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特開2024-110722コンベヤシステム及び自動倉庫システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110722
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】コンベヤシステム及び自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240808BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B65G1/00 501B
B65G1/04 555A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015484
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】田原 嶺宏
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022CC03
3F022EE05
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ13
3F022LL14
3F022LL31
3F022MM51
3F022MM66
3F022MM69
3F022PP06
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】搬送する荷物の飛出し部位を正確に検出することが可能なコンベヤシステム及び自動倉庫システムを提供する。
【解決手段】コンベヤシステム50は、荷物Wを搬送する入庫用コンベヤ51と、入庫用コンベヤ51の搬送面51a上に進出し、入庫用コンベヤ51コンベヤで搬送されている荷物Wの搬送方向下流側に当接することにより、該荷物Wを停止させるストッパ53と、ストッパ53により停止させた荷物Wよりも搬送方向下流側の位置を検出範囲に含み、ストッパ53により停止させた荷物Wにおける飛出し部位Tを検出する飛出し部位検出センサ54と、を備える。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搬送するコンベヤと、
前記コンベヤの搬送面上に進出し、前記コンベヤで搬送されている前記荷物の搬送方向下流側に当接することにより、該荷物を停止させるストッパと、
前記ストッパにより停止させた前記荷物よりも搬送方向下流側の位置を検出範囲に含み、前記ストッパにより停止させた前記荷物における飛出し部位を検出する飛出し部位検出センサと、を備える、コンベヤシステム。
【請求項2】
前記飛出し部位検出センサは、前記コンベヤで搬送されている前記荷物の搬送方向下流側に前記ストッパが当接する前に、検出を開始する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項3】
前記飛出し部位検出センサの前記検出範囲は、前記搬送面と直交する方向に長尺な範囲である、請求項1又は2に記載のコンベヤシステム。
【請求項4】
前記飛出し部位検出センサは、前記搬送面上に進出した前記ストッパが前記搬送面上から退避した後まで検出を継続する、請求項1又は2に記載のコンベヤシステム。
【請求項5】
前記コンベヤは、該コンベヤの後段において移載装置で移載される前記荷物を搬送し、
前記飛出し部位検出センサは、前記移載装置に搭載された荷幅測定用センサと同じセンサである、請求項1又は2に記載のコンベヤシステム。
【請求項6】
前記移載装置は、前記荷幅測定用センサにより検出された前記荷物の幅が、前記荷物の設定幅よりも第1閾値長い場合、当該荷物を異常であると判定し、
前記飛出し部位検出センサの検出範囲は、前記ストッパにより停止させた前記荷物から、前記第1閾値よりも短い第2閾値だけ搬送方向下流側に離れた位置を含む、請求項5に記載のコンベヤシステム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のコンベヤシステムと、
前記荷物を載置する棚部を複数有するラックと、
前記棚部に対して前記荷物を移載可能な移載装置と、を備える、自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンベヤシステム及び自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば段ボール箱等の荷物を搬送するコンベヤを備えたコンベヤシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/161979号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンベヤで搬送する荷物にラベルの剥がれ等の飛出し部位が生じていると、例えばコンベヤの後段にて荷幅測長センサにより荷物の幅を検出して移載する際、飛出し部位を荷幅測長センサが誤検出し、当該移載が異常停止してしまうおそれがある。そこで、上述したコンベヤシステムでは、搬送する荷物の飛出し部位を人手による目視確認によって把握する場合があるが、この場合、確認ミスが生じやすい。
