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  • 特開-空気調和機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110660
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20240808BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20240808BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F8/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015368
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】日本キヤリア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 廉
(72)【発明者】
【氏名】金川 桂子
(72)【発明者】
【氏名】山根 宏昌
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB18
3L260BA32
3L260BA41
3L260FA09
3L260FA13
3L260FC21
(57)【要約】
【課題】
一定の空間除菌能力を保ち、長寿命化を達成することができる空気清浄部を有する空気調和機を提供することである。
【解決手段】
実施形態の空気調和機は、空気吸込口と空気吹出口とを連通する通風路に、送風機と、熱交換器と、が配置されている。通風路上に配置される遮光グリルと殺菌灯とエアフィルタとを有する空気清浄部と、殺菌灯の点灯および消灯を制御する制御部と、を備える。殺菌灯は、送風機の運転時に、所定の時間周期で点灯、または消灯するように制御され、殺菌灯の点灯時間は、送風機の風量設定に基づき、変更設定される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吸込口と空気吹出口とを連通する通風路に、送風機と、熱交換器と、が配置された空気調和機において、
前記通風路上に配置される遮光グリルと殺菌灯とエアフィルタとを有する空気清浄部と、前記殺菌灯の点灯および消灯を制御する制御部と、を備え、
前記殺菌灯は、前記送風機の運転時に、所定の時間周期で点灯、または消灯するように制御され、
前記殺菌灯の点灯時間は、前記送風機の風量設定に基づき、変更されることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記殺菌灯は、前記送風機の運転時において、前記送風機の風量が小さいときよりも風量が大きいときの方が、点灯時間が短く、且つ消灯時間が長くなるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記殺菌灯は、前記送風機の運転停止時に、所定の時間周期で点灯、または消灯するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記殺菌灯は、前記送風機の運転停止時に、所定の時間周期で点灯、または消灯するように制御され、
前記殺菌灯の点灯時間は、前記送風機の運転時の風量設定に基づき、変更されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気清浄部を有する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗などの広い空間を空調する場合には、空気調和機の室内機として壁面に取り付けられる、いわゆる壁掛け形よりも、天井裏に据え付けられるビルトインタイプのものの方が有利である。この種の室内機は、天井に設けられる複数の吹出口とダクトを介して連通され、室内全体に均一に熱交換空気を吹き出すことで、快適空調を得ている。
【0003】
従来、フィルタ等の捕集エレメントが捕らえた細菌などを死滅させるための紫外線灯が設けられている空気調和機が知られている。例えば、特許文献1は、ファンと殺菌手段である紫外線灯との起動または停止のタイミングをずらすことで、吸い込んだ空気に含まれる菌を殺菌し、室内へ吹き出している。具体的には、紫外線灯の停止タイミングをファンの停止タイミングよりも遅らせることで、空気調和機の運転後に、捕集エレメント内に残った菌を殺菌している。
【0004】
しかし、上述した文献に開示された方法では、捕集エレメントを殺菌することができるが、ファンの運転中は、紫外線灯が点灯し続けている。そのため、紫外線灯の消費電力が大きくなり、さらに紫外線灯の寿命による交換時期が短いことが問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8―131880
