IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトバンクグループ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-フォークリフト 図1
  • 特開-フォークリフト 図2
  • 特開-フォークリフト 図3
  • 特開-フォークリフト 図4
  • 特開-フォークリフト 図5
  • 特開-フォークリフト 図6
  • 特開-フォークリフト 図7
  • 特開-フォークリフト 図8
  • 特開-フォークリフト 図9
  • 特開-フォークリフト 図10
  • 特開-フォークリフト 図11
  • 特開-フォークリフト 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110693
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】フォークリフト
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
B66F9/24 P
B66F9/24 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015430
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AB07
3F333AE02
3F333FA04
3F333FD14
3F333FD15
3F333FE02
3F333FE03
3F333FE05
(57)【要約】
【課題】より安全に積載物を運搬すること。
【解決手段】実施形態に係るフォークリフトは、走行車体と、フォークと、センサと、判定部と、を備える。フォークは、走行車体の前方に設けられ、先端部に凹部が形成される。センサは、凹部に収容され、先端部の周囲の状況を検出する。判定部は、センサのセンシング結果に基づき、フォークの先端部が、パレットに設けられたフォーク挿入孔から出ているか否かを判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体と、
前記走行車体の前方に設けられ、先端部に凹部が形成されるフォークと、
前記凹部に収容され、前記先端部の周囲の状況を検出するセンサと、
前記センサのセンシング結果に基づき、前記フォークの前記先端部が、パレットに設けられたフォーク挿入孔から出ているか否かを判定する判定部と、
を備える、フォークリフト。
【請求項2】
前記センサは、前記先端部の周囲の状況を撮影し、画像を出力するカメラを有し、
前記判定部は、前記画像に含まれるパレット領域の、当該画像に対する割合が突出閾値以下である場合、前記先端部が前記フォーク挿入孔から出ていると判定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項3】
前記判定部は、前記先端部が前記フォーク挿入孔に挿入された後に、前記画像に対する前記パレット領域の前記割合が前記突出閾値以下となった場合、前記先端部が前記フォーク挿入孔から出ていると判定する、請求項2に記載のフォークリフト。
【請求項4】
前記判定部は、前記フォークの前記先端部が、前記フォーク挿入孔に挿入されたか否かを判定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項5】
前記センサは、前記先端部の周囲の状況を撮影し、画像を出力するカメラを有し、
前記判定部は、前記画像に含まれるパレット領域の、当該画像に対する割合が挿入閾値以上である場合、前記先端部が前記フォーク挿入孔に挿入されていると判定する、請求項4に記載のフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、フォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォークリフトにおいて、フォークの基端に設けられたカメラによりフォークの先端側を撮像してフォークを自動制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-17613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パレットに載せられた積載物を、フォークリフトを用いて安全に運搬するためには、フォークがパレットのフォーク挿入孔にきちんと挿入されていることが重要となる。
【0005】
しかしながら、上記のような従来の技術は、フォークの基端側から先端側を撮像するため、フォークがフォーク挿入孔にきちんと挿入されているか確認することが難しい。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より安全に積載物を運搬することができるフォークリフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るフォークリフトは、走行車体と、フォークと、センサと、判定部と、を備える。フォークは、前記走行車体の前方に設けられ、先端部に凹部が形成される。センサは、前記凹部に収容され、前記先端部の周囲の状況を検出する。判定部は、前記センサのセンシング結果に基づき、前記フォークの前記先端部が、パレットに設けられたフォーク挿入孔から出ているか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、より安全に積載物を運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係るフォークリフトの概要を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る状況検出センサの設置例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る重量検出装置の機能構成例を示すブロック図である。
