(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110737
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ウエハマウント装置、半導体チップおよび半導体チップの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015504
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 芳邦
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA32
5F131BA37
5F131BA52
5F131BA53
5F131CA38
5F131CA39
5F131DA13
5F131DA16
5F131DA32
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5F131DB02
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5F131DB52
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131DB86
5F131DB87
5F131DB88
5F131DC26
5F131DD03
5F131DD29
5F131DD33
5F131DD43
5F131DD76
5F131EA05
5F131EA06
5F131EA07
5F131EB01
5F131EC32
5F131EC44
5F131EC62
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5F131EC75
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5F131KA14
5F131KA72
5F131KB03
5F131KB04
5F131KB07
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することが可能なウエハマウント装置を提供する。
【解決手段】このテープ貼付装置(ウエハマウント装置)2は、ウエハWe、フレームRf、および、保護テープTbを貼り付けることによりフレームRfにマウントされたウエハWeとしてのフレームRf付きウエハWeを収納するカセット収納部21と、カセット収納部21から取り出されたウエハWeおよびフレームRf、または、カセット収納部21に収納するフレームRf付きウエハWeを保持する保持ステージ231a(231b)と、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeに対して共通に設けられ、カセット収納部21と保持ステージ231a(231b)との間で、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを搬送するロボットハンド22と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体チップが設けられたウエハ、フレーム、および、粘着テープを貼り付けることにより前記フレームにマウントされた前記ウエハとしてのフレーム付きウエハを収納する収納部と、
前記収納部から取り出された前記ウエハおよび前記フレーム、または、前記収納部に収納する前記フレーム付きウエハを保持する保持ステージと、
前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハに対して共通に設けられ、前記収納部と前記保持ステージとの間で、前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハを搬送する搬送部と、を備える、ウエハマウント装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハをいずれも保持可能なハンド部を含む、請求項1に記載のウエハマウント装置。
【請求項3】
前記ハンド部は、前記ハンド部の一方の面側に設けられて前記ウエハを吸着するウエハ吸着部と、前記ハンド部の他方の面側に設けられて前記フレームを吸着するフレーム吸着部とを有する、請求項2に記載のウエハマウント装置。
【請求項4】
前記フレーム吸着部は、吸着パッドを有する、請求項3に記載のウエハマウント装置。
【請求項5】
前記収納部は、前記ウエハを収納する第1カセットと、前記フレームを収納する第2カセットと、前記フレーム付きウエハを収納する第3カセットとが、上下方向に重ねて配置されるように構成されている、請求項1に記載のウエハマウント装置。
【請求項6】
前記収納部を上下方向に移動させるための上下移動機構をさらに備える、請求項5に記載のウエハマウント装置。
【請求項7】
前記収納部は、前記第1カセット、前記第2カセットおよび前記第3カセットを独立して収納および取り出し可能である、請求項5に記載のウエハマウント装置。
【請求項8】
複数の半導体チップが設けられたウエハ、フレーム、および、粘着テープを貼り付けることにより前記フレームにマウントされた前記ウエハとしてのフレーム付きウエハを収納する収納部と、前記収納部から取り出された前記ウエハおよび前記フレーム、または、前記収納部に収納する前記フレーム付きウエハを保持する保持ステージと、前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハに対して共通に設けられ、前記収納部と前記保持ステージとの間で、前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハを搬送する搬送部と、を備えるウエハマウント装置により製造される、半導体チップ。
【請求項9】
複数の半導体チップが設けられたウエハ、フレーム、および、粘着テープを貼り付けることにより前記フレームにマウントされた前記ウエハとしてのフレーム付きウエハを収納する収納部から取り出された前記ウエハおよび前記フレーム、または、前記収納部に収納する前記フレーム付きウエハを保持ステージにより保持する工程と、
前記収納部と前記保持ステージとの間で、前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハを搬送部により搬送する工程とを、備え、
前記搬送部は、前記ウエハ、前記フレーム、および、前記フレーム付きウエハに対して共通に設けられている、半導体チップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウエハマウント装置、半導体チップおよび半導体チップの製造方法に関し、特に、粘着テープを貼り付けることにより、フレームにウエハをマウントするウエハマウント装置、半導体チップおよび半導体チップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着テープを貼り付けることにより、フレームにウエハをマウントするウエハマウント装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、粘着シートを貼り付けることにより、リングフレームにウエハをマウントする粘着シート貼付け装置が開示されている。この粘着シート貼付け装置では、ウエハ搬送装置によりウエハが搬送されるとともに、ウエハ搬送装置とは別個に設けられたフレーム搬送装置によりリングフレームが搬送されて、ウエハとリングフレームとに粘着シートが貼り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、ウエハとリングフレームとの各々に対して別個の搬送装置(ウエハ搬送装置およびフレーム搬送装置)が設けられているため、装置内において各搬送部の設置スペースを別個に確保する必要がある。この場合、装置が大型化するとともに、装置が大型化することに起因して装置の設置スペースが大きくなるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することが可能なウエハマウント装置、半導体チップおよび半導体チップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面によるウエハマウント装置は、複数の半導体チップが設けられたウエハ、フレーム、および、粘着テープを貼り付けることによりフレームにマウントされたウエハとしてのフレーム付きウエハを収納する収納部と、収納部から取り出されたウエハおよびフレーム、または、収納部に収納するフレーム付きウエハを保持する保持ステージと、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハに対して共通に設けられ、収納部と保持ステージとの間で、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送する搬送部と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面によるウエハマウント装置では、上記のように、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハに対して共通の搬送部を設ける。これにより、共通の搬送部によりウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送することができるので、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハの各々に対して別個の搬送部を設ける場合に比べて、装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することができる。
