(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110704
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】超音波画像処理装置、及び超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/06 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61B8/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015444
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久我 衣津紀
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601DD03
4C601DE04
4C601EE11
4C601JC11
4C601JC26
4C601KK21
4C601KK42
(57)【要約】
【課題】超音波診断装置の3次元カラードプラモードによって取得されるボリュームデータから、ユーザが所望する速度レンダリング画像を、ユーザに操作負担を強いることなく生成できるようにする。
【解決手段】一実施形態の超音波画像処理装置は、取得部とレンダリング処理部とを備える。取得部は、3次元カラードプラモードによって収集された超音波信号に基づくボリュームデータであって、前記ボリュームデータの各ボクセルの値として、流体の速度の値と、前記流体のエコー信号の強度を表すパワーの値とが少なくとも含まれるボリュームデータ、を取得する。レンダリング処理部は、前記速度及び前記パワーの両方と、前記ボクセルの不透明度との関係が規定されたオパシティマップを用いて、前記ボリュームデータをボリュームレンダリングして、速度レンダリング画像を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元カラードプラモードによって収集された超音波信号に基づくボリュームデータであって、前記ボリュームデータの各ボクセルの値として、流体の速度の値と、前記流体のエコー信号の強度を表すパワーの値とが少なくとも含まれるボリュームデータ、を取得する取得部と、
前記速度及び前記パワーの両方と、前記ボクセルの不透明度との関係が規定されたオパシティマップを用いて、前記ボリュームデータをボリュームレンダリングして、速度レンダリング画像を生成する、レンダリング処理部と、
を備える超音波画像処理装置。
【請求項2】
前記オパシティマップを生成するオパシティ生成部、をさらに備え、
前記オパシティ生成部は、
前記速度と前記不透明度との関係が規定された第1のオパシティデータと、前記パワーと前記不透明度との関係が規定された第2のオパシティデータと、を生成し、
前記第1のオパシティデータと、前記第2のオパシティデータとを用いて、前記オパシティマップを生成する、
請求項1に記載の超音波画像処理装置。
【請求項3】
前記オパシティ生成部は、
前記第1のオパシティデータを参照して、前記ボリュームデータの各ボクセルに含まれる前記速度の値に対応する不透明度をボクセル毎に決定することによって、速度基準オパシティマップを生成し、
前記第2のオパシティデータを参照して、前記ボリュームデータの各ボクセルに含まれる前記パワーの値に対応する不透明度をボクセル毎に決定することによって、パワー基準オパシティマップを生成し、
決定した前記速度基準オパシティマップと、前記パワー基準オパシティマップとを、前記ボクセル毎に乗算することによって、前記オパシティマップを生成する、
請求項2に記載の超音波画像処理装置。
【請求項4】
前記速度レンダリング画像に表示される速度の下限値を規定する閾値指標と、前記ボリュームレンダリングに用いる速度と不透明度のとの関係を規定する不透明度指標とが、ユーザによって指定できるように構成されたユーザインタフェース、をさらに備え、
前記オパシティ生成部は、前記第1のオパシティデータ及び前記第2のオパシティデータを、前記ユーザインタフェースを介して指定された前記閾値指標及び前記不透明度指標の少なくとも一方に基づいて、生成する、
請求項2に記載の超音波画像処理装置。
【請求項5】
前記オパシティ生成部は、
前記第1のオパシティデータ及び前記第2のオパシティデータを、前記閾値指標及び前記不透明度指標の少なくとも一方に基づいて変更するとき、前記第2のオパシティデータを、前記第1のオパシティデータよりも優先的に変更する、
請求項4に記載の超音波画像処理装置。
【請求項6】
前記オパシティ生成部は、
前記ユーザインタフェースを介して設定された前記閾値指標が所定値以下の場合、前記第2のオパシティデータにおける閾値を前記設定された前記閾値指標に基づいて変更する一方、前記第1のオパシティデータにおける閾値は変更せず、
前記ユーザインタフェースを介して設定された前記閾値指標が所定値よりも大きい場合、前記第1のオパシティデータにおける閾値を、前記設定された前記閾値指標と前記所定値との差分に基づいて変更する一方、前記第2のオパシティデータにおける閾値は変更しない、
請求項4に記載の超音波画像処理装置。
【請求項7】
前記オパシティ生成部は、
