(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110661
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】部材の保管用のシート、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 27/40 20060101AFI20240808BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240808BHJP
D06N 7/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B32B27/40
B32B27/00 J
D06N7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015371
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】515128208
【氏名又は名称】イーラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 和浩
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 啓太
(72)【発明者】
【氏名】江藤 龍典
【テーマコード(参考)】
4F055
4F100
【Fターム(参考)】
4F055AA30
4F055BA11
4F055CA05
4F055EA05
4F055EA23
4F055EA24
4F055FA04
4F055FA15
4F055FA18
4F055GA31
4F100AK01C
4F100AK46A
4F100AK51B
4F100AT00
4F100BA03
4F100DG13A
4F100DG15C
4F100DJ01B
4F100GB15
4F100GB90
4F100JK11
(57)【要約】
【課題】折り曲げても折り曲げた跡が残りにくく、半製品などの部材が接着しにくい、保管用に適したシート等を提供する。
【解決手段】部材の保管用のシート11であり、外層の布地層21、22と、布地層21、22の内側の緩衝材層31、32と、緩衝材層31、32の内側のフェルト層4とを有する、シート11。また、部材の保管用のシート11の製造方法であり、外層の布地層21、22と、布地層21、22の内側の緩衝材層31、32と、緩衝材層31,32の内側のフェルト層4とを重ね合わせ、布地層21、22と、緩衝材層31、32と、フェルト層4とを積層する工程を有する、シート11の製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の保管用のシートであり、
外層の布地層と、
前記布地層の内側の緩衝材層と、
前記緩衝材層の内側のフェルト層とを有する、シート。
【請求項2】
前記部材がゴム部材であり、
前記布地層が、トリコットであり、
前記緩衝材層が、ウレタンフォームであり、
前記フェルト層が、レジンフェルトである、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記布地層の厚みが、それぞれ0.2~2mmであり、
前記緩衝材層の厚みが、それぞれ1mm~10mmであり、
前記フェルト層の厚みが、0.5~3mmである、請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
部材の保管用のシートの製造方法であり、
外層の布地層と、前記布地層の内側の緩衝材層と、前記緩衝材層の内側のフェルト層とを重ね合わせ、前記布地層と、前記緩衝材層と、前記フェルト層とを積層する工程を有する、シートの製造方法。
【請求項5】
前記緩衝材層が、少なくともウレタンフォームであり、前記積層する工程が、加熱圧着により前記布地層と、前記緩衝材層と、前記フェルト層とを貼り合わせるものである、請求項4に記載のシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半製品などの部材の保管用のシートに関する。また部材の保管用のシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品を製造するにあたっては、多種の部材等が用いられている。部材の製造過程でも、硬化や養生、熟成などに時間がかかるものや最終処理前にあえて中間的な状態で維持する等、いわゆる半製品などの状態のものを作成する場合がある。これらの半製品などの部材は、反応性や加工性をあえて維持させておくために、形状が変化しやすいものや接着性を有しているものなどの場合がある。このような部材は、一時的に保管等することが求められている。保管後には、再度、加工等に用いられるため、保管にあたっても、取り出しやすい状態とすることが求められている。
【0003】
このような保管にあたっては、単に板や台の上に置いておく場合もあるが、板や台などに接着すると量や形状が大きく変化してしまう。また、保管場所が多く必要になり、移動などもさせにくい恐れもある。移動やまとめて収容しやすいように、帯状に巻取り可能なシートなどが用いられる場合もある。シートとしては、例えば、離型性を有する表面となるように処理した、厚手の樹脂シートなどが用いられる場合もある。