【0009】
上記第1の局面によるウエハマウント装置において、好ましくは、搬送部は、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハをいずれも保持可能なハンド部を含む。このように構成すれば、単一のハンド部により、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを共通に搬送することができる。
【0010】
上記搬送部がハンド部を含む構成において、好ましくは、ハンド部は、ハンド部の一方の面側に設けられてウエハを吸着するウエハ吸着部と、ハンド部の他方の面側に設けられてフレームを吸着するフレーム吸着部とを有する。このように構成すれば、ウエハ吸着部によりウエハを吸着してウエハを搬送することができるとともに、フレーム吸着部によりフレームを吸着してフレームまたはフレーム付きウエハを搬送することができるので、共通のハンド部により、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、フレーム吸着部は、吸着パッドを有する。このように構成すれば、フレーム吸着部によりフレームを吸着する際に、フレームの形状が多少曲がっていたとしても、吸着パッドによりフレームの曲がりを吸収することができるので、フレーム吸着部によりフレームを容易に吸着することができる。
【0012】
上記第1の局面によるウエハマウント装置において、好ましくは、収納部は、ウエハを収納する第1カセットと、フレームを収納する第2カセットと、フレーム付きウエハを収納する第3カセットとが、上下方向に重ねて配置されるように構成されている。このように構成すれば、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとを上下方向に一列に配置することができるので、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとを1個所にまとめて配置することができる。その結果、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとが水平方向に分散されて配置されている場合と異なり、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとの各々の配置スペースを確保する必要がない。これにより、装置が水平方向に大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の水平方向の設置スペースを低減することができる。また、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとを1個所にまとめて配置することができるので、作業者などが第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとに対して交換などの作業を行う場合に、作業者などが1個所にアクセスするだけで済む。その結果、作業者などが第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとに対して作業を行う場合に、作業者などが行う作業の負担を軽減することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、収納部を上下方向に移動させるための上下移動機構をさらに備える。このように構成すれば、上下移動機構により収納部を上下方向に移動させることにより、上下方向に重ねて配置された第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとを所望の高さ位置に配置させることができる。その結果、第1カセットに収納されたウエハ、第2カセットに収納されたフレームを搬送部により容易に取り出すことができるとともに、フレーム付きウエハを搬送部により第3カセットに容易に収納することができる。
【0014】
上記第1カセットと第2カセットと第3カセットとが上下方向に重ねて配置される構成において、好ましくは、収納部は、第1カセット、第2カセットおよび第3カセットを独立して収納および取り出し可能である。このように構成すれば、作業者などが第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとに対して交換などの作業を容易に行うことができる。
【0015】
この発明の第2の局面による半導体チップは、複数の半導体チップが設けられたウエハ、フレーム、および、粘着テープを貼り付けることによりフレームにマウントされたウエハとしてのフレーム付きウエハを収納する収納部と、収納部から取り出されたウエハおよびフレーム、または、収納部に収納するフレーム付きウエハを保持する保持ステージと、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハに対して共通に設けられ、収納部と保持ステージとの間で、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送する搬送部と、を備えるウエハマウント装置により製造される。
【0016】
この発明の第2の局面による半導体チップでは、上記のように、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハに対して共通の搬送部を設ける。これにより、共通の搬送部によりウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送することができるので、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハの各々に対して別個の搬送部を設ける場合に比べて、装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することが可能な半導体チップを提供することができる。
【0017】
この発明の第3の局面による半導体チップの製造方法は、複数の半導体チップが設けられたウエハ、フレーム、および、粘着テープを貼り付けることによりフレームにマウントされたウエハとしてのフレーム付きウエハを収納する収納部から取り出されたウエハおよびフレーム、または、収納部に収納するフレーム付きウエハを保持ステージにより保持する工程と、収納部と保持ステージとの間で、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送部により搬送する工程とを、備え、搬送部は、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハに対して共通に設けられている。
【0018】
この発明の第3の局面による半導体チップの製造方法では、上記のように、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハに対して共通の搬送部を設ける。これにより、共通の搬送部によりウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハを搬送することができるので、ウエハ、フレーム、および、フレーム付きウエハの各々に対して別個の搬送部を設ける場合に比べて、装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することが可能な半導体チップの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態によるダイシング装置およびエキスパンド装置が設けられた半導体ウエハの加工システムの概要を示した模式図である。
【
図2】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのグルービング装置を示した平面図である。
【
