側表示部340に表示させる、いわゆるクラウドコンピューティングを実現している。ただ、本発明はこの構成に限られず、例えばクライアント部300でハードウェア的に、あるいはクライアント部300にインストールしたアプリケーションによりソフトウェア的に、演算処理の全部又は一部を行い、クライアント側表示部340に表示させる構成(いわゆるエッジコンピューティング)としてもよい。ここでは一例として、サーバ部200のサーバ側演算部220で演算処理を行うクラウドコンピューティングにて、クライアント部300に対し表示される画面などのデータを生成し、クライアント側表示部340に表示させる例を説明する。ただし上述の通り、同様の結果をエッジコンピューティング等で実現することも可能であることはいうまでもない。
(クライアント端末)
【0053】
このような鳥獣捕獲管理システム1000において、ユーザが使用するクライアント端末は、上述の通り、クライアント側通信部310とクライアント側表示部340を備える。クライアント側表示部340には、サーバ部200のサーバ側演算部220で生成される解析結果画面180が表示される。このようなクライアント端末は一以上あってもよい。例えば猟師がクライアントの場合、自宅に設置したコンピュータと、自身が携行するスマートフォンやタブレットを、それぞれクライアント端末として利用できる。
(鳥獣捕獲管理プログラム)
【0054】
また、このような鳥獣捕獲管理システム1000で用いる鳥獣捕獲管理プログラムは、各撮像部20で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄114を含む設定画面110をクライアント側表示部340に表示させる機能と、タイマ設定欄114で設定された時刻に各撮像部20で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄170と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄172とを含む解析結果画面180をクライアント側表示部340に表示させる機能とをコンピュータに実現させる。このような構成により、利用者は予め鳥獣の種別や頭数、大きさ、推定体重などを把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。
(設定画面110)
【0055】
鳥獣捕獲管理システム1000の設定は、設定画面110から行う。設定画面110は、例えばサーバ部200で生成し、クライアント部300から特定のURLにアクセスすることで、このクライアント部300のクライアント側表示部340に表示される。ここでクライアント側表示部340に表示される設定画面110の一例を、図7に示す。図7の設定画面110は、各撮像ユニット100毎に用意される。ユーザは設定画面110から、各撮像ユニット100の設定を行うことができる。なお、この例に限らず、複数台の撮像ユニット100の設定を一画面で行えるようにしてもよい。
【0056】
図7に示す設定画面110は、名称欄112と、タイマ設定欄114と、通知先設定欄116、オプション設定欄118を備えている。なお、図7の設定画面110を含め、以下に示す画面は一例であって、各画面のレイアウトや大きさ、デザインについては適宜変更することが可能である。
【0057】
名称欄112は、撮像ユニット100を区別するための名称をユーザが指定するための欄である。ユーザは文字列や数字を用いて、任意の名称を付与できる。ここでは名称欄112として、説明1、説明2の2欄を設けており、名称の他、説明用のコメントを入力できる。
【0058】
タイマ設定欄114は、撮像部20で撮像する時刻を一以上指定するための欄である。ここでは一日の内、何時に撮像部20で撮像を行うかを時刻で指定する。タイマ設定欄114で設定された時刻になると、サーバ部200は自動的に各撮像ユニット100に対し、静止画を撮像する命令を送る。また撮像された静止画を撮像ユニット100からサーバ部200に転送し、サーバ部200の記憶部に保存すると共に、通知先設定欄116で設定された先に、静止画及び解析情報(詳細は後述)を送信する。
【0059】
図7の例では、タイマ設定欄114は撮影時刻1~5まで、5つの時刻を設定可能であり、最大で一日あたり5回の撮影を行える。なお撮影回数は5回に限られず、4回以下や6回以上としてもよい。また直接時刻を指定する他、害獣の種類や目的に合わせて、数分間隔から数時間おきなど、時間間隔で指定可能に構成してもよい。またデジタル形式で指定する他、アナログ時計を表示させて、目覚まし時計の要領でアナログ式に指定するよう構成してもよい。
【0060】
通知先設定欄116は、タイマ設定欄114で設定された時刻に撮像した静止画を送信する先を指定するための欄である。ここではメールアドレスを指定する。典型的には、鳥獣捕獲管理システム1000の管理者であるユーザ、すなわち罠器を設置、管理する猟師の携帯する携帯電話やスマートホンのアドレスを指定する。図7の例ではメールアドレス1~8まで、最大8箇所を指定可能としている。これにより、鳥獣の回収を依頼している業者に通知する等、管理者以外とも静止画を共有することが可能となる。なお通知先の数は8個に限らず、7個以下や9個以上としてもよい。メールアドレスは、PCアドレスの他、携帯電話(いわゆるガラケー)のアドレスを指定することもできる。また通知先として、メールアドレスの他、携帯電話番号(SMS)、IPアドレスを指定してもよい。
【0061】
オプション設定欄118は、通知に関する種々の条件を規定するための欄である。図7の例では、「害獣検知時のみ通知する」オプション118aと、「マップ上のマーカーを非表示」オプション118bを設けている。「害獣検知時のみ通知する」オプション118aをチェックすると、チェックマークが付加されて、静止画に鳥獣が含まれていると判定された場合にのみ通知されるようになる。いいかえると、静止画に鳥獣が含まれていないと判定された場合は、通知は行われない。このようにすることで、サーバ側演算部220は、各撮像部20から収集した各静止画の画像解析の結果、鳥獣が含まれていると判断された罠器については、タイマ設定欄114で設置した時刻に、サーバ部200からクライアント部300に対し通知する。その一方で、鳥獣が含まれていないと判断された罠器については、サーバ部200からクライアント部300に対し通知しない。これにより、鳥獣を捕獲した罠器についてのみ通知されるようにして、ユーザの確認の手間を省くことができる。