【0004】
特許文献1~2は、ゴム部材を巻き取る際に用いられる巻取りライナーに関するものである。これらの文献は、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体であって、該ポリエステル系樹脂シートが離型処理剤を含有しているか、または該ポリエステル系樹脂シートが離型処理層を有しており、該帯状積層体の両表面が離型性を有するゴム帯状部材の巻取りライナーなどを開示している。
【0005】
特許文献3は、シートの幅方向に横断する幅方向突条部を有するゴム巻き取りシートに関するものである。この文献は、このゴム巻き取りシートを用いて巻き取ったシート状のゴム等のゴム部材には溝部が転写され、そのゴム部材貼り合わせるとき空気等が入り込まない密着性が高い貼り合わせを可能とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許5889729号公報
【特許文献2】特許5932176号公報
【特許文献3】特許6369874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術のように、離型処理が施された樹脂フィルムなどを用いて、半製品などを保管すれば、半製品が接着することなどを防止して、保管や搬送などを行うことができる。これらの樹脂フィルムなどの保管用のシートは、製造工程の中では、それ自体は商品ではないことからも、繰り返し使用に適していることなどが求められる。
【0008】
しかし、繰り返し使用などを行うときなど、シートの取り扱い時に、意図しない操作や動き、保管時の保管場所、半製品と接触させた姿勢などによって、シートを強く折り曲げてしまう場合がある。
【0009】
樹脂フィルムのみからなるものなどは、折れ曲がったあとのシワ状の跡が残ってしまう。このような跡があると、その跡がある部分に置いた半製品に転写してしまい、良品率の低下や、シート全体を繰り返し使用することができなくなる場合がある。
【0010】
かかる状況下、本発明は、折り曲げても折り曲げた跡が残りにくく、半製品などの部材が接着しにくい、保管用に適したシート等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0012】
<1> 部材の保管用のシートであり、外層の布地層と、前記布地層の内側の緩衝材層と、前記緩衝材層の内側のフェルト層とを有するシート。
<2> 前記部材がゴム部材であり、前記布地層が、トリコットであり、前記緩衝材層が、ウレタンフォームであり、前記フェルト層が、レジンフェルトである、前記<1>に記載のシート。
<3> 前記布地層の厚みが、それぞれ0.2~2mmであり、前記緩衝材層の厚みが、それぞれ1mm~10mmであり、前記フェルト層の厚みが、0.5~3mmである、前記<1>または<2>に記載のシート。
<4> 部材の保管用のシートの製造方法であり、外層の布地層と、前記布地層の内側の緩衝材層と、前記緩衝材層の内側のフェルト層とを重ね合わせ、前記布地層と、前記緩衝材層と、前記フェルト層とを積層する工程を有する、シートの製造方法。
<5> 前記緩衝材層が、少なくともウレタンフォームであり、前記積層する工程が、加熱圧着により前記布地層と、前記緩衝材層と、前記フェルト層とを貼り合わせるものである、前記<4>に記載のシートの製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシートは、折り曲げても折り曲げた跡が残りにくく、半製品などの部材が接着しにくいものであり保管等に適している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るシートを厚み方向の構成を示す概要図である。
【
図2】本発明に係るシートを搬送に用いる例を説明するための概要図である。
【
図3】本発明に係るシートを重ね合わせて保管に用いる例を説明するための概要図である。
【
図4】本発明に係るシートを重ね合わせて保管に用いる例を説明するための概要図である。
【
図5】本発明に係るシートを巻取りに用いる例を説明するための概要図である。
【
図6】本発明に係るシートを巻取りに用いる例を説明するための概要図である。
【
図8】本発明に係るシートの製造例の評価例を示すための像である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0016】
[本発明のシート]
本発明のシートは、外層の布地層と、前記布地層の内側の緩衝材層と、前記緩衝材層の内側のフェルト層とを有する。本発明のシートは、部材の保管用のシートに用いることができる。本発明のシートは、折り曲げてもシワなどの折り曲げた跡が残りにくく、ゴム部材のような半製品などの部材が接着しにくいものであり部材の保管等に適している。
【0017】
[本発明の製造方法]
本発明の製造方法は、シート外層の布地層と、前記布地層の内側の緩衝材層と、前記緩衝材層の内側のフェルト層とを重ね合わせ、前記布地層と、前記緩衝材層と、前記フェルト層とを積層する工程を有する、シートの製造方法である。本発明の製造方法は、部材の保管用のシートの製造に用いることができる。