図3】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのテープ貼付装置を示した平面図である。
【
図4】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのダイシング装置を示した平面図である。
【
図5】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのグラインディング装置を示した平面図である。
【
図6】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのテープ貼替装置を示した平面図である。
【
図7】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのテープ貼替装置を示した側面図である。
【
図8】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのエキスパンド装置を示した平面図である。
【
図9】一実施形態による半導体ウエハの加工システムのエキスパンド装置を示した側面図である。
【
図10】一実施形態による半導体ウエハの加工システムの半導体チップ製造処理を示したフローチャートである。
【
図11】一実施形態によるテープ貼付装置を示した模式的な平面図である。
【
図12】一実施形態によるテープ貼付装置のカセット収納部側をY2方向側から見た模式図である。
【
図13】一実施形態によるテープ貼付装置の保護テープ貼付部側をY2方向側から見た模式図である。
【
図14】一実施形態によるカセット収納部をX1方向側から見た模式図である。
【
図15】一実施形態によるフレーム付きウエハを示した模式的な斜視図である。
【
図16】一実施形態によるハンド部を示した模式的な斜視図である。
【
図17】一実施形態によるハンド部によりウエハを吸着した状態を示した模式的な斜視図である。
【
図18】一実施形態によるハンド部によりフレームを吸着した状態を示した模式的な斜視図である。
【
図19】一実施形態によるハンド部によりフレーム付きウエハを吸着した状態を示した模式的な斜視図である。
【
図20】一実施形態によるハンド部によるウエハの搬送を説明するための模式図である。
【
図21】一実施形態によるハンド部によるフレームの搬送を説明するための模式図である。
【
図22】一実施形態による保護テープ貼付部による保護テープの貼付を説明するための模式図である。
【
図23】一実施形態によるハンド部によるフレーム付きウエハの搬送を説明するための模式図(1)である。
【
図24】一実施形態によるハンド部によるフレーム付きウエハの搬送を説明するための模式図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1~
図24を参照して、本発明の実施形態による半導体ウエハの加工システム100の構成について説明する。
【0023】
(半導体ウエハの加工システム)
図1に示すように、半導体ウエハの加工システム100は、ウエハWeの加工を行う装置である。半導体ウエハの加工システム100は、ウエハWeに改質部を形成するとともに、ウエハWeを改質部に沿って分割して複数の半導体チップChを形成するように構成されている。ここで、ウエハWeは、半導体集積回路の材料となる半導体物質の結晶により形成された円形の薄い板である。ウエハWeの内部には、半導体ウエハの加工システム100における加工により、分割ラインに沿って内部を改質させた改質部が形成される。すなわち、ウエハWeは、分割ラインに沿って分割可能に加工される。ここで、改質部とは、レーザLdによりウエハWeの内部に形成された亀裂およびボイドなどを示す。
【0024】
具体的には、半導体ウエハの加工システム100は、グルービング装置1と、テープ貼付装置2と、ダイシング装置3と、グラインディング装置4と、テープ貼替装置5と、エキスパンド装置6とを備えている。なお、テープ貼付装置2は、特許請求の範囲の「ウエハマウント装置」の一例である。
【0025】
図1に示すように、半導体ウエハの加工システム100では、グルービング装置1、テープ貼付装置2、ダイシング装置3、グラインディング装置4、テープ貼替装置5、および、エキスパンド装置6の順にウエハWeの加工が行われる。
【0026】
〈グルービング装置〉
グルービング装置1は、ダイシング装置3によりウエハWeに改質部を形成する前に、フレームRfおよび保護テープTbが取り付けられていないウエハWeの回路面の半導体チップCh間のストリートWsに沿ってレーザLgを照射して絶縁膜および検査用パターンを分断するように構成されている。ここで、レーザLgは、赤外領域の波長よりも短い波長の光である。また、絶縁膜とは、ウエハWeの層間絶縁被膜である。絶縁膜は、層間絶縁被膜材料として比較的誘電率が低いLow-k材料により形成されている。また、検査用パターンとは、ウエハWeの半導体チップChのファンクションテストを行うためのテスト用の導通パターンである。検査用パターンは、いわゆるTeg(Test Element Group)である。
【0027】
具体的には、
図2に示すように、グルービング装置1は、カセット部11と、レーザ照射部12と、回路面被膜洗浄部13とを含んでいる。カセット部11は、フレームRfおよび保護テープTbが取り付けられていないウエハWeを収容するように構成されている。レーザ照射部12は、ウエハWeの絶縁膜および検査用パターンを分断するレーザLgを照射するように構成されている。回路面被膜洗浄部13は、絶縁膜および検査用パターンを分断する前にウエハWeの回路面を被膜するとともに、絶縁膜および検査用パターンを分断した後、ウエハWeの回路面を洗浄するように構成されている。
【0028】
〈テープ貼付装置〉
テープ貼付装置2は、保護テープTbをウエハWeの回路面に貼り付けるように構成されている(
図1を参照)。
【0029】
具体的には、
図3に示すように、テープ貼付装置2は、カセット収納部21と、ロボットハンド22と、搬送機構23と、保護テープ貼付部24とを含んでいる。カセット収納部21は、フレームRf、ウエハWe、および、フレームRf付きウエハWeを収納可能に構成されている。ロボットハンド22は、フレームRfおよびウエハWeの各々をカセット収納部21から搬送機構23に運ぶように構成されている。ロボットハンド22は、フレームRf付きウエハWeを搬送機構23からカセット収納部21に運ぶように構成されている。搬送機構23は、保護テープ貼付部24の保護テープTbを貼付可能な位置までウエハWeを搬送するように構成されている。保護テープ貼付部24は、搬送機構23により搬送されたウエハWeに保護テープTbを貼り付けるとともに、フレームRfを保護テープTbに貼り付けるように構成されている。なお、カセット収納部21は、特許請求の範囲の「収納部」の一例である。また、ロボットハンド22は、特許請求の範囲の「搬送部」の一例である。また、保護テープTbは、特許請求の範囲の「粘着テープ」の一例である。
【0030】
〈ダイシング装置〉
ダイシング装置3は、ウエハWeの内部にウエハWeを分割するための改質部を形成するように構成されている(
図1を参照)。
【0031】
具体的には、
図4に示すように、ダイシング装置3は、ダイシング部30と、カセット部31と、ウエハ搬送部32とを備えている。ダイシング部30は、ウエハWeに対して透過性を有する波長のレーザLd(
図1を参照)をストリートWs(分割ライン)に沿って照射することにより、改質部を形成するように構成されている。ここで、レーザLdは、近赤外領域の波長の光である。カセット部31は、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを複数収容可能に構成されている。ウエハ搬送部32は、カセット部31とダイシング部30との間で、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを搬送するように構成されている。
【0032】
〈グラインディング装置〉
グラインディング装置4は、ウエハWeを回路面側とは逆側の面から研削することにより、ダイシング装置3において形成されたウエハWeの改質部を除去するように構成されている(
図1を参照)。
【0033】
具体的には、
図5に示すように、グラインディング装置4は、第1カセット部41と、ロボットハンド42と、複数の吸着保持部43と、複数の研削部44と、仕上研磨部45と、結晶欠陥形成部46と、第2カセット部47と、単一の回転テーブル部48とを含んでいる。
【0034】