図5図5は、第1実施形態に係る紐付情報の一例を示す図表である。
図6図6は、第1実施形態に係るフォーク先端の状況検出の一例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係るフォーク先端の状況検出の他の例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る制御装置が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1実施形態に係る重量検出装置が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第2実施形態に係るフォークリフトの概略側面図である。
図11図11は、第1実施形態に係る窓部の構成例を示す図である。
図12図12は、制御装置及び/又は重量検出装置として機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
<第1実施形態>
[フォークリフト1の概要]
図1は、第1実施形態に係るフォークリフト1の概要を示す図である。図1では、フォークリフト1及び平パレットP(以下、単にパレットPとも記載する)の側面が示される。図1に示すフォークリフト1は、概略図であり、説明の便宜上、一部の構成については省略している。
【0012】
本開示で示すフォークリフト1は、自動制御により走行する。つまり、本開示で示すフォークリフト1は、無人による自動走行により積載物Lの運搬を行う。
【0013】
なお、フォークリフト1は、無人に限らず、有人による手動走行を行う構成であってもよい。あるいは、フォークリフト1は、無人モードと有人モードとを切り替え可能な構成であってもよい。
【0014】
以下、説明の便宜上、図面に直交XYZ座標系を示す場合がある。フォークリフト1の進行方向がX方向と対応する。地面と鉛直な方向がY方向と対応する。フォークリフト1の横方向がZ方向と対応する。
【0015】
図1に示すように、フォークリフト1は、走行車体2と、フォーク3と、昇降部4と、状況検出センサ5(センサの一例)と、荷重センサ6と、制御装置10と、重量検出装置20と、を備える。
【0016】
(走行車体2)
走行車体2は、倉庫等の路面Rを走行する車体である。走行車体2は、例えば、路面Rに接する車輪を駆動させて路面Rを走行する。
【0017】
(フォーク3)
フォーク3は、積載物Lが載せられたパレットPが載置される部材である。フォーク3は1台の走行車体2に複数設けられる。フォーク3は、例えば、左右1対(すなわち、2本の部材)で構成される。フォーク3は、パレットPに設けられたフォーク挿入孔7に挿入されて持ち上げられることで、パレットP及びパレットPに載せられた積載物Lを運搬する。
【0018】
(昇降部4)
昇降部4は、制御装置10の制御に従ってフォーク3を昇降させる。これにより、フォーク3の高さ位置が変更される。フォークリフト1は、昇降部4によってフォーク3の高さを変更することで、フォーク3にパレットPを差し込んだり、フォーク3に載置されたパレットP及び積載物Lを運搬したりする。
【0019】
(状況検出センサ5)
状況検出センサ5は、フォーク3の先端部の周囲の状況を検出するセンサである。状況検出センサ5は、フォーク3の先端部に設けられる。状況検出センサ5は、例えば、カメラ、Lidar(Light Detection And Ranging)、及び、レーダ装置等である。状況検出センサ5が、カメラ及びLidarなど複数のセンサを含んでいてもよい。
【0020】
(荷重センサ6)
荷重センサ6は、フォーク3にかかる荷重を検出するセンサである。荷重センサ6は、例えばフォーク3の基端部に設けられる。荷重センサ6は、フォーク3にパレットP及び積載物Lが載置された場合に、パレットP及び積載物Lの合計重量を荷重として検出する。
【0021】
(制御装置10)
制御装置10は、フォークリフト1全体の制御を行う。例えば、制御装置10は、走行車体2の車輪を制御して、フォークリフト1の路面Rにおける自動走行を制御する。また、制御装置10は、昇降部4を制御してフォーク3の自動昇降を制御する。制御装置10は、状況検出センサ5のセンシング結果を取得し、状況検出センサ5を制御する。なお、制御装置10の詳細な構成及び処理については後述する。
【0022】
(重量検出装置20)
重量検出装置20は、フォーク3に載置されたパレットP及び積載物Lの重量を検出する。重量検出装置20は、パレットPの重量、積載物Lの重量、積載物Lにおける外装物の重量、及び、積載物Lにおける内容物の重量等の少なくとも1つを検出する。なお、重量検出装置20による重量の検出方法については後述する。
【0023】
[状況検出センサ5の設置例]
図2は、第1実施形態に係る状況検出センサ5の設置例を示す図である。図2では、フォーク3を先端側から基端側に向かって見た(X軸負方向から見た)図が示される。
【0024】
図2に示すように、フォーク3は、先端部に凹部3aを有する。状況検出センサ5は、凹部3aに収容されるように配置される。例えば、フォーク3の凹部3aは、走行車体2が走行する路面R側(Y軸負方向側)の部位が凹んだ形状である。
【0025】
つまり、状況検出センサ5は、フォーク3における路面R側に設置される。状況検出センサ5は、路面R側(Y軸負方向側)及びフォークリフト1の前方側(X軸負方向側)の少なくとも一方の状況をセンシングする。