【0005】
そこで、本開示は、搬送する荷物の飛出し部位を正確に検出することが可能なコンベヤシステム及び自動倉庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るコンベヤシステムは、荷物を搬送するコンベヤと、コンベヤの搬送面上に進出し、コンベヤで搬送されている荷物の搬送方向下流側に当接することにより、該荷物を停止させるストッパと、ストッパにより停止させた荷物よりも搬送方向下流側の位置を検出範囲に含み、ストッパにより停止させた荷物における飛出し部位を検出する飛出し部位検出センサと、を備える。
【0007】
このコンベヤシステムでは、ストッパで荷物を停止させた上で、当該荷物から飛び出している飛出し部位を検出する。これにより、搬送する荷物自体ではなく、その飛出し部位のみを検出することができる。したがって、搬送する荷物の飛出し部位を正確に検出することが可能となる。
【0008】
(2)上記(1)に記載のコンベヤシステムでは、飛出し部位検出センサは、コンベヤで搬送されている荷物の搬送方向下流側にストッパが当接する前に、検出を開始してもよい。この場合、搬送する荷物がストッパにより停止したことに伴う飛出し部位の挙動を検出することができる。これにより、例えば、当該挙動から飛出し部位の種類又は形状等を把握することが可能となる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載のコンベヤシステムでは、飛出し部位検出センサの検出範囲は、搬送面と直交する方向に長尺な範囲であってもよい。この場合、荷物における搬送方向下流側の広い範囲において飛出し部位を検出することができる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)の何れか一項に記載のコンベヤシステムでは、飛出し部位検出センサは、搬送面上に進出したストッパが搬送面上から退避した後まで検出を継続してもよい。この場合、荷物における搬送方向下流側の一層広い範囲において飛出し部位を検出することができる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)の何れか一項に記載のコンベヤシステムでは、コンベヤは、該コンベヤの後段において移載装置で移載される荷物を搬送し、飛出し部位検出センサは、移載装置に搭載された荷幅測定用センサと同じセンサであってもよい。この場合、移載装置に搭載された荷幅測定用センサの誤検出の原因となり得る飛出し部位を、効果的に検出することができる。荷幅測定用センサの誤検出を抑制することが可能となる。
【0012】
(6)上記(5)に記載のコンベヤシステムでは、移載装置は、荷幅測定用センサにより検出された荷物の幅が、荷物の設定幅よりも第1閾値長い場合、当該荷物を異常であると判定し、飛出し部位検出センサの検出範囲は、ストッパにより停止させた荷物から、第1閾値よりも短い第2閾値だけ搬送方向下流側に離れた位置を含んでいてもよい。この場合、飛出し量が第2閾値の飛出し部位を、飛出し部位検出センサにより検出することができる。第2閾値は、荷幅測定用センサの誤検出の原因となり得る飛出し部位の飛出し量に対応する第1閾値よりも短い。よって、荷幅測定用センサの誤検出の原因となり得る飛出し部位を、確実に検出することができる。
【0013】
(7)本発明に係る自動倉庫システムは、上記(1)~(6)の何れか一項に記載のコンベヤシステムと、荷物を載置する棚部を複数有するラックと、棚部に対して荷物を移載可能な移載装置と、を備える。この自動倉庫システムは、上記コンベヤシステムを備えることから、上記効果、すなわち、搬送する荷物の飛出し部位を正確に検出することが可能となる等の効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、搬送する荷物の飛出し部位を正確に検出することが可能なコンベヤシステム及び自動倉庫システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係る自動倉庫システムを示す概略正面図である。
図2図2は、図1の自動倉庫システムの一部を示す概略平面図である。
図3図3(a)は、図1のラックから移載装置へ荷物を移載する場合を説明する概略平面図である。図3(b)は、図3(a)の続きを説明する概略平面図である。