第1カセット部41は、ダイシング装置3において改質部が形成されたウエハWeを収容するように構成されている。ロボットハンド42は、第1カセット部41から複数の吸着保持部43のうちの第1カセット部41に最も近い位置の吸着保持部43に、フレームRfが貼り付けられたウエハWeを運ぶように構成されている。また、ロボットハンド42は、複数の吸着保持部43のうちの第2カセット部47に最も近い位置の吸着保持部43から第2カセット部47に、改質部除去後の保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを運ぶように構成されている。複数の吸着保持部43は、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを吸着して保持するように構成されている。
【0035】
複数の研削部44は、ウエハWeの回路面とは逆側の裏面を段階的に研削するように構成されている。複数の研削部44は、粗研削部44aと、仕上げ研削部44bと、ファイン研削部44cとを有している。粗研削部44aは、第1粒子径の第1研削材によりウエハWeの裏面を研削するように構成されている。仕上げ研削部44bは、第1粒子径よりも小さい第2粒子径の第2研削材によりウエハWeの裏面を研削するように構成されている。ファイン研削部44cは、第2粒子径よりも小さい第3粒子径の第3研削材によりウエハWeの裏面を研削するように構成されている。
【0036】
仕上研磨部45は、複数の研削部44により研削されたウエハWeの裏面を研磨するように構成されている。結晶欠陥形成部46は、仕上研磨部45により研磨されたウエハWeの裏面に微小な結晶欠陥を形成するように構成されている。結晶欠陥形成部46は、いわゆるゲッタリングという作業を行うように構成されている。第2カセット部47は、結晶欠陥形成部46において結晶欠陥が形成されたウエハWeを収容するように構成されている。単一の回転テーブル部48は、複数の研削部44、仕上研磨部45および結晶欠陥形成部46の各々に対応する位置に、複数の吸着保持部43の各々を回転移動させるように構成されている。
【0037】
〈テープ貼替装置〉
テープ貼替装置5は、グラインディング装置4においてウエハWeから改質部を除去した後、エキスパンド用テープTeをウエハWeの回路面とは逆側の面に貼り付けて、ウエハWeの回路面に貼り付けられた保護テープTbを剥がすように構成されている(
図1を参照)。
【0038】
具体的には、
図6に示すように、テープ貼替装置5は、カセット収納部51と、ロボットハンド52と、搬送機構53と、エキスパンド用テープ貼付部54と、紫外線照射部55(
図7を参照)と、保護テープ剥離部(図示せず)とを含んでいる。
【0039】
カセット収納部51は、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWe、および、エキスパンド用テープTeにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを収納可能に構成されている。
【0040】
ロボットハンド52は、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeをカセット収納部51から搬送機構53に運ぶように構成されている。搬送機構53は、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeをエキスパンド用テープ貼付部54まで搬送するように構成されている。エキスパンド用テープ貼付部54は、フレームRfにおける保護テープTbが貼り付けられた側の面とは逆側の面にエキスパンド用テープTeを貼り付けることにより、保護テープTbおよびエキスパンド用テープTeの各々にフレームRfおよびウエハWeを貼り付けるように構成されている。
【0041】
ロボットハンド52は、搬送機構53から紫外線照射部55に保護テープTbおよびエキスパンド用テープTeの各々にフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを運ぶように構成されている。紫外線照射部55は、出入口に扉を有する密閉構造の内部にあり、窒素パージにより雰囲気内の酸素を除去して窒素を内部に充填(窒素を内部に供給して酸素を排出しつつ窒素を充填)した上で、フレームRfの保護テープTbが貼り付けられた面に向かって紫外線を照射するように構成されている。これにより、保護テープTbの接着層が硬化する。ロボットハンド52は、紫外線照射部55から搬送機構53に保護テープTbおよびエキスパンド用テープTeの各々にフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを戻すように構成されている。
【0042】
搬送機構53は、保護テープTbおよびエキスパンド用テープTeの各々にフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeを保護テープ剥離部まで搬送するように構成されている。保護テープ剥離部は、保護テープTbを剥がすように構成されている(
図1を参照)。ロボットハンド52は、搬送機構53からエキスパンド用テープTeにフレームRfとともに貼り付けられたウエハWeをカセット収納部51に収納するように構成されている。
【0043】
〈エキスパンド装置〉
エキスパンド装置6は、エキスパンド用テープTeをウエハWeの回路面とは逆側の面に貼り付けた後、エキスパンド用テープTeをエキスパンドすることによりウエハWeを複数の半導体チップChに分割するように構成されている(
図1を参照)。
【0044】
具体的には、
図8および
図9に示すように、エキスパンド装置6は、カセット部601と、リフトアップハンド部602と、吸着ハンド部603と、冷気供給部604(
図9を参照)と、冷却ユニット605と、エキスパンド部606と、拡張維持部材607と、ヒートシュリンク部608(
図9を参照)と、紫外線照射部609(
図9を参照)と、スキージ部610と、クランプ部611とを含んでいる。
【0045】
カセット部601は、エキスパンド用テープTeにフレームRfおよびウエハWeを貼り付けたウエハリング構造体Wを収容可能に構成されている。リフトアップハンド部602は、カセット部601からウエハリング構造体Wを取出可能に構成されている。リフトアップハンド部602は、カセット部601にウエハリング構造体Wを収容可能に構成されている。吸着ハンド部603は、ウエハリング構造体WのフレームRfを上方から吸着するように構成されている。冷気供給部604は、エキスパンド部606によりエキスパンド用テープTeをエキスパンドさせる際、エキスパンド用テープTeに上方から冷気を供給するように構成されている。
【0046】
冷却ユニット605は、エキスパンド用テープTeを下方から冷却するように構成されている。エキスパンド部606は、ウエハリング構造体Wのエキスパンド用テープTeをエキスパンドすることにより、ストリートWs(
図1を参照)に沿ってウエハWeを分割するように構成されている。拡張維持部材607は、ヒートシュリンク部608による加熱によってウエハWe付近のエキスパンド用テープTeが収縮しないように、エキスパンド用テープTeを上方から押さえるように構成されている。ヒートシュリンク部608は、エキスパンド部606によりエキスパンドされたエキスパンド用テープTeを、複数の半導体チップCh同士の間の隙間を保持した状態で、加熱により収縮させるように構成されている。紫外線照射部609は、エキスパンド用テープTeの粘着層の粘着力を低下させるために、エキスパンド用テープTeに紫外線を照射するように構成されている。
【0047】
スキージ部610は、エキスパンド用テープTeをエキスパンドさせた後、ウエハWeを下方向側から局所的に押圧することにより、ウエハWeを改質部に沿ってさらに分割させるように構成されている。クランプ部611は、ウエハリング構造体WのフレームRfを把持した状態で、上下方向にウエハリング構造体Wを移動可能に構成されている。クランプ部611は、ウエハリング構造体WのフレームRfを把持した状態で、冷却ユニット605からエキスパンド部606に向かう方向、および、エキスパンド部606から冷却ユニット605に向かう方向の各々にウエハリング構造体Wを移動可能に構成されている。
【0048】
(半導体チップ製造処理)
図10を参照して、半導体ウエハの加工システム100の全体的な動作について以下に説明する。
【0049】
ステップS1では、グルービング装置1において絶縁膜および検査用パターンが分断される。すなわち、レーザ照射部12が、保護テープTbにフレームRfとともに貼り付けられていないウエハWeの回路面の半導体チップCh間のストリートWsに沿って、レーザLgを照射して絶縁膜および検査用パターンを分断する。ステップS2では、テープ貼付装置2において保護テープTbにウエハWeおよびフレームRfが貼り付けられる。すなわち、保護テープ貼付部24が、搬送機構23により搬送されたウエハWeに保護テープTbを貼り付けるとともに、フレームRfを保護テープTbに貼り付ける。
【0050】
