(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110775
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】布団カバー
(51)【国際特許分類】
A47G 9/02 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A47G9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015565
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】浜口 貴司
(72)【発明者】
【氏名】原 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 真也
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA11
3B102BA12
(57)【要約】
【課題】足元を保温しつつ容易に抜け出すことができる布団カバーを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る布団カバー1は、第1方向D1、及び第1方向D1と交差する第2方向D2の双方に延在し、第1方向D1の端部において第2方向D2に延在する第1縁21aを有する本体部2と、第1縁21aに連結され、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する装着部3と、を備え、本体部2は、第2方向D2の両側の第2縁21bのそれぞれに第1連結部22を有し、装着部3は、第2方向D2の両側の第4縁31bのそれぞれに第2連結部32を有し、第1連結部22及び第2連結部32は、第1縁21aを介して装着部3が本体部2に折り返された状態で、互いに着脱可能であり、第1連結部22及び第2連結部32を介して装着部3が本体部2に連結された状態で、装着部3と本体部2との間には開口部が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、前記第1方向の端部において前記第2方向に延在する第1縁を有する本体部と、
前記第1縁に連結され、前記第1方向及び前記第2方向の双方に延在する装着部と、
を備え、
前記本体部は、前記第2方向の両側の縁のそれぞれに第1連結部を有し、
前記装着部は、前記第2方向の両側の縁のそれぞれに第2連結部を有し、
前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記第1縁を介して前記装着部が前記本体部に折り返された状態で互いに着脱可能であり、
前記第1連結部及び前記第2連結部を介して前記装着部が前記本体部に連結された状態で、前記装着部と前記本体部との間には開口部が形成されている、布団カバー。
【請求項2】
前記本体部に連結された前記装着部が下に向けられた状態で前記開口部に前記布団カバーの使用者の足が挿入される掛け布団カバーである、請求項1に記載の布団カバー。
【請求項3】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、面ファスナーによって構成されている、請求項1又は請求項2に記載の布団カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、布団カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長方形状のキルト本体から製造される足袋付きキルト素材の掛け布団が記載されている。キルト本体は、キルト本体の長手方向の一端かつ幅方向の中央部分に形成される第1カット部分と、キルト本体の長手方向の他端かつ幅方向の両端のそれぞれに形成された一対の第2カット部分とを有する。
【0003】
一対の第2カット部分のそれぞれには、合い印が形成されている。一対の第2カット部分からはキルト本体の長手方向に沿って延びる複数の折れ線が形成されている。複数の折れ線のそれぞれに沿ってキルト本体を折り曲げると共に複数の合い印を合わせて縫製を行うことにより、袋状の掛け布団が製造される。この掛け布団は、足を入れることが可能な足袋を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、敷き布団に横たわった人が身体の上に掛け布団を掛ける場合、寝ている間に掛け布団がずれて足元が露出することがあり、寝冷えを生じさせる可能性がある。前述した足袋付きキルト素材の掛け布団は、袋状とされており、袋状の部分に身体の大部分が挿入されて使用されるため、足元の露出は抑制される。よって、足元を保温することは可能である。