前記ユーザインタフェースを介して設定された前記不透明度指標が所定値以下の場合、前記第2のオパシティデータにおける不透明度を前記設定された前記不透明度指標に基づいて変更する一方、前記第1のオパシティデータにおける不透明度は変更せず、
前記ユーザインタフェースを介して設定された前記不透明度指標が所定値よりも大きい場合、前記第1のオパシティデータにおける不透明度を、前記設定された前記不透明度指標と前記所定値との差分に基づいて変更する一方、前記第2のオパシティデータにおける不透明度は変更しない、
請求項4に記載の超音波画像処理装置。
【請求項8】
前記オパシティマップを生成するオパシティ生成部、をさらに備え、
前記オパシティ生成部は、
前記速度及び前記パワーと、前記不透明度との関係が規定された2次元オパシティデータを生成し、
前記2次元オパシティデータを用いて、前記オパシティマップを生成する、
請求項1に記載の超音波画像処理装置。
【請求項9】
前記オパシティ生成部は、
前記2次元オパシティデータを参照することによって、前記ボリュームデータの各ボクセルに含まれる前記速度の値と前記パワーの値に対応する不透明度をボクセル毎に決定し、
決定した前記ボクセル毎の不透明度を用いて前記オパシティマップを生成する、
請求項8に記載の超音波画像処理装置。
【請求項10】
前記速度レンダリング画像に表示される速度の下限値を規定する閾値指標と、前記ボリュームレンダリングに用いる速度と不透明度のとの関係を規定する不透明度指標とが、ユーザによって指定できるように構成されたユーザインタフェース、をさらに備え、
前記オパシティ生成部は、前記2次元オパシティデータを、前記ユーザインタフェースを介して指定された前記閾値指標及び前記不透明度指標の少なくとも一方に基づいて、生成する、
請求項8に記載の超音波画像処理装置。
【請求項11】
前記オパシティ生成部は、
前記2次元オパシティデータを前記閾値指標及び前記不透明度指標の少なくとも一方に基づいて変更するとき、前記2次元オパシティデータのうち、前記パワーに対応するデータの方を前記速度に対応するデータよりも優先して、前記2次元オパシティデータを変更する、
請求項10に記載の超音波画像処理装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の超音波画像処理装置を備える、
超音波診断装置。
【請求項13】
コンピュータに、
3次元カラードプラモードによって収集された超音波信号に基づくボリュームデータであって、前記ボリュームデータの各ボクセルの値として、流体の速度の値と、前記流体のエコー信号の強度を表すパワーの値とが少なくとも含まれるボリュームデータ、を取得するステップと、
前記速度及び前記パワーの両方と、前記ボクセルの不透明度との関係が規定されたオパシティマップを用いて、前記ボリュームデータをボリュームレンダリングして、速度レンダリング画像を生成するステップと、
を実行させる超音波画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波画像処理装置、及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波パルスや超音波連続波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生じる超音波反射を振動素子により電気信号に変換して、被検体内の情報を非侵襲的に収集するものである。超音波診断装置を用いた医療検査は、超音波プローブを体表に接触させる操作によって、被検体内部の断層画像や3次元画像などの医用画像を容易に生成し、収集することができるため、臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
【0003】
超音波診断装置の撮影モードには、Bモード、ドプラモード、カラードプラモード等がある。これらの撮影モードのうち、カラードプラモードでは、被検体の血流の速度、分散、パワー等の情報を得ることができる。
【0004】
3次元のビーム走査を行う3Dカラードプラモードでは、上記の速度、分散、パワーの各パラメータの値が、ボリュームデータのボクセル毎に取得される。そして、取得したボリュームデータに基づいて速度の表示を行う場合には、ボクセル値が速度の値で表された速度ボリュームデータをボリュームレンダリングすることによって、速度レンダリング画像が生成される。
【0005】
一般に、ボリュームレンダリングでは、ボクセル値に応じた非透明度が規定されたオパシティカーブが用いられる。そして、速度ボリュームデータから速度レンダリング画像を生成するための従来のボリュームレンダリングでは、速度用のオパシティカーブが用いられていた。
【0006】
従来の速度用のオパシティカーブでは、ボリュームレンダリング後に表示される速度の下限値を規定する「閾値」や、ボリュームレンダリングの処理で用いられる「透明度」(或いは、これとは逆の「非透明度」)が、ユーザインタフェースによって調整可能となっている。
【0007】