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、一定の空間除菌能力を保ち、長寿命化を達成することができる空気清浄部を有する空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の空気調和機は、空気吸込口と空気吹出口とを連通する通風路に、送風機と、熱交換器と、が配置されている。通風路上に配置される遮光グリルと殺菌灯とエアフィルタとを有する空気清浄部と、殺菌灯の点灯および消灯を制御する制御部と、を備える。殺菌灯は、送風機の運転時に、所定の時間周期で点灯、または消灯するように制御され、殺菌灯の点灯時間は、送風機の風量設定に基づき、変更設定される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の縦断面図。
図2】本発明の実施形態に係る室内ユニット制御基板と空気清浄ユニット制御基板の制御ブロック図。
図3】本発明の実施形態に係る送風機の運転中における紫外線灯の点灯時間と風量の関係図。
図4】本発明の実施形態に係る紫外線灯のオン・オフ動作を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る空気調和機について、図1図4を参照して説明する。
【0010】
図1は、ビルトイン形の空気調和機1の縦断面図である。空気調和機1は、室内ユニット2と、空気清浄部である空気清浄ユニット3と、を備えている。この室内ユニット2と空気清浄ユニット3は、連結された状態において、連通した通風路18を有している。
【0011】
室内ユニット2は、高さ方向寸法が、幅方向(図1の表裏方向)の寸法および奥行き方向(図1の左右方向)の寸法よりも短い扁平な矩形状の箱体である。室内ユニット2には、室内ユニット2の幅方向に亘って、室内ユニット2を送風機室4と熱交換室5に区画する仕切板6が設けられている。
【0012】
室内ユニット2は、熱交換室5の下面部が下面板2a、上面部が天板2b、手前側の側面部が側面板2c、奥側の側面部が側面板2d、送風機室4の下面部が遮風板2eでそれぞれ構成され、各板2a~2eは、それぞれ金属薄板を板金加工して成形される。室内ユニット2の正面部2fには、空気吹出口7が設けられている。
【0013】
送風機室4には、室内ユニット2内に天井裏の空気を吸い込む空気吸込口8が設けられている。この空気吸込口8は、下面部に設けられる空気吸込口8aと、背面部に設けられる空気吸込口8bが設けられていて、据付現場の事情に応じて、いずれか一方の空気吸込口8aもしくは8bが選択され、他方の空気吸込口8aもしくは8bが、遮風板2eで閉塞される。本発明の実施形態では、送風機室4は、下面部の空気吸込口8aを閉塞し、背面部の空気吸込口8bを開口して、後述する空気清浄ユニット3に連結されている。
【0014】
そして、室内ユニット2は、送風機室4に収容される送風機9と、熱交換室5に収容される熱交換器10と、熱交換室5に収容されて熱交換器10の下方に配置されるドレンパン11と第一電気部品箱12と、を備えている。
【0015】
送風機室4は、空気吸込口8から空気を吸い込み、熱交換室5へ空気を吐出させる。熱交換室5へ吐出された空気は、熱交換器10で熱交換される。つまり、送風機9は、熱交換室5に熱交換空気を通風させる。このようにして構成される送風機室4には、室内ユニット2内に収容される全ての電気部品を制御する電気制御部品と、この電気制御部品を実装して電気回路を構成する制御基板などを備えた第一電気部品箱12が、後述するようにして備えられている。
【0016】
送風機9は、室内ユニット2の幅方向に延びる回転軸を有するファンモータ13と、ファンモータ13によって駆動されるファン(図示省略)と、を備えている。
ファンは、回転に伴って軸方向から空気を吸い込み、周方向へ空気を吹き出す方式のファン、いわゆる多翼送風機(シロッコファン)である。ファンは、ファンケーシング14に収納されている。
ファンケーシング14の側面には、空気を吸い込む吸込口15が設けられている。ファンケーシング14の仕切板6側の端部には、吹き出しノズル16が設けられている。吹き出しノズル16は、仕切板6を貫通して熱交換室5内に突出している。
【0017】
熱交換器10は、フィンアンドチューブ型の熱交換器であり、複数枚のアルミフィン17aと、複数本の伝熱管(チューブ)17bと、を備える。熱交換器10は、その両側端部に端板(図示省略)が配置され、この端板間に複数枚のアルミフィン17aが所定の間隔を置いて並設される。そして、上記両端板およびアルミフィン17aに複数本の伝熱管17bが貫通している。熱交換器10は、伝熱管17bの内部を流れる冷媒とアルミフィン17aの間を流れる空気との間で熱交換を行う。複数のアルミフィン17aは、空気の通風方向と直行する方向に重ねて並べられている。熱交換器10は、空気吹出口7の方へ向けて傾けた姿勢、例えば、前傾させた姿勢で熱交換室5に収容されている。これにより、空気調和機1は、扁平な室内ユニット2内により大きい熱交換面積を確保している。
