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▶ 若林 孝平の特許一覧

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  • 特開-櫛付きの物品 図1
  • 特開-櫛付きの物品 図2
  • 特開-櫛付きの物品 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011075
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】櫛付きの物品
(51)【国際特許分類】
   B43K 29/00 20060101AFI20240118BHJP
   A63H 3/14 20060101ALI20240118BHJP
   A45D 24/10 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B43K29/00 L
A63H3/14
A45D24/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112769
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】522281970
【氏名又は名称】若林 孝平
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】若林 孝平
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150DD06
(57)【要約】
【課題】前髪を梳ける程度の長さの短い櫛部を具備して、商品性を向上させた物品を実現する。
【解決手段】櫛付きの物品1~3は、髪を梳くための複数の歯10bが基部10aから延び出た櫛部10と、理容以外の用途に用いられる物品であって櫛部10の基部10aが外面に一体化された物品本体11~13とを備え、複数の歯11bが設けられた区間の長さが6cm以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
髪を梳くための複数の歯が、基部から延び出た櫛部と、
理容以外の用途に用いられる物品であって、前記櫛部の基部が外面に一体化された物品本体とを備え、
前記複数の歯が設けられた区間の長さが6cm以下である、櫛付きの物品。
【請求項2】
前記物品本体は、棒状の筆記具、又は、筆記具に装着されるキャップである、請求項1に記載の櫛付きの物品。
【請求項3】
前記物品本体は、指人形である、請求項1に記載の櫛付きの物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に対して櫛が付加された櫛付きの物品に関する。
【背景技術】
【0002】
櫛は、髪の毛を梳いたり髪型を整えたりする道具として広く用いられており、櫛を利用した様々な考案がなされている。特許文献1には、置物兼用スタンド式の櫛が記載されている。特許文献1に記載の置物本体は、りすの形状を呈する。そして、りすの尾部の裏側面に、櫛が設けられている。
【0003】
特許文献2には、ヘアブラシ付きペン軸が記載されている。特許文献2には、ペン軸としてボールペンが記載されている。ボールペンの前部本体の中には、弾力性がある線毛が設けられている。線毛は、前部本体の開口から外側に露出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭48-041493号公報
【特許文献2】実開昭60-060289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常の櫛は、前髪のような狭い範囲だけでなく、ある程度広い範囲の髪の毛を梳くことができるだけの長さを有する。通常の櫛では、複数の歯が設けられている区間の長さは、10~15cmほどである。
【0006】
他方、本願発明者は、学生がシャツのポケットから櫛を取り出し、前髪を梳いている様子を見て、前髪を梳ける程度の長さの短い櫛でも、学生などの一部の人達には有用であると考えた。そして、そのような短い櫛は、取り扱いがしやすい小型の物品に一体化するのには丁度よい長さでもあり、小型の物品との一体化により新たな価値や魅力を付加することで商品性が向上すると考えた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、前髪を梳ける程度の長さの短い櫛部を具備して、商品性を向上させた物品を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、髪を梳くための複数の歯が、基部から延び出た櫛部と、理容以外の用途に用いられる物品であって、櫛部の基部が外面に一体化された物品本体とを備え、複数の歯が設けられた区間の長さが6cm以下である、櫛付きの物品である。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、物品本体は、棒状の筆記具、又は、筆記具に装着されるキャップである。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、物品本体は、指人形である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、理容以外の用途に用いられる物品の本体に、複数の歯が設けられた区間の長さが6cm以下の櫛部(以下、「短い櫛部」と言う場合がある。)が一体化された、櫛付きの物品である。櫛部は、前髪を梳ける程度の長さを有し、前髪を梳きたい人にとっては十分な長さがある。また、櫛部は、上述したように、取り扱いがしやすい小型の物品に一体化するのには丁度よい長さでもある。ここで、理容以外の用途の物品は、例えば筆記具、指人形である。