しかしながら、速度レンダリング画像を生成するための従来のボリュームレンダリング処理や、従来の速度用のオパシティカーブでは、ユーザが所望する速度レンダリング画像が必ずしも得られないという課題があり、さらなる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の1つは、超音波診断装置の3次元カラードプラモードによって取得されるボリュームデータから、ユーザが所望する速度レンダリング画像を、ユーザに操作負担を強いることなく生成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態の超音波診断装置は、取得部とレンダリング処理部とを備える。取得部は、3次元カラードプラモードによって収集された超音波信号に基づくボリュームデータであって、前記ボリュームデータの各ボクセルの値として、流体の速度の値と、前記流体のエコー信号の強度を表すパワーの値とが少なくとも含まれるボリュームデータ、を取得する。レンダリング処理部は、前記速度及び前記パワーの両方と、前記ボクセルの不透明度との関係が規定されたオパシティマップを用いて、前記ボリュームデータをボリュームレンダリングして、速度レンダリング画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る超音波診断装置と超音波画像処理装置の外観の一例を示す斜視図。
【
図2】第1の実施形態の超音波診断装置と超音波画像処理装置の構成例を示すブロック図。
【
図3】第1の実施形態に係る超音波画像処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図4】3次元カラードプラモードで収集されたボリュームデータの概念を示す図。
【
図5】ディスプレイの画面に表示されるユーザインタフェース表示と、速度レンダリング画像の一例を示す図。
【
図6】従来のオパシティデータの生成及び変更の処理を説明する図。
【
図7】第1の実施形態に係る超音波画像処理装置で行っているオパシティデータの生成及び変更の処理について説明する第1の図。
【
図8】第1の実施形態に係る超音波画像処理装置で行っているオパシティデータの生成及び変更の処理について説明する第2の図。
【
図9】第1の実施形態におけるオパシティマップの生成処理からレンダリング処理の概念を説明する図。
【
図10】第1の実施形態に係る超音波画像処理装置による効果の概念を説明する図。
【
図11】第2の実施形態の超音波診断装置と超音波画像処理装置の構成例を示すブロック図。
【
図12】第2の実施形態に係る超音波画像処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図13】第2の実施形態におけるオパシティマップの生成処理からレンダリング処理の概念を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1と超音波画像処理装置20の外観の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、超音波診断装置1は、装置本体とプローブ110を備えている。装置本体は、超音波診断装置1のうちプローブ10を除いた構成であり、キャスタ付きの本体ケースに収納される各種回路(
図2参照)の他、ディスプレイ110及びユーザインタフェース120を備えている。
【0013】
ディスプレイ110は、装置本体の各種回路で生成された超音波画像や各種データを表示する。ディスプレイ110は、例えば、液晶ディスプレイパネルや、有機EL(Electro Luminescence)パネルを備えて構成される。
【0014】
ユーザインタフェース120は、ユーザ操作によって、ユーザが各種のデータや情報を装置本体に入力し、或いは、各種の動作モードを装置本体に設定するデバイスである。ユーザインタフェース120は、例えば、操作パネル121とタッチパネル122(
図2参照)とを備えて構成されている。
【0015】
操作パネル121は、例えば、トラックボール、各種のスイッチ、ダイアル等の操作デバイスが配置されており、これらの操作デバイスをユーザが操作することにより、各種のデータや情報を装置本体に入力することができる。
【0016】
一方、タッチパネル122は、液晶パネル等のディスプレイパネルにタッチスクリーンが重ねられて構成される表示兼入力デバイスである。ディスプレイパネルの表示にしたがってタッチスクリーンに触れる、又は、押下することにより、各種のデータや情報を装置本体に入力することができる。
【0017】
超音波画像処理装置20は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュータとして構成され、
図1に例示したように、ディスプレイ、キーボード、マウス、装置本体等を備えている。超音波画像処理装置20の具体的な構成や機能については後述する。
図2は、第1の実施形態の超音波診断装置1及び超音波画像処理装置20の構成例を示すブロック図である。まず、超音波診断装置1について説明する。
【0018】
超音波診断装置1は、プローブ10、送受信回路150、前述した操作パネル121とタッチパネル122を具備するユーザインタフェース120を備えている。また、超音波診断装置1は、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路131、カラードプラ処理回路132、制御回路140、入出力インタフェース141、ボリュームデータ生成回路142、記憶回路143、画像生成回路144、ディスプレイ110等を備えて構成されている。
【0019】
プローブ10は、超音波信号を被検体の体内に送信し、被検体の体内から反射されてくるエコー信号を受信する。プローブ10は多数の超音波振動子を備えている。
【0020】