室内ユニット2の内壁面における熱交換器10の周辺および熱交換器10の空気吹出口7側には、断熱材(図示省略)が設けられている。
【0018】
ドレンパン11は、冷房運転時に熱交換器10の熱交換で生成されるドレン水(凝縮水)を受け、ドレンパン受け部11aに溜める。ドレン受け部11aの上方には、ドレンポンプ(図示省略)が設けられている。空気調和機1は、ドレンポンプを作動させてドレン受け部11aに溜まったドレン水を室内ユニット2の外部に排水する。
ドレンパン11の下面は、室内ユニット2の下面板2aによって略全面が覆われている。
【0019】
室内ユニット2の側部には、第一電気部品箱12が設けられている。第一電気部品箱12は、室内ユニット2の内側にあり、側面板2c、または2dに設けられている。第一電気部品箱12には、送風機9の駆動に伴って、内部に冷却用空気が流通するよう適宜、開口部が設けられる。側面には、後述する室内ユニット制御基板20が取り付けられる。
【0020】
空気清浄ユニット3は、室内ユニット2と同様に、高さ方向寸法が、幅方向(図1の表裏方向)の寸法および奥行き方向(図1の左右方向)の寸法よりも短い扁平な矩形状の箱体である。空気清浄ユニット3の箱体は、下面板3aと、天板3bと、手前側の側面板3cと、奥側の側面板3dからなり、その内部に空気吸込口31と、第一集塵フィルタ32と、遮光グリル33と、紫外線モジュール34と、第二集塵フィルタ35と、第二電気部品箱36と、を備えている。
【0021】
空気吸込口31は、空気清浄ユニット3の背面部3eに設けられており、開口部から外気を空気清浄ユニット3内に吸い込む。
【0022】
第一集塵フィルタ32は、空気清浄ユニット3の高さ方向寸法および幅方向寸法に亘って、空気吸込口31を覆うように、空気清浄ユニット3の外壁に取り付けられている。
【0023】
遮光グリル33は、空気清浄ユニット3の高さ方向寸法および幅方向寸法に亘って、空気吸込口31を覆うように、空気清浄ユニット3内に取り付けられている。
【0024】
紫外線モジュール34は、直方体状の枠体である外枠34a内に形成された通風路18に殺菌灯である2本の紫外線灯34bを上下方向に配置して構成されている。例えば、直管状の紫外線灯34bを、外枠34aの長手方向に並べて配置したものが用いられる。紫外線モジュール34は、第一集塵フィルタ32と第二集塵フィルタ35との間に設けられている。
紫外線モジュール34は、通風路18内に配置される2本の紫外線灯34bから紫外線を照射し、空気吸込口31から入ってくる空気に含まれる菌を殺菌する。ここで、紫外線灯34bは、波長が100nm~280nmのUV―Cを照射するものとすることで、ウイルスの不活性化にも効果を発揮する。
【0025】
第二集塵フィルタ35は、空気清浄ユニット3の高さ方向寸法および幅方向寸法に亘って、室内ユニット2と空気清浄ユニット3との接続口を覆うように、空気清浄ユニット3内に取り付けられている。
【0026】
第二電気部品箱36は、側面板3c、または3dの外壁に取り付けられている。第二電気部品箱36内には、空気清浄ユニット制御基板30が設けられており、室内ユニット制御基板20と空気清浄ユニット制御基板30とは、電気的に接続されている。
【0027】
なお、上述した遮光グリル33、第二集塵フィルタ35は、紫外線モジュール34と同様に、直方体状の枠体であり、その内側に通風路18を備えた外枠を有している。空気清浄ユニット3の下面板3aと天板3bとに設けられた凹部に、上記外枠を側面板3c、または3d側から空気清浄ユニット3の幅方向へ滑らせて収納することで、箱体の空気清浄ユニット3をなしている。
【0028】
また、第一集塵フィルタ32は、主に塵埃を捕捉するのに対し、第二集塵フィルタ35は、より目が細かく塵埃に加えて菌やウイルス等も捕捉する。
【0029】
このように構成された空気清浄ユニット3を室内ユニット2の空気吸込口8側に設けることで、第一集塵フィルタ32と第二集塵フィルタ35で塵埃や菌、ウイルスを捕捉し、通風路18を流通する空気に紫外線を照射することで、さらに殺菌およびウイルスの不活性化を行うことができる。なお、便宜上、以降の説明においては、紫外線による殺菌およびウイルスの不活性化を併せて除菌という。
【0030】
室内ユニット制御基板20は、室内ユニット2の制御を行うとともに、空気清浄ユニット3との制御信号の授受を行い、空気清浄ユニット制御基板30は、室内ユニット制御基板20からの信号に基づき、紫外線モジュール34の制御を行う。
【0031】
図2は、室内ユニット制御基板20と空気清浄ユニット制御基板30の制御ブロック図である。