【0006】
しかしながら、前述した掛け布団は、袋状とされていることにより、容易に抜け出せないという問題が生じうる。例えば、足袋に足を挿入した掛け布団の使用者が掛け布団から脱け出そうとするときに、足を足袋に引っ掛けてしまうことが懸念される。従って、足元を保温しつつ容易に抜け出すことができることが求められる。
【0007】
本開示は、足元を保温しつつ容易に抜け出すことができる布団カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る布団カバーは、(1)第1方向、及び第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、第1方向の端部において第2方向に延在する第1縁を有する本体部と、第1縁に連結され、第1方向及び第2方向の双方に延在する装着部と、を備える。本体部は、第2方向の両側の縁のそれぞれに第1連結部を有する。装着部は、第2方向の両側の縁のそれぞれに第2連結部を有する。第1連結部及び第2連結部は、第1縁を介して装着部が本体部に折り返された状態で互いに着脱可能である。第1連結部及び第2連結部を介して装着部が本体部に取り付けられた状態で、装着部と本体部との間には開口部が形成されている。
【0009】
この布団カバーは、第1方向及び第2方向の双方に延在する本体部を備える。よって、本体部が使用者の身体を覆うことによって、使用者の身体を保温することができる。また、第1連結部及び第2連結部は、第1縁を介して装着部が本体部に折り返された状態で、互いに連結することが可能である。第1連結部及び第2連結部を介して装着部が本体部に連結された状態で、装着部と本体部との間には開口部が形成されている。よって、使用者は、開口部に足を通すことにより、本体部と装着部との間の部分に足を差し込むことができるので、本体部と装着部の間で足元を保温することができる。使用者が本体部と装着部との間の部分に足を差し込んだ状態で睡眠時に身体を動かしても、足を本体部及び装着部の間から抜けにくくできるので、身体から布団カバーがずれることを抑制できる。また、装着部の第2連結部は本体部の第1連結部から外すことが可能である。よって、足を本体部と装着部との間に差し込んだ状態で、使用者が布団から脱け出そうとするときに、第2連結部を第1連結部から外すことにより、本体部から装着部を外すことができる。これにより、本体部と装着部との間から容易に足を抜き出すことができるので、使用者の足が引っ掛かることを抑制すると共に容易に抜け出すことができる。
【0010】
(2)上記(1)において、布団カバーは、本体部に連結された装着部が下に向けられた状態で開口部に布団カバーの使用者の足が挿入される掛け布団カバーであってもよい。この場合、布団カバーは掛け布団カバーであるので、布団カバーを掛け布団に取り付けることができる。また、本体部に連結された装着部が下に向けられた状態で開口部が形成される。よって、布団カバーの使用者が開口部に足を差し込んだときに、足の下に装着部が配置され、使用者の身体の上に本体部が配置される。これにより、使用者の身体の上に掛け布団が配置された状態で開口部に足が挿入されるので、掛け布団によって使用者の身体を保温しつつ足元の保温性をより高めることができる。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)において、第1連結部及び第2連結部は、面ファスナーによって構成されていてもよい。この場合、第1連結部及び第2連結部は、互いに着脱することが容易になる。面ファスナーは、ボタン等と比較して、着脱を一層容易に行える。よって、足を本体部と装着部との間に差し込んだ状態で、使用者が布団カバーから脱け出そうとするときに、装着部の第2連結部を本体部の第1連結部から一層容易に外すことができる。これにより、使用者の足が引っ掛かることをより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る布団カバーによれば、足元を保温しつつ容易に抜け出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る布団カバーの平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る布団カバーの装着部が折り返されている状態を示す布団カバーの平面図である。
【
図3】
図3は、装着部が折り返されて本体部の第1連結部に装着部の第2連結部が連結されて形成された開口部を示す布団カバーの平面図である。