【0062】
「マップ上のマーカーを非表示」オプション118bをチェックすると、トップページのマップ上からピンが削除される。また、使用していないデバイスをマップ上から非表示とすることもできる。非表示とした後、デバイスから再度データがアップロードされると、自動的にマーカーが表示され、「マップ上のマーカーを非表示」のチェックが外れる。
【0063】
以上のような設定画面110で各設定を行った上で、「更新」ボタン119を押下すると、設定が保存され、反映される。このような設定を、撮像ユニット100毎に行う。なお、複数の撮像ユニット100に対し、同じ設定項目をコピーできるよう、設定のコピー機能を持たせてもよい。あるいは、複数の撮像ユニット100に対し、共通の設定を行った後、各撮像ユニット100毎に、共通の設定から特定の項目のみを微調整するようにして、設定を効率的に行うようにしてもよい。
【0064】
以上のような設定画面110の設定に従い、サーバ部200は撮像ユニット100を制御する。すなわち各撮像部20に対し、それぞれタイマ設定欄114で指定された時刻に、静止画を撮像するよう指示する。そして撮像部20で撮像された静止画をサーバ側保存部230で保存する一方、サーバ側演算部220で静止画に対し、画像解析を行い、鳥獣の種別や可能性、頭数などを演算する。解析結果は、タイマ設定欄114で指定された時刻に、指定されたクライアント部300に対しサーバ部200から送信される。このようにタイマ設定欄114で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【0065】
一方でクライアント部300は、サーバ部200による静止画の画像解析の結果を確認する方法として、サーバ部200からのメール通知による能動的な確認と、クライアント部300側からサーバ部200にアクセスする積極的な確認の2つの方法が可能となっている。まず、積極的な確認方法について説明する。
(鳥獣対策マップ画面120)
【0066】
本実施形態に係る鳥獣捕獲管理システム1000は、ユーザが各罠サイトTSの状況を確認するための画面として、鳥獣対策マップ画面120を用意している。鳥獣対策マップ画面120の一例を図8に示す。この鳥獣対策マップ画面120へのアクセスには、ユーザがクライアント部300を用いて特定のURLにアクセスし、ログイン画面からユーザ名とパスワードを入力することで行う。この鳥獣対策マップ画面120から、ユーザは特定の罠サイトの状況を確認するよう、所望の撮像ユニット100を選択する。図8に示す鳥獣対策マップ画面120は、マップ表示欄121と、センサ一覧表示欄122を備える。また画面左上には、「鳥獣対策マップ」と「センサー実績」を切り替えるための「鳥獣対策マップ」ボタン123と「センサー実績」ボタン124を備えている。
【0067】
鳥獣対策マップ画面120のマップ表示欄121では、地図が表示されると共に、撮像ユニット100を設置した罠サイトを地図上に重ねて表示している。地図は、マップ表示欄121で大きさや位置を任意に変更できる。
【0068】
センサ一覧表示欄122では、各罠サイトに設置された撮像ユニット100が一覧表示される。一覧表において、各撮像ユニット100は行毎に表示される。各行に表示される撮像ユニット100は、固有の識別情報で区別される。図8の例では、各行に表示される撮像ユニット100毎の情報は、左から順に撮像ユニット100の識別情報欄125、鳥獣種類欄126、稼働状況欄127、通知日欄128、設置日欄129、説明欄130、位置情報欄131、電波状況欄132、電圧欄133を含む。
【0069】
識別情報欄125は撮像ユニット100を区別する固有の識別情報を示す欄であり、ここでは識別情報を数値としている。
【0070】
鳥獣種類欄126は、自動検出された鳥獣の種別を表示する欄である。鳥獣の捕獲が検出されない場合は「-」と表示される。また、鳥獣が捕獲されたことを検出した欄は、赤で表示させて、未検出の撮像ユニット100と区別し易くしている。
【0071】
稼働状況欄127は、撮像ユニット100が動作状態か非動作状態かを示す欄である。図8の例では、稼働中の撮像ユニット100は青で、非稼働の撮像ユニット100は赤色で表示させ、区別し易くしている。
【0072】
通知日欄128は、最後にクライアント部300に通知した日時、いわば更新日時を示す欄である。
【0073】
設置日欄129は、撮像ユニット100を可動させた日時を示す欄である。
【0074】
説明欄130は、ユーザが任意のテキスト情報を入力する欄であり、例えば罠サイトの場所等、特定し易い情報を入力する。
【0075】
位置情報欄131は、マップ表示欄121へのリンクを設定している。位置情報表示左欄に表示される「位置」をクリックすることで、マップ表示欄121に該当する撮像ユニット100の設置位置が表示されるように自動的に表示位置と表示サイズが変更され、地図上の該当する位置にマーカーが表示される。例えば図8の鳥獣対策マップ画面120のセンサ一覧表示欄122から、No.2の撮像ユニット100について位置情報欄131の「位置」131aをクリックすると、図9に示すように該当する地域にマップ表示欄121が移動して、さらに拡大して表示される。これにより、ユーザはセンサ一覧表示欄122とマップ表示欄121の表示を対応させて、所望の撮像ユニット100の位置を容易に把握できる。また、センサ一覧表示欄122の任意の行をクリックすると、対応する位置がマップ表示欄121で表示させるように構成してもよい。この場合は、位置情報欄131を別途設けなくとも足りる。
(ポップアップ表示画面140)
【0076】