送受信回路150は、送信時においては、プローブ10が具備する多数の超音波振動子の夫々に対して、超音波パルスを発生するためのパルス信号を供給する。超音波振動子の夫々に対する遅延時間を所定の値に設定することにより、プローブ10の送信ビームを形成する。一方、受信時においては、プローブ10の各超音波振動子から出力される受信信号をデジタル信号に変換し、さらに、デジタル化された各受信信号を重み付け加算して、受信ビームを形成する。また、例えば、制御回路140から指示される走査方向に基づいて、送信ビームや受信ビームを走査する。
【0021】
Bモード処理回路130は、Bモードの撮影法で収集された受信信号に対する処理を行う。Bモードでは、送受信ビームを順次走査しながら収集される受信信号に対して、対数検波処理等を施して、受信信号の振幅情報(或いは、強度情報)を取得する。
【0022】
実施形態の超音波診断装置1におけるBモードでは、2次元走査と3次元走査を選択可能である。2次元走査が選択された場合には、その走査範囲に対応する2次元空間のピクセル毎に受信信号の振幅情報が得られる。また、3次元走査が選択された場合には、その走査範囲に対応する3次元空間のボクセル毎に振幅情報が得られる
【0023】
ドプラ処理回路131は、ドプラモードの撮影法で収集された受信信号に対する処理を行う。ドプラモードには連続波ドプラモードとパルスドプラモードがある。連続波ドプラモードでは指定されたビーム方向からの受信信号に対して、また、パルスドプラモードでは指定されたビーム方向と指定された距離からの受信信号に対して、フーリエ変換等の信号処理を施し、血流の速度に関する詳細なデータを生成する。
【0024】
カラードプラ処理回路132は、カラードプラモードの撮影法で収集された受信信号に対する処理を行う。カラードプラモードでは、同一方向に複数回送受信しながら、2次元走査の場合には送受信ビームをアジマス方向の所定の範囲に走査して、また3次元走査の場合にはアジマス方向とエレベーション方向の双方の所定の範囲に走査して受信信号を収集する。そして、例えば、同一方向から収集された複数の受信信号に対して自己相関処理を行うことにより、血流の速度、分散、パワーといった血液の流れ(或いは、体液の流れ)に関するデータ(または指標)を得ることができる。
【0025】
ここで、速度は、血流の平均速度のことである。血流の平均速度は、血流の向きに関する情報を含んでおり、例えば、プローブ10に向かってくるように流れる血流は正の符号の平均速度、プローブ10から遠ざかるように流れる血流は負の符号の平均速度として表される。分散は、速度の分散(即ち、速度のバラツキ)を示す情報である。また、パワーは、血流からのエコー信号の強さを表す情報である。これらのデータは、2次元走査の場合には、その走査範囲に対応する2次元空間のピクセル毎に、また、3次元走査の場合には、その走査範囲に対応する3次元空間のボクセル毎に得られる。
【0026】
ボリュームデータ生成回路142は、Bモードまたはカラードプラモードにおいて3次元走査を行ったとき、3次元空間のボクセル毎に得られる情報またはデータを、各ボクセル位置に対応付けて配列した3次元のボリュームデータを生成する。
【0027】
画像生成回路144は、Bモード、ドプラモード、及びカラードプラモードで収集された情報やデータを、ディスプレイ110に表示するための表示用画像に変換する他、表示用画像に各種の補助情報を付加する処理を行う。
【0028】
ディスプレイ110は、前述したように、例えば、液晶ディスプレイパネルや、有機ELパネルを備えて構成され、画像生成回路144で生成された表示用画像を表示する。
【0029】
記憶回路143は、上述した各回路で生成されたデータや情報を一時的の記憶する他、上述した各回路がソフトウェア処理を行うように構成されている場合は、そのソフトウェア処理に必要なプログラムを保存する。
【0030】
入出力インタフェース141は、外部の装置、例えば、画像サーバや、後述する超音波画像処理装置20との間で各種のデータや信号を授受するための有線通信または無線通信のインタフェース回路である。また、入出力インタフェース141は、インターネットや電話回線を介した通信インタフェース回路を含む他、可搬型のメモリ、例えば、USBメモリなどの半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等の、読出しまたは書き込み回路を含む。
【0031】
次に、超音波画像処理装置20について説明する。実施形態の超音波画像処理装置20は、カラードプラモードにおいて超音波診断装置1が生成したボリュームデータに対してボリュームレンダリング処理を行うように構成されている。
【0032】
超音波画像処理装置20は、
図2に示すように、入出力インタフェース200、記憶回路201、入力デバイス203とディスプレイ204を具備するユーザインタフェース202、及び処理回路205を備えて構成されている。
【0033】
入出力インタフェース200は、超音波診断装置1の入出力インタフェース141と同様に、外部の装置、例えば、画像サーバや、前述した超音波診断装置1との間で各種のデータや信号を授受するための有線通信または無線通信のインタフェース回路である。また、入出力インタフェース200は、インターネットや電話回線を介した通信インタフェース回路を含んでもよいし、可搬型のメモリ、例えば、USBメモリなどの半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等の、読出しまたは書き込み回路を含んでもよい。