【
図4】
図4は、布団カバーの使用者が布団カバーを使用しているときの状態の例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る布団カバーの平面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る布団カバーの装着部が折り返されている状態を示す布団カバーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本開示に係る布団カバーの実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る布団カバー1の平面図である。
図2は、第1実施形態に係る布団カバー1の装着部3が折り返されている状態を示す布団カバー1の平面図である。
図3は、装着部3が折り返されて本体部2の第1連結部22に装着部3の第2連結部32が連結されて形成された開口部Aを示す布団カバー1の平面図である。布団カバー1は、布団を覆うカバーである。布団カバー1は、例えば、掛け布団を覆う掛け布団カバーである。本実施形態において、「掛け布団」とは、掛け布団カバーに覆われる掛け布団本体を示している。
【0016】
布団カバー1は、展開状態において矩形状を呈する。本実施形態では、本体部2に装着部3が折り返されておらず本体部2から装着部3が第1方向D1に延び出している状態を「展開状態」又は「展開された状態」と称する。布団カバー1は、使用者が仰向けになっている状態において使用者の足から使用者の頭に向かう方向である第1方向D1と、使用者が仰向けになっている状態において使用者の一方の肩から使用者の他方の肩に向かう方向である第2方向D2との双方に延在している。第1方向D1は、布団カバー1の長手方向である。第2方向D2は、布団カバー1の幅方向である。「使用者」は、自らの身体に布団カバーを接触させる人を示しており、本実施形態では自らの身体に掛け布団を掛ける人を示している。
【0017】
布団カバー1は、布団を覆う本体部2と、本体部2に取り付けられる装着部3とを備える。装着部3は、本体部2から第1方向D1に延長する布団カバー1の部分であって、本体部2に対して折り返すことが可能な部位である。
【0018】
本体部2は、矩形状を呈する。本体部2は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する。本体部2は、掛け布団を覆う側地21と、装着部3の後述する第2連結部32が連結される第1連結部22とを有する。
【0019】
側地21は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する。側地21は、布団カバー1の使用者を布団カバー1が覆った状態で外側に露出している表地と、表地と反対側を向く裏地とを有する。表地の外縁と、裏地の外縁とは互いに縫製されている。側地21は、表地と裏地との間に形成される内部空間を有する。側地21の内部空間には、掛け布団が収容される。側地21の内部空間に掛け布団が収容された状態で側地21は掛け布団を覆っている。側地21は、保温性を有する素材によって構成されていてもよい。側地21は、例えば、布帛によって構成されている。側地21は、綿ブロードによって構成されていてもよい。側地21は、足元を保温する暖かカバーの生地であってもよく、例えば、ポリエステル(ニット系)、ポリエステル(マイクロファイバー)、アクリルマイヤー、又は綿マイヤー等であってもよい。これらの生地は、足元を保温する点でより一層有効である。側地21は、第1方向D1の端部に位置する第1縁21aと、第2方向D2の端部に位置する第2縁21bとを有する。第1縁21aは、第2方向D2に延在している。第2縁21bは、第1方向D1に延在している。
【0020】
第1連結部22は、側地21に固定されている。本体部2は、複数の第1連結部22を有する。複数の第1連結部22は、側地21の第2方向D2の端部に位置する第2縁21bに配置されている。各第2縁21bにおいて、複数の第1連結部22は、第1方向D1に沿って互いに間隔を空けて配列されている。本体部2は、例えば、各第2縁21b上において4個の第1連結部22を有する。但し、各第2縁21b上において本体部2が有する第1連結部22の数は、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよく特に限定されない。
【0021】