図9の状態でマップ表示欄121のマーカーをクリックすると、図10に示すようにマップ表示欄121上にポップアップ表示画面140が表示される。ポップアップ表示画面140では、直近で保存された静止画と、その下にテキスト情報、通知日などが表示される。これによりユーザは、所望の罠サイトの最近の状況を容易に確認できる。またポップアップ表示画面140には、詳細表示画面150や設定画面110へのリンクを設定することができる。図10の例では、ポップアップ表示画面140の下部に「詳細」リンク143と「設定」リンク144が設定されている。「詳細」リンク143をクリックすると、図11に示す詳細表示画面150が表示される(詳細は後述)。また「設定」リンク144を押下すると、上述した図7の設定画面110が表示される。
【0077】
電波状況欄132は、罠側通信部30との通信状況を示す欄である。問題なく通信可能なレベルである場合は「OK」と表示され、通信の安定性が低い場合は「限界」と表示される。「OK」は青で、「限界」は赤で表示させることで、ユーザに対し必要な対策を講じるよう促すことができる。また、電波強度を表示させてもよい。
【0078】
電圧欄133は、電池の電圧を表示させるための欄である。安定駆動可能なレベルである場合は「OK」と表示され、電圧が基準値以下の場合は「限界」と表示される。「OK」は青で、「限界」は赤で表示させることで、ユーザに対し該当する罠サイトの電池交換を促すことができる。また、電圧を表示させてもよい。
【0079】
さらに各行の右端には、詳細表示画面150や設定画面110へのリンクが設定されている。これら「詳細」リンク134や「設定」リンク135は、上述した図10のポップアップ表示画面140の下部に設けられた「詳細」リンク143や「設定」リンク144と同様の機能果たす。
(詳細表示画面150)
【0080】
「詳細」リンク143をクリックすると、図11の詳細表示画面150が表示される。詳細表示画面150は、選択した撮像ユニット100の、稼働実績や静止画を表示させるための画面である。図11の例では、詳細表示画面150はセンサ稼働実績画面151と画像データ履歴画面152を含む。センサ稼働実績画面151は、撮像ユニット100の現在や過去の実績を表示させる。ここでは、データ種別、ID、デバイスNo.、デバイス説明、設置日時、場所、地図、天気、気温、バッテリー、電波状況、緯度、経度を一覧表示している。
【0081】
画像データ履歴画面152は、過去に撮像した静止画SIを確認できる。静止画SIの下部には、撮影日時と解析結果が表示される。解析結果は、鳥獣が検出されたかどうか、検出された場合はその種別を表示する。また、検出された種別が誤っている場合は、「修正する」リンク154を押下して、手動で修正することができる。修正を行うと、その修正結果が自動的に学習され、サーバ側演算部220による画像解析の精度が向上される。さらに下部にはプログレスバー155が表示され、現在表示されている静止画SIの撮像タイミングを表示している。デフォルトではプログレスバー155は右端に表示され、最新の静止画SIが表示される。この状態で、プログレスバー155を左側に移動させると、過去に撮像された静止画SIに切り替えることが可能となる。この例では、最大30枚の静止画SIを保存でき、左端が現時点で保存されている最も古い静止画SIとなる。さらにプログレスバー155の下部には、静止画SIをダウンロードするためのボタンが表示される。左側の「ダウンロード」ボタン156を押下すると、現在表示されている静止画SIを保存できる。また右側の「全てダウンロード」ボタン157を押下すると、現在保存されているすべての静止画SIを保存できる。
【0082】
一方、「設定」リンク144をクリックすると、上述した図7の設定画面110が表示される。これにより、選択した撮像ユニット100の設定を行うことができる。
【0083】
図8の鳥獣対策マップ画面120を利用すれば、GPSセンサ50で検出した各罠器の位置を、地図上に重ねて表示することで、猟師など罠器の設置者に対して有効である。加えて、どの位置でどの鳥獣が捕獲されているか、鳥獣の生態の把握にも利用でき、例えば地方自治体のような、鳥獣駆除の責任者や監督者にも有益となる。さらには、どの鳥獣がどの地点に生息しているかを確認可能な鳥獣の生態系マップを得ることができ、害獣駆除の対策を講じる際の指針等に利用できるのみならず、学術目的で各地の生物の生態系を把握する実データとしても活用できる。
(センサー稼働実績画面160)
【0084】
次に、図8の鳥獣対策マップ画面120において、左上で「センサー実績」ボタン124を押してセンサー実績画面に切り替えた状態を図12に示す。図12に示すセンサー稼働実績画面160では、各撮像部20で取得した静止画SIを一覧表示させることができる。また、検索条件を変更することで、特定の静止画SIのみを抽出して表示させることもできる。ここでは、センサー稼働実績画面160は、抽出条件指定欄161と、検索結果表示欄167を設けている。抽出条件指定欄161は、センサー稼働実績画面160に表示させる静止画SIを抽出する抽出条件を指定するための欄である。
(抽出条件指定欄161)
【0085】
抽出条件指定欄161は、センサ選択欄162、解析結果選択欄163、表示形式選択欄164、期間選択欄165を設けている。
【0086】
センサ選択欄162では、センサの種別と数を指定する。ここではセンサ選択欄162として、センサ種別欄162aとセンサ番号欄162bを備えている。センサ種別欄162aでは、センサの種別として、カメラや赤外線センサ等をプルダウンメニューから選択できる。センサ番号欄162bでは、センサ種別欄162aで選択したセンサを特定する。例えばすべてのセンサや、特定のセンサを番号で指定する。
【0087】
解析結果選択欄163では、静止画SIに含まれる鳥獣の種別を表示させるための欄である。ここでは、イノシシ、シカ、サル、クマ、その他小動物のいずれかを選択可能としている。また、天然記念物など、捕獲を禁止されている鳥獣を指定するようにしてもよい。
【0088】
特に、静止画SIに対する画像解析の結果、天然記念物が含まれていると判別された場合に、サーバ部200からクライアント部300に対し警告を通知するよう構成してもよい。これにより、誤って天然記念物を捕獲した場合に、速やかに放逐できるようにして、貴重な天然記念物の保護と有害な鳥獣の駆除を両立できる。
【0089】