【0026】
このように、路面R側に凹んだ凹部3aに収容されることで、状況検出センサ5は、フォーク3にパレットPが載置された場合であっても、パレットPと接触することなく周囲の状況を検出することができる。
【0027】
また、図2に示すように、凹部3aの深さ(Y軸方向の長さ)は、状況検出センサ5の高さ(Y軸方向の長さ)よりも長い。つまり、凹部3aの路面R側の先端は、状況検出センサ5の路面R側の先端よりも、路面Rに近い。これにより、フォーク3の路面R側から物体が接触した場合であっても、状況検出センサ5がこの物体と接触することを回避することができる。
【0028】
また、図1に示すように、フォーク3の先端は、状況検出センサ5よりも前方(X軸負方向側)に位置する。これにより、フォーク3の先端から物体が接触した場合であっても、状況検出センサ5がこの物体と接触することを回避することができる。
【0029】
状況検出センサ5が、フォーク3の先端に配置されることで、状況検出センサ5の検出結果にフォーク3の情報が含まれない。例えば、状況検出センサ5がカメラである場合、撮影画像にフォーク3が映り込まない。これにより、フォークリフト1は、フォーク3の先端の状況をより正確に把握することができる。
【0030】
この結果、例えば、パレットPが高い位置(例えば、作業者がフォークリフト1を操作する有人モードの場合、作業者の目線高さよりも高い位置)に載置されている場合等であっても、フォークリフト1は、フォーク3をパレットPの差し込み口により的確に差し込むことができる。
【0031】
[制御装置10の詳細例]
図3は、第1実施形態に係る制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0032】
(通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、例えば無線によりネットワーク網に接続する。例えば、通信部11は、フォークリフト1を管理するサーバ装置(図示省略)と通信可能に接続される。
【0033】
(記憶部12)
記憶部12は、制御部13による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0034】
(制御部13)
制御部13は、制御装置10の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部13の各部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、制御装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0035】
また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)などの集積回路により実現される。
【0036】
図3に示すように、制御部13は、検出部131(判定部の一例)と、動作制御部132とを有する。制御部13は、図3に示す各部により、以下に説明する処理の機能や作用を実現又は実行する。例えば、制御部13は、状況検出センサ5によって検出される情報に基づいて、走行車体2及びフォーク3(昇降部4)を自動制御する。
【0037】
なお、説明は省略するが、制御部13の内部構成は、図3に示す各部に限られず、自動走行や積載物Lの運搬ための処理の機能や作用を実現又は実行する各部を有していてもよい。
【0038】
(検出部131)
検出部131は、状況検出センサ5が検出する情報(センシング結果)に基づき、フォーク3の先端部の周囲の状況を検出する。例えば、検出部131は、カメラで撮像された撮像画像、Lidar、及び、レーダ装置等によって検出された物標の情報(位置情報や形状情報)を周囲の状況として検出する。
【0039】
検出部131は、撮像画像や物標の情報に基づき、フォークリフト1の周囲に存在するパレットP(図6及び図7参照)を検出する。例えば、検出部131は、撮像画像を用いたパターンマッチングや、物標の情報における形状情報に基づいてパレットPの数やパレットPの位置を検出する。
【0040】
検出部131は、撮像画像や物標の情報に基づき、パレットPのフォーク挿入孔7(図1参照)におけるフォーク3の先端位置を検出する。検出部131は、状況検出センサ5のセンシング結果に基づき、フォーク3の先端部がパレットPのフォーク挿入孔7から出ているか否か(突出しているか否か)を判定する。このように、検出部131は、フォーク3先端の状況検出を行う。この状況検出の詳細については後述する。
【0041】
検出部131は、検出したパレットPに積載物Lが載っているか否かを判定する。例えば、検出部131は、撮像画像を用いたパターンマッチングや、物標の情報における形状情報に基づいて、パレットP毎に積載物Lが載っているか否かを判定する。
【0042】
(動作制御部132)
動作制御部132は、検出部131によって検出された情報に基づいて、走行車体2及びフォーク3を自動制御する。例えば、動作制御部132は、積載物Lが載っているパレットPのうち、フォークリフト1に最も近い位置のパレットPを特定する。動作制御部132は、特定したパレットPを運搬対象として自動制御を行う。
【0043】
なお、運搬対象となるパレットPは、フォークリフト1に最も近い位置のパレットPに限らず、特定の領域に存在するパレットPであってもよい。
【0044】
動作制御部132は、運搬対象のパレットPの向きを特定し、パレットPの正面に対してフォークリフト1が正面で向かいあう位置に走行車体2を制御して移動する。
【0045】
例えば、動作制御部132は、パレットPが上面視で(Y軸正方向から見て)矩形状の場合、矩形状を構成する4辺のいずれか1辺をパレットPの正面として特定する。