【0032】
室内ユニット制御基板20は、制御機能として、室内制御部51と、電源出力部52と、制御出力部53と、異常信号受信部54と、を備える。空気清浄ユニット制御基板30は、制御機能として、電源入力部61と、制御入力部62と、紫外線灯制御部63と、紫外線灯制御通電部64と、異常出力部65と、を備える。
【0033】
空気調和機1が運転すると、室内制御部51は、室内ユニット2の空調運転を制御するとともに、空気清浄ユニット3への電源供給および制御信号の出力を行う。すなわち、電源出力部52を介して、電源入力部61へ電力を供給し、制御出力部53を介して、制御入力部62へ制御信号を送る。ここで、制御入力部62に送信される信号は、送風機9の回転数、または送風機9の風量に関する情報である。そして、紫外線灯制御部63は、電源入力部61を介して供給される電力と、制御入力部62で受信した信号(情報)に基づいて、紫外線灯34bのオン・オフを決定し、紫外線灯制御通電部64を介して紫外線灯34bへオン・オフ通電を行う。これにより、紫外線灯34bは、室内ユニット制御基板20から得た風量の情報をもとに、点灯時間と消灯時間を決定し、オン・オフ動作を制御する。
【0034】
また、紫外線灯34bの故障によって通電ができない等の不具合が発生した場合には、紫外線灯制御通電部64で異常を検知し、紫外線灯制御部63から異常出力部65を介して、異常信号受信部54へ信号を送る。異常信号受信部54は、室内制御部51へ信号を送る。
【0035】
図3は、本発明の実施形態に係る送風機の運転中における紫外線灯の点灯時間と風量の関係図である。図3に示すように、紫外線灯制御部63は、送風機9の風量が大きくなるほど、紫外線灯34bの点灯時間が短くなるように点灯時間と消灯時間を決定する。
図4は、紫外線灯34bのオン・オフ動作を示すタイミングチャートである。ここで、送風機9の運転時における紫外線灯34bの点灯時間をt1a~t1c、消灯時間をt2a~t2cとする。また、送風機9の停止時における紫外線灯34bの点灯時間をt3a~t3c、消灯時間をt4a~t4cとする。このとき、送風機9の風量の大きさは、風量A>風量B>風量Cである。
【0036】
図4に示すように、紫外線灯34bは、時間t1点灯した後に、時間t2消灯する。紫外線灯34bは、送風機9の運転中は、この動作を繰り返す。空気清浄ユニット制御基板30は、送風機9の風量が小さいときよりも大きいときの方が、紫外線灯34bの点灯時間t1が、短くなるように制御している。
【0037】
すなわち、風量Aで送風機9が運転しているときの点灯時間t1aは、風量Bで送風機9が運転しているときの点灯時間t1bおよび風量Cで送風機9が運転しているときの点灯時間t1cに比べて短い。風量Bで送風機9が運転しているときの点灯時間t1bは、風量Aで送風機9が運転しているときの点灯時間t1aに比べて長く、風量Cで送風機9が運転しているときの点灯時間t1cに比べて短い。風量Cで送風機9が運転しているときの点灯時間t1cは、風量Aで送風機9が運転しているときの点灯時間t1aおよび風量Bで送風機9が運転しているときの点灯時間t1bに比べて長い。換言すると、紫外線灯34bの点灯時間t1は、風量Aで送風機9が運転しているときに最も短く、風量Cで送風機9が運転しているときに最も長い。
【0038】
また、風量Aで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3aは、風量Bで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3bおよび風量Cで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3cに比べて長い。風量Bで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3bは、風量Aで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3aに比べて短く、風量Cで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3cに比べて長い。風量Cで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3cは、風量Aで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3aおよび風量Bで送風機9が運転し、その後停止したときの点灯時間t3bに比べて短い。換言すると、紫外線灯34bの点灯時間t3は、風量Aで送風機9が運転し、その後停止したときに最も長く、風量Cで送風機9が運転し、その後停止したときに最も短い。