ステップS3では、ダイシング装置3においてウエハWeに改質部が形成される。すなわち、ダイシング部30が、ウエハWeに対してレーザLd(
図1を参照)をストリートWsに沿って照射することにより、改質部を形成する。ステップS4では、グラインディング装置4においてウエハWeから改質部が除去される。すなわち、複数の研削部44が、ウエハWeの回路面とは逆側の裏面を段階的に研削することにより、ウエハWeの改質部を除去する。ステップS5では、テープ貼替装置5において、ウエハWeおよびフレームRfにエキスパンド用テープTeが貼り付けられた後、保護テープTbが剥がされる。すなわち、エキスパンド用テープ貼付部54が、エキスパンド用テープTeをフレームRfに貼り付ける。保護テープ剥離部は、紫外線照射部55により保護テープTbの接着層を硬化させた後のフレームRf付きウエハWeから保護テープTbを剥がす。
【0051】
ステップS6では、エキスパンド装置6においてエキスパンド用テープTeをエキスパンドさせて、ウエハWeを複数の半導体チップChに分割する。すなわち、クランプ部611がフレームRfを保持した状態で下降することにより、エキスパンド部606に当接したエキスパンド用テープTeが下方に引っ張られるので、エキスパンド用テープTeがエキスパンドされる。これにより、エキスパンドされることによりエキスパンド用テープTeに生じる引張力によって、ウエハWeのストリートWsに形成された亀裂に沿って分割されるので、ウエハWeが複数の半導体チップChに分割される。
【0052】
ステップS6の後、半導体チップ製造処理が終了する。
【0053】
(テープ貼付装置の詳細構成)
図11~
図24を参照して、テープ貼付装置2の構成を詳細に説明する。
【0054】
図11~
図13に示すように、テープ貼付装置2は、カセット収納部21と、ロボットハンド22と、搬送機構23と、保護テープ貼付部24と、撮像部25と、制御部26とを含んでいる。
【0055】
図11、
図12および
図14に示すように、カセット収納部21は、複数の半導体チップChが設けられたウエハWe、フレームRf、および、保護テープTbを貼り付けることによりフレームRfにマウントされたウエハWeとしてのフレームRf付きウエハWeを収納するように構成されている。具体的には、カセット収納部21は、ウエハWeを収納する第1カセット21aと、フレームRfを収納する第2カセット21bと、フレームRf付きウエハWeを収納する第3カセット21cとが、上下方向(Z方向)に重ねて配置されるように構成されている。第2カセット21bと、第1カセット21aと、第3カセット21cとは、上方(Z1方向側)から下方(Z2方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0056】
図15に示すように、フレームRf付きウエハWeでは、ウエハWeが保護テープTbの粘着層に貼り付けられているとともに、リング状の金属製のフレームRfがウエハWeを囲んだ状態で保護テープTbの粘着層に貼り付けられている。なお、ウエハWeの回路面が保護テープTbの粘着層に貼り付けられている。
【0057】
図12および
図14に示すように、カセット収納部21は、第1カセット21aが載置される第1載置部21dと、第2カセット21bが載置される第2載置部21eと、第3カセット21cが載置される第3載置部21fとを有している。第1載置部21d、第2載置部21eおよび第3載置部21fの各々は、板状の部分を有している。第1載置部21d、第2載置部21eおよび第3載置部21fの板状の部分は、それぞれ、第1カセット21a、第2カセット21bおよび第3カセット21cを下方(Z2方向側)から支持している。第2載置部21eと、第1載置部21dと、第3載置部21fとは、上方(Z1方向側)から下方(Z2方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0058】
第1載置部21dには、材料としてのウエハWeが複数収納された第1カセット21aが作業者などにより載置される。第2載置部21eには、材料としてのフレームRfが複数収納された第2カセット21bが作業者などにより載置される。第3載置部21fには、完成品としてのフレームRf付きウエハWeを複数収容する空の第3カセット21cが作業者などにより載置される。カセット収納部21は、作業者などにより第1カセット21a、第2カセット21bおよび第3カセット21cを独立して収納(載置)および取り出し可能である。なお、空の第3カセット21cには、テープ貼付処理が進行するにつれて、完成品としてのフレームRf付きウエハWeが順次収納されていく。
【0059】
また、本実施形態では、テープ貼付装置2は、カセット収納部21を上下方向(Z方向)に移動させるための上下移動機構27を含んでいる。上下移動機構27は、リニアモータを利用した駆動機構、または、ボールねじを利用した駆動機構などの直動機構を含み、駆動源としてモータを有している。上下移動機構27は、第1載置部21dと、第2載置部21eと、第3載置部21fとを接続する接続部21gに接続している。上下移動機構27は、接続部21gを上下方向に移動させることにより、接続部21gに接続された第1載置部21d、第2載置部21e、および、第3載置部21fを上下方向に移動させる。すなわち、上下移動機構27は、第1載置部21dに配置された第1カセット21a、第2載置部21eに配置された第2カセット21b、および、第3載置部21fに配置された第3カセット21cを上下方向に移動させる。上下移動機構27により上下方向に移動させることにより、第1カセット21a、第2カセット21b、および、第3カセット21cの各々を所望の高さ位置に配置することが可能である。
【0060】
また、
図14に示すように、第1カセット21aは、ウエハWeを下方から支持する一対の支持部211を有している。一対の支持部211は、上下方向(Z方向)に離間して複数設けられている。複数の一対の支持部211の各々には、1つずつウエハWeが載置される。また、ウエハWeは、回路面が上側(Z1方向側)を向いた状態で一対の支持部211に載置される。また、第2カセット21bは、フレームRfを下方から支持する一対の支持部212を有している。一対の支持部212は、上下方向に離間して複数設けられている。複数の一対の支持部212の各々には、1つずつフレームRfが載置される。また、第3カセット21cは、フレームRf付きウエハWeのフレームRfの部分を下方から支持する一対の支持部213を有している。一対の支持部213は、上下方向に離間して複数設けられている。複数の一対の支持部213の各々には、1つずつフレームRf付きウエハWeが載置される。また、フレームRf付きウエハWeは、ウエハWeが上側でかつ保護テープTbが下側の状態で一対の支持部213に載置される。
【0061】
ここで、本実施形態では、
図11および
図12に示すように、ロボットハンド22は、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeに対して共通に設けられ、カセット収納部21と搬送機構23の後述する保持ステージ231a(231b)との間で、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを搬送するように構成されている。
【0062】
また、このテープ貼付装置2により製造される半導体チップChは、複数の半導体チップChが設けられたウエハWe、フレームRf、および、保護テープTbを貼り付けることによりフレームRfにマウントされたウエハWeとしてのフレームRf付きウエハWeを収納するカセット収納部21と、カセット収納部21から取り出されたウエハWeおよびフレームRf、または、カセット収納部21に収納するフレームRf付きウエハWeを保持する保持ステージ231a(231b)と、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeに対して共通に設けられ、カセット収納部21と保持ステージ231a(231b)との間で、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを搬送するロボットハンド22と、を備えるテープ貼付装置2により製造される。
【0063】
また、このテープ貼付装置2による半導体チップChの製造方法は、複数の半導体チップChが設けられたウエハWe、フレームRf、および、保護テープTbを貼り付けることによりフレームRfにマウントされたウエハWeとしてのフレームRf付きウエハWeを収納するカセット収納部21から取り出されたウエハWeおよびフレームRf、または、カセット収納部21に収納するフレームRf付きウエハWeを保持ステージ231a(231b)により保持する工程と、カセット収納部21と保持ステージ231a(231b)との間で、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeをロボットハンド22により搬送する工程とを、備え、ロボットハンド22は、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeに対して共通に設けられている。