図4図4(a)は、図3(b)の続きを説明する概略平面図である。図4(b)は、図4(a)の続きを説明する概略平面図である。
図5図5(a)は、図4(b)の続きを説明する概略平面図である。図5(b)は、図5(a)の続きを説明する概略平面図である。
図6図6は、図5(b)の続きを説明する概略平面図である。
図7図7は、図1のコンベヤシステムの要部構成を示す概略正面図である。
図8図8は、図7のコンベヤシステムの概略側面図である。
図9図9(a)は、図7のコンベヤシステムの動作例を説明する概略正面図である。図9(b)は、図9(a)の続きを説明する概略正面図である。図9(c)は、図9(b)の続きを説明する概略正面図である。
図10図10は、第2実施形態に係るコンベヤシステムの要部構成を示す概略正面図である。
図11図11は、図10のコンベヤシステムの概略側面図である。
図12図12(a)は、図10のコンベヤシステムの動作例を説明する概略正面図である。図12(b)は、図12(a)の続きを説明する概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0017】
[第1実施形態]
図1に示されるように、第1実施形態に係る自動倉庫システム1は、荷物Wを格納する自動倉庫10と、自動倉庫10に対して荷物Wを搬入及び搬出するコンベヤシステム50と、備える。荷物Wは、例えば商品を収納可能なケース、トレイ、段ボール箱及び折りたたみコンテナ等である。なお、以下においては、水平方向の一方向をX方向とし、X方向に直交する水平方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向として説明する。
【0018】
自動倉庫10は、ラック11、搬送車12、入庫ステーション13、出庫ステーション14、入庫用昇降装置15及び出庫用昇降装置16を備える。ラック11は、荷物Wを載置する棚部17を複数有する。ラック11は、搬送車12のレール18(後述)のX方向の一方側及び他方側に配置されている。棚部17は、Y方向に延在する。棚部17は、Z方向に複数段設けられている。各段の棚部17におけるY方向の一方側の端部には、荷物Wを一時的に載置するバッファコンベヤ17aが設けられている。バッファコンベヤ17aは、一時的に載置した荷物WをY方向の一方側及び他方側に搬送可能である。
【0019】
搬送車12は、複数段の棚部17に対応して複数設けられている。搬送車12は、各段の棚部17の対応する高さにおいて、Y方向に沿って往復走行可能である。搬送車12は、シャトル台車である。搬送車12は、各段の棚部17に対応する高さ位置にY方向に沿って敷設されたレール18上を走行可能である。搬送車12は、棚部17に対して荷物Wを移載可能な移載装置20を有する。
【0020】
移載装置20は、リアフック式移載装置である。移載装置20は、X方向に沿って前進及び後退する一対のアーム21と、各アーム21の前端部及び後端部にそれぞれ設けられX方向に直交する平面上で旋回可能なフック22と、荷物WのY方向の幅(荷幅)を検出するための荷幅測定用センサ23と、を含む。移載装置20の種類は特に限定されず、サイドクランプ式移載装置等の種々の形式の移載装置であってもよい。
【0021】
アーム21は、テレスコピック構造等の伸縮機構(不図示)により前進及び後退する。フック22は、例えば細長形状のバー状の部材である。フック22は、荷物Wの移載の際に荷物Wの前面又は後面(背面)に当たる部材である。荷幅測定用センサ23は、例えばTOF(Time Of Flight)方式のセンサであって、所定の距離における物体の有無を検知する。荷幅測定用センサ23は、例えば、赤外線センサ、可視光センサ及びレーザセンサ等であってもよい。荷幅測定用センサ23は、例えば、搬送車12の本体のY方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、X方向の一方側及び他方側の各位置に設けられている。荷幅測定用センサ23は、搬送車12の走行中にX方向に沿ってビームを照射し、その反射光の受光の有無に基づいて荷物Wの荷幅を検知する。
【0022】
このような搬送車12では、移載装置20によりラック11の棚部17から荷物Wを移載する場合、まず、荷幅測定用センサ23による荷物Wの検出有無と搬送車12の走行移動位置とに基づいて、荷物Wの荷幅及び位置を検出する。例えば図3(a)、図3(b)及び図4(a)に示されるように、移載装置20がY方向に走行しながら荷幅測定用センサ23による検出を行う。これにより、荷幅測定用センサ23により荷物Wを検出し始めた位置から荷物Wを検出し終えた位置を荷物位置として検出すると共に、荷物Wを検出し始めから荷物Wの検出を終了までの搬送車12の移動距離を荷物Wの荷幅として検出する。