【0018】
なお、本願において本発明の製造方法により本発明のシートを得ることもでき、本願においてそれぞれに対応する構成は相互に利用することができる。
【0019】
[第一の実施形態]
図1は、本発明に係るシートの第一の実施形態を正面視した概要図である。
図1は、シート11の厚み方向の構成の概要を示す図である。シート11は、上段から順に、布地層21、緩衝材層31、フェルト層4、緩衝材層32、布地層22を有している。シート11は、部材の保管などに用いることができる。
【0020】
[布地層21、22]
シート11は、布地層21、22を有する。布地層21、22は、
図1にも示すように、厚み方向の両端側に配置している。布地層21、22は、表層にあり、部材と直接接触する層である。これらの層を布地層とすることで、部材と直接接触する領域が限られ、布地の目に合わせて隙間があることで、シート11を用いて保管した部材を取り出しやすいものとなる。布地層の厚みは、特に制限されないが、布地層に用いる糸の太さなどから、例えば、それぞれ0.1~1.5mmや、0.2~1.0mmとすることができる。
【0021】
布地層21、22は、トリコット、および/または天竺編みのものを用いることが好ましい。特に、トリコットは、伸縮性や形状安定性に優れ、しわや折り目がつきにくく、多孔性を有する点で、表層に適している。
【0022】
布地層21、22は、ポリエステルや、いわゆるナイロンとも呼ばれるポリアミドの繊維を用いたものであることが好ましい。これらの繊維を用いた布地層21、22とすることで、剥離性に優れ、かつ、シワなども入りにくいものとすることができる。
布地層21、22に用いる繊維は、10~50デニール程度や、20~40デニール程度、25~35デニール程度のものを用いることができる。
【0023】
[緩衝材層31、32]
シート11は、布地層21、22の内側に緩衝材層31、32を有する。緩衝材層31、32は、シート11の全体の厚みを調整するために用いる。また、部材と接したとき緩衝材層31、32が凹むことで緩衝することで部材の変形防止などの効果を奏する。緩衝材層31、32は、保管する部材に合わせて、適宜設定することができ、例えば、それぞれ1mm~10mmとすることができる。緩衝材層31、32には、例えば、ウレタンフォームを用いることができる。ウレタンフォームは、加熱圧着などにより、布地層21、22や、フェルト層4に接着させることができ、折り曲げてもシワができにくい。
【0024】
ウレタンフォームは、反発弾性が20%以上や25%以上のものを用いることができ、上限は特に定めなくてもよいが60%以下や50%以下としてもよい。また。密度が、15kg/m3~40kg/m3や、20kg/m3~35kg/m3としてもよい。また、硬さが、25%圧縮で、70N~150Nや、85N~135Nとしてもよい。
【0025】
[フェルト層4]
シート11は、緩衝材層31、32の内側のフェルト層4を有する。フェルト層4があることで、シート11の強度が高くなり、自立性、いわゆる腰や張りがあるものとなり、安定して部材を支持することができる。フェルト層4が無い場合、布地層21、22により部材の剥離はでき、緩衝材層31、32により変形を防止できる場合があるが、シートがたわみやすくなり、搬送しにくかったり、積み重ねたり、巻取りにくくなる。また、フェルト層4は、折り曲げても、繊維などが広く分散していることなども寄与して、シワが生じにくい。
【0026】
フェルト層4の厚みは、0.5~3mmとすることができる。フェルト層4は、レジンフェルトを用いることがより好ましい。レジンフェルトは、樹脂と、繊維を混合してシート状としたものである。例えば、防音材などとして用いられている。汎用されている典型的なレジンフェルトは密度を抑えて5mm程度の厚手のものとすることが多い。本発明では、より強度を高くして一定の自立性を有するものとするために、このような厚手のレジンフェルトを、押しつぶすように加圧して密度を上げて、厚み0.8mm~3mmや、1.0~2.5mm、1.2mm~2.0mmに圧縮されたものとして用いることが好ましい。これにより、いわゆる腰や張りが向上する。
【0027】
レジンフェルトに用いる樹脂は、ポリエチレンテレフタレートや、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂などを用いることができる。また、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂などを用いてもよい。
【0028】
レジンフェルトの繊維は、任意のものを用いてよいが、中芯となる部分に用いて、その周囲に緩衝材層31、32や布地層21、22を配置することなどからも、雑綿や反毛フェルトとも呼ばれるような衣服の繊維の再利用品なども用いることができる。
【0029】
[シートの製造]
シートの製造方法は、布地層21と、緩衝材層31と、フェルト層4と、緩衝材層32と、布地層22とを重ね合わせて、これらを一体化する。各層の間に接着剤を塗工して、接着剤で一体化してもよい。また、端部や、所定の間隔を開けて、固定部を設けたり、縫い合わせたりすることで一体化させてもよい。