【0034】
記憶回路201は、例えば、超音波診断装置1から取得したボリュームデータを一時的に記憶する他、後述する処理回路205が実行する各種のプログラムを記憶する。
【0035】
ユーザインタフェース202は、ディスプレイ204に表示される画像に対して、マウスやキーボード等の入力デバイス203を用いたユーザ操作を行うことによって、本装置20に対して各種のデータや情報の入力や選択を行う機能を有している。
【0036】
処理回路205は、例えば、CPUや、専用又は汎用のプロセッサを備える回路である。プロセッサは、例えば、記憶回路201に記憶した各種のプログラムを実行することによって、ユーザインタフェース設定値取得機能F01、ボリュームデータ取得機能F02、第2オパシティデータ(P)生成機能F03、第1オパシティデータ(V)生成機能F04、オパシティマップ(VP)生成機能F05,レンダリング機能F06、及び、速度レンダリング画像出力機能F07の各機能を実現する。
【0037】
処理回路205は、FPGA(field programmable gate array)やASIC(application specific integrated circuit)等のハードウェアで構成してもよい。これらのハードウェアによっても上記の各種の機能を実現することができる。また、処理回路205は、プロセッサとプログラムによるソフトウェア処理と、ハードウェア処理とを組み合わせて、各種の機能を実現することもできる。
【0038】
図3は、第1の実施形態に係る超音波画像処理装置20の動作例を示すフローチャートである。超音波画像処理装置20は、3次元カラードプラモードにおいて収集したボリュームデータのレンダリング処理を行う。以下、超音波画像処理装置20の処理回路205が実現する上記各機能について、
図4乃至
図10を参照しつつ、
図3のフローチャートに沿って説明する。
【0039】
図3のステップST100では、3次元カラードプラモードで収集された超音波信号に基づくボリュームデータを取得する。ボリュームデータは、超音波診断装置1で収集、生成されたものでもよいが、これに限定されない。例えば、他の超音波診断装置で収集されたボリュームデータを、図示しない画像サーバからLAN(Local Area Network)やインターネット等の電子通信回線を介して取得してもよいし、USBメモリや光ディスク等の記録媒体を介して取得してもよい。
【0040】
図4は、ステップST100で取得される、3次元カラードプラモードで収集されたボリュームデータの概念を示す図である。ボリュームデータは所定の解像度に対応する多数のボクセルで構成されており、各ボクセルは複数の血管の血流(例えば、血流A及び血流B)に関するデータを保持している。具体的には、各ボクセルは、血流の平均速度、速度の分散、及び、パワーに関するデータを保持している。ステップST100の処理は、ボリュームデータ取得機能F02が行う。
次のステップST101では、ユーザインタフェース202を介して設定された「閾値」と「不透明度」に関する指標を取得する。
【0041】
図5は、ディスプレイ204の画面300に表示されるユーザインタフェース表示302と、速度レンダリング画像301の一例を示す図である。速度レンダリング画像301は、フローチャートの最後のステップST108で出力される画像である。
【0042】
一方、「閾値」と「不透明度」に関する指標は、例えば、ユーザインタフェース表示302の中の「閾値」設定用のスライドバー303と「不透明度」設定用のスライドバー304とを、ユーザが、例えば、マウスなどの入力デバイス203を操作することによって設定される。ステップST101では、このようにして設定された「閾値」と「不透明度」に関する指標を取得する。ステップST101の処理は、ユーザインタフェース設定値取得機能F01が行う。
【0043】
ステップST102では、設定された「閾値」と「不透明度」を用いて、第1オパシティデータ(V)と、第2オパシティデータ(P)を生成、または変更する。ステップST102の処理は、第2オパシティデータ(P)生成機能F03、及び第1オパシティデータ(V)生成機能F04が行う。
【0044】
図7及び
図8は、第1の実施形態に係る超音波画像処理装置20で行っているオパシティデータの生成及び変更の処理について説明する図である。第1の実施形態の超音波画像処理装置20では、第1オパシティデータ(V)と第2オパシティデータ(P)の2つのオパシティデータを生成するようにしている。
【0045】
一方、
図6は、実施形態に係る処理に対する比較例として、従来のオパシティデータの生成及び変更の処理を説明する図である。
図6の右側にオパシティデータの一例を示す。オパシティデータは流体の速度と不透明度との関係を規定するデータであり、カラードプラモードで収集されたボリュームデータをレンダリング処理するときに用いられるデータである。ボリュームデータの各ボクセル内の速度の値に対して、オパシティデータによって関係づけられる不透明度を設定して、所定のレンダリング方向(
図4参照)からレンダリング処理することによって、速度レンダリング画像を生成することができる。
【0046】