【0023】
このとき、移載装置20は、荷幅測定用センサ23により検出された荷幅が、荷物Wの設定幅よりも第1閾値長い場合、当該荷物Wに異常があると判定する。設定幅は、予め設定された荷幅の規格値、仕様値ないし標準値である。第1閾値は、各荷物Wに関連付けて予め設定されている異常判定用の閾値である。第1閾値は、特に限定されず、例えば25mmである。
【0024】
そして、図4(b)に示されるように、搬送車12を目的の棚部17の位置まで走行移動させる。移載装置20におけるアーム21の進出用の障害物検出センサ(不図示)によりアーム21の周辺に障害物が存在しないことを検出する。図5(a)に示されるように、一対のアーム21を前進させて棚部17内へ進出させる。図5(b)に示されるように、フック22を内側に倒れるように旋回させ、フック22を開位置から閉位置まで移動させる。図6に示されるように、一対のアーム21を後退させて棚部17外へ退出させる。これにより、フック22で荷物Wの後面を引っ掛けて、荷物Wを搬送車12に引き込む。以上により、荷物Wの搬送車12への移載が完了する。
【0025】
図1及び図2に戻り、入庫ステーション13は、コンベヤシステム50から荷物Wを受け取る。入庫ステーション13は、荷物Wを搬送し、入庫用昇降装置15へ当該荷物Wを受け渡す。入庫ステーション13は、例えばY方向の他方側に荷物Wを搬送可能なコンベヤを含む。出庫ステーション14は、出庫用昇降装置16から荷物Wを受け取る。出庫ステーション14は、荷物Wを搬送し、コンベヤシステム50へ当該荷物Wを受け渡す。出庫ステーション14は、例えばY方向の一方側に荷物Wを搬送可能なコンベヤを含む。
【0026】
入庫用昇降装置15は、ラック11と入庫ステーション13との間に配置されている。入庫用昇降装置15は、荷物Wが載置される入庫用昇降台15aを含む。入庫用昇降台15aは、Z方向に延びる支柱15bに沿って昇降可能(Z方向に沿って移動可能)に設けられている。入庫用昇降台15aは、入庫ステーション13から荷物Wを受け取る。入庫用昇降台15aは、棚部17のバッファコンベヤ17aへ荷物Wを受け渡す。入庫用昇降台15aは、例えばY方向の他方側に荷物Wを搬送可能なコンベヤを含む。
【0027】
出庫用昇降装置16は、ラック11と出庫ステーション14との間に配置されている。出庫用昇降装置16は、荷物Wが載置される出庫用昇降台16aを含む。出庫用昇降台16aは、Z方向に延びる支柱16bに沿って昇降可能に設けられている。出庫用昇降台16aは、棚部17のバッファコンベヤ17aから荷物Wを受け取る。出庫用昇降台16aは、出庫ステーション14へ荷物Wを受け渡す。出庫用昇降台16aは、例えばY方向の一方側に荷物Wを搬送するコンベヤを含む。
【0028】
図1図2図7及び図8に示されるように、コンベヤシステム50は、入庫用コンベヤ51、出庫用コンベヤ52、ストッパ53、飛出し部位検出センサ54及びコントローラ55を備える。
【0029】
入庫用コンベヤ51は、自動倉庫10のラック11に入庫する荷物W、すなわち、入庫用コンベヤ51の後段において移載装置20で移載される荷物Wを搬送するコンベヤである。入庫用コンベヤ51は、入庫ステーション13へ荷物Wを受け渡す。入庫用コンベヤ51は、ローラコンベヤである。入庫用コンベヤ51は、X方向に沿う軸を回転軸とし且つY方向に所定間隔で並ぶ複数の搬送ローラ29xを含む。複数の搬送ローラ29xの上方に接する面は、搬送面51aを構成する。入庫用コンベヤ51は、複数の搬送ローラ29xを駆動するローラ駆動部56を含む。ローラ駆動部56は、その動作がコントローラ55により制御される。これにより、入庫用コンベヤ51による搬送が制御される。また、入庫用コンベヤ51は、飛出し部位Tが存在する荷物Wを、振分装置(不図示)により自動倉庫システム1外へ払い出す払出部51yを含む。
【0030】
飛出し部位Tとしては、荷物Wの少なくとも一部の剥がれ(例えば段ボール箱の剥がれ、梱包テープの剥がれ又はラベルの剥がれ等)が挙げられる。飛出し部位Tとしては、剥がれ等に特に限定されない。飛出し部位Tの形状はあらゆる形状であってもよいし、飛出し部位Tが存在する位置は荷物Wにおけるあらゆる位置であってもよい。
【0031】
出庫用コンベヤ52は、自動倉庫10のラック11から出庫された荷物Wを搬送するコンベヤである。出庫用コンベヤ52は、出庫ステーション14から荷物Wを受け取る。出庫用コンベヤ52は、払出部51yを備えていない点以外は入庫用コンベヤ51と同様に構成されている。
【0032】