【0046】
続いて、動作制御部132は、フォークリフト1をパレットPの正面へ移動させる。その後、動作制御部132は、パレットPのフォーク挿入孔7(図1参照)の位置を特定する。例えば、動作制御部132は、検出部131が取得した撮像画像や、物標(パレットP)の形状情報に基づき、フォーク挿入孔7の位置を特定する。
【0047】
動作制御部132は、昇降部4を制御して、特定したフォーク挿入孔7の位置にフォーク3の高さ位置を合わせる。その後、動作制御部132は、走行車体2を制御してフォーク挿入孔7にフォーク3を挿入する。
【0048】
フォーク3の先端がフォーク挿入孔7から出たことを検出部131が検出するまで、動作制御部132はフォーク挿入孔7にフォーク3を挿入する。その後、動作制御部132は、昇降部4を制御して、フォーク3を上昇させ、パレットPを持ち上げる。
【0049】
そして、動作制御部132は、パレットPを載置する目標位置までのルート(例えば、最短距離のルート)を自動計算する。そして、動作制御部132は、走行車体2を制御してルートに沿って目標位置まで移動させる。
【0050】
目標位置に到着後、動作制御部132は、昇降部4を制御して目標位置にパレットPを載置する。そして、動作制御部132は、パレットPを載置後、次の運搬対象となるパレットPを特定する。このようにして動作制御部132は、フォークリフト1を制御し積載物Lの運搬を順次行う。
【0051】
[重量検出装置20の詳細例]
図4は、第1実施形態に係る重量検出装置20の機能構成例を示すブロック図である。図4に示すように、重量検出装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0052】
(通信部21)
通信部21は、例えば、NIC等によって実現される。通信部21は、例えば、無線によりネットワーク網に接続する。例えば、通信部21は、フォークリフト1を管理するサーバ装置(図示省略)と通信可能に接続される。なお、通信部11(図3参照)及び通信部21は、制御装置10と重量検出装置20とが共有する1つの通信部であってもよい。
【0053】
(記憶部22)
図4に示す記憶部22は、制御部23による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。なお、記憶部12(図3参照)及び記憶部22は、制御装置10と重量検出装置20とが共有する1つの記憶部であってもよい。
【0054】
記憶部22は、紐付情報221を記憶する。紐付情報221は、後述する制御部23によって生成される情報である。
【0055】
図5は、第1実施形態に係る紐付情報221の一例を示す図表である。図5に示すように、紐付情報221は、「パレットID」と、「カテゴリ」と、「品目」と、「数量」と、「重量」と、を含む。
【0056】
「パレットID」は、パレットPを識別する識別情報である。「カテゴリ」は、積載物Lにおける外装物の種類を示す情報である。「品目」は、積載物Lの内容物の品目を示す情報である。「数量」は、積載物Lの数量を示す情報である。「重量」は、内容物の重量を示す情報である。
【0057】
(制御部23)
図4に戻り、制御部23は、重量検出装置20の制御や演算を実行するコントローラである。制御部23の各部は、例えば、CPUやMPUなどによって、制御装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0058】
また、制御部23は、例えば、ASICやFPGA、SoCなどの集積回路により実現される。
【0059】
図4に示すように、制御部23は、検出部231と、特定部232と、推定部233と、記憶処理部234と、を有する。制御部23は、図4に示す各部により、以下に説明する処理の機能や作用を実現又は実行する。例えば、制御部23は、状況検出センサ5及び荷重センサ6によって検出される情報に基づいて、積載物Lに関する情報を検出する。
【0060】
なお、説明は省略するが、制御部23の内部構成は、図4に示す各部に限られず、積載物Lの情報を取得するための処理の機能や作用を実現又は実行する各部を有していてもよい。
【0061】
制御部23は、フォーク3が挿入するパレットPに載置される積載物Lの外観情報を検出する。制御部23は、検出した外観情報に基づいて、積載物Lの内容物以外の外装物を特定する。制御部23は、特定した外装物に基づき、積載物Lの内容物の重量を推定する。これにより、制御部23は、積載物Lにおける内容物を収容している外装物(例えば、段ボール等)の重量等から内容物の重量を検出することができる。
【0062】
(検出部231)
検出部231は、フォーク3に挿入されるパレットPに載っている積載物Lの外観情報を検出する。例えば、検出部231は、状況検出センサ5であるカメラで撮影した撮影画像、及び、状況検出センサ5であるLidar及びレーダ装置等によって検出される物標の形状情報を外観情報として検出する。
【0063】
また、検出部231は、フォーク3でパレットPを持ち上げた際のフォーク3にかかる荷重を荷重センサ6から検出(取得)する。つまり、検出部231は、荷重センサ6の荷重をパレットP及び積載物Lの合計重量として検出する。
【0064】
また、検出部231は、パレットPの重量を検出する。例えば、検出部231は、パレットPに記された重量情報をカメラ等の状況検出センサ5によって検出することで、パレットPの重量を検出する。重量情報は、例えば、パレットPの重量の情報が埋め込まれたコード情報である。コード情報は、2次元コードや、バーコードである。また、重量情報は、コード情報以外に、パレットPの重量がパレットPに直接印字された情報であってもよい。