図6に示すオパシティデータの例では、所定の閾値以上の速度に対して不透明度が直線的に変化する一方、所定の規定値以下の速度では不透明度がゼロ、即ち、完全に透過させることで当該ボクセルを表示させない、という速度と不透明度の関係を規定している。
【0047】
従来のオパシティデータの生成及び変更の処理では、
図6の左側に示すユーザインタフェース表示302の「閾値」スライドバー303をユーザが設定する、または変更することによって、オパシティデータの閾値が設定または変更されるようになっていた(
図6の右上段の図)。また、ユーザインタフェース表示302の「不透明度」スライドバー304をユーザが設定する、または変更することによって、オパシティデータの速度対不透明度の関係を示す直線の傾きが設定または変更されるようになっていた(
図6の右下段の図)。
【0048】
しかしながら、従来のこの方法は、オパシティデータの設定、変更に関する自由度が少なく、ユーザが所望する速度レンダリング画像が必ずしも得られない、という課題があった。例えば、速度リンダリング画像における血流領域の境界を明瞭にしようとして「閾値」を大きくすると、本来必要である低速度の血流領域が消失したり、不要な雑音が描出されたりといった事象が起こっていた。
【0049】
このような課題を解決するため、第1の実施形態の超音波画像処理装置20では、第1オパシティデータ(V)と第2オパシティデータ(P)の2つのオパシティデータを生成するようにしている。
【0050】
ここで、第1オパシティデータ(V)は、
図7の中央の上下段に示すものであり、上述した従来例で用いられているオパシティデータと実質的に同じものである。第1オパシティデータ(V)は、前述したように、速度と不透明度との関係を規定するデータである。速度と不透明度との関係は線形でもよいし非線形でもよい。
【0051】
図7は、第1のオパシティデータ(V)の一例を示す図であり、例えば、第1のオパシティデータ(V)は、所定の閾値以上の速度に対して不透明度が直線的に変化する一方、所定の規定値以下の速度では不透明度がゼロ、即ち、完全に透過させることで当該ボクセルを表示させない、という速度と不透明度の関係を規定している。
【0052】
一方、第2オパシティデータ(P)は、
図7の右側の上下段に示すものであり、パワーと不透明度との関係を規定するデータである。第2オパシティデータ(P)におけるパワーと不透明度の関係も、線形でもよいし非線形でもよい。
【0053】
図7に示す例では、例えば、第2のオパシティデータ(P)は、所定の閾値以上のパワーに対して不透明度が直線的に変化する一方、所定の規定値以下のパワーでは不透明度がゼロ、即ち、完全に透過させることで当該ボクセルを表示させない、というパワーと不透明度の関係を規定している。
【0054】
第1の実施形態では、第1のオパシティデータ(V)と第2のオパシティデータ(P)の2つのオパシティデータを用いている。この結果、第1のオパシティデータ(V)における速度の閾値、速度対不透明度の関係を示す直線の傾き、第2のオパシティデータ(V)におけるパワーの閾値、パワー対不透明度の関係を示す直線の傾き、の4つのパラメータを調整することができる。このため、オパシティデータの設定、変更に関する自由度が、前述した従来のオパシティデータに対して高くなっており、ユーザが所望する速度レンダリング画像が従来よりも得やすくなっている。
【0055】
しかしながら、第1のオパシティデータ(V)と第2のオパシティデータ(P)の設定、変更に関して、上記の4つのパラメータを独立に夫々調整するものとすると、パラメータ調整に関するユーザの負担が大きくなる。
【0056】
そこで、第1の実施形態の超音波画像処理装置20では、オパシティデータとしては第1のオパシティデータ(V)と第2のオパシティデータ(P)の2つのオパシティデータを使用しつつも、これら2つのオパシティデータの上記4つのパラメータは、従来と同様に、「閾値」を調整する「閾値」スライドバー303と、「不透明度」を調整する「不透明度」スライドバー304の2つのユーザインタフェースで調整できるようにしている。つまり、第1の実施形態の超音波画像処理装置20においても、従来と同様に、速度レンダリング画像に表示される速度の下限値を規定する「閾値」の指標と、ボリュームレンダリングに用いる速度と不透明度のとの関係を規定する「不透明度」の指標とが、ユーザによって指定できるように構成されたユーザインタフェース表示302を有している。そして、上記の第1のオパシティデータ(V)と第2のオパシティデータ(P)は、ユーザインタフェース表示302を介して指定された「閾値」の指標及び「不透明度」の指標の少なくとも一方に基づいて生成される。
【0057】
図8は、2つのスライドバー303、304を用いて、第1のオパシティデータ(V)と第2のオパシティデータ(P)の4つのパラメータを調整する方法の一例を示している。
【0058】
図8に示す例では、第1のオパシティデータ(V)及び第2のオパシティデータ(P)のパラメータを、「閾値」の指標及び「不透明度」の指標の少なくとも一方に基づいて変更するとき、第2のオパシティデータ(P)を、第1のオパシティデータ(V)よりも優先的に変更するようにしている。
【0059】
より具体的には、「閾値」スライドバー303を介して設定された「閾値」の指標の値が所定値以下の場合(例えば、「A」以下の範囲に設定された場合)、
図8の上段右側の図に矢印(1)で示したように、第2のオパシティデータ(P)における閾値を設定された「閾値」指標に基づいて変更する(例えば、「A」に設定する)一方、第1のオパシティデータ(V)おける閾値は変更しない。