【0064】
ロボットハンド22は、上下移動機構22aと、上下移動機構22aに接続されたアーム部22bと、アーム部22bに接続されたハンド部22cとを有している。
【0065】
上下移動機構22aは、アーム部22bおよびハンド部22cを上下方向に移動させるように構成されている。上下移動機構22aは、リニアモータを利用した駆動機構、または、ボールねじを利用した駆動機構などの直動機構を含み、駆動源としてモータを有している。
【0066】
アーム部22bは、水平多関節型である。アーム部22bは、複数の関節を有している。複数の関節の各々には、モータが設けられている。アーム部22bは、複数の関節の駆動により、ハンド部22cを水平方向に移動させるように構成されている。また、アーム部22bは、反転機構22dを有している。反転機構22dは、水平方向に延びる回転軸線周りにハンド部22cを回転させることにより、ハンド部22cを反転(180度回転)させるように構成されている。反転機構22dは、アーム部22bの先端に設けられている。
【0067】
また、本実施形態では、ハンド部22cは、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeをいずれも保持可能に構成されている。具体的には、
図16~
図19に示すように、ハンド部22cは、ハンド部22cの一方の面側に設けられてウエハWeを吸着するウエハ吸着部221と、ハンド部22cの他方の面側に設けられてフレームRfを吸着するフレーム吸着部222とを有している。
【0068】
ウエハ吸着部221は、ハンド部22cの一方の面に形成された複数の孔部221aを有している。複数の孔部221aの各々は、負圧を伝達する流路223を介して、負圧供給部に接続されている。負圧供給部は、流路223を介して、複数の孔部221aの各々に負圧を発生させる。これにより、複数の孔部221aによりウエハWeを吸着して保持することが可能である。また、複数の孔部221aは、ウエハWeに対応する位置に配置されている。また、ウエハ吸着部221は、複数の孔部221aにより、第1カセット21a内のウエハWeの回路面とは反対側の面を下方(Z2方向側)から吸着して保持するように構成されている。
【0069】
フレーム吸着部222は、ハンド部22cの他方の面に取り付けられた複数の吸着パッド222aを有している。複数の吸着パッド222aの各々は、弾性変形可能なゴムなどの材料により形成されている。また、複数の吸着パッド222aの各々は、負圧を伝達する流路224を介して、負圧供給部に接続されている。負圧供給部は、流路224を介して、複数の吸着パッド222aの各々に負圧を発生させる。これにより、複数の吸着パッド222aによりフレームRfを吸着して保持することが可能である。また、複数の吸着パッド222aは、フレームRfに対応する位置に配置されている。複数の吸着パッド222aと、複数の孔部221aとは、平面視において互いに重ならない位置に配置されている。また、フレーム吸着部222は、複数の吸着パッド222aにより、第2カセット21b内のフレームRfを上方(Z2方向側)から吸着して保持するように構成されている。また、フレーム吸着部222は、複数の吸着パッド222aにより、後述する保持ステージ231a(231b)上のフレームRf付きウエハWeのフレームRfの部分を上方(Z2方向側)から吸着して保持するように構成されている。
【0070】
図11~
図13に示すように、搬送機構23は、ロボットハンド22からウエハWeおよびフレームRfが供給される位置と、保護テープ貼付部24により保護テープTbが貼り付けられる位置との間で、ウエハWeおよびフレームRfを搬送するように構成されている。具体的には、搬送機構23は、第1搬送機構23aと、第2搬送機構23bとを有している。第1搬送機構23aと、第2搬送機構23bとは、互いに独立してウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを搬送することが可能なように構成されている。第1搬送機構23aと、第2搬送機構23bとは、互いに上下方向に離間しており、互いのY方向の移動に干渉しないように配置されている。第1搬送機構23aは、第2搬送機構23bに対して上方(Z1方向側)に配置されている。
【0071】
第1搬送機構23aは、保持ステージ231aと、上下移動機構232aと、Y方向移動機構233aとを有している。保持ステージ231aは、カセット収納部21から取り出されたウエハWeおよびフレームRf、または、カセット収納部21に収納するフレームRf付きウエハWeを保持するように構成されている。保持ステージ231aは、ウエハWeを保持するウエハ保持部231aaと、フレームRfを保持するフレーム保持部231abとを有している。ウエハ保持部231aaは、負圧によりウエハWeを下方から吸着して保持するように構成されている。ウエハ保持部231aaは、円状のウエハWeに対応するように円状に形成されている。また、フレーム保持部231abは、負圧によりウエハWeを下方から吸着して保持するように構成されている。フレーム保持部231abは、リング状のフレームRfに対応するようにリング状に形成されている。
【0072】
上下移動機構232aは、保持ステージ231aに接続されており、保持ステージ231aを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。上下移動機構232aは、エアシリンダなどの駆動機構を含んでいる。
【0073】
Y方向移動機構233aは、上下移動機構232aに接続されており、保持ステージ231aおよび上下移動機構232aをY方向に移動させるように構成されている。Y方向移動機構233aは、リニアモータを利用した駆動機構、または、ボールねじを利用した駆動機構などの直動機構を含み、駆動源としてモータを有している。
【0074】
第2搬送機構23bは、保持ステージ231bと、上下移動機構232bと、Y方向移動機構233bとを有している。保持ステージ231bは、カセット収納部21から取り出されたウエハWeおよびフレームRf、または、カセット収納部21に収納するフレームRf付きウエハWeを保持するように構成されている。保持ステージ231bは、ウエハWeを保持するウエハ保持部231baと、フレームRfを保持するフレーム保持部231bbとを有している。ウエハ保持部231baは、負圧によりウエハWeを下方から吸着して保持するように構成されている。ウエハ保持部231baは、円状のウエハWeに対応するように円状に形成されている。また、フレーム保持部231bbは、負圧によりウエハWeを下方から吸着して保持するように構成されている。フレーム保持部231bbは、リング状のフレームRfに対応するようにリング状に形成されている。
【0075】
上下移動機構232bは、保持ステージ231bに接続されており、保持ステージ231bを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。上下移動機構232bは、エアシリンダなどの駆動機構を含んでいる。
【0076】
Y方向移動機構233bは、上下移動機構232bに接続されており、保持ステージ231bおよび上下移動機構232bをY方向に移動させるように構成されている。Y方向移動機構233bは、リニアモータを利用した駆動機構、または、ボールねじを利用した駆動機構などの直動機構を含み、駆動源としてモータを有している。
【0077】
図11および
図13に示すように、保護テープ貼付部24は、搬送機構23により搬送されたウエハWeおよびフレームRfに保護テープTbを貼り付けるように構成されている。保護テープ貼付部24は、供給ロール部24aと、巻き取りロール部24bおよび24cと、貼付ローラ部24dと、剥離ローラ部24eと、X方向移動機構24fと、テープ切断部24gと、回転機構24hと、上下移動機構24iと、を有している。
【0078】
供給ロール部24aは、粘着層に剥離テープTcが貼り付けられた保護テープTbを供給するように構成されている。巻き取りロール部24bは、ウエハWeおよびフレームRfに保護テープTbを貼り付ける前に、保護テープTbの粘着層に貼り付けられていた剥離テープTcを巻き取るように構成されている。巻き取りロール部24cは、ウエハWeおよびフレームRfに保護テープTbを貼り付けた後に、余剰分の保護テープTbを巻き取るように構成されている。
【0079】