理容以外の用途の物品として筆記具を選択する場合、使用者は筆記具の使用中に、通常の櫛に持ちかえることなく、当該物品の櫛部を利用して前髪を梳くことができ、使用者にとって便利であり、さらに筆記具で髪を梳くという面白さもある。また、理容以外の用途の物品として指人形を選択する場合、意外性がある組合せで遊び心をくすぐる物品となり、指に差した指人形で髪を梳くという面白さもある。本発明では、前髪を梳きたい人にとっては十分な長さの短い櫛部に対し、理容以外の用途の物品との一体化により、新たな価値や魅力を付加することが可能であり、短い櫛部を利用して、商品性を向上させた物品を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る櫛付きの筆記具(鉛筆)の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る櫛付きの筆記具用キャップの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る櫛付きの指人形の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0014】
本実施形態は、前髪を梳ける程度の長さの短い櫛部10と、櫛部10の基部10aが一体化された物品本体11~13とを備えた、櫛付きの物品1~3である。櫛部10の基部10aは、物品本体11~13の外面に一体化されている。櫛付きの物品1~3では、複数の歯10bの全体が外側に露出する。
【0015】
櫛部10は、基部10aと、基部10aから延びる複数の歯10bとを有し、基部10aが、接着剤などの固定手段15によって、物品本体11~13に一体化されている。なお、櫛部10は、物品本体11~13と同じ材質の場合、物品本体11~13に一体形成されていてもよい。
【0016】
櫛部10では、複数の歯10bが設けられた区間Xの長さが6cm以下である。区間Xの長さには、両端の歯10bの幅が含まれる(図1参照)。区間Xの長さは、5cm以下とすることもできる。
【0017】
物品本体11~13は、理容以外の用途に用いられる物品であって、シャツなどの胸ポケットや筆箱に収納しやすい形状及び大きさの物品から選択することができる。このような物品としては、棒状の物品(例えば筆記具、筆記具の付属品)を挙げることができる。また、このような物品としては、全体が上述の胸ポケットに収まる小型の物品(例えば指人形)を挙げることができる。
【0018】
なお、物品本体11~13は、櫛部10の基部10aが接着される平坦領域を有することが好ましい。この平坦領域の長さは、基部10aの長さ以上とすることで、接着剤15による物品本体11~13への櫛部10の基部10aの接着が容易になる。
【0019】
図1は、櫛付きの物品1の一例として、櫛付きの筆記具1を示す。櫛付きの筆記具1の物品本体11としては、図1に示す鉛筆の他、他のペン(ボールペン、シャープペンシルなど)を選択することができる。櫛付きの筆記具1の場合、棒状の物品11の一端側の側面に、櫛部10の基部10aが直接一体化されている。この場合、使用者は物品本体(筆記具)11の使用中に、通常の櫛に持ちかえることなく、櫛付きの筆記具1の櫛部10を利用して前髪を梳くことができ、使用者にとって便利であり、さらに筆記具で髪を梳くという面白さもある。
【0020】
図2(a)及び図2(b)は、櫛付きの物品2の一例として、櫛付きの筆記具用キャップ2を示す。櫛付きの筆記具用キャップ2の物品本体12は、一端が塞がれた筒状のキャップである。
【0021】
図2(a)では、キャップ(物品本体)12に対し、櫛部10の基部10aが直接一体化されている。図2(b)では、キャップ(物品本体)12に対し、櫛用の収納部16を介して、櫛部10の基部10aが一体化されている。
【0022】
図2(b)について具体的に、櫛部10の基部10aは、櫛用の収納部16に対し、その回転軸16aにおいて回転自在に連結されている。櫛部10は、櫛用の収納部16の溝部16bに収納された収納状態(図2(c)の破線の状態)と、収納状態から櫛部10を約180度回転させた使用可能状態(図2(c)の実線の状態)とに切り替えることができる。
【0023】
図2(a)及び図2(b)の何れの筆記具用キャップ2でも、使用者は、キャップ(物品本体)12を取り付けた筆記具を使用中に、通常の櫛に持ちかえることなく、当該物品1の櫛部10を利用して前髪を梳くことができる。また、筆記具及びその付属品(キャップ)で髪を梳くという面白さもある。
【0024】
図3は、櫛付きの物品3の一例として、櫛付きの指人形3を示す。櫛付きの指人形3の物品本体13としては、図3に示す指人形(小型のフィギュア)を選択することができる。指人形13は中空構造であり、指人形13の下端部には、指を入れる開口13aが形成されている。櫛部10の基部10aは、指人形13の胴部の腹側に固定されている。櫛付きの指人形3は、意外性がある組合せで遊び心をくすぐる物品となり、指に差した指人形13で髪を梳くという面白さもある。
【0025】
[実施形態の効果等]
本実施形態では、前髪を梳きたい人にとっては十分な長さの短い櫛部10に対し、理容以外の用途の物品11~13との一体化により、新たな価値や魅力を付加することが可能であり、短い櫛部10を利用して、商品性を向上させた物品1~3を実現することができる。また、櫛部10が短いために、小型の物品本体に一体化しても、シャツの胸ポケットや筆箱に収納しやすい大きさにすることが可能であり、移動中に櫛部10をすぐ取り出せて使用しやすい物品1~3となる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、物品に対して櫛が付加された櫛付きの物品に適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1~3 櫛付きの物品
10 櫛部
10a 基部
10b 歯
11~13 物品本体
15 固化した接着剤,固定手段
図1
図2
図3