【0065】
また、パレットPに重量情報以外の情報が記されていてもよい。例えば、パレットPの色及び形状などパレット情報がコード情報などを用いて記されていてもよい。
【0066】
(特定部232)
特定部232は、検出部231が検出した外観情報に基づき、積載物Lにおける内容物以外の外装物を特定する。例えば、特定部232は、撮影画像及び物標の形状情報に基づいて、外装物を特定する。外装物は、内容物を収容する部材である。外装物として、例えば、段ボールや包み紙、包材、箱、ケース等が挙げられる。また、特定部232は、特定した外装物のカテゴリ(段ボール等の素材)を特定する。
【0067】
また、特定部232は、外観情報に基づいて積載物Lに関する積載物情報を特定する。積載物情報は、例えば、内容物の品目、及び、積載物Lの数量(段ボールの数等)などに関する情報である。
【0068】
例えば、特定部232は、撮影画像、及び、物標の形状情報などに基づき、積載物情報を特定する。積載物Lの品目は、例えば、外装物である段ボールに印字された情報に基づいて特定可能である。
【0069】
(推定部233)
推定部233は、特定した外装物に基づいて、内容物の重量を推定する。まず、推定部233は、特定した外装物の重量を推定する。例えば、推定部233は、外装物の大きさや素材等に基づいて外装物の重量を推定する。
【0070】
そして、推定部233は、推定した外装物の重量と、荷重センサ6により検出した荷重に基づいて、内容物の重量を推定する。より具体的には、推定部233は、荷重センサ6により検出した荷重からパレットPの重量及び外装物の重量を減算することで内容物の重量を推定する。
【0071】
つまり、推定部233は、荷重(パレットP及び積載物Lの合計重量)からパレットPの重量及び外装物の重量を減算した重量を内容物の重量として推定する。
【0072】
(記憶処理部234)
記憶処理部234は、特定部232が特定した積載物情報と、推定部233が推定した内容物の重量と、を紐付けて記憶部22に紐付情報221として記憶する。なお、積載物情報の紐付け対象は内容物の重量に限定されない。積載物情報の紐付け対象は、外装物の重量を含めた積載物Lの重量であってもよい。あるいは、積載物情報の紐付け対象は、パレットPの重量を含めたパレット総重量であってもよい。これにより、パレットP毎に積載物L(内容物)の重量を作業者が紙に記入する作業をなくすことができる。
【0073】
[フォーク3先端の状況検出例]
図6は、第1実施形態に係るフォーク3先端の状況検出の一例を示す図である。図6では、パレットP及びパレットPのフォーク挿入孔7に挿入されるフォーク3を側方(Z軸正方向)から見た場合の概略断面図が示されている。
【0074】
図6に示すように、フォーク3がパレットPのフォーク挿入孔7に挿入されると、制御装置10は、状況検出センサ5によるセンシング結果に基づき、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたことを検出する。
【0075】
図6の例では、状況検出センサ5はフォーク3の下方の状況を検出する。例えば、状況検出センサ5がLidar及びレーダ装置等であり、フォーク3の周囲の物標の情報を検出するとする。
【0076】
この場合に、フォーク3がパレットPのフォーク挿入孔7に挿入されると、例えば、状況検出センサ5のセンシング結果が、路面RからパレットPに変化する。制御装置10の検出部131は、状況検出センサ5がパレットPを検出した場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたと判定する。
【0077】
あるいは、状況検出センサ5がカメラである場合、制御部13の検出部131は、撮影画像に含まれるパレットPの領域(以下、パレット領域とも記載する)が挿入閾値以上になった場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたと判定する。
【0078】
検出部131は、例えば、パレットPの色に基づき、撮影画像に含まれるパレット領域を特定する。検出部131は、例えば、撮影画像におけるパレット領域の割合が挿入閾値以上になった場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたと判定する。
【0079】
このとき、検出部131は、パレット領域のエッジを検出するようにしてもよい。例えば、検出部131は、エッジの傾きに応じて、フォーク3がパレットPのフォーク挿入孔7の長手方向に対して水平に挿入されたか否かを判定し得る。
【0080】
フォーク3がフォーク挿入孔7の長手方向に対して水平に挿入されていない場合、動作制御部132は、フォーク3がフォーク挿入孔7の長手方向に対して水平に挿入されるようにフォークリフト1を制御する。これにより、フォークリフト1はより安全にパレットPを持ち上げることができる。
【0081】
フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたことを検出した検出部131は、次に、先端部がフォーク挿入孔7から出ているか(突出しているか)否かを判定する。
【0082】
図7は、第1実施形態に係るフォーク3先端の状況検出の他の例を示す図である。図7では、パレットP及びパレットPのフォーク挿入孔7に挿入されたフォーク3を側方(Z軸正方向)から見た場合の概略断面図が示されている。
【0083】
図7に示すように、フォーク3がパレットPのフォーク挿入孔7から出ると、制御装置10は、状況検出センサ5によるセンシング結果に基づき、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出たことを検出する。