貼付ローラ部24dは、X1方向側からX2方向側に向かって移動することにより、保護テープTbをウエハWeおよびフレームRfに貼り付けるように構成されている。剥離ローラ部24eは、X1方向側からX2方向側に向かって移動することにより、余剰分の保護テープTbを剥離するように構成されている。X方向移動機構24fは、貼付ローラ部24dおよび剥離ローラ部24eに接続されており、貼付ローラ部24dおよび剥離ローラ部24eを互いに独立してX方向に移動させるように構成されている。X方向移動機構24fは、リニアモータを利用した駆動機構などの直動機構を含み、駆動源としてモータを有している。
【0080】
テープ切断部24gは、ウエハWeおよびフレームRfに保護テープTbを貼り付けた後に、保護テープTbを切断するように構成されている。テープ切断部24gは、カッターを有している。回転機構24hは、テープ切断部24gに接続されており、テープ切断部24gを上下方向に延びる回転軸線周りに回転させるように構成されている。回転機構24hは、駆動源としてモータを有している。上下移動機構24iは、回転機構24hに接続されており、テープ切断部24gおよび回転機構24hを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。上下移動機構24iは、エアシリンダなどの駆動機構を含んでいる。
【0081】
撮像部25は、ウエハWeおよびフレームRfを撮像するカメラである。撮像部25は、撮像した画像を出力するように構成されている。
【0082】
制御部26は、テープ貼付装置2の動作を制御するように構成されている。制御部26は、プログラムを実行するCPUなどのプロセッサと、プログラムを格納するメモリとを含んでいる。
【0083】
(テープ貼付動作)
図20~
図24を参照して、本実施形態のテープ貼付装置2によるテープ貼付動作について説明する。なお、各部の動作は、制御部26により実行される。また、便宜上、第1搬送機構23aを用いる場合について説明するが、第2搬送機構23bを用いる場合についても同様である。
【0084】
テープ貼付動作を開始する際は、まず保持ステージ231aは、上下移動機構232aにより上方に移動された状態である。また、
図20に示すように、上下移動機構27によりカセット収納部21が上下方向(Z方向)に移動されることにより、ロボットハンド22によりウエハWeを取り出し可能な高さ位置に第1カセット21aが配置される。そして、ロボットハンド22のハンド部22cにより第1カセット21a内のウエハWeが取り出される。具体的には、ウエハ吸着部221が上方(Z1方向側)を向いた状態でハンド部22cが第1カセット21a内のウエハWeの下方(Z2方向側)に挿入される。そして、ウエハ吸着部221によりウエハWeの回路面とは反対側の面が下方から吸着されて保持される。そして、ウエハ吸着部221によりウエハWeが吸着された状態で、第1カセット21aからハンド部22cが引き抜かれることにより、ウエハWeが取り出される。
【0085】
そして、ハンド部22cによりウエハWeが保持ステージ231aのウエハ保持部231aaに搬送される。具体的には、ハンド部22cによりウエハWeが保持ステージ231aの上方に移動されるとともに、撮像部25によりウエハWeが撮像される。そして、撮像部25により撮像した画像に基づいて、ウエハWeの位置合わせが行われる。そして、反転機構22dによりハンド部22cおよびウエハWeが反転(180度回転)された後、ウエハWeがウエハ保持部231aa上に配置される。そして、ウエハ吸着部221によるウエハWeの吸着が解除されるとともに、ウエハ保持部231aaによりウエハWeが吸着されて保持される。
【0086】
そして、
図21に示すように、上下移動機構27(
図14参照)によりカセット収納部21が上下方向(Z方向)に移動されることにより、ロボットハンド22によりフレームRfを取り出し可能な高さ位置に第2カセット21bが配置される。そして、ロボットハンド22のハンド部22cにより第2カセット21b内のフレームRfが取り出される。具体的には、フレーム吸着部222が下方(Z2方向側)を向いた状態でハンド部22cが第2カセット21b内のフレームRfの上方(Z1方向側)に挿入される。そして、フレーム吸着部222によりフレームRfが上方から吸着されて保持される。そして、フレーム吸着部222によりフレームRfが吸着された状態で、第2カセット21bからハンド部22cが引き抜かれることにより、フレームRfが取り出される。
【0087】
そして、ハンド部22cによりフレームRfが保持ステージ231aのフレーム保持部231abに搬送される。具体的には、ハンド部22cによりフレームRfが保持ステージ231aの上方に移動されるとともに、撮像部25によりウエハWeおよびフレームRfが撮像される。そして、撮像部25により撮像した画像に基づいて、ウエハWeおよびフレームRfの位置合わせが行われる。そして、反転機構22dによりハンド部22cが反転されることなく、フレームRfがフレーム保持部231ab上に配置される。そして、フレーム吸着部222によるフレームRfの吸着が解除されるとともに、フレーム保持部231abによりフレームRfが吸着されて保持される。なお、ウエハWeおよびフレームRfを保持ステージ231aに配置する際には、保持ステージ231aは、上下移動機構232aにより上方に移動された状態である。
【0088】
そして、上下移動機構232aにより保持ステージ231aが下方(Z2方向側)に移動されるとともに、Y方向移動機構233aにより保持ステージ231aおよび上下移動機構232aがY2方向に移動される。これにより、ウエハWeおよびフレームRfが、保護テープ貼付部24により保護テープTbが貼り付けられる位置まで移動される。
【0089】
そして、
図22に示すように、保護テープ貼付部24により保持ステージ231a上のウエハWeおよびフレームRfに保護テープTbが貼り付けられる。具体的には、貼付ローラ部24dと、剥離ローラ部24eとがX1方向側に位置した状態で、上下移動機構232aにより保持ステージ231aが上方(Z1方向側)に移動されることにより、ウエハWeおよびフレームRfのX1方向側の部分が保護テープTbの粘着層に接触される。そして、X方向移動機構24fにより貼付ローラ部24dがX2方向に移動されることにより、ウエハWeおよびフレームRfに保護テープTbが貼り付けられる。この際、巻き取りロール部24bにより剥離テープTcが巻き取られる。
【0090】
そして、上下移動機構24iによりテープ切断部24gおよび回転機構24hが下方(Z2方向側)に移動されるとともに、回転機構24hによりテープ切断部24gが回転される。これにより、ウエハWeおよびフレームRfに貼り付けた保護テープTbが円形に切り抜かれる。そして、X方向移動機構24fにより剥離ローラ部24eがX2方向に移動されることにより、切断により発生した余剰分の保護テープTbが剥離される。これにより、フレームRfにウエハWeがマウントされてフレームRf付きウエハWeが完成される。
【0091】
そして、上下移動機構232aにより保持ステージ231aが下方(Z2方向側)に移動されるとともに、Y方向移動機構233aにより保持ステージ231aおよび上下移動機構232aがY1方向に移動される。これにより、ウエハWeおよびフレームRfが、ロボットハンド22によりウエハWeおよびフレームRfが供給された元の位置まで移動される。
【0092】
また、保護テープ貼付部24では、X方向移動機構24fにより貼付ローラ部24dと、剥離ローラ部24eとがX1方向に移動される。この際、供給ロール部24aにより剥離テープTcが貼り付けられた保護テープTbが繰り出されるとともに、巻き取りロール部24bにより剥離テープTcが繰り出されつつ、巻き取りロール部24cにより余剰分の保護テープTbが巻き取られる。
【0093】
そして、
図23に示すように、上下移動機構232aにより保持ステージ231aが上方(Z1方向側)に移動される。そして、撮像部25により保持ステージ231a上のフレームRf付きウエハWeが撮像される。そして、撮像部25により撮像した画像に基づいて、フレームRf付きウエハWeのフレームRfの部分の保持位置が取得される。そして、フレーム吸着部222が下方(Z2方向側)を向いた状態でハンド部22cが保持ステージ231a上のフレームRf付きウエハWeに向かって移動される。そして、フレーム吸着部222によりフレームRf付きウエハWeのフレームRfの部分が上方から吸着されて保持される。この際、ウエハ保持部231aaおよびフレーム保持部231abによるウエハWeおよびフレームRfの吸着が解除される。
【0094】
そして、