本体部2は、装着部3が装着される被装着部21dと、装着部3が装着されない部分であって被装着部21dから第1方向D1に延在する延在部21cとを有し、延在部21cは被装着部21dから見て装着部3とは反対側に位置する。被装着部21dは、折り返された装着部3が載せられる部分である。例えば、被装着部21dの第1方向D1の長さは、延在部21cの第1方向D1の長さよりも短い。第1連結部22は、本体部2の被装着部21dに配置されており、本体部2の延在部21cには配置されていない。例えば、第1連結部22は、本体部2の装着部3側の部分である被装着部21dのみに配置されている。
【0022】
第1連結部22は、例えば、面ファスナーによって構成されている。第1連結部22は、他の連結部(例えば装着部3の後述する第2連結部32)に嵌合する微細な凹凸を有する面ファスナーであってもよい。この場合、第1連結部22は、平板と、平板の一方の面から突出した複数の突起とを含んでいてもよい。一例として、第1連結部22は、ブロックテーピー(登録商標)であってもよい。しかしながら、第1連結部22は、面ファスナー以外のものであってもよい。例えば、第1連結部22は、スナップボタン又はマグネットであってもよい。
【0023】
装着部3は、矩形状を呈する。装着部3は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する。装着部3は、側地21の第1縁21aに連続している。すなわち、装着部3の第1方向D1の縁は、側地21の第1縁21aと一致する。装着部3は、第1縁21aを介して折り返される。装着部3は、後述する開口部Aを形成する布部31と、第1連結部22に連結される第2連結部32とを有する。
【0024】
布部31は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する。布部31は、例えば、側地21を構成する素材と同じ素材によって構成されている。布部31は、例えば、布帛によって構成されている。但し、布部31は、側地21を構成する素材と異なる素材によって構成されていてもよい。布部31は、例えば、綿ブロードによって構成されていてもよい。布部31は、綿ブロード以外によって構成されていてもよく、例えば、ポリエステル(ニット系)、ポリエステル(マイクロファイバー)、又はアクリルニューマイヤー等によって構成されていてもよい。布部31は、第1方向D1の端部であって本体部2からより遠い位置において第2方向D2に延在する第3縁31aと、第2方向D2の両側の縁である第4縁31bとを有する。
【0025】
第2連結部32は、布部31に固定されている。装着部3は、複数の第2連結部32を有する。複数の第2連結部32は、布部31の第2方向D2の両側の第4縁31bに配置されている。布部31の第1方向D1の長さは、例えば、前述した本体部2の被装着部21dの第1方向D1の長さと同一である。例えば、第4縁31bの一端から他端まで複数の第2連結部32が互いに間隔を空けて配列されている。
【0026】
各第4縁31bにおいて、複数の第2連結部32は、第1方向D1に沿って互いに間隔を空けて配列されている。装着部3は、例えば、第1連結部22の数と等しい数の第2連結部32を有する。各第4縁31bにおいて互いに隣り合う第2連結部32同士の間隔は、各第2縁21bにおいて互いに隣り合う第1連結部22同士の間隔と同一である。第2連結部32は、例えば、面ファスナーによって構成されている。しかしながら、第2連結部32の種類は、第1連結部22と同様、適宜変更可能である。
【0027】
布団カバー1が展開された状態では、布部31の第2連結部32が配置されている面は、側地21の第1連結部22が配置されている面と同じ側を向く。第1連結部22及び第2連結部32は、第1縁21aを介して装着部3が本体部2に折り返された状態で互いに着脱可能である。第1連結部22に第2連結部32が連結されることによって、例えば、各第2縁21bに各第4縁31bが接触する。第1連結部22に第2連結部32が連結されることによって、装着部3は本体部2に取り付けられる。第1連結部22から第2連結部32が外されることによって、装着部3は本体部2から外される。
【0028】
第1連結部22及び第2連結部32は、互いに着脱が容易な素材によって構成されている。例えば、第2連結部32は、布部31の面内方向には外れにくく布部31の面外方向(布部31の厚さ方向)には外れやすい素材によって構成されていてもよい。すなわち、第1連結部22に対する第2連結部32の面内方向への接合力は、第1連結部22に対する第2連結部32の面外方向への接合力よりも強い。この場合、本体部2に対して、装着部3を当該面内方向にずれにくくすることができると共に、装着部3を当該面外方向に容易に外すことができる。
【0029】