【0030】
また、シートの製造は、緩衝材層31、32に圧着性を有するものを用いることで一体化させてもよい。例えば、緩衝材層31、32が少なくともウレタンフォームであり、積層する工程は、加熱圧着により布地層と、緩衝材層と、フェルト層とを貼り合わせるものとすることができる。
【0031】
本発明のシートは、部材の保管用のシートに用いることができる。本発明のシートは、折り曲げても折った跡などが入りにくい。また、部材が接着しにくい離型性を有し、粘着性を有するような半製品などの保管にも適している。また、厚み方向にも柔軟性を有することで、保管対象の部材の形状変化を抑制できる。さらに、成形性に優れて、本発明のシートの大きさを調整が可能であり、帯状部材としてロール状の巻き取りや、必要量の切り出しなども容易に行うことができる。また、布地層や、緩衝材層、フェルト層といった、異種部材を貼り合わせて、ロールなどとして湾曲させても、各層が歪みなどを解消できるため、異種部材間の変形量や変形しやすさの違いなどに基づく歪みによるシワなども解消できる。
【0032】
[部材]
本発明のシートで保管する部材は、任意のものを対象とすることができる。例えば、材質としてゴムや、樹脂、粘土を用いて成形した部材などの保管に用いることができる。なお、この部材は、最終製品に相当するものや、製造工程の半製品などを含む。
【0033】
[搬送中の使用例]
図2は、本発明に係るシートを搬送に用いる例を説明するための概要図である。ここでは、シート11を帯状に成形し、搬送用ライナーとした例である。シート11を、
図2の左側から、右側に連続的に移動させながら、シート11上に、成形直後などの部材9を次々とのせる。これにより部材9を搬送しながら、一時的な保管などに用いることができる。部材9は、搬送先で、取り出してすぐに用いてもよいし、保管場所などに保管して、必要に応じて取り出して使用してもよい。
【0034】
[積み重ねる使用例]
図3、
図4は、本発明に係るシートを重ね合わせて保管に用いる例を説明するための概要図である。
図3に示すように、保管状態は、シート11に部材9を載せた状態で、適宜、積み上げるように重ねて保管するものとしてもよい。シート11は、シート状の形状を維持することができ、クッション性にも優れているため、上下の段での各部材の影響を抑えて保管することができる。また、
図4に示すように、シート11は、部材91のような長いものの保管にも適している。
【0035】
[巻き取る使用例]
図5は、本発明に係るシートを巻取りに用いる例を説明するための概要図である。シート11を帯状部材として、部材92を連続的に載せながら、巻取り用ロール8に、巻き取って、ロール状に保管することもできる。また、
図6に示すように、シート11は、部材93のように押出成形などで、連続して製造される長尺の部材の巻取りなどにも適している。
【実施例0036】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
図7は、本発明に係るシートの製造例の像である。このシートは、以下の材料を、圧着して製造したものである。この一部を、ハサミで切り取ったものの像である。(a)は、厚み方向を見るために側面から見た図であり、(b)は平面視した図である。
【0038】
・トリコット:ポリアミド6ファイバー・ナイロンハーブ30デニールを用いたトリコット網、#5050。丸糸株式会社製。
・ウレタンフォーム:ポリエーテル系軟質ウレタンフォーム(反発弾性:30%以上、密度:26kg/m3±2.1kg/m3、硬さ:25%圧縮で110N±21N)、アキレスエアロン(登録商標)。アキレス株式会社製。
・レジンフェルト:約5mm厚のレジンフェルトをロール間1.5mm厚を搬送して圧縮したもの。株式会社清水フェルト工業製。
【0039】
全体の厚み:約6mm
トリコット:約0.3mm/各層
ウレタンフォーム:約2mm/各層
レジンフェルト:約1.5mm
【0040】
このシートに、未硬化のゴム部材や、粘土などを置いて保管しても接着等することなく、容易に取り出すことができた。また、シートにコシがあり、シワなども生じず、板状に各種部材を載せたまま運ぶこともできた。また、帯状に長くしたものを、適宜巻き取りながら使用することもできた。
【0041】
図8は、本発明に係るシートの製造例の評価例を示すための像である。本発明のシートを各像の上段に配置している。比較対象として、ポリプロピレン(PP)樹脂製のシートを、下段に配置している。(a)は、そのままで置いた状態である。(b)は評価のために、折り曲げて、クリップで挟んだ状態である。(c)は、(b)の後に、クリップを外した状態である。
【0042】
一般的な樹脂製のシートは、十分な腰があるものとすると、折り曲げや巻取りが困難なほど硬くなる場合があり、一方で、
図8に示すように折り曲げ等が容易でも、クリップで挟むなどして強く折り曲げると、シワなどの跡が残る。
【0043】
一方、本発明のシートは、折り曲げてもシワなどの折り曲げた跡は特定しにくく、搬送などに適した巻取り可能なしなやかさを有するものであった。