図24に示すように、フレーム吸着部222によりフレームRfが吸着された状態で、ハンド部22cにより第3カセット21cに向かってフレームRf付きウエハWeが搬送される。この際、第3カセット21cは、上下移動機構27によりカセット収納部21が上下方向(Z方向)に移動されることにより、ロボットハンド22によりフレームRf付きウエハWeを収納可能な高さ位置に配置されている。そして、反転機構22dによりハンド部22cおよびフレームRf付きウエハWeが反転(180度回転)された後、ハンド部22cおよびフレームRf付きウエハWeが第3カセット21c内に挿入される。そして、フレームRf付きウエハWeが第3カセット21c内に配置されて収納される。以上のように、本実施形態では、ロボットハンド22により、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeが共通に搬送される。
【0095】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0096】
本実施形態では、上記のように、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeに対して共通のロボットハンド22を設ける。これにより、共通のロボットハンド22によりウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを搬送することができるので、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeの各々に対して別個のロボットハンド22を設ける場合に比べて、装置が大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の設置スペースを低減することができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、ロボットハンド22は、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeをいずれも保持可能なハンド部22cを含む。これにより、単一のハンド部により、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを共通に搬送することができる。
【0098】
また、本実施形態では、上記のように、ハンド部22cは、ハンド部22cの一方の面側に設けられてウエハWeを吸着するウエハ吸着部221と、ハンド部22cの他方の面側に設けられてフレームRfを吸着するフレーム吸着部222とを有する。これにより、ウエハ吸着部221によりウエハWeを吸着してウエハWeを搬送することができるとともに、フレーム吸着部222によりフレームRfを吸着してフレームRfまたはフレームRf付きウエハWeを搬送することができるので、共通のハンド部22cにより、ウエハWe、フレームRf、および、フレームRf付きウエハWeを搬送することができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、フレーム吸着部222は、吸着パッド222aを有する。これにより、フレーム吸着部222によりフレームRfを吸着する際に、フレームRfの形状が多少曲がっていたとしても、吸着パッド222aによりフレームRfの曲がりを吸収することができるので、フレーム吸着部222によりフレームRfを容易に吸着することができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、カセット収納部21は、ウエハWeを収納する第1カセット21aと、フレームRfを収納する第2カセット21bと、フレームRf付きウエハWeを収納する第3カセット21cとが、上下方向に重ねて配置されるように構成されている。これにより、第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとを上下方向に一列に配置することができるので、第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとを1個所にまとめて配置することができる。その結果、第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとが水平方向に分散されて配置されている場合と異なり、第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとの各々の配置スペースを確保する必要がない。これにより、装置が水平方向に大型化することを抑制することが可能で、かつ、装置の水平方向の設置スペースを低減することができる。また、第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとを1個所にまとめて配置することができるので、作業者などが第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとに対して交換などの作業を行う場合に、作業者などが1個所にアクセスするだけで済む。その結果、作業者などが第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとに対して作業を行う場合に、作業者などが行う作業の負担を軽減することができる。
【0101】
また、本実施形態では、上記のように、カセット収納部21を上下方向に移動させるための上下移動機構27をさらに備える。これにより、上下移動機構27によりカセット収納部21を上下方向に移動させることにより、上下方向に重ねて配置された第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとを所望の高さ位置に配置させることができる。その結果、第1カセット21aに収納されたウエハWe、第2カセット21bに収納されたフレームRfをロボットハンド22により容易に取り出すことができるとともに、フレームRf付きウエハWeをロボットハンド22により第3カセット21cに容易に収納することができる。
【0102】
また、本実施形態では、上記のように、カセット収納部21は、第1カセット21a、第2カセット21bおよび第3カセット21cを独立して収納および取り出し可能である。これにより、作業者などが第1カセット21aと、第2カセット21bと、第3カセット21cとに対して交換などの作業を容易に行うことができる。
【0103】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0104】
たとえば、上記実施形態では、ウエハ、フレームおよびフレーム付きウエハに対して共通に設けられた搬送部がロボットハンドである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ウエハ、フレームおよびフレーム付きウエハに対して共通に設けられた搬送部がロボットハンド以外であってもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、ハンド部の一方の面側にウエハ吸着部が設けられるととともに、ハンド部の他方の面側にフレーム吸着部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハンド部の一方の面側にウエハ吸着部と、フレーム吸着部とが設けられていてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、フレーム吸着部が吸着パッドを有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、フレーム吸着部が吸着パッドを有しなくてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとが上下方向に重ねて配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1カセットと、第2カセットと、第3カセットとのうちの少なくとも2つが水平方向に分散されて配置されてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、搬送機構が第1搬送機構と第2搬送機構との2つの搬送機構を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、搬送機構は、1つのみ設けられてもよいし、3つ以上の搬送機構を含んでもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0110】
2 テープ貼付装置(ウエハマウント装置)
21 カセット収納部(収納部)
21a 第1カセット
21b 第2カセット
21c 第3カセット
22 ロボットハンド(搬送部)
22c ハンド部
27 上下移動機構
221 ウエハ吸着部
222 フレーム吸着部
222a 吸着パッド
231a、231b 保持ステージ
Ch 半導体チップ
Rf フレーム
Tb 保護テープ(粘着テープ)
We ウエハ