表示形式選択欄164は、表示される表示対象物を選択するための欄である。ここでは、表示対象物として画像又はテーブルを指定することができる。画像を選択すると、静止画SIが表示される。テーブルを選択すると、緯度経度、受信日時など画像以外のデータ詳細を表示するテーブルが表示される。
【0090】
期間選択欄165では、表示したい期間を選択する。例えば、「過去50件」、「今月」、「前月」、「選択」等を選択できる。「選択」では、特定の期間(例えば4/1~6/30等)を指定できる。
【0091】
以上のようにしてユーザが抽出条件指定欄161から各抽出条件を指定した上で、「検索」ボタン166を押下すると、検索が実行されて、検索結果が検索結果表示欄167に一覧表示される。検索結果表示欄167は、抽出された画像を、それぞれ画像表示欄168と結果表示欄169で表示させる。
(画像表示欄168)
【0092】
画像表示欄168では、表示形式選択欄164で選択した表示対象物を表示させる。図12の例では画像を選択しており、抽出された静止画SIが一覧で表示される。各画像表示欄168の右上には、ダウンロードボタン168bが設けられており、このダウンロードボタン168bを押下することで表示された静止画SIをクライアント部300にダウンロードすることができる。
(結果表示欄169)
【0093】
各画像表示欄168の下部に結果表示欄169が設けられており、抽出された撮像ユニット100に付与されたテキスト情報、撮像日時、解析結果等が表示される。また結果表示欄169は、種別表示欄170と数値表示欄172を含む。
(種別表示欄170)
【0094】
種別表示欄170は、静止画SIに含まれる鳥獣の種別を表示させるための欄である。ここでは、サーバ側演算部220で静止画SIを画像解析した結果として判別された鳥獣として、イノシシ、シカ、サル、クマ、その他小動物のいずれかが表示される。
(数値表示欄172)
【0095】
数値表示欄172は、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための欄である。これにより、利用者は予め鳥獣の種類を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。
(可能性表示欄172A)
【0096】
図12の例では、数値表示欄172を、種別表示欄170で表示される鳥獣の種別として判別された可能性を表示させる可能性表示欄172Aとしている。可能性表示欄172Aは、サーバ部200のサーバ側演算部220画像処理部で画像解析して鳥獣の種別を判別した際の確率を示している。このような確率を数値で示すことにより、ユーザは判別結果の正しさの精度を知る目安とできる。
【0097】
特に本実施形態に係る鳥獣捕獲管理システム1000においては、動画像でなく静止画SI像を使用している上、罠器に捕獲された瞬間でなく、ユーザの指定した任意のタイミングで撮像するように構成している。この構成であれば、ユーザは深夜にメール通知を受けることもなく、生活のリズムを崩すことなく、負担の少ない鳥獣捕獲の管理を実現できる(鳥獣は夜間に活発に活動する性質を有するため、夜中に罠器にかかることは珍しくない)。また、罠器が作動するタイミングを検出する特別な仕組みやセンサも不要となり、鳥獣捕獲管理システム1000の構成を簡素化できる利点も得られる。加えて、動画像でなく静止画SIを用いることで、送信されるデータや画像処理の対象となるデータ量を制限して、処理負荷も軽減でき、処理の軽量化や高速化にも資する。
【0098】
しかしその一方で、上記構成によれば静止画SIの撮像タイミングが、必ずしも鳥獣の特定に適した画像とならないことが起こり得る。一般に、罠器にかかった鳥獣は、その直後は激しく暴れて罠器から逃れようとする。この間に静止画SIを撮像することができれば、鳥獣が直立したままの姿勢であることから、鳥獣の種別を判別するのに適した画像が得られる可能性が高い。しかし、上述の通り本実施形態に係る鳥獣捕獲管理システム1000では、撮像タイミングは罠器の動作とは別に、ユーザが確認し易い任意のタイミングとなっている。すなわち、夜間でなく朝や昼間といった時間帯となる。このような時間帯に罠器にかかることは一般的に少ないため、罠器にかかった後、かなりの時間が経過したタイミングとなる。一般に鳥獣は、罠にかかった直後は暴れるものの、しばらく暴れた後は諦めて大人しくなることが多い。すなわち、罠器の中で直立せず、座った姿勢になることが多い。この状態では、鳥獣の足が見えず、また比較的小さく写ることから、撮像した静止画SIから種別を正確に判断することが困難となる。すなわち、本実施形態に係る鳥獣捕獲管理システム1000においては、撮像タイミングを鳥獣側でなくユーザ側の都合に合わせ、かつハードウェアの簡素化を図った結果として、鳥獣の種別判定の精度が相対的に低下する傾向にある。そこで、精度が悪い事態が起こり得ることを前提とし、その確率を数字で表示させることで、ユーザに対し、自動判別の信憑性の指標を示し、誤検出の可能性が高いケースでもユーザが気付きやすい環境とできる。また、必要に応じて判別結果を手動で修正可能とし、さらに修正された判別結果を機械学習に反映させることで精度を向上させることも期待できる。特に、誤検出が生じ易い画像を集めることで、精度の改善に寄与できる。
【0099】
また、可能性表示欄172Aで表示される確率の値が所定値よりも低い場合、着色して表示させることで、ユーザに対する注意喚起を促すこともできる。着色は青と赤の二色とする他、青、黄、赤の三色としてもよい。例えば確率が50%以上は青、30%以上50%未満は黄、30%未満は赤とすることで、感覚的にユーザに対し、検出された種別の精度を把握し易い環境とできる。
[実施形態2]
【0100】
以上の実施形態1では、数値表示欄172を、可能性表示欄172Aとする例を説明したが、本発明はこの構成に限られず、数値表示欄172を他の数値、例えば静止画に含まれる鳥獣の頭数を表示させる頭数表示欄としてもよい。このような例を実施形態2に係る鳥獣捕獲管理システムとして、図13の解析結果画面180に示す。この図において、上述した実施形態1と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を適宜省略する。
(頭数表示欄172B)
【0101】