【0060】
その一方で、「閾値」スライドバー303を介して設定された「閾値」指標が所定値よりも大きい場合(例えば、所定値「A」より大きい「B」に設定された場合)、
図8の上段中央の図に矢印(2)で示したように、第1のオパシティデータ(V)おける閾値を、設定された「閾値」指標と所定値との差分(例えば、「B」-「A」)に基づいて変更する一方、第2のオパシティデータ(P)における閾値は変更しない(既に設定されている「A」のままを維持する)。
【0061】
同様に、「不透明度」スライドバー304を介して設定された「不透明度」の指標の値が所定値以下の場合(例えば、「C」以下の範囲に設定された場合)、
図8の下段右側の図に矢印(1)で示したように、第2のオパシティデータ(P)における不透明度の傾きを設定された「不透明度」指標に基づいて変更する(例えば、「C」に設定する)一方、第1のオパシティデータ(V)おける不透明度の傾きは変更しない。
【0062】
その一方で、「不透明度」スライドバー304を介して設定された「不透明度」指標が所定値よりも大きい場合(例えば、所定値「C」より大きい「D」に設定された場合)、
図8の下段中央の図に矢印(2)で示したように、第1のオパシティデータ(V)おける不透明度の傾きを、設定された「不透明度」指標と所定値との差分(例えば、「D」-「C」)に基づいて変更する一方、第2のオパシティデータ(P)における不透明度の傾きは変更しない(既に設定されている「C」のままを維持する)。
【0063】
図3に戻り、ステップST103からステップST105までの処理は、ステップST102で生成した第1オパシティデータ(V)と第2オパシティデータ(P)を用いて、オパシティマップ(VP)を生成する処理である。ステップST103からステップST105までの処理は、
図2のオパシティマップ(VP)生成機能F05が行う。
【0064】
ステップST106では、ステップST105で生成したオパシティマップ(VP)を用いて、ボリュームデータに含まれる速度に対応する画素値をレンダリングして、速度レンダリング画像を生成する。ステップST106の処理は、
図2のレンダリング機能F06が行う。
【0065】
図9は、ステップST103からステップST106までの処理の概念を示す図である。ステップST103では、ボリュームデータの各ボクセルに含まれる速度に対応する不透明度を、第1オパシティデータ(V)を参照して決定し、速度基準のオパシティマップ(V)を生成する。
【0066】
次のステップST104では、ボリュームデータの各ボクセルに含まれるパワーに対応する不透明度を、第2オパシティデータ(P)を参照して決定し、パワー基準のオパシティマップ(P)を生成する。
【0067】
そして、ステップST105では、ステップST103で生成した速度基準の不透明度と、ステップST104で生成したパワー基準の不透明度を、ボクセル毎に乗算してオパシティマップ(VP)を生成する。
ステップST106では、オパシティマップ(VP)を用いて、ボリュームデータに含まれる速度をレンダリングして、速度レンダリング画像を生成する。
【0068】
生成された速度レンダリング画像は、例えば、超音波画像処理装置20のディスプレイ204に表示される。この速度レンダリング画像をユーザが評価し、再度の調整が必要と判断された場合には、ユーザインタフェース表示302の「閾値」及び「不透明度」の少なくとも一方が変更されることになり(ステップST107のYES)、ステップST101に戻る。
【0069】
一方、生成された速度レンダリング画像が所望の画像であり、再度の調整が必要と判断された場合には、ユーザインタフェース表示302の「閾値」及び「不透明度」の調整は必要なく(ステップST107のYES)、ステップST108に進む。
ステップST108では、生成された速度レンダリング画像を、例えば、超音波診断装置1や、所定の画像サーバ等に出力する。
【0070】
図10は、第1の実施形態に係る超音波画像処理装置20による効果の概念を説明する図である。
図10(a)は、従来のレンダリング処理で生成された速度レンダリング画像を比較例として模式的に示す図である。前述したように、従来は、レンダリング処理に用いるオパシティデータが、速度と不透明度の関係が規定された1つのオパシティデータであるため、オパシティデータの設定、変更に関する自由度が少なかった。このため、
図10(a)に示す比較例の速度レンダリング画像のように、血流領域の一部において、低速度の血流領域が欠落したり、境界が不明瞭な領域が発生したりしていた。或いは、速度レンダリング画像に、本来は存在しない、不要な雑音領域が描出されたりしていた。
【0071】
一方、第1の実施形態に係る超音波画像処理装置20では、レンダリング処理に用いるオパシティマップ(VP)を、第1のオパシティデータ(V)から生成される速度基準のオパシティマップ(V)と、第2のオパシティデータ(P)から生成されるパワー基準のオパシティマップ(VP)とを用いて生成している。このため、オパシティマップ(VP)を調整する自由度が高く、ユーザが所望する速度レンダリング画像を容易に生成することができる。例えば、
図10(b)に模式的に例示するように、血流の低速領域の欠落がなく、また、境界が明瞭に描出された血流領域を有する速度レンダリング画像を生成することができる。