【0084】
例えば、状況検出センサ5がLidar及びレーダ装置等であり、フォーク3の下方の物標の情報を検出するとする。この場合、フォーク3がパレットPのフォーク挿入孔7から出ると、例えば、状況検出センサ5のセンシング結果が、パレットPから路面Rに変化する。検出部131は、状況検出センサ5が路面Rを検出した場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出たと判定する。
【0085】
あるいは、状況検出センサ5がカメラである場合、検出部131は、撮影画像に含まれるパレットPの領域(以下、パレット領域とも記載する)が突出閾値以下になった場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出たと判定する。
【0086】
検出部131は、例えば、パレットPの色に基づき、撮影画像に含まれるパレット領域を特定する。検出部131は、例えば、撮影画像におけるパレット領域の割合が突出閾値以下になった場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出たと判定する。
【0087】
このとき、検出部131は、パレット領域のエッジを検出するようにしてもよい。例えば、検出部131は、エッジの傾きに応じて、フォーク3がパレットPのフォーク挿入孔7の長手方向に対して水平に挿入されたか否かを判定し得る。
【0088】
フォーク3がフォーク挿入孔7の長手方向に対して水平に挿入されていない場合、動作制御部132は、フォーク3がフォーク挿入孔7の長手方向に対して水平に挿入されるようにフォークリフト1を制御する。これにより、フォークリフト1はより安全にパレットPを持ち上げることができる。
【0089】
ここで、フォークリフト1が安全に積載物Lを運搬するためには、より安定してパレットPを持ち上げることが重要となる。フォーク3の先端部がパレットPのフォーク挿入孔7から出ていなくても、フォークリフト1は、パレットPを持ち上げることができる。しかしながら、フォーク3の先端部がパレットPのフォーク挿入孔7から出ている場合、フォークリフト1は、出ていない場合と比較してより安全にパレットPを持ち上げることができる。これは、フォーク3の先端部がパレットPのフォーク挿入孔7から出ていると、フォーク3がパレットPと接する部分が大きくなり、フォーク3がより安定してパレットPを支えることができるためである。そのため、フォーク3の先端部がパレットPのフォーク挿入孔7から出た状態で、フォーク3がパレットPを持ち上げることで、フォークリフト1はより安全に積載物Lを運搬することができる。
【0090】
なお、検出部131による判定は、上述した例に限定されない。例えば、検出部131が、フォーク3の先端部周辺の明るさの違いによってフォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されているか、又は、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出ているかを判定するようにしてもよい。
【0091】
検出部131は、例えば、撮影画像が暗い場合、より具体的には、撮影画像の平均輝度値が輝度閾値未満である場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたと判定する。
【0092】
検出部131は、例えば、撮影画像が明るい場合、より具体的には、撮影画像の平均輝度値が輝度閾値以上である場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出ていると判定する。
【0093】
なお、ここでは、検出部131が、カメラの撮影画像を用いてフォーク3の先端部周辺が明るいか否かを判定する。しかしながら、検出部131が明るさを判定する方法はこれに限定されない。例えば、状況検出センサ5が輝度センサである場合、検出部131は、輝度センサが検出した明るさに応じて、フォーク3の先端部周辺が明るいか否かを判定する。
【0094】
検出部131は、例えば、フォーク3の先端部周辺が暗い場合、より具体的には、輝度センサの検出結果(輝度値)が閾値未満である場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7に挿入されたと判定する。
【0095】
検出部131は、例えば、フォーク3の先端部周辺が明るい場合、より具体的には、輝度センサの検出結果(輝度値)が閾値以上である場合、フォーク3の先端部がフォーク挿入孔7から出ていると判定する。
【0096】
[制御装置10の処理例]
図8は、第1実施形態に係る制御装置10が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0097】
制御装置10の制御部13は、状況検出センサ5によりパレットPを検出する(ステップS101)。続いて、制御部13は、走行車体2を制御してパレットP近傍まで移動させる(ステップS102)。
【0098】
次に、制御部13は、パレットPのフォーク挿入孔7の位置を検出し(ステップS103)、昇降部4を制御してフォーク3をフォーク挿入孔7の高さ位置に移動させる(ステップS104)。
【0099】
制御部13は、走行車体2を移動してフォーク3をパレットPに挿入する(ステップS105)。制御部13は、フォーク3の先端がパレットPから出たか否かを判定する(ステップS106)。
【0100】