図13に示す解析結果画面180も、種別表示欄170と、数値表示欄172を備えている。数値表示欄172は、静止画SIに含まれる鳥獣の頭数を、サーバ部200のサーバ側演算部220画像処理部で画像解析により算出して表示させる頭数表示欄172Bを構成している。これにより、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また鳥獣によっては、まとまった数が捕獲された時点で、回収に向かうことがある。例えばサル用の大型の罠や、カラスなどの鳥用の罠は、複数匹を捕獲することを前提に設計されているので、一匹だけ捕獲された人では回収に向かわない。このため、所定数が捕獲されたことを確認した上で回収に出向くことで、効率良く管理できる。また、所定数を予めしてしておき、鳥獣の頭数が所定数を越えた場合に通知を送ったり、数値表示欄172を赤色に変化させるなどして、ユーザに回収を促すように構成してもよい。
【0102】
また頭数表示欄172Bは、可能性表示欄172Aと置き換えてもいいし、あるいは可能性表示欄172Aと併記してもよい。
[実施形態3]
【0103】
また解析結果画面180は、静止画に含まれる鳥獣の大きさを表示させる大きさ表示欄を備えてもよい。これにより、鳥獣の改修に必要な機器や人員をさらに予測しやすくできる。大きさの測定は、上述したサーバ側演算部220による学習の他、予め基準となるスケールを入力あるいは指定しておくことで、これらを基準にして大きさを推測しやすくなる。例えば罠器が檻の場合は、檻の大きさ(高さ、幅、奥行き等)を入力しておくことで、静止画に含まれる檻の大きさから、鳥獣の大きさを推定しやすくなる。また、予め規定された大きさや長さの基準片を用意し、撮像時には基準片が静止画に含まれように撮像部20を設置することで、画像処理で基準片を検出し、その大きさや長さを基準として、画素あたりの実寸を算出するキャリブレーションを事前に行い、運用時は静止画に含まれる鳥獣の縦横の画素数からサイズを算出するよう構成してもよい。
【0104】
さらに、静止画に含まれる鳥獣の重量を推定して表示させる重量表示欄を付加してもよい。これにより、大凡の重量を事前に知ることができ、必要な設備や人員の確保のための指標として利用することができる。
【0105】
さらにまた、このような大きさの算出のため、例えば設定画面110に、撮像部20と罠器との距離を入力する被写体距離入力欄を設けておくこともできる。この場合はサーバ側演算部220が、被写体距離入力欄で指定された距離に応じて、罠器に補足された鳥獣の大きさを推定する。
(通知メール画面)
【0106】
また一方で、サーバ部200による解析結果は、上述した解析結果画面180のみならず、サーバ部200から送信されるメールで確認することもできる。メールの表示は、解析結果画面180を表示させるクライアント部300と共通とする他、他のクライアント部300で表示させてもよい。例えば、クライアント部300として、猟師が自宅に設置したコンピュータやタブレットを用いて、比較的大きなディスプレイを、解析結果画面180を表示させるクライアント側表示部340として利用する。その一方で、サーバ部200からメールを受信するための別のクライアント部300として、猟師が携行するスマートフォンや携帯電話を利用し、外出先などでもメールをチェックして、簡便に解析結果を確認することが可能となる。なおメールを受信したクライアント部300のクライアント側表示部340に表示される通知メール画面は、解析結果画面180と同様に構成することができる。
【0107】
サーバ部200は、タイマ設定欄114で設定した時刻にクライアント部300に対してメールを送信して、解析結果を通知する。ここで通知メール画面の一例を、図14に示す。この図に示す通知メール画面190は、静止画表示領域191と情報表示領域192を備えている。静止画表示領域191は、撮像した静止画を表示する。情報表示領域192は、静止画を撮像した場所や、日時、解析情報を含む。解析情報は、種別を自動判別した解析結果を含む。また情報表示領域192は、上述した数値表示欄を含めてもよく、例えば確率を表示させる可能性表示欄や、自動検出した頭数を示す頭数表示欄を含めてもよい。図14の例では、頭数表示欄を含めている。また通知メール画面190は、解析結果画面180と同様に構成してもよい。
【0108】
図14の例では、メールごとに、撮像ユニット100で撮像した静止画と、解析情報を含めている。言い換えると、通知するよう設定された撮像ユニット100の数だけメールが送信される。ただ、この構成に限らず、一のメールに、複数の撮像ユニット100でそれぞれ撮像した静止画と解析情報を含めてもよい。この方式であれば、罠サイト毎にメールを切り替えて確認する手間を省いて、一のメールを開くだけで、複数の罠サイトの状況を確認できる。クライアント側表示部340の画面が小さくとも、画面をスクロールすれば、各罠サイトの静止画を順次表示できる。特に罠サイトの数が多い場合は、複数のメールを開いたり閉じたりする作業を省いて閲覧できるので、便利となる。
【0109】
以上の鳥獣捕獲管理システムを用いて、複数の罠器を多くの場所に設置した猟師や駆除業者、あるいは地方自治体が、各罠サイトの様子を遠隔から確認するために利用できる。特に従来の、動画像を撮像するシステムや、罠にかかったことを即座に通知するシステムに比べて、データ量の少ない静止画を所定のタイミングでのみ撮像するようにして処理負荷を軽減し、設備コストや通信コスト等のランニングコストを削減できる。また営業時間内のみ通知を受けるようにするなどして、管理者側の負担も軽減できる。さらに、既に設置済みの罠器に対し、撮像ユニット100を付加することが可能であり、既存の設備を生かしたまま、使い勝手を向上できる利点も得られる。特に、高齢者でも山奥に持ち込みやすいように、撮像部20等の機器をコンパクト化し、また設置作業も行い易いようにして一人でも設置可能とし、人件費や導入時の手間も削減できる。加えて、設定作業も自動化し、電源ONのみで使用可能とすることで、IT機器に詳しくない者でも扱えるようにした、導入、運営の容易な扱い易い鳥獣捕獲管理システムを構築できる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明に係る鳥獣捕獲管理システム、鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニット、クライアント端末、鳥獣捕獲管理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体並びに記録した機器は、イノシシ、シカ、サル、クマ、カラス、ハト等の作物を荒らす、あるいは人に危害を加えるおそれのある害獣を捕獲する罠器と共に使用するカメラとして、好適に利用できる。