【0072】
上述したように、第1の実施形態に係る超音波画像処理装置20によれば、超音波診断装置1の3次元カラードプラモードによって取得されるボリュームデータから、ユーザが所望する速度レンダリング画像を、ユーザに操作負担を強いることなく生成することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る超音波画像処理装置20と超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態との相違点は、第2の実施形態の超音波画像処理装置20の処理回路が、第2オパシティデータ(P)生成機能F03及び第1オパシティデータ(V)生成機能F04に換えて、2次元オパシティデータ(VP)生成機能F08を実現している点である。
【0074】
第2の実施形態の超音波画像処理装置20では、2次元オパシティデータ(VP)生成機能F08により、速度及びパワーと、不透明度との関係が規定された2次元オパシティデータ(VP)を生成し、この2次元オパシティデータ(VP)を用いて、オパシティマップ(VP)を生成している。
【0075】
図12は、第2の実施形態に係る超音波画像処理装置20の動作例を示すフローチャートである。第1の実施形態のフローチャート(
図3)との相違点は、第2の実施形態では、ステップST101乃至ステップST105に換えて、ステップST202及びステップST203を有している点である。第1の実施形態と同一の処理に関しては、説明を省略する。
図13は、ステップST202とステップST203の処理を含む、ステップST100からステップST106までの処理の概念を示す図である。
【0076】
ステップST202では、ユーザインタフェース表示302を介して設定された「閾値」と「不透明度」に基づいて、2次元オパシティデータ(VP)を生成する。2次元オパシティデータ(VP)は、速度及びパワーと、不透明度との関係が規定されたデータセットである。例えば、2次元オパシティデータ(VP)は、X軸が「速度」、Y軸が「パワー」の2次元空間の座標(「速度」, 「パワー」)に、規定すべき不透明度の値を有するデータセットである。
【0077】
第2の実施形態の超音波画像処理装置20においても、速度レンダリング画像に表示される速度の下限値を規定する「閾値」の指標と、ボリュームレンダリングに用いる速度と不透明度のとの関係を規定する「不透明度」の指標とが、ユーザによって指定できるように構成されたユーザインタフェース表示302を有している。そして、上記の2次元オパシティデータ(VP)は、ユーザインタフェース表示302を介して指定された「閾値」の指標及び「不透明度」の指標の少なくとも一方に基づいて生成される。
【0078】
また、2次元オパシティデータ(VP)を指定された「閾値」の指標及び「不透明度」の指標の少なくとも一方に基づいて変更するときは、2次元オパシティデータ(VP)のうち、パワーに対応するデータの方を速度に対応するデータよりも優先して、2次元オパシティデータ(VP)を変更する。
【0079】
次のステップST203では、2次元オパシティデータ(VP)を参照することによって、ボリュームデータの各ボクセルに含まれる速度の値とパワーの値に対応する不透明度をボクセル毎に決定し、決定したボクセル毎の不透明度を用いてオパシティマップ(VP)を生成する。
【0080】
ステップST106では、上記のように生成されたオパシティマップ(VP)を用いて、ボリュームデータに含まれる速度の値(即ち、速度の値を有するボクセル値)をレンダリングして、速度レンダリング画像を生成する。
【0081】
(その他の実施形態)
上述した各実施形態では、超音波診断装置1と超音波画像処理装置20とは、互いに独立した別体の装置として説明してきたが、これに限定されない。超音波診断装置1を、上述した超音波画像処理装置20の構成及び機能を有するように構成してもよい。
【0082】
なお、上述した各実施形態の説明におけるボリュームデータ取得機能は特許請求の範囲の記載における取得部の一例である。また、各実施形態の説明における第1オパシティデータ(V)生成機能、第2オパシティデータ(P)生成機能、2次元オパシティデータ(VP)生成機能、及びオパシティマップ(VP)生成機能は、特許請求の範囲の記載におけるオパシティ生成部の一例である。また、各実施形態の説明におけるレンダリング機能は、特許請求の範囲の記載におけるレンダリング処理部の一例である。
【0083】
以上説明してきたように、各実施形態の超音波画像処理装置20及び超音波診断装置1によれば、超音波診断装置の3次元カラードプラモードによって取得されるボリュームデータから、ユーザが所望する速度レンダリング画像を、ユーザに操作負担を強いることなく生成できる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 超音波診断装置
10 プローブ
20 超音波画像処理装置
202 ユーザインタフェース
204 入力デバイス
204 ディスプレイ
205 処理回路
F01 ユーザインタフェース設定値取得機能
F02 ボリュームデータ取得機能
F03 第2オパシティデータ(P)生成機能
F04 第1オパシティデータ(V)生成機能
F05 オパシティマップ(VP)生成機能
F06 レンダリング機能
F08 2次元オパシティデータ(VP)生成機能