装着部3が本体部2に取り付けられた状態で、本体部2の第1方向D1の長さに対する本体部2のうち装着部3と向かい合っている部分(前述した被装着部21d)の第1方向D1の長さの割合は、例えば、20%以上且つ70%以下である。当該割合は、20%以上且つ60%以下であってもよい。
【0030】
装着部3が本体部2に取り付けられた状態で、本体部2と装着部3との間には内部空間が形成される。上記内部空間は、側地21と布部31とによって画定される。装着部3が本体部2に取り付けられた状態で、装着部3と本体部2との間には開口部Aが形成される。開口部Aは、上記内部空間への出入口である。開口部Aは、布部31の第3縁31aと側地21とによって画定される。開口部Aは、第2方向D2、及び第1方向D1と第2方向D2との双方と交差する第3方向D3の双方に延在する。
【0031】
開口部Aには、使用者の足を差し込むことが可能とされている。開口部Aは、例えば、使用者の両足が差し込まれた態で、使用者が寝返りをうつことができる大きさである。開口部Aは、例えば、使用者が寝返りをうったときに使用者の動きに本体部2及び装着部3が追従しない程度の大きさである。例えば、開口部Aの第2方向D2の長さは、布団カバー1の第2方向D2の長さと同程度である。開口部Aを介して、布団カバー1の使用者は上記内部空間に足を差し込むことができる。
【0032】
例えば、開口部Aには仰向けになった使用者の両足を差し込むことが可能である。この場合、開口部Aの第2方向D2の長さは、例えば、成人である使用者の開いていない両足の左端から右端までの長さより長い。また、使用者は、両足を開口部Aに差し込んだ状態で寝返りをうつことができる。よって、開口部Aの第3方向D3における長さの最大値(開口部Aを第3方向D3に最も広げたときの開口部Aの第3方向D3の長さ)は、例えば、成人である使用者の横向き寝の状態における両足の第3方向D3への長さよりも長い。
【0033】
次に、
図4を参照しながら、使用者Uが布団カバー1を使用しているときの状態の例を説明する。
図4は、布団カバー1の使用者Uが布団カバー1を使用しているときの状態の例を示す平面図である。以下では、使用者Uが、不図示の敷き布団上で仰向けになった状態における布団カバー1の使用方法を説明する。しかしながら、布団カバー1の使用方法は、使用者Uが仰向けになるときに限定されず、例えば、使用者Uは、横向き寝になった状態、及びうつ伏せになった状態で布団カバー1を使用してもよい。
【0034】
例えば、頭が載せられる枕Pと布団カバー1とが第1方向D1に沿って並ぶように配列されている。
図4では、第1連結部22に第2連結部32が連結されて装着部3が本体部2に取り付けられている。装着部3は下(敷き布団側)に向けられている。本体部2のうち、装着部3と向かい合っている部分は、本体部2のうち、装着部3と向かい合っている部分以外の部分よりも使用者Uの頭から遠くに配置されている。すなわち、本体部2の被装着部21dは、本体部2の延在部21cよりも使用者Uの足側に位置する。掛け布団カバーである布団カバー1では、装着部3が下に向けられた状態で開口部Aに使用者の足を入れることが可能である。
【0035】
使用者Uは、装着部3と本体部2(被装着部21d)とによって画定される内部空間に両足を差し込む。使用者Uは、本体部2のうち、装着部3と向かい合っている部分以外の部分(延在部21c)を使用者の上半身に被せる。そして、使用者Uは、自らの頭を枕Pに載置する。これにより、使用者Uは、身体のうち首上以外の部分に本体部2を被せるとともに、装着部3と本体部2によって画定される内部空間に両足を差し込むことができる。
【0036】
続いて、第1実施形態に係る布団カバー1の作用効果について説明する。この布団カバー1は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する本体部2を備える。よって、本体部2が使用者Uの身体を覆うことによって、使用者Uの身体を保温することができる。また、第1連結部22及び第2連結部32は、第1縁21aを介して装着部3が本体部2に折り返された状態で、互いに連結することが可能である。第1連結部22及び第2連結部32を介して装着部3が本体部2に連結された状態で、装着部3と本体部2との間には開口部Aが形成されている。よって、使用者Uは、開口部Aに足を通すことにより、本体部2と装着部3との間の部分に両足を差し込むことができるので、本体部2と装着部3との間で足元を保温することができる。
【0037】