【符号の説明】
【0111】
1000…鳥獣捕獲管理システム
100、100’…撮像ユニット
10…外装ケース
12…扉部
20、20’…撮像部
30…罠側通信部
40…電池ホルダ
42…蓋
50…GPSセンサ
60…照明部
110…設定画面
112…名称欄
114…タイマ設定欄
116…通知先設定欄
118…オプション設定欄;118a…「害獣検知時のみ通知する」オプション;118b…「マップ上のマーカーを非表示」オプション
119…「更新」ボタン
120…鳥獣対策マップ画面
121…マップ表示欄
122…センサ一覧表示欄
123…「鳥獣対策マップ」ボタン
124…「センサー実績」ボタン
125…識別情報欄
126…鳥獣種類欄
127…稼働状況欄
128…通知日欄
129…設置日欄
130…説明欄
131…位置情報欄;131a…「位置」
132…電波状況欄
133…電圧欄
134…「詳細」リンク
135…「設定」リンク
140…ポップアップ表示画面
143…「詳細」リンク
144…「設定」リンク
150…詳細表示画面
151…センサ稼働実績画面
152…画像データ履歴画面
154…「修正する」リンク
155…プログレスバー
156…「ダウンロード」ボタン
157…「全てダウンロード」ボタン
160…センサー稼働実績画面
161…抽出条件指定欄
162…センサ選択欄;162a…センサ種別欄;162b…センサ番号欄
163…解析結果選択欄
164…表示形式選択欄
165…期間選択欄
166…「検索」ボタン
167…検索結果表示欄
168…画像表示欄;168b…ダウンロードボタン
169…結果表示欄
170…種別表示欄
172…数値表示欄;172A…可能性表示欄;172B…頭数表示欄
180…解析結果画面
190…通知メール画面
191…静止画表示領域
192…情報表示領域
200…サーバ部
210…サーバ側通信部
220…サーバ側演算部
230…サーバ側保存部
300…クライアント部
310…クライアント側通信部
320…クライアント側演算部
340…クライアント側表示部
TP…罠器
TS…罠サイト
TU…罠ユニット
BT…電池
SI…静止画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-11-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、
前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、
を備えるサーバ部と、
前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、
前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、
を備える一以上のクライアント部と、
を備える鳥獣捕獲管理システムであって、
前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を表示可能としており、
前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、
各撮像部で、前記タイマ設定欄で設定された時刻撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、
該静止画に対し、画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面を表示可能としてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記数値表示欄が、前記種別表示欄で表示される鳥獣の種別として判別された可能性を表示させる可能性表示欄を含む鳥獣捕獲管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記数値表示欄が、前記静止画に含まれる鳥獣の頭数を表示させる頭数表示欄を含む鳥獣捕獲管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記解析結果画面が、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対して通知されるメールの通知メール画面である鳥獣捕獲管理システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記解析結果画面がさらに、
該静止画に含まれる鳥獣の大きさを表示させる大きさ表示欄を備えてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記設定画面が、前記撮像部と前記罠器との距離を入力する被写体距離入力欄を備えており、
前記サーバ側演算部が、前記被写体距離入力欄で指定された距離に応じて、前記罠器に補足された鳥獣の大きさを推定するよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記静止画に対する画像解析が、AIで行われてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記一以上のクライアント部は、前記タイマ設定欄で指定された時刻に、各罠器の状況をメールで前記サーバ部から通知されよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記タイマ設定欄で指定可能な時刻を、一日の内の複数回とし、
前記撮像部は、毎日、前記タイマ設定欄で指定された時刻に撮像を行うよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記静止画に対する画像解析の結果、