ストッパ53は、入庫用コンベヤ51の搬送面51a上に進出し、入庫用コンベヤ51で搬送されている荷物Wの搬送方向下流側の側面に当接することにより、該荷物Wを停止させる。ストッパ53は、Y方向を厚さ方向とする板状の部材である。ストッパ53は、Z方向に沿って移動可能に設けられている。具体的には、ストッパ53は、上部が入庫用コンベヤ51の搬送面51aから上方に突出する位置と、搬送面51aよりも下方に没入する位置と、の間でZ方向にスライドするように移動する。ストッパ53は、ストッパ駆動部57の駆動力により移動する。ストッパ駆動部57は、その動作がコントローラ55により制御される。これにより、ストッパ53の移動が制御される。
【0033】
飛出し部位検出センサ54は、ストッパ53により停止させた荷物Wの飛出し部位Tを検出するセンサである。飛出し部位検出センサ54は、移載装置20に搭載された荷幅測定用センサ23と同じセンサである。飛出し部位検出センサ54は、ビームB0をX方向に沿って照射し、その反射光の受光の有無又は強度に基づいて飛出し部位Tを検出する。飛出し部位検出センサ54は、X方向において入庫用コンベヤ51よりも外側に配置されている。飛出し部位検出センサ54は、例えばブラケット等により入庫用コンベヤ51のフレームに固定されている。飛出し部位検出センサ54は、ストッパ53により停止させた荷物Wよりも搬送方向下流側の位置に、ビームB0をX方向に沿って照射する。つまり、飛出し部位検出センサ54は、当該荷物Wよりも搬送方向下流側の位置を検出範囲R0に含む。
【0034】
検出範囲R0は、ストッパ53により停止させた荷物Wから、第1閾値よりも短い第2閾値だけ搬送方向下流側に離れた位置を含む。第2閾値は、特に限定されず、例えば5mmより大きい値であり、ここでは15mmである。検出範囲R0は、X方向においては直線的に延在しており、荷物Wよりも長尺の範囲に亘る。検出範囲R0の位置は、Z方向においては、ストッパ53により停止させた荷物Wの中央位置に対応する。例えば検出範囲R0は、搬送面51aからの高さが50mmの位置である。飛出し部位検出センサ54は、その検出の開始及び停止がコントローラ55により制御される。
【0035】
コントローラ55は、コンベヤシステム50の各動作を制御する制御装置である。コントローラ55は、プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(RandomAccess Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び、無線LAN等の通信回路等を有するコンピュータである。コントローラ55は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。コントローラ55は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。コントローラ55は、一つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。
【0036】
コントローラ55は、入庫用コンベヤ51、出庫用コンベヤ52、ストッパ53及び飛出し部位検出センサ54の動作を少なくとも制御する。コントローラ55は、飛出し部位検出センサ54を制御し、入庫用コンベヤ51で搬送されている荷物Wの搬送方向下流側にストッパ53が当接する前に、検出を開始する。コントローラ55は、飛出し部位検出センサ54により飛出し部位Tを検出した場合、飛出し部位Tが存在する荷物Wを、入庫用コンベヤ51の払出部51yにより払い出しさせる。コントローラ55は、飛出し部位検出センサ54により飛出し部位Tを検出しない場合、荷物Wを入庫用コンベヤ51により入庫ステーション13へ搬送させる。コントローラ55は、飛出し部位検出センサ54による検出結果の時間的変化に基づいて、飛出し部位Tの挙動を検出する。検出する飛出し部位Tの挙動としては、例えば、ストッパ53に荷物Wが当接したときの衝撃による飛出し部位Tの揺れ等が挙げられる。
【0037】
次に、コンベヤシステム50により自動倉庫10へ荷物Wを入庫する場合の動作例について説明する。ここでの例では、飛出し部位Tが荷物Wの搬送方向下流側に存在する場合の例を説明する。
【0038】
図9(a)に示されるように、コントローラ55により入庫用コンベヤ51のローラ駆動部56を制御し、入庫用コンベヤ51により荷物Wを入庫ステーション13へ向けて搬送する。図9(b)に示されるように、荷物Wにストッパ53が当接する前に、つまり、ストッパ53から搬送方向上流側に所定距離離れた位置に荷物Wが到達したときのタイミングに、コントローラ55により飛出し部位検出センサ54を制御し、飛出し部位Tの検出を開始する。
【0039】
例えば、荷物Wにストッパ53が当接する前のタイミングは、入庫用コンベヤ51で搬送されている荷物Wの位置が、ストッパ53から搬送方向上流側に所定距離離れた位置に到達したときのタイミングに対応する。入庫用コンベヤ51で搬送されている荷物Wの位置は、例えば、搬送面51a上に搬送方向に沿って離れて配置された複数の定点センサ(不図示)の検出結果から取得することができる。