使用者Uが本体部2と装着部3との間の部分に足を差し込んだ状態で睡眠時に身体を動かしても、足を本体部2及び装着部3の間から抜けにくくできるので、身体から布団カバー1がずれることを抑制できる。また、装着部3の第2連結部32は本体部2の第1連結部22から外すことが可能である。よって、足を本体部2と装着部3との間に差し込んだ状態で、使用者が布団から脱け出そうとするときに、第2連結部32を第1連結部22から外すことにより、本体部2から装着部3を外すことができる。これにより、本体部2と装着部3との間から容易に足を抜き出すことができるので、使用者Uの足が引っ掛かることを抑制すると共に容易に抜け出すことができる。
【0038】
また、開口部Aは、使用者Uが寝返りをうったときに使用者Uの動きに本体部2及び装着部3が追従しない程度の大きさである。よって、使用者Uが寝返りをうったとしても、使用者Uの動きに本体部2及び装着部3が追従しない。これにより、本体部2及び装着部3の意図しない移動が抑制される。その結果、身体から布団カバー1がずれることを抑制できる。
【0039】
布団カバー1は、本体部2に連結された装着部3が下に向けられた状態で開口部Aに布団カバー1の使用者Uの足が挿入される掛け布団カバーである。布団カバー1は掛け布団カバーであるので、布団カバー1を掛け布団に取り付けることができる。また、本体部2に連結された装着部3が下に向けられた状態で開口部Aが形成される。よって、布団カバー1の使用者Uが開口部Aに足を差し込んだときに、足の下に装着部3が配置され、使用者Uの身体の上に本体部2が配置される。これにより、使用者Uの身体の上に掛け布団が配置された状態で開口部Aに足が挿入されるので、掛け布団によって使用者Uの身体を保温しつつ足元の保温性をより高めることができる。
【0040】
本実施形態において、第1連結部22及び第2連結部32は、面ファスナーによって構成されている。従って、第1連結部22及び第2連結部32は、互いに着脱することが容易になる。面ファスナーは、ボタン等と比較して、着脱を一層容易に行える。よって、両足を本体部2と装着部3との間に差し込んだ状態で、使用者Uが布団カバー1から脱け出そうとするときに、装着部3の第2連結部32を本体部2の第1連結部22から一層容易に外すことができる。これにより、使用者Uの足が引っ掛かることをより確実に抑制できる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る布団カバーについて
図5及び
図6を参照しながら説明する。第2実施形態に係る布団カバー1Aの一部の構成は、布団カバー1の一部の構成と重複するため、以降では、布団カバー1の内容と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。
図5は、第2実施形態に係る布団カバー1Aの平面図である。
図6は、第2実施形態に係る布団カバー1Aの装着部3Aが折り返されている状態を示す布団カバー1Aの平面図である。布団カバー1Aは、本体部2Aと、本体部2Aに取り付けられる装着部3Aとを備える。
【0042】
本体部2Aは、側地21と、装着部3Aの後述する第2連結部32Aが連結される第1連結部22Aとを有する。本体部2Aは、第2方向D2に沿って並ぶ一対の第1連結部22Aを有する。一対の第1連結部22Aのそれぞれは、例えば、各第2縁21bにおける第1方向D1の中央に配置されている。第1連結部22Aは、側地21に向かって開放されたU字状を呈する。
【0043】
第1連結部22Aは、線状の部材である。第1連結部22Aの両端のそれぞれは、側地21に連結されている。第1連結部22Aの一端及び他端は第1方向D1に沿って並んでおり、第1連結部22Aの一端と他端との間に第3方向D3と交差する開口が形成されている。第1連結部22Aが延在する方向と直交する第1連結部22Aの断面は、円形状を呈する。第1連結部22Aは、例えば、樹脂又は金属によって構成されている。本実施形態では、第1連結部22Aは、樹脂テープによって構成されている。第1連結部22Aは、布製の紐によって構成されていてもよいし、ゴムによって構成されていてもよく、第1連結部22Aの種類は適宜変更可能である。
【0044】
装着部3Aは、布部31と、第1連結部22Aに連結される第2連結部32Aとを有する。装着部3Aは、第2方向D2に沿って並ぶ一対の第2連結部32Aを有する。一対の第2連結部32Aのそれぞれは、各第4縁31bと第3縁31aとが交差する部分に配置されている。すなわち、各第2連結部32Aは、矩形状を呈する布部31の隅部に位置する。第1縁21aから第2連結部32Aまでの距離は、例えば、第1縁21aから第1連結部22Aまでの距離と同一である。
【0045】