鳥獣が含まれていると判断された罠器について、前記タイマ設定欄で設置した時刻に、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対しメールで通知されると共に、
鳥獣が含まれていないと判断された罠器について、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対し通知しないよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記静止画に対する画像解析の結果、天然記念物が含まれていると判別された場合に、前記サーバ部から前記一以上のクライアント部に対し警告を通知するよう構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項12】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、さらに、
前記罠器を設置した位置情報を検出可能なGPSセンサを備え、
前記一以上のクライアント部は、前記GPSセンサで検出した前記罠器の位置情報を、緯度及び経度の形式で、第三者と共有可能に構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記一以上のクライアント部のクライアント側表示部は、前記GPSセンサで検出した各罠器の位置情報を、地図上に重ねて表示可能な鳥獣対策マップ画面を表示可能としており、
前記複数の罠器の内、鳥獣を捕獲した罠器については、該捕獲した鳥獣の種別を地図上で確認可能としてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項14】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、さらに、
前記撮像部による罠器の撮像に際して、照明光を照射する照明部を備えており、
前記照明部は、前記撮像部による撮像と同期して照明光を照射可能に構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項15】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記撮像部が、赤外線画像を撮像可能に構成してなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項16】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記電池ホルダが、防水仕様である鳥獣捕獲管理システム。
【請求項17】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥獣捕獲管理システムであって、
前記撮像部と、罠側通信部と、電池ホルダとが、一体的にまとめられた撮像ユニットを構成しており、
複数の撮像ユニットが、各罠器を設置した位置に、それぞれ一台以上配置されてなる鳥獣捕獲管理システム。
【請求項18】
捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
を含む撮像ユニットと、
各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、
前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、
を備えるサーバ部と、
を備える鳥獣捕獲管理システムで用いるクライアント端末であって、
前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、
前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、
を備え、
前記クライアント側表示部は、前記サーバ部のサーバ側演算部で生成される、
各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面と、
前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面と、
を表示可能としてなるクライアント端末。
【請求項19】
捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、
各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、
各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、
各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、
各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、
前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、
を備えるサーバ部と、
前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、
前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、
を備える一以上のクライアント部と、
を備える鳥獣捕獲管理システムで用いる鳥獣捕獲管理プログラムであって、
各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、
前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、
前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、
鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、
を含む解析結果画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、