なお、点灯時間t3は、送風機9の運転停止直前の風量によって決定されても良く、送風機9の運転開始から停止直前までの積算時間の内、最も長く運転した風量によって決定されてもよく、運転開始から停止までの風量の平均値に最も近い風量に基づいて決定されてもよい。
【0039】
ここで、紫外線灯34bは、蛍光灯や発光ダイオード(LED)を用いたものなど種々のものを用いてよく、点灯・消灯の時間と頻度は紫外線灯34bの劣化を考慮して適宜変更してよい。
【0040】
送風機9の風量が大きいときは、送風機9が室内へ吹き出す空気の量と、室内から外部へ吹き出す空気の量が多く、室内の空気が短時間で循環しやすい。菌や埃により汚染された空気が室内に滞留しにくいため、送風機9の運転時における紫外線灯34bの点灯時間t1が短くとも、室内に対して十分な空間除菌性能を発揮することができる。
【0041】
一方で、送風機9の風量が小さいときは、送風機9が室内へ吹き出す空気の量と、室内から外部へ吹き出す空気の量が少なく、室内の空気の循環に時間がかかる。菌や埃により汚染された空気が室内に滞留しやすいため、風量が大きいときよりも、送風機9の運転時における紫外線灯34bの点灯時間t1を長くする必要がある。
【0042】
また、送風機9の運転停止後は、第二集塵フィルタ35に菌や埃が付着しやすい。菌の増殖や空気清浄ユニット3のメンテナンス作業時の作業者への残菌の付着を防ぐため、第二集塵フィルタを除菌する必要がある。
【0043】
送風機9の風量が大きいときは、第二集塵フィルタ35を通過する空気の量が多いため、第二集塵フィルタ35に付着する菌や埃の量も多い。そのため、送風機9の運転停止後は、紫外線灯34bの点灯時間t3を長く設ける必要がある。
【0044】
一方で、送風機9の風量が小さいときは、第二集塵フィルタ35を通過する空気の量が少ないため、第二集塵フィルタ35に付着する菌や埃の量も少ない。そのため、送風機9の運転停止後の紫外線灯34bの点灯時間t3を、送風機9の風量が大きいときよりも短くしても、第二集塵フィルタ35を十分に除菌することができる。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、紫外線灯34bの点灯時間は、送風機9の風量設定に基づき、制御されている。
【0046】
送風機9の運転中は、風量が小さいときよりも大きいときの方が、室内の空気が循環しやすい。そのため、風量が大きいときは、紫外線灯34bの点灯時間t1が短くとも、室内の空気を十分に除菌することができる。
【0047】
送風機9の運転停止後は、風量が大きいときよりも小さいときの方が、第二集塵フィルタ35に菌や埃が付着しにくい。そのため、風量が小さいときは、紫外線灯34bの点灯時間t3が短くとも、第二集塵フィルタ35を十分に除菌することができる。
【0048】
送風機9の風量設定によって変化する室内の空気や第二集塵フィルタ35の汚染の度合に応じて紫外線灯34bの点灯時間t1およびt3を制御することで、紫外線灯34bの不要な消費電力を減らし、紫外線灯34bの長寿命化を実現することができる。
【0049】
なお、図4では、風量Aのとき、点灯時間t1aよりも点灯時間t3aの方が長いが、送風機9の運転中の点灯時間t1aおよび運転停止後の点灯時間t3aに相関関係はない。ここで、送風機9の運転中の点灯時間に応じて、運転停止後の点灯時間を適宜変更してもよい。これは、風量Bおよび風量Cのときについても同様である。
また、送風機9の運転中の消灯時間および運転停止後の消灯時間にも相関関係はなく、送風機9の運転中の消灯時間に応じて、運転停止後の消灯時間を適宜変更してもよい。
【0050】
上述した実施形態では、室内ユニット制御基板20と空気清浄ユニット制御基板30に各制御機能を持たせたが、これに限らず1つの制御基板に集約してもよく、3つ以上の制御基板に分散してもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1…空気調和機
2…室内ユニット
2a…下面板
2b…天板
2c…側面板
2d…側面板
2e…遮風板
3…空気清浄ユニット
4…送風機室
5…熱交換室
6…仕切板
7…空気吹出口
8…空気吸込口
8a…空気吸込口
8b…空気吸込口
9…送風機
10…熱交換器
11…ドレンパン
11a…ドレンパン受け部
12…第一電気部品箱
13…ファンモータ
14…ファンケーシング
15…吸込口
16…吹き出しノズル
17…熱交換部材
17a…アルミフィン
17b…伝熱管
18…通風路
20…室内ユニット制御基板
30…空清ユニット制御基板
31…空気吸込口
32…第一集塵フィルタ
33…遮光グリル
34…紫外線モジュール
34a…枠体
34b…紫外線灯
35…第二集塵フィルタ
36…第二電気部品箱
51…室内制御部
52…電源出力部
53…制御出力部
54…異常信号受信部
61…電源入力部
62…制御入力部
63…紫外線灯制御部
64…紫外線灯制御通電部
65…異常出力部
図1
図2
図3
図4