第2連結部32Aは、例えば、布部31に連結された帯状部材と、帯状部材を第1連結部22Aに連結させる連結部材とを有する。帯状部材は、例えば、長方形状を呈する。連結部材は、帯状部材の一端及び他端のそれぞれに配置されている。例えば、連結部材は、帯状部材の一端に配置されたオス側のスナップボタンと、帯状部材の他端に配置されたメス側のスナップボタンである。オス側のスナップボタンは、メス側のスナップボタンに着脱可能である。帯状部材は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する2つの面を有し、オス側のスナップボタン及びメス側のスナップボタンは、上記2つの面のうちの一方の面に配置されている。第2連結部32Aの連結部材は、オス側のスナップボタン、又はメス側のスナップボタン以外のものであってもよく、例えば、面ファスナー又はマグネットであってもよい。
【0046】
第2連結部32Aが第1連結部22Aに取り付けられるときの機構を説明する。第1連結部22Aが側地21に連結されることによって形成されている開口に、第2連結部32Aの帯状部材が挿通される。第2連結部32Aの帯状部材が上記開口に挿通された状態で、U字状の第1連結部22Aに第2連結部32Aの帯状部材が巻き付けられるとともに、第2連結部32Aの一対の連結部材(例えば、オス側のスナップボタン及びメス側のスナップボタン)が互いに連結する。これにより、第1連結部22Aに第2連結部32Aが連結されて本体部2Aに装着部3Aが装着される。本体部2Aから装着部3Aを外すときには、第2連結部32Aの一対の連結部材を外す(例えば、メス側のスナップボタンからオス側のスナップボタンを外す)とともに、第2連結部32Aの帯状部材を第1連結部22Aの上記開口から抜き取ることによって、第1連結部22Aから第2連結部32Aが外される。
【0047】
第2実施形態に係る布団カバー1Aの作用効果について説明する。一対の第2連結部32Aのそれぞれは、各第4縁31bと第3縁31aとが交差する部分(布部31の隅部)に配置されている。よって、第2連結部32Aが第1連結部22Aに連結された状態で、第4縁31bの第1方向D1の端部(布部31の隅部)以外の部分は、本体部2Aに接続されていない。従って、第2縁21bと第4縁31bとの間に隙間が形成されるので、使用者は適度に涼しさを感じることができる。
【0048】
以上、本開示に係る布団カバーの種々の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【0049】
前述したように、第1連結部22及び第2連結部32は、面ファスナー以外のものによって構成されていてもよい。第1連結部22及び第2連結部32のそれぞれは、例えば、輪状に突出する複数のパイル部を有する第1固定部材及び第2固定部材によって構成されてもよい。第1固定部材は、第1パイル部を有してもよい。第2固定部材は、第2パイル部を有してもよい。第1パイル部及び第2パイル部は、柔軟性が高い糸の集合体によって構成されてもよい。第1固定部材に設けられた複数の第1パイル部と、第2固定部材に設けられた複数の第2パイル部とは、粗さ及び配置間隔が互いに異なってもよい。この場合、第1固定部材と第2固定部材とを互いに接触させることによって、複数の第1パイル部における柔らかい糸の集合体と、複数の第2パイル部における柔らかい糸の集合体とが互いに引っ掛かって絡み合う。これにより、第1連結部22と第2連結部32とは互いに連結される。従って、第1連結部22と第2連結部32とを互いに連結することが容易になる。
【0050】
装着部3の第4縁31bの一部は、本体部2の第2縁21bに縫製されていてもよい。第1縁21aの付近において、装着部3の少なくとも一部が本体部2に縫製されていてもよい。
【0051】
開口部Aの環状部に沿って紐状部材が挿入されていてもよい。紐状部材は、ゴムによって構成されていてもよい。この場合、本体部2と装着部3との間に形成された内部空間から足をより一層抜けにくくすることができる。
【0052】
掛け布団カバーである布団カバー1の開口部Aは、使用者Uの足と共に敷き布団を差し込むことができる大きさであってもよい。この場合、敷き布団を開口部Aに差し込むことができるので、布団カバー1は敷き布団から離れ難くなる。使用者Uが本体部2と敷き布団との間に位置した状態で、足を開口部Aに差し込むことによって、使用者Uは敷き布団から離れ難くなる。
【符号の説明】
【0053】
1,1A…布団カバー、2,2A…本体部、3,3A…装着部、21…側地、21a…第1縁、21b…第2縁、21c…延在部、21d…被装着部、22,22A…第1連結部、31…布部、31a…第3縁、31b…第4縁、32,32A…第2連結部、A…開口部、P…枕、U…使用者。