をコンピュータに実現させるための鳥獣捕獲管理プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の鳥獣捕獲管理プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の形態に係る鳥獣捕獲管理システムは、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備える一以上のクライアント部と、を備える鳥獣捕獲管理システムであって、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を表示可能としており、前記一以上のクライアント部の内、少なくとも一のクライアント部のクライアント側表示部は、各撮像部で、前記タイマ設定欄で設定された時刻撮像された静止画を表示する静止画表示欄と、該静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面を表示可能としている。上記構成により、利用者は事前に捕獲した鳥獣の概要を把握し易くなり、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することが可能となり、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
さらにまた、本発明の他の形態に係る鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニットは、捕獲対象の鳥獣が生息する部位に設置する罠器と共に使用するための鳥獣捕獲管理システム用撮像ユニットであって、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、を一体的に備え、サーバ部からのデータを受けてクライアント部のクライアント側表示部に表示される、前記撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面で設定された時刻に、前記撮像部で撮像された静止画に対し、サーバ部で画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面を、前記クライアント側表示部に表示可能としている。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
さらにまた、本発明の第18の形態に係るクライアント端末は、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、を含む撮像ユニットと、各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、を備える鳥獣捕獲管理システムで用いるクライアント端末であって、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備え、前記クライアント側表示部は、前記サーバ部のサーバ側演算部で生成される、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面と、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面と、を表示可能としている。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
さらにまた、本発明の第19の形態に係る鳥獣捕獲管理プログラムは、捕獲対象の鳥獣が生息する複数の部位に設置するための複数の罠器と、各罠器の近傍にそれぞれ設置した、静止画を撮像可能な複数の撮像部と、各撮像部と接続され、該撮像部で撮像した静止画を、後記サーバ部に対してデータ送信するための複数の罠側通信部と、各撮像部及び罠側通信部と有線接続され、該撮像部及び罠側通信部に駆動電力を供給する電池を保持する複数の電池ホルダと、各罠側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うサーバ側通信部と、前記サーバ側通信部が各罠側通信部とデータ通信を行って、各撮像部で撮像された静止画を収集し、画像解析を行うサーバ側演算部と、を備えるサーバ部と、前記サーバ側通信部と公衆回線を使って無線でデータ通信を行うクライアント側通信部と、前記クライアント側通信部で前記サーバ側通信部とデータ通信を行って取得した情報を表示させるクライアント側表示部と、を備える一以上のクライアント部と、を備える鳥獣捕獲管理システムで用いる鳥獣捕獲管理プログラムであって、各撮像部で撮像する時刻を一以上指定するためのタイマ設定欄を含む設定画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、前記タイマ設定欄で設定された時刻に各撮像部で撮像された静止画に対し、画像解析を行った結果として、前記静止画に含まれる鳥獣の種別を表示させるための種別表示欄と、鳥獣の特定に関する数値情報を表示させるための数値表示欄と、を含む解析結果画面を前記クライアント側表示部に表示させる機能と、をコンピュータに実現させるための鳥獣捕獲管理プログラムである。上記構成により、利用者は予め鳥獣の種別と数を把握できるので、罠器を仕掛けた現地に出向く前に必要な資材や人員を準備することができ、無駄なく駆除処理を行うことが可能となる。また、タイマ設定欄で指定された時刻に静止画を撮像する構成としたことで、動画像に比べ処理を軽負荷とし、消費電力を抑えて電池駆動でも長期間の駆動を可能とできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
さらにまた、本発明の第20の形態に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器は、上記鳥獣捕獲管理プログラムを記録したものである。記録媒体には、CD-ROM、CD-R、CD-RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW、Blu-ray(登録商標)、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記憶した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。