【0040】
荷物Wの飛出し部位Tの検出開始と共に、コントローラ55によりストッパ駆動部57を制御し、ストッパ53を上方へ移動させ、入庫用コンベヤ51の搬送面51a上にストッパ53を進出させる。その結果、図9(c)に示されるように、搬送されている荷物Wの搬送方向下流側の側面にストッパ53が当接し、荷物Wが停止すると共に、停止した荷物Wの飛出し部位Tが飛出し部位検出センサ54により検出される。コントローラ55によりローラ駆動部56を制御し、入庫用コンベヤ51による搬送を停止させる。
【0041】
その後、コントローラ55により飛出し部位検出センサ54を制御し、飛出し部位検出センサ54による検出を終了する。コントローラ55によりストッパ駆動部57を制御し、ストッパ53を下方へ移動させ、入庫用コンベヤ51の搬送面51a上からストッパ53を退避させる。これにより、荷物Wの搬送方向下流側の側面に対するストッパ53の当接が解除される。そして、コントローラ55によりローラ駆動部56を制御し、入庫用コンベヤ51による搬送を再開させる。コントローラ55により入庫用コンベヤ51を制御し、飛出し部位Tが存在する当該荷物Wを払出部51yから払い出す。
【0042】
以上、コンベヤシステム50では、ストッパ53で荷物Wを停止させた上で、当該荷物Wから飛び出している飛出し部位Tを検出する。これにより、搬送する荷物W自体ではなく、その飛出し部位Tのみを検出することができる。したがって、搬送する荷物Wの飛出し部位Tを正確に検出することが可能となる。コンベヤシステム50の後段において飛出し部位Tを荷幅測定用センサ23が誤検出することを抑制し、当該誤検出に起因して移載装置20の移載が異常停止することを防ぐことが可能となる。なお、飛出し部位Tは薄い場合が多く、カメラ等により飛出し部位Tを検出することは困難であることから、この点においても、飛出し部位検出センサ54で飛出し部位Tを検出する本実施形態は有効である。
【0043】
コンベヤシステム50では、飛出し部位検出センサ54は、入庫用コンベヤ51で搬送されている荷物Wの搬送方向下流側にストッパ53が当接する前に、検出を開始する。この場合、搬送する荷物Wがストッパ53により停止したことに伴う飛出し部位Tの挙動を検出することができる。例えば、荷物Wがストッパ53に当たった瞬間に飛び出し部位Tが荷物Wから飛び出す場合の当該飛出しを検出することができる。これにより、例えば、当該挙動から飛出し部位Tの種類又は形状等を把握することが可能となる。例えば、飛出し部位Tが揺れる場合の振幅又はその速さから、飛出し部位Tの種類及び形状を特定することが可能となる。
【0044】
コンベヤシステム50では、入庫用コンベヤ51は、移載装置20で移載される荷物Wを搬送する。飛出し部位検出センサ54は、移載装置20の荷幅測定用センサ23と同じセンサである。この場合、荷幅測定用センサ23の誤検出の原因となり得る飛出し部位Tを、効果的に検出することができる。荷幅測定用センサ23の誤検出を抑制することが可能となる。
【0045】
コンベヤシステム50では、移載装置20は、荷幅測定用センサ23により検出された荷物Wの荷幅が設定幅よりも第1閾値長い場合、当該荷物Wを異常であると判定する。飛出し部位検出センサ54の検出範囲は、ストッパ53により停止させた荷物Wから、第1閾値よりも短い第2閾値だけ搬送方向下流側に離れた位置を含む。この場合、飛出し量が第2閾値の飛出し部位Tを、飛出し部位検出センサにより検出することができる。第2閾値は、荷幅測定用センサ23の誤検出の原因となり得る飛出し部位Tの飛出し量に対応する第1閾値よりも短い。よって、荷幅測定用センサ23の誤検出の原因となり得る飛出し部位Tを、荷幅測定用センサ23よりも前段で確実に検出することができる。
【0046】
自動倉庫システム1は、コンベヤシステム50を備えることから、上記効果、すなわち、搬送する荷物Wの飛出し部位Tを正確に検出することが可能となる等の効果を奏する。
【0047】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について説明し、同様な説明は省略する。
【0048】
図10及び図11に示されるように、本実施形態のコンベヤシステム150は、飛出し部位検出センサ54(図7参照)に代えて、飛出し部位検出センサ154を備える点で第1実施形態と異なる。
【0049】