フォーク3の先端がパレットPから出ていない場合(ステップS106;No)、制御部13は、ステップS105に戻り、フォーク3をパレットPに挿入する。一方、フォーク3の先端がパレットPから出ている場合(ステップS106;Yes)、昇降部4を制御してフォーク3を上昇させてパレットPを持ち上げる(ステップS107)。
【0101】
制御部13は、パレットPを持ち上げた状態で走行車体2を制御して、目標位置まで移動させる(ステップS108)。制御部13は、目標位置において昇降部4を制御して、フォーク3を下降させてパレットPを載置し(ステップS109)、処理を終了する。
【0102】
[重量検出装置20の処理例]
図9は、第1実施形態に係る重量検出装置20が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0103】
重量検出装置20の制御部23は、パレットPに載っている積載物Lの外観情報を検出する(ステップS201)。
【0104】
続いて、制御部23は、フォーク3でパレットPを持ち上げた状態で、荷重センサ6からフォーク3にかかる荷重を検出する(ステップS202)。
【0105】
制御部23は、外観情報に基づいて積載物Lにおける外装物を特定し(ステップS203)、外装物の重量を推定する(ステップS204)。
【0106】
制御部23は、フォーク3にかかる荷重及び外装物の重量に基づいて内容物の重量を推定する(ステップS205)。制御部23は、外観情報に基づいて積載物Lに関する積載物情報を特定する(ステップS206)。
【0107】
制御部23は、特定した積載物情報及び推定した内容物の重量を紐付けた紐付情報221を記憶部22に記憶し(ステップS207)、処理を終了する。
【0108】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、状況検出センサ5が下方(Y軸負方向)の状況を検出するとしたが、状況検出センサ5が下方以外の周囲の状況を検出するようにしてもよい。例えば、第2実施形態に係るフォーク3の先端部に窓部8が形成される。これにより、状況検出センサ5が下方以外の周囲の状況を検出する。
【0109】
なお、以下の説明では、第1実施形態と同一又は同等の箇所には同一の符号を付し、また、第1実施形態と同一又は同等の箇所の説明を省略する場合がある。
【0110】
図10は、第2実施形態に係るフォークリフト1の概略側面図である。図11は、第1実施形態に係る窓部8の構成例を示す図である。図11では、図10におけるIII-III線断面を示している。また、図10では、フォーク3を先端側から基端側に向かって斜め下方から見た図を示している。
【0111】
図10に示すように、フォーク3の先端部に、窓部8が形成される。窓部8は、フォーク3の先端部において、凹部3aの内部と連通するように開口形成される。窓部8は、凹部3aの内部に配置された状況検出センサ5の上方及び側方の少なくともいずれかに形成される。本実施形態では、窓部8は、状況検出センサ5の上方及び左右(Z軸の正方向及び負方向)の側方のそれぞれに形成される。
【0112】
この構成によれば、フォーク3の先端部に開口形成される窓部8を介して、状況検出センサ5によるフォーク3の上方や側方の状況検出が可能となる。これにより、制御装置10は、フォーク3の先端の状況をより正確に把握することができる。また、フォーク3の上方や側方の状況検出が可能となることで、パレットPのフォーク挿入孔7に対するフォーク3の正確な挿入が可能となる。また、状況検出センサ5の側方に窓部8が形成されている場合には、フォーク3の幅方向の調整が容易となる。
【0113】
また、フォーク3の上方及び側方のいずれか状況検出が可能となることで、制御装置10は、上方及び側方のいずれかでパレットPを検出したか否かに応じて、フォーク3の先端がフォーク挿入孔7に挿入されたか否かを判定することができる。また、同様に、制御装置10は、フォーク3の先端がフォーク挿入孔7から出たか否かを判定することができる。
【0114】
ここで、積載物Lの運搬には種々の形状のパレットPが使用され得る。例えば、パレットPのフォーク挿入孔7の底部がない、又は、底部の一部が欠けている場合がある。このような形状のパレットPが使用される場合、制御装置10が、フォーク3の下方の状況から、フォーク3の先端がフォーク挿入孔7に挿入されたか、あるいは、フォーク挿入孔7から出たか(フォーク3の先端の状況)を判定できない恐れがある。
【0115】
そこで、本実施形態では、フォーク3の先端部に窓部8を形成することで、制御装置10が、フォーク3の上方及び側方の少なくとも一方の状況を検出できるようにする。これにより、制御装置10は、フォーク3の先端の状況をより精度よく判定することができる。
【0116】
なお、窓部8は、状況検出センサ5の上方及び左右の側方に形成される構成に限らず、例えば、状況検出センサ5の上方のみや、例えば、状況検出センサ5の左右のうち外側(又は内側)となる側方のみに形成されてもよい。
【0117】
また、窓部8は、矩形状の孔として形成されてもよく、円形状や楕円形状の孔として形成されてもよい。
【0118】
また、窓部8は、ガラス部材8aによって覆われている。ガラス部材8aは、例えば、透明の強化ガラス製の部材である。ガラス部材8aは、状況検出センサ5がカメラの場合には無色透明であることが好ましい。なお、ガラス部材8aは、状況検出センサ5がLidarやレーダ装置の場合には必ずしも透明である必要はない。
【0119】
ガラス部材8aは、窓部8の開口(内部)形状に対応するように設けられる。言い換えれば、ガラス部材8aは、窓部8に充填されるように設けられる。このため、ガラス部材8aは、フォーク3の外周面に対して略面一となる。
【0120】