飛出し部位検出センサ154としては、例えばワイドセンサ(ファイバセンサ)が用いられる。飛出し部位検出センサ154は、ビームB1を投光する投光部154aと、投光部154aから投光したビームB1を受光する受光部154bと、を有する。投光部154aは、入庫用コンベヤ51よりもX方向の一方側に配置されている。受光部154bは、入庫用コンベヤ51よりもX方向の他方側に配置されている。ビームB1の断面形状は、Z方向に長尺な形状である。飛出し部位検出センサ154の検出範囲R1は、ビームB1の断面形状に応じた範囲であって、Z方向(搬送面51aと直交する方向)に長尺な範囲である。コントローラ55は、飛出し部位検出センサ54を制御し、搬送面51a上に進出したストッパ53が搬送面51a上から退避した後まで飛出し部位検出センサ54の検出を継続させる。
【0050】
図12(a)に示されるように、コンベヤシステム150では、搬送されている荷物Wの搬送方向下流側の側面にストッパ53が当接して停止し、飛出し部位検出センサ154による検出が行われると共に、入庫用コンベヤ51による搬送が停止される。図12(b)に示されるように、飛出し部位検出センサ154による検出を継続しながら、コントローラ55によりストッパ駆動部57を制御し、ストッパ53を下方へ移動させ、入庫用コンベヤ51の搬送面51a上からストッパ53を退避させる。その後、コントローラ55により飛出し部位検出センサ154を制御し、飛出し部位検出センサ154による検出を終了する。そして、コントローラ55によりローラ駆動部56を制御し、入庫用コンベヤ51による搬送を再開させる。
【0051】
以上、コンベヤシステム150においても、搬送する荷物Wの飛出し部位Tを正確に検出することが可能となる。また、コンベヤシステム150では、出し部位検出センサ154の検出範囲R1は、Z方向に長尺な範囲である。この場合、荷物Wにおける搬送方向下流側の広い範囲において飛出し部位Tを検出することができる。
【0052】
コンベヤシステム150では、飛出し部位検出センサ154は、ストッパ53が搬送面51a上から退避した後まで検出を継続する。この場合、荷物Wにおける搬送方向下流側の一層広い範囲において飛出し部位Tを検出することができる。例えば、ストッパ53によって隠れてしまうような荷物Wの下方側に存在する飛出し部位T2(図12(b)参照)をも検出することが可能となる。
【0053】
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0054】
上記実施形態では、ストッパ53及び飛出し部位検出センサ54,154を入庫用コンベヤ51に設けたが、これに限定されない。コンベヤシステムは、ストッパ及び飛出し部位検出センサが設けられるコンベヤとして、例えば自動倉庫10の各段のバッファコンベヤ17aを備えていてもよい。上記実施形態では、飛出し部位検出センサ54,154の検出範囲R0,R1の位置は、ストッパ53により停止させた荷物Wよりも搬送方向下流側の位置を含んでいれば、特に限定されない。
【0055】
上記実施形態は、シャトル台車(搬送車12)がリアフック式の移載装置20を有するシャトル式の自動倉庫10を備えているが、これに限定されず、スタッカクレーンがリアフック式の移載装置20を有する一般的な自動倉庫を備えていてもよい。
【0056】
上記実施形態では、飛出し部位検出センサ54を荷幅測定用センサ23と同じセンサとしたが、飛出し部位検出センサ54を荷幅測定用センサ23と異なるセンサとしてもよい。上記実施形態では、飛出し部位検出センサ54を、例えば移載装置20におけるアーム21の進出用の障害物検出センサと同じセンサとしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、ストッパ53の移動方向は特に限定されず、X方向にストッパ53が移動してもよい。ストッパ53は、入庫用コンベヤ51の搬送面51a上に進出可能であればよい。上記実施形態では、ローラコンベヤを用いたが、これに代えて、ベルトコンベヤを用いてもよい。上記実施形態では、荷幅測定用センサ23が設けられる位置は限定されず、例えば、移載装置20の各アーム21の前端部及び後端部にそれぞれにおけるY方向外側の位置に荷幅測定用センサ23が設けられていてもよい。
【0058】
上記実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成の一部は、本発明の一態様の要旨を逸脱しない範囲で適宜に省略可能である。本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…自動倉庫システム、11…ラック、17…棚部、20…移載装置、23…荷幅測定用センサ、50,150…コンベヤシステム、51…入庫用コンベヤ(コンベヤ)、51a…搬送面、53…ストッパ、54,154…飛出し部位検出センサ、R0,R1…検出範囲、T…飛出し部位、W…荷物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12