この構成によれば、例えば、フォーク3を動作させても、フォーク3がパレットPに接触するなどの外力による状況検出センサ5の破損を抑制することができ、また、窓部8から侵入した塵埃等が状況検出センサ5に溜まるのを抑制することができる。これにより、状況検出センサ5の耐久性を高めることができる。
【0121】
また、ガラス部材8aを強化ガラス製の部材とすることで、ガラス部材8aに適切な強度が確保される。
【0122】
なお、ガラス部材8aは、例えば、窓部8の内部において、窓部8の厚みよりも薄く形成されてもよい。また、ガラス部材8aは、窓部8の厚みよりも薄く、かつ、窓部8の最も外側にフォーク3の外周面と略面一となるように設けられてもよい。この場合、状況検出センサ5の上方の窓部81の場合は、ガラス部材8aは、フォーク3の上面と略面一となり、状況検出センサ5の左右の側方の窓部82,83の場合は、ガラス部材8aは、それぞれフォーク3の左右の側面と略面一となる。
【0123】
また、窓部8及びガラス部材8aは、フォーク3が、例えば、左右1対で構成される場合は、左右のフォーク3L,3Rのそれぞれに設けられる。
【0124】
また、窓部8が、被覆部材で覆われていてもよい。例えば、窓部8が網目を有するメッシュ部材によって覆われてもよい。メッシュ部材は、例えば、金属製及び硬質素材(例えば、硬質の合成樹脂)製である。メッシュ部材が硬質素材の場合、メッシュ部材として、エンジニアリングプラスチック等が用いられ得る。
【0125】
メッシュ部材は、例えば窓部8の開口形状に対応するように設けられる。メッシュ部材は、フォーク3の外周面に対して略面一となる。
【0126】
なお、ここでは、窓部8を覆うための部材としてガラス部材8aを設ける構成としているが、窓部8を覆うための部材は、これらに限定されない。窓部8を覆うための部材が、例えば、アクリル樹脂製の部材(アクリル部材)であってもよい。
【0127】
なお、アクリル部材は、状況検出センサ5がカメラの場合には透明であることが望ましいが、状況検出センサ5がLidarやレーダ装置の場合には必ずしも透明である必要はない。
【0128】
また、状況検出センサ5がLidarやレーダ装置の場合、窓部8を覆うための部材として、例えば、光や電波が透過する布製の部材(布部材)が用いられ得る。この場合の布部材は、例えば、樹脂コーティングが施されたような強化布である。このため、布部材には適切な強度が確保される。
【0129】
さらに、窓部8を覆うための部材として、複数の板材が所定の間隔をあけて平行に並んだルーバー状の部材(ルーバー部材)を用いてもよい。なお、ルーバー部材には隙間が形成されているため、状況検出センサ5がカメラの場合でも、隙間からフォーク3の上方や側方の状況検出が可能となる。
【0130】
また、ルーバー部材を用いる場合、ルーバー部材による窓部8の開閉制御が可能な構成とすれば、例えば、ルーバー部材を、フォーク3をパレットPのフォーク挿入孔7に挿入する場合には窓部8を開放し、それ以外の場合には窓部8を閉鎖するように制御することも可能である。
【0131】
<ハードウェア構成例>
図12は、制御装置10及び/又は重量検出装置20として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0132】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0133】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0134】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0135】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0136】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0137】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0138】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0139】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0140】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0141】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0142】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0143】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0144】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0145】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0146】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0147】
1 フォークリフト
2 走行車体
3 フォーク
3a 凹部
4 昇降部
5 状況検出センサ
6 荷重センサ
7 フォーク挿入孔
8 窓部
10 制御装置
11,21 通信部
12,22 記憶部
13,23 制御部
20 重量検出装置
131,231 検出部
132 動作制御部
221 紐付情報
232 特定部
233 推定部
234 記憶処理部
L 